JP5037515B2 - 難燃性ポリマーブレンド - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性が向上したレゾルシノール系ポリエステルまたはレゾルシノール系ポリエステルカーボネートポリマーと、シロキサンコポリマーのブレンドに関する。場合によっては、この難燃性ブレンドは、透明で、低ヘイズとともに高透過率を示す。
長年にわたって、燃焼に抵抗しうる熱可塑性樹脂を開発することに関心が持たれてきた。対象となる具体的な分野は、鉄道車両および航空機などの輸送用途のプラスチックを開発することにある。そのような熱可塑性材料の効果を試験するための様々な技術、例えば米国民間連邦航空規則(FAR)25.853が開発されている。オハイオ州立大学(OSU)評価と称することもあるこの試験では、2分後に放出されるエネルギーの量および最大放熱エネルギーが測定される。より低い放熱値が望ましい。これらの用途に使用されたポリマーブレンドは、例えば、米国特許第5,051,483号に記載されている。これらの組成物は、ポリエーテルイミド(PEI)とシロキサンポリエーテルイミドおよびポリカーボネート(PC)の組合せである。既存のPEI-PCブレンドは、不透明であり、PEIのTgが高いために、本明細書に記載されているより低Tgのレゾルシノール系ポリアリレートおよびポリエステルカーボネートブレンドより成型、成形および形成が困難である。たいていの他のより低Tgのポリエステルまたはポリカーボネートブレンドは、より高熱のPEIブレンドより加工性が優れているが、FAR要件を満たすのに必要な難燃性がない。また、透明の難燃性組成物の開発は、これらの種類の材料の有用性をさらに広げることになる。
米国特許第5,051,483号 米国特許第6,861,482号 米国特許第6,559,270号 米国特許第6,265,522号 米国特許第6,294,647号 米国特許第6,291,589号 米国特許第5,916,997号 米国特許第4,334,053号 米国特許第4,217,438号 米国特許第5,028,681号 米国特許第4,808,686号 米国特許第4,690,997号 米国特許第4,404,350号 米国特許第4,051,163号 米国特許第4,011,279号 米国特許第3,847,867号 米国特許第3,833,546号 米国特許第3,325,450号 米国特許第3,972,902号 米国特許第4,455,410号 米国特許第6,833,422号 米国特許第6,657,018号 米国特許第6,072,011号 米国特許第3,419,635号 米国特許第3,189,662号 米国特許第4,443,581号 米国特許第3,539,657号 米国特許第3,539,655号 米国特許第6,339,131号 米国特許第5,357,022号 米国特許第4,814,392号 米国特許第3,668,273号 米国特許第6,545,089号 米国特許第3,671,487号 米国特許第3,723,373号 米国特許第3,383,092号 「Aircraft Materials Fire Test Handbook」、DOT/FAA/AR-00/12、第5章、「Heat Release Test for Cabin Materials」
したがって、FARに準拠した既存の難燃性組成物が有効であるにもかかわらず、この分野ではさらに良好な性能の必要性が依然として存在する。
シロキサンコポリマーとレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂(アリールポリエステルカーボネート樹脂を含む)のブレンドは、他の点では類似しているシロキサンコポリマーとポリカーボネートのブレンドと比較した場合に、難燃(FR)性能およびFAR25.853評価が驚くほど向上していることが見出された。レゾルシノール部分のエステル結合がアリールポリエステル樹脂中に存在すると、アリールポリエステルが少量構成要素として存在するレゾルシノール部分を単に有するブレンドにおいてさえも、放熱量が顕著に改善される。このブレンドは、高い破断引張伸度、良好なノッチ付アイゾッド衝撃強度および容易な溶融加工性を示すこともできる。場合によっては、高透過率(%T)および低ヘイズ(%H)をさらに有するブレンドを形成することが可能である。
一態様において、レゾルシノール系アリールポリエステル樹脂およびシロキサンコポリマーを含む組成物であって、FAR25.853によって測定される最大放熱量が65kW/m2未満である組成物が提供される。
別の態様において、レゾルシノール系アリールポリエステル樹脂およびシロキサンコポリマーを含む組成物であって、FAR25.853によって測定される最大放熱量が80kW/m2未満であり、ASTM D1003によって測定される3.1mmにおける透過率が50パーセント以上である組成物が提供される。
さらに別の態様において、少なくとも1つのレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂および少なくとも1つのシロキサンコポリマーを含む組成物であって、FAR25.853によって測定される最大放熱量が80kW/m2未満であり、かつシロキサンコポリマーが、ポリイミドシロキサン、ポリエーテルイミドシロキサン、ポリエーテルイミドスルホンシロキサン、ポリスルホンシロキサン、ポリエーテルスルホンシロキサン、ポリフェニレンエーテルスルホンシロキサンおよびポリフェニレンエーテルシロキサンからなる群から選択され、かつポリカーボネートシロキサンを含まない組成物が提供される。
さらに別の態様において、少なくとも1つのレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂および少なくとも1つのシロキサンコポリマーを含む組成物であって、FAR25.853によって測定される最大放熱量が80kW/m2未満であり、かつシロキサンコポリマーが、ポリイミドシロキサン、ポリエーテルイミドシロキサン、ポリエーテルイミドスルホンシロキサン、ポリスルホンシロキサン、ポリエーテルスルホンシロキサン、ポリフェニレンエーテルスルホンシロキサンおよびポリフェニレンエーテルシロキサンからなる群から選択され、かつポリカーボネートシロキサンを含まない組成物が提供される。
別の態様において、少なくとも1つのレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂および少なくとも1つのシロキサンコポリマーから本質的になる組成物であって、FAR25.853によって測定される最大放熱量が80kW/m2未満であり、かつシロキサンコポリマーが、ポリイミドシロキサン、ポリエーテルイミドシロキサン、ポリエーテルイミドスルホンシロキサン、ポリスルホンシロキサン、ポリエーテルスルホンシロキサン、ポリフェニレンエーテルスルホンシロキサンおよびポリフェニレンエーテルシロキサンからなる群から選択される組成物が提供される。
別の態様において、少なくとも1つのレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂および組成物の全重量に対して0.1から5.0重量%の少なくとも1つのシロキサンコポリマーを含む組成物であって、FAR25.853によって測定される最大放熱量が65kW/m2未満であり、ASTM D1003によって測定される3.1mmにおける透過率が50パーセント以上であり、かつレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂は、水素原子対炭素原子比が0.75以下:1(すなわち0.75:1以下)である組成物が提供される。
さらに他の態様において、上記組成物および上記組成物から製造された物品を含む部品を備えた輸送用機器が提供される。
本明細書の目的では、「部分」または「残基」という用語は、ポリマーを製造するのに使用される特定のモノマーから誘導されるポリマー中の構造を指すように用いられる。「連鎖構成要素」または「ブロック」という用語は、ポリマーが、異なる残基を含む異なる部分を有することもできるポリマー中の一定の残基の部分を指すように用いられる。例えば、モノマー化合物群を反応させて、一定の部分を含む第1のプレポリマーを形成し、次いで別の異なる化合物群を反応させて、他の部分を含む第2のプレポリマーを形成し、次いでこれらの2つのプレポリマーを一緒に反応させて、ブロックコポリマーを形成する場合は、各プレポリマーは、「連鎖構成要素」または「ブロック」と称するものとする。
本明細書の目的では、「レゾルシノール系アリールポリエステル」および「レゾルシノール系ポリアリールエステル」および「レゾルシノール系ポリアリレート」という用語は、いずれも、レゾルシノール部分およびレゾルシノールに基づくエステル結合を含み、レゾルシノールに基づくポリカーボネート結合のような他の結合を含むことも可能であるコポリマーを意味するものとする。これらの用語は、エステル結合のみを含むポリエステルと、レゾルシノールに基づくポリカーボネート結合が存在する場合のポリエステルカーボネートの両方を含むことを意味する。
本発明の文脈において、「ポリマー結合」または「1つのポリマー結合」という用語は、ポリマー中に存在する2つの部分間の化学結合の種類と定義される。例えば、レゾルシノール系ポリアリールエステルは、(例えば、レゾルシノール部分とビスフェノールA部分の間の)カーボネート結合および(例えば、レゾルシノール部分とイソフタル酸部分の間の)エステル結合の両方を含むことができる。
シロキサンコポリマー、例えば、シロキサンポリイミドまたはシロキサンポリカーボネートと、レゾルシノール誘導ポリアリールエステルとのブレンドは、驚くほど低い熱放熱値を有する。シロキサンコポリマーは、そのようなブレンド中に非常に低い濃度で含まれている場合でも、難燃性(FR)性能の向上に非常に有効でありうる。この挙動は、レゾルシノール系アリールポリエステルが、非レゾルシノール系部分を含むコポリマー、例えばレゾルシノール-ビスフェノールAコポリエステルカーボネートである場合にも観察される。最良の効果を得るためには、レゾルシノール部分含有量(RMC)が、レゾルシノール系アリールポリエステル中に存在する全モノマー由来部分の約40モル%を超える必要がある。場合によっては、50モル%を超えるRMC、あるいはさらに80または100モル%程度のレゾルシノール部分が望ましい。
場合によっては、レゾルシノール系ポリアリレート樹脂は、少なくとも約40モル%のレゾルシノール由来部分を含むことができる。レゾルシノール部分は、典型的には、レゾルシノールまたは官能化レゾルシノールと、レゾルシノールとのアリールエステル結合の形成に好適なアリールジカルボン酸またはアリールジカルボン酸誘導体との反応生成物として導入される。好適なジカルボン酸誘導体としては、例えば、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステルおよびカルボン酸塩が挙げられる。
