JP5040756B2 - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ヘッドの製造方法に関し、特に磁気抵抗効果膜をパターニングして微細なコア幅の読取素子を作製する磁気ヘッドの製造方法に関する。
従来の磁気ヘッドの読取素子の製造方法について説明する。基板上に磁気抵抗効果膜を形成した後、読取素子領域をレジストパターンで覆う。このレジストパターンをエッチングマスクとして、読取素子領域の両側の磁気抵抗効果膜をイオンミリングにより除去し、凹部を形成する。読取素子の磁化フリー層にバイアス磁化を与えるための磁区制御膜を、凹部内及び磁気抵抗効果膜の上に堆積させた後、レジストパターンを、その上に堆積している磁区制御膜と共に除去する。
読取素子のトラック方向の寸法(コア幅)を小さくするために、レジストパターンの幅を狭くし、かつ適切なイオンミリング条件を適用しなければならない。しかしながら、レジストパターン形成プロセス及びイオンミリングプロセスの制約により、コア幅を100nm以下にすることが困難である。
コア幅を狭くするために、イオンミリングと化学機械研磨(CMP)とを組み合わせた方法が有望である(特許文献1参照)。この方法では、読取素子領域の両側に形成された凹部内に磁区制御膜を残し、それ以外の領域の磁区制御膜がCMPにより除去される。
特開2006−351668号公報
イオンミリングとCMPとを組み合わせた従来の方法では、コア幅を狭くしたときに、高い製造歩留まりを維持することが困難であることがわかった。
本発明の目的は、歩留まりの低下を抑制し、かつ読取素子の微細化に適した磁気ヘッドの製造方法を提供することである。
この磁気ヘッドの製造方法は、
(a)基板上に、磁気抵抗効果を示す積層膜を形成する工程と、
(b)前記基板の表面の読取素子領域の両側に画定された磁区制御領域内の前記積層膜を除去し、第1の凹部を形成する工程と、
(c)前記第1の凹部内及び前記積層膜の上に、磁区制御膜を形成する工程と、
(d)前記第1の凹部の内部、及び前記積層膜の上面のうち前記第1の凹部の縁に隣接する一部の領域上に、前記磁区制御膜が残るように、該磁区制御膜をパターニングする工程と、
(e)前記第1の凹部内に前記磁区制御膜が残る条件で、前記磁区制御膜の一部を研磨して除去する工程と
を有する。
磁区制御膜を研磨する前に、磁区制御膜がパターニングされている。このため、全面に磁区制御膜が形成された状態で研磨する場合に比べて、研磨時間を短くすることができる。研磨時間が短縮されると、研磨工程に読取素子領域が受けるダメージを軽減することができる。これにより、読取素子を微細化することが可能になる。
図1A〜図3を参照して、第1の実施例による磁気ヘッドの製造方法について説明する。
図1Aに示すように、基板10の上に、下地膜11、磁気抵抗効果膜12、キャップ膜13、及びハードマスク膜14を、スパッタリングにより、この順番に堆積させる。基板10は、後に説明するように、アルミニウムチタンカーバイド等の基板上に磁気シールド膜を形成し、その上にAl等の絶縁膜を形成したものである。
下地膜11は、図1Bに示すように、例えば厚さ3nmのTa膜11aと、厚さ2nmのNiFe膜11bとをこの順番に積層した2層で構成される。磁気抵抗効果膜12は、例えばIrMnからなる厚さ7nmのピニング層12a、CoFeからなる厚さ1.8nmのピンド層12b、Ruからなる厚さ0.8nmの非磁性中間層12c、CoFeBからなる厚さ2.4nmのレファレンス層12d、MgOからなるトンネル絶縁層12e、NiFeからなる厚さ3nmのフリー層12f、及び厚さ5nmのTa膜12gがこの順番に積層された構造を有する。磁気抵抗効果膜12は、トンネル磁気抵抗効果(TMR)素子として機能する。
キャップ膜13は、例えばRuで形成され、その厚さは10nmである。ハードマスク膜14は、例えばTaで形成され、その厚さは50nmである。
図1Cに示すように、読取素子領域REの両側に、磁区制御領域MCが画定されている。レジストパターンをエッチングマスクとしてハードマスク膜14をエッチングすることにより、ハードマスク膜14に、磁区制御領域MCに整合する開口を形成する。ハードマスク膜14のエッチングには、例えばCFとArとを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を適用することができる。
ハードマスク膜14に形成された開口内のキャップ膜13及び磁気抵抗効果膜12を、イオンミリングにより除去する。これにより、磁区制御領域MCに凹部20が形成され、凹部20の底面に下地膜11が露出する。読取素子領域REには、磁気抵抗効果膜12、キャップ膜13、及びハードマスク膜14が積層されたリッジ状凸部21が残る。このイオンミリングにより、ハードマスク膜14が薄くなる。例えば、厚さ50nmのハードマスク膜14が、厚さ20nmまで薄くなる。ハードマスク膜14として、磁気抵抗効果膜12の各層よりもイオンミリング耐性の高い材料を用いることが好ましい。このような材料として、Ta以外にSiC、Ru等が挙げられる。
