JP5565126B2 - 立体印刷物制作支援装置、プラグインプログラム、立体印刷物制作方法および立体印刷物 - Google Patents
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Description
レンチキュラーレンズは、半円筒状の曲面を持ったレンズであり、光の入射方向に対して焦点位置が移動する性質を有する。この性質を利用し、左右それぞれの目からレンチキュラーレンズを見たときの焦点位置に、左右の目に応じた画像を配置することで、裸眼での立体視(専用メガネが不要な立体視)を実現することができる。以下、立体視が実現された印刷物を「立体印刷物」と呼ぶ。
レンチキュラーレンズシートを用いる場合、左右それぞれの目が、顔の位置に応じた画像のペアを観察できるように、レンチキュラーレンズシートの背面に、短冊状に分割された画像が配列される。そうすると、観察者が自分の顔の位置を移動させるとき(観察する方向を変更するとき)、左右の目は一定の間隔を保って移動するので、観察者は、顔の動きに追従した画像の変化を視認することができる。
特許文献1には、水平に配列された複数のカメラ(専用の撮影装置)によって、実在する被写体を撮影し、撮影された画像を適切に合成することで、立体印刷物に印刷されるべき画像を作成することが記載されている。尚、専用の撮影装置によって撮影される画像数は、数百〜数千枚程度必要である。
また、特許文献2には、立体印刷物に特化した網点処理手法が開示されている。特許文献2に記載の手法によって、網点印刷の解像度を高め、画像の粗さを低減した立体印刷物を得ることができる。従来は、印刷精度の課題があり2〜7程度の視点が限界であったが、特許文献2に記載の手法を用いれば、従来の数十倍となる40〜100程度の視点を持たせることができる。
これに対して、例えば、自動車全体など大型の被写体を立体印刷物として表現したいという要望がある。また、例えば、企業のロゴや架空のキャラクタなどに対して、モックアップ(外見を実物そっくりに似せた模型)を作成せずに立体印刷物として表現したいという要望がある。
第1の発明によって、実在する被写体を撮影することなく、実用的な時間内に立体印刷物を制作することができる。
また、第1の発明における前記設定手段は、前記カメラの配置方法を平行配置とし、xn=前記カメラから前記投影面PSに引いた垂線の長さ(Z0)×tanθnの式によって、前記カメラの位置(CPn)の水平方向の座標(xn)を算出する。
また、第1の発明における前記設定手段は、前記立体印刷物の印刷面における画素の並びに対応させて、前記画素から前記立体印刷物のレンチキュラーレンズL(m)の焦点を通るように、前記視線方向(θn)を算出する。
第2の発明によって、汎用のCGソフトウエアがインストールされたコンピュータを、第1の発明の立体印刷物制作支援装置として機能させることができる。
第3の発明によって、実在する被写体を撮影することなく、実用的な時間内に立体印刷物を制作することができる。
第4の発明によって、被写体が大きく撮影スペースの制限がある場合、所定の配置でカメラの画角に収めることが難しい場合、実物が存在しない場合などにも、所望の物体の立体視を実現することができる。
最初に、図1から図3を参照しながら、本発明にて用いる技術用語について説明する。
図1に示す投影像Iaは、カメラ位置CPを視点とし、三次元の対象物Objを透視投影の手法によって投影面PS(2次元平面)に投影されたものである。透視投影では、対象物Objを人間が見るように投影面PSに投影する。通常のカメラで撮影される写真は、透視投影の手法によるものである。また、三次元CG(Computer Graphics)でも、透視投影が広く用いられている。
以下では、透視投影の手法によって表現された画像を透視投影画像(Perspective projection Image)と呼ぶ。
図1に示すように、透視投影画像である投影像Iaは、X軸方向の長さとY軸方向の長さが、共に対象物Objよりも短い。
