JP5038102B2 - 化粧料 - Google Patents

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本発明は、水性溶媒中に抗菌性組成物を分散させて調製した化粧料に関する。
従来、多くの化粧料には、空気中の浮遊菌や手肌の常在菌等によって腐敗したり汚染されるのを防ぐために、微生物の増殖を抑制する保存料が含まれている。
しかしながら、この保存料は、化粧料の品質を長期に亘って保持するために重要な役割を果たす反面、化粧料を手肌に塗布した際に、刺激性を示す場合があり、使用者によっては、かぶれたり、発疹が生じたりするおそれがあった。
一方、近年注目されている抗菌物質の一つとして銀がある。
特に銀は、微生物に抗菌作用を示す程度の低濃度では、人体に対して無害であり、手肌に触れる化粧料等に含有されている(例えば、特許文献1参照。)。
この銀を含有する化粧料によれば、同化粧料中に微生物が増殖するのを抑制し、微生物に汚染されたり、腐敗するのを防止することができるとしている。
特開2007−39444号公報
ところが、上記従来の銀を含有する化粧料では、時間の経過に伴って、抗菌性が急速に減衰するおそれがあった。
すなわち、銀は、水や水を主体とする溶液中における分散安定性が低く、凝集したり、沈殿することにより、充分な抗菌性が得られない場合があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、人体に対して無害であり、しかも、分散安定性が高く、比較的長期に亘って凝集や沈殿を防ぐことができ、微生物の増殖を効果的に抑制することのできる化粧料を提供する。
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る化粧料では、水性溶媒中に抗菌性組成物を分散させて調製した化粧料であって、前記抗菌性組成物は、コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物の水溶液に銀塩溶液及び触媒を添加して反応させたのち、これに波長400nm以下の紫外線を照射して還元を行うことにより、当該ポリペプチド化合物のαアミノ基の近傍に微細銀粒子を析出させると同時に、当該微細銀粒子をαアミノ基の窒素原子に静電吸着により担持させたものであり、前記水性溶媒は、pHを6〜8に調整し、しかも0.16〜8ppmの濃度で含まれる前記抗菌性組成物に対して0.05〜0.4%のキレート剤を配合して、前記水性溶媒中の金属イオンを捕捉して前記抗菌性組成物の凝集や沈殿を防止すべく構成したことを特徴とすることとした。
また、以下の点にも特徴を有する。
(1)前記コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物が、分子量13万乃至2千の範囲内にあり且つ水溶性であること。
請求項1に記載の化粧料では、水性溶媒中に抗菌性組成物を分散させて調製した化粧料であって、前記抗菌性組成物は、コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物の水溶液に銀塩溶液及び触媒を添加して反応させたのち、これに波長400nm以下の紫外線を照射して還元を行うことにより、当該ポリペプチド化合物のαアミノ基の近傍に微細銀粒子を析出させると同時に、当該微細銀粒子をαアミノ基の窒素原子に静電吸着により担持させたものであり、前記水性溶媒は、pHを6〜8に調整し、しかも0.16〜8ppmの濃度で含まれる前記抗菌性組成物に対して0.05〜0.4%のキレート剤を配合して、前記水性溶媒中の金属イオンを捕捉して前記抗菌性組成物の凝集や沈殿を防止すべく構成したため、人体に対して無害であり、しかも、分散安定性が高く、比較的長期に亘って凝集や沈殿を防ぐことができ、化粧料中の微生物の増殖を効果的に抑制することができる。
特に、キレート剤を配合したため、前記抗菌性組成物のポリペプチド化合物が金属イオンによって凝集するのを防止できて、水性溶媒中に存在する銀粒子の分散安定性をさらに向上させることができる。
請求項2に記載の化粧料では、前記コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物が、分子量13万乃至2千の範囲内にあり且つ水溶性であることとしたため、前記6〜8のpHにおいて、ポリペプチド化合物の安定性をさらに向上させることができ、銀粒子の微生物抑制効果をさらに顕著なものとすることができる。
本発明は、水性溶媒中に抗菌性組成物を分散させて調製した化粧料であって、前記抗菌性組成物は、コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物の水溶液に銀塩溶液及び触媒を添加して反応させたのち、これに波長400nm以下の紫外線を照射して還元を行うことにより、当該ポリペプチド化合物のαアミノ基の近傍に微細銀粒子を析出させると同時に、当該微細銀粒子をαアミノ基の窒素原子に静電吸着により担持させたものであり、前記水性溶媒のpHを6〜8に調整したことを特徴とする化粧料を提供するものである。
すなわち、本発明は、析出させた微細銀粒子を、ポリペプチド化合物のαアミノ基の窒素原子に静電吸着させてなる抗菌性組成物を化粧料中に配合し、しかも、同化粧料のpHを6〜8としたものである。
ここで化粧料は、例えば、化粧水や洗顔フォーム、保湿液、クレンジング、クリーム、シャンプー、リンス、育毛剤、浴用剤、など特に限定されるものではなく、また、液状や半固形状(ペースト状)などとすることができる。
そして、これらの化粧料に配合する抗菌性組成物を上述の構成とすることにより、銀微細粒子の量子サイズ効果を保ちつつ、水溶性を付与せしめることにより銀の移動度を高め、即時殺菌的抗菌機能を実現することが可能となると共に、水性溶媒中における分散安定性を保つことができ、長きに亘って化粧料の品質を保つことができる。なお、この抗菌性組成物については、後に詳述する。
