JP5041742B2 - 粘着テープ貼付け装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車におけるドアサッシュなどの屈曲したワークに粘着テープを貼り付け処理する場合などに利用する粘着テープ貼付け装置に関する。
近年、自動車の製造工程においては、ドアサッシュへの黒色塗装処理に代えて黒色の粘着テープを貼付ける技術が開発されている。例えば、手持ちした粘着テープ貼付け装置をワークに沿って案内移動させながら、セパレータの剥離された粘着テープを貼付けローラでテープ貼付け面に弾性押圧して貼り付けてゆく粘着テープ貼付け装置(粘着テープ貼付け治具)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この粘着テープ貼付け装置(粘着テープ貼付け治具)は、その基部に、ワークのテープ貼付け面である底面における前後および左右に係合される4個の底部ガイドローラと、ワークの左右両側面の前後2箇所に係合される4個の側部ガイドローラとを装備している。また、基部に枢着連結された押圧レバーにワークの上面に弾性押圧される単一の押圧ローラを装着し、底部ガイドローラ群と押圧ローラとでワークを上下に挟持して粘着テープ貼付け装置のワークに対する姿勢を保持している。さらに、側部ガイドローラをワークの左右から係合させることで粘着テープ貼付け装置のワークに対する左右方向での位置決めを行っている。
このようにローラ群による係合案内によって姿勢および位置決めした粘着テープ貼付け装置をワークFに沿って移動させながら、基部の後部に配備した弾性ローラで粘着テープをワークの底面に弾性押圧して貼付けてゆくように構成されている。また、供給される粘着テープは、弾性ローラの手前で屈曲案内されることでそのセパレータが剥離され、基部と摺動板との間に形成された間隙を通して貼付け移動方向前方へ送り出されるように構成されている。
特開2001−115117号公報
粘着テープに使用する基材、粘着剤、およびセパレータの材質に応じて所定の温度範囲の雰囲気下でセパレータが粘着テープから剥離しづらい現象が生じる。この現象の生じる雰囲気下で提案された粘着テープ貼付け装置を利用して粘着テープをワークのテープ貼付け面に貼り付ける場合、セパレータの剥離しきれない状態の粘着テープが貼付けローラに巻き込まれてゆく。すなわち、テープ貼付け面に粘着テープを精度よく貼り付けることができないといった問題ある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、粘着テープからセパレータを安定した状態で剥離し、粘着テープをテープ貼付け面に精度よく貼り付けることのできる粘着テープ貼付け装置を提供することを主たる目的とする。
そこで、この発明は、上記目的を達成するために次のような構成をとる。
すなわち、第1の発明は、ワークに沿って前進移動させながら粘着テープを貼付けローラに供給し、この粘着テープをワークのテープ貼付け面に押圧して貼付けてゆく粘着テープ貼付け装置であって、
前記ワークのテープ貼付け面に沿って移動操作される本体に、前記テープ貼付け面と異なったワーク外面に係合してワークに対する前記本体の位置決めおよび姿勢保持を行うガイド部材と、
セパレータの剥離された粘着テープを巻回案内した状態でワークの前記テープ貼付け面に粘着テープを押圧して貼り付ける弾性変形可能な貼付けローラと、
移動方向の前方向から後方向に先細になるテーパー状であり、一方のテーパー面が前記貼付けローラに間隔をおいて対向するとともに、他方のテーパー面が剥離された前記セパレータを粘着テープ貼付け移動方向とは異なる方向に排出案内するセパレータ案内面であり、対向する前記貼付けローラの粘着テープ送り込み側の頂点にテーパー状の先端を臨設し、その先端が貼付けローラの半径の1/2以内に位置するように配備されたセパレータガイドと、
前記貼付けローラに送り込まれる粘着テープの離脱を防止するテープガイドと、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) 上記構成によると、ガイド部材によって位置および姿勢が確保された状態の粘着テープ貼付け装置をワークに沿って移動させることで、テープ供給ローラを介して粘着テープが貼付けローラに案内供給され、貼付けローラによって押圧された粘着テープがワークのテープ貼付け面に連続して貼り付けられてゆく。また、粘着テープが貼付けローラへの巻回によって方向転換されて貼付けローラに導かれるのに対して、セパレータは方向転換されることなくテープ巻回部位において剥離されてセパレータガイドに向けて移動し、そのセパレータ案内面に案内されてテープ貼付けの邪魔にならない方向に排出されてゆく。
