JP5037639B2 - 撮像モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、携帯端末のデジタルカメラ等への搭載を目的とした、撮像レンズおよび撮像モジュールに関する発明である。
撮像モジュールとしては、固体撮像素子を内蔵した、コンパクトなデジタルカメラおよびデジタルビデオユニット等が、種々開発されている。特に、情報携帯端末および携帯電話機等の携帯端末が普及している近年、新興国向けの普及機となる携帯電話機に搭載されるカメラモジュール、および、携帯端末のサブカメラに搭載される撮像モジュールに対しては、簡易な構成およびプロセス技術を実現することによる、低価格化が要求されている。この要求を満足するために、1つのレンズを用いて構成された撮像レンズに対する需要が高まっている。
1つのレンズを用いて構成された撮像レンズにおいて、良好な解像力を実現することが可能な技術として、特許文献1および2には、物体(被写体)側および像面(結像面)側に向けられた面の両方が凸面である撮像レンズが開示されている。
また、特許文献3には、物体側に位置する第1面を凹面としてなるメニスカス状のレンズ本体の物体側に絞りを配置し、前記レンズ本体は、以下の条件(A)〜(C)を満足するように構成された撮像レンズが開示されている。
(A)Y’/fl≧0.6
(B)0.9≧Dt/Dc≧0.5
(C)1.0≧Ap/Am≧0.9
但し、
fl:レンズ系全体の焦点距離
Y’:最大像高(像高1.0)
Dt:レンズの少なくとも1つの光学面を含む領域における最も薄い部分の厚さ
Dc:レンズの中心厚さ
Ap:像面側第2面の有効半径(有効な光線が通過する部分の最大半径)
Am:像面側第2面の最大半径
であるとする。
メニスカスレンズを用いて、良好な解像力を実現する技術としては、他にも、特許文献4に開示された撮像レンズが挙げられる。
特開2003‐344758号公報(2003年12月3日公開) 特開平6‐88939号公報(1994年3月29日公開) 特開2003‐57538号公報(2003年2月26日公開) 特開2002‐98885号公報(2002年4月5日公開)
特許文献1および2に開示されている撮像レンズは、両面が凸形状であること、ならびに、各々最適な条件設定が施されたことにより、テレセントリック性を維持し、これにより、歪みを良好に補正することが可能である一方、画角が広くなると、物体を結像して形成された像の周辺における解像度が劣化したり、Fナンバーが大きくなり過ぎて像が暗くなったりする、等の問題が発生する。
特許文献1および2に開示されているような、両面が凸形状であるレンズ1つで構成された撮像レンズは、歪みが良好に補正できるものの、ガラス材料と同等の光学定数が必要となり、プラスチック材料レベルでは像面を揃えることが困難となる。両面が凸形状であるレンズ1つで構成された撮像レンズは、歪みの補正がやり易く、広画角に有効な基本構成であることから、多く実施されてきたが、携帯端末向けの撮像レンズ等の、52°以上の水平画角が要求される広角レンズとしては、物体を結像して形成された像の周辺において、サジタル像面における所望の解像度の確保が困難であるため、実用が困難であるという問題が発生する。
特許文献3に開示されている撮像レンズは、物体側に位置する第1面を凹面としてなるメニスカス状のレンズに対して、最適な条件(A)〜(C)が設定されているが、この条件(A)〜(C)では、広画角かつコンパクトな光学系において、物体を結像して形成された像の周辺まで良好な解像力が得られるような、最適な条件設定であると言えない。
すなわち、条件(A)は、画角が約30°以上であることを意味しているが、画角が約30°以上であることは、カメラモジュールにおいて必須となる仕様値であり、良好な撮像レンズを得るための条件というよりも、撮像レンズに対して要求される仕様である。また、条件(B)は、メニスカスレンズのサグ量に関する規定であり、これを満足するだけで良好な解像力を有する撮像レンズが得られると言えない。また、条件(C)は、撮像レンズの光学特性そのものとの関連が薄い。
特許文献3および4に開示されているような、メニスカスレンズ1つで構成された撮像レンズは、両面が凸形状であるレンズ1つで構成された撮像レンズと同様に、物体を結像して形成された像の周辺における所望の解像度の確保が困難である。さらに、メニスカスレンズ1つで構成された撮像レンズは、大きな歪みを生じてしまうという問題が発生する。
本発明は、上記の問題に鑑みて為された発明であり、その目的は、物体を結像して形成された像の周辺において、良好な解像力を得ることを可能とする、撮像レンズおよび撮像モジュールを提供することにある。
本発明の撮像モジュールの撮像レンズは、上記の問題を解決するために、物体側から像面側へと向かって順に、開口絞り、単レンズ、および像面に対して被覆されるカバーガラスを備えており、上記単レンズは、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズであり、物体を結像して形成された像の中心にて解像力が最大となる位置から、光軸方向に距離Pdis(但し、0<Pdis)移動された位置を、上記像面とするものであり、かつ、0.028<Pdis/f<0.035なる関係、および、0.23<d/d2<0.30なる関係を満足しており、上記単レンズは、物体側に向けた面および像面側に向けた面の両方が非球面であり、上記撮像レンズの光学全長は、1.615mm以上かつ1.704mm以下であることを特徴としている。但し、fは撮像レンズ全体の焦点距離であり、dは単レンズの中心の厚みであり、d2は単レンズにおける、像面側に向けた面の中心から、像面までの空気換算長さである。
上記の構成によれば、像面を、物体を結像して形成された像の中心にて解像力が最大となる位置から、光軸方向に距離Pdis移動させた配置とすることで、像の周辺に関しては、解像力を向上させることが可能となる。
なお、Pdis/fは、0.014以下である場合、物体を結像して形成された像の周辺における解像力が不十分となる虞があり、0.035以上である場合、像の中心における解像力が不十分となる虞がある。これらのことを考慮すると、Pdis/fは、0.014を超え、かつ、0.035未満である必要がある。
また、d/d2は、0.18以下である場合、単レンズが薄くなり過ぎて、適用可能な製造プロセスが限定されることによる、撮像レンズの生産性の低下が懸念されると共に、広画角の撮像レンズが実現困難となり、0.30以上である場合、歪みおよび非点収差が大きくなり、解像力が劣化する虞がある。これらのことを考慮すると、d/d2は、0.18を超え、かつ、0.30未満である必要がある。
また、本発明の撮像モジュールは、上記単レンズは、0.5<d´/d<0.9なる関係を満足するように構成されていることを特徴としている。但し、d´は単レンズの有効口径の端部の厚みである。
d´/dは、0.5以下である場合、単レンズが薄くなり過ぎて、適用可能な製造プロセスが限定されることによる、撮像レンズの生産性の低下が懸念され、0.9以上である場合、像の周辺における解像力の補正が難しくなる。これらのことを考慮すると、d´/dは、0.5を超え、かつ、0.9未満であるのが好ましい。
また、本発明の撮像モジュールは、上記単レンズの有効口径における、最も薄い部分の厚みは、150μmを超えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、単レンズが薄くなり過ぎないため、生産性に優れた撮像レンズを実現することが可能となる。
また、本発明の撮像モジュールは、上記撮像レンズのFナンバーは、3未満であることを特徴としている。
上記の構成によれば、Fナンバーは3未満であるため、受光光量を増大させることができ、かつ、色収差が良好に補正されるため、高い解像力を得ることが可能となる。
また、本発明の撮像モジュールは、上記単レンズは、屈折率が1.4を超えており、アッベ数が43を超えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、低い屈折率、かつ、高い分散値の光学定数を有している材料を、単レンズに対して適用することが可能となるため、単レンズを構成する材料の選択肢が増え、これにより、安価な材料選択および材料に制約されることの無い製造プロセスの適用が可能となる。