図1Dに、凹部20を形成した後の基板の平面図を示す。図1Dの一点鎖線1C−1Cにおける断面図が図1Cに相当する。基板10の表面をyz面とし、法線方向をx軸方向とするxyz直交座標系を定義する。y方向がトラック幅方向、x方向がトレーリング方向に相当し、xy面に平行な面で切断した表面が磁気記録媒体に対向する。
磁区制御領域MCの各々は、ほぼ等脚台形の部分と、ほぼ長方形の部分とを接続した平面形状を有する。等脚台形の下底と長方形の1つの長辺とが共有される。磁区制御領域MCは、等脚台形部分の上底同士が平行になるように配置される。等脚台形部分の上底の間に、読取素子領域REが画定される。
読取素子領域REはz軸方向に細長い帯状の平面形状を有し、例えば、その幅W1は100nmであり、長さL1、すなわち等脚台形部分の上底の長さは4μmである。磁区制御領域MCの各々のy方向の寸法W2、すなわち等脚台形部分の高さと長方形部分の短辺の長さとの合計は5μmであり、z方向の寸法、すなわち等脚台形部分の下底の長さ、及び長方形部分の長辺の長さは7μmである。
なお、磁区制御領域MCの各々の平面形状を長方形にしてもよい。
図1Eに示すように、基板全面に、Alからなる絶縁膜25、CrTi膜26、CoCrPt等の硬質磁性材料からなる磁区制御膜27、及びCrTi膜28を、スパッタリングにより、この順番に堆積させる。絶縁膜25、下側のCrTi膜26、磁区制御膜27、及び上側のCrTi膜28の厚さは、例えば、それぞれ7nm、5nm、20nm、及び10nmである。なお、絶縁膜25には、Al以外の絶縁材料を用いてもよい。磁区制御膜27には、CoCrPt以外の硬質磁性材料、例えばCoPtを用いてもよい。
なお、下側のCrTi膜26及び上側のCrTi膜28の形成は、必須ではない。また、下側のCrTi膜26に代えて、TiW膜とTa膜との積層構造を採用してもよい。
凹部20内が、これらの膜の積層構造で埋め込まれる。上側のCrTi膜28の上面には、凹部20の形状を反映した凹部28Aが形成される。
図1F及び図1Gに示すように、平面視において、2つの凹部20、及び読取素子領域に形成されている凸部21を内包するように、CrTi膜28の上にレジストパターン30を形成する。図1Fは、図1Gの一点鎖線1F−1Fにおける断面図に相当する。レジストパターン30は、凹部20の縁よりもやや外側まで広がっている。図1Gは、レジストパターン30がほぼ長方形の平面形状を持つ場合を示している。このため、凹部20の等脚台形部分の相互に対向する斜辺の間に画定される三角状の領域22も、レジストパターン30で覆われる。
なお、レジストパターン30の縁を、凹部20の縁にほぼ整合させてもよいし、凹部20の縁よりやや内側に配置してもよい。
図1Hに示すように、レジストパターン30を、その縁が、凹部20の等脚台形部分の斜辺に沿うような平面形状にしてもよい。
図1Iに示すように、レジストパターン30に覆われていない領域のCrTi膜28、磁区制御膜27、CrTi膜26、及び絶縁膜25を、イオンミリングにより除去する。ハードマスク膜14が、イオンミリング時のストッパとして作用する。
図1Jに示すように、レジストパターン30を除去する。絶縁膜25、CrTi膜26、磁区制御膜27、及びCrTi膜28からなる積層構造が、凹部20の内部、及びハードマスク膜14の表面のうち凹部20の縁に隣接する一部の領域(凸部21の上面を含む)上に残る。
なお、図1Fに示したレジストパターン30の縁を、凹部20の縁よりやや内側に配置する場合には、リッジ状凸部21から遠い方の凹部20の縁に沿って溝が発生する。リッジ状凸部21の上には、絶縁膜25、CrTi膜26、磁区制御膜27、及びCrTi膜28からなる積層構造が残る。
図1Kに示すように、絶縁膜25、CrTi膜26、磁区制御膜27、及びCrTi膜28からなる積層構造のうち、ハードマスク膜14よりも上方(凹部21の開口面よりも上方)に突出していた部分を、CMPにより除去する。このとき、ハードマスク膜14の研磨速度が、磁区制御膜27等の研磨速度よりも遅い条件でCMPを行う。このため、ハードマスク膜14が研磨停止層として作用する。凹部20内には、絶縁膜25、CrTi膜26、磁区制御膜27、及びCrTi膜28からなる積層構造が残る。
CMPの条件は、例えば下記の通りである。
・研磨圧力 200g/cm
・ヘッド回転数 31rpm
・下定盤回転数 30rpm
・研磨剤 砥粒アルミナ、pH4
研磨時間は、表面が平坦な基板の全面に、Al膜、CrTi膜、及びCoCrPt膜が形成されていると仮定したときに必要な研磨時間(以下、「標準研磨時間」という。)から予測することができる。本実施例においては、研磨時間を、標準研磨時間の50%とした。
CMP後に、図1Gに示した三角状領域22を光学顕微鏡で観察することにより、残膜の有無を確認することができる。また、レジストパターン30を図1Hに示した平面形状とした場合には、三角状領域22内の残膜を観察することは困難である。ただし、図1Hに示した構造を採用した場合には、CMPにより除去すべき部分の体積が小さくなるため、CMPの時間短縮を図ることが可能である。
