JP5040439B2 - 微細加工技術 - Google Patents

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Description

本発明は、多数のナノ構造を形成しうる微細加工技術に関する。実施形態によっては、融点が高い素材へ多数の三次元ナノ構造を転写することが可能になる。例えば、ナノインプリント加工に用いるモールドの製造などに利用することが出来る。
ディスプレイのパネルやカメラのレンズなどの光学部品には、表面における光の反射を防止することが求められる。表面反射を防止する方法としては、当該表面に反射防止用の薄膜コーティングを施す方法や、当該表面に微細な凹凸構造を形成する方法が知られている。このうち表面微細凹凸構造による反射防止方法は、量産に適した製造技術の開発が非常に困難であったため、現実の製品としては殆ど用いられておらず、現在の主流は薄膜コーティングである。しかし、表面微細凹凸構造による反射防止作用は、薄膜コーティングによる反射防止作用よりも遙かに高いため、現在も、優れた量産技術の開発を目的として研究が活発に行われている。
このような量産技術の一つとして、ナノインプリント技術が注目されている。ナノインプリント技術とは、加工する対象物にモールド(金型)を押し付けることによってモールドに形成されたパターンを加工対象物に転写する技術である。原理的には非常に単純な加工方法であるが、10年ほど前に米プリンストン大学のChou博士によって、この方法で10nm程度の微細構造を転写することが可能なことが示されて以降、大きな注目を浴びるようになった。これは、ナノインプリント技術では、nmオーダーの構造を比較的安価に大量生産できる可能性があるからである。これに対して現在主流の微細加工技術は、フォトリソグラフィー技術を高度に発展させたものであるが、装置の大型化や高コスト化が著しいものとなり、ごく少数の企業を除いて事実上対応不可能なものになってしまった。このためナノインプリント技術は次世代の微細加工技術として大きな期待がかけられている。とは言ってもナノインプリント技術はまだまだ発展途上の技術であり、モールドの微細加工技術やプレス技術、離型技術など、多方面において精力的な研究開発が進められている。
表面無反射を実現する構造として特に知られている構造は、円錐状突起を多数形成した構造である。図1にその一例を示す。図に示されるように、基体10の表面に多数の円錐状構造12がぎっしりと形成されている。円錐状構造12の間隔は50nm以下であり、頂点の間隔は約250nm、円錐の高さは550−600nmである。このようなナノスケールの円錐構造を面上に多数形成することにより、その面における光の反射をほぼ0にすることができる。
このような構造をナノインプリント技術によって形成するには、適当なモールドを用意する必要がある。そこで、まずモールドの材料について検討すると、特に無反射構造が必要であると思われるガラス材に対してナノインプリント技術を適用するためには、モールドの耐熱性が、ガラス材のガラス転移温度以上(600〜1400度以上)でなくてはならない。従って、樹脂へのナノインプリントに対してしばしば用いられるニッケルは、ガラス材へのナノインプリント用のモールド材料としては用いることができない。ガラス材へのナノインプリント用のモールド材料として優れているものの一つは、グラシーカーボン(ガラス状カーボン、ガラス状炭素)である。非特許文献1には、グラシーカーボン製のモールドを用いてガラスのナノインプリント成形を行ったことが記載されている。
次に、モールド材料への型の形成について検討すると、ガラス材表面に多数の円錐構造を形成するためには、その構造を転写しうる型をグラシーカーボン上に形成しなくてはならない。しかし本願出願時において、このような目的のために適当と思える技術は存在しなかった。唯一、レーザーによって表面を直接掘削加工する方法が考えられるが、表面無反射を実現するためには非常に多数の円錐構造を形成する必要があるので、時間がかかり過ぎて現実的ではない。
伊藤寛明、前田龍太郎他、「マイクロ光学レンズ成型用金型の集束イオンビーム加工」精密工学会誌 Vol.70, No.12, 2004, 1549-1553
本願発明は、かかる背景のもとになされたものであって、その目的は、ガラス材表面に光反射抑制構造を転写しうるナノインプリント用モールドを製作するための技術を開発することであった。ただし、本願発明が応用されうる分野は上記の目的に限定されず、様々な部材の微細加工に幅広く応用されうるものである。