このとき、貼付けローラの粘着テープ送り込み側頂点にセパレータ案内面の先端を臨設し、その先端が貼付けローラの半径の1/2以内に位置するようにセパレータガイドが配備されているので、貼付けローラとセパレータ案内面とによって形成される間隙が狭くなる。したがって、セパレータが剥離されない状態で撓みながら粘着テープと一緒に貼付けローラに送り込まれそうになるとき、セパレータガイドの先端によって送り込みが規制される。さらに、セパレータガイドの先端が貼付けローラの頂点に臨設しているので、粘着テープからセパレータを積極的に剥離することができる。すなわち、ワークのテープ貼付け面に粘着テープを精度よく貼り付けることができる。
上記第1の発明において、セパレータガイドは、セパレータの排出方向に沿ってガイド面が湾曲した構成であることが好ましく(請求項2)、また、粘着テープからセパレータが剥離される剥離位置を通り、ワークの粘着テープ貼付け面と平行な仮想線と、剥離位置からセパレータ案内面の先端に向けて引いた仮想線とがなす開き角が鋭角になるよう構成することが、さらに好ましい(請求項3)。
この記構成によると、セパレータガイドの先端を鋭角にすることができる。つまり、粘着テープからセパレータを剥離するときの両部材の開き各(剥離角度)を小さくすることができるので、粘着テープからセパレータを小さい剥離力で剥離することができる。したがって、剥離力の作用によって発生する粘着テープの伸びや変形などが抑制され、テープ貼付け面に粘着テープを精度よく貼り付けることができる。
第4の発明は、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、
前記セパレータガイドは、前記貼付けローラに対向するセパレータ案内作用姿勢と、貼付けローラから大きく離間した開放姿勢とに切換え可能に構成した
ことを特徴とする。
(作用・効果) 上記構成によると、貼付け作業の当初において、粘着テープをテープガイドを経由して貼付けローラに導くことになる。しかしながら、この場合、貼付けローラに近接して対向するセパレータガイドを開放姿勢に切換えておくことで、粘着テープの巻き掛けセッティングおよびセパレータの剥離操作を広い空間で容易に行うことができる。
第5の発明は、上記第5の発明において、
前記セパレータガイドは、テープ貼付け移動方向に沿った前後向き支点周りに回動自在に支持されていることを特徴とする。
(作用・効果) この記構成によると、開放姿勢に切換え揺動されたセパレータガイドは粘着テープ貼付け装置の横外方に大きく離れることになり、貼付けローラの前方および横外側方が大きく開放される。したがって、粘着テープの巻き掛けセッティングおよびセパレータの剥離操作を広い空間で容易に行うことができる。
第6の発明は、上記第4または第5の発明において、
前記セパレータ案内作用姿勢の前記セパレータガイドを安定保持して、前記開放姿勢への切換えに操作抵抗をもたらす姿勢保持手段を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) 上記構成によると、セパレータ案内作用姿勢にあるセパレータガイドは不用意に開放側に移動することがなく、貼付け操作中は所望のセパレータ案内作用を的確に発揮する。
第7の発明は、上記第6の発明において、
前記開放姿勢の前記セパレータガイドを安定保持して、前記セパレータ案内作用姿への切換えに操作抵抗をもたらす姿勢保持手段を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) 上記構成によると、開放姿勢にあるパレータガイドは不用意にテープ供給ローラに接近移動することがなく、粘着テープのセッティング操作の邪魔になることがない。
第8の発明は、上記第6または第7の発明において、
前記姿勢保持手段を、弾性後退可能なボールを係合穴に弾性係合させるデテント機構で構成したことを特徴とする。
