JP5042473B2 - 硬化性樹脂組成物用粒状有機フィラー並びに、当該粒状有機フィラーが添加された硬化性樹脂組成物及び液状レジストインキ - Google Patents
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従来、高分子と溶媒からなる2相高分子溶液における相分離は、温度クエンチにより、系は不安定化し、スピノーダル分解を経て最終的には界面張力が支配し、高分子リッチ相は球形、溶媒リッチ相は連続マトリックス相となる海島構造を生じるものとされてきた。しかしながら、最近の研究により、特に、各々の相の分子ダイナミックスに極端に差がある系、例えばポリスチレン(ガラス転移度100℃)とポリビニルメチルエーテル(ガラス転移度−23℃)のブレンド系の相分離では、2相分離が遅く、過渡状態で特異な3次元連続構造が生成することが、実験により確認されている。また、このような系についての相分離の3次元理論シミュレーションによる実験との整合も行われており(Takeaki Araki, Hajime Tanaka, Macromolecules, 34, 1953 (2001))、このような動的に非対称な系では、体積変形に関わるバルク弾性率および分子間のずれ変形に対応するずり弾性率とそれらの緩和、即ち、粘弾性効果が大きな影響をもつ。そのため粘弾性相分離現象と呼ばれるもので、実用的には、発泡ウレタンフォームや 溶媒気化による多孔分離膜の成形も粘弾性相分離の応用である。また、上記の過渡的3次元構造の緩和時間τは、田中らにより次の関係で与えられている(Hajime Tanaka, Takeaki Araki, Physical Review Letters, 78,4966 (1997)。
τ=μ×R/γ (μ:粘度、R:ドメインサイズ、γ:界面張力)
架橋剤と希釈剤の系は、経時的に分子量が増大していく高分子溶液とみなせるので、本発明では、前式の関係に着目し、クロロベンゼンと少量の超高分子量ポリスチレンからなる高粘度のポリマーポロゲンを使用して相分離までの時間を遅らせ、その間に過渡的連続構造を架橋により固定化した。
促進し、強度を高めるなどの効果を発揮するものとなる。
た。
下記の各合成例で得られた試料を、固形分について10mg/mLとなる様にTHF溶液に調製し、各々インジェクション量100μLにて、下記条件で測定した。
GPC測定装置:昭和電工社製SHODEX SYSTEM 11
カラム:SHODEX KF−800P、KF−805、KF−803及びKF−801の4本直列
移動層:THF
流量:1mL/分
カラム温度:45℃
検出器:RI
換算:ポリスチレン
部分ケン化ポリ酢酸ビニル(重合度1700、ケン化度88モル%、日本合成化学工業(株)製、商品名「ゴーセノールGH−17」)200gを1774gの水に溶解してから、20gのN−メチル−4−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウムメトサルフェートを加え、6gの85%リン酸を添加し、80℃で7時間反応させ、ポリビニルアルコール系重合体のスチリルピリジニウム基付加物の感光性樹脂水溶液(S−1)を得た。
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、メタクリル酸20部、メチルメタクリレート80部、メチルエチルケトン100部、ラウリルメルカプタン0.5部、アゾビスイソブチロニトリル4部を加え、窒素気流下に加熱し、75℃において5時間重合を行ない、50%共重合体溶液を得た。
上記50%共重合体溶液に、ハイドロキノン0.05部、グリシジルメタクリレート15部、ジメチルベンジルアミン2.0部を加え、80℃で空気を吹き込みながら24時間付加反応を行なった後、メチルエチルケトン13部を加えて50%感光性プレポリマー溶液(P−1)を得た。得られた感光性プレポリマーの重量平均分子量は15000、酸価は62mgKOH/gであった。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量214、大日本インキ化学工業社製、商品名「エピクロンN−680」)214部をメチルエチルケトン60部に加熱溶解したものに、撹拌下に空気を吹き込みながらアクリル酸74部、ハイドロキノン0.1部及びジメチルベンジルアミン2.0部を加え、常法により80℃で24時間反応させた。この反応液を冷却した後、メチルエチルケトン136及びテトラヒドロ無水フタル酸76部を加え、80℃に加熱して撹拌下に約10時間反応させ、65%感光性プレポリマー溶液(P−2)を得た。得られた感光性プレポリマーの重量平均分子量は12000、酸価は77mgKOH/gであった。