レゾルシノール系ポリアリレートは、レゾルシノール系ポリアリレートをポリエステルカーボネートコポリマーにする、ビスフェノールとホスゲンなどのカーボネート形成種との反応に由来するカーボネート結合をさらに含むことができる。本発明の別の実施形態において、レゾルシノールポリアリレートカーボネートコポリマーは、イソおよびテレフタル酸、レゾルシノール、および場合によってビスフェノールAとホスゲンの反応生成物を含む。一態様において、レゾルシノールポリエステルカーボネートコポリマーは、例えば、レゾルシノールとジカルボン酸を予め反応させて、アリールポリエステルブロックを形成し、次いでアリールポリエステルブロックとビスフェノールおよびカーボネート部分を反応させて、コポリマーのポリカーボネート部を形成することによって、ビスフェノールジカルボン酸エステル結合の数を最小限にするようにして製造される。レゾルシノールエステル含有ポリマーの例を、米国特許第6,861,482号、米国特許第6,559,270号、米国特許第6,265,522号、米国特許第6,294,647号、米国特許第6,291,589号および米国特許第5,916,997号に見出すことができる。
別の態様において、本発明は、アリレートポリエステル鎖部(chain section)を含むポリマーを含む。アリレートポリエステル鎖部は、少なくとも1つのジフェノール残基を少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸残基と組み合わせて含む。一実施形態において、ジフェノール残基は、一般にレゾルシノールといわれる1,3-ジヒドロキシベンゼンから誘導される。レゾルシノールが反応してポリマーになる場合は、本明細書ではレゾルシノール部分という以下の式Iに示される構造を形成する。
Figure 0005037515
式Iにおいて、各Rは、独立に、C1〜12アルキル、C6〜C24アリール、アルキルアリール、アルコキシまたはハロゲンの少なくとも1つであり、nは、0から4の整数である。「レゾルシノール部分」は、本明細書に用いられているように、特に明記してあるものを除いて、非置換の1,3-ジヒドロキシベンゼンまたは置換1,3-ジヒドロキシベンゼンから誘導された部分を含むものと理解されるべきである。
レゾルシノール系ポリアリレートを製造するのに好適なジカルボン酸の例としては、芳香族単環式化合物から誘導される芳香族ジカルボン酸が挙げられるが、それらに限定されない。様々な実施形態において、好適なジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、またはイソフタル酸とテレフタル酸の混合物が挙げられる。好適なジカルボン酸には、芳香族多環式化合物から誘導されるジカルボン酸も含まれ、その実例としては、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、およびナフタレン-2,6-ジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸類が挙げられる。あるいは、ジカルボン酸のジエステルまたはジカルボン酸の酸ハロゲン化物(例えば二酸ジクロライド)などのジカルボン酸誘導体を使用して、レゾルシノール含有ポリアリールエステルを調製することができる。以下の式IIは、ジオールと、イソフタル酸および/またはテレフタル酸、および/またはイソフタル酸および/またはテレフタル酸の酸ハロゲン化物、カルボン酸エステルおよびカルボン酸塩などのそれらの酸の好適な誘導体との反応により製造されたレゾルシノール系ポリアリレートに存在するジカルボン酸残基を包含する。
Figure 0005037515
一実施形態において、本発明は、典型的には式III(上記式中、Rはおよびnは、既に定義した通りである)に示されるように、エステル結合によって結合されたレゾルシノールアリレートポリエステル連鎖構成要素を含む熱安定ポリマーを提供する。
Figure 0005037515
別の態様において、本発明は、酸無水物結合が実質的にないレゾルシノールアリレートポリエステル連鎖構成要素を含むポリマーを調製する界面重合法を用いて製造された樹脂を含む組成物を提供する。この方法は、水および水と実質的に非混和性の少なくとも1つの有機溶媒の混合物中で、少なくとも1つのレゾルシノール部分と、芳香族ジカルボン酸塩化物と、少なくとも1つの触媒とを混合する第1のステップを含む。好適なレゾルシノール部分は、下記式IVの単位を含む。
Figure 0005037515
(上記式中、各Rは、独立に、C1〜12アルキル、C6〜C24アリール、アルキルアリール、アルコキシまたはハロゲンの少なくとも1つであり、nは、0から4の整数である)。好適なC1〜12アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ-ブチル、t-ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ノニル、デシル、およびベンジルを含むアリール置換アルキルが挙げられるが、それらに限定されない。ある特定の実施形態において、アルキル基は、メチルである。好適なハロゲン基は、ブロモ、クロロおよびフルオロである。様々な実施形態におけるnの値は、0から3であってもよく、いくつかの実施形態では0から2であってもよく、さらに他の実施形態では0または1であってもよい。一実施形態において、レゾルシノール部分は、2-メチルレゾルシノールである。別の実施形態において、レゾルシノール部分は、nが0である非置換のレゾルシノール部分である。触媒は、典型的には、酸塩化物基の全モル量に対して、0.01から10モル%の全量で存在し、いくつかの実施形態では0.2から6モル%の全量で存在する。好適な触媒の例は、三級アミン、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、ヘキサアルキルグアニジウム塩およびそれらの混合物である。
好適なアリールジカルボン酸誘導体の例としては、アリールジカルボン酸二ハロゲン化物が挙げられる。好適なアリールジカルボン酸二ハロゲン化物は、単環式部分から誘導される芳香族ジカルボン酸二塩化物を含むことができ、その実例としては、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル、または二塩化イソフタロイルと二塩化テレフタロイルの混合物が挙げられる。好適なアリールジカルボン酸二ハロゲン化物は、多環式部分から誘導される芳香族ジカルボン酸二塩化物を含むこともでき、その実例としては、ジフェニルジカルボン酸二塩化物、ジフェニルエーテルジカルボン酸二塩化物、およびナフタレン-2,6-ジカルボン酸二塩化物などのナフタレンジカルボン酸二塩化物が挙げられまたは単環式芳香族ジカルボン酸二塩化物と多環式芳香族ジカルボン酸二塩化物の混合物から誘導される芳香族ジカルボン酸二塩化物を含むこともできる。一実施形態において、アリールジカルボン酸二塩化物は、典型的には式Vに示される二塩化イソフタロイルおよび/または二塩化テレフタロイルの混合物を含む。
Figure 0005037515
二塩化イソフタロイルおよび二塩化テレフタロイルのいずれかまたは双方が存在しうる。いくつかの実施形態において、ジカルボン酸二塩化物は、イソフタロイル対テレフタロイルが約0.25:1から約4.0:1のモル比で、他の実施形態では約0.4:1から約2.5:1のモル比で、さらに他の実施形態では約0.67:1から約1.5:1のモル比で存在する二塩化イソフタロイルと二塩化テレフタロイルの混合物を含む。
ジカルボン酸ハロゲン化物は、本明細書に記載されているポリマーを調製する1つの方法を提供する。例えば、ジカルボン酸、活性化エステルなどのジカルボン酸エステル、またはジカルボン酸塩もしくは部分塩を使用してレゾルシノールアリレート結合を構成するための他の方法も考えられる。
少なくとも1つの連鎖停止剤(以降キャッピング剤ということもある)が、本発明の方法および組成物に存在してもよい。少なくとも1つの連鎖停止剤を添加する目的は、レゾルシノールアリレートポリエステル部分を含むポリマーの分子量を制限して、ポリマーに分子量調節および良好な加工性を付与することである。典型的には、少なくとも1つの連鎖停止剤は、レゾルシノールアリレート含有ポリマーが、さらなる反応のための反応性末端基を有する必要がない場合に添加される。連鎖停止剤が存在しない場合は、レゾルシノールアリレート含有ポリマーを溶液に使用してもよいし、レゾルシノールアリレートポリエステル部に反応性末端基、典型的にはヒドロキシの存在を必要としうるコポリマー構成体の調製などの、後の使用に向けて溶液から回収してもよい。連鎖停止剤は、モノフェノール化合物、モノカルボン酸、モノカルボン酸塩化物および/またはモノクロロホルメートの少なくとも1つであってもよい。典型的には、少なくとも1つの連鎖停止剤は、モノフェノール化合物の場合は、反応混合物に添加されたレゾルシノールおよびレゾルシノール誘導体の量に対して、モノカルボン酸塩化物および/またはモノクロロホルメートの場合は、反応混合物に添加された酸二塩化物の量に対して、0.05から10モル%の量で反応混合物に添加される。
好適なモノフェノール化合物としては、フェノール、C1〜C22アルキル置換フェノール、p-クミル-フェノール、p-三級ブチルフェノール、ヒドロキシジフェニルなどの単環式フェノール;p-メトキシフェノールまたはクロマンなどのジフェノールのモノエーテル、および例えば米国特許第4,334,053号に記載されている、8個から9個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル置換基を有するもののようなアルキル置換フェノールが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態において、モノフェノール連鎖停止剤は、フェノール、p-クミルフェノールおよびレゾルシノールモノベンゾエートである。
好適なモノカルボン酸塩化物としては、塩化ベンゾイル、C1〜C22アルキル置換塩化ベンゾイル、塩化トルオイル、ハロゲン置換塩化ベンゾイル、塩化ブロモベンゾイル、塩化シンナモイル、塩化4-ナジミドベンゾイルおよびそれらの混合物などの単環式モノカルボン酸塩化物;無水トリメリット酸塩化物および塩化ナフトイルなどの多環式モノカルボン酸塩化物;および単環式モノカルボン酸塩化物と多環式モノカルボン酸塩化物の混合物が挙げられる。22個以下の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸の塩化物、ならびに塩化アクリロイルおよび塩化メタクリロイルなどの脂肪族モノカルボン酸の官能化塩化物も好適である。モノクロロホルメートの例としては、クロロギ酸フェニル、アルキル置換クロロギ酸フェニル、クロロギ酸p-クミルフェニル、クロロギ酸トルエンおよびそれらの混合物が挙げられる。