また、本明細書において、水性溶媒とは、水を含む溶媒のことをいい、水単独、あるいは水と有機溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール)との混合溶媒のことをいう。
また、抗菌性組成物を分散させている水性溶媒のpHは、6〜8としている。
水性溶媒のpHが6を下回ると、抗菌性組成物のポリペプチドが凝集する傾向が見られるため好ましくない。
また、水溶性溶媒のpHが8を上回ると、手肌に塗布する化粧料の性質上、肌荒れ等を引き起こすおそれがあるため好ましくない。
水溶性溶媒のpHを6〜8に調整することにより、本発明の特徴の一つである抗菌性組成物の分散性を安定化することができ、比較的長きに亘って抗菌性を生起して、化粧料の品質を保持することができる。
また、化粧料には、キレート剤を添加するようにしても良い。
ここでキレート剤は、特に限定されるものではなく、例えば、EDTA(Ethylene Diamine Tetraacetic Acid)、HEDTA(Hydroxyethyle Ethylene Diamine Triacetic Acid)、DTPA(Diethylene Triamine Pentaacetic Acid)、HEDP(Hydroxyethylidene Diphosphonic Acid)、やこれらの誘導体、クエン酸やクエン酸塩を好適に使用することができる。
これらのキレート剤を、水性溶媒中に0.16〜8ppmの濃度で含まれる抗菌性組成物に対して0.05%〜0.4%添加することにより、水性溶媒中の金属イオンを捕捉して、抗菌性組成物が凝集や沈殿するのを防止することができ、化粧料の抗菌性を良好に保つことができる。なお、ここで抗菌性組成物の濃度が0.16ppmを下回ると、充分な殺菌効果や微生物の繁殖抑制効果を期待することができず、また、8ppmを上回る量を添加しても前述の効果の顕著な向上は見られないため好ましくない。
また、前記コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物が、分子量13万乃至2千の範囲内にあり且つ水溶性とすると良い。
ポリペプチド化合物の分子量を13万乃至2千(130000Da〜2000Da)とし、且つ、水溶性とすることにより、抗菌性組成物の水性溶媒中における安定性をさらに向上させることができる。
次に、本実施形態に使用する抗菌性組成物について、以下に詳細に述べる。
本実施形態に使用する抗菌性組成物は、銀の微細粒子を天然高分子由来の水溶性乃至親水性成分に担持した人畜無害で且環境に優しい抗菌性組成物である。具体的にはコラーゲン若しくはコラーゲンの加水分解で得られるポリペプチド化合物の分子に銀微細粒子を担持して成る抗菌性組成物とも言える。
一般に、銀を用いた抗菌性を示す組成物は、従来より、銀或いは銀を含む他の金属をイオンとしてゼオライト等の結晶に担持したもの、イオン結晶の一部に銀等を置換担持させた抗菌剤、或いは無機質固体表面に担持したもの等が多数提案されている。
しかし、それらの提案では担持体の形態により利用範囲が制限される。例えば、(1)水溶液として混合或いは稀釈ができない(2)銀以外の金属や陰イオンの種類によっては毒性があり人体や自然環境への使用が制限されると言う欠点があった。
また、従来の銀系液状抗菌材の中には、銀が水に溶出することを恐れ、敢えて油性とした例(例えば、特開2004−99450号公報参照。)もあるが、細菌・真菌類の繁殖が著しい水分を遠ざけ、抗菌成分との接触確率を低下せしむ設計は、銀の抗菌機能を損なうものである。
本発明者らは、先の発明(特願2004−367074号参照)に拘る研究において、銀の抗菌性が微細銀粒子の物性に基づくことを発見し、これを応用する新規抗菌性銀微粒子担持体を発明した。殊に当該発明においては、銀微粒子が量子サイズ効果により著しく励起されるため銀の抗菌性が更に著しく増大することを発見した。銀の超微細粒子を担体表面に生成担持させることにより、従来の銀系抗菌剤に比べて著しく強力且迅速な殺菌的抗菌性を発現する事実を発見し、銀の安全性をも具備した新規の固体抗菌性銀担持体の提案を行った。
前記提案では、銀微細粒子結晶の原子配列の秩序を不連続に制御し格子不斉の状態を作ることに拠り、量子サイズ効果による熱力学的諸量がバルクの値から大幅にずれ、著しく励起された状態となる。その結果銀の抗菌性が更に増大することを発見し、この原理を応用して生成させた銀微細粒子を担体の表面に担持することに成功した。前記提案では、数ナノメートル規模の微細銀粒子を固体担体の表面に静電吸着により担持することが開示されている。さらに、当該微細銀粒子の担持原理として、担体分子の表面に分布する電気陰性度(Electronegativity)と、微細銀粒子の陽電荷との静電吸着によるvan der Waals力によることが研究成果として開示されている。なお、背景技術の詳細は、特許文献2に既に述べたとおりである。
以上述べたように、銀の持つ特異な金属物性は抗菌機能剤として最適であるが、本発明者らの先願特許(特願2004−367074号)も含め、提案されているもののほとんどが、水に不溶性若しくは水への分散が困難な形態であり、細菌・真菌類の繁殖条件の大きな要因の一つである水分に対して、必ずしも有効な形態とは言えない点があった。
また、銀を固体表面に担持する方法では、如何に微細粒子を形成し、量子サイズ効果を高めているとはいえ、銀微粒子自体の移動度が担体により制約を受ける為、細菌類との接触機会を阻害する要因となった。
そこで、本実施形態にて使用する抗菌性組成物は、このような従来の問題点を解決したものであり、銀微細粒子の量子サイズ効果を保ちつつ、水溶性を付与せしめることにより銀の移動度を高め、即時殺菌的抗菌機能を実現するものである。
ここで使用する抗菌性組成物は先願の発明(特願2004−367074号参照)による微細銀粒子を水溶性乃至親水性ゲルの状態を採り得る有機高分子ミセルの電気陰性官能基(ペプチド基のαアミノ基)に静電吸着により担持させ、前記先願発明と同等の抗菌効果を水溶性高分子ミセルに付与することにより水溶性の抗菌性組成物を提供しようとするものである。本発明では担体としてコラーゲン由来のペプチド化合物を使用しているため、特に生態系に対して極めて高い安全性を有する事も特徴の一つである。