図2に示す投影像Ibは、対象物Objを平行投影の手法によって投影面PSに描画された画像である。平行投影では、視点が無限遠に存在すると仮定して、対象物Objの点を投影面PSに投影する。尚、図2では、投影線(視点と対象物Objの点を結ぶ線)と投影面PSとが垂直に交わる為、平行投影の中でも、特に垂直投影と呼ばれる。
図2に示すように、投影像Ibは、X軸方向の長さとY軸方向の長さが、共に対象物Objと同じである。
図3に示す投影像Icは、対象物Objを半透視投影の手法によって投影面PSに描画された画像である。半透視投影とは、鉛直方向(図3に示すY軸方向)にだけ透視投影を行うものである。図3に示すように、半透視投影では、視点のy座標、z座標は、透視投影と同じ(=カメラ位置CPのy座標、z座標)であるが、視点のx座標は、垂直投影と同じ(=対処物Objの透視対象となる点のx座標)である。
以下では、半透視投影の手法によって表現された画像を指向性画像(Directional Image)と呼ぶ。
図3に示すように、指向性画像である投影像Icは、X軸方向の長さが対象物Objと同じであるが、Y軸方向の長さは対象物Objよりも短い。
図4に示すように、立体印刷物1の構造は、合成画像2が印刷された印刷物と、レンチキュラーシート3とが貼り合わされたものである。尚、合成画像2の印刷は、例えば、特許文献2に記載の方法によって行う。
視点数Nの立体印刷物1を制作しようとする場合、指向性画像DI(n)もN枚必要となる。
以下、Nは視点数または指向性画像の枚数、nは視点または指向性画像の添え字とする。
また、例えば、レンチキュラーレンズL(m)の背面(半円筒状の曲面ではない面)には、指向性画像DI(0)の部分画像Ip(0、m)、・・・、指向性画像DI(n)の部分画像Ip(n、m)、・・・、指向性画像DI(N−1)の部分画像Ip(N−1、m)が順番に配置される。
また、例えば、レンチキュラーレンズL(M−1)の背面(半円筒状の曲面ではない面)には、指向性画像DI(0)の部分画像Ip(0、M−1)、・・・、指向性画像DI(n)の部分画像Ip(n、M−1)、・・・、指向性画像DI(N−1)の部分画像Ip(N−1、M−1)が順番に配置される。
視点nからレンチキュラーレンズL(m)を通して見える画像は、視点nとレンチキュラーレンズL(m)の焦線4、およびレンチキュラーレンズL(m)の長さによって決まる視線空間Vol(n、m)の透視投影として与えられる。言い換えると、視点nからレンチキュラーレンズL(m)を通して見える位置に、鉛直方向(図5に示すY軸方向)にだけ透視投影された指向性画像DI(n)の一部分、すなわち、部分画像Ip(n、m)を配置することで、立体視を実現することができる。
以下では、透視投影画像を総称するときは、「透視投影画像5」と表記する。また、指向性画像を総称するときは、「指向性画像6」と表記する。
指向性画像6はカメラで撮影することができない。従って、実写画像を用いて立体印刷物1を制作する場合、特許文献1のように、水平に配列された複数のカメラ(専用の撮影装置)によって、実在する被写体を撮影し、数百〜数千枚程度の透視投影画像5を撮影する。そして、指向性画像6の部分画像に等しい領域を各透視投影画像から切り出して取得する。
この手順によって指向性画像6を生成する場合、厳密には、各指向性画像6に対して横方向のピクセル数分の透視投影画像5が必要となる。例えば、横方向のピクセル数が1000の場合、厳密には、指向性画像6ごとに、1000枚の透視投影画像5を撮影する必要がある。
尚、ピクセル間の補間を用いることで、1つの透視投影画像PI(0)〜PI(M−1)のセット(例えば、1000枚)から、N(例えば、N=100)枚の指向性画像DI(0)〜DI(N−1)を生成することもできる。
但し、指向性画像6を1枚しか生成しない場合(視野が1つの立体印刷物1を制作する場合)であっても、指向性画像6の横方向のピクセル数分の透視投影画像5は必要である。
そこで、本発明の実施の形態では、後述する処理によって、レンダリングする画像数を大幅に削減する。具体的には、本発明の実施の形態では、レンダリングする画像数を、指向性画像6の横方向のピクセル数(1000枚程度)から、視点の数(特許文献2の手法による最大視点数は100枚程度)まで削減する。
尚、指向性画像6の横方向のピクセル数は、レンチキュラーシート3に含まれるレンズ数Mと同じである。