連鎖停止剤をレゾルシノール部分と混合する、ジカルボン酸二塩化物の溶液に含める、または反応物の少なくとも一部が重合されたプレポリマーの製造後に反応混合物に添加することができる。モノカルボン酸塩化物および/またはモノクロロホルメートが連鎖停止剤として使用される場合は、それらは、しばしば任意のジカルボン酸二塩化物とともに導入される。ジカルボン酸の塩化物が既に実質的または完全に反応した時点で連鎖停止剤を反応混合物に添加することもできる。フェノール化合物が連鎖停止剤として使用される場合は、それらを、一実施形態では反応中に、あるいは別の実施形態ではレゾルシノール部分と酸塩化物部分の反応の開始前に、反応混合物に添加することができる。ヒドロキシ末端レゾルシノールアリレート含有予備縮合物またはオリゴマーを調製する場合は、連鎖停止剤が存在していなくてもよいし、あるいはオリゴマー分子量の調節に役立てるためにごく少量存在してもよい。
別の実施形態において、本発明には、三官能以上のカルボン酸塩化物および/または三官能以上のフェノールなどの少なくとも1つの分枝形成剤を含むことも含めることができる。分枝形成剤は、ポリマー鎖を独立した直鎖として単に成長させるというよりもむしろ、ポリマー鎖にポリマー鎖間の結合を含ませる化合物である。典型的な分枝形成剤は、典型的なモノマーに存在する2つの基の代わりに3つ以上の反応性基と、上述の連鎖停止剤に存在する1つの反応性基とを有する。そのような分枝形成剤を含有させる場合は、典型的には、使用されるジカルボン酸二塩化物またはレゾルシノール部分に対して0.005から1モル%の量で使用することができる。好適な分枝形成剤としては、例えば、トリメシン酸三酸塩化物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸四塩化物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸四塩化物またはピロメリット酸四塩化物などの三官能以上のカルボン酸塩化物、および4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘプテン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン、1,3,5-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゼン、1,1,1-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-フェニルメタン、2,2-ビス-[4,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキシル]-プロパン、2,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニルイソプロピル)-フェノール、テトラ-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン、2,6-ビス-(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-プロパン、テトラ-(4-[4-ヒドロキシフェニルイソプロピル]-フェノキシ)-メタン、1,4-ビス-[(4,4-ジヒドロキシトリフェニル)メチル]-ベンゼンなどの三官能以上のフェノールが挙げられる。フェノール分枝形成剤を最初にレゾルシノール部分とともに導入することができるのに対して、酸塩化物分枝形成剤は酸塩化物とともに導入することができる。
その実施形態の1つにおいて、本発明は、本方法によって製造され、かつポリエステル鎖の少なくとも2つの単位に連結する無水物結合が実質的にない熱安定性レゾルシノールアリレートポリエステルを含む。特定の実施形態において、アリールポリエステルは、式VIに示される、イソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導されたジカルボン酸残基を含む。
Figure 0005037515
(上記式中、Rは、独立に、C1〜12アルキル、C6〜C24アリール、アルキルアリール、アルコキシまたはハロゲンの少なくとも1つであり、nは0〜4であり、mは少なくとも約5から約10,000である)。様々な実施形態において、nは0であり、mは約10から約300である。イソフタレート対テレフタレートのモル比は、一実施形態では約0.25:1から約4.0:1であり、別の実施形態では約0.4:1から約2.5:1であり、さらに別の実施形態では約0.67:1から約1.5:1である。本明細書に用いられているように、「無水物結合が実質的にない」とは、ポリエステルが、ポリマーを約280〜290℃で5分間加熱すると一実施形態では30%未満の重量平均分子量(Mw)の低下しか示さないことを意味する。別の場合は、ポリエステルは、さらにより良好な熱安定性を有し、約280〜290℃で5分間加熱された後に10%未満の重量平均分子量(Mw)の低下しか示さない。分子量は、当技術分野で知られている標準的な方法、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定することができる。
米国特許第5,916,997号に開示されているようなソフトブロック部(ソフトブロックセグメント)を含むレゾルシノールアリレートコポリエステルは、レゾルシノール系ポリアリレートの別の例である。「ソフトブロック」という用語は、本明細書に用いられているように、ポリマーのいくつかの部分(セグメント)が非芳香族モノマー単位から構成されていることを意味する。そのような非芳香族モノマー単位は、一般に脂肪族であり、ソフトブロック含有ポリマーに対して分子レベルで柔軟性を付与することが知られている(そのため、「ソフト」という用語が用いられる)。このコポリエステルは、下記式I、VII、およびVIIIの構造単位を含むものを包含する。
Figure 0005037515
Figure 0005037515
Figure 0005037515
上記式中、Rおよびnは、先に定義した通りであり、Zは二価の芳香族基であり、R2は、C3〜20直鎖アルキレン、C3〜10分枝状アルキレンまたはC4〜10シクロもしくはビシクロアルキレン基であり、R3およびR4は、それぞれ独立に、
Figure 0005037515
を表し、式VIIIは、ポリエステルのエステル結合に約1から約45モルパーセント寄与し、場合によってポリエステルのエステル結合に約5から約40モルパーセント寄与し、さらに場合によってポリエステルのエステル結合に約5から約20モルパーセント寄与する。一実施形態において、R2は、C3〜14直鎖アルキレンまたはC5〜6シクロアルキレンであり、別の実施形態において、R2は、C3〜10直鎖アルキレンまたはC6シクロアルキレンである。式VIIは、脂肪族ジカルボン酸残基を表すことができる。式VII中の二価の芳香族基Zを、様々な実施形態において、上に定義した好適なジカルボン酸残基の少なくとも1つから誘導することができ、いくつかの実施形態においては、1,3-フェニレン、1,4-フェニレンまたは2,6-ナフチレンの少なくとも1つから誘導することができる。様々な実施形態において、Zは、少なくとも約40モル%の1,3-フェニレンを含む。ソフトブロック連鎖構成要素を含むコポリエステルの様々な実施形態において、式Iのnは0である。
別の実施形態において、本発明は、レゾルシノールアリレート含有ブロックを有機カーボネートブロックと組み合わせて含むブロックコポリエステルカーボネートを含む。レゾルシノール部分を含むブロックは、無水物結合が実質的にない。ブロックコポリエステルカーボネートとしては、典型的には下記式IXに示されるように交互のアリレートおよび有機カーボネートブロックを含むものが挙げられる。
Figure 0005037515
(上記式中、Rおよびnは先に定義した通りであり、R5は、少なくとも1つの二価の有機基である)。アリレートブロックは、mで表される重合度(DP)を有し、一実施形態では少なくとも約4であり、別の実施形態では少なくとも約10であり、別の実施形態では少なくとも約20であり、さらに別の実施形態では約30から約150である。pで表される有機カーボネートブロックのDPは、一実施形態では一般的に少なくとも約2であり、別の実施形態では少なくとも約2から約200であり、別の実施形態では約10から約20である。ブロックの分布は、カーボネートブロックに対して任意の所望の重量比のアリレートブロックを有するコポリマーを提供するようなものであってもよい。概して、アリレートブロックの含有量は、一実施形態では約10から約95重量%であり、別の実施形態では約40から約95重量%である。
イソフタレートとテレフタレートの混合物が式IXに示されているが、アリレートブロックにおけるジカルボン酸残基を、上に定義した任意の好適なジカルボン酸化合物、または脂肪族二酸二塩化物から誘導されたものを含む好適なジカルボン酸化合物の混合物から誘導することができる。様々な実施形態において、nは0であり、アリレートブロックは、イソフタル酸残基とテレフタル酸残基の混合物から誘導されたジカルボン酸残基を含み、イソフタレート対テレフタレートのモル比は、一実施形態では約0.25:1から約4.0:1であり、別の実施形態では約0.4:1から約2.5:1であり、さらに別の実施形態では約0.67:1から約1.5:1である。有機カーボネートブロック中で、各R5は、独立して、二価の有機基である。様々な実施形態において、この基は、少なくとも1つのジヒドロキシ置換芳香族炭化水素を含み、ポリマーにおけるR5基の合計数の少なくとも約60モル%が芳香族有機基であり、その残りが、脂肪族、脂環式または芳香族基である。好適なR5基としては、m-フェニレン、p-フェニレン、4,4'-ビフェニレン、4,4'-ビ(3,5-ジメチル)-フェニレン、2,2-ビス(4-フェニレン)プロパン、6,6'-(3,3,3',3'-テトラメチル-1,1'-スピロビ[1H-インダン])、および米国特許第4,217,438号に開示されているジヒドロキシ置換芳香族炭化水素に対応する基などの同様の基が挙げられる。R5基は、しばしばビスフェノールの反応残基でありうる。「ビスフェノール」および「ビスフェノール類」という用語は、本明細書では、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素を指すように用いられる。しかし、この種の非ビスフェノール化合物も適宜採用できることが理解されるべきである。
いくつかの実施形態において、R5は、芳香族有機基であり、他の実施形態において次式Xの基である。
-A1-Y-A2- (式X)