特に、本実施形態に係る抗菌性組成物は、上記従来技術、殊に先に本発明者らの行った、先願提案に鑑みてなされたものであって、先願に基づく微細銀粒子を,先願における不溶性固体担体に対してではなく、水溶性高分子ミセルの持つ電気陰性基に対して静電吸着により担持させることにより、水溶性で且安全無害の強力な抗菌性組成物を提供することが可能となる。
本実施形態に係る抗菌性組成物の調製時に使用する銀塩溶液は、アンモニア性硝酸銀水溶液、硝酸銀水溶液、硫酸銀水溶液より成る群から選択される少なくとも一種の銀塩溶液とすると良い。
これらの銀塩溶液を使用することにより、効率よく微細銀粒子を析出させることができる。
また、抗菌性組成物の調製時に使用する触媒は、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの、それぞれの水溶液より成る群から選択される少なくとも一種の水溶液としても良い。
これらの水溶液を使用することにより、効率よく微細銀粒子を析出させることができる。
さらに、本実施形態に係る抗菌性組成物の調製時において、紫外線照射による還元に使用される光源に、自然太陽光、高圧或いは低圧キセノンガス放電管、高圧或いは低圧水銀灯或いはそれらと同等の紫外線放射能を有する光源群から選択される一種若しくは2種以上を用いるようにしても良い。
これらの光源を使用することにより、効率よく微細銀粒子を析出させることができる。
以下、本実施形態に係る抗菌性組成物について、実験結果等を踏まえながら更に説明を続ける。
先願提案(特願2004−367074号)に於いても述べているとおり、従来技術全体を俯瞰して、銀の抗菌性に関する研究は一般的公衆衛生の観点からの試行錯誤が先行し、抗菌剤の作用機構等、原理の探索が不十分な点が指摘される。殊に、銀の抗菌作用については、諸説紛々としており、科学的根拠に基ずく定説は少ない。
本発明者らは、本発明の効果を検証すると共に、銀の抗菌作用を解明するためには、その作用機構に占める銀の金属物性を考慮することが重要であり、また、銀の抗菌作用が発現する際の現象の観察及び解析が銀の抗菌作用原理の解明に必須であるとの見解のもとに、以下の抗菌作用実験を実施した。
本実施形態にて使用する抗菌性組成物(銀微細粒子をコラーゲンミセルに担持した水溶性強力抗菌剤)をイオン交換水で1000倍に希釈して試料とした。この試料一滴を、光学顕微鏡にセットされたスライドグラスの中央部分に滴下し、上部からカバーグラスで軽く覆い、試料が両ガラス板の間隙を自由に濡れながら流動できるよう、一定の間隔に固定して試験片とした。
細菌培養液としては、モルモットの盲腸に寄生する原虫(Balantidium caviae)の培養液を用いた。培養液には多数の原虫が活発に泳動している状況が光学顕微鏡(倍率400倍)下で明瞭に確認できた。
上記細菌培養液約1滴をスポイドに採り、試験片のカバーグラスの端部に滴下塗布し、該原虫が試料の液相内部に向かい泳動可能な状態を保ちながら、顕微鏡観察ならびに視野の映像記録を行った。その結果は次の通りであった。
前記抗菌性組成物の希薄水溶液に泳動侵入した原虫は、試料系に侵入するやいなや、数回の回転運動後繊毛運動が停止し死滅する。その間僅かに数秒間である。即時殺菌的抗菌効果の表現が最も適切であった。
また、上記の繊毛運動停止後、菌体の細胞膜が物理的に破壊され、内部の原形質が流出する様子が明瞭に観察されており、その殺菌作用は正に劇的と表現されるに相応しい状況であった。
尚、本発明者らが前記抗菌効率試験の対象に上記原虫を選択した主な理由は次の通りである。すなわち、原虫類は大きさが数マイクロメートルと比較的大きく、400倍程度の光学顕微鏡で容易に観察でき、さらに鞭毛による運動が活発で、その動作や菌体の観察で抗菌剤の作用効果を目視により容易に確認できる利点がある。また、原虫類の細胞壁は、化学物質の透過性が小さく、塩素に対する抵抗性は大腸菌の60万倍強いといわれている。したがって、上水処理の塩素濃度では全く殺菌効果が期待できないと言われる程の原虫であるから、これらを瞬時に殺す殺菌能力は、今後の抗菌剤に求められる抗菌効率の理想目標の一つと見做すことができる。
尚、当該実験の映像記録は、必要に応じて開示する用意がある。
さらに、大腸菌(Escherichia coli)に対する本発明の上記試料は、接触と同時に、ほぼ瞬間的に死滅させる効果を持つことが、別の実験により実証されている。このように、本実施形態にて使用する抗菌性組成物(銀微粒子担持体)が、単細胞微生物を極めて短時間に死滅させる機構は、接触した微生物の細胞膜表面に急激な電位変化を与える大きなエネルギーにあると思料される。金属の中でも、銀は貴金属として特異な物性を持つ金属で、上記の抗菌作用も、その急激な現象から考察して、従来の抗菌効果のように、単なる生活反応を阻害する程度の緩慢な作用とは比較するまでもない顕著な効果である。
検討の結果、従来の抗菌剤に対する作用機構の解釈において、検討不十分であった基礎的事項を整理し、誤謬の発見と訂正に努めつつ本発明の推進を計った。
まず、単細胞微生物の態様及び代謝活動の機構から検討し、従来の思想に対処する。
細菌のような単細胞微生物は、一つの細胞で生命維持に必要な代謝活動を行っているが、個々の微生物の代謝エネルギーは極めて小さく、多数集まって周囲に影響をおよぼす。
微生物の細胞を保護するものは細胞膜のみで、ほとんど無防備である。細胞膜は半透膜であるが、単なる半透膜ではなく、選択的透過性を持ち、細胞内の物質代謝で得られるエネルギーを使って、特定のイオンを濃度勾配に逆らって能動輸送(active tr−ansport)していることが知られている。これによって、生命の基本である恒常性(Homeostasis)を維持することができる。