立体印刷物制作支援装置10は、立体印刷物1の制作を支援するコンピュータである。立体印刷物制作支援装置10は、立体印刷物1に含まれる合成画像2を生成する。
立体印刷物制作支援装置10は、制御部11、記憶部12、メディア入出力部13、通信制御部14、入力部15、表示部16、周辺機器I/F部17等が、バス18を介して接続される。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部12、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部11が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
これらの各プログラムコードは、制御部11により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
通信制御部14は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワークを介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。ネットワークは、有線、無線を問わない。
入力部15を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部16は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
バス18は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
立体印刷物制作支援装置10の記憶部12には、モデリングプログラム21、レンダリングプログラム22、プラグイン23、画像合成プログラム24等が記憶されている。立体印刷物制作支援装置10の制御部11は、これらのプログラムコードを読み出してRAMに移し、各種の手段として実行する。
立体印刷物制作支援装置10の制御部11は、モデリングプログラム21の機能によって、対象物Objの三次元CGモデル7を生成し、記憶部12に記憶する。
モデリングプログラム21は特に限定するものではなく、市販のCGソフトウエアでも良い。
立体印刷物制作支援装置10の制御部11は、レンダリングプログラム22の機能によって、設定されたシーンに基づいて、三次元CGモデル7の形状や位置、光の当たり具合(光沢感)などを計算し、仮想的なカメラによって撮影される画像を生成し、記憶部12に記憶する。
本発明の実施の形態では、仮想的なカメラによって撮影される画像が、指向性画像6である。
レンダリングプログラム22は特に限定するものではなく、レイトレーシング機能が含まれていれば、市販のCGソフトウエアでも良い。
プラグイン23は、指向性画像6を生成するための設定値として、投影面に対して、指向性画像6に対する視線方向、仮想的なカメラの位置、ならびに投影面に入射する光線の始点および方向(レイトレーシング機能における光線の始点および方向)を算出し、設定する機能を提供する。プラグイン23によって提供される機能の詳細については、図9から図11を参照しながら後述する。
尚、本発明の実施の形態は、この例に限定されるものではなく、レンダリングプログラム22の中に、プラグイン23の機能が含まれていても良い。
視点数Nの立体印刷物1を制作しようとする場合、立体印刷物制作支援装置10の制御部11は、画像合成プログラム24の機能によって、N枚の指向性画像6から、1枚の合成画像2を生成し、記憶部12に記憶する。
以下では、前述の説明と同様、レンチキュラーシート3に含まれるレンズ数がM、視点数がNの立体印刷物1を制作するものとする。従って、指向性画像6の横方向のピクセル数はM、指向性画像6の作成枚数はNとなる。
合成画像2には、レンチキュラーレンズL(m)に対して視線が垂直に入射する位置を基準位置31とし、左右均等に指向性画像6の一部分である部分画像Ip(n、m)が配置される。このとき、n枚目の部分画像Ip(n、m)に対する視線方向θnは、図9に示すように、印刷面30(投影面PSに相当)における画素32の並びに対応させて、レンチキュラーレンズL(m)の焦点33を通るように、画素32ごとの視線方向34として定義する。尚、図9では、図面を簡略化する為、画素32を5つしか示していないが、当然ながら、画素32は印刷面30全体に渡って存在する。