図1Lに示すように、図1Kに示したハードマスク膜14を、CFとArとを用いたRIEにより除去する。キャップ膜13のエッチング速度は、Taからなるハードマスク膜14のエッチング速度の1/10以下である。例えば、厚さ20nmのTa膜は、10〜30秒で除去される。
図1Mに示すように、読取素子領域の凸部21、及びその両側の磁区制御膜27等の一部を覆うレジストパターン35を形成する、
図1Nに示すように、レジストパターン35で覆われていない領域の積層膜を、下地層11の上面までイオンミリングにより除去する。図1Fに示した段階で、レジストパターン30の縁を、凹部20の縁よりやや内側に配置した場合には、前述したように、図1Jに示した段階で、凹部20の外方の縁に沿った溝が発生する。図1Kに示したCMP工程時に、この溝内にスラリ等が残留する場合がある。残留したスラリ等は、図1Nに示したイオンミリング工程で除去される。
図1Oに示すように、基板全面にAlからなる絶縁膜38をスパッタリングにより堆積させる。
図1Pに示す段階までの工程について説明する。レジストパターン35を、その上に堆積している絶縁膜38と共に除去する。これにより、読取素子領域に形成されているキャップ膜13が露出する。読取素子領域を含む一部の領域に、上部磁気シールド膜39を形成する。
以下、上部磁気シールド膜39の形成方法について説明する。基板全面に、めっきのシード層となるTa膜とNiFe膜との積層をスパッタリングにより形成する。シード層の上にレジスト膜を形成する。このレジスト膜を露光、現像することにより、上部磁気シールド膜39を配置すべき領域に開口を形成する。開口が形成されている領域に、NiFeをめっきする。めっき後、レジストパターンを除去する。めっきされていない領域のシード層をイオンミリングにより除去する。
上記第1の実施例では、図1Kに示したCMP工程の前に、磁区制御膜27等がパターニングされている。このため、研磨時間を短くすることができる。研磨時間が長くなると、読取素子領域の磁気抵抗効果膜12等に生じるせん断応力により、ダメージが発生し易くなる。これにより、読取素子のMR比が低下してしまう。
読取素子領域の磁気抵抗効果膜12が受けるダメージを軽減させるためには、その上に配置されるキャップ膜13及びハードマスク膜14を厚くすればよい。ところが、これらの膜を厚くすると、図1Cに示したミリング工程で微細加工が困難になる。第1の実施例では、研磨時間を短くすることができるため、キャップ膜13及びハードマスク膜14を厚くすることなく、読取素子領域の磁気抵抗効果膜13の受けるダメージを低減させることができる。これにより、MR比の低下が抑制される。
特に、読取素子のコア幅が100nm以下になると、研磨時に生じるダメージの影響が顕在化する。第1の実施例では、研磨時に、読取素子領域の磁気抵抗効果膜12の上に、厚さ約20nmのハードマスク膜14が残存している。残存しているハードマスク膜14が20nmより薄い場合でも、MR比の低下を抑制する効果が得られる。このように、第1の実施例は、コア幅が100nm以下の場合に、特に顕著な効果が期待できる。
基板全面に磁区制御膜27が形成された図1Eの状態で、CMPにより磁区制御膜27等を除去する場合、ハードマスク膜14の一部の領域上に磁区制御膜27が残存してしまう現象が見られる。これは、研磨速度が基板面内で均一ではないためである。また、CrTi膜と、磁区制御膜27とでは、研磨速度の面内分布の傾向が異なるため、膜の残留を防止することは容易ではない。過度の研磨を行えば、膜の残留は防止できるが、読取素子領域の磁区抵抗効果膜12が受けるダメージが大きくなってしまう。
図2Aに、第1の実施例による方法で製造される磁気ヘッドの浮上面(媒体に対向する面)の正面図を示す。浮上面をxy面とし、トレーリング方向をx軸、トラック幅方向をy軸、浮上面に垂直な方向をz軸とするxyz直交座標系を定義する。図2Bに、磁気ヘッドのzx面に平行な断面図を示す。
アルミニウムチタンカーバイド等からなる基板100の上に、読取素子部105及び記録素子部115がこの順番に積層されている。読取素子部105は、下部磁気シールド層101、読取素子102、上部磁気シールド層103を含む。記録素子部115は、主磁極110、主磁極補助層111、補助磁極112、接続部114を含む。主磁極110、主磁極補助層111、補助磁極112、及び接続部114が、磁気記録時に発生する磁場の磁路の一部を構成する。この磁路と鎖交するように、記録用コイル113が配置されている。
読取素子部105の形成には、上記第1の実施例による方法が適用される。記録素子部115は、公知の方法で形成することができる。
図3に、上記実施例による方法で作製した磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置の概略図を示す。ロータリアクチュエータ124で支持されたサスペンションアーム123の先端に、ジンバルと呼ばれる支持具でスライダ122が取り付けられている。スライダ122の端部に磁気ヘッド121が取り付けられている。磁気ヘッド121の読取素子には、上記第1の実施例による方法で製造されたものが用いられる。