分子量384万のポリスチレン70mgをクロロベンゼン1.86mlに溶解した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル10mgを添加し、さらにグリセリンジメタクリレート (GDMA)1mlを添加して溶解した。この溶液をアルゴンガスで10分間バブリングし、密封した後、60℃にて24時間重合反応を行った。作製したバルク状重合体をTHFで浸漬することによって洗浄し、2日間40℃にて乾燥した後、粉砕機により粒子状にした。
合成例4のGDMAをエチレンジメタクリレート(EDMA)に、また、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリルとした以外は、合成例4に準じて重合、洗浄および乾燥を行い、粒子状に破砕した。
合成例1の感光性樹脂水溶液(S−1)350g、50%感光性プレポリマー溶液(P−1)480g、イルガキュアー907(チバ・ガイギー社製の光重合開始剤)36g、2,4−ジイソプロピルチオキサントン4g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート42g、シリカ(平均粒径1μ以下)150g、スピロンブルー(保土ヶ谷化学社製の染料)5g、合成例4のモノリス有機粒子(M−1)15g、水272g。
合成例1の感光性樹脂水溶液(S−1)350g、65%感光性プレポリマー溶液(P−2)370g、イルガキュアー907(チバ・ガイギー社製の光重合開始剤)36g、2,4−ジイソプロピルチオキサントン4g、YX 4000(油化シェルエポキシ社製のエポキシ当量195のエポキシ化合物)80g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 42g、シリカ(平均粒径1μ以下)126g、硫酸バリウム84g、フタロシアニングリーン4g、メラミン8g、合成例4のモノリス有機粒子(M−1)15g、水272g。
市販のプリント配線板用写真現像型液状ソルダーレジスト(互応化学工業社製のエキレジンPSR−550A(G−57K))100gにモノリス有機粒子(M−1)1.5gを添加し、3段ロールで十分に混合した。
モノリス有機粒子M−1を含まない以外は実施例1と全く同様の組成。
モノリス有機粒子M−1を含まない以外は実施例2と全く同様の組成。
市販のプリント配線板用写真現像型液状ソルダーレジスト(互応化学工業社製のエキレジンPSR−550A(G−57K))をそのままで評価。
1a.評価用テストピースの作成
実施例1及び比較例1の液状エッチングレジストインキにより製造されるプリント配線板の性能を確認するため、下記工程でテストピースを作成した。
〈塗布工程〉
液状エッチングレジストインキを、厚み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積層板にスクリーン印刷により塗布し、基板表面にレジストインキ層を形成させた。
〈予備乾燥工程〉
塗布工程の後、基板表面のレジストインキ層中の溶剤を揮発させるために80℃で予備乾燥を30分行ない、膜厚12μmの乾燥塗膜を得た。
〈露光工程〉
その後、減圧密着型両面露光機(オーク製作所製、「ORC HMW−201GX」)にて、評価パターンを描いたマスクを乾燥塗膜に直接当てがうと共に減圧密着させ、100mJ/cm2の紫外線を照射し基板表面上の乾燥塗膜の選択的露光を行った。
〈現像工程〉
露光工程後の乾燥塗膜において、選択的に未露光となっている部分を、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として60秒間現像することにより除去し、基板上に露光硬化された乾燥塗膜のパターンを形成させた。
1aで得たテストピースについて以下の評価を行った。
〈現像性〉
現像後に未露光部の現像状態を目視で評価した。現像性の評価方法は次の通りである。
×:未露光部においてレジストの色が確認できる状態。
△:レジストの色は確認できないが、レジストの残渣が確認できる状態。
○:レジスト残渣が全く無い状態。
〈残存ステップ段〉
露光テスト用マスク(日立化成工業社製、「ステップタブレットPHOTEC21段」)による現像後の残存ステップ段数を求め、これにより露光感度を評価した。
〈解像性〉
線幅及び線間が共に100μmの平行線で構成されるマスクパターンによって形成されるパターンの線幅を顕微鏡にて測長し、元の線幅からの太りを評価した。元の線幅に近いほど解像性は良いとされる。
1b.評価用テストピースの作成