また、本発明の撮像モジュールは、上記単レンズは、熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂からなることを特徴としている。
単レンズを、熱硬化性樹脂またはUV(Ultra Violet:紫外線)硬化性樹脂からなる構成とすることにより、本発明の撮像モジュールの製造段階において、複数の単レンズを樹脂に成形して、後述するレンズアレイを作製することが可能となり、さらに、撮像レンズをリフロー実装することが可能となる。
また、本発明の撮像モジュールは、本発明の撮像モジュールの撮像レンズと、上記撮像レンズによって物体を結像して形成された像を、光として受光する固体撮像素子と、を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、広い画角を有し、コンパクトであり、さらに良好な解像力を有する、デジタルカメラ等の撮像モジュールを実現することが可能となる。
また、本発明の撮像モジュールは、上記固体撮像素子は、VGA(Video Graphics Array:ビデオ・グラフィックス・アレイ)クラスの撮像素子であることを特徴としている。
上記の構成によれば、VGAクラスの撮像素子を、固体撮像素子に適用することで、良好な解像力を有する撮像モジュールを実現することができると共に、レンズの枚数を少なくすることができ、製造公差が発生し得る要因を削減することが可能となるため、製造が簡単な撮像モジュールを実現することが可能となる。
また、本発明の撮像モジュールは、上記固体撮像素子の画素のサイズは、1.75μmであることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明の撮像レンズが有する解像力を活かした撮像モジュールを実現することが可能となる。また、固体撮像素子を小型化することで、撮像レンズひいては撮像モジュールの小型化も可能となるため、さらにコンパクトな、デジタルカメラ等の撮像モジュールを実現することが可能となる。
また、本発明の撮像モジュールは、上記撮像レンズのフォーカス位置を調整するための機構を備えていないことを特徴としている。
本発明の撮像レンズは、物体を結像して形成された像の周辺において、良好な解像力を得ることが可能であるという特長を有しているものである。このことから、本発明の撮像モジュールは、光軸方向における、最良像面位置に対する固体撮像素子の位置を調整することが必須で無いので、該調整のために従来必要であった、撮像レンズのフォーカス位置を調整するための機構を省略することが可能となる。そして、この機構を省略することにより、本発明の撮像モジュールは、製造コストを低減することが可能となる。
また、本発明の撮像モジュールは、同一面上に上記単レンズを複数備えたレンズアレイと、同一面上に上記固体撮像素子を複数備えたセンサアレイと、を用意し、各単レンズと各固体撮像素子とが、1対1に対応して対向配置されるように、上記レンズアレイに上記センサアレイを搭載した後、対向配置された、上記単レンズおよび固体撮像素子の組み合わせを分割して製造されたものであることを特徴としている。
上記の構成によれば、大量の撮像モジュールを一括して、かつ短時間で製造することが可能となるため、撮像モジュールの製造コストは、低減することが可能となる。
以上のとおり、本発明の撮像モジュールは、撮像レンズと、上記撮像レンズによって物体を結像して形成された像を、光として受光する固体撮像素子と、を備える撮像モジュールであって、上記撮像レンズは、物体側から像面側へと向かって順に、開口絞り、単レンズ、および像面に対して被覆されるカバーガラスを備えており、上記単レンズは、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズであり、物体を結像して形成された像の中心にて解像力が最大となる位置から、光軸方向に距離Pdis(但し、0<Pdis)移動された位置を、上記像面とするものであり、かつ、0.028<Pdis/f<0.035なる関係、および、0.23<d/d2<0.30なる関係を満足しており、上記単レンズは、物体側に向けた面および像面側に向けた面の両方が非球面であり、上記撮像レンズの光学全長は、1.615mm以上かつ1.704mm以下であり、上記固体撮像素子の画素のサイズは、1.75μmである構成である。但し、fは撮像レンズ全体の焦点距離であり、dは単レンズの中心の厚みであり、d2は単レンズにおける、像面側に向けた面の中心から、像面までの空気換算長さである。
従って、本発明は、物体を結像して形成された像の周辺において、良好な解像力を得ることが可能であるという効果を奏する。
本発明の、一実施の形態に係る撮像レンズの構成を示す断面図である。 本発明の、別の実施の形態に係る撮像レンズの構成を示す断面図である。 本発明の、さらに別の実施の形態に係る撮像レンズの構成を示す断面図である。 本発明の参考の形態に係る撮像レンズの構成を示す断面図である。 図1に示す撮像レンズの、デフォーカスMTF(Modulation Transfer Function:変調伝達関数)を示すグラフである。 図1に示す撮像レンズの、MTF‐空間周波数特性を示すグラフである。 図1に示す撮像レンズの、MTF‐像高特性を示すグラフである。 図1に示す撮像レンズの各種収差の特性を示すグラフであり、(a)に非点収差を、(b)に歪曲を、それぞれ示している。 図2に示す撮像レンズの、デフォーカスMTFを示すグラフである。 図2に示す撮像レンズの、MTF‐空間周波数特性を示すグラフである。 図2に示す撮像レンズの、MTF‐像高特性を示すグラフである。 図2に示す撮像レンズの各種収差の特性を示すグラフであり、(a)に非点収差を、(b)に歪曲を、それぞれ示している。 図3に示す撮像レンズの、デフォーカスMTFを示すグラフである。 図3に示す撮像レンズの、MTF‐空間周波数特性を示すグラフである。 図3に示す撮像レンズの、MTF‐像高特性を示すグラフである。 図3に示す撮像レンズの各種収差の特性を示すグラフであり、(a)に非点収差を、(b)に歪曲を、それぞれ示している。 図4に示す撮像レンズの、デフォーカスMTFを示すグラフである。 図4に示す撮像レンズの、MTF‐空間周波数特性を示すグラフである。 図4に示す撮像レンズの、MTF‐像高特性を示すグラフである。 図4に示す撮像レンズの各種収差の特性を示すグラフであり、(a)に非点収差を、(b)に歪曲を、それぞれ示している。 (a)〜(c)は、本発明の、一実施の形態に係る撮像モジュールの製造方法を示す断面図である。 本発明の、一実施の形態に係る撮像モジュールの構成を示す断面図である。 本発明の、別の実施の形態に係る撮像モジュールの構成を示す断面図である。 本発明の、さらに別の実施の形態に係る撮像モジュールの構成を示す断面図である。
図1は、本発明の、一実施の形態に係る撮像レンズ100の構成を示す断面図である。
図2は、本発明の、別の実施の形態に係る撮像レンズ200の構成を示す断面図である。
図3は、本発明の、さらに別の実施の形態に係る撮像レンズ300の構成を示す断面図である。
図4は、本発明の参考の形態に係る撮像レンズ400の構成を示す断面図である。
撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400は、それぞれ以下の基本構成を有している。
なお、以下では、説明の便宜上、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400のうち、任意の1つの撮像レンズを「撮像レンズ1」と称して、説明を行う。
〔撮像レンズ1の基本構成〕
図1〜図4はいずれも、撮像レンズ1の、Y(紙面上下)方向およびZ(紙面左右)方向からなる断面を示した図である。Z方向は、物体3側から像面S5側への方向、および、像面S5側から物体3側への方向を示しており、撮像レンズ1の光軸Laは、このZ方向に伸びている。撮像レンズ1の光軸Laに対する法線方向は、ある光軸La上から、X方向およびY方向からなる面上を一直線に伸びていく方向である。
撮像レンズ1は、物体3側から像面S5側へと向かって順に、開口絞り2、単レンズL、およびカバーガラスCGを備えて構成されたものである。