(式X中、各A1およびA2は、単環式二価アリール基であり、Yは、少なくとも1個または2個の炭素原子がA1とA2を分離する架橋基である)。式X中の結合は、通常は、Yに対してA1およびA2のメタ位またはパラ位にある。式Xにおいて、A1およびA2は、典型的には、非置換のフェニレンまたはその置換誘導体を表し、例示の置換基(1つまたは複数)は、アルキル、アルケニルおよびハロゲン(特に臭素)である。一実施形態において、A1およびA2は、非置換のフェニレン基である。A1およびA2の両方がしばしばp-フェニレンであるが、両方がo-フェニレンまたはm-フェニレンであってもよいし、一方がo-フェニレンまたはm-フェニレンであり、他方がp-フェニレンであってもよい。これらの異性体の混合物を用いることもできる。架橋基Yは、少なくとも1個または2個の炭素原子がA2からA1を分離する基である。特定の実施形態においては、1個の原子が、A2からA1を分離する。この種の例示の基は、-O-、-S-、-SO-または-SO2-、メチレン、シクロヘキシルメチレン、2-[2.2.1]-ビシクロヘプチルメチレン、エチレン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデンおよび同様の基である。場合によっては、gem-アルキレン(通常「アルキリデン」として広く知られる)基が望ましい。しかし、不飽和基も含まれる。いくつかの実施形態において、ビスフェノールは、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール-A、すなわちBPA)であり、Yは、イソプロピリデンであり、A1およびA2は、それぞれp-フェニレンである。反応混合物に存在するレゾルシノール部分のモル過剰に応じて、カーボネートブロック中のR5は、レゾルシノール部分を少なくとも部分的に含む。換言すれば、いくつかの実施形態において、式Xのカーボネートブロックは、レゾルシノール部分を少なくとも1つの他のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素と組み合わせて含むことができる。
ジブロック、トリブロックおよびマルチブロックコポリエステルカーボネートが本発明に包含される。レゾルシノールアリレート連鎖構成要素を含むブロックと、有機カーボネート連鎖構成要素を含むブロックとの間の化学結合は、
(a) 例えば典型的には下記式XI:
Figure 0005037515
(式XI中、R5は、先に定義した通りである)に示される、アリレート部分の好適なジカルボン酸残基と有機カーボネート部分の-O-R5-O-部分とのエステル結合、および
(b) 下記式XII:
Figure 0005037515
(式XII中、Rおよびnは、先に定義した通りである)に示される、レゾルシノールアリレート部分のジフェノール残基と有機カーボネート部分の-(C=O)-O-部分との間のカーボネート結合、の少なくとも一方を含むことができる。
タイプ(a)の有意な比率のエステル結合の存在は、コポリエステルカーボネートに望ましくない着色をもたらしうる。本発明は、理論に束縛されないが、色は、例えば、式XI中のR5がビスフェノールAであり、式XIの部分が、続いての処理および/または露光中にフリース転移する場合に生じうると考えられる。一実施形態においては、コポリエステルカーボネートは、レゾルシノールアリレートブロックと有機カーボネートブロックとの間のカーボネート結合を有するジブロックコポリマーを実質的に含み、タイプ(a)の結合が最少化される。
熱安定性レゾルシノールアリレートブロックと有機カーボネートブロックとの間の少なくとも1つのカーボネート結合を有するコポリエステルカーボネートは、典型的には、本発明の様々な実施形態によって調製され、一実施形態では少なくとも1つのヒドロキシ末端部位を含み、別の実施形態では少なくとも2つのヒドロキシ末端部位を含むレゾルシノールアリレート含有プレポリマーオリゴマーから調製される。このオリゴマーは、典型的には、一実施形態では約10,000から約60,000の重量平均分子量を有し、別の実施形態では約15,000から約30,000の重量平均分子量を有する。レゾルシノールアリレート含有オリゴマーをホスゲン、少なくとも1つの連鎖停止剤、および少なくとも1つのジヒドロキシ置換芳香族炭化水素と、三級アミンなどの触媒の存在下で反応させることによって、熱安定性コポリエステルカーボネートを調製することができる。
場合によっては、レゾルシノール系アリールポリエステル樹脂は、水素原子対炭素原子の比(H:C)が約0.75以下:1(すなわち約0.75:1以下)である。水素含有量に対して炭素含有量がより大きいポリマー、すなわち炭素原子に対して水素原子の割合が低いポリマーは、しばしば向上したFR性能を示す。これらのポリマーは、燃料値がより低く、燃焼したときにより少ないエネルギーしか発生しない。それらは、ポリマー燃料と着火源との間の絶縁炭層を形成する傾向を通じて燃焼に抵抗できるとも考えられる。具体的な機構または作用形態とは無関係に、H:C比が低いポリマーは、優れた燃焼試験性能を有することが認められた。ある場合は、H:C比が0.75未満:1でありうる。他の場合には、溶融加工性を達成するのに十分な柔軟な連鎖を有するポリマー構造を与えるために、約0.4超:1のH:C比が望ましい。さらに他の実施形態においては、レゾルシノール系ポリマーは、約0.4:1から約0.75:1のH:C比を有する。所定のポリマーまたはコポリマーのH:C比を、化学的反復単位中に存在するあらゆる他の原子とは無関係に炭素原子および水素原子の計数によってその化学構造から求めることができる。
一実施形態においては、難燃性ポリマーブレンドおよびそれらから製造される物品は、約80kW-min/m2未満の2分間放熱量を有する。他の場合では、最大放熱量は約80kW/m2未満である。別の場合では、2分間放熱量および最大放熱量はともに、それぞれ約65kW-min/m2未満および約65kW/m2未満であり、場合によってはそれぞれ約50kW-min/m2未満および約50kW/m2未満である。一般には、2分間放熱量が可能な限り低いことが望ましい。
いくつかの実施形態において、シロキサンコポリマーと、レゾルシノール由来連結部(linkage)を含むアリールポリエステル樹脂とのブレンドは、透明である。「透明」とは、本明細書に用いられているように、3.1mm成形サンプルに対してASTM法D1003によって測定された透過率が約50%を超えることを意味する。他の場合は、ASTM法D1003によって測定されたこれらの透明な組成物のヘイズ(%)は、約25%未満である。他の実施形態においては、透過率(%T)が約60%を超え、ヘイズ(%)が約20%未満である。さらに他の場合においては、組成物、およびそれから製造された物品は、透過率が約50%を超え、ヘイズ値(%H)が約25%未満であり、最大放熱量が80kW/m2以下である。
本明細書に提示されている難燃性ブレンドでは、レゾルシノール系アリールポリエステル樹脂、およびそれらの混合物が、組成物の総重量に対して約80から約99.9重量パーセントの量で存在しうる。この範囲内において、レゾルシノール系アリールポリエステル樹脂およびそれらの混合物の量は、組成物全体の約90重量パーセント以上、より具体的には約95重量パーセント以上、さらにより具体的には約97重量パーセント以上となりうる。
一実施形態において、本難燃性ポリマーブレンドは、
a) レゾルシノール由来連結部を含む80.0から99.9重量%のアリールポリエステル樹脂、
c) 0.1から20.0重量%のシロキサンコポリマー、
d) 0から2重量%の1つまたは複数のリン含有安定剤、および
e) 0から20重量%の1つまたは複数の金属酸化物を含む。
別の実施形態においては、本難燃性ポリマーブレンドは、
a) 少なくとも40モル%のレゾルシノール由来連結部を含む90.0から99.9重量%のアリールポリエステル樹脂、
b) 0.1から10.0重量%のシロキサンポリエーテルイミドコポリマー、
c) 0から2重量%の1つまたは複数のリン含有安定剤、および
d) 0から20重量%の1つまたは複数の金属酸化物を含む。
任意のシロキサンコポリマーを任意の有効量で使用して、組成物の放熱性能を向上させることができる。ある場合には、ポリエーテルイミド、ポリエーテルイミドスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテルスルホン、ポリエーテルスルホンまたはポリフェニレンエーテルのシロキサンコポリマーを使用することができる。他の場合には、ポリアリレート、ポリエステルカーボネートまたはポリカーボネートシロキサン含有コポリマーが、放熱量を低下させ、FR性能を向上させるのに有効でありうる。異なる種類のシロキサンコポリマーの混合物も考えられる。いくつかの実施形態において、シロキサンコポリマーは、ポリマーブレンドの総重量の0.1から約9.0重量%、または0.1から7.0重量%、または0.1から5.0重量%で混合物に存在しうる。そのような場合は、シロキサンコポリマーは、その組成全体に対して約20重量%のシロキサンブロックを含むことができるため、組成物におけるシロキサンブロックの総重量は、それぞれ0.02から1.8重量パーセント、または0.02から1.4重量パーセント、または0.02から1.0重量パーセントであってもよい。本明細書に用いられているように、「シロキサン」という用語は、珪素原子が少なくとも1つの酸素原子に直接結合している少なくとも1つの連結部を有するポリマーを指す。
コポリマーのシロキサン部分のブロック長は、任意の有効な長さであってもよい。いくつかの例において、ブロック長zは、2個から約100個のシロキサン反復単位であってもよく、シロキサン単位は、(-A2Si-O-)zであり、式中のAは、アルキル基である。他の場合においては、シロキサンブロック長は、5個から約50個の反復単位でありうる。ある場合には、シロキサン含有量が5から約70重量%のシロキサンコポリマーが好ましい。他の実施形態において、ジメチルシロキサン反復単位を主体とするシロキサンコポリマー(例えば、ポリジメチルシロキサン)が好ましい。
シロキサンポリイミドコポリマーは、本発明のブレンドに使用できるシロキサンコポリマーの具体的な実施形態である。このシロキサンポリイミドの例が、米国特許第5,028,681号、米国特許第4,808,686号、米国特許第4,690,997号、米国特許第4,404,350号、米国特許第4,051,163号、米国特許第4,011,279号、米国特許第3,847,867号、米国特許第3,833,546号および米国特許第3,325,450号に記載されている。シロキサンポリイミドは通常のポリイミドを作る方法によって調製することができ、その場合に、このイミドの少なくとも一部、一般には5から70重量%、場合によって10から50重量%の部分が、シロキサン含有ジアミン、2つの酸無水物を含むシロキサンまたはその化学的同等物に由来する。
式XIII:
Figure 0005037515
の芳香族ビス(エーテル-酸無水物)と、式XIV:
H2N-R-NH2 (式XIV)
の有機ジアミンとの反応を含む、当業者に知られている方法のいずれかによってシロキサンポリイミドを調製することができる。
上記式中、Tは、-O-、-S-、-C(O)-、SO2-、-SO-、直接結合、縮合環結合または-O-Z-O-基からなる群から選択される二価の部分であり、-T-または-O-Z-O-基の二価結合は、3,3'、3,4'、4,3'または4,4'-位にあり、Zは、(a) 約6個から約36個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、およびパーフルオロアルキレン基を含めたそれらのハロゲン化誘導体;(b) 約2個から約24個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基、(c) 約3個から約20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基;または(d) 一般式XV:
