JP5040858B2 - 立体画像印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、レンチキュラーレンズを用いた立体画像印刷物に関し、特に、レンチキュラーレンズの背面に配置され、濃度階調表現に係る網点画像印刷物の網点印刷技術に関するものである。
従来、商品やサービスの広告用に、ポスターや広告印刷物を見る者に目立たせるため、商品やサービスの象徴的な画像を立体的に見えるようレンチキュラーレンズを用いた立体画像印刷物が利用されている。このような立体画像印刷物は、異なる角度から撮影された画像が、短冊状に分割されて、レンチキュラーレンズの背面にその半円筒状レンズに沿って配列されたものである(例えば、特許文献1、2)。
レンチキュラーレンズの背面に配置される画像の網点印刷方式としては、FM(周波数変調)スクリーン法とAM(振幅変調)スクリーン法とが知られている(例えば、特許文献1)。FMスクリーン法は、一定の大きさを持った網点の密度によって濃度階調が表現し、AMスクリーン法は、網点の大きさによって濃度階調を表現する方法である。また、細長画像の網点印刷において、印刷する網点ができるだけ分散するように、図7に示すように、FMスクリーン法によって、ランダムに網点Aを印刷する方法も提案されている(特許文献2)。
特開平9−61950号公報 特開2007−233105号公報
観察点を水平方向に変える際に、立体画像印刷物の立体画像をきめ細かく展開するようにするために、細長画像をできる限り多く配置することが望ましく、そうであれば刷版機や印刷機等の最高解像度の画素単位で描画したいところである。ところが、特許文献2に記載の発明のようなランダムな網点印刷であると、印刷すべき一つの網点に隣接する周囲の画素は印刷しない、という網点が多く存在することになる。そのような場合、画素が刷版機等の最高解像度における画素単位のように非常に小さい場合、刷版機では均一に描画されなかったり、インキが紙に転写しなかったり、インキが紙に着肉しなかったりといった問題が発生しうる。
例えば、2400dpiの性能を有する刷版機等を用いて、FMスクリーン法により、その解像度を以って網点を印刷する場合、細長画像の幅は約10μmとなり、画素も約10μm×10μmの大きさとなる。しかしながら、一般の刷版機等においては、10μmサイズの網点を印刷するのは非常に困難であり、用紙にインキが着肉しないなどの問題が生じる。そうすると、図7に示されるような散在した画素に対して、描画できない箇所が多く発生しうる。そのため、実際には、例えば、二倍サイズの約20μm×20μmの単位を最小画素とし、解像度を1200dpiに落として網点印刷することが行われており、この場合、レンチキュラーレンズの一つの半円筒状レンズに対する細長画像の個数も1/2に減らさざるえを得なかった。
そこで、本発明は、網点印刷の解像度を高め、画像の粗さを低減した立体画像印刷物を提供することを目的とする。
本発明に係る立体画像印刷物は、複数の半円筒状レンズが連続的に配列されてなるレンチキュラーレンズと、前記レンチキュラーレンズの背面に配置され、各半円筒状レンズに対応して複数の細長画像が連続的に配列された網点画像印刷物とを備えており、前記網点画像印刷物は、細長画像の階調表現を行う最小単位の領域内において、同色版について画素へ網点を印刷する優先順位はランダムに設定されており、かつ、当該半円筒状レンズの長手方向に直行して連続的に配列された所定数の細長画像ごとに、前記優先順位の配列は同一とされており、当該半円筒状レンズの長手方向に対して直行する方向に隣接する印刷すべき画素が連続している領域は、連続的に網点印刷されていることを特徴とする。
この立体画像印刷物によれば、細長画像の階調表現を行う最小単位の領域内において、同色版についての画素へ網点を印刷する優先順位はランダムに設定されいるため、網点は散在して画像の粗さが低減される。しかも、当該半円筒状レンズの長手方向に連続的に直行して配列された所定数の細長画像ごとに、その網点印刷の優先順位の配列は同一とされているので、その結果、当該半円筒状レンズの長手方向に対して直行する方向に隣接する印刷すべき画素が決定される。網点画像印刷物の特徴として、同じ対象物を、角度を変えて観察した画像を連続的に配列させるために、半円筒状レンズ内に対応する網点画像印刷物においては、細長画像の内容が徐々に変化する場合が多く、その印刷すべき画素は、連続的に繋がった領域を有することになるため、その連続した領域については、連続的に網点印刷することにより、解像度を高く設定しても、着肉よく確実に印刷することができる。