上記の課題は、基板の表面に、およそ円錐を逆にしたような形状の孔又は窪みを多数有する被膜を形成し、その被膜の上からエッチングを行うことにより、解決することができる。この解決手段によれば、上記の錘状窪みを型としてエッチングが進行するため、該基板表面に、円錐を逆にしたような形状の窪みを一度に多数形成することができる。そして、多数の窪みが形成された基板をモールドとしてガラス材にナノインプリントを行うことにより、当該ガラス材に光反射抑制作用を呈しうる突起構造を転写することができる。
基板の材料としては、グラシーカーボンが優れている。上述のように、グラシーカーボンは耐熱性に優れるため、融点の高いガラス材用のナノインプリントモールドとして適しているためである。グラシーカーボン製の基板を用いる場合、基板に窪みを形成するためのエッチング法としては酸素エッチングが適している。酸素を単独に用いてエッチングしてもよいし、酸素と他の反応性ガス(たとえばSF6、CHF3、C4F8、Ar)とを混合したガスを用いてエッチングしてもよい。また、グラシーカーボン以外にも、シリコン系の材料の中で耐熱性に優れるものを、基板材料として利用してもよい。
なお酸素エッチングとは、酸素雰囲気によるプラズマエッチングである。酸素エッチングは、全ての方位に等速度でエッチングが進行する等方性のエッチングであるが、従来、等方性エッチングは、エッチングの進行方向を制御できないために、微細加工には適していないとされてきた。従って、等方性エッチングを微細加工に用いる本発明の実施形態は、従来の常識から発案される微細加工法とは大きく異なり、大変特徴的である。
上記被膜に形成する孔又は窪みの形状は、鋭い逆円錐状であったり、すり鉢のように若干湾曲した形状であったり、底面部を平らにした形状であったり、様々であることができる。全体として、およそ錘状、すなわち、開口部から底部に向かって開口径がすぼまるような形状であればよい。これは、モールドが転写すべき無反射構造が、底部から頂部へかけて径がすぼまるような形状の突起が多数並んだ構造であるからである。
また、酸素エッチングの時間を調節することにより、基板に形成する窪みの底部の形状を鋭角にしたり、平坦な面にしたりすることができる。
錘状の孔又は窪みを多数有する被膜を基板に形成するやり方は様々であることができる。特に好ましい実施形態では、次のような方法により、所望の被膜を形成する。まず、基板の表面に金属被膜を形成し、更に該金属被膜上にレジストを塗布する。金属被膜の材料としては、アルミニウム、金、クロム、金とクロムの多層薄膜、などを採用することができる。次に、フォトエッチングやナノインプリント法を用いることにより、該レジストに多数の孔又は窪みを形成する。続いて反応性イオンエッチングなどのエッチングを施すことにより、レジストを除去しつつ上記金属被膜に多数の孔又は窪みを形成することができる。更に、これらの孔又は窪みが形成された金属被膜をクロムなどによって被膜する。すると、金属被膜に開けられた孔又は窪みの部分では、クロム被膜が錘状に形成される。すなわち、基板上に、アルミニウムなどによる被膜とクロム被膜の2層からなるマスクが形成され、しかもこのマスクは、所望の錘状の窪みを多数備えている。クロムは固いので、ナノインプリントによってクロム被膜に所要のパターンを直接転写することはできないが、上述の方法によるならば、錘状構造を有するクロム被膜を容易に形成することが可能になる。この被膜の上から酸素エッチングを施し、最後にウェットエッチングなどを利用して金属被膜を除去することにより、表面に多数の錘状窪みを備えたモールドを作ることができる。
上述の実施形態において、マスク材料としてクロムを例示していたが、クロムの他にも、グラシーカーボンを加工しうるエッチング法と同じエッチング法によって加工されうる材料を用いることが可能である。当該材料は1つに限らず、例えば、クロムと金の2層の被膜を作るなど、複数の材料を用いて複数の層を形成することとしてもよい。
別の好ましい実施形態では、次のような方法により、多数の錘状窪みを有する被膜を基板に形成する。まず、基板の表面にクロムや金などによって被膜を形成し、その被膜上に更にレジストを塗布する。次に、多数の微細な円錐状突起を備えるモールドを用意し、これをレジストに押し付けることにより、レジスト膜上に錘状錘状の窪みを多数形成する。窪みの形成は電子描画法を用いることもできる。この状態から酸素エッチングを施すことにより、レジストを除去しつつ、多数の錘状錘状窪みを有するマスクを得ることができる。