Figure 0005037515
の二価の基を含むが、それらに限定されず、
式XV中、Qは、-O-、-S-、-C(O)-、-SO2-、-SO-、-CyH2y-(yは、1から8の整数である)、およびパーフルオロアルキレン基を含めたそれらのフッ素化誘導体からなる群から選択される二価の部分を含むが、それらに限定されない。反応物質である、二無水物、ジアミンまたはそれらの混合物のいずれかの少なくとも一部は、シロキサン官能基を含む。式XIV中のR部分は、(a) 約6個から約36個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基およびそれらのハロゲン化誘導体;(b) 約2個から約20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基、(c) 約3個から約24個の炭素原子を有するシクロアルキレン基;または(d) 一般式XVの二価の基などの置換または非置換の二価の有機基を含むが、それらに限定されない。
好適なジアミン化合物の例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、2,5-ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,2-ジメチルプロピレンジアミン、N-メチル-ビス(3-アミノプロピル)アミン、3-メトキシヘキサメチレンジアミン、1,2-ビス(3-アミノプロポキシ)エタン、ビス(3-アミノプロピル)スルフィド、1,4-シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、m-キシレンジアミン、p-キシレンジアミン、2-メチル-4,6-ジエチル-1,3-フェニレン-ジアミン、5-メチル-4,6-ジエチル-1,3-フェニレン-ジアミン、ベンジジン、3,3'-ジメチルベンジジン、3,3'-ジメトキシベンジジン、1,5-ジアミノナフタレン、ビス(4-アミノフェニル)メタン、ビス(2-クロロ-4-アミノ-3,5-ジエチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,4-ビス(p-アミノ-t-ブチル)トルエン、ビス(p-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-メチル-o-アミノフェニル)ベンゼン、ビス(p-メチル-o-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ジアミノ-4-イソプロピルベンゼン、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、ビス(4-アミノフェニル)スルホン、ビス(4-アミノフェニル)エーテル、および1,3-ビス(3-アミノプロピル)ベンゼンである。前記の化合物の少なくとも1つを含む混合物を使用することもできる。いくつかの実施形態において、ジアミノ化合物は、芳香族ジアミン、特にm-およびp-フェニレンジアミン、スルホニルジアニリン類、ビスアミノフェノキシベンゼン類、ビスアミノフェノキシスルホン類および前述のジアミンの少なくとも1つを含む混合物である。
具体的な芳香族ビス無水物および有機ジアミンの例が、米国特許第3,972,902号および米国特許第4,455,410号に開示されている。芳香族ビス無水物の実例としては、3,3-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(ジアンハイドライド); 4,4'-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4,4'-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4,4'-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4,4'-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;2,2-ビス[4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物;4,4'-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物; 4,4'-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4,4'-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4,4'-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4'-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル-2,2-プロパン二無水物;4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4'-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4'-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4'-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物および4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4'-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、ピロメリット酸二無水物、ビフェニル二無水物、オキシジフタル酸無水物、スルホンジフタル酸無水物、ヒドロキノンジフタル酸無水物、レゾルシノールジフタル酸無水物、および前記の化合物の少なくとも1つを含む混合物が挙げられる。
有機ジアミン反応物質の一部またはすべてを例えば下記式XVIのアミン末端有機シロキサンで置き換えることを除いて、ポリイミドに用いたのと同様の方法でポリイミドシロキサンを調製することもできる。
Figure 0005037515
上記式XVI中、gは、1から約100、場合によって約5から約50の整数であり、R'は、2個から20個の炭素原子を有するアリール、アルキル、またはアリールアルキル基である。
有機ジアミンまたはジアミンの混合物と、式XVIのアミン末端有機シロキサンと、1つまたは複数の二無水物との反応によっていくつかのポリイミドシロキサンを形成することができる。ジアミノ構成要素を、反応前にビス無水物と物理的に混合して、実質的にランダムのコポリマーを形成することができる。あるいは、ブロックまたは交互コポリマーを式XVIの化合物と二無水物の選択的反応によって形成して、後で互いに反応させるポリイミドブロックを製造することができる。別の場合において、ポリイミドコポリマーを調製するのに用いられるシロキサンは、例えば米国特許第4,404,350号に記載されているように、アミン官能末端基でなく、無水物を有していてもよい。
別の実施形態において、シロキサンポリイミドコポリマーは、下記式XVIIを有することができる。
Figure 0005037515
上記式中、T、R'およびgは、上述の通りであり、nは5から約100であり、Arは6個から36個の炭素原子を有するアリールまたはアルキルアリール基である。
いくつかのシロキサンポリエーテルイミドにおいて、シロキサンポリエーテルイミドコポリマーのジアミン構成要素は、約5から70重量%の式XVIのアミン末端有機シロキサンおよび約30から95重量%の式XIVの有機ジアミンを含むことができる。いくつかのシロキサンコポリマーにおいて、シロキサン構成要素は、約25から約40重量%のアミンまたは無水物末端有機シロキサンを含む。
いくつかの実施形態において、シロキサンポリイミドはアリールエーテル連結部を含むシロキサンポリエーテルイミドであることができ、このアリールエーテル連結部は二無水物(ジアンハイドライド)および/またはジアミンの重合によって誘導することができ、ここで、二無水物またはジアミンの少なくとも一部がアリールエーテル結合部を含むことができる。場合によっては、ジアミンおよび二無水物の両方が、アリールエーテル結合を含み、ジアミンまたは二無水物の少なくとも一部が、例えば上述のシロキサン官能基を含む。他の実施形態においては、アリールエーテル連結部をビスフェノールA無水ジフタル酸、ビスフェノール無水ジフタル酸、オキシ無水ジフタル酸またはそれらの混合物などの二無水物から誘導することができる。さらに他のシロキサンポリエーテルイミドにおいて、アリールエーテル連結部を、アリールエーテル連結部を含む少なくとも1つのジアミン、例えば、ジアミノジフェニルエーテル、ビスアミノフェノキシベンゼン、ビスアミノフェノキシフェニルスルホンまたはそれらの混合物から誘導することができる。ジアミンまたは二無水物は、アリールエーテル連結部を有することができ、あるいは場合によっては、両モノマーがアリールエーテル連結部を含むことができる。
いくつかの他の実施形態において、シロキサンポリイミドは、シロキサンポリエーテルイミドスルホンであり、かつアリールスルホン連結部およびアリールエーテル連結部を含むことができる。スルホン結合を二無水物および/またはジアミンの重合によってポリマーに導入することができ、ここで、二無水物またはジアミンの少なくとも一部がアリールスルホン連結部を含む。場合によっては、ジアミンおよび二無水物の両方が、アリールエーテル連結部またはアリールスルホン連結部を含み、ジアミンまたは二無水物の少なくとも一部が、例えば上述のシロキサン官能基を含む。他の実施形態において、アリールエーテル連結部をスルホン無水ジフタル酸、ジフェニルスルホン無水ジフタル酸またはそれらの混合物などの二無水物から誘導することができる。さらに他のシロキサンポリエーテルイミドスルホンにおいて、アリールエーテル連結部を、アリールスルホン連結部を含む少なくとも1つのジアミン、例えば、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、ビスアミノフェノキシフェニルスルホン(BAPS)またはそれらの混合物から誘導することができる。ジアミンまたは二無水物は、アリールスルホン連結部を有することができ、あるいは場合によっては両モノマーがアリールスルホン連結部を有することもできる。
別の場合において、シロキサンコポリマーは、シロキサンポリカーボネート、シロキサンポリアリレートまたはシロキサンポリエステルカーボネートコポリマーでありうる。ポリカーボネートシロキサンコポリマーの例が、米国特許第6,833,422号、米国特許第6,657,018号、米国特許第6,072,011号、米国特許第3,419,635号および米国特許第3,189,662号に記載されている。