(作用・効果) 上記構成によれば、セパレータ案内作用姿勢あるいは開放姿勢にあるパレータガイドは、多少の外力では動くことなくその姿勢に安定保持される。つまり、セパレータガイドに設定以上の操作力をかけると、ボールの弾性後退によって姿勢保持機能が解除されてセパレータガイドを所望の方向に移動させることができる。この場合、後退移動したボールは相手部材の表面を点接触で移動するので、セパレータガイドを軽く移動させることができる。
第9の発明は、上記第1ないし第5のいずれかの発明において、
前記セパレータガイドを前記セパレータ案内作用姿勢に位置決めする当接手段を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) この構成によれば、開放姿勢のセパレータガイドを動けなくまで無造作に復帰移動させるだけで所定のセパレータ案内作用姿勢に正しく位置決めすることができ、粘着テープのセッティング後のセパレータガイド復帰操作を速やかに行うことができ、取り扱い性に優れたものとなる。
この粘着テープ貼付け装置によると、粘着テープからセパレータを確実に剥離した状態で粘着テープを貼付けローラに送り込むことができるので、ワークのテープ貼付け面に粘着テープを精度よく貼り付けることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は本発明に係る粘着テープ貼付け装置AをワークWに装着した状態の斜視図、図2はその正面図、図3はその横断平面図、図4および図5は粘着テープ貼付け装置の側面図、図6は粘着テープ貼付け装置Aの分解した斜視図がそれぞれ示されている。
なお、この実施例の前記ワークWは自動車におけるドアサッシュであり、その車内側の内周面に黒色塗装に代えて黒色の粘着テープを貼り付けるものである。
ワークWは、1枚の鋼板をプレス重合して構成されたものであり、ドア外面となる横外側に縦壁状の外枠部w1を有するとともに、この外枠部w1からドア内側(図2では右側)へ向けて張り出す中空の横向き枠部w2を連設した断面形状に形成されている。そして、横向き枠部w2の中空部位と外枠部w1との間に窓ガラス装着溝m1が形成されるとともに、横向き枠部w2の上面の左右中間部位にはワーク長手方向に沿ってリブw3が突設され、このリブと外枠部w1との間にウエザーストリップ装着溝m2が形成されている。そして、前記外枠部w1の外側面がテープ貼付け面Sとなっており、ここの部分に、本発明の粘着テープ貼付け装置Aを用いて粘着テープTが手作業で貼り付けられるようになっている。なお、粘着テープTはテープ貼付け面Sの幅よりも広幅のセパレータ付きのものが利用される。
粘着テープ貼付け装置Aは、図1および図2に示すように、ワークWに係合案内されながらワーク長手方向に沿って手押し移動して粘着テープTを貼り付けてゆくものであり、以後の説明においては、便宜上、粘着テープ貼付け装置Aを貼付け移動させてゆく方向Fを前方、テープ貼付け方向と直交するドア内外方向を横方向あるいは左右方向と呼称する。
粘着テープ貼付け装置Aの本体1は硬質樹脂材で形成されており、角ブロック状の第1ブラケット1A、この第1ブラケット1Aの一端に直交して下向きに突出するようボルト連結された第2ブラケット1B、第1ブラケット1Aの他部に前後に位置調節可能に直交して下向きに突出するようボルト連結された前後に長い角棒状の第3ブラケット1C、第3ブラケット1Cの下面に左右に位置調節可能にボルト連結された支持板1D、および第3ブラケット1Cの外側面にボルト連結されたL形の第4ブラケット1Eから構成されている。
第1ブラケット1Aの下面における一端寄り箇所には、縦軸心周りに遊転自在な前後一対の貼付けローラ2(2a、2b)が下向き片持ち状に装着されるとともに、第3ブラケット1Cにおける前端側の内側面にはガイド部材として前後一対のガイドローラ3が横軸心周りに遊転自在に装着されている。また、第3ブラケット1Cの下面に沿って連結された支持板1Dには、図2および図3に示すように、別のガイド部材として前後一対のガイドローラ4が遊転自在に装着されている。
ガイドローラ3は、滑性に優れた硬質の樹脂材で形成されており、ワークWにおけるウエザーストリップ装着溝m2の底面まで係入されて横向き枠部w2の上面に係合されるよう先細りテーパー状に形成されている。また、ガイドブローラ4も滑性に優れた硬質の樹脂材で形成されており、リブw3の凸曲外側面に係合される。このように、ガイドローラ3、4が横向き枠部w2の複数箇所において上方および横側方から係合することでワークWに対する粘着テープ貼付け装置Aの姿勢および位置が安定保持される。