前述のように、基板材料としてグラシーカーボンを用いることができ、マスクの材料として金を用いることができる。しかし、グラシーカーボンと金は密着性が悪いという問題がある。この問題を解決するために本願発明者が検討したところによれば、グラシーカーボン基板にまずクロムの層を形成し、クロム層の上に金の層を形成することにより、密着性に優れたハードマスクを得ることができることを見出した。さらに本願発明者が発見したところによれば、上述の製造工程において、金の層の上にさらにチタンの層を形成することにより、レジストの付きを良くすることができることを見出した。
この実施形態においても、マスク材料として、金やクロムなどの他にも、グラシーカーボンを加工しうるエッチング法と同じエッチング法によって加工されうる材料を用いることが可能である。
前述の課題は次のような手段によっても解決することができる。まず、グラシーカーボン基板の表面に金属被膜を形成し、更にその金属被膜上にレジストを塗布する。金属被膜の材料としては、やはり、アルミニウム、金、クロム、金とクロムの多層薄膜、などを採用することができる。次に、フォトエッチングやナノインプリント法を用いて該レジストに多数の孔又は窪みを形成し、続いてドライエッチング等によりレジストを除去して上記金属被膜に多数の貫通孔を形成する。ここで、多数の貫通孔が形成された金属被膜をマスクとして等方性のドライエッチングを行うと、孔から露出しているグラシーカーボン基板が浸食され、しかも浸食は孔の中央部分で最も早く進行し、孔の端部に近い部分の浸食速度は遅いため、孔から露出している基板部分には錘状の窪みが形成される。最後に金属被膜を除去すれば、表面に多数のすり鉢状窪みを備えたグラシーカーボン製モールドを作ることができる。等方性ドライエッチングとしては、上述のように、酸素などを用いたプラズマエッチングなどを利用することができる。
本発明による三次元構造形成技術は、グラシーカーボンやシリコンなどの基板の表面に多数の錘状窪みを形成するために利用しうるのみならず、様々な素材の表面にナノ構造を形成するために、幅広く応用することができる。
本発明の好ましい実施形態のいくつかの例は添付の特許請求の範囲に定義されている。しかし、本発明が取りうる実施形態はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本願明細書や特許請求の範囲及び図面に記載又は示唆される如何なる新規な特徴又は新規な組み合わせをも、その取りうる実施形態のあるものに含みうる。
以下、本発明のより深い理解に資するため、本発明の実施形態の例を添付図面を参照しながら説明する。
以下に説明する本発明の実施形態の目的は、図1に描かれるように、ガラス材10の表面に多数の微小円錐状突起12を形成するための、ナノインプリント用モールドを製造することである。図2にはかかるモールド2の外観が模式的に描かれている。
モールド2は、グラシーカーボン製の基板20に、すり鉢状の窪み22を多数備えた構造を有している。この実施例における窪みの大きさは、直径が200nm、深さが550〜600nmであり、隣接する窪みとの間隔は50nm以内、窪みの最深部の間隔はおよそ250nmである。これらの数値はあくまで例であり、特に本発明を限定するものではないことはもちろんであるが、本発明の実施形態が作ろうとしている窪みが非常に小さなものであり、且つ非常に多数の窪みを形成しなければならないことが理解されると思う。
以下、本発明の実施形態の第1の例を、図10のフローチャート及び図3〜図8を用いて説明する。図10は、本例に係るナノインプリント用モールドの製造方法の流れを示すフローチャートであり、図3〜図9は、途中の工程の様子を模式的に描いた図である。
図10において、工程100は、製造工程の開始を示している。工程102はモールドの基板を準備する工程を示す。基板の素材はグラシーカーボン(ガラス状カーボン、ガラス状炭素)である。グラシーカーボンは耐熱性が高く、被転写物であるガラス材のガラス転移温度以上(およそ600〜1400度)においてもモールドとしての役割を果たしうる。図3〜図8において、グラシーカーボン基板は符号20で示されている。
工程104は、基板20にアルミニウムの被膜24を形成する工程を示す(図3参照)。アルミニウム被膜24は、後の酸素エッチング工程においてマスクとして用いられる。工程106は、アルミニウム被膜24上に更にレジストを塗布する工程である。図4に、グラシーカーボン基板20の上にアルミニウム層24とレジスト層26が形成されている様子が描かれている。
工程108及び110は、フォトリソグラフィによってレジスト層26に多数の孔28を形成する工程である。工程108では、レジスト層26に電子ビームなどを用いて直径200nmのドットを50nm間隔で次々に描画する。これを工程110において現像することにより、描画した部分のレジストを取り除き、図5に描かれるように、多数の孔28をレジスト層26に形成することができる。
レジスト層26に多数の孔28を形成するために、フォトリソグラフィを用いずに、ナノインプリントを用いることもできる。このような実施例が工程122で示されている。ナノインプリントを用いる場合は、直径200nmの突起が50nm間隔で配列しているモールドを別途用意し、これをレジスト層26に押しつけることで、図5に描かれるような所望の窪みを得ることができる。
工程112は、反応性イオンエッチング(RIE)を行う工程を示す。RIEが進むにつれてレジスト26は除去されるが、孔28の箇所においてはレジストが薄いか又は既に除去されてしまっているので、アルミニウム層28が浸食され、アルミニウム層28に孔30が形成される。孔30は、グラシーカーボン基板20が露出するように開けられる。レジスト層26が除去され、アルミニウム層28に孔30が形成された基板の斜視図が図6aに示されており、その断面図が図6bに示されている。
工程114及び工程116は、グラシーカーボン基板20にすり鉢状の窪みを形成する工程である。まず工程114において、孔30が多数形成されたアルミニウム層28をクロムで被膜する。このとき孔30の部分には段差があるため、クロム被膜がすり鉢状に形成される。この様子が図7a及び図7bに描かれている。特に図7bには、アルミニウム層24に孔がある部分において、クロム層32が逆円錐状の窪み34に形成されることが、拡大されて描かれている。工程116ではクロム層の上から酸素エッチングが行われる。エッチングが進むにつれ、クロム層は浸食除去されるが、窪み34がすり鉢状の形状を呈しており、また窪み34の下にはアルミ層が存在しないため、グラシーカーボン基板20もすり鉢状に浸食される。アルミ層が存在する部分はアルミ層がマスクとなるためエッチングされない。このため、アルミ層に開けられた孔の部分において、グラシーカーボン基板20にすり鉢状の孔36が形成される。この様子が図7a及び図7bに描かれている。
グラシーカーボン基板20にすり鉢状の窪みを形成するには、等方性のドライエッチング、すなわち、全ての方位に等速度でエッチングが進行するドライエッチングを利用することもできる。このようなエッチング方法としては、酸素を用いたプラズマエッチングなどが挙げられる。図10の工程124は、かかる変形例を示している。グラシーカーボン基板20上のアルミ層に孔が開けられた状態(図6参照)から、等方性ドライエッチングを行うと、アルミ層の孔の部分のみ基板20をすり鉢状に削ることができる。
工程118においてアルミニウム層24を除去すれば、図2に描かれるようなモールドを得ることができる。アルミニウム被膜24の除去には、例えばウェットエッチングを用いることがでいる。工程120は工程の終了を示す。
ここで説明した実施例によれば、グラシーカーボン基板の表面にアルミニウム層を形成し、それに貫通孔を開けた上で更にクロムで被膜することにより、アルミニウム層の貫通孔の部分のクロム層がすり鉢状を呈するように形成される。こうして形成したすり鉢状の窪みを型としてグラシーカーボン基板をエッチングすることにより、グラシーカーボン基板をもすり鉢状に浸食加工することが、本実施例の大きな特徴である。このような手法を用いることにより、グラシーカーボン基板上に大量の窪みを精度良く高速に形成することが可能となる。
次に、本発明の実施形態の第2の例を、図11のフローチャート及び図9a〜dを用いて説明する。図11は、本例に係るナノインプリント用モールドの製造方法の流れを示すフローチャートであり、図9a〜dは、途中の工程の様子を模式的に描いた図である。
図11のステップ200は本実施例に係る工程の開始を示す。工程202はグラシーカーボン基板を準備する工程である。図9a〜dにおいて、グラシーカーボン基板は、符号90で示されている。工程204では、実施例1における工程104とはことなり、グラシーカーボン基板90上にクロムの層92が形成される。さらに工程206では、クロム層92の上に、レジスト層94が形成される。
工程208では、基板96の表面に微小円錐状突起96aを多数備えたモールドを用意し、これをレジスト層94に押しつけることにより、レジスト層94に逆円錐状の窪み98を転写する。工程208の様子が図9aに描かれている。
工程210では、工程208で形成した窪み98を型として、酸素エッチングが行われる(図9b参照)。エッチングが進むにつれレジスト層94が除去されるが、窪み98の部分の部分はレジスト層が逆円錐状に薄くなっているため、クロム層92にも浸食が進み、クロム層92にも逆円錐状の窪みが形成される(図9c参照)。この状態からさらに酸素エッチングを進めると、クロム層92の窪みが型となってグラシーカーボン基板90の浸食が進み、基板90にも逆円錐状の窪み100が形成される(図9d)。工程212は本実施例に係る工程の終了を示す。
ここで説明した第2実施例によれば、グラシーカーボン基板の表面にクロム層及びレジスト層を形成し、ナノインプリントによってレジスト層に逆円錐状の窪みを形成する。そして、こうして形成した逆円錐状の窪みを型として酸素エッチングを行い、まずクロム層に逆円錐状の窪みを形成し、さらにそれを型としてグラシーカーボン基板をも逆円錐状に浸食加工することが、本実施例の大きな特徴である。このような手法を用いることにより、グラシーカーボン基板上に大量の窪みを精度良く高速に形成することが可能となる。
〔試験製造例〕
以下、本発明の一実施形態である製造方法によるナノインプリント用モールド製造の実例を、参考のために紹介する。本試験製造に係る工程の詳細条件は、図13にまとめて説明されているので、以下の説明に併せて図13も参照のこと。
〔グラシーカーボン基板の準備〕
基板材料として、厚さ1mmのグラシーカーボン板を用いた。
〔マスク層の形成〕
グラシーカーボン基板上に、スパッタ(ユニバーサルシステムズ MS340)を用いて、厚さ10nmのクロム層を形成し(DC100W, 1min)、クロム層の上に厚さ70nmの金の層を形成し(DC100W, 2min15sec)、さらに金の層の上に、厚さ5nmのチタンの層を形成した(DC100W, 1min)。従って、マスク層は全部で三種の金属薄膜から構成される。
〔電子線リソグラフィ〕
次に、チタン層の上にレジスト(日本ゼオン株式会社 ZEP520A)をスピンコーティング(1000rpm, 10sec → 6000rpm, 90sec)により塗布した。レジスト層の厚さは280nmとした。次いで、塗布したレジストを180℃で2分間焼成したのち、電子線描画装置(エリオニクスESL-7700H)により、径200nmのドットを250nm間隔で20000点形成した。その後レジストを現像し、径170-200nmの多数のドットパターンを得た。
〔マスクのドライエッチング〕
続いて、アルゴンミリング装置(伯東3−IBE)を用いてマスクのドライエッチングを行った(300V, 10mA, Ar 5sccm, Angle 0°, 4rpm)。本願発明者が見出したところによれば、所望の錘形状を得るには、エッチングを連続して行うのではなく、何段階かに分けて行う方が、好ましいことが分かった。本試験製造例においては、5分間のドライエッチングを、インターバルをおいて5回繰り返した。
〔グラシーカーボン基板のドライエッチング〕
続いて、酸素エッチング装置(SAMCO Model RIE-10NRS)を用い、200W, 5Pa, O2:80sccm, SF6:20sccmの条件にてドライエッチングを7分行い、グラシーカーボン基板の加工をさらに進行させた。
〔マスクの除去〕
続いて、ウェットエッチングによりマスクの除去を行った。チタン層は上記工程によって既に消失している。金被膜の除去のためには関東化学製AURUM-301(KI+I2)を用い、クロム被膜の除去のためにはCe硝酸NH4:17g, HClO4:5ml, H2:100mlからなるエッチング剤を用いた。
〔エッジ取り〕
最後に、酸素エッチング装置(SAMCO Model RIE-10NRS)を用い、200W, 5Pa, O2:80sccm, SF6:20sccmの条件にてドライエッチングを30秒行い、エッジの研磨を行った。
〔結果〕
上述の製造工程によって製造されたナノインプリント用モールドの電子顕微鏡写真を図14及び図15に示す。図14は、モールド表面を、鉛直方向から30度傾けて撮影した写真である。表面に多数の円錐孔が形成された様子が写し出されている。図15は、図14に示されるモールドを切断して円錐孔の断面を撮影した写真である。図14の場合よりも倍率が大きくなっており、また、図14と同様に鉛直方向から30度傾けて撮影されている。図15の写真からは、各々の孔がきれいな円錐状を呈しており、また径や深さも十分に揃っていることが観察できる。
以上、本発明の好適な実施形態の例を説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱せずに、様々な形態をとりうることは言うまでもない。例えば、ここで説明した実施例で作られたモールドの窪みの形状は、図2や図9dに描かれるように、底部が逆に尖っている形状を呈しているが、工程116や210の酸素エッチングの時間を適当に制御することにより、底部形状を緩やかな曲面としたり、平坦な形状とすることも可能である。また、工程108における電子ビーム描画の描画形状や、工程122や工程208におけるナノインプリントモールドの型形状を変更することで、グラシーカーボン基板に形成する凹み形状を、逆円錐状のみならず、逆三角錐状、逆四角錐状、円柱状、矩形柱状など、様々なものとすることができる(図12参照)。むろん、もっと複雑な三次元形状を形成することも可能である。
説明される実施例で形成しようとする表面無反射構造の概略図 説明される実施例で製造しようとするナノインプリント用モールドの概略図 図10における工程104の概略を描いた図 図10における工程106の概略を描いた図 図10における工程108〜110の概略を描いた図 図10における工程112の概略を描いた図 図10における工程114の概略を描いた図 図10における工程116の概略を描いた図 実施例2に係るモールド製造方法のいくつかの局面の概略図 実施例1に係るモールド製造方法のフローチャート 実施例2に係るモールド製造方法のフローチャート 基板表面に作製可能な微細構造パターンの例 明細書に記載の試験製造例に係る製造工程のまとめ 明細書に記載の試験製造例により製造されたナノインプリント用モールドの電子顕微鏡写真 明細書に記載の試験製造例により製造されたナノインプリント用モールドの電子顕微鏡写真
符号の説明
2 モールド
20 グラシーカーボン基板
24 アルミニウム層
26 レジスト層
28 アルミニウム層
32 クロム層
90 グラシーカーボン基板
92 クロム層
94 レジスト層

Claims (5)

  1. ナノインプリント用モールドを製造する方法であって、基板の表面に、錘状の孔又は窪みを複数有する被膜を形成し、該被膜の上からエッチングを行うことにより、前記基板に錘状の孔又は窪みを形成することを特徴とする、製造方法。
  2. ナノインプリント用モールドを製造する方法であって、
    グラシーカーボン製の基板の表面に金属膜を形成するステップと、
    前記金属膜上にレジストを塗布するステップと、
    前記レジストの膜に複数の孔又は窪みを形成するステップと、
    エッチングにより前記レジストを除去しつつ前記金属膜に複数の孔又は窪みを形成するステップと、
    前記孔又は窪みが形成された前記金属膜を所定の材料により被膜するステップであって、該所定の材料は、グラシーカーボンを加工しうるエッチング法と同じエッチング法によって加工されうる材料である、ステップと、
    前記材料の被膜が除去されるまで、グラシーカーボンを加工しうる前記エッチング法によりエッチングを行うステップと、
    前記金属膜を除去するステップと、
    を有する製造方法。
  3. 前記レジストに複数の孔又は窪みを形成するステップは、前記レジストに、複数の微小錘状突起を備えるモールドを押し付けるステップを含む、請求項2に記載の製造方法。
  4. ナノインプリント用モールドを製造する方法であって、
    グラシーカーボン製の基板の表面に所定の材料により被膜を形成するステップであって、該所定の材料は、グラシーカーボンを加工しうるエッチング法と同じエッチング法によって加工されうる材料である、ステップと、
    前記材料の被膜上にレジストを塗布するステップと、
    前記レジストの膜に複数の孔又は窪みを形成するステップと、
    前記レジスト及び前記材料の被膜が除去されるまでエッチングを行うステップと、
    を有する製造方法。
  5. 前記被膜は、基板表面にクロム層を形成すると共に該クロム層の上に金の層を形成することにより形成される、請求項4に記載の製造方法。
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