開口絞り2は、具体的に、単レンズLにおける物体3側に向けた面(レンズ物体側面)S1の周囲に設けられている。開口絞り2は、撮像レンズ1に入射した光が、単レンズLを適切に通過することを可能にするために、入射した光の軸上光線束の直径を制限することを目的に設けられている。
物体3は、撮像レンズ1が結像する対象物であり、換言すれば、撮像レンズ1が撮像対象とする被写体である。図1〜図4では便宜上、物体3と撮像レンズ1とが非常に近接しているように図示されているが、実際、物体3と撮像レンズ1との間隔は、例えば1200mm前後である。
単レンズLは、物体3側に向けた面S1が凹面となっている、周知のメニスカスレンズである。従って、単レンズLは、像面S5側に向けた面(レンズ像側面)S2が凸面となっている。また、単レンズLは、面S1およびS2の両面が非球面となっている。
なお、レンズの凸面とは、レンズの球状表面が外側に曲がっている部分を示している。レンズの凹面とは、レンズが中空に曲がっている部分、すなわち、レンズが内側に曲がっている部分を示している。
撮像レンズ1の光軸Laは、単レンズLの面S1の中心s1と、単レンズLの面S2の中心s2と、を結ぶ線分上を、Z方向に略一直線に伸びている。
カバーガラスCGは、単レンズLと像面S5との間に設けられている。カバーガラスCGは、像面S5に対して被覆されることで、像面S5を物理的ダメージ等から保護するためのものである。カバーガラスCGは、物体3側に向けた面(物体側面)S3と、像面S5側に向けた面(像側面)S4と、を有している。
像面S5は、撮像レンズ1の光軸Laに対して垂直で、像が形成される面であり、実像は、像面S5に置かれた図示しないスクリーン上で観察することができる。また、撮像レンズ1を備えた撮像モジュールにおいては、像面S5に撮像素子が配置される。
距離dは、中心s1から中心s2までの距離であり、単レンズLの中心の厚みに対応している。
距離d2は、中心s2から像面S5までの距離(空気換算)であり、単レンズLにおける、像面S5側に向けた面S2の中心s2から、像面S5までの空気換算長さに対応している。空気換算長さとは、媒質の幾何学的な長さを、該媒質の屈折率で除して得られた長さを示している。
距離d´は、単レンズLの面S1における有効口径の端部e1から、単レンズLの面S2における有効口径の端部e2までの距離である。または、距離d´は、単レンズLの面S1における有効口径の端部eaから、単レンズLの面S2における有効口径の端部ebまでの距離である。距離d´は、単レンズLの有効口径の端部の厚みに対応している。
但し、実際の撮像レンズ1は、当然ながら立体であり、この結果、端部e1またはeaは面S1における有効口径の縁(例えば、円周)の全てに該当し、端部e2またはebは面S2における有効口径の縁(例えば、円周)の全てに該当することとなる。この場合、距離d´は、単レンズLの少なくとも1つの光学面を含む領域における最も薄い部分における、Z方向の寸法であると解釈すればよい。
距離d、d2、およびd´はいずれも、Z方向における距離(寸法)であり、その単位はmm(ミリメートル)である。
像面S5は、撮像レンズ1によって物体3を結像して形成された、図示しない像の中心にて解像力が最大となる位置Saから、Z方向、すなわち、光軸Laの方向に、距離Pdis(但し、0<Pdis)移動された配置となっている。
すなわち、位置Saは、像の中心に該当する像高h0にて、撮像レンズ1の解像力が、他の像高よりも高くなり、かつ、像高h0における撮像レンズ1の解像力が、他の像面位置よりも高くなるような位置であると解釈することができる。この位置Saから、Z方向に距離Pdisだけシフトされた位置に、撮像レンズ1の像面S5は存在している。
そして、上記の距離Pdisは、撮像レンズ1全体としての焦点距離f(詳細は後述)との間で、以下の関係式(1)を満足するような値とされている。
0.014<Pdis/f<0.035 ・・・(1)
撮像レンズ1は、像面S5を、位置Saから、光軸Laに対して平行なZ方向に、距離Pdis移動させた配置とするものである。これにより、撮像レンズ1によって物体3を結像して形成された像の中心においては、像面S5を位置Saとした場合と比較して解像力が低下するものの、像の周辺においては、像面S5を位置Saとした場合と比較して解像力を向上させることが可能となる。
なお、Pdis/fは、0.014以下である場合、物体3を結像して形成された像の周辺における解像力が不十分となる虞があり、0.035以上である場合、像の中心における解像力が不十分となる虞がある。これらのことを考慮すると、像の中心における解像力を低下させすぎることなく、像の周辺における解像力を向上させるためには、Pdis/fを、0.014を超え、かつ、0.035未満とする必要がある。
また、撮像レンズ1は、距離dと距離d2との間で、以下の関係式(2)を満足するような値とされている。
0.18<d/d2<0.30 ・・・(2)
d/d2は、0.18以下である場合、単レンズLが薄くなり過ぎて、適用可能な製造プロセスが限定されることによる、撮像レンズ1の生産性の低下が懸念されると共に、広画角の撮像レンズ1が実現困難となり、0.30以上である場合、歪みおよび非点収差が大きくなり、解像力が劣化する虞がある。これらのことを考慮すると、d/d2は、0.18を超え、かつ、0.30未満である必要がある。
また、撮像レンズ1は、単レンズLにおける距離dと距離d´との間で、以下の関係式(3)を満足するような値とされている。
0.5<d´/d<0.9 ・・・(3)
d´/dは、0.5以下である場合、単レンズLが薄くなり過ぎて、適用可能な製造プロセスが限定されることによる、撮像レンズ1の生産性の低下が懸念され、0.9以上である場合、像の周辺における解像力の補正が難しくなる。これらのことを考慮すると、d´/dは、0.5を超え、かつ、0.9未満であるのが好ましい。
また、撮像レンズ1は、単レンズLの有効口径における、最も薄い部分の厚み(図1〜図4では、距離d´)が、150μmを超えているのが好ましく、これにより、単レンズLが薄くなり過ぎないため、生産性に優れたものを実現することが可能となる。
なお、図1〜図4では、便宜上、単レンズLについて、その有効口径のみを図示している一方、単レンズLは、該有効口径の外周部にコバが形成されている場合があるが、この場合でも、単レンズLの有効口径における最も薄い部分の厚みが、150μmを超えているのが好ましい。
また、撮像レンズ1のFナンバーは、3未満であるのが好ましい。撮像レンズ1のFナンバーは、撮像レンズ1の等価焦点距離を、撮像レンズ1の入射瞳径で割った値で表される。撮像レンズ1は、Fナンバーを3未満とすることにより、受光光量を増大させることができ、かつ、色収差が良好に補正されるため、高い解像力を得ることが可能となる。
また、単レンズLは、d線(波長:587.6nm)に対する屈折率が1.4を超えており、d線に対するアッベ数が43を超えているのが好ましい。アッベ数とは、光の分散に対する屈折度の比を示した、光学媒質の定数である。すなわち、アッベ数とは、異なった波長の光を異なった方向へ屈折させる度合であり、高いアッベ数の媒質は、異なった波長に対しての光線の屈折の度合による分散が少なくなる。これにより、撮像レンズ1は、低い屈折率、かつ、高い分散値の光学定数を有している材料を、単レンズLに対して適用することが可能となるため、単レンズLを構成する材料の選択肢が増え、これにより、安価な材料選択および材料に制約されることの無い製造プロセスの適用が可能となる。製造プロセスについての詳細な説明は、後述する。
また、単レンズLを構成する材料は、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂であるのが好ましい。熱硬化性樹脂は、所定量以上の熱を与えることにより、液体から固体に状態変化する特性を有する樹脂である。UV硬化性樹脂は、所定強度以上の紫外線を照射することにより、液体から固体に状態変化する特性を有する樹脂である。
単レンズLを、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂からなる構成とすることにより、撮像モジュールの製造段階において、複数の単レンズLを樹脂に成形して、後述するレンズアレイを作製することが可能となり、さらに、撮像レンズ1をリフロー実装することが可能となる。
但し、他にも単レンズLは、プラスチックレンズまたはガラスレンズ等であってもよい。
撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400ではいずれも、位置SaからPdisだけ、物体3側に移動された位置を像面S5とする構成となっているが、位置SaからPdisだけ、物体3の反対側に移動された位置を像面S5とする構成であってもよい。
〔撮像レンズ100のMTFおよび収差特性〕
図5は、撮像レンズ100の、デフォーカスMTF、すなわち、縦軸に示したMTF(単位:無)と、横軸に示したフォーカスシフト位置(単位:mm)と、の関係を示すグラフである。
図6は、撮像レンズ100の、縦軸に示したMTFと、横軸に示した空間周波数(単位:lp/mm)と、の関係を示すグラフである。
図7は、撮像レンズ100の、縦軸に示したMTFと、横軸に示した像高(単位:mm)と、の関係を示すグラフである。
図8は、撮像レンズ100の各種収差の特性を示すグラフであり、(a)に非点収差を、(b)に歪曲を、それぞれ示している。
なお、図5〜図7、図9〜図11、図13〜図15、図17〜図19にそれぞれ示す各像高は、撮像レンズ1によって物体3を結像して形成された像の中心を基準とした像の高さを、絶対値で表現しているが、最大像高に対する割合で表現することもでき、絶対値と最大像高に対する割合との間に、それぞれ、以下の対応関係を有している。
0.0000mm=像高h0(像の中心)
0.1400mm=像高h0.2(最大像高の2割に該当する高さ)
0.2800mm=像高h0.4(最大像高の4割に該当する高さ)
0.4200mm=像高h0.6(最大像高の6割に該当する高さ)
0.5600mm=像高h0.8(最大像高の8割に該当する高さ)
0.7000mm=像高h1.0(最大像高)
図5、さらには後述する図9、図13、および図17はいずれも、空間周波数が「ナイキスト周波数/4」である場合の、像高h0、h0.2、h0.4、h0.6、h0.8、およびh1.0の各々に関する、タンジェンシャル像面(T)およびサジタル像面(S)における各特性を例示している。
図6、さらには後述する図10、図14、および図18はいずれも、空間周波数が0〜「ナイキスト周波数/2」である場合の、像高h0、h0.2、h0.4、h0.6、h0.8、およびh1.0の各々に関する、タンジェンシャル像面(T)およびサジタル像面(S)における各特性を例示している。
図7、さらには後述する図11、図15、および図19はいずれも、空間周波数が「ナイキスト周波数/4」および「ナイキスト周波数/2」である場合の、像高h0〜h1.0に関する、タンジェンシャル像面およびサジタル像面における各特性を例示している。
なお、上記ナイキスト周波数は、撮像レンズ1と組み合わされるのが好適であるセンサ(固体撮像素子)のナイキスト周波数に対応する値とされており、該センサの画素ピッチから計算される、解像可能な空間周波数の値である。具体的に、該センサのナイキスト周波数Nyq.(単位:lp/mm)は、
Nyq.=1/(センサ画素ピッチ)/2
により算出される。図5〜図20の各特性を測定するにあたって、該センサとしては、VGAクラスであり、サイズが1/13型であり、画素のサイズ(画素ピッチ)が1.75μmであり、D(対角)のサイズが1.400mmであり、H(水平)のサイズが1.120mmであり、V(垂直)のサイズが0.840mmであるものを適用するものとしている。
また、図5〜図20に示す各特性を得るために、物体距離が500mmであると仮定すると共に、シミュレーション光源(図示しない)として、次の重みづけによる(白色を構成する各波長の混合割合が、下記のように調整された)白色光を用いた。
404.66nm=0.13
435.84nm=0.49
486.1327nm=1.57
546.07nm=3.12
587.5618nm=3.18
656.2725nm=1.51
図5のグラフ51は、撮像レンズ100によって物体3を結像して形成された像の中心に対応する、像高h0における、−0.1mm〜0.1mmのフォーカスシフト位置に対するMTFの関係を示している。
グラフ51は、0.025mmのフォーカスシフト位置においてMTFのピーク値を有しており、換言すれば、この0.025mmのフォーカスシフト位置では、像高h0にて最大の解像力が得られる、ということを示している。この0.025mmのフォーカスシフト位置は、図1に示した位置Saに該当する。
一方、実際の、撮像レンズ100の像面S5(図1参照)は、0mmのフォーカスシフト位置に該当する。そして、このことから、撮像レンズ100のPdisは、0.025mm(表5参照)となることが明らかである。
また、撮像レンズ100は、焦点距離fが0.853mm(表5参照)である。従って、撮像レンズ100の、Pdis/fは0.029となり、関係式(1)を満足する値となっている。
図6および図7は、図5のグラフに基づいて決定された像面S5の位置における各特性を示している。
図6に示すとおり、撮像レンズ100は、70lp/mmを超える高い空間周波数帯域において、像高h1.0のサジタル像面のMTFが若干低くなっているものの、その他に関しては、像高h0〜h1.0の、どの像高でも高いMTF特性を有しており、総合的な解像力としては、従来の撮像レンズと比較して、撮像レンズ100によって物体3を結像して形成された像の中心から周辺まで、優れた解像力を有していると言える。
図7に示すとおり、撮像レンズ100は、「ナイキスト周波数/2」に相当する空間周波数のサジタル像面のMTFを示すグラフ74に関して、像高h0.8(0.56mm)以上のMTFが若干低くなっている。ただ、「ナイキスト周波数/4」に相当する空間周波数のタンジェンシャル像面のMTFを示すグラフ71および同空間周波数のサジタル像面のMTFを示すグラフ72、ならびに、「ナイキスト周波数/2」に相当する空間周波数のタンジェンシャル像面のMTFを示すグラフ73に関しては、像高h0〜h1.0(0.7mm)の、どの像高でも高いMTFを有している。従って、撮像レンズ100は、総合的な解像力としては、従来の撮像レンズと比較して、撮像レンズ100によって物体3を結像して形成された像の中心から周辺まで、優れた解像力を有していると言える。
図8(a)および(b)に示す各グラフによれば、タンジェンシャル像面(T)およびサジタル像面(S)共に、残存収差量が小さい(光軸Laに対する法線方向に対する、各収差の大きさのズレが小さい)ことから、撮像レンズ100は、良好な光学特性を有していることがわかる。
〔撮像レンズ200のMTFおよび収差特性〕
図9は、撮像レンズ200の、デフォーカスMTF、すなわち、縦軸に示したMTFと、横軸に示したフォーカスシフト位置と、の関係を示すグラフであり、図5に対応する、撮像レンズ200の各特性を示したものである。
図10は、撮像レンズ200の、縦軸に示したMTFと、横軸に示した空間周波数と、の関係を示すグラフであり、図6に対応する、撮像レンズ200の各特性を示したものである。
図11は、撮像レンズ200の、縦軸に示したMTFと、横軸に示した像高と、の関係を示すグラフであり、図7に対応する、撮像レンズ200の各特性を示したものである。
図12は、撮像レンズ200の各種収差の特性を示すグラフであり、(a)に非点収差を、(b)に歪曲を、それぞれ示しており、各々、図8(a)および(b)に対応する、撮像レンズ200の各特性を示したものである。
図9のグラフ91は、撮像レンズ200によって物体3を結像して形成された像の中心に対応する、像高h0における、−0.1mm〜0.1mmのフォーカスシフト位置に対するMTFの関係を示している。
グラフ91は、0.025mmのフォーカスシフト位置においてMTFのピーク値を有しており、換言すれば、この0.025mmのフォーカスシフト位置では、像高h0にて最大の解像力が得られる、ということを示している。この0.025mmのフォーカスシフト位置は、図2に示した位置Saに該当する。
一方、実際の、撮像レンズ200の像面S5(図2参照)は、0mmのフォーカスシフト位置に該当する。そして、このことから、撮像レンズ200のPdisは、0.025mm(表5参照)となることが明らかである。
また、撮像レンズ200は、焦点距離fが0.853mm(表5参照)である。従って、撮像レンズ200の、Pdis/fは0.029となり、関係式(1)を満足する値となっている。
図10および図11は、図9のグラフに基づいて決定された像面S5の位置における各特性を示している。
図10に示すとおり、撮像レンズ200は、70lp/mmを超える高い空間周波数帯域において、像高h1.0のサジタル像面のMTFが若干低くなっているものの、その他に関しては、像高h0〜h1.0の、どの像高でも高いMTF特性を有しており、総合的な解像力としては、従来の撮像レンズと比較して、撮像レンズ200によって物体3を結像して形成された像の中心から周辺まで、優れた解像力を有していると言える。
図11に示すとおり、撮像レンズ200は、「ナイキスト周波数/2」に相当する空間周波数のサジタル像面のMTFを示すグラフ114に関して、像高h0.8(0.56mm)以上のMTFが若干低くなっている。ただ、「ナイキスト周波数/4」に相当する空間周波数のタンジェンシャル像面のMTFを示すグラフ111および同空間周波数のサジタル像面のMTFを示すグラフ112、ならびに、「ナイキスト周波数/2」に相当する空間周波数のタンジェンシャル像面のMTFを示すグラフ113に関しては、像高h0〜h1.0(0.7mm)の、どの像高でも高いMTFを有している。従って、撮像レンズ200は、総合的な解像力としては、従来の撮像レンズと比較して、撮像レンズ200によって物体3を結像して形成された像の中心から周辺まで、優れた解像力を有していると言える。
図12(a)および(b)に示す各グラフによれば、タンジェンシャル像面(T)およびサジタル像面(S)共に、残存収差量が小さい(光軸Laに対する法線方向に対する、各収差の大きさのズレが小さい)ことから、撮像レンズ200は、良好な光学特性を有していることがわかる。
〔撮像レンズ300のMTFおよび収差特性〕
図13は、撮像レンズ300の、デフォーカスMTF、すなわち、縦軸に示したMTFと、横軸に示したフォーカスシフト位置と、の関係を示すグラフであり、図5に対応する、撮像レンズ300の各特性を示したものである。
図14は、撮像レンズ300の、縦軸に示したMTFと、横軸に示した空間周波数と、の関係を示すグラフであり、図6に対応する、撮像レンズ300の各特性を示したものである。
図15は、撮像レンズ300の、縦軸に示したMTFと、横軸に示した像高と、の関係を示すグラフであり、図7に対応する、撮像レンズ300の各特性を示したものである。
図16は、撮像レンズ300の各種収差の特性を示すグラフであり、(a)に非点収差を、(b)に歪曲を、それぞれ示しており、各々、図8(a)および(b)に対応する、撮像レンズ300の各特性を示したものである。
図13のグラフ131は、撮像レンズ300によって物体3を結像して形成された像の中心に対応する、像高h0における、−0.1mm〜0.1mmのフォーカスシフト位置に対するMTFの関係を示している。
グラフ131は、0.024mmのフォーカスシフト位置においてMTFのピーク値を有しており、換言すれば、この0.024mmのフォーカスシフト位置では、像高h0にて最大の解像力が得られる、ということを示している。この0.024mmのフォーカスシフト位置は、図3に示した位置Saに該当する。
一方、実際の、撮像レンズ300の像面S5(図3参照)は、0mmのフォーカスシフト位置に該当する。そして、このことから、撮像レンズ300のPdisは、0.024mm(表5参照)となることが明らかである。
また、撮像レンズ300は、焦点距離fが0.872mm(表5参照)である。従って、撮像レンズ300の、Pdis/fは0.028となり、関係式(1)を満足する値となっている。
図14および図15は、図13のグラフに基づいて決定された像面S5の位置における各特性を示している。
図14に示すとおり、撮像レンズ300は、85.74lp/mmを超える高い空間周波数帯域において、像高h1.0のサジタル像面のMTFが若干低くなっているものの、その他に関しては、像高h0〜h1.0の、どの像高でも高いMTF特性を有しており、総合的な解像力としては、従来の撮像レンズと比較して、撮像レンズ300によって物体3を結像して形成された像の中心から周辺まで、優れた解像力を有していると言える。
図15に示すとおり、撮像レンズ300は、「ナイキスト周波数/2」に相当する空間周波数のサジタル像面のMTFを示すグラフ154に関して、像高h0.85(0.595mm)以上のMTFが若干低くなっている。ただ、「ナイキスト周波数/4」に相当する空間周波数のタンジェンシャル像面のMTFを示すグラフ151および同空間周波数のサジタル像面のMTFを示すグラフ152、ならびに、「ナイキスト周波数/2」に相当する空間周波数のタンジェンシャル像面のMTFを示すグラフ153に関しては、像高h0〜h1.0(0.7mm)の、どの像高でも高いMTFを有している。従って、撮像レンズ300は、総合的な解像力としては、従来の撮像レンズと比較して、撮像レンズ300によって物体3を結像して形成された像の中心から周辺まで、優れた解像力を有していると言える。
図16(a)および(b)に示す各グラフによれば、タンジェンシャル像面(T)およびサジタル像面(S)共に、残存収差量が小さい(光軸Laに対する法線方向に対する、各収差の大きさのズレが小さい)ことから、撮像レンズ300は、良好な光学特性を有していることがわかる。
参考例:撮像レンズ400のMTFおよび収差特性〕
図17は、撮像レンズ400の、デフォーカスMTF、すなわち、縦軸に示したMTFと、横軸に示したフォーカスシフト位置と、の関係を示すグラフであり、図5に対応する、撮像レンズ400の各特性を示したものである。
図18は、撮像レンズ400の、縦軸に示したMTFと、横軸に示した空間周波数と、の関係を示すグラフであり、図6に対応する、撮像レンズ400の各特性を示したものである。
図19は、撮像レンズ400の、縦軸に示したMTFと、横軸に示した像高と、の関係を示すグラフであり、図7に対応する、撮像レンズ400の各特性を示したものである。
図20は、撮像レンズ400の各種収差の特性を示すグラフであり、(a)に非点収差を、(b)に歪曲を、それぞれ示しており、各々、図8(a)および(b)に対応する、撮像レンズ400の各特性を示したものである。
図17のグラフ171は、撮像レンズ400によって物体3を結像して形成された像の中心に対応する、像高h0における、−0.1mm〜0.1mmのフォーカスシフト位置に対するMTFの関係を示している。
グラフ171は、0.023mmのフォーカスシフト位置においてMTFのピーク値を有しており、換言すれば、この0.023mmのフォーカスシフト位置では、像高h0にて最大の解像力が得られる、ということを示している。この0.023mmのフォーカスシフト位置は、図4に示した位置Saに該当する。
一方、実際の、撮像レンズ400の像面S5(図4参照)は、0mmのフォーカスシフト位置に該当する。そして、このことから、撮像レンズ400のPdisは、0.023mm(表5参照)となることが明らかである。
また、撮像レンズ400は、焦点距離fが0.891mm(表5参照)である。従って、撮像レンズ400の、Pdis/fは0.026となり、関係式(1)を満足する値となっている。
図18および図19は、図17のグラフに基づいて決定された像面S5の位置における各特性を示している。
図18に示すとおり、撮像レンズ400は、100lp/mmを超える高い空間周波数帯域において、像高h1.0のサジタル像面のMTFが若干低くなっているものの、その他に関しては、像高h0〜h1.0の、どの像高でも高いMTF特性を有しており、総合的な解像力としては、従来の撮像レンズと比較して、撮像レンズ400によって物体3を結像して形成された像の中心から周辺まで、優れた解像力を有していると言える。
図19に示すとおり、撮像レンズ400は、「ナイキスト周波数/2」に相当する空間周波数のサジタル像面のMTFを示すグラフ194に関して、像高h0.9(0.63mm)以上のMTFが若干低くなっている。ただ、「ナイキスト周波数/4」に相当する空間周波数のタンジェンシャル像面のMTFを示すグラフ191および同空間周波数のサジタル像面のMTFを示すグラフ192、ならびに、「ナイキスト周波数/2」に相当する空間周波数のタンジェンシャル像面のMTFを示すグラフ193に関しては、像高h0〜h1.0(0.7mm)の、どの像高でも高いMTFを有している。従って、撮像レンズ400は、総合的な解像力としては、従来の撮像レンズと比較して、撮像レンズ400によって物体3を結像して形成された像の中心から周辺まで、優れた解像力を有していると言える。