上記立体画像印刷物において、前記優先順位の配列が同一とされている所定数の細長画像の範囲は、半円筒状レンズに対応した印刷範囲であるとよい。この構成により、半円筒状レンズに対応した印刷範囲に対応して設定される細長画像における優先順位が設定しやすい。
また、立体画像印刷物において、対応する半円筒状レンズによって、又は、半円筒状レンズの長手方向に直行する方向には隣接しない前記最小単位領域内によって、前記網点印刷の優先順位の配列は異なるようランダムに設定するとなお好ましい。このような構成とすることにより、まとまったランダム配列が繰り返されて配置されることを避けることができる。
或いは、上記立体画像印刷物において、前記優先順位の配列が同一とされている所定数の細長画像の範囲は、半円筒状レンズに対応した印刷範囲よりも狭く構成するとよい。この構成により、同様の画像濃度が連続する領域があったとしても、前記優先順位の配列が同一とされている所定数の細長画像の範囲を、半円筒状レンズに対応した印刷範囲よりも狭くすることで、描画されない画素が長く連続しないようにすることができ、視認によるざらつき感をより解消することができる。
ここで、上記立体画像印刷物において、同じ細長画像に対する前記優先順位の配列は、色版ごとに、異なるようにランダムに設定されていると良い。この構成により、印刷する網点を色版によって散在させ、色を適度に分散させて、同じ色が連続する頻度を抑えることができことにより、視認によるざらつき感をより低減することができる。
また、前記優先順位の配列が同一とされている所定数の細長画像の範囲は、色版ごとにずれているか、色版ごとに当該範囲の大きさが異なるよう構成するとよい。このように構成することで、当該範囲において、印刷する網点を色版によって散在させ、色を適度に分散させて、同じ色が連続する頻度を抑えることができることにより、視認によるざらつき感をより低減することができる。
本発明によれば、網点印刷の解像度を高め、画像の粗さを低減した立体画像印刷物を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る立体画像印刷物の好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係る立体画像印刷物について説明する。図1は、立体画像印刷物に用いられる網点画像印刷物3の作製方法を示した図である。図1(A)に示すように、ステレオカメラ1の各カメラ1a、1b、1c、1dを水平に配列するように設置して、被写体2を撮影する。図1(B)は、各カメラ1a〜1dによって撮影された画像を示し、図1(B)のB−1は、カメラ1aによって撮影された画像G1、図1(B)のB−2は、カメラ1bによって撮影された画像G2、図1(B)のB−3は、カメラ1cによって撮影された画像G3、図1(B)のB−4は、カメラ1dによって撮影された画像G4である。これらの画像G1〜G4は、使用されるレンチキュラーレンズの半円筒状レンズの個数に応じて、縦に分割される。
図1(B)において、B−1の画像G1が分割された画像を左から順に、細長画像s11、s12、s13、…とする。同様に、B−2の画像G2が分割された画像を、細長画像s21、s22、s23、…とし、B−3の画像G3が分割された画像を、細長画像s31、s32、s33、…とし、B−4の画像G4が分割された画像を、細長画像s41、s42、s43、…とする。
そして、図1(C)に示すように、画像G1〜G4の各細長画像を一つずつ画像G1〜G4の順に配列させる。すなわち、左から順に、
s11、s21、s31、s41、s12、s22、s32、s42、s13、s23、s33、s43、s14、s24、s34、s44、…