磁気ヘッド121は、磁気ディスク120の表面から微小な高さだけ浮上している。磁気ディスク120の表面に、同心円状の多数のトラック125が画定されている。ロータリアクチュエータ124を駆動してサスペンションアーム123を旋回させることにより、磁気ヘッド121を、磁気ディスク120の半径方向に関して異なる位置に移動させることができる。
次に、図4A〜図4Dを参照して、第2の実施例による磁気ヘッドの製造方法について説明する。
図4Aに示した断面図は、図1Jと同一であり、この構造に至るまでの工程は、第1の実施例の図1Aから図1Jに至るまでの工程と共通である。CrTi膜28の上面に、凹部20の形状を反映した凹部28Aが現れている。凹部28A内のCrTi膜28の上面と、凸部21のハードマスク膜14の下面とが、ほぼ同じ高さになるように、膜の厚さが調整されている。
図4Bに示すように、基板全面に、Taからなる研磨停止膜40をスパッタリングにより形成する。このとき、凹部28A内のCrTi膜28上に形成された研磨停止膜40と、凸部21内のハードマスク膜14とが、ほぼ同じ高さに配置される。なお、研磨停止膜40に、Ta以外の研磨耐性の高い材料を用いてもよい。例えば、SiCやRu等を用いてもよい。
図4Cに示すように、凹部20の開口面よりも上方に堆積している磁区制御膜27等を、CMPにより除去する。このCMPは、ハードマスク膜14及び研磨停止膜40の研磨速度が、CrTi膜28、磁区制御膜27、CrTi膜26、及び絶縁膜25の研磨速度よりも遅い条件で行う。例えば、研磨時間は、標準研磨時間の50%とする。リッジ状凸部21が配置された領域、及び凹部20の縁に沿う領域に、磁区制御膜27等を含む凸部が発生している。この凸部は、平面視において面積が非常に小さいため、研磨の初期段階に、この凸部上に堆積している研磨停止膜40に高い圧力が加わる。これにより、この部分の研磨停止膜40が研磨される。その後、その下の磁区制御膜27等が研磨される。
凹部28Aの底に堆積していた研磨停止膜40が残っている状態で研磨を停止させる。凸部21の最上面には、ハードマスク膜14が残っている。
図4Dに示すように、研磨停止膜40及びハードマスク膜14を、RIEにより除去する。その後の工程は、第1の実施例の図1Lに示した段階以降の工程と共通である。
第2の実施例では、凸部21内のハードマスク膜14、及び凹部20内の磁区制御膜27上に形成されていた研磨停止膜40により、研磨を再現性よく停止させることができる。凹部20内の磁区制御膜27上に形成されていた研磨停止膜40は、凸部21のハードマスク膜14の極近傍に配置されている。このため、第1の実施例に比べて、凸部21の過度の研磨を抑制する高い効果が期待される。
凹部20内の磁区制御膜27の上に形成されていた研磨停止膜40(以下、「凸部21の両側の研磨停止膜40」という。)と、凸部21内に形成されていたハードマスク膜14とが、同じ高さになるように各膜の厚さを調節することが好ましいが、厳密に同じ高さである必要はない。凸部21の両側の研磨停止膜40の上面が、凸部21内のハードマスク膜14の下面よりも低い場合には、研磨停止膜40が十分な研磨停止機能を発揮できない。このため、凸部21の両側の研磨停止膜40の上面を、凸部21内のハードマスク膜14の下面より高くすることが好ましい。また、凸部21の両側の研磨停止膜40の上面の高さを、凸部21内のハードマスク膜14の上面と等しくするか、またはハードマスク膜14の上面よりもやや高くすることがより好ましい。凸部21の両側の研磨停止膜40の上面が高すぎると、この研磨停止膜40で研磨が停止してしまい、凸部21上の磁区制御膜27を研磨により除去することが困難になる。従って、凸部21の両側の研磨停止膜40の上面と、凸部21内のハードマスク膜14の上面との高さの差を20nm以下にすることが好ましい。
図5A〜図5Eを参照して、第3の実施例による磁気ヘッドの製造方法について説明する。
図5Aに示した断面図は、図1Eと同一であり、この構造に至るまでの工程は、第1の実施例の図1Aから図1Eに至るまでの工程と共通である。CrTi膜28の上面に、凹部20の形状を反映した凹部28Aが現れている。凹部28Aの底面に形成されているCrTi膜28の上面と、凸部21のハードマスク膜14の下面とが、ほぼ同じ高さになるように、膜の厚さが調整されている。
図5Bに示すように、CrTi膜28の上に、Taからなる研磨停止膜50をスパッタリングにより形成する。このとき、凹部28A内のCrTi膜28の上に形成された研磨停止膜50と、凸部21内のハードマスク膜14とが、ほぼ同じ高さに配置される。
平面視において、2つの凹部20、及び読取素子領域に形成されている凸部21を内包するように、研磨停止膜50の上にレジストパターン51を形成する。レジストパターン51は、図1Gまたは図1Hに示したレジストパターン30と同じ平面形状を有する。