図20(a)および(b)に示す各グラフによれば、タンジェンシャル像面(T)およびサジタル像面(S)共に、残存収差量が小さい(光軸Laに対する法線方向に対する、各収差の大きさのズレが小さい)ことから、撮像レンズ400は、良好な光学特性を有していることがわかる。
なお、撮像レンズ1によって物体3を結像して形成された像の周辺において、優れた解像力を実現する、という観点によれば、撮像レンズ300は、撮像レンズ100および200よりも優れており、撮像レンズ400は、撮像レンズ300よりも優れていると考えられる。
〔撮像レンズ1の各々の特性データ〕
〔表1〕は、撮像レンズ100の設計データを示した表である。
〔表2〕は、撮像レンズ200の設計データを示した表である。
〔表3〕は、撮像レンズ300の設計データを示した表である。
〔表4〕は、撮像レンズ400の設計データを示した表である。
〔表5〕は、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400の各々に対して、像面S5にセンサ(固体撮像素子)を配置して、撮像モジュールを構成する場合の、仕様の一例を示した表である。
Figure 0005037639
Figure 0005037639
〔表1〕〜〔表5〕の各データを測定するにあたって、センサとしては、VGAクラスであり、サイズが1/13型であり、画素のサイズ(画素ピッチ)が1.75μmであり、D(対角)のサイズが1.400mmであり、H(水平)のサイズが1.120mmであり、V(垂直)のサイズが0.840mmであるものを適用した。
また、〔表5〕に示す各特性を得るために、物体距離が500mmであると仮定すると共に、シミュレーション光源(図示しない)として、次の重みづけによる(白色を構成する各波長の混合割合が、下記のように調整された)白色光を用いた。
404.66nm=0.13
435.84nm=0.49
486.1327nm=1.57
546.07nm=3.12
587.5618nm=3.18
656.2725nm=1.51
〔表1〕〜〔表4〕の項目「要素」において、「絞り」と表記された行には開口絞り2に関する設計データを、「Lens」と表記された行には単レンズLに関する設計データを、「CG」と表記された行にはカバーガラスCGに関する設計データを、「センサ」と表記された行には像面S5に配置されたセンサに関する設計データを、それぞれ示している。
〔表1〕〜〔表4〕の項目「材料」において、「Nd」には、単レンズLおよびカバーガラスCGのd線に対する屈折率を、「νd」には、単レンズLおよびカバーガラスCGのd線に対するアッベ数を、それぞれ示している。本項目から明らかであるとおり、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400はいずれも、単レンズLの屈折率が1.4を超える1.498であり、単レンズLのアッベ数が43を超える46であるため、好ましい。
〔表1〕〜〔表4〕の項目「面」におけるS1〜S5は、各々、面S1、面S2、面S3、面S4、および像面S5に対応しており、これらの各面に関する設計データを同行に示している。
〔表1〕〜〔表4〕の項目「曲率」は、単レンズLの面S1およびS2の曲率を示している。
〔表1〕〜〔表4〕の項目「中心厚」は、対応する面の中心から、像面S5側に向かって次の面の中心までの、光軸La(図1〜図4参照)方向の距離を示している。
〔表1〕〜〔表4〕の項目「有効半径」は、開口絞り2、ならびに単レンズLの面S1およびS2の、光束の範囲を規制可能な円領域の半径を示している。
〔表1〕〜〔表4〕の項目「非球面係数」は、単レンズLの面S1およびS2のそれぞれの、非球面を構成する非球面式(4)における、i次の非球面係数Ai(iは4以上の偶数)を示している。非球面式(4)において、Zは光軸方向(図1のZ方向)の座標であり、xは光軸に対する法線方向(図1のX方向)の座標であり、Rは曲率半径(曲率の逆数)であり、Kはコーニック(円錐)係数である。
Figure 0005037639
〔表1〕〜〔表4〕の項目「非球面係数」から明らかであるとおり、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400はいずれも、単レンズLの両面に対して非球面係数が付与されており、これにより、単レンズLの両面が非球面形状となっている。両面が非球面である単レンズLを使用することにより、撮像レンズ1では、各種収差を容易かつ良好に補正することが可能となるため、好ましい。
〔表5〕に示すとおり、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400はいずれも、Fナンバーが、3未満である2.80となっているため、高い解像力が得られるものである。
〔表5〕の項目「焦点距離f」には、撮像レンズ1全体の焦点距離fを、単位:mmで示している。
〔表5〕の項目「画角」には、撮像レンズ1の画角、すなわち、撮像レンズ1により結像可能な角度を、単位:deg(°)でそれぞれ示しており、D(対角)、H(水平)、およびV(垂直)という、3次元のパラメータで示している。撮像レンズ1は、H(水平)の画角が52°以上であり、携帯端末向けの撮像レンズ等の広角レンズとしての利用が可能である。
〔表5〕の項目「周辺光量比」には、像高h0.6、像高h0.8、および、像高h1.0のそれぞれにおける、撮像レンズ1の各周辺光量比(像高h0での光量に対する、光量の割合)を示している。撮像レンズ1は、像高h1.0において、像高h0の70%以上という高い光量が得られるものである。
〔表5〕の項目「CRA」には、像高h0.6、像高h0.8、および、像高h1.0のそれぞれにおける、撮像レンズ1の各主光線角度(Chief Ray Angle:CRA)を示している。
〔表5〕の項目「光学全長(CG含む)」には、開口絞り2が光を絞る部分から、像面S5までの、撮像レンズ1の距離を示している。つまり、撮像レンズ1の光学全長とは、光学特性に対して或る影響を与える全構成要素の、光軸方向における寸法の総計を意味している。
〔表5〕の項目「CG厚み」には、光軸方向におけるカバーガラスCGの厚みを示している。
〔表5〕の項目「レンズ中心厚d」には、単レンズLの中心の厚み、すなわち、単レンズLにおける中心s1から中心s2までの距離である。
〔表5〕の項目「レンズ光学有効径端部厚d´」には、単レンズLの有効口径の端部の厚み、すなわち、単レンズLにおける端部e1(ea)から端部e2(eb)までの距離である。特に、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400ではいずれも、単レンズLの有効口径における、最も薄い部分の厚みが、このd´に対応する。本項目から明らかであるとおり、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400は、単レンズLの有効口径における、最も薄い部分の厚みであるd´がそれぞれ、0.203mm、0.203mm、0.205mm、0.203mmであり、いずれも0.150mm(すなわち、150μm)を超えているため、好ましい。
〔表5〕の項目「d´/d」から明らかであるとおり、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400はいずれも、d´/dが、0.5を超え、かつ0.9未満であるため、上述した関係式(3)を満足する値となっている。
〔表5〕の項目「d/d2」から明らかであるとおり、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400はいずれも、d/d2が、0.18を超え、かつ0.30未満であるため、上述した関係式(2)を満足する値となっている。
〔表5〕の項目「Pdis」には、Pdisの具体的な値を示している。
〔表5〕の項目「Pdis/f」には、Pdis/fの具体的な値を示している。上述したとおり、撮像レンズ100、撮像レンズ200、撮像レンズ300、および撮像レンズ400はいずれも、Pdis/fが、関係式(1)を満足する値となっている。
〔撮像モジュール270の製造方法〕
図21(a)〜(c)は、撮像モジュール270の製造方法を示す断面図である。