数式で示すと、視線方向θnは、次式の通りに定義する。但し、dpiは印刷解像度、fはレンチキュラーレンズの焦点距離とする。
図10では、仮想三次元空間のワールド座標系(X、Y、Z)において、対象物Obj、投影面PS、カメラC0〜CN−1(以下、総称するときは「カメラC」と表記する。)を配置している。投影面PSは、XY平面に配置し、横幅はMピクセルとする。また、カメラ基準位置CPorgを(0、0、Z0)とする。
本発明の実施の形態では、カメラCの配置方法には平行配置を用いる。すなわち、図10に示すように、カメラCから投影面PS(XY平面)に引いた垂線の長さが、全て等しくなるように配置する。図10では、カメラCから投影面PSに引いた垂線の長さは、全てZ0となっている。そして、前述の通り定義された視線方向θnに基づいて、カメラ位置CPnを定義する。数式で示すと、カメラ位置CPnは、次式の通りに定義する。
尚、Z0の値は、立体印刷物1の制作者が任意に設定すれば良い。
指向性画像6は、投影面PS上の全てのピクセルについて、ピクセルを通る光線の始点および方向を与えることで生成される。
図11では、仮想三次元空間のカメラ座標系(XC、YC、ZC)において、対象物Obj、投影面PSc、視点VP、視線空間Vol(五面体)を配置している。
ここで、Yc=Yとする。また、視点VPから投影面PSc(PS)までの距離をfd、視点VPの座標を(0、0、fd)、投影面PSc上のレンダリング対象のピクセルRPの座標を(xr、yr、0)とする。
図11に示すカメラ座標系において、指向性画像6を生成するための光線の始点NPcおよび方向NVcは、次式の通りに定義する。
これによって、制御部11は、透視投影画像5を生成することなく、仮想的なカメラのレンズ(指向性画像撮影用レンズ)によって撮影される指向性画像6を生成することができる。
ここで、前述の通り、立体印刷物1に含まれる指向性画像DInに対する視線方向θnが、レンチキュラーレンズの焦点距離fおよび立体印刷物1の印刷解像度dpiに基づいて設定され、カメラの位置CPnが、視線方向θnに基づいて設定され、光線の始点NPおよび方向NVが、設定されるレンダリング対象画素RPごとに、視点VPから投影面PSまでの距離fdおよびカメラの位置CPnに基づいて設定される。
本実施例では、モデリングプログラム21およびレンダリングプログラム22を有するCGソフトウエアとして、ドイツの「mental images GmbH」社製の「Mental ray(登録商標)」を用いた。そして、本発明者らは、プラグイン23として、「Mental ray(登録商標)」用のレンズプラグイン「DynaCube 3D(登録商標) レンズ」を作成した。
「DynaCube 3D(登録商標) レンズ」では、レンチキュラーレンズの焦点距離fや、指向性画像6の横方向のピクセル数Mなどのパラメータを任意に設定できる。また、視点位置を変えた指向性画像6も、自動的に生成できるようになっている。
これに対して、図13、図14は、実施例としての指向性画像6のレンダリング結果である。実施例では、「DynaCube 3D(登録商標) レンズ」を使用して、レンダリングを行った。
比較例および実施例とも、視点数Nを100、指向性画像6の横方向のピクセル数M(横方向解像度)を800とした。
また、合成画像2の生成に要する時間を比較する為、生成された合成画像2が同等の画質を有するように、透視投影画像5および指向性画像6ともに、1枚のレンダリング時間を10分とした。
また、図14の画像は、地面の碁盤目状の模様の矩形に対して、ある辺の垂直方向(またはある辺の平行方向)から撮影されたものである。
一方、図13の画像は、地面の碁盤目状の模様が曲線になっていることが分かる。更に、図14の画像は、地面の碁盤目状の模様が直線になっていることが分かる。図13および図14は、指向性画像6の特徴を良く表している。