図5Cに示すように、レジストパターン51で覆われていない領域の研磨停止膜50から絶縁膜25までの各膜を除去する。例えば、研磨停止膜50は、RIEにより除去し、それよりも下の膜は、イオンミリングにより除去する。
図5Dに示すように、レジストパターン51を除去する。図5Eに示すように、凹部20の開口面よりも上方に堆積している磁区制御膜27等を、CMPにより除去する。このCMPは、ハードマスク膜14及び研磨停止膜50の研磨速度が、CrTi膜28、磁区制御膜27、CrTi膜26、及び絶縁膜25の研磨速度よりも遅い条件で行う。例えば、研磨時間は、標準研磨時間の50%とする。凸部21内のハードマスク膜14が露出し、かつ凹部20内の磁区制御膜27の上に研磨停止膜50が残っている状態で研磨を停止させる。
図5Fに示すように、研磨停止膜50及びハードマスク膜14を、RIEにより除去する。その後の工程は、第1の実施例の図1Lに示した段階以降の工程と共通である。
第3の実施例においても、第2の実施例の場合と同様に、凸部21の過度の研磨を抑制し、かつ凸部21に加えられるせん断応力の低減効果が期待される。
凸部21内のハードマスク膜14と、凸部21の両側の研磨停止膜50との高さの好ましい関係は、第2の実施例における凸部21内のハードマスク膜14と、凸部21の両側の研磨停止膜40との高さの好ましい関係と同じである。
図6A〜図6Eを参照して、第4の実施例による磁気ヘッドの製造方法について説明する。
図6Aに示した断面図は、図1Cと同一であり、この構造に至るまでの工程は、第1の実施例の図1Aから図1Cに至るまでの工程と共通である。
図6Bに示すように、基板全面にレジスト膜60を形成する。レジスト膜60には、リフトオフ用の2層レジストを用いることが好ましい。レジスト膜60の厚さは、例えば0.25μm〜1.0μmとする。このレジスト膜60に、平面視において、2つの凹部20、及び読取素子領域に形成されている凸部21を内包する開口60Aを形成する。開口60A内の基板表面、及びレジスト膜60の上に、絶縁膜25、CrTi膜26、磁区制御膜27、及びCrTi膜28を、この順番に堆積させる。CrTi膜28の上面に、凹部20の形状を反映した凹部28Aが現れている。凹部28A内のCrTi膜28の上面と、凸部21のハードマスク膜14の上面とが、ほぼ同じ高さになるように、膜の厚さが調整されている。
図6Cに示すように、レジスト膜60を、その上に堆積している磁区制御膜27等と共に除去する。レジスト膜60の除去時には、超音波を印加する。開口60Aの側面を覆っていた磁区制御膜27等が、ほぼ垂直に切り立った壁のように残る。なお、超音波の印加条件により、ほぼ垂直に切り立った壁が除去される場合もある。また、凹部20内にも、磁区制御膜27等が残る。
図6Dに示すように、凹部20の開口面よりも上方に堆積している磁区制御膜27等を、CMPにより除去する。このCMPは、ハードマスク膜14の研磨速度が、CrTi膜28、磁区制御膜27、CrTi膜26、及び絶縁膜25の研磨速度よりも遅い条件で行う。例えば、研磨時間は、標準研磨時間の50%とする。ハードマスク膜14が研磨停止層として作用する。
図6Eに示すように、ハードマスク膜14をRIEにより除去する。その後の工程は、第1の実施例の図1Lに示した段階以降の工程と共通である。
第2の実施例では、磁区制御膜27等をイオンミリングによりパターニングしたが、第4の実施例のように、リフトオフ法によりパターニングすることも可能である。
図7A〜図7Dを参照して、第5の実施例による磁気ヘッドの製造方法について説明する。
図7Aに示した断面図は、図6Cと同一であり、この構造に至るまでの工程は、第4の実施例の図6Cの構造に至るまでの工程と共通である。なお、第5の実施例では、凹部28A内のCrTi膜28の上面が、凸部21内のハードマスク膜14の下面とほぼ同じ高さになるように、各膜の厚さが調整されている。
図7Bに示すように、磁区制御膜27等を含む積層構造の表面、及びハードマスク膜14の上に、Taからなる研磨停止膜70をスパッタリングにより堆積させる。凹部28A内のCrTi膜28の上に形成される研磨停止膜70と、凸部21内のハードマスク膜14とは、ほぼ同じ高さに配置される。
図7Cに示すように、凹部20の開口面よりも上方に堆積している磁区制御膜27等を、CMPにより除去する。このCMPは、ハードマスク膜14及び研磨停止膜70の研磨速度が、CrTi膜28、磁区制御膜27、CrTi膜26、及び絶縁膜25の研磨速度よりも遅い条件で行う。例えば、研磨時間は、標準研磨時間の50%とする。ハードマスク膜14及び研磨停止膜70により、再現性よく研磨を停止させることができる。
図7Dに示すように、ハードマスク膜14及び研磨停止膜70をRIEにより除去する。その後の工程は、第1の実施例の図1Lに示した段階以降の工程と共通である。
第5の実施例では、読取素子領域の凸部21の極近傍に研磨停止膜70が配置される。このため、第2の実施例と同様に、凸部21の過度の研磨を抑制し、凸部21が受けるせん断応力を軽減することができる。