と配列する。
そのうえで、
s11、s21、s31、s41をグループGr1、
s12、s22、s32、s42をグループGr2、
s13、s23、s33、s43をグループGr3、
s14、s24、s34、s44をグループGr4、
……
とすると、各グループGrをレンチキュラーレンズの半円筒状レンズの背面に配置されて、レンチキュラーレンズの背面全体にわたって配置されるように、上下左右方向に拡大ないし縮小して網点画像印刷物3とする。
次に、図2を用いてレンチキュラーレンズ4の背面4aへの網点画像印刷物3の配置について説明する。図2は、立体画像印刷物5の分解斜視図である。図2に示すように、網点画像印刷物3は、各グループGrが連接されて構成され、各グループGrの細長画像は、レンチキュラーレンズ4における一つの半円筒状レンズ4bの背面に合うように配置されて、背面4aへ貼り合わされる。
続いて、図3を用いて網点画像印刷物3A(3)に網点印刷を行う仕方について説明する。図3(A)は、網点画像印刷物3Aの網点印刷を説明するための図であり、図3(B)は、網点画像印刷物3Aに貼付されるレンチキュラーレンズ4の半円筒状レンズ4bの位置関係を説明するための図である。
ここでは、一つの半円筒状レンズ4bの背面に貼付される細長画像が10本あり(10画素)、階調表現を行う最小単位の領域3aとして縦方向の10画素分を用いる場合について説明する。この場合、図3(A)に示すように、10本の細長画像が横方向に配列され、1本の細長画像について、縦方向10画素を用いて、CMYKのいずれか一つ又は複数の色版でその階調度に応じて格子状に網点を印刷するが、図示しているものは、一つの色版での印刷位置である。なお、隣接する画素は、互いに接しており、各画素は網点印刷の網点に対応する。
図3(A)に示す例では、階調表現を行う各細長画像の最小単位の領域3aに、ある色版を印刷するにあたって、最も左側の細長画像から右側へ向けて、それぞれ、1,1,2,3,4,6,6,7,8,9画素分を印刷するとする。そして、各細長画像の各領域3aにおいて、網点を印刷する優先順位は、ランダムに設定されており、図3に示す例では、その優先順位の配列は、最上側画素から下側にかけて、8,1,10,3,7,6,5,2,9,4位となっている。勿論、優先順位はランダムに設定されるので、この順位に限られない。ここで、同じ一つの半円筒状レンズ4bに対応して、当該半円筒状レンズ4bの長手方向に直行(横方向)して連続的に配列された複数の細長画像においては、網点印刷の優先順位の配列は同一に設定されている。
このように隣接する細長画像において、網点印刷の優先順位の配列は同一に設定されているので、その結果、半円筒状レンズ4bの長手方向に対して直行する方向(横方向)に隣接する印刷すべき画素は、連続することとなる。特に、網点画像印刷物3Aの特徴として、同じ対象物を、角度を変えて観察した画像を連続的に配列させるために、半円筒状レンズ4bに対応する網点画像印刷物3Aの部分においては、細長画像の内容が徐々に変化する場合が多い。そうすると、その印刷すべき画素は、連続的に繋がった領域を有することになるため、そのような領域においては、刷版機や印刷機等で、連続して網点印刷することにより、解像度を高く設定しても、着肉よく確実に印刷することができる。また、優先順位が同一とされている所定数の細長画像の範囲が、半円筒状レンズに対応した印刷範囲である半円筒状レンズの幅に対応しているので、その優先順位が設定しやすい。
網点画像印刷物3Aをより全体的に見れば、図4に示すように、網点印刷の優先順位の配列は、同じ一つの半円筒状レンズ4bに対応して、その半円筒状レンズ4bの長手方向に直行(横方向)して配列された複数の細長画像においては、同一に設定するが、対応する半円筒状レンズ4bが異なる細長画像や、同じ半円筒状レンズ4bであっても半円筒状レンズ4bの長手方向に直行する方向(横方向)に隣接しない細長画像における領域3aの網点印刷優先順位とは異なるランダム順位に設定すると良い。このような構成とすることにより、まとまったランダム配列が繰り返されて配置されることを避けることができる。