なお、第3ブラケット1Cを前後に位置調節することでガイドローラ3、4の前後方向位置を変更調節することができるとともに、図4に示すように、第3ブラケット1Cの内側面に設けられた前後複数のネジ孔5を選択してガイドローラ3の支軸6をねじ込み装着することでもガイドローラ3の前後方向位置を変更調節することができるようになっている。また、支持板1Eを左右に位置調節することでガイドローラ4の左右方向位置を変更調節することができるとともに、図3および図5に示すように、支持板1Eに設けられた前後複数のネジ孔7を選択してガイドローラ4の支軸8をねじ込み装着することで、ガイドローラ4の前後方向位置を変更調節することができるようになっている。
第4ブラケット1Eの内側面には、別のガイド部材として前後一対のガイドローラ12が遊転自在に装着されている。
ガイドローラ12は、滑性に優れた硬質の樹脂材で形成されており、ワークWに形成されたリブw3の凸曲外側面から横向き枠部w2にかけて下り傾斜のワーク平面を転動するように先細りテーパー状に形成されている。つまり、装置本体の外方に力が作用しても、ガイドローラ12によって支持され、装置本体の倒れ込みが抑制される。すなわち、粘着テープの貼付け過程において、装置本体のふらつきが抑えられ、ワークWに対する粘着テープ貼付け装置Aの姿勢および位置が安定保持される。
貼付けローラ2は、図3に示すように、前方向の貼付けローラ2aが後方の貼付けローラ2bよりも直径の大きいものが装着されている。この両貼付けローラ2a、2bは、図2に示すように、固定芯軸9に遊転自在に外嵌された筒軸10にスポンジ状の弾性層11を被覆して構成されたものである。つまり、ガイドローラ3、4がワークWに対して所定の位置および姿勢に係合された状態で、貼付けローラ2がワークWのテープ貼付け面Sに適度に弾性変形しながら押圧されるようになっている。
第2ブラケット1Bの外側面に硬質樹脂材からなる板状のテープガイド14が取り付けられている。このテープガイド14と第2ブラケット1Bの外面との間には、図2に示すように、前後および上方に開放されたテープ挿通間隙cが形成されている。また、図3に示すように、テープ挿通間隙cの底端が、テープ位置決め部15に形成されており、テープ挿通間隙cに挿通された粘着テープTの一側縁がテープ位置決め部15に受止め支持されることで粘着テープTの幅方向での位置決めが行われるようになっている。なお、テープガイド15は上下方向、つまり、テープ幅方向に位置調節可能に取り付けられている。
また、テープガイド14の前端面には硬質樹脂材からなるセパレータガイド16が取り付けられている。このセパレータガイド16は、図1および図3に示すように、前方位置において貼付けローラ2aに小間隔をもって対向して配備されるとともにテープ供給ローラ12より少し低く配設されており、かつ、前方向から後方向に先細になる略テーパー状であるセパレータ案内面17が形成されている。
セパレータ案内面17は、セパレータstの排出方向に沿って湾曲(凹入湾曲)しており、かつ、粘着テープ側の対向面も貼付けローラ2aに対向して凹入湾曲している。また、セパレータ案内面17の先端は、図6に示すように、前側の貼付けローラ2aの頂点に臨設し、このときの先端位置P2が、貼付けローラ2aの半径rの1/2以内に位置するように、セパレータガイド16が配備されている。
さらに、セパレータ案内面17は、粘着テープTからセパレータstが剥離される剥離点P1(位置)を通り、ワークWのテープ貼付け面Sと平行な仮想線l1を引き、かつ、剥離点P1からセパレータ案内面17の先端位置P2に向けて引いた仮想線l2とがなす開き角αが鋭角になる位置に配備されるように構成されている。つまり、半径r/2>距離Lの関係が成り立つように配備する。
なお、本実施例では、直径26mmの貼付けローラ2aを使用しており、このときのセパレータ案内面17の先端位置P2が、貼付けローラ2aの半径rの1/2以下に相当する6.5mm以下に設定されている。なお、セパレータ案内面17の先端位置P2は、粘着テープTを構成する基材、粘着剤、およびセパレータstの材質などにもよるが、6mm以下が好ましく、さらに好ましくは、4mm以下である。同時に、この実施例では、開き角αは、24°である。また、この開き角αは、セパレータ案内面17の先端位置P2や粘着テープTを構成する基材、粘着剤、およびセパレータstの材質などにもよるが、40°以下が好ましく、さらに好ましくは、24°である。