凸部21内のハードマスク膜14と、凸部21の両側の研磨停止膜70との高さの好ましい関係は、第2の実施例における凸部21内のハードマスク膜14と、凸部21の両側の研磨停止膜40との高さの好ましい関係と同じである。
図8A〜図8Dを参照して、第6の実施例による磁気ヘッドの製造方法について説明する。
図8A示したCrTi膜28を形成するまでの工程は、第4の実施例の図6Bに示した構造に至るまでの工程と共通である。なお、第6の実施例では、第5の実施例の場合と同様に、凹部28A内のCrTi膜28の上面が、凸部21内のハードマスク膜21の下面とほぼ同じ高さである。CrTi膜28の上に、Taからなる研磨停止膜80をスパッタリングにより形成する。凹部28A内の研磨停止膜80は、凸部21内のハードマスク膜14とほぼ同じ高さに配置される。
図8Bに示すように、図8Aに示したレジスト膜60を、その上に堆積している磁区制御膜27等と共に除去する。開口60Aの側面を覆っていた磁区制御膜27等が、ほぼ垂直に切り立った壁のように残る。なお、超音波の印加条件により、ほぼ垂直に切り立った壁が除去される場合もある。また、凹部20内にも、磁区制御膜27等が残る。
図8Cに示すように、凹部20の開口面よりも上方に堆積している磁区制御膜27等を、CMPにより除去する。このCMPは、ハードマスク膜14及び研磨停止膜80の研磨速度が、CrTi膜28、磁区制御膜27、CrTi膜26、及び絶縁膜25の研磨速度よりも遅い条件で行う。例えば、研磨時間は、標準研磨時間の50%とする。凹部20の開口面よりも上方に突出している部分の平面視における面積は極わずかであるため、研磨初期段階にこの部分に大きな圧力が加わる。このため、突出している部分に形成されている研磨停止膜80が除去される。ハードマスク膜14及び研磨停止膜80により、再現性よく研磨を停止させることができる。
図8Dに示すように、ハードマスク膜14及び研磨停止膜80を、RIEにより除去する。その後の工程は、第1の実施例の図1Lに示した段階以降の工程と共通である。
第6の実施例では、読取素子領域の凸部21の極近傍に研磨停止膜80が配置される。このため、第2の実施例と同様に、凸部21の過度の研磨を抑制し、凸部21が受けるせん断応力を軽減することができる。
凸部21内のハードマスク膜14と、凸部21の両側の研磨停止膜80との高さの好ましい関係は、第2の実施例における凸部21内のハードマスク膜14と、凸部21の両側の研磨停止膜40との高さの好ましい関係と同じである。
図9に、第1〜第6の実施例及び比較例による方法で製造したTMR素子の不良品率を示す。横軸は、磁区制御膜27等のCMP工程の研磨時間を、標準研磨時間を100%としたときの相対値で表す。比較例による製造方法では、図1Eに示したように全面に磁区制御膜27等が形成されている状態でCMPを行う。縦軸は、製造されたTMR素子の不良品率を、比較例による方法を採用して研磨時間300%で製造したTMR素子の不良品率を1としたときの相対値で表す。
比較例による方法では、研磨時間を30%、50%、及び150%とした場合、図1Eに示した凹部20が形成されていない領域に、本来は除去されるべき磁区制御膜27が残り、良好なTMR素子を作製することができなかった。第1〜第6の実施例では、研磨時間を30%、50%、及び150%としても、磁区制御膜27の残留は観測されなかった。
比較例において、研磨時間を300%にすると、磁区制御膜27の残留は観測されなくなるが、不良品率が高くなってしまう。これは、図1Eに示した凸部21に、CMPによるダメージが発生するためと考えられる。第1〜第6の実施例では、研磨時間を短くすることができるため、凸部21の受けるダメージが軽減される。このため、不良品率が低くなっている。なお、第1〜第6の実施例において、研磨時間が長くなるに従って不良品率が高くなるのは、凸部21が研磨時間に応じたダメージを受けるためと考えられる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
以上の第1〜第6の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
(a)基板上に、磁気抵抗効果を示す積層膜を形成する工程と、
(b)前記基板の表面の読取素子領域の両側に画定された磁区制御領域内の前記積層膜を除去し、第1の凹部を形成する工程と、
(c)前記第1の凹部内及び前記積層膜の上に、磁区制御膜を形成する工程と、
(d)前記磁区制御膜をパターニングすることにより、一方の前記第1の凹部内の少なくとも一部から、前記読取素子領域の積層膜の上面を経由して、他方の前記第1の凹部の少なくとも一部までを連続的に覆う前記磁区制御膜を残す工程と、
(e)前記第1の凹部内に前記磁区制御膜が残る条件で、前記磁区制御膜の一部を研磨して除去する工程と
を有する磁気ヘッドの製造方法。
(付記2)
前記工程(a)が、前記積層膜の上に、ハードマスク膜を形成し、該ハードマスク膜をパターニングする工程を含み、
前記工程(b)において、パターニングされた前記ハードマスク膜をエッチングマスクとして前記積層膜をエッチングし、