また、CMYKのうち、複数の色版で網点画像印刷物3Aを網点印刷する場合には、同じ細長画像に対する網点印刷の優先順位の配列は、色版ごとに、異なるようにランダムに設定するとよい。これにより、同じ細長画像に対して、印刷する網点を色版によって散在させ、色を適度に分散させて、同じ色が連続する頻度を抑えることにより、視認によるざらつき感をより低減することができる。
ここで、図5及び図6を参照して、レンチキュラーレンズ4の光学的なレンズ効果について説明する。図5に示すように、レンチキュラーレンズ4を通して観察した場合、レンチキュラーレンズ4に対応した網点画像印刷物3Aの一部分が拡大されて表示される。たとえば視点Bから観察した場合には、細長画像Bが観察でき、視点Hの位置から観察した場合には、細長画像Hが観察できる。つまり、図6に示すように、レンチキュラーレンズ4を通して観察した場合は、縦方向に延在する一つのラインの細長画像のみが観察される。そのため、網点画像印刷物3Aを直接観察してもFM網点分解には見えないが、レンチキュラーレンズ4を通して観察した場合には、FM網点分解を行ったものと同じように短冊状の細長画像を観察することができる。
<第2実施形態>
次に第2実施形態に係る立体画像印刷物について説明する。第2実施形態に係る立体画像印刷物が、第1実施形態に係る立体画像印刷物と異なるのは、細長画像における網点の配列であり、その他は、第1実施形態と同様である。したがって、その細長画像における網点の配列について、図7を参照しつつ説明する。
図7は、第2実施形態に係る立体画像印刷物を説明する図であり、図7(A)は網点画像印刷物3B(3)を示す図であり、図7(B)は網点画像印刷物3Bに対するレンチキュラーレンズ4の配置を示す図である。図7(A)に示すように、半円筒状レンズ4b一つ当たりの背面に貼付される10本分の細長画像の領域を二分割し、分割部1,2とする。そして、階調表現を行う各細長画像の最小単位の領域3aに、ある特定の色版を印刷するにあたって、分割部1内の各細長画像の領域3aにおいては、網点を印刷するランダムな優先順位の配列は同じとする。同様に、分割部2内の各細長画像の領域3aにおいては、網点を印刷するランダムな優先順位の配列は同じとする。しかしながら、分割部1と分割部2とでは、その優先順位の配列は異なるようにする。
例えば、図7(A)に示すように、分割部1内では、その優先順位の配列は、最上側画素から下側にかけて、5,3,10,6,2,7,4,8,1,9位とする。その一方、分割部2内では、その優先順位の配列は、最上側画素から下側にかけて、8,1,2,3,7,6,5,10,9,4位とし、分割部1内の配列とは異なるようにする。
このように、網点印刷の優先順位の配列が同一とされている分割部1,2は、それぞれ半円筒状レンズに対応した印刷範囲(半円筒状レンズの幅)よりも狭くされているため、同様の画像濃度が連続する領域があったとしても、描画されない画素が長く連続しないようにすることができ、視認によるざらつき感をより解消することができる。なお、図7(A)では、一つの半円筒状レンズ4bの背面に貼付される領域を二分割したが、三分割以上にして、各分割部ごとに異なる優先順位の配列を設定してもよい。
このように隣接する細長画像において、網点印刷の優先順位の配列は分割部ごとに同一に設定されているので、その結果、半円筒状レンズ4bの長手方向に対して直行する方向(横方向)に隣接する印刷すべき画素に、連続する部分が現れる。そうすると、その印刷すべき画素は、連続的に繋がった領域を有することになるため、そのような領域においては、刷版機や印刷機等で、連続して網点印刷することにより、解像度を高く設定しても、着肉よく確実に印刷することができる。
また、CMYKのうち、複数の色版で網点画像印刷物3Bを網点印刷する場合、同じ細長画像に対する網点印刷の優先順位の配列は、色版ごとに異なるように設定するとよい。さらにこのとき、優先順位の配列が同一とされる分割部を設定するための分割数を、色版ごとに異なるように設定してもよい。この場合、色版ごとに、優先順位の配列が同一とされる範囲の大きさは異なることになる。また、優先順位の配列が同一とされる範囲を色版ごとにずらしてもよい。これらの設定により、印刷する網点を色版によって散在させ、色を適度に分散させて、同じ色が連続する頻度を抑えることにより、視認によるざらつき感をより低減することができる。