また、セパレータガイド16は、図1から図3に示すように、テープガイド14の前面に支点軸18を介して前後向きの支点x周りに揺動可能に枢着されており、起立揺動されてテープ供給ローラ12に近接対向するセパレータ案内作用姿勢(a)と、横外方に倒伏揺動されてテープ供給ローラ12から大きくはなされた開放姿勢(b)とに切換え可能となっている。
セパレータガイド16とテープガイト14との対向部位には、セパレータガイド16をセパレータ案内作用姿勢(a)と開放姿勢(b)とに安定保持する手段としてデテント機構20が装備されている。このデテント機構20は、図3に示すように、支点x周りに90度の位相をもってセパレータガイド16に装着された2組のボール21と、テープガイト14の前端面に形成された単一の係合凹部22とから構成されている。つまり、セパレータガイド16がセパレータ案内作用姿勢(a)にある時には一方のボール21が係合凹部22に係合され、セパレータガイド16が開放姿勢(b)にある時には他方のボール21が係合凹部22に係合されて、各姿勢が安定保持される。
セパレータ案内作用姿勢(a)あるいは開放姿勢(b)にあるセパレータガイド16にデテント機構20の保持力以上の揺動操作力をかけると、係合状態にあるボール21が弾性後退されながらテープガイト14の前端面に乗り上げられ、その後は軽い操作力でセパレータガイド16を揺動させることができる。そして、所定の姿勢位置に至るとバネ付勢されたボール21が係合凹部22に落込み係合してその姿勢に安定保持される。
なお、セパレータガイド16をセパレータ案内作用姿勢(a)まで起立揺動させると、図4に示すように、セパレータガイド16の側端に連設した突片23がテープガイドの外側面に当接してセパレータ案内作用姿勢(a)での位置決めがなされるようになっている。
本発明に係る粘着テープ貼付け装置Aは以上のように構成されている。次に、上記実施例装置Aを用いて粘着テープTをワークWに貼付ける行程について説明する。
先ず、作業者は、ガイドローラ3、4を用いて粘着テープ貼付け装置AをワークWの貼付け開始位置に装着する。
次に、セパレータ付きの粘着テープTをそのセパレータstが横外側になる縦向き姿勢でテープ挿通間隙cに挿通した後、粘着テープTの先端からセパレータstを剥がして粘着面を露出させ、粘着面を露出させた粘着テープTを貼付けローラ2aで巻回案内し、ワークWにおける貼付け面Sの所定位置に貼付ける。この場合、セパレータガイド16を横外方に揺動して開放姿勢(b)に保持して、テープ供給ローラ12の前方を大きく開けて作業しやすくしておく。
次に、セパレータガイド16を起立揺動させて、貼付けローラ2aに近接対向するセパレータ案内作用姿勢(a)に戻すとともに、粘着テープTから剥離したセパレータstをセパレータガイド16のセパレータ案内面17で案内して横外方に導き、これで粘着テープのセッティングが完了する。
その後、粘着面の露出した粘着テープTを貼付けローラ4で巻回して貼付け面Sに弾性的に押し付け、この状態で粘着テープ貼付け装置AをワークWに沿って前方Fに手押し移動させることで、粘着テープTを幅方向に位置決めしながらテープ貼付け面Sに連続的に貼付けてゆくことができる。
この場合、粘着テープ貼付け装置Aを前方Fに移動させると、粘着テープTが相対的に前方Fに移動することでセパレータstは、セパレータガイド16のセパレータ案内面17の先端P2によって形成される鋭角な開き角αによって、その先端前方の剥離点P1でセパレータstが粘着テープTから積極的に剥離される。
剥離されたセパレータstは、遠敷湾曲したセパレータ案内面17に沿って反転案内されて貼付けローラ2から離れる方向に送り出されてゆくことになる。したがって、剥離されたセパレータstが粘着テープTから剥離されないままの状態で貼付けローラ2aに巻き込まれてテープ貼付け面Sに近づいたり、粘着テープ貼付け装置Aの前進移動の邪魔になったりするようなことが回避される。
なお、テープ貼付け面Sからはみ出されたテープ部分は、後行程において外枠部w1の上下端部に巻き込んで貼付けられ、塗装処理したものと変わらぬ外観をもたらす。