しかし、単細胞微生物も周囲環境の変化に応じて、イオンの移動を調節し、常に細胞膜内外の電位差を一定に保とうとするが、もし、細胞が調節可能な電位を遥かに超えた高い電位が外部から印加されると、膜の機能が阻害され細胞は死滅することになり、この機能の制御は最終的に電気信号によることがわかる。
また、一部の運動性を示す微生物は、前記原虫の実験に見るように、鞭毛や繊毛を動かして運動するが、その科学的組成は動物の筋繊維と同種の蛋白質であることが知られている。一般の動物では、層状に重なり合ったアクチン(actin)と、ミオシン(my−osin)と呼ばれる2種類の蛋白が滑り込むことで筋繊維の収縮が起ると考えられている。
筋肉の収縮及び弛緩の調節はカルシウムイオンの移動によるが、神経が伝える電気信号によってこのカルシウムイオンの移動が制御されている。よって、原虫など単細胞微生物の運動機能も、最終的に電気信号で制御されていることがわかる。
以上から、単細胞微生物の生命維持に必要な代謝エネルギーは極めて小さく、生命維持活動の秩序維持に必要な指示は、微弱な電気信号に依存していることがわかる。
これらの点においても、従来の抗菌技術思想には誤謬が多々存在していることが理解される。
次に、単細胞微生物の細胞膜の電気的性質について詳細に検討した結果の概要を述べる。生体の細胞はそれぞれ細胞膜に包まれている。細胞膜には、膜の内側と外側とで電位に差がある(分極している)という性質がある。細胞の非活動時における膜内外の電位差は静止電位(resting potential)と呼ばれ、細胞膜表面の電位を0とした時の内面の電位で表し、常に負の値をとる。外部環境の僅かな変化に対応して膜のイオン透過を調節して静止電位を維持しているが、ある閾値を超えた刺激が細胞に加えられると、膜のイオン透過性が一気に変化し、活動電位(action potential)が発生する。
上記膜電位の変化過程は、電位差の消失(脱分極)、極性の反転(オーバーシュート)、再び静止電位に戻る(再分極)、からなり、電気的波形は全体として5msec以内の棘波となる。静止電位と活動電位との差(振幅)は細胞の種類で異なるが、神経や筋の細胞で特に顕著である。細胞膜の持つ以上の電気的性質は、細胞が正常な生命活動を維持するために極めて重要な役割を担っているが、外部からの無関係な電気的刺激は、細胞膜に少なからず混乱と障害を及ぼし、過大な電気的刺戟は細胞を即死に至らしめる。
以上、従来の抗菌性機構に関する提案では、微生物の細胞膜の膜電位に関する秩序破壊を対象にした発明は皆無である。
参考までに哺乳動物の骨格筋繊維の静止電位は;−70〜−90mV,閾膜電位は;−50〜−60mV、活動電位は;+40〜+50mVであり、その振幅は110〜140mV、程度である。
細菌など微生物の細胞膜にも同様の性質があり、外部環境の変化に順応し、栄養活動、危険回避など様々な生命活動に重要な役割を果たしていることが示唆される。
また、一部の細菌や原虫の持つ鞭毛や繊毛の構成蛋白も、高等動物の筋繊維と同種の蛋白であることから、高等動物と同様の機構により運動していることが示唆される。
本実施形態において使用する抗菌性組成物(銀微粒子担持コラーゲン)水溶液の原虫及び大腸菌に対する前記抗菌実験結果、ならびに、前記単細胞微生物の細胞膜電位に与える外部電圧印加の抗菌効果に関する知見及び示唆を根拠として、同抗菌性組成物の抗菌作用は、当該銀微粒子の物性に起因する電気的エネルギーによる抗菌効果と断定するに至った。
そこで、本実施形態に使用する抗菌性組成物(銀微粒子担持体)の銀微粒子の物性について、該抗菌効果に直接貢献をなすと思料される銀の物性を特定し、当該特性の量子サイズ効果について考察する。
量子サイズ効果(quantumsize effect)については、既に先願特許で述べているが、本発明に於いても共通する重要な概念であるため、再度詳述する。
固体試料の大きさ(サイズ)が、その物質の中の伝導電子や正孔のド・ブロイ波長程度に小さくなったとき、その物質の熱力学的諸量及び輸送係数に影響を及ぼす変化が現れることを量子サイズ効果という。
本発明者らは、銀の抗菌性に最も直接的影響を及ぼす銀の物性として、酸化還元電位に注目した。特に、量子サイズ効果による酸化還元電位のパルスエネルギーの極端な増大は、即時殺菌的抗菌効果の最大の要因と確信する。酸化還元電位の定常的測定は可能であるが、量子サイズ効果で励起されたパルスを実測すること、あるいは、理論演繹による計算は、その場での測定が技術的に困難であるが、概念として理解されるものである。
単細胞微生物の細胞膜電位を攪乱し、該細胞膜を破壊に至らしめる銀の抗菌効果は、次の機構によるものと思料される。
量子サイズ効果で励起された銀微粒子が、その表面近傍を作用領域とする酸化還元サイクルのパルス電界を、単細胞微生物の細胞膜に印加することによる細胞膜の破壊効果と見做される。この際の電気的パルスの伝達は、電解質水溶液中では、イオン伝導によると考えられるので、当該抗菌性銀微粒子に直接接触しなくても、細胞膜の破壊閾値電圧以上の電界領域に存在する微生物はすべて殺菌作用を被る。
前記量子サイズ効果による励起状態を考慮しない平常状態にあっても、銀は他の金属と著しく異なった物性を示す金属である。銀は、金、白金等と共に貴金属の一種として、その大部分が金属元素の状態で産出する。これは一般に、貴金属と呼ばれる元素は化学ポテンシャルが他の金属元素に比べて格段に低く、他の元素と化合してより安定な化合物を生成するより、金属の状態で存在する方が安定である、という物性によるものである。
銀の抗菌作用は、銀本来の物性に起因する特性と考えられるが、その根拠は本発明の成果から帰納的に推理されるもので、銀の物性から演繹されるものではない。
通常の銀の金属物性(バルクの物性)の中で、本発明による銀の抗菌性機構に関する知見を通じて、感得された銀の電子物性に関わる項目について本発明者の所見を述べ、従来の銀の抗菌性に対する一部の誤謬を排し、同時に該技術の開発と発展のため参考に供する。
