JP5041719B2 - コンクリート構造物断面欠損の修復材 - Google Patents
コンクリート構造物断面欠損の修復材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5041719B2 JP5041719B2 JP2006087837A JP2006087837A JP5041719B2 JP 5041719 B2 JP5041719 B2 JP 5041719B2 JP 2006087837 A JP2006087837 A JP 2006087837A JP 2006087837 A JP2006087837 A JP 2006087837A JP 5041719 B2 JP5041719 B2 JP 5041719B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cement
- water
- cross
- organic solvent
- gel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
- Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
- Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)
Description
このような部分的で小規模な断面の欠損の修復方法としては、従来、セメントモルタルやポリマーセメントモルタルなどが一般的に使用されている。これらの材料は、セメント、骨材及び各種混和材・混和剤などを現場で調合したり、予め水以外の粉体を既調合したプレミックスモルタルが使用されたりしている。
すなわち、本発明は、
(1)セメントと、細骨材と、沸点が30〜100℃の水溶性有機溶剤と、粘稠化材とを含有し、20℃での粘度が20Pa・sを超え200Pa・s以下であることを特徴とするコンクリート構造物断面欠損の修復材;
(2)セメント100質量部、細骨材を20〜500質量部、沸点が30〜100℃の水溶性有機溶剤をセメント及び細骨材の合計量に対し15〜50質量%、および粘稠化材を含有する上記(1)のコンクリート構造物断面欠損の修復材;
(3)清浄化した修復対象部に、上記(1)又は(2)の修復材を充填し、水を噴霧することを特徴とするコンクリート構造物断面欠損の修復工法;
を提供するものである。
本発明においては、水溶性有機溶剤の存在によりセメントの水和が遅れるため、超速硬セメントの使用が好ましく、JIS R5201に準じて測定された硬化時間(終結時間)が1分〜60分程度の超速硬セメントであることが好ましい。また、硬化時間を調整するために、セメントの水和を早くする炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸リチウム、トリエタノールアミン及びギ酸カルシウムなどの硬化促進剤を併用することが好ましい。
その配合割合は、上記セメント100質量部に対して20〜500質量部、好ましくは40〜300質量部、特に好ましくは、60〜150質量部とすることが望ましい。
かかる配合比で細骨材を混合することより、更に、作業性が良く、実用的な強度発現性を有し、実用上問題のない硬化収縮を有する補修材料となる。
また、細骨材の最大粒径は6mm以下で、該細骨材の平均粒径が0.8mm〜2.5mmのものが好ましく、1.0〜2.0mmのものがより好ましい。
かかる水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノールなど低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどケトン類、酢酸エチルなどエステル類等が挙げられ、人体への影響などの点からエタノールが最も好ましく用いられる。
その配合割合は、セメント及び細骨材の合計量に対し15〜50質量%、好ましくは15〜40質量%、特に好ましくは、15〜30質量%とすることが望ましい。
水溶性有機溶剤量は、少なすぎるとゲル性状にできても粘性が高すぎて充填性、作業性が悪くなり、多すぎると粘性が低下しすぎて充填してもダレが生じ充填しても隙間が生じ、噴霧水との置き換わりに時間を要し、セメントの水和反応(硬化反応)が遅くなる。
本発明に好適に用いられる粘稠化材として次のようなものを挙げることができる。
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等、水溶性有機溶剤にも可溶のセルロース系水溶性高分子などの有機増粘剤;スメクタイト等、水溶性有機溶剤に分散可能な粘土鉱物などの無機増粘剤;炭酸カルシウム、ケイ酸質微粉末等、セメントスラリー分離防止能を有する無機微粉体などを用いることができ、これらのうち、セルロース系水溶性高分子などの有機増粘剤が必ず用いられ、他の粘稠化材をも併用することが好ましい。
有機増粘剤であるセルロース系水溶性高分子は、通常、セメントと砂の合計100質量部に対し、0.1〜5質量部の範囲で配合される。
これら再乳化型粉末樹脂は、ゲル状修復材塗布後の噴霧水によって再乳化され、コンクリート構造物断面欠損への接着性、付着性を上げる効果がある。耐水性等の耐久性がすぐれるために、アクリル系の再乳化型粉末樹脂の使用が特に好ましい。
再乳化形粉末樹脂の再乳化液は、最低造膜温度が0℃以上であることが望ましい。最低造膜温度が0℃以上であることにより、コンクリートとの付着性がよく、また修復材の表面硬度が硬くなり、早期強度発現性に優れることとなる。