実施例2,3及び比較例2,3の液状フォトソルダーレジストインキにより製造されるプリント配線板の性能を確認するため、順次下記工程を経ることによりテストピースを作成した。
〈塗布工程〉
各液状フォトソルダーレジストインキを、厚み35μmの銅箔のガラスエポキシ基材からなる銅張積層板及びこれを予めエッチングしてパターンを形成しておいたプリント配線基板の全面にスクリーン印刷により塗布し、基板表面にレジストインキ層を形成させた。
〈予備乾燥工程〉
塗布工程の後、基板表面のレジストインキ層中の溶剤を揮発させるために80℃で予備乾燥を20分行ない、膜厚20μmの乾燥塗膜を得た。
〈露光工程〉
その後、減圧密着型両面露光機(オーク製作所製、「ORC HMW680GW」)にて、評価パターンを描いたマスクを乾燥塗膜に直接当てがうと共に減圧密着させ、400mJ/cm2の紫外線を照射し基板表面上の乾燥塗膜の選択的露光を行った。
〈現像工程〉
露光工程後の乾燥塗膜において、選択的に未露光となっている部分を、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として60秒間現像することにより除去し、基板上に露光硬化された乾燥塗膜のパターンを形成させた。
〈ポストベーク工程〉
現像工程で得られた、露光硬化された乾燥塗膜のパターンが形成されている基板を150℃で30分間加熱し、乾燥塗膜の硬化を行い、テストピースを得た。
1bで得たテストピースについて以下の評価を行った。
〈現像性〉
現像後に未露光部の現像状態を目視で評価した。現像性の評価方法は次の通りである。
×:未露光部においてレジストの色が確認できる状態。
△:レジストの色は確認できないが、レジストの残渣が確認できる状態。
○:レジスト残渣が全く無い状態。
〈残存ステップ段〉
露光テスト用マスク(日立化成工業社製、「ステップタブレットPHOTEC21段」)による現像後の残存ステップ段数を求め、これにより露光感度を評価した。
〈解像性〉
線幅及び線間が共に100μmの平行線で構成されるマスクパターンによって形成されるパターンの線幅を顕微鏡にて測長し、元の線幅からの太りを評価した。元の線幅に近いほど解像性は良いとされる。
〈ハンダ耐熱性〉
フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンドンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテストピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃の溶融ハンダ浴に15秒間浸漬し、その後水洗した。このサイクルを1回又は5回おこなった後の表面白化の程度を観察した。
表面白化の評価方法は次の通りである。
×:著しく白化した。
△:僅かに白化が認められた。
○:異常を生じなかった。
Claims (6)
- ナノメートルサイズの細孔を持ち、粒子の表面及び/或いは細孔内の表面に反応性基を有する有機モノリス体からなる粒状樹脂で、上記粒状樹脂が、少なくとも一つの多重結合を含む単量体を重合して得られたものであり、上記反応性基が、ビニル基、エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれたものであり、これらの反応性基と硬化反応が可能な硬化性樹脂組成物中で使用することを特徴とする粒状有機フィラー。
- 上記単量体が、スチレン、ジビニルベンゼン、グリセロールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートからなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項1記載の粒状有機フィラー。
- 上記粒状有機フィラーが液状レジストインキ用粒状有機フィラーであることを特徴とする請求項1又は2記載の粒状有機フィラー。
- 請求項1又は2記載の粒状有機フィラーが添加されていることを特徴とする、ビニル基、エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基及びイソシアネート基と反応可能な硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の粒状有機フィラーが添加されていることを特徴とする液状レジストインキ。
- 上記粒状有機フィラーの添加量が0.1〜20重量%であることを特徴とする請求項5記載の液状レジストインキ。
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