前記工程(c)において、パターニングされた前記ハードマスク膜の上に前記磁区制御膜を形成し、
前記工程(e)において、前記ハードマスク膜の研磨速度が、前記磁区制御膜の研磨速度よりも遅い条件で研磨を行い、前記ハードマスク膜で研磨を停止させる付記1に記載の磁気ヘッドの製造方法。
(付記3)
前記工程(c)において形成される前記磁区制御膜の上面が、前記第1の凹部の内面の形状を反映した第2の凹部を含み、
前記工程(d)が、さらに、パターニングされた前記磁区制御膜の上、及び前記積層膜の上に、研磨停止膜を形成する工程を含み、
前記工程(e)において、前記研磨停止膜の研磨速度が前記磁区制御膜の研磨速度よりも遅い条件で前記磁区制御膜を研磨し、前記第1の凹部内の前記磁区制御膜の上に前記研磨停止膜が残っている状態で研磨を停止する付記1または2に記載の磁気ヘッドの製造方法。
(付記4)
前記工程(c)において形成される前記磁区制御膜の上面が、前記第1の凹部の内面の形状を反映した第2の凹部を含み、
前記工程(c)が、さらに、前記磁区制御膜の上に、研磨停止膜を形成する工程を含み、
前記工程(d)において、前記研磨停止膜を前記磁区制御膜と同一の平面形状にパターニングし、
前記工程(e)において、前記研磨停止膜の研磨速度が前記磁区制御膜の研磨速度よりも遅い条件で前記磁区制御膜を研磨し、前記第1の凹部内の前記磁区制御膜の上に前記研磨停止膜が残っている状態で研磨を停止する付記1または2に記載の磁気ヘッドの製造方法。
(付記5)
前記工程(b)が、さらに、平面視において、前記読取素子領域及び前記第1の凹部を内包する開口を有するレジストパターンを、前記積層膜の上に形成する工程を含み、
前記工程(c)において、前記レジストパターンの上に前記磁区制御膜を形成し、
前記工程(d)において、前記レジストパターンを、該レジストパターンの上に形成されている前記磁区制御膜と共に除去することにより、該磁区制御膜をパターニングする付記1または2に記載の磁気ヘッドの製造方法。
(付記6)
前記工程(c)において形成される前記磁区制御膜の上面が、前記第1の凹部の内面の形状を反映した第2の凹部を含み、
前記工程(d)が、パターニングされた前記磁区制御膜の表面、及び前記磁区制御膜が形成されていない領域を、研磨停止膜で覆う工程を含み、
前記工程(e)において、前記研磨停止膜の研磨速度が前記磁区制御膜の研磨速度よりも遅い条件で前記磁区制御膜を研磨し、前記第1の凹部内の前記磁区制御膜の上に前記研磨停止膜が残っている状態で研磨を停止する付記5に記載の磁気ヘッドの製造方法。
(付記7)
前記工程(c)において形成される前記磁区制御膜の上面が、前記第1の凹部の内面の形状を反映した第2の凹部を含み、
前記工程(c)が、さらに、前記磁区制御膜の上に、研磨停止膜を形成する工程を含み、
前記工程(d)において、前記レジストパターンの上に形成されている前記研磨停止膜も、該レジストパターンと共に除去し、
前記工程(e)において、前記研磨停止膜の研磨速度が前記磁区制御膜の研磨速度よりも遅い条件で前記磁区制御膜を研磨し、前記第1の凹部内の前記磁区制御膜の上に前記研磨停止膜が残っている状態で研磨を停止する付記5に記載の磁気ヘッドの製造方法。
(1A)は、第1の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図であり、(1B)は、下地膜と磁気抵抗効果膜との断面図であり、(1C)及び(1D)は、それぞれ第1の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図及び平面図である。 (1E)及び(1F)は、第1の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図であり、(1G)及び(1H)は、第1の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の平面図である。 (1I)〜(1K)は、第1の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 (1L)〜(1N)は、第1の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 (1O)及び(1P)は、第1の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 (2A)は、第1の実施例による方法で製造される読取素子を含む磁気ヘッドの正面図であり、(2B)は、その断面図である。 ハードディスクドライブの概略図である。 (4A)〜(4D)は、第2の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 (5A)〜(5C)は、第3の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 (5D)〜(5F)は、第3の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 (6A)〜(6C)は、第4の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 (6D)及び(6E)は、第4の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 (7A)〜(7D)は、第5の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 (8A)〜(8D)は、第6の実施例による磁気ヘッドの製造方法の途中段階における装置の断面図である。 実施例及び比較例による方法で製造したTMR素子の不良品率を示すグラフである。