単細胞微生物の細胞膜電位の攪乱を抗菌作用の機構とする、銀の、量子サイズ効果を含まない物性値として、(1)イオン化エネルギー(7.58eV)、(2)電子親和力(1.0eV)、(3)酸化還元電位(Ag+ /Ag,0.799V)及び(4)金属面の分光反射率[5.5%(315nm)8.9%(320nm)]が挙げられる。
銀の酸化還元反応の際の電子の出入りに費やされるエネルギーの指標として、イオン化エネルギー及び電子親和力がある。銀の数値について見ると、銀は電子の授受におけるエネルギーの格差が、銅、亜鉛などの金属に比べて小さく、酸化還元反応が一種の共鳴状態にあってマクロ的平衡が成り立っていると思料される。
しかし、ミクロ的に見ると、光、熱、電解質の解離平衡の移動等環境条件の影響を受けて、繰返して激しく揺らいでいると考えられる。その結果、系の外部から観察すると、銀のみに観測される他の金属には見られない特異な現象が表れる。銀の酸化還元電位は、水素電極との電位差を定常状態で測定した上記の数値が常用されているが、微細銀粉の電解質溶液中での表面電界電位の波動振幅は上記の数値の約2倍の1500mV(約1000Hz)のパルス波が発生していると見られる。これは、単細胞微生物の細胞膜静止電位90mVの約17倍の電圧に相当する高圧であり、しかも交番電圧として印加されるので、菌体の受ける衝撃は想像以上である。
以上述べた微細銀粒子の物性を抗菌機能材として発現させる為には、細菌類との接触確率を高めることが肝要であり、細菌・真菌類が最も生育しやすい環境である水溶液中に微細銀粒子が万遍なく存在する水溶性抗菌機能材は、即時殺菌的抗菌効果が最も顕著である。その効果は前述の実験により明らかであるが、個々の実施例に詳述することとする。
本実施形態にて使用する抗菌性組成物は、量子サイズ効果により賦活された微細銀粒子を水溶性高分子のミセルに担持したことに特徴を有する。量子サイズ効果による微細銀粒子の抗菌性の賦活方法については本発明者等が前記先願特許明細書に詳述の原理に基づいている。また、本発明の特徴とする水溶性の実現には水溶性担持成分の開発が必須条件であり、そのためには液体分子に固体金属粒子を担持する原理的矛盾を如何にして克服するかの課題を解決する具体策が必要である。
そこで、以下に、本実施形態にて使用する抗菌性組成物の調製過程について述べる。
まず、銀粒子を担持する水溶性担体の選択に関して説明する。特に、この水溶性担体は、コラーゲン及びコラーゲン由来のポリペプチド化合物(高分子ミセル)を選択することにより上記原理的問題点を克服することができる。
コラーゲンは、通常の溶媒には不溶性の単純蛋白質の一種で、皮膚、骨、腱、結締組織など身体の構造を保つ役割を果たす蛋白質の総称で、分子量約30万、直径1.5nm、長さ180nmの棒状分子で、3本のペプチド鎖がコラーゲン螺旋と称される特殊な螺旋構造をとっている。これを熱水処理で加水分解すると一般にゼラチンと呼ばれる水溶性蛋白質が得られる。コラーゲンの種類、熱水処理条件などの違いにより、それぞれ性状、分子量の異なる多種類のゼラチンが得られる。ゼラチンの分子量は1.5万〜25万又は2万〜7万と推定されている。本発明の実施に最適な水溶性担持体として分子量13万乃至2千の範囲内のゼラチンの使用があらゆる用途の抗菌性組成物として最適である。ゼラチンとしては、例えば、食材或いは製菓材料として市場に出回っているものを使用することができる。
上記のようにコラーゲンはペプチド鎖を連結構造とする高分子物質であり、分子量が小さい点を除いてゼラチンも同類の高分子物質である。よって、コラーゲンもゼラチンも化学的に同一成分であり、単に抽出方法が多少異なるものである。当該ペプチド結合が開裂してαアミノ基及びαカルボキシル基が生成し、該αアミノ基の窒素原子の遊離電子と銀イオンとの間に配位結合が生成する。しかしこの結合は、銀原子の特異な物性から判断して極めて不安定であり、その証拠に銀が容易に還元凝集する現象が見られる。一般に銀の配位結合は結合エネルギーから判断しても同族の銅や金と比較して弱く、多くの銀化合物が光や熱で容易に分解し金属銀に還元されることはよく知られており、他の元素には無い特性である。
微細銀粒子のコラーゲンミセルへの担持は前記コラーゲンのペプチド結合が加水分解により開裂してできるαアミノ基の窒素原子をサイトとして行われる。上記のように、一旦配位結合で配向した銀原子は熱運動によるエネルギー放出により逐次配位を解きながら近傍の粒子と衝突凝集する。凝集粒子の大きさが数ナノメータに達すると粒子表面に陽電荷が蓄積されるが、陽電荷の大きさに見合った値の電気陰性度を持つコラーゲンミセル表面のαアミノ基周辺にできる帯電サイトに吸引される。ここに静電吸着を接合機構とするvan der Waals力による担持が完成する。
ここで水溶性高分子ミセルとは、高分子物質を構成する微結晶粒子を意味する。ミセルは高分子繊維組織の結晶の基本単位で、本発明による微細銀粒子の担持体となる高分子結晶の基本単位と考えられこの呼称を採用している。しかし、最近の研究で高分子物質の単位結晶板(lamella)を構成する微結晶粒子に折りたたみ構造(高分子結晶の単位である板状晶を形成する分子鎖の折りたたまれた構造)が明らかにされてきた。ミセルの用法は本発明に限って高分子物質の結晶の基本単位を意味するものであり、分子量が少なくとも1万以上のポリマーを指している。よって、水溶性であるミセルは一般的低分子化合物の水溶液と異なるゲル分散の状態にある。水溶液では存在しない特定分子部分の電荷の偏在が可能且安定であり、一般の電解質水溶液には見られない特異な性質が見られる。この特異性により、高分子の特定部分の電荷を担持サイトとして微細な銀の粒子を安定且強力に担持させることができる。
次に、担体に微細銀粒子を担持するために添加される銀塩溶液の選択及び添加工程について述べる。
銀塩としては、アンモニア性硝酸銀水溶液、硝酸銀水溶液および硫酸銀水溶液の中から一種類を選択するが、いずれも還元生成する微細銀粒子の抗菌効果に於ける顕著な差異は認められない。いずれも本発明の特徴的効果を発現することができるが、担体の材質、性状により適切な銀塩を試験により選択することが好ましい。発明者らの知見では、アンモニア性硝酸銀水溶液並びに硝酸銀水溶液は分子量が10万以上の比較的高分子量のコラーゲン或いはゼラチンへの担持に適しており、最も汎用性の高い銀塩溶液である。硫酸銀水溶液は分子量が数千乃至10万未満のコラーゲン或いはゼラチンへの担持に適している。