また、異なった仕様のワークWに対しては必要に応じてガイドローラ3,4の左右位置および前後位置を調節することができ、また、粘着テープTの幅変更に対応してテープガイド14およびセパレータガイド16を上下に位置調節する。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のような形態で実施することもできる。
(1)上記実施例では、セパレータガイド16のセパレータ案内面17の部位をテーパー状のブロックによって形成していたが、セパレータstの排出方向に凹入湾曲した板状のものを利用してもよい。
(2)上記実施例では、テープガイド14に単一の係合穴を形成するとともに、この係合穴に弾性係合される2組のボール21をセパレータガイド16に装備しているが、逆に、テープガイド14に単一のボール21を装備し、このボール21が係合する一対の係合穴22をセパレータガイド16に設けて姿勢保持用のデテント機構20を構成することもできる。
(3)図7に示すように、セパレータガイド16を支点軸18に対して前後にスライド自在、かつ、支点軸18に外嵌装着した圧縮コイルバネ25によってテープガイド14側に押し付け付勢するとともに、テープガイド14とセパレータガイド16との対向摺接面に単一の係合突起26と一対の係合凹部27をそれぞれ形成し、係合突起26が係合凹部27のいずれかに選択係合されることでセパレータガイド16がセパレータ案内姿勢(a)あるいは開放姿勢(b)にそれぞれ安定保持されるデテント構造を利用することもできる。この場合、セパレータガイド16を圧縮コイルバネ25に抗して前方に少し引き出し移動させて係合突起26と係合凹部27とを離脱させてからセパレータガイド16を支点x周りに揺動操作する2アクション操作となる。
なお、係合突起26の頭部を半球状に形成しておくと、セパレータガイド16を揺動操作するだけで、係合突起26と係合凹部27との乗り上がり作用でセパレータガイド16が圧縮コイルバネ25に抗して前方にスライド変位されることになり、先の実施例と同様に、1アクション操作でセパレータガイド16の姿勢切換えを行うことができる。
(4)セパレータガイド16をセパレータ案内姿勢と開放姿勢に移動させる形態としては、上記のように前後向きの支点x周りに揺動させる形態の他に、例えば、図8に示すように、セパレータガイド16を左右向きの支点y周りに上下揺動自在に支点軸18を介してテープガイド14に枢支連結する。そして、セパレータガイド16を振り上げ揺動してテープガイド14の前面に当接させたセパレータ案内作用姿勢(a)において、テープガイド14の前面に埋設した磁石片28でセパレータガイド16の後面に埋設した鉄片29を吸着させることで姿勢保持を行うこともできる。なお、磁石片28の吸着力に打ち勝ってセパレータガイド16を振り下げ揺動すると、セパレータガイド16はその基部がテープガイド14の一部に当接して開放姿勢に保持されることになる。
(5)セパレータガイド16をセパレータ案内作用姿勢(a)と開放姿勢(b)との間で揺動可能に支持する構造において、その揺動支点にバネ座金やゴム付き座金などの弾性摩擦材を装備して、セパレータガイド16の揺動操作に適度の抵抗をもたらすように構成して、セパレータガイド16をセパレータ案内作用姿勢および開放姿勢にそれぞれ摩擦保持することもできる。
(6)図示しないが、セパレータガイド16をテープガイド14に対して案内溝、ガイレール、あるいは、ガイド軸、などの直線ガイド機構を利用して前後方向、あるいは左右方向、もしくは、上下方向にスライド移動可能に嵌合支持し、セパレータガイド16がテープガイド14に当接するスライド限界においてセパレータ案内作用姿勢(a)となり、テープガイド14から離れる方向の引き出しスライド限界において開放姿勢(b)となる形態で実施することもできる。
ワークに装着された粘着テープ貼付け装置の斜視図である。 ワークに装着された粘着テープ貼付け装置の一部切欠き正面図である。 ワークに装着された粘着テープ貼付け装置の横断平面図である。 粘着テープ貼付け装置の側面図である。 粘着テープ貼付け装置の他方から見た一部切欠き側面図である。 セパレータの剥離動作を示す図である。 姿勢保持手段の別実施例を示す要部の一部切欠き側面図である。 姿勢保持手段の更に別実施例を示す要部の一部切欠き側面図である。
符号の説明
1 … 本体
2 … 貼付けローラ
3 … ガイド部材(ガイドローラ)
4 … ガイド部材(ガイドローラ,ガイドブロック)