一方、実施例では、レンダリング処理によって指向性画像6を生成し、指向性画像6に基づいて合成画像2を生成した。前述の通り、合成画像2を生成するために必要な指向性画像6の枚数は、視点数Nに等しい。そこで、実施例では、レンダリング処理によって、100枚の指向性画像6を生成した。従って、実施例におけるレンダリング時間は、10分×100枚=1000分≒16.7時間≒0.7日かかった。
このように、本実施例の条件下において、本発明は、従来技術と比較して、レンダリング時間を8分の1に短縮することができた。
レンダリング時間が0.7日であれば、十分に実用的な時間内で立体印刷物1を制作できたと言える。
当然ながら、カメラで撮影するということは、立体印刷物1をある特定の視線方向から見た状態と同じである。また、立体印刷物1の前面には、レンチキュラーシート3が存在することから、写真にすることによってぼやけた画像になっている。
実際には、立体印刷物1を裸眼で観察すると、視線方向に応じて、様々な角度から見た自動車の形状が鮮明に観察される。
特に、CGソフトウエアによって立体印刷物1の制作を行えるので、被写体が大きく撮影スペースの制限がある場合、所定の配置でカメラの画角に収めることが難しい場合、実物が存在しない場合などにも、立体印刷物1を制作することができる。
2………合成画像
3………レンチキュラーシート
4………焦線
5………透視投影画像
6………指向性画像
7………三次元CGモデル
10………立体印刷物制作支援装置
11………制御部
12………記憶部
21………モデリングプログラム
22………レンダリングプログラム
23………プラグイン
24………画像合成プログラム
Obj………対象物
PS………投影面
CP………カメラ位置
DI………指向性画像
Ip………部分画像
Vol………視線空間
L………レンチキュラーレンズ
C………カメラ
RP………レンダリング対象画素
VP………視点
NP………光線の始点
NV………光線の方向
Claims (7)
- 所望の物体の立体視を実現する立体印刷物の制作を支援する立体印刷物制作支援装置であって、
投影面(PS)に対して、仮想的なカメラの位置(CPn)と、前記投影面(PS)に入射する光線の始点(NP)および方向(NV)とを設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された値に基づいて、前記物体のCGモデルに対して前記光線を追跡することで、前記カメラによって撮影される前記物体の画像を作成するレンダリング手段と、
を具備し、
前記設定手段は、前記立体印刷物に用いられるレンチキュラーレンズの焦点距離(f)および前記立体印刷物の印刷解像度(dpi)に基づいて、前記立体印刷物に含まれる指向性画像(DIn)に対する視線方向(θn)を設定し、前記視線方向(θn)に基づいて前記カメラの位置(CPn)を設定し、更に、レンダリング対象画素(RP)ごとに、視点(VP)から前記投影面(PS)までの距離(fd)および前記カメラの位置(CPn)に基づいて、前記光線の始点(NP)および方向(NV)を設定し、
前記レンダリング手段は、前記設定手段によって設定された値に基づいて、前記物体のCGモデルに対して前記光線を追跡し、前記物体の指向性画像(DI n )を半透視投影の手法で作成することを特徴とする立体印刷物制作支援装置。 - 前記設定手段は、カメラ座標系における光線の始点(NPc)の水平方向の座標をレンダリング対象画素(RP)の水平方向の座標(xr)とし、ワールド座標系からカメラ座標系への変換を行うことで、ワールド座標系における前記光線の始点(NP)を算出することを特徴とする請求項1に記載の立体印刷物制作支援装置。
- 前記設定手段は、前記カメラの配置方法を平行配置とし、Xn=前記カメラから前記投影面PSに引いた垂線の長さ(Z0)×tanθnの式によって、前記カメラの位置(CPn)の水平方向の座標(xn)を算出することを特徴とする請求項2に記載の立体印刷物制作支援装置。
- 前記設定手段は、前記立体印刷物の印刷面における画素の並びに対応させて、前記画素から前記立体印刷物のレンチキュラーレンズL(m)の焦点を通るように、前記視線方向(θn)を算出することを特徴とする請求項3に記載の立体印刷物制作支援装置。