シロキサンポリカーボネートコポリマーを、ビスフェノールまたはビスフェノール類の混合物と、ホスゲン、トリホスゲン、ジアリールまたはジアルキルカーボネートなどのカルボニル前駆体との反応によって製造することができ、ここではビスフェノールの一部が、カルボニル前駆体との反応が可能な官能性シロキサン、例えば、下記式XVIIIのシロキサンビスフェノールで置換されている。
Figure 0005037515
上記式中、gは、1から約100、場合によって約5から約50の整数であり、nは、1から4の整数であり、Rは、アリール、アルキル、アリールアルキル、アルコキシまたはハロゲン基の少なくとも1つであり、R'は、2個から20個の炭素原子を有するアリール、アルキルまたはアリールアルキル基である)。
他の場合において、シロキサンポリカーボネートコポリマーを、ビスフェノールまたはビスフェノール類の混合物と、ホスゲン、ジアリールまたはジアルキルカーボネートなどのカルボニル前駆体との反応によって製造することができ、ここではビスフェノールの一部が、カルボニル前駆体との反応が可能な官能性シロキサン、例えばシロキサンビスフェノールで置換されている。例えば、gが上に定義した通りであり、Arが、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素から誘導されるアリール基である下記式XIXのシロキサンビスフェノールである。
Figure 0005037515
他の実施形態において、シロキサンポリエステルカーボネートを、ビスフェノールまたはビスフェノール類の混合物と、ホスゲン、ジアリールまたはジアルキルカーボネートなどのカルボニル前駆体の混合物と、ジカルボン酸二塩化物(ジカルボン酸ジクロライド)との反応によって製造することができ、ここで、ビスフェノールの一部が、カルボニル前駆体との反応が可能な官能性シロキサン、例えば式XVIIIまたはXIXのシロキサンビスフェノールによって置換されている。
他の実施形態において、シロキサンコポリマーは、シロキサン基をポリマー鎖の一部として含むポリスルホン、ポリエーテルスルホンまたはポリフェニレンエーテルスルホンであってもよい。これらのシロキサンポリスルホンコポリマーは、アリールスルホン含有オリゴマーと官能化ポリシロキサンとを反応させて、ランダムまたはブロックコポリマーを形成することによって製造することができる。シロキサンポリスルホンおよびシロキサンポリエーテルスルホンの例が、米国特許第4,443,581号、米国特許第3,539,657号および米国特許第3,539,655号および米国特許第3,539,655号に記載されている。
シロキサンコポリマーは、シロキサンおよびアリールポリエーテル部(セグメント)を含むランダムまたはブロックコポリマー、例えば、2,6-キシレノール結合シロキサンポリマー部のコポリマーでありうる。シロキサンポリアリールエーテルコポリマーの例が、米国特許第6,339,131号、米国特許第5,357,022号、米国特許第4,814,392号および米国特許第3,668,273号に記載されている。
本発明のレゾルシノール誘導ポリアリレートおよびポリエステルカーボネート樹脂シロキサンコポリマー混合物を、他の熱可塑性樹脂とさらに混合することができる。他の熱可塑性樹脂の例は、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル類、ポリエーテルイミド、ポリスルホンエーテルイミド、ならびにレゾルシノール連結部が本質的にないポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリエステルカーボネートである。レゾルシノールが本質的にない、とは、この場合に用いられているように、レゾルシノール由来連結部が1モル%未満のポリカーボネート、ポリアリレートまたはポリエステルカーボネート樹脂である。レゾルシノール連結部が本質的にないポリカーボネートの例は、カルボニル前駆体とビスフェノール類または2つ以上のビスフェノール類の混合物との反応から誘導されるポリカーボネート、例えば、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、イソホロンビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニルスルホン、ヒドロキシジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノール、ヒドロキノン、メチレンビスフェノール、フェニルジアルキリデンビスフェノール、フルオレノンビスフェノール、フェニルメチルビスフェノールおよびスピロビインダンビスフェノール等から誘導されるポリカーボネートである。カーボネート前駆体の例は、ホスゲン、トリホスゲン、ジアリールまたはジアルキルカーボネートなどのカルボニル前駆体である。ポリアリレートの例は、塩化イソおよびテレフタロイルまたはそれらの混合物などのジカルボン酸塩化物と、ビスフェノール類、例えば上に列記したビスフェノール類との反応により製造される樹脂である。ポリエステルカーボネートコポリマーの例は、ビスフェノールまたはビスフェノール類の混合物と、ホスゲン、トリホスゲン、ジアリールまたはジアルキルカーボネートなどのカルボニル前駆体の混合物と、ジカルボン酸二塩化物との反応によって製造できる樹脂である。いくつかのブレンドにおいて、レゾルシノール誘導ポリアリレートまたはポリエステルカーボネートは、0.1から10重量%のシロキサンコポリマーおよび5から90重量%の非レゾルシノール含有ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネートまたはそれらの混合物とともに、混合物全体の10から95重量%存在してもよい。
シロキサンコポリマーとレゾルシノール誘導ポリアリレート樹脂との混合物を、ゴム系耐衝撃改良剤(たとえば、エチレンアクリル酸エチル等のコポリマーを含むポリオレフィン、例えば米国特許第6,545,089号に記載されているアクリルゴムおよびメチルメタクリレートブタジエンスチレン(MBS)等のコアシェルゴム改質剤、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等のグラフトゴム、スチレンブタジエンスチレン(SBS)およびスチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)コポリマー等のブロックコポリマー、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、およびそれらの混合物などのゴム系耐衝撃改良剤とさらに混合することができる。いくつかの実施形態において、組成物全体の0.5から7重量%の低量の改質剤を使用して、衝撃性をさらに改善することができる。低使用量、例えば0.5から7重量%のこれらの可燃性ゴム系改質剤が、衝撃性と可燃性のバランスをとるために望ましい。約10%を超える高使用量のゴムは、場合によっては過度の燃料低減難燃性効果をもたらしうる。
レゾルシノール系アリールポリエステルおよびシロキサンコポリマー組成物は、高いアイゾッド衝撃強度および高い引張伸度を有するため、シートのような用途に有用であり、衝撃による損傷に対する抵抗性を示す。靭性および衝撃性と、低放熱値に示されるような難燃性を兼ね備えているため、これらの組成物から形成されたシートまたは他の物品は、非常に有用である。例えば、このようなシートを輸送用車両、例えば、航空機、巡航船または列車の内装の作製に使用することができる。シートを、例えば、押出、圧縮成形またはカレンダー加工によって調製して使用することができ、熱成形または他の方法によって成形することができる。フィルムおよびシートをより複雑な多層または発泡構造体における構成要素とすることができる。ある場合は、例えばASTM法D638によって測定された引張破断伸度が約50%以上であることにより、または他の場合は、ASTM法D256によって測定されたノッチ付アイゾッド衝撃値が5.0ft-Ibs/in以上であることによって良好な衝撃性が示される。さらに他の実施形態において、本組成物およびそれから製造される物品は、ともに引張破断伸度が約50%以上であり、ノッチ付アイゾッド衝撃強度が5.0ft-Ibs/in以上である。
金属酸化物をシロキサンコポリマーとレゾルシノールエステル含有ポリマーのすべてのブレンドに添加することもできる。金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化鉄および遷移金属酸化物が挙げられる。場合によっては白色の金属酸化物が望ましい。金属酸化物を単独で使用してもよいし、他の金属酸化物と併用してもよい。金属酸化物を任意の有効な量、場合によってはポリマーブレンドの0.01から20重量%の量で使用することができる。金属酸化物は、シロキサン原子群を含むこともできる。
他の有用な添加剤としては、金属ホウ酸塩、例えばホウ酸亜鉛、アルカリ金属またはアルカリ土類金属ホウ酸塩または他のホウ酸塩などの発煙抑制剤が挙げられる。また、ホウ酸、ホウ酸エステル、酸化ホウ素またはホウ素の他の酸素化合物などの他のホウ素含有化合物も有用でありうる。従来の難燃添加剤、例えば、リン酸エステル、スルホン酸塩およびハロゲン化芳香族化合物を用いることもできる。これらの難燃剤のいずれかまたはすべての混合物を使用することもできる。ハロゲン化芳香族化合物の例は、臭素化フェノキシ樹脂、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化イミド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂およびそれらの混合物である。スルホン酸塩の例は、パーフルオロブチルスルホン酸カリウム、トシル酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウムおよびメタンスルホン酸ナトリウムである。場合によっては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のスルホン酸塩が好ましい。リン酸塩難燃剤の例は、リン酸トリアリール、リン酸トリクレシル、リン酸トリフェニル、ビスフェノールA二リン酸フェニル、レゾルシノール二リン酸フェニル、フェニル-ビス-(3,5,5'-トリメチルヘキシルホスフェート)、リン酸エチルジフェニル、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)-p-トリル、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)-フェニル、リン酸トリ(ノニルフェニル)、リン酸水素フェニルメチル、リン酸ジ(ドデシル)-p-トリル、リン酸ハロゲン化トリフェニル、リン酸ジブチルフェニル、リン酸2-クロロエチルジフェニル、リン酸p-トリルビス(2,5,5'-トリメチルヘキシル)、リン酸2-エチルヘキシルジフェニル、リン酸水素ジフェニル、および二リン酸レゾルシノール等である。
場合によっては、ハロゲン原子、特に臭素および塩素を本質的に含まない難燃性組成物を有するのが望ましい。ハロゲン原子を本質的に含まないとは、組成物が、組成物に対して3重量%未満のハロゲンしか有しないことを意味する。他の実施形態においては、組成物は、1重量%未満のハロゲンしか有しない。ハロゲン原子の量は通常の化学分析によって測定することができる。