<第3実施形態>
次に第3実施形態に係る立体画像印刷物について説明する。第3実施形態に係る立体画像印刷物が、第1,2実施形態に係る立体画像印刷物と異なる点も、網点画像印刷物の細長画像における網点の配列であり、その他は、第1実施形態と同様である。したがって、その細長画像における網点の配列について、図8を参照しつつ説明する。
上記第2実施形態では、半円筒状レンズ4b一つ当たりの背面に貼付される10本分の細長画像の領域を基準に分割して、各分割部内における網点印刷の優先順位の配列を同じくしたが、本第3実施形態では、半円筒状レンズ4bに対応した印刷範囲(半円筒状レンズ4bの背幅)にこだわらない。図8に示すように、網点画像印刷物3C(3)において、連続する細長画像の4本を一つのグループとし、同じグループでは、ある色版につき、網点印刷のランダムな優先順位を各細長画像において同じ配列に設定するが、グループごとには、網点印刷の優先順位の配列を異なるようにする。
例えば、図8に示すように、グループ1では、その網点印刷の優先順位の配列は、最上側画素から下側にかけて、3,2,5,6,1,9,8,4,7,10位とする。グループ2の優先順位の配列は、5,3,10,6,2,7,4,8,1,9位とする。グループ3の優先順位の配列は、8,1,2,3,7,6,5,10,9,4位とする。グループ4の優先順位の配列は、9,6,2,8,3,1,7,4,10,5位とする。このように、グループごとに網点印刷の優先順位の配列を異なるようにする。このとき、半円筒状レンズ4bに対応した印刷範囲(半円筒状レンズ4bの背幅)にこだわらないため、グループの領域が半円筒状レンズ4b,4bの境界をまたがっても構わない。
このように、優先順位の配列が同一とされるグループは、それぞれ半円筒状レンズに対応した印刷範囲(半円筒状レンズの幅)よりも狭くされているため、同様の画像濃度が連続する領域があったとしても、描画されない画素が長く連続しないようにすることができ、視認上のざらつき感をより解消することができる。なお、図8では、連続する細長画像の4本を一つのグループとしたが、グループを構成する細長画像の本数は任意に設定してよい。
このように隣接する細長画像において、網点印刷の優先順位の配列はグループごとに同一に設定されているので、半円筒状レンズ4bの長手方向に対して直行する方向(横方向)に隣接する印刷すべき画素に、連続する部分が現れる。そうすると、その印刷すべき画素は、連続的に繋がった領域を有することになるため、そのような領域においては、刷版機や印刷機等で、連続して網点印刷することにより、解像度を高く設定しても、着肉よく確実に印刷することができる。
次に、CMYKのうち、複数の色版で網点画像印刷物3Cを網点印刷する場合について説明する。図9は、半円筒状レンズ4bの背面に対して貼付される網点画像印刷物3Cに印刷するC版、M版、Y版、K版におけるグループの配列を示す概念図である。図9において、各版の一点鎖線は、網点印刷の優先順位の配列が同じとされるグループの境界を示す。図9に示すように、複数の色版で網点画像印刷物3Cを網点印刷する場合には、網点印刷の優先順位の配列が同じとされるグループを、色版ごとにずらすように設定するとよい。この設定に加え、或いは、この設定に代えて、同じ細長画像に対する網点印刷の優先順位の配列は、色版ごとに異なるように設定するとよい。また、グループによって、構成する細長画像の本数が異なるように設定してもよい。このような設定により、印刷する網点を色版によって散在させ、色を適度に分散させて、同じ色が連続する頻度を抑えることにより、視認上のざらつき感をより低減することができる。
<他の実施形態>
なお、本発明は、上記実施形態に限られない。