符号の説明
10 基板
11 下地膜
12 磁気抵抗効果膜
13 キャップ膜
14 ハードマスク膜
20 凹部
21 凸部
22 三角状領域
25 絶縁膜
26 CrTi膜
27 磁区制御膜
28 CrTi膜
28A 凹部
30 レジストパターン
35 レジストパターン
38 絶縁膜
39 上部磁気シールド膜
40、50 研磨停止膜
51 レジストパターン
60 レジスト膜
60A 開口
70 研磨停止膜
100 基板
101 下部シールド膜
102 読取素子
103 上部シールド膜
105 読取素子部
110 主磁極
111 主磁極補助層
112 補助磁極
113 記録用コイル
114 接続部
115 記録素子部
120 磁気ディスク
121 磁気ヘッド
122 スライダ
123 サスペンションアーム
124 ロータリアクチュエータ
125 トラック

Claims (5)

  1. (a)基板上に、磁気抵抗効果を示す積層膜を形成する工程と、
    (b)前記基板の表面の読取素子領域の両側に画定された磁区制御領域内の前記積層膜を除去し、第1の凹部を形成する工程と、
    (c)前記第1の凹部内及び前記積層膜の上に、磁区制御膜を形成する工程と、
    (d)前記磁区制御膜をパターニングすることにより、一方の前記第1の凹部内の少なくとも一部から、前記読取素子領域の積層膜の上面を経由して、他方の前記第1の凹部の少なくとも一部までを連続的に覆う前記磁区制御膜を残す工程と、
    (e)前記第1の凹部内に前記磁区制御膜が残る条件で、前記磁区制御膜の一部を研磨して除去する工程と
    を有する磁気ヘッドの製造方法。
  2. 前記工程(a)が、前記積層膜の上に、ハードマスク膜を形成し、該ハードマスク膜をパターニングする工程を含み、
    前記工程(b)において、パターニングされた前記ハードマスク膜をエッチングマスクとして前記積層膜をエッチングし、
    前記工程(c)において、パターニングされた前記ハードマスク膜の上に前記磁区制御膜を形成し、
    前記工程(e)において、前記ハードマスク膜の研磨速度が、前記磁区制御膜の研磨速度よりも遅い条件で研磨を行い、前記ハードマスク膜で該研磨を停止させる請求項1に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記工程(c)において形成される前記磁区制御膜の上面が、前記第1の凹部の内面の形状を反映した第2の凹部を含み、
    前記工程(d)が、さらに、パターニングされた前記磁区制御膜の上、及び前記積層膜の上に、研磨停止膜を形成する工程を含み、
    前記工程(e)において、前記研磨停止膜の研磨速度が前記磁区制御膜の研磨速度よりも遅い条件で前記磁区制御膜を研磨し、前記第1の凹部内の前記磁区制御膜の上に前記研磨停止膜が残っている状態で該研磨を停止する請求項1または2に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記工程(c)において形成される前記磁区制御膜の上面が、前記第1の凹部の内面の形状を反映した第2の凹部を含み、
    前記工程(c)が、さらに、前記磁区制御膜の上に、研磨停止膜を形成する工程を含み、
    前記工程(d)において、前記研磨停止膜を前記磁区制御膜と同一の平面形状にパターニングし、
    前記工程(e)において、前記研磨停止膜の研磨速度が前記磁区制御膜の研磨速度よりも遅い条件で前記磁区制御膜を研磨し、前記第1の凹部内の前記磁区制御膜の上に前記研磨停止膜が残っている状態で該研磨を停止する請求項1または2に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記工程(b)が、さらに、平面視において、前記読取素子領域及び前記第1の凹部を内包する開口を有するレジストパターンを、前記積層膜の上に形成する工程を含み、
    前記工程(c)において、前記レジストパターンの上に前記磁区制御膜を形成し、
    前記工程(d)において、前記レジストパターンを、該レジストパターンの上に形成されている前記磁区制御膜と共に除去することにより、該磁区制御膜をパターニングする請求項1または2に記載の磁気ヘッドの製造方法。
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