本組成物は、防滴性(アンチドリップ性)または他の向上した特性を樹脂組成物に与える任意の有効な量でフルオロポリマーを場合によって含むことができる。場合によっては、フルオロポリマーを、組成物に対してフルオロポリマーが0.01から約5.0重量%の量で使用することができる。好適なフルオロポリマーおよびそのようなフルオロポリマーを製造するための方法のいくつかの可能な例が、例えば、米国特許第3,671,487号、米国特許第3,723,373号および米国特許第3,383,092号に記載されている。好適なフルオロポリマーは、1つまたは複数のフッ素化アルファ-オレフィンモノマーから誘導された構造単位を含むホモポリマーおよびコポリマーを含む。「フッ素化アルファ-オレフィンモノマー」という用語は、少なくとも1つのフッ素原子置換基を含むアルファ-オレフィンモノマーを指す。好適なフッ素化アルファ-オレフィンモノマーのいくつかは、例えば、CF2=CF2、CHF=CF2、CH2=CF2およびCH2=CHFなどのフルオロエチレンならびに例えば、CF3CF=CF2、CF3CF=CHF、CF3CH=CF2、CF3CH=CH2、CF3CF=CHF、CHF2CH=CHFおよびCF3CF=CH2などのフルオロプロピレンを含む。
好適なフッ素化アルファ-オレフィンコポリマーのいくつかは、例えば、ポリ(テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロエチレン)などの2つ以上のフッ素化アルファ-オレフィンモノマーから誘導された構造単位を含むコポリマー、ならびに例えばポリ(テトラフルオロエチレン-エチレン-プロピレン)コポリマーなどの、1つまたは複数のフッ素化モノマー、およびフッ素化モノマーと共重合可能な1つまたは複数の非フッ素化モノエチレン不飽和モノマーを含むコポリマーを含む。好適な非フッ素化モノエチレン不飽和モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのアルファ-オレフィンモノマー、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリレートモノマーが挙げられ、ポリ(テトラフルオロエチレン)ホモポリマー(PTFE)が好ましい。
本ブレンドは、ガラス繊維、ミルドガラス、ガラスビーズおよびフレーク等の充填材および補強材をさらに含むことができる。タルク、ウォラストナイト、マイカ、カオリンまたはモンモリロナイトクレー、シリカ、石英およびバライトなどの鉱物を添加することができる。この組成物は、例えば、炭素繊維およびナノチューブ、金属繊維、セラミック繊維、金属粉、導電性カーボン、およびナノスケールの補強材などの有効量の無機充填材で改質することもできる。長ガラス繊維または連続ガラス繊維を本明細書に開示されているブレンドと併用することもできる。いくつかの実施形態において、難燃性ブレンドをガラス繊維とともに使用して、発泡シートを含むシートを製造する。
他の添加剤としては、亜リン酸塩、亜ホスホン酸塩およびヒンダードフェノールなどの酸化防止剤が挙げられる。リン含有安定剤は、亜リン酸トリアリール、ホスホン酸アリール、ならびに二官能リン含有化合物を含む。リン含有安定剤は、典型的には、配合物全体の0.05から約0.5重量%で組成物に存在する。着色剤、光安定剤、光増白剤、UV吸収剤、流動助剤および離型化合物も考えられる。離型剤の例は、アルキルカルボン酸エステル、例えば、テトラステアリン酸ペンタエリスリトール、トリステアリン酸グリセリンおよびジステアリン酸エチレングリコールである。離型剤は、典型的には、配合物全体の0.05から約0.5重量%で組成物に存在する。
本発明の組成物は、配合物に所望される任意の追加的な添加剤と上記材料を均質混合することを含む様々な方法によって、上記成分と混合することができる。好ましい手順には、溶融混合を含まれるが、溶液混合も可能である。商業的ポリマー加工設備における溶融混合装置の利用可能性により、溶融加工法が一般的に好ましい。溶融加工法に使用される装置の実例としては、同方向回転および逆方向回転押出機、一軸押出機、共混練機、ディスクパック加工機および他の様々な種類の押出装置が挙げられる。この方法における溶融物の温度は、樹脂の過度の分解を回避するために、好ましくは最低限に抑えられる。溶融樹脂組成物において約250℃から約310℃の溶融温度を維持することがしばしば望ましいが、加工装置中での樹脂の滞留時間が短時間に保たれるのであれば、より高い温度を用いることができる。いくつかの実施形態において、溶融加工された組成物は、ダイの小さい出口を通じて押出機などの加工装置を出て、得られた溶融樹脂の糸状体は、糸状体を水浴に通すことによって冷却される。冷却された糸状体を、梱包およびさらなる処理のために小さいペレットに細断することができる。
本発明の組成物を任意の数の方法によって物品に成形することができる。好適な方法としては、溶融加工、例えば、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、プロファイル押出、シートまたはフィルム押出、ガス補助成形、構造用発泡成形および熱成形が挙げられる。そのような物品の例としては、料理道具、給食用品、医療デバイス、トレー、プレート、ハンドル、ヘルメット、動物用ケージ、電気コネクタ、電気器具用筐体、エンジン部品、自動車エンジン部品、照明ソケットおよび反射板、電動機部品、配電器具、通信機器およびコンピュータ等(スナップ嵌めコネクタに成形されたデバイスを含む)が挙げられるが、それらに限定されない。他の物品としては、例えば、シート、フィルム、多層シート、多層フィルム、成形部品、押出プロファイル、コーティングされた部品、繊維および発泡体:窓、手荷物棚、壁パネル、椅子部品、照明パネル、拡散板、日よけ、仕切、レンズ、天窓、照明器具、反射板、管路、ケーブルトレー、導管、パイプ、ケーブル縛り、電線被覆材、電気コネクタ、空気処理装置、換気扇、ルーバ、絶縁体、ビン、収納容器、扉、蝶番、ハンドル、流し台、鏡筐体、鏡、便座、ハンガー、服掛け、棚、梯子、手すり、階段、カート、トレー、料理道具、給食器具、通信装置および機器パネルが挙げられる。様々な種類の物品を輸送デバイス、特に、航空機、列車、バスおよび船舶等の人を輸送するのに使用される輸送デバイスに使用することができる。場合によっては、透明で、場合によっては50%を超える透過率を有する物品を有することが望ましい。場合によっては、ヘイズが25%未満の物品が注目されうる。
フィルム押出およびシート押出などの熱可塑処理を用いて、本明細書に記載の組成物を物品に変換することができる、フィルムおよびシート押出法としては、溶融鋳造、インフレーションおよびカレンダー加工が挙げられるが、それらに限定されない。複合多層フィルムまたはシートを形成するために共押出および貼合せ(ラミネーション)法を採用することができる。単層または多層の基板に単層または多層のコーティングをさらに施して、耐引掻性、紫外線抵抗性および美観などのさらなる特性を付与することができる。ロール法、噴霧、浸漬、刷毛塗りまたは流し塗り(フローコーティング)などの標準的な塗布技術によってコーティングを施すことができる。あるいは、好適な溶媒中の組成物の溶液または懸濁液を基板、ベルトまたはロール上にキャスティングした後に溶媒を除去することによって、フィルムおよびシートを調製することができる。スパッタリング、真空蒸着および箔との貼合せなどの標準的な方法を用いて、フィルムを金属被覆することもできる。
インフレーションにより、または従来の延伸技術を用いて鋳造もしくは圧延フィルムを熱変形温度付近で延伸することによって、配向フィルムを調製することができる。例えば、多軸同時延伸のために放射状延伸パントグラフを使用することができ、平面x-y方向に同時または逐次延伸するためにx-y方向延伸パントグラフを使用することができる。一軸および二軸延伸を達成するために、縦方向に延伸するための速度差ロール部、および横方向に延伸するためのテンター部が装備された機械などの、逐次一軸延伸部を備えた装置を使用することもできる。
熱成形、真空成形、加圧成形、射出成形および圧縮成形を含むが、それらに限定されない成形および成型法を介して、上述したフィルムおよびシートをさらに熱可塑加工して成形品にすることができる。以下に記載するように、熱可塑性樹脂を単層または多層フィルムまたはシート基板上に射出成形することによって多層成形品を形成することもできる。
1) 例えば、転写染料のスクリーン印刷によって、場合によって1種または複数種の色を表面に有する単層または多層熱可塑性基板を提供する;
2) 基板を三次元形状に成形・縁取し、その基板の三次元形状に対応する表面を有する金型にその基板をはめ込むこと等によって基板を金型形状に合わせる;あるいは
3) 熱可塑性樹脂を基板の背後のモールドキャビティに射出して、(i) 一体形の永久接着三次元製品を製造する、または(ii) パターンもしくは美観効果を印刷基材から射出樹脂に転写し、印刷基材を除去して、美観効果を成形樹脂に付与する。
熱処理、模様付け、エンボス処理、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理および真空蒸着を含むが、それらに限定されない一般的な硬化および表面改質を上記物品にさらに施して、表面の外観を改変し、追加の機能を物品に付与できることも当業者なら理解するであろう。したがって、本発明の別の実施形態は、上記組成物から調製される物品、シートおよびフィルムに関する。
さらに詳述しなくても、当業者は、本明細書に記載されていることを用いて、本発明を利用できると考えられる。特許請求の範囲に記載した発明を実施するための当業者への追加手引きを提供するために、以下の実施例が含まれている。提示する実施例は、本研究を単に代表し、本発明の教示に寄与するものである。したがって、これらの実施例は、いかなるやりかたにおいても本発明を制限することを意図するものではない。
本明細書に引用されているすべての特許文献を、参照により援用する。
(実施例)