再乳化形粉末樹脂の配合量としては、セメントと細骨材の合計100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましい。
それは、清浄化した修復対象部に、上記したゲル状修復材を充填し、水を噴霧するものである。
修復対象部であるコンクリート構造物断面欠損部をエアー又は水により、また場合によってはワイヤーブラシ等を用いて、浮き、脆弱部、ほこり等を除去して表面を清浄化して後、本発明のゲル状修復材をコテやヘラなどを使って充填する。その後、修復部を霧吹きにより水を噴霧する。噴霧水と沸点が30〜100℃の水溶性有機溶剤が混ざって置き換わってゆき、有機溶剤は蒸発して、セメントと水との水和反応が起こり、硬化が進行して強度発現する。結果、コンクリート構造物断面欠損が修復される。
実施例1〜7及び比較例1,2
(1)ゲル状修復材の製造
[使用材料]
セメント:ライオンシスイ105(住友大阪セメント株式会社製)
細骨材:珪砂6号、7号、8号を同質量混合(土岐砿業株式会社製)
有機溶剤:試薬エタノール95.5%(関東化学株式会社製)
再乳化形粉末樹脂:モビリスパウダーDM2072P(ニチゴーモビニール株式会社製)
水溶性セルロース:ヒドロキシプロピルセルロースHPC−M(日本曹達株式会社製)
スメクタイト:ヘクトライトBENTONE CT(エレメンティスジャパン株式会社製)
炭酸カルシウム:LP200(近江鉱業株式会社製)
温度20℃、湿度60%に制御した室内で、上記材料を表1に示す所定量(単位:質量部)を計量した混合機(千代田技研工業株式会社製;オムニミキサOMN−15、容量15リットル)中に入れ、5分間混合してゲル状修復材を得た。
[粘度の測定]
100ccのビーカーにゲル状修復材試料を100cc入れ、B型粘度計(東機産業株式会社製;RB80L)を用い、ロータNo.3を使用し0.3rpmと0.6rpmで測定した。
結果を表1に示した。
ゲル状修復材試料をコンクリート欠損部にコテ・ヘラを使って充填した。その充填性を下記の基準で評価し、結果を表1に示した。
○:垂直面・上面もダレが発生しない。
△:垂直面はダレが発生しないが、上面ではダレが発生。
×:垂直面でもダレが発生。
ゲル状修復材試料をコンクリート欠損部にコテ・ヘラを使って充填した際の作業性を下記の基準で評価し、結果を表1に示した。
○:コテやヘラでの充填作業が良好で、隙間なく充填できる。
△:充填作業時にコテ・ヘラ離れが悪くなり、少し隙間ができる。
×:充填作業時にコテ・ヘラ離れが悪く、欠損部との付着も悪くなり、隙間が大きい。
ゲル状修復材試料をコンクリート欠損部にコテ・ヘラを使って充填した後の硬化状況を下記の基準で評価し、結果を表1に示した。
○:1cm厚に充填後12時間以内に硬化する。
△:1cm厚に充填後12〜24時間以内に硬化する。
×:1cm厚に充填後24時間以内に硬化しない。
曲げ強度と圧縮強度は、それぞれ10mm×10mm×40mmと10mm×10mm×10mmの型枠中にゲル状修復材試料を充填し、水を噴霧して硬化させ、材齢3日において島津製作所株式会社製「オートグラフAG−G 50kN」を使用して測定した。
結果を表1に示した。
基板に40×40×10の型を置きヘラを用いて塗り込むようにゲル状修復材試料を充填し、水を噴霧して硬化させ供試体を作製し、JIS A 1171 「ポリマーセメントモルタルの試験方法 7.3 接着強さ試験」に従い、材齢7日において丸菱科学機械製作所製「接着剥離試験機BA−800D」を使用して付着強度を測定した。
付着強度試験は実施例4及び5について実施した。実施例4の付着強度は1.0MPaであり、実施例5の付着強度は1.4MPaであった。
Claims (2)
- セメント100質量部、細骨材20〜500質量部、沸点が30〜100℃の水溶性有機溶剤をセメント及び細骨材の合計量に対し22〜28質量%、および粘稠化材を含有し、20℃での粘度が20Pa・sを超え200Pa・s以下であることを特徴とするコンクリート構造物断面欠損の修復材。
- 清浄化した修復対象部に、請求項1に記載の修復材を充填し、水を噴霧することを特徴とするコンクリート構造物断面欠損の修復工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006087837A JP5041719B2 (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | コンクリート構造物断面欠損の修復材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006087837A JP5041719B2 (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | コンクリート構造物断面欠損の修復材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007261853A JP2007261853A (ja) | 2007-10-11 |
JP5041719B2 true JP5041719B2 (ja) | 2012-10-03 |
Family