図21(a)〜(c)では、撮像モジュール270を、ウエハレベルレンズプロセスと呼ばれる製造プロセスにより製造する例を示している。
ウエハレベルレンズプロセスとは、樹脂等の被成形物に対して、その同一面上に単レンズLを複数、成形または造形することで、レンズアレイ211を作製し、さらに、同一面上にセンサ218を複数備えたセンサアレイ217を用意し、各単レンズLと各センサ218とが、1対1に対応して対向配置されるように、レンズアレイ211にセンサアレイ217を搭載した後、対向配置された、単レンズLおよびセンサ218の組み合わせを単位として、分割線220にて分割することで、撮像モジュール270を製造する製造プロセスである。この製造プロセスによれば、大量の撮像モジュールを一括して、かつ短時間で製造することが可能となるため、撮像モジュールの製造コストは、低減することが可能となる。
近年では、単レンズLの材料として、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂を用いた、いわゆる耐熱カメラモジュールの開発が進められている。ここで説明する撮像モジュール270は、この耐熱カメラモジュールの一種であり、単レンズLの材料として、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂が用いられている。
単レンズLの材料として、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂を用いる理由は、大量の撮像モジュール270を一括して、かつ短時間で製造することにより、撮像モジュール270の製造コストの低減を図るため、ならびに、撮像レンズ1を備えた撮像モジュール270に対して、リフローの実施を可能とするためである。
撮像モジュール270を製造する技術は、多々提案されている。中でも代表的な技術は、射出成形、および、以下で詳細を説明するウエハレベルレンズプロセスである。特に、最近では、撮像モジュールの製造時間およびその他の総合的知見において、より有利であると考えられている、ウエハレベルレンズ(リフローアブルレンズ)プロセスが注目されている。
ウエハレベルレンズプロセスを実施するにあたっては、熱に起因して、単レンズLに塑性変形が発生してしまうことを抑制する必要がある。この必要性から、単レンズLとしては、熱が加えられても変形しにくい、耐熱性が非常に優れた、熱硬化性樹脂材料またはUV硬化性樹脂材料を用いたウエハレベルレンズ(レンズアレイ)が注目されている。具体的には、摂氏260〜280度の熱が10秒以上与えられても、塑性変形しない程度の耐熱性を有している、熱硬化性樹脂材料またはUV硬化性樹脂材料を用いたウエハレベルレンズが注目されている。
ウエハレベルレンズプロセスでは、まず、単レンズLの面S1と反対の形状を有する凸部が同一面上に多数形成されたアレイ金型上212と、単レンズLの面S2と反対の形状を有する凹部が同一面上に多数形成されたアレイ金型下213と、を用意する。なお、アレイ金型上212の各凸部と、アレイ金型下213の各凹部とは、1対1に対応付けられており、かつ、1つの該凸部と、それに対応する1つの該凹部とは、対向して配置されている。
アレイ金型上212とアレイ金型下213とで、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂を、挟み込むと共に加熱して硬化させ、同一面上において、対応する凸部および凹部の組み合わせ毎に単レンズLが成形された、レンズアレイ211を作製する(図21(a)参照)。
同一面上にセンサ218が多数形成されたセンサアレイ217を用意する。センサアレイ217に形成された各センサ218の間隔は、レンズアレイ211に成形された各単レンズLの間隔と同じにしておく。
センサアレイ217に対しては、図21(b)に示すように、予め、複数のセンサ218を一括して覆うことが可能な程度に大きなカバーガラス216が搭載されていてもよい。また、カバーガラス216またはセンサアレイ217と、レンズアレイ211との間には、必要に応じて、図21(b)に示すように、これらの間隔を固定とするためのスペーサ215が設けられてもよい。
レンズアレイ211にセンサアレイ217を搭載する。ここでは、レンズアレイ211にセンサアレイ217を、スペーサ215およびカバーガラス216を介して搭載する。このとき、レンズアレイ211とセンサアレイ217とは、各単レンズLと各センサ218とに関して、1つの単レンズLに対して、1つのセンサ218が対向して配置される(図21(b)参照)。
さらに、図21(b)に示す工程では、レンズアレイ211における、各単レンズLの面S1となる各凹部の周囲に、後に開口絞り2となる遮光部材(絞り)214を搭載する。遮光部材(絞り)214は、レンズアレイ211における各凹部を露出させるように、各凹部の外周部分に設ける。
レンズアレイ211とセンサアレイ217との間での位置あわせを行う手法としては、撮像を行いながら位置あわせを行う等の、色々な手法が挙げられ、また、位置あわせは、ウエハのピッチ仕上がり精度によっても影響される。
図21(b)に示す工程を経て、アレイ状となっている多数の撮像モジュール270を、対向配置となっている単レンズLおよびセンサ218、ならびに、該単レンズLおよびセンサ218の間に介在している、開口絞り2(遮光部材(絞り)214の一部)、スペーサ219(スペーサ215の一部)、および、カバーガラスCG(カバーガラス216の一部)を1組とした組み合わせ単位に、換言すれば、1つの撮像モジュール270を単位として、分割線220にて分割する(図21(c)参照)。
以上の工程により、1つの撮像モジュール270は完成する。
図21(a)〜(c)に示すウエハレベルレンズプロセスにより、多数の撮像モジュール270を一括して製造することで、撮像モジュール270の製造コストは、低減することができる。さらに、完成した撮像モジュール270を、基板に実装するときにおいて、リフローにより発生する熱(最大温度が摂氏260度程度)に起因して単レンズLが塑性変形してしまうことを避けるため、単レンズLは、摂氏260〜280度の熱に対して10秒以上の耐性を有している、熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂を用いるのが、より好ましい。これにより、撮像モジュール270に対しては、リフローを施すことが可能となる。ウエハレベルでの製造工程に、さらに、耐熱性を有している樹脂材料を適用することで、リフローに対応可能な撮像モジュールを安価に製造することが可能である。
〔撮像モジュールの構成1〕
図22は、撮像モジュール270の構成を示す断面図である。撮像モジュール270は、図21(a)〜(c)に示した、ウエハレベルレンズプロセスによって製造されたものと等しい。
撮像モジュール270は、開口絞り2、単レンズL、スペーサ219、カバーガラスCG、およびセンサ218を備えたものである。このうち、開口絞り2、単レンズL、およびカバーガラスCGは、撮像レンズ1(図1〜図4参照)を構成しており、撮像レンズ1と同様の、各構成および機能を有しているものであるため、詳細な説明を省略する。
スペーサ219は、カバーガラスCGに載せられていると共に、単レンズLが載せられており、スペーサ219の丈に応じて、単レンズLと、カバーガラスCGを搭載したセンサ218と、の間隔を、所望の間隔に固定するものである。
センサ(固体撮像素子)218は、撮像モジュール270の構成要素としての、撮像レンズ1における、像面S5(図1〜図4参照)に配置されているものであり、撮像レンズ1によって物体3を結像して形成された像を、光信号として受光し、この光信号を電気信号へと変換するものである。センサ218は、周知の電子撮像素子等で構成されている。
ここで、センサ218は、VGAクラスの撮像素子であるのが好ましく、これにより、良好な解像力を有する撮像モジュール270を実現することができると共に、レンズの枚数を、単レンズLの1つにまで少なくすることができ、製造公差が発生し得る要因を削減することが可能となるため、製造が簡単な撮像モジュール270を実現することが可能となる。
また、センサ218は、画素のサイズ(画素ピッチ)が、2.5μm以下であるのが好ましく、これにより、撮像レンズ1が有する解像力を活かした撮像モジュール270を実現することが可能となると共に、センサ218を小型化することで、撮像レンズ1ひいては撮像モジュール270の小型化も可能となるため、さらにコンパクトな、デジタルカメラ等の撮像モジュール270を実現することが可能となる。
センサ218は例えば、上述した各種特性を得るために用いた、VGAクラスであり、サイズが1/13型であり、画素のサイズ(画素ピッチ)が1.75μmであり、D(対角)のサイズが1.400mmであり、H(水平)のサイズが1.120mmであり、V(垂直)のサイズが0.840mmであるものを適用するのが好ましい。
撮像モジュール270は、撮像レンズ1のフォーカス位置を調整するための機構を備えていない。
これは、撮像レンズ1が、物体3を結像して形成された像の周辺において、良好な解像力を得ることが可能であるという特長を有しているため、実現可能な構成である。つまり、撮像モジュール270は、撮像レンズ1における光軸Laの方向における、最良像面位置に対するセンサ218の位置を調整することが必須で無いので、該調整のために従来必要であった、撮像レンズ1のフォーカス位置を調整するための機構を省略することが可能となる。そして、この機構を省略することにより、撮像モジュール270は、製造コストを低減することが可能となる。
また、上記の構成によれば、撮像モジュール270は、鏡筒および/またはレンズホルダが省略されているため、製造工程の削減および構成部品の削減が可能となり、低コスト化を実現することが可能となる。
〔撮像モジュールの構成2〕
図23は、撮像モジュール270の変形例である、撮像モジュール280の構成を示す断面図である。
撮像モジュール280は、撮像モジュール270と、以下の点で異なっている構成である。
撮像モジュール280は、撮像モジュール270と異なり、スペーサ219が用いられていない。
一方、撮像モジュール280は、撮像モジュール270と異なり、単レンズLに、像面S5側に突出したレンズコバ231が形成されている。なお、レンズコバ231は、単レンズLにおける有効口径の外周部分に相当する領域である。
像面S5側に突出したレンズコバ231は、カバーガラスCGに載せられていると共に、単レンズLと一体的に形成されており、レンズコバ231が突出している丈に応じて、単レンズLと、カバーガラスCGを搭載したセンサ218と、の間隔を、所望の間隔に固定するという、スペーサ219と同様の機能を担うものである。
その他の撮像モジュール280の構成は、撮像モジュール270と同様である。
撮像モジュール280においては、スペーサ219が不要であり、スペーサ219を用いない構成とすることで、さらなる製造工程の削減および構成部品の削減が可能となり、さらなる低コスト化を実現することが可能となる。
〔撮像モジュールの構成3〕
図24は、撮像モジュール270の別の変形例である、撮像モジュール290の構成を示す断面図である。
撮像モジュール290は、撮像モジュール270と、以下の点で異なっている構成である。
撮像モジュール290は、撮像モジュール270と異なり、スペーサ219が用いられていない。
一方、撮像モジュール290は、撮像モジュール270と異なり、単レンズLが、カバーガラスCGに載せられたレンズバレル241に挿入および固定されている。
レンズバレル241は、カバーガラスCGに載せられていると共に、挿入された単レンズLを固定しており、単レンズLと、カバーガラスCGを搭載したセンサ218と、の間隔を、所望の間隔に固定するという、スペーサ219と同様の機能を担うものである。
また、開口絞り2は、レンズバレル241の一部として形成されている。
その他の撮像モジュール290の構成は、撮像モジュール270と同様である。
撮像モジュール270、撮像モジュール280、および撮像モジュール290はいずれも、広い画角を有し、コンパクトであり、さらに良好な解像力を有する、デジタルカメラ等の撮像モジュールとして好適に用いることができるものである。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、携帯端末のデジタルカメラ等への搭載を目的とした、撮像レンズおよび撮像モジュールに利用することができる。
1、100、200、300、および400 撮像レンズ
2 開口絞り
3 物体
211 レンズアレイ
217 センサアレイ
218 センサ(固体撮像素子)
270、280、290 撮像モジュール
CG カバーガラス
L 単レンズ
La 光軸
Pdis 像の中心にて解像力が最大となる位置から、像面までの距離
S5 像面
Sa 像の中心にて解像力が最大となる位置
d´ 単レンズの有効口径の端部の厚み
d 単レンズの中心の厚み
d2 単レンズにおける、像面側に向けた面の中心から、像面までの空気換算長さ
e1、e2、ea、eb 単レンズの有効口径の端部
f 焦点距離
s1 単レンズの中心
s2 単レンズの中心

Claims (9)

  1. 撮像レンズと、
    上記撮像レンズによって物体を結像して形成された像を、光として受光する固体撮像素子と、を備える撮像モジュールであって、
    上記撮像レンズは、
    物体側から像面側へと向かって順に、開口絞り、単レンズ、および像面に対して被覆されるカバーガラスを備えており、
    上記単レンズは、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズであり、
    物体を結像して形成された像の中心にて解像力が最大となる位置から、光軸方向に距離Pdis(但し、0<Pdis)移動された位置を、上記像面とするものであり、かつ、
    0.028<Pdis/f<0.035
    (但し、f:撮像レンズ全体の焦点距離)
    なる関係、および、
    0.23<d/d2<0.30
    (但し、d:単レンズの中心の厚み、d2:単レンズにおける、像面側に向けた面の中心から、像面までの空気換算長さ)
    なる関係を満足しており、
    上記単レンズは、物体側に向けた面および像面側に向けた面の両方が非球面であり、
    上記撮像レンズの光学全長は、1.615mm以上かつ1.704mm以下であり、
    上記固体撮像素子の画素のサイズは、1.75μmであることを特徴とする撮像モジュール。
  2. 上記単レンズは、
    0.5<d´/d<0.9
    (但し、d´:単レンズの有効口径の端部の厚み)
    なる関係を満足するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像モジュール。
  3. 上記単レンズの有効口径における、最も薄い部分の厚みは、150μmを超えていることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像モジュール。
  4. 上記撮像レンズのFナンバーは、3未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
  5. 上記単レンズは、屈折率が1.4を超えており、アッベ数が43を超えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
  6. 上記単レンズは、熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
  7. 上記固体撮像素子は、VGAクラスの撮像素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
  8. 上記撮像レンズのフォーカス位置を調整するための機構を備えていないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
  9. 同一面上に上記単レンズを複数備えたレンズアレイと、同一面上に上記固体撮像素子を複数備えたセンサアレイと、を用意し、
    各単レンズと各固体撮像素子とが、1対1に対応して対向配置されるように、上記レンズアレイに上記センサアレイを搭載した後、
    対向配置された、上記単レンズおよび固体撮像素子の組み合わせを分割して製造されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
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