上記各実施形態では、各半円筒状レンズの形状に合わせて、その直下に画像データ数分の細長画像を配列させた網点画像印刷物を貼り合せたが、各半円筒状レンズと網点画像印刷物とが対応していれば、この配置に限らなくとも良い。例えば、立体画像印刷物の中央上方から立体画像印刷物を観察することを想定し、その観察点から半円筒状レンズを通して見える範囲に、網点画像印刷物の対応する範囲を配置するようにしてもよい。この場合、半円筒状レンズに対応する印刷範囲(網点画像印刷物の幅)は、半円筒状レンズのピッチ(幅)が一定であっても、半円筒状レンズの位置によって変化する。
立体画像印刷物に用いられる網点画像印刷物の作製方法を示した図であり、 (A)はステレオカメラによって被写体を撮影する様子を示す図、 (B)はステレオカメラの各カメラによって撮影され、網点画像印刷物を作成するために分割されることを示す図、 (C)は分割された細長画像が組み合わされて作成された網点画像印刷物を示す図である。 立体画像印刷物の分解斜視図である。 第1実施形態に係る立体画像印刷物を説明する図であり、 (A)は網点画像印刷物を示す図であり、 (B)は網点画像印刷物に対するレンチキュラーレンズの配置を示す図である。 立体画像印刷物における網点画像印刷物とレンチキュラーレンズとの配置関係を説明する図である。 レンチキュラーレンズのレンズ効果による網点画像印刷物の観察位置を説明する図である。 レンチキュラーレンズのレンズ効果による網点画像印刷物の観察状態を説明する図である。 第2実施形態に係る立体画像印刷物を説明する図であり、 (A)は網点画像印刷物を示す図であり、 (B)は網点画像印刷物に対するレンチキュラーレンズの配置を示す図である。 第3実施形態に係る立体画像印刷物における網点画像印刷物とレンチキュラーレンズとの配置関係を説明する図である。 半円筒状レンズの背面に対して貼付される網点画像印刷物に印刷する各色版におけるグループの配列を示す概念図である。 従来の立体画像印刷物に利用された網点画像印刷物の網点を説明する図である。
符号の説明
1…ステレオカメラ、2…被写体、3A,3B,3C,(3)…網点画像印刷物、4…レンチキュラーレンズ、4a…背面、4b…半円筒状レンズ、5…立体画像印刷物、s11,s12,……細長画像。

Claims (6)

  1. 複数の半円筒状レンズが連続的に配列されてなるレンチキュラーレンズと、
    前記レンチキュラーレンズの背面に配置され、各半円筒状レンズに対応して複数の細長画像が連続的に配列された網点画像印刷物とを備えており、
    前記網点画像印刷物は、細長画像の階調表現を行う最小単位の領域内において、同色版について画素へ網点を印刷する優先順位はランダムに設定されており、かつ、当該半円筒状レンズの長手方向に直行して連続的に配列された所定数の細長画像ごとに、前記優先順位の配列は同一とされており、当該半円筒状レンズの長手方向に対して直行する方向に隣接する印刷すべき画素が連続している領域は、連続的に網点印刷されている
    ことを特徴とする立体画像印刷物。
  2. 前記優先順位の配列が同一とされている所定数の細長画像の範囲は、半円筒状レンズに対応した印刷範囲であることを特徴とする請求項1に記載の立体画像印刷物。
  3. 対応する半円筒状レンズによって、又は、半円筒状レンズの長手方向に直行する方向には隣接しない前記最小単位領域内によって、前記網点印刷の優先順位の配列は異なるようランダムに設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体画像印刷物。
  4. 前記優先順位の配列が同一とされている所定数の細長画像の範囲は、半円筒状レンズに対応した印刷範囲よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載の立体画像印刷物。
  5. 同じ細長画像に対する前記優先順位の配列は、色版ごとに、異なるようにランダムに設定されていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の立体画像印刷物。
  6. 前記優先順位の配列が同一とされている所定数の細長画像の範囲は、色版ごとにずれているか、色版ごとに当該範囲の大きさが異なることを特徴とする請求項4に記載の立体画像印刷物。
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