ID=38635213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006087837A Expired - Fee Related JP5041719B2 (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | コンクリート構造物断面欠損の修復材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5041719B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018053477A (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | 積水化学工業株式会社 | コンクリート構造物の天井面補修方法および脱泡具 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09249442A (ja) * | 1996-03-12 | 1997-09-22 | Hideo Okazaki | プレミックスモルタル及びモルタル製品 |
JP2003292355A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-15 | Taiheiyo Material Kk | 吹付けコンクリート用急結剤及びその製造方法、並びに吹付けコンクリートの施工方法 |
JP2005187267A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Taiheiyo Material Kk | 急硬性混和材 |
JP4395404B2 (ja) * | 2004-04-27 | 2010-01-06 | 太平洋マテリアル株式会社 | 流体状硬化材 |
JP4614122B2 (ja) * | 2004-07-30 | 2011-01-19 | 宇部興産株式会社 | 湿潤接着性が向上した水硬性組成物 |
JP2007191584A (ja) * | 2006-01-19 | 2007-08-02 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | セメント系エアゾール製品 |
-
2006
- 2006-03-28 JP JP2006087837A patent/JP5041719B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007261853A (ja) | 2007-10-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4403155B2 (ja) | コンクリート水路補修工法 | |
JP5939776B2 (ja) | 補修用モルタル組成物 | |
JP2006248887A (ja) | セメント組成物 | |
JP4643318B2 (ja) | ポリマーセメント系コンクリート表面被覆材及びその施工方法 | |
JP2015117166A (ja) | モルタル組成物 | |
JP2008120611A (ja) | グラウト組成物、グラウトモルタル及びグラウト工法 | |
CN108328977B (zh) | 一种混凝土修补材料 | |
JP2006131488A (ja) | 耐酸性グラウト組成物 | |
JP4709676B2 (ja) | 無機系弾性ひび割れ注入材 | |
JP4842050B2 (ja) | 断面修復材及び断面修復工法 | |
KR20180060672A (ko) | 건축재료용 조성물 및 이를 포함하는 건축재료 | |
JP2010254556A (ja) | ひび割れ自己修復コンクリート材料及び当該コンクリート材料を使用した、コンクリートのひび割れ自己修復方法 | |
CN110698150B (zh) | 抗裂修补砂浆及其制备方法 | |
CN112930329A (zh) | 具低收缩率的碱活化干混修补砂浆 | |
RU2301205C2 (ru) | Вяжущие композиции и способ их использования | |
JP5502116B2 (ja) | モルタル用軽量骨材の製造方法 | |
JP2001322858A (ja) | コンクリート断面修復材 | |
JP5095202B2 (ja) | コンクリート構造物断面欠損の修復材 | |
JP5041719B2 (ja) | コンクリート構造物断面欠損の修復材 | |
JP2010285849A (ja) | 舗装表層部の補修方法 | |
JP2018154511A (ja) | 速硬性ポリマーセメント組成物及び速硬性ポリマーセメントモルタル | |
JP5514790B2 (ja) | 耐酸性乾式吹付け用モルタル材料及び該吹付け材料の製造方法 | |
JP5114910B2 (ja) | Alc構造物の補修方法 | |
JP2008156194A (ja) | コンクリート構造物断面欠損の修復材 | |
JP5782228B2 (ja) | 乾式吹付け用モルタル材料及び該吹付け材料の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120117 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120626 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120710 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5041719 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |