JP5040109B2 - フェノールおよび塩素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒドロキシ化合物および塩素の製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、塩素化炭化水素化合物の加水分解によりヒドロキシ化合物と塩化水素を得、得られる塩化水素の酸化反応により塩素を得るヒドロキシ化合物および塩素の製造方法であって、酸化で副生する生成水と未反応塩化水素を塩酸として回収し、プロセス内で効率的に再利用できるという優れた特徴を有するヒドロキシ化合物および塩素の製造方法に関するものである。
たとえばベンゼンのような炭化水素と塩化水素と酸素から塩素化炭化水素化合物であるモノクロルベンゼンを経由して、間接的にフェノールのようなヒドロキシ化合物を製造する方法はRaschigプロセスと呼ばれ公知である。このプロセスは、ベンゼンと塩化水素と酸素より、オキシクロリネーション法によりモノクロルベンゼンを製造し、モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを製造するとともに、副生する塩化水素は回収してモノクロルベンゼン製造用のオキシクロリネーション法に用いるというプロセスである(たとえば、特許文献1参照)。
また、発明者らは、オキシクロリネーション法を用いず、塩素を用いた塩素化反応によりモノクロルベンゼンを製造し、塩素化および加水分解で副生する塩化水素を回収し、酸化反応で塩素を製造し再利用するというプロセスを提案した(特許文献2)。
しかしながら、加水分解反応では、大量の未反応水が存在するため、副生する塩化水素は濃度の低い塩酸となって回収され、その塩酸からの塩化水素の回収には多大のエネルギーが必要であるという難点がある。特に、得られる塩酸の塩化水素濃度が操作圧力下での塩化水素および水の共沸組成より小さい場合には、単純な蒸留操作では塩化水素を取り出すことはできず、硫酸、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の強電解質の添加、あるいは特許文献3に示されるような異なった圧力下での二段蒸留といった手段が必要になり、プロセスが複雑になるという問題があった。
そこで発明者らは加水分解の原料として水の代わりに塩酸を用いることにより加水分解後に分離回収される塩酸中の塩化水素濃度を高め、これより高純度の塩化水素を残部の塩酸と分離して取り出し、残部の塩酸は加水分解の原料の一部としてリサイクルするプロセスを提案した(特許文献4)。しかし、取り出した塩化水素の酸化して塩素を製造する場合、酸化で生成する水および未反応塩化水素の有効利用方法は示されていない。
米国特許第3221063号明細書 特願2004−292339号明細書 特開2001−139305号公報 特願2005−098187号明細書
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、塩素化炭化水素化合物の加水分解によりヒドロキシ化合物と塩化水素を得、得られる塩化水素の酸化反応により塩素を得るヒドロキシ化合物および塩素の製造方法であって、酸化で副生する生成水と未反応塩化水素を塩酸として回収し、プロセス内で効率的に再利用することができるという優れた特徴を有するヒドロキシ化合物および塩素の製造方法を提供する点にある。
すなわち、本発明は、下記の工程を含むヒドロキシ化合物および塩素の製造方法に係るものである。
加水分解工程:塩素化炭化水素化合物と塩酸を接触させることにより、ヒドロキシ化合物と塩化水素を含む混合物を得る工程
塩酸分離工程:加水分解工程で得た混合物を、塩酸を主とする部分と塩素化炭化水素化合物およびヒドロキシ化合物を主とする部分に分離する工程
塩化水素分離工程:塩酸分離工程で得た塩酸を主とする部分より塩化水素を主とする部分を分離して回収し、残部を加水分解工程へリサイクルする工程
酸化工程:塩化水素分離工程で得た塩化水素を酸素と反応させて塩素と水を得る工程
塩素分離回収工程:酸化工程の反応混合物を、塩素を主とする部分、酸素を主とする部分および水と未反応塩化水素を主とする部分に分離し、酸素を主とする部分の少なくとも一部を酸化工程へリサイクルし、水と未反応塩化水素を主とする部分を加水分解工程および/または塩化水素分離工程にリサイクルする工程
本発明により、塩素化炭化水素化合物の加水分解によりヒドロキシ化合物と塩化水素を得、得られる塩化水素の酸化反応により塩素を得るヒドロキシ化合物および塩素の製造方法であって、酸化で副生する生成水と未反応塩化水素を塩酸として回収し、プロセス内で効率的に再利用することができるという優れた特徴を有するヒドロキシ化合物および塩素の製造方法を提供することができる。
本発明の加水分解工程は、塩素化炭化水素化合物と塩酸を接触させることにより、ヒドロキシ化合物と塩化水素を含む混合物を得る工程である。
塩素化炭化水素化合物としては、メチルクロライド、エチルクロライド、アリルクロライドのような鎖状炭化水素に塩素原子が一つ置換した塩素化炭化水素化合物や、四塩化炭素のような塩素原子が複数個置換されたもの、モノクロルベンゼン、1,2−、1,3−または1,4−ジクロルベンゼン、1,2,3−、1,2,4−または1,3,5−トリクロルベンゼン、テトラクロルベンゼン、ペンタクロルベンゼンまたはヘキサクロルベンゼン、モノまたはポリクロロトルエン、モノまたはポリクロロキシレン等の芳香族化合物に塩素原子が、一つ、または複数個置換された化合物を挙げることができる。また、それらの化合物の芳香環がニトロ基、アミノ基、アルキル基(メチル基を除く。)等の置換基で置換されていてもよい。更に、上記の単環式芳香族化合物の他に、ナフタレン環、アントラセン環等の多環式芳香族化合物であってもよい。また、芳香環に直接塩素が置換された化合物のみならず、塩化ベンジル、クミルクロライドのように芳香環の置換基が塩素化されたものであってもよい。
芳香族化合物としてベンゼンを用い、塩素化芳香族化合物であるモノクロルベンゼンまたはジクロルベンゼンを得る方法が産業上の観点から特に重要である。
ヒドロキシ化合物としては、メタノール、エタノール、アリルアルコールのような鎖状炭化水素にヒドロキシ基が一つついたアルコール類や、ペンタエリトリトールのようなヒドロキシ基が複数個置換されたもの、フェノール、クレゾール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等の芳香族化合物にヒドロキシ基が一つ、または複数個置換された化合物を挙げることができる。また、それらの化合物の芳香環がニトロ基、アミノ基、アルキル基(メチル基を除く)等の置換基で置換されていてもよい。芳香族化合物の場合は、上記の単環式芳香族化合物の他に、ナフタレン環であるナフトール、アントラセン環等の多環式芳香族化合物であってもよい。また、芳香環に直接ヒドロキシ基が置換された化合物のみならず、ベンジルアルコール、クミルアルコールのように芳香環の置換基がヒドロキシ化されたものであってもよい。
用いる塩酸は、特に制限はない。
加水分解工程に供給する原料は、塩素化炭化水素化合物と水であるが、加水分解工程にて回収された塩酸を原料として用いることが、本発明の特徴である。つまり、塩酸中の水が反応に寄与し消失するが、塩化水素が副生するため、加水分解工程にて回収される塩酸の塩化水素濃度は加水分解反応を行うことにより増加する。
塩素化炭化水素化合物が塩素化芳香族化合物であり、ヒドロキシ化合物がヒドロキシ芳香族化合物である場合、とりわけ塩素化炭化水素化合物がモノクロルベンゼンであり、ヒドロキシ化合物がフェノールである場合が産業上の観点から特に重要である。
塩素化炭化水素化合物と塩酸を反応させる方法は、特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。具体的な方法の例を示すと、次のとおりである。反応は、液相、気相いずれによっても実施されるが、通常は気相反応を用いる。反応形態としては、固定床、流動床、移動床のいずれでもよい。塩酸中の水と塩素化炭化水素のモル比(水/塩素化炭化水素)は通常0.5以上、10以下であり、反応温度は160℃以上、600℃以下であり、反応圧力は減圧、常圧、加圧いずれでもよいが、通常は常圧である。モノクロルベンゼン等の塩素化芳香族化合物の場合は、触媒として担持燐酸系触媒、担持銅系触媒を用いることができる。
加水分解反応は、結晶性メタロシリケート触媒および/または金属担持結晶性メタロシリケート触媒を用い手行うことが、加水分解反応の活性、選択性向上の観点から好ましい。
結晶性メタロシリケート触媒としては、Siを必須成分として含み、Al、Cu、Ga、Fe、B、Zn、Cr、Be、Co、La、Ge、Ti、Zr、Hf、V、Ni、Sb、Bi、Nb等から選ばれる1種または2種以上の金属元素を含み、Siと他金属原子比、Si/Me原子比(ここに、Meは、Al、Cu、Ga、Fe、B、Zn、Cr、Be、Co、La、Ge、Ti、Zr、Hf、V、Ni、Sb、Bi、Nb等から選ばれる1種または2種以上の金属元素を示す)が、5以上である結晶性メタロシリケートがより好ましいが、Me成分を実質的に含まない二酸化ケイ素からなる結晶性シリケートでもよい。
さらに、それらの結晶性メタロシリケート上に、上記Me成分をさらに担持したものを触媒として用いてもよい。
塩酸中の塩化水素濃度については、塩化水素が加水分解反応に悪影響を与えない程度であることが望ましい。用いられる塩素化炭化水素化合物の種類、加水分解反応条件、加水分解反応用触媒によって用いられる塩酸中の塩化水素濃度は異なると思われるが、モノクロルベンゼンを結晶性メタロシリケート触媒および/または金属担持結晶性メタロシリケート触媒を用いて加水分解を実施する場合は、21重量%以下が良好である。
本発明の塩酸分離工程は、加水分解工程で得た混合物を、塩酸を主とする部分と塩素化炭化水素化合物およびヒドロキシ化合物を主とする部分に分離する工程である。
ヒドロキシ化合物、未反応塩素化炭化水素化合物等の有機物を主とする油層と、未反応水、生成塩化水素を主とする塩酸層に油水分離するため、公知の油水分離操作により塩酸層を分離することができる。油層と塩酸層の分離が不十分な場合は、塩酸と相互溶解度の低い有機溶媒を用いた抽出操作により油層と塩酸層を分離してもよい。また、回収された塩酸層中に微量含まれるヒドロキシ化合物、塩素化炭化水素、有機溶媒等の有機物は、抽出、蒸留等の操作により、さらに除去することも可能である。上記の操作で塩酸分離工程にて塩酸を回収され、すくなくともその一部は、直接的、または間接的に加水分解工程にリサイクルされる。間接的にリサイクルするとは、回収された塩酸を塩化水素分離工程等他の工程を経由した後、加水分解工程にリサイクルすることを意味する。
本発明の塩化水素分離工程は、塩酸分離工程で得た塩酸を主とする部分より塩化水素を主とする部分を分離して回収し、残部を加水分解工程へリサイクルする工程である。
塩化水素分離工程は、塩酸分離工程にて回収された塩酸については、前述のように塩化水素濃度が上昇してくるので、蒸留操作により濃度上昇分の塩化水素を留出回収させ、残りの塩酸を加水分解工程の原料として用いる工程である。塩化水素分離工程は通常蒸留塔が用いられ、塔頂に塩化水素を留出回収し塔底に残塩酸を得るが、蒸留塔の操作圧力は0.1MPa〜1.0MPaが望ましく、より好ましくは0.1〜0.7MPaである。その際の残塩酸の濃度は、操作圧力に応じた共沸組成となり0.1MPa時 21重量%で1.0MPa時 13重量%である。該操作圧力が低すぎると真空設備を必要とし設備費高となり残塩酸濃度も高くなって塩化水素回収率の低下となる。一方該操作圧力が高過ぎると残塩酸濃度が低くなり塩化水素回収率が高くなるが、塔底温度が高くなるため装置材料の腐食が進行しやすく、また、高温の加熱源を必要とするため省エネルギーの点から好ましくない。蒸留により留出した塩化水素については、塩化水素を利用する種々の用途に適用できるが、塩素化炭化水素化合物製造のための原料として用いることもできる。具体的には、塩素化炭化水素化合物製造用の原料塩素を得るための塩化水素酸化反応用原料として利用されるか、または、オキシクロリネーション用の原料として用いることもできる。
本発明における酸化工程は、加水分解工程で得た塩化水素を酸素と反応させて塩素と水を得る工程である。
塩化水素と酸素を反応させる方法については、特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。具体的な方法の例を示すと、次のとおりである。塩化水素と酸素のモル比(塩化水素/酸素)は0.5〜2.0であり、反応温度は200〜500℃、好ましくは200〜380℃であり、反応圧力は0.1〜5MPaであり、空塔速度は0.7〜10m/sである。反応器としては、固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器を用いることができる。反応には触媒として酸化クロム触媒、酸化ルテニウム触媒を用いることができる。
本発明における塩素分離回収工程は、酸化工程の反応混合物を、塩素を主とする部分、酸素を主とする部分および水と未反応塩化水素を主とする部分に分離し、酸素を主とする部分の少なくとも一部を酸化工程へリサイクルし、水と未反応塩化水素を主とする部分を加水分解工程および/または塩化水素分離工程にリサイクルする工程である。
酸化工程の反応混合物は、塩素、塩化水素、水および酸素を含んでいる。これらの成分を本工程で塩素、塩化水素および水からなる塩酸、酸素に分離し、回収するのである。
塩素分離回収工程を実施するには、たとえば吸収、凝縮、蒸留を用いればよい。塩化水素、水についてはについては、凝縮、または溶媒に吸収させ塩酸として分離、回収する。酸化工程での塩化水素の反応率が低く、未反応塩化水素が反応生成水に全量溶解しない場合は、塩化水素分離工程で塩化水素を回収した残部として得られる塩化水素濃度が低下した塩酸を吸収液として用いることにより塩化水素を完全に溶解させてもよい。回収した塩酸は加水分解工程または塩酸分離工程にリサイクルし、直接もしくは間接に加水分解の原料として利用する。ここで回収した塩酸の塩化水素濃度が、塩化水素と水の共沸組成より大きい場合は塩酸中の塩化水素の一部を容易に回収可能であり、塩化水素分離工程に供給するのが望ましい。また、ここで得られた塩素は、炭化水素化合物の塩素化による塩素化炭化水素の製造に用いることができる。
本発明においては、下記のヒドロキシ化合物精製工程を用いることが望ましい。
ヒドロキシ化合物精製工程:塩酸分離工程で得た塩素化炭化水素化合物およびヒドロキシ化合物を主とする部分を、塩素化炭化水素化合物を主とする部分とヒドロキシ化合物を主とする部分と不純物を主とする部分に分離し、塩素化炭化水素化合物を主とする部分の少なくとも一部を加水分解工程にリサイクルする工程
塩酸分離工程で得られた油層にはヒドロキシ化合物、未反応塩素化炭化水素化合物に加え加水分解で副生する炭化水素化合物などの不純物が少量含まれる。これらを本工程で塩素化炭化水素化合物を主とする部分、ヒドロキシ化合物を主とする部分、不純物を主とする部分に分離し、精製されたヒドロキシ化合物を得るとともに、塩素化炭化水素化合物は加水分解の原料としてリサイクルするのである。
ヒドロキシ化合物精製工程を実施するには、たとえば蒸留を用いればよい。その際、不純物を主とする部分は含まれる不純物成分の沸点に応じて、2つ以上の留分として分離回収してもよい。
本発明においては、下記の塩化水素精製工程を用いることが望ましい。
塩化水素精製工程:塩化水素分離工程で得た塩化水素を主とする部分より塩素化芳香族化合物およびヒドロキシ化合物を主とする部分を分離して回収し、残りの塩化水素を酸化工程へ送る工程
本工程における精製方法としては、たとえば、冷却して気液分離し、気体として精製塩化水素を得る方法や、吸着により不純物を除去する方法が挙げられる。これら両方法を併用することもできる。
本発明を、炭化水素としてベンゼンを用い、ヒドロキシ化合物としてフェノールを得る場合の例である
<実施例1(加水分解工程 反応実施例)>
実施例1におけるモノクロルベンゼン転化率、フェノール選択率は、次の定義による。
モノクロルベンゼン転化率(%)=(反応したモノクロルベンゼンのモル数)/(供給したモノクロルベンゼンのモル数)×100
フェノール選択率(%)=(生成したフェノールのモル数)/(反応したモノクロルベンゼンのモル数)×100
ベンゼン選択率(%)=(生成したベンゼンのモル数)/(反応したモノクロルベンゼンのモル数)×100イオン交換水40ml中に、市販の塩化銅二水和物(和光製 99.9重量%PUA)10.0gを攪拌、溶解させ塩化銅水溶液を調製した。その塩化銅水溶液中に、市販のH−ZSM−5ゼオライト(N.E.ケムキャット製 Si/Al=15 1.6mmφ押出し成型品)20.0gを添加し、スターラーにて攪拌下に8時間浸漬しイオン交換を行った。固形分をろ過、イオン交換水による水洗した後、120℃で4時間乾燥、さらに空気流通下400℃で5時間焼成し、触媒を得た。得られた触媒をアルカリ溶融/ICP−AES法にてCu含有量を測定したところ、3.0重量%であった。
この触媒1gを、内径17mmφの石英製固定床反応器に充填し、454℃に保持した。SiCを充填し、窒素11ml/minを流通させた200℃の固定床蒸発器に、17%塩酸水溶液を0.65g/hr さらに、モノクロルベンゼン(和光製 特級)を3.16g/hrで供給して製造した混合ガスを上記石英製固定床反応器に供給して反応を開始した。
1.5時間経過後、生成ガスをトルエン溶媒に吸収させ、生成物をガスクロマトグラフにより分析としたところ、モノクロルベンゼン転化率11.8%、フェノール選択率92.5%、ベンゼン選択率5.6%であった。
本発明を、塩素化炭化水素としてモノクロルベンゼンを用い、ヒドロキシ化合物としてフェノールを得る場合、たとえば図1のフローと表1の物質収支により好適に実施することができる。
モノクロルベンゼン(流体番号2)と塩酸(流体番号4)を加水分解工程(A)に供給し、加熱気化させた後、銅担持ゼオライト触媒を充填した反応器で加水分解反応を行わせ、フェノールと塩化水素を生成させる。この際、副反応によりベンゼンが生成する。
生成したフェノール、塩化水素、ベンゼンおよび未反応のモノクロルベンゼン、水を含む反応混合物(流体番号5)は塩酸分離工程(B)に供給し、主にフェノール、モノクロルベンゼン、ベンゼンからなる油層(流体番号6)と、主に塩化水素、水からなる塩酸層(流体番号7)に分離する。
塩酸分離工程で得られる塩酸層は塩化水素分離工程(C)に供給し、蒸留塔で塩化水素ガスを放散させることにより、頂部から塩化水素を主とするガス(流体番号9)を、塔底から、蒸留塔の供給原料より塩化水素の濃度が減少した塩酸(10)を得る。塔底から得られる塩酸の一部は加水分解工程にリサイクルし、外部から供給される水(流体番号3)とともに反応原料として利用する。
塩酸分離工程で得られる油層はヒドロキシ化合物精製工程(F)に供給し、蒸留によってベンゼンを主とする留分(流体番号13)、モノクロルベンゼンを主とする留分(流体番号14)、フェノールを主とする留分(流体番号15)、その他の不純物を主とする留分(流体番号16)に分離する。モノクロルベンゼンを主とする留分は加水分解工程にリサイクルし、外部から供給される新モノクロルベンゼン(流体番号1)とともに反応原料として利用する。
塩化水素分離工程で得られる塩化水素を主とするガスは水、ベンゼン、モノクロルベンゼンなどの不純物を微量含んでおり、これを塩化水素精製工程(G)で冷却した後、活性炭を充填した塔を通過させることにより不純物を分離する。精製された塩化水素ガス(流体番号17)は酸化工程(D)に供給し、分離、回収した不純物(流体番号18)は塩酸分離工程にリサイクルする。
酸化工程では、精製塩化水素ガスを酸素(流体番号20)とルテニウム担持触媒を用いて気相で反応させ、塩素と水を生成させる。生成した塩素、水および未反応の塩化水素、酸素を含む反応ガス(流体番号21)は、塩素分離回収工程(E)に供給し、凝縮液化および蒸留により、酸素を主とするガス(流体番号22)、塩素を主とするガス(23)、塩化水素および水からなる塩酸(流体番号24)に分離する。ここで、塩化水素を水と共に液化して酸素、塩素と十分に分離し塩酸として分離ための吸収液として、塩化水素回収工程の蒸留塔の底部から得られる、塩化水素濃度が低下した塩酸の一部(流体番号12)を用いる。酸素を主とするガスは、その一部(流体番号25)を不純物蓄積防止のためにパージし、残部(流体番号26)は酸化工程にリサイクルし、新酸素(流体番号19)とともに酸化反応原料として利用する。
Figure 0005040109
本発明を実施するフローの例である。
符号の説明
A:加水分解工程
B:塩酸分離工程
C:塩化水素分離工程
D:酸化工程
E:塩素分離回収工程
F:ヒドロキシ化合物精製工程
G:塩化水素精製工程

Claims (5)

  1. 下記の工程を含むフェノールおよび塩素の製造方法。
    加水分解工程:モノクロルベンゼンと塩酸を接触させることにより、フェノールと塩化水素を含む混合物を得る工程
    塩酸分離工程:加水分解工程で得た混合物を、塩酸を主とする部分とモノクロルベンゼンおよびフェノールを主とする部分に分離する工程
    塩化水素分離工程:塩酸分離工程で得た塩酸を主とする部分より塩化水素を主とする部分を分離して回収し、残部を加水分解工程へリサイクルする工程
    酸化工程:塩化水素分離工程で得た塩化水素を酸素と反応させて塩素と水を得る工程
    塩素分離回収工程:酸化工程の反応混合物を、塩素を主とする部分、酸素を主とする部分および水と未反応塩化水素を主とする部分に分離し、酸素を主とする部分の少なくとも一部を酸化工程へリサイクルし、水と未反応塩化水素を主とする部分を加水分解工程および/または塩化水素分離工程にリサイクルする工程
  2. 下記の工程を含む請求項1記載の製造方法。
    ヒドロキシ化合物精製工程:塩酸分離工程で得たモノクロルベンゼンおよびフェノールを主とする部分を、モノクロルベンゼンを主とする部分とフェノールを主とする部分と不純物を主とする部分に分離し、モノクロルベンゼンを主とする部分の少なくとも一部を加水分解工程にリサイクルする工程
  3. 下記の塩化水素精製工程を含む請求項1記載の製造方法
    塩化水素精製工程:塩化水素分離工程で得た塩化水素を主とする部分よりモノクロルベンゼンおよびフェノールを主とする部分を分離して回収し、残りの塩化水素を酸化工程へ送る工程
  4. 塩化水素分離工程における操作圧力が0.1〜1.0MPaである請求項1記載の製造方法。
  5. 加水分解工程において、結晶性メタロシリケート触媒および/または金属担持結晶性メタロシリケート触媒を用いる請求項1記載の製造方法。
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