表1から4に記載されているレゾルシノール系ポリエステルカーボネート樹脂とシロキサンポリエーテルイミド(シロキサンPEI)またはシロキサンポリカーボネート(シロキサンPC)コポリマー樹脂または他の成分との混合物を、2.5インチ一軸真空排気押出機で押し出すことによってブレンドを調製した。組成物は、他に指定されている場合を除いて、全組成物の重量%で示されている。押出機を250から310℃に設定した。ブレンドを真空下にて約90rpmで処理した。押出物を冷却し、ペレット化し、120℃で乾燥させた。30秒のサイクル時間を用いて、試験サンプルを280〜310℃の設定温度および120℃の金型温度で射出成形した。ASTM試験法を用いて特性を測定した。メルトフローインデックス(MFI)を、ASTM D1238により、6.6Kg加重を用いて295℃で、または指定したように1.2Kg加重を用いて300℃で乾燥ペレットについて測定した。試験前に、すべての成形サンプルを50%の相対湿度で少なくとも48時間、状態調製(コンディショニング)した。ノッチ付アイゾッド衝撃値をASTM D256により、厚さ3.1mmの棒について室温で測定した。熱変形温度(HDT)を、ASTM D648により、厚さ3.1mmの棒について1.82MPa(264psi)で測定した。計装衝撃と呼ばれることもある二軸衝撃を、ASTM法D3763を用いて、102×3.1mmのディスクについて23℃で測定し、全衝撃エネルギーを報告する。引張特性をASTM法D638により3.1mmのI型棒について測定した。降伏(Y)時の引張強度を報告し、破断(B)時の伸度(%伸度)を報告する。透過率(%T)およびヘイズ(%H)を、ASTM法D1003を用いて3.1mmで測定した。FAR25.853に示される方法によって測定されるように、オハイオ州立大学(OSU)放熱量測定装置を使用して、厚さ2.0mmの15.2×15.2cmプラークについて放熱試験を行った。放熱量を2分においてkW-min/m2(キロワット分毎平方メートル)で測定した。最大放熱量をkW/m2(キロワット毎平方メートル)で測定した。放熱試験方法は、「Aircraft Materials Fire Test Handbook」DOT/FAA/AR-00/12、第5章、「Heat Release Test for Cabin Materials」にも記載されている。
文字は比較例を示し、数字は本発明の実施例を示すことに留意されたい。
[材料]
ITR樹脂は、塩化イソフタロイルと塩化テレフタロイルの1:1混合物とレゾルシノールとを縮合し、続いてビスフェノールA(BPA)およびホスゲンと反応させることによって製造されるポリマーである。それらのポリマーは、エステル結合とカーボネート結合とのおよそのモル比によって命名される。
ITR9010:約81モル%のレゾルシノールエステル連結部、8モル%のレゾルシノールカーボネート連結部および約11モル%のBPAカーボネート連結部。Tg=131℃
ITR6040:約51モル%のレゾルシノールエステル連結部、15モル%のレゾルシノールカーボネート連結部および約34モル%のBPAカーボネート連結部。Tg=125℃
ITR4060:約34モル%のレゾルシノールエステル連結部、6モル%のレゾルシノールカーボネート連結部および約60モル%のBPAカーボネート連結部。Tg=130℃
ITR2080:約19モル%のレゾルシノールエステル連結部、6モル%のレゾルシノールカーボネート連結部および約75モル%のBPAカーボネート連結部。Tg=136℃
シロキサンPEIは、m-フェニレンジアミンと、BPA二無水物と、平均で約10個のシロキサン原子群を含むビスアミノプロピル官能メチルシロキサンとのイミド化反応によって製造されるポリエーテルイミドジメチルシロキサンコポリマーである。それは、シロキサン含有量が約34重量%であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されたMwが約24,000である。
シロキサンPCは、約45個のシロキサン原子群のシロキサンブロック長を有する、BPAポリカーボネートと20重量%のオイゲノールプロピル封鎖ジメチルシロキサンとのコポリマーであり、コポリマーのMwが約30,000である。
PCは、General Electric Plastics社のBPAポリカーボネート、LEXAN 130であり、Mwが約36,500である。
PCEは、イソフタル酸エステル基とテレフタル酸エステル基の1:1混合物を約60重量%含み、残りがBPAカーボネート基のBPAコポリエステルカーボネートであり、Mwが約28,300である。
(例A、1〜6)
表1は、約90モル%のレゾルシノールエステル含有連結部を有するITRコポリマー樹脂をシロキサンポリエーテルイミドと混合したブレンドを示す。例1から6に見られるように、シロキサンPEIを添加すると、非常に少量であっても、対照例Aと比較して、2分放熱量および最大放熱量が驚くほど減少する。1.0重量%のシロキサンPEIを添加しただけで、例5の最大放熱量が85kW/m2から47kW/m2まで約45%減少している。このブレンドは、弾性率、強度および伸度をもそのまま保っていることに留意されたい。シロキサンPEIが少量であるため、このブレンドは、透明でもある(%T≧50)。
Figure 0005037515
(例B〜D、7〜9)
表2は、レゾルシノールエステル含有量(RMC)を約60から20モル%まで変えた一連のITRコポリマーと2重量%シロキサンPEIとのブレンドを示す。シロキサンPEI樹脂を含まないコポリマーを対照例(B、C、D)として示す。シロキサンPEIは、シロキサンコポリマーが添加されていないITRコポリマーと比較して、いずれの場合(例7、8および9)も2分および最大放熱値を低下させるのに有効であることに留意されたい。シロキサンPEIブレンドの高いノッチ付アイゾッド衝撃強度にも留意されたい。これらの実施例は、レゾルシノールエステル含有量(RMC)が高い方が低いRMCの場合よりも放熱値を低下させるのに有効であることも示している。RMCが約40モル%を超えるブレンドは、2分放熱値が低く(75kW-min/m2未満)、最大放熱値が低い(80kW/m2未満)。
Figure 0005037515
例7から9およびBからDは、いずれも3.0phr(100部当たりの部数)の二酸化チタンおよび0.1phrの亜リン酸トリアリールが存在し、チタンTiO2が添加されているために不透明であることに留意されたい。
(例10〜14)
表3は、ITR9010とより高用量(2から4重量%)のシロキサンPEIとのブレンドを示す。例10から12は、TiO2が添加されている場合も添加されていない場合も、低い2分放熱値および低い最大放熱値を示す。例13および14は、5重量%のシロキサンポリカーボネートコポリマーとのITR9010ブレンドも、表1の例A(ここではシロキサンPCコポリマーが添加されていない)と比較して低い最大放熱値を有することを示している。
Figure 0005037515
(例E〜F、15〜16)
表4は、シロキサンPEIとともにITRコポリマーを含み、さらにポリカーボネート(PC)(例15)または非レゾルシノール含有ポリエステルカーボネート(PCE)(例16)を含む難燃性ブレンドの例を示す。ITR含有ブレンドは、ITR9010が30重量%しか添加されていなくても、レゾルシノールエステル含有コポリマーを含まない対照EおよびFと比較して、低い放熱値を示す。表4におけるすべてのブレンドが、3.0phrの二酸化チタンおよび0.5phrの亜リン酸トリアリールを有していた。
Figure 0005037515

Claims (11)

  1. 少なくとも40モル%のレゾルシノール由来部分を有するレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂およびシロキサンコポリマーを含む組成物であって、FAR25.853によって測定される最大放熱量が65kW/m2未満である組成物。
  2. ASTM D1003によって測定される3.1mmにおける透過率が50パーセント以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. 組成物における全シロキサンコポリマーの総含有量が、組成物の総重量に対して0.1から9.0重量パーセントである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 組成物の総重量に対する組成物の総シロキサンブロック重量が、0.02から1.8重量パーセントである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. シロキサンコポリマーの総重量に対する組成物の総シロキサンブロック重量が、5から70重量パーセントである、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. レゾルシノール系アリールポリエステルが以下の構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物:
    Figure 0005037515
    (前記式中、Rは、C1〜12アルキル、C6〜C24アリール、アルキルアリール、アルコキシまたはハロゲンの少なくとも1つであり、
    nは、0から4であり、mは、平均で、少なくとも8である)。
  7. レゾルシノール系アリールポリエステルが以下の構造を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物:
    Figure 0005037515
    (前記式中、Rは、C1〜12アルキル、C6〜C24アリール、アルキルアリール、アルコキシまたはハロゲンの少なくとも1つであり、nは、0から4であり、R5は、少なくとも1つの二価の有機基であり、mは、平均で、4から150であり、pは、平均で、2から200である)。
  8. ASTM D1003によって測定される3.1mmにおけるヘイズが25パーセント以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 少なくとも40モル%のレゾルシノール由来部分を有するレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂およびシロキサンコポリマーを含む組成物であって、FAR25.853によって測定される最大放熱量が80kW/m2未満であり、ASTM D1003によって測定される3.1mmにおける透過率が50パーセント以上である組成物。
  10. 少なくとも40モル%のレゾルシノール由来部分を有する少なくとも1つのレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂および少なくとも1つのシロキサンコポリマーを含む組成物であって、前記組成物は、FAR25.853によって測定される最大放熱量が80kW/m2未満であり、シロキサンコポリマーが、ポリイミドシロキサン、ポリエーテルイミドシロキサン、ポリエーテルイミドスルホンシロキサン、ポリスルホンシロキサン、ポリエーテルスルホンシロキサン、ポリフェニレンエーテルスルホンシロキサン、およびポリフェニレンエーテルシロキサンからなる群から選択され、かつポリカーボネートシロキサンを含まない組成物。
  11. 少なくとも40モル%のレゾルシノール由来部分を有する少なくとも1つのレゾルシノール系アリールポリエステル樹脂と、組成物の総重量に対して0.1から5.0重量%の少なくとも1つのシロキサンコポリマーとを含む組成物であって、前記組成物は、FAR25.853によって測定される最大放熱量が65kW/m2未満であり、ASTM D1003によって測定される3.1mmにおける透過率が50パーセント以上であり、レゾルシノール系アリールポリエステル樹脂は、水素原子対炭素原子比が0.75以下:1である組成物。
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