担持に使用される銀塩水溶液の濃度(Ag+ mol/l)は0.1〜0.001の範囲が適している。銀イオン濃度が高すぎると生成する銀粒子が凝集し易くなり、微細銀粒子の量子サイズ効果が低下するため抗菌効果が低減される傾向がある。銀イオンの濃度を低めに設定した場合の方が抗菌効果に優れた結果が得られる。
次に、銀塩溶液の添加工程後に添加される触媒の選択及び添加工程について述べる。
触媒としては、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのそれぞれの水溶液の中から一種類を選択するが、いずれも還元生成する微細銀粒子の抗菌効果に於ける顕著な差異は認められない。当該触媒は、先に担体の水溶液に添加加される上記銀塩水溶液の銀イオンを、担体のペプチド結合の切断で生成するαカルボキシル基の水素と一時的に置換するための触媒として使用される。
上記触媒の選択は、担体の種類、分子量によって適切な触媒を試験して選択することが好ましい。水酸化カルシウムは水に対する溶解度が比較的低いため分子量が1万未満の比較的低分子量のコラーゲンへの担持に適している。水酸化リチウムは高分子量(10万以上)のコラーゲンへの適用に効果的である。水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムは共通して全分子量領域のコラーゲンに使用して効果的な汎用性を持つ触媒である。従って、コラーゲンを選択する場合、最初の担持触媒として水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムを使用した試験担持の試行を推奨する。
添加される触媒の水溶液濃度は、担体として使用されるコラーゲンに対して2乃至5重量%に相当する量の触媒成分を含む水溶液を使用する。触媒成分の種類により水に対する溶解度がそれぞれ異なるので触媒水溶液の濃度は適宜選択可能であるが、最高10重量%以下が好ましい。ことに、強アルカリ性の水酸化リチウム、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを選ぶ際は、それぞれ10重量%未満の水溶液で使用することを推奨する。
次に、前記化学反応を終了した担持反応系に紫外線を照射し、該系内のαアミノ基及びαカルボキシル基に、配位又は置換で結合している銀イオンをその場で光還元し、微細銀粒子を生成させると同時に、該粒子をαアミノ基周辺の陰性電界領域に静電吸着させる微細銀粒子の担持工程について述べる。
この工程は本発明の最も重要且特徴的工程であり、操作が比較的単純であるが担持の機構とその意義は極めて精緻であり且大である。
照射工程で使用される光源は、波長400nm以下の近紫外領域を含む光源であればすべて使用が可能である。好ましくは、紫外線を集中的に放射する水銀ランプ、キセノンガス放電管、或いはそれらと同等以上の紫外線放射能力を持つ照明器具の使用が好ましい。発明者らは、試みに太陽光による照射実験を行った結果、晴天の午前11時から午後2時の時間帯を選び、太陽光に30分間照射された試料について試験の結果、十分満足すべき還元結果が得られることを確認した。
紫外線照射による光還元工程の確認は、紫外吸収スペクトルメーターを用いて、紫外線照射以前の試料の300nm付近の特定波長の吸収と、紫外線照射還元処理後の同一波長の吸収との差を比較する方法が原則的に適切である。しかし、天然物由来のコラーゲンでは分子量、不純物の種類及びその含有量等のばらつきが大きいため、紫外吸収スペクトルによる測定は困難である。よって、光還元工程の確認及び管理の簡易な方法として比色計を用いる方法を推奨している。
比色計による上記光還元工程の確認は、波長430〜540nmの光の比透過率を光還元工程の前後で測定比較し、その差が5%以上であれば還元の完了を確認できる。この方法は簡易であるが実際上の便宜があり工業的に有効である。
上述してきたように、本実施形態にて使用する抗菌性組成物は、前述の製法により銀微細粒子の量子サイズ効果を保ちつつ、水溶性を付与せしめることにより銀の移動度を高め、即時殺菌的抗菌機能を実現させることができる。
以下、同抗菌性組成物を分散させた化粧料について具体的に説明する。
〔抗菌性組成物の調製〕
まず、抗菌性組成物として、コラーゲンポリペプチドに銀微粒子を担持した汎用抗菌剤の製造を行った。
(1)本発明の担体として、ニッピ株式会社製ゼラチン タイプRを使用した。ゼラチン100グラムを500ml丸底フラスコに入れ、水200mlを加えて50℃に加熱撹拌しながらゼラチンを完全に溶解した。
(2)次いで、0.5%硝酸銀水溶液70mlを上記ゼラチン溶液に添加し、温度60±2.0℃に保持して30分間撹拌反応させた。
(3)これに、5.0%水酸化カリウム水溶液100mlをくわえて上記温度を保持したまま2.5時間継続して撹拌した。
(4)次に加熱を止め反応液を室温迄冷却した。この間撹拌は継続した。本工程を終了した時点で、反応液の一部約5mlを比色計用ガラス製比色管(A)に予め採取した。
(5)反応液を平型のステンレス製バット(30×21×5cm)に移し、水平に保持し、反応液面の中心より垂直距離30cm上方から直下に紫外線を10分間照射して光還元を行った。反応液の一部約5mlを採取して比色管(B)に保管した。光還元に使用された紫外線光源装置は、浜松ホトニックス株式会社製、安定化キセノンランプ75W及び専用定電流電源C2576である。
(6)光還元工程を確認するため、上記工程(4)及び工程(5)で予め採取保管された比色用試料を、波長430nmの光透過率を比較して還元反応を確認した。その際の比色管(A)/比色管(B)の透過比は25%で還元が十分行われたことが確認できた。なお、使用した比色計はATAGO株式会社製Photo Unic5である。
〔化粧料の調製〕
次に、化粧料の調製を行った。ここで化粧料は化粧水とし、以下に100kgの調製過程について説明する。150L容量の調合タンクに、常温の天然水を93.28kg投入し、攪拌機を稼働させた。
次いで、6kgの1,3-ブチレングリコールと、0.01kgのヒアルロン酸ナトリウムと、0.05kgの海草エキスとを投入し、均一に分散させた。
充分な分散状態となった後、調合タンクのジャケット部に蒸気を通気して、調合タンク内の調合液を80℃に昇温し、30分間撹拌しながら放置することで、分散状態にあった原料を溶解した。
充分に溶解したのを確認した後、調合タンクのジャケット部に水を流し、撹拌しながら調合液の液温を35〜40℃に調整した。
次いで、1kgのピロリドンカルボン酸ナトリウムを投入し、前述の抗菌性組成物の調製にて得られた抗菌性組成物を160ppmの濃度で含有する製剤溶液を0.5kgをさらに投入した。
そして、別容器にて予め5kgの天然水に0.08kgのクエン酸と0.08kgのクエン酸ナトリウムとを溶解して調製したキレート溶液を、調合タンク内に投入し、撹拌を行った。
また、少量のクエン酸を添加して、pHが7となるようにpH調整をおこなった。
最後に、調合液の液温を35℃に調整し、この調合液を200〜400メッシュのフィルタにて濾過して化粧水100kgを得た。
このようにして調製した抗菌性組成物及び同抗菌性組成物を含有する化粧水について、各種試験をおこなった。
〔抗菌性組成物に関する試験〕
試験1:化粧品や食品等に防腐剤として幅広く用いられているパラベン(パラオキシ安息香酸エステル類)は変異原生、皮膚感作性等が認められ、その使用量を厳しく制限されているが、乳幼児やアトピー性皮膚炎の患者等に於いては、パラベンフリーの化粧品や洗顔石鹸等を求める声が高い。そこで以下のような比較実験を行った。
(1)微細銀粒子をコラーゲンに担持した抗菌性組成物を最も腐敗しやすい化粧水用基材に対して0.002重量%を添加した試料(A)を調製し、メチルパラベン0.1重量%添加物(B)との比較を行った。
(2)使用細菌液としてモルモット糞便から分離培養した腸内細菌(菌種の同定は行っていない)を蒸留水中に分散させて使用した。(菌数:約3.5×105/μl )
(3)上記(A)及び(B)の2試料を滅菌試験管にそれぞれ5gずつとり、上記細菌液を10μlずつ滴下し、キャップをして十分に混和させた。
(4)(3)の試験管に綿栓をして37℃のインキュベータ内に24時間静置した。
(5)(4)の各検体50μlをピペットで普通寒天培地に滴下し、滅菌水7〜10滴を加え平板上に均一に流した後35℃〜37℃で培養した。
(6) 24〜48時間後のコロニーの発育状態を観察し、判定を行った。
(7)その結果、コロニー数は(A)(B)共に20以下となり、本発明による抗菌性組成物はメチルパラベン添加量の僅か1/50の添加量で、メチルパラベンと同等の防腐効果を発揮することが確認された。
試験2:板橋区ホタル飼育施設にて、平成16年夏にホタルの卵や幼虫がカビの繁殖により大量に死滅するという事故が発生した。その後、ホタルの生育に影響を及ぼす恐れのない安全な防カビ剤を求めていたが、防カビ効果のある薬剤は、悉くホタルの生育に対しても有害であり、対応に苦慮されていた。そこで、本発明による抗菌機能材を0.1重量%配合した水溶液を散布したところ、ホタルにも影響を及ぼさず、且つカビを抑制するという効果が認められた。現在、継続して散布しており、持続性と長期安全性を確認中である。
試験3:銀微細粒子の持つ特異な電気的物性から、当初より有害ガスの分解・触媒効果は認められていたが、花粉に対しても同様の効果が期待されたため、花粉症の症状への適用を試みた。銀に関しては銀沈着症以外の問題は報告されていないが、安全のため、銀担持量3000ppmの本発明による抗菌性組成物を更に水で10000倍に希釈し、銀の総量を0.3ppmに調製した試料を用いた。被験者十数名が顔に直接スプレーで数回噴霧したところ、悉く症状の改善が見られた。現在、メカニズムの解明と長期安全性の検証を行っている。
試験4:上記実施例1によりパラベンと同等以上の防腐効果が検証できたことをふまえ、洗顔用クリーム石鹸の基材に対し、本発明による抗菌性組成物を0.001重量%添加し、実施例1と同様の抗菌試験を実施した。クリーム石鹸基材は、化粧水に比べ腐敗の危険性は少ないため、本発明による抗菌機能材の添加量を実施例1の半分とした。その結果、パラベンと同等以上の防腐効果が認められた。
試験5:白癬菌に対する効果も期待されるため、本発明による抗菌性組成物を0.1重量%配合した水溶液を白癬菌に冒された足部に噴霧したところ、瞬時に掻痒が治まり、被験者数名の全てに症状の改善が認められた。これら皮膚真菌症及びその他の真菌類に対する効果については、千葉大学真菌医学研究センターとの共同研究により検証中である。
〔化粧料に関する試験〕
本実施形態にて調製した化粧水について、37℃における保存試験をおこなった。本試験にて使用したサンプルは以下の通りである。
(サンプルA)本実施形態にて調製した化粧水
(サンプルB)他社銀イオンを配合した化粧水
(サンプルC)抗菌成分無添加の化粧水
これらのサンプルA〜Cを、37℃のインキュベータに半年間静置し、0週(試験開始時点)、2週、4週、8週、16週、半年のそれぞれの時点における生菌の含有量を調べた。なお、各サンプルは、毎日約1mLづつ手に取りだして、実際に使用している状態を模擬的に再現しながら試験を行った。なお、菌数測定には、標準寒天培地を用いた。
Figure 0005038102
表1にも示すように、本実施形態にて調製した化粧水(サンプルA)は、半年経過後においても、ほぼ微生物の繁殖は見られず、充分に品質を保っていることが分かる。
サンプルBは、銀由来の抗菌成分を含有しているものの、4週目以降微生物の繁殖が確認され、8週目以降は103オーダーの微生物が繁殖するほど品質が低下していた。
サンプルCは、抗菌成分を含有していないため、2週目の時点で既に102オーダーの微生物の繁殖が見られ、保存性は著しく悪いことが分かる。
これらの結果を踏まえると、本実施形態にて調整した化粧水の如く、抗菌性成分は、抗菌性組成物は、コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物の水溶液に銀塩溶液及び触媒を添加して反応させたのち、これに波長400nm以下の紫外線を照射して還元を行うことにより、当該ポリペプチド化合物のαアミノ基の近傍に微細銀粒子を析出させると同時に、当該微細銀粒子をαアミノ基の窒素原子に静電吸着により担持させたものとし、pHを6〜8に調整し、かつ、キレート剤を添加したものに関しては、半年経過後においても、微生物の繁殖も見られないことから、抗菌性組成物が非常に安定して存在していることがわかる。
次に、本実施形態にて調製した化粧水について、pHを違えたり、キレート剤の添加・無添加を違えて37℃における保存試験をおこなった。本試験にて使用したサンプルは以下の通りである。
(サンプルA)本実施形態にて調製した化粧水(pH7.3、キレート剤添加)
(サンプルB)比較用化粧水(pH5.5、キレート剤添加)
(サンプルC)比較用化粧水(pH7.3、キレート剤無添加)
(サンプルD)比較用化粧水(pH5.5、キレート剤無添加)
(サンプルE)比較用化粧水(pH8.5、キレート剤添加)
これらのサンプルA〜Eを、37℃のインキュベータに半年間静置し、0週(試験開始時点)、2週、4週、8週、16週、半年のそれぞれの時点における生菌の含有量と、沈殿物(銀イオンの析出物)の有無を調べた。なお、各サンプルは、毎日約1mLづつ手に取りだして、実際に使用している状態を模擬的に再現しながら試験を行った。なお、菌数測定には、標準寒天培地を用いた。
Figure 0005038102
表2にも示すように、本実施形態にて調製した化粧水(サンプルA)は、半年経過後においても、ほぼ微生物の繁殖は見られず、また、目視検査においても変性をきたしていないことから、充分に品質を保っていることが分かる。
サンプルBは、キレート剤を添加しているため、僅かながら抗菌性組成物の安定性が向上しており、試験開始後2週目までは目視検査において変性が見られなかったものの、4週目以降沈殿や凝集が観察された。また、16週目から微生物の繁殖が確認され、半年後には異臭がするほど品質が低下していた。
サンプルCは、キレート剤を添加していないものの、pHを7.3としていたため、試験開始後半年まで微生物の繁殖は確認されなかった。ただし、半年の時点において、若干の沈殿が見られたため、サンプルAに比して抗菌性組成物の安定性はやや劣るものと考えられる。
サンプルDは、pHを6〜8の間に調整しておらず、しかもキレート剤を添加していないため、2週目から既に試験容器の底に沈殿が見られ始め、16週目には異臭がするほど変性した。また、生菌数検査においても、微生物の繁殖が著しく、8週目に既に102オーダーの微生物が検出された。
サンプルEは、サンプルDと同様pHを6〜8の間に調整しておらず、アルカリ側に傾いたものであるが、キレート剤を添加しているにもかかわらず、8週目には既に102オーダーの微生物が検出され、16週目には異臭がするほどに微生物の繁殖が見られた。
これらの結果を踏まえると、pHを6〜8に調整したものは、キレート剤の添加の有無にかかわらず、抗菌性組成物が比較的安定して存在し、半年程度の比較的長期に亘り微生物の繁殖を抑制できることが示された。
また、本実施形態にて調整した化粧水の如く、pHを6〜8に調整し、かつ、キレート剤を添加したものに関しては、半年経過後においても、目視検査で凝集傾向が見られず、また、微生物の繁殖も見られないことから、抗菌性組成物が非常に安定して存在していることがわかる。
上述してきたように、本発明に係る化粧料では、水性溶媒中に抗菌性組成物を分散させて調製した化粧料であって、前記抗菌性組成物は、コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物の水溶液に銀塩溶液及び触媒を添加して反応させたのち、これに波長400nm以下の紫外線を照射して還元を行うことにより、当該ポリペプチド化合物のαアミノ基の近傍に微細銀粒子を析出させると同時に、当該微細銀粒子をαアミノ基の窒素原子に静電吸着により担持させたものであり、前記水性溶媒のpHを6〜8に調整することで、半年以上の比較的長きに亘り、前記抗菌性組成物を安定させた状態で含有する化粧料とすることができる。
すなわち、人体に対して無害であり、しかも、分散安定性が高く、比較的長期に亘って凝集や沈殿を防ぐことができ、微生物の増殖を効果的に抑制することのできる化粧料を提供することができるのである。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。

Claims (2)

  1. 水性溶媒中に抗菌性組成物を分散させて調製した化粧料であって、
    前記抗菌性組成物は、コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物の水溶液に銀塩溶液及び触媒を添加して反応させたのち、これに波長400nm以下の紫外線を照射して還元を行うことにより、当該ポリペプチド化合物のαアミノ基の近傍に微細銀粒子を析出させると同時に、当該微細銀粒子をαアミノ基の窒素原子に静電吸着により担持させたものであり、
    前記水性溶媒は、pHを6〜8に調整し、しかも0.16〜8ppmの濃度で含まれる前記抗菌性組成物に対して0.05〜0.4%のキレート剤を配合して、前記水性溶媒中の金属イオンを捕捉して前記抗菌性組成物の凝集や沈殿を防止すべく構成したことを特徴とする化粧料。
  2. 前記コラーゲン及びその加水分解により得られるポリペプチド化合物が、分子量13万乃至2千の範囲内にあり且つ水溶性であることを特徴とする請求項に記載の化粧料。
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