12 … ガイドローラ
14 … テープガイド
16 … セパレータガイド
17 … セパレータ案内面
20 … デテント機構
21 … ボール
22 … 係合凹部
W … ワーク
T … 粘着テープ
S … 貼付け面
st … セパレータ
(a)… セパレータ案内作用姿勢
(b)… 開放姿勢
x … 支点

Claims (9)

  1. ワークに沿って前進移動させながら粘着テープを貼付けローラに供給し、この粘着テープをワークのテープ貼付け面に押圧して貼付けてゆく粘着テープ貼付け装置であって、
    前記ワークのテープ貼付け面に沿って移動操作される本体に、前記テープ貼付け面と異なったワーク外面に係合してワークに対する前記本体の位置決めおよび姿勢保持を行うガイド部材と、
    セパレータの剥離された粘着テープを巻回案内した状態でワークの前記テープ貼付け面に粘着テープを押圧して貼り付ける弾性変形可能な貼付けローラと、
    移動方向の前方向から後方向に先細になるテーパー状であり、一方のテーパー面が前記貼付けローラに間隔をおいて対向するとともに、他方のテーパー面が剥離された前記セパレータを粘着テープ貼付け移動方向とは異なる方向に排出案内するセパレータ案内面であり、対向する前記貼付けローラの粘着テープ送り込み側の頂点にテーパー状の先端を臨設し、その先端が貼付けローラの半径の1/2以内に位置するように配備されたセパレータガイドと、
    前記貼付けローラに送り込まれる粘着テープの離脱を防止するテープガイドと、
    を備えたことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
  2. 請求項1に記載の粘着テープ貼付け装置において、
    前記セパレータガイドは、セパレータの排出方向に沿ってガイド面が湾曲した構成である
    ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の粘着テープ貼付け装置において、
    前記粘着テープからセパレータが剥離される剥離位置を通り、前記ワークの粘着テープ貼付け面と平行な仮想線と、剥離位置から前記セパレータ案内面の先端に向けて引いた仮想線とがなす開き角が鋭角になるよう構成した
    ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の粘着テープ貼付け装置において、
    前記セパレータガイドは、前記貼付けローラに対向するセパレータ案内作用姿勢と、貼付けローラから大きく離間した開放姿勢とに切換え可能に構成した
    ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
  5. 請求項4に記載の粘着テープ貼付け装置において、
    前記セパレータガイドは、テープ貼付け移動方向に沿った前後向き支点周りに回動自在に支持されている
    ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の粘着テープ貼付け装置において、
    前記セパレータ案内作用姿勢の前記セパレータガイドを安定保持して、前記開放姿勢への切換えに操作抵抗をもたらす姿勢保持手段を備えた
    ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
  7. 請求項6に記載の粘着テープ貼付け装置において、
    前記開放姿勢の前記セパレータガイドを安定保持して、前記セパレータ案内作用姿への切換えに操作抵抗をもたらす姿勢保持手段を備えた
    ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の粘着テープ貼付け装置において、
    前記姿勢保持手段を、弾性後退可能なボールを係合穴に弾性係合させるデテント機構で構成した
    ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の粘着テープ貼付け装置おいて、
    前記セパレータガイドを前記セパレータ案内作用姿勢に位置決めする当接手段を備えた
    ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
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