- コンピュータを、投影面(PS)に対して、仮想的なカメラの位置(CPn)と、前記投影面(PS)に入射する光線の始点(NP)および方向(NV)とを設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された値に基づいて、所望の物体のCGモデルに対して前記光線を追跡することで、前記カメラによって撮影される前記物体の画像を作成するレンダリング手段として機能させるためのプログラムに対するプラグインプログラムであって、
前記設定手段を、前記所望の物体の立体視を実現する立体印刷物に用いられるレンチキュラーレンズの焦点距離(f)および前記立体印刷物の印刷解像度(dpi)に基づいて、前記立体印刷物に含まれる指向性画像(DIn)に対する視線方向(θn)を設定し、前記視線方向(θn)に基づいて前記カメラの位置(CPn)を設定し、更に、レンダリング対象画素(RP)ごとに、視点(VP)から前記投影面(PS)までの距離(fd)および前記カメラの位置(CPn)に基づいて、前記光線の始点(NP)および方向(NV)を設定し、
前記レンダリング手段を、前記設定手段によって設定された値に基づいて、前記物体のCGモデルに対して前記光線を追跡し、前記物体の指向性画像(DI n )を半透視投影の手法で作成するものとすることを特徴とするプラグインプログラム。 - 所望の物体の立体視を実現する立体印刷物を制作する立体印刷物制作方法であって、
コンピュータが、前記物体のCGモデルをモデリングするモデリングステップと、
コンピュータが、投影面(PS)に対して、仮想的なカメラの位置(CPn)と、前記投影面(PS)に入射する光線の始点(NP)および方向(NV)とを設定する設定ステップと、
コンピュータが、前記設定ステップによって設定された値に基づいて、前記CGモデルに対して前記光線を追跡することで、前記カメラによって撮影される前記物体の画像を作成するレンダリングステップと、
を含み、
前記設定ステップは、前記立体印刷物に用いられるレンチキュラーレンズの焦点距離(f)および前記立体印刷物の印刷解像度(dpi)に基づいて、前記立体印刷物に含まれる指向性画像(DIn)に対する視線方向(θn)を設定し、前記視線方向(θn)に基づいて前記カメラの位置(CPn)を設定し、更に、レンダリング対象画素(RP)ごとに、視点(VP)から前記投影面(PS)までの距離(fd)および前記カメラの位置(CPn)に基づいて、前記光線の始点(NP)および方向(NV)を設定し、
前記レンダリングステップは、前記設定ステップによって設定された値に基づいて、前記物体のCGモデルに対して前記光線を追跡し、前記物体の指向性画像(DI n )を半透視投影の手法で作成することを特徴とする立体印刷物制作方法。 - 所望の物体に対する多数の画像を多視点に対応させて合成された画像である合成画像が印刷された印刷物と、レンチキュラーシートとが貼り合わされ、前記物体の立体視を実現する立体印刷物であって、
コンピュータが、前記物体のCGモデルをモデリングし、投影面(PS)に対して、仮想的なカメラの位置(CPn)と、前記投影面(PS)に入射する光線の始点(NP)および方向(NV)とを設定し、設定された値に基づいて、前記CGモデルに対して前記光線を追跡することで、前記カメラによって撮影される前記物体の指向性画像を作成し、前記指向性画像に基づいて合成画像を作成し、
印刷装置が、前記合成画像を前記印刷物に印刷するものであり、
前記立体印刷物に用いられるレンチキュラーレンズの焦点距離(f)および前記立体印刷物の印刷解像度(dpi)に基づいて、前記立体印刷物に含まれる指向性画像(DIn)に対する視線方向(θn)が設定され、前記視線方向(θn)に基づいて前記カメラの位置(CPn)が設定され、更に、レンダリング対象画素(RP)ごとに、視点(VP)から前記投影面(PS)までの距離(fd)および前記カメラの位置(CPn)に基づいて、前記光線の始点(NP)および方向(NV)が設定され、
前記物体の指向性画像(DI n )が前記設定された値に基づいて半透視投影の手法で作成されることによって制作される立体印刷物。
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