JP5036445B2 - ヨウ素化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性高分子の原料や有機EL色素などの機能性色素の原料として有用なヨウ素化合物の製造方法に関するものである。
近年、導電性高分子や有機EL色素などの機能性材料の開発が活発に行なわれている。これら機能性材料には、フェニル基が連なったポリフェニレン構造を有するものや、フェニル基とビニル基が交互に重合したポリフェニレンビニレン骨格を有するものがあり、アルカリ金属等のドーピング剤の使用も可能で、導電性高分子材料として興味が持たれている。また、近年活発に研究が行なわれている有機ELに使用する色素にもフェニル基が連なった構造を有する共役高分子が見出されている。ポリフェニレン骨格の構築には通常、ヨウ化アリールを銅粉と加熱してカップリングするウールマン反応が採用される。必然的に使用するヨウ化アリールの構造により、生成する共役高分子の構造も決定するため、原料となるヨウ化アリールの取得方法は非常に重要な工程である。
ヨウ素化合物の取得は、塩素化合物、臭素化合物等のハロゲン化合物とのハロゲン−ヨウ素交換反応による合成方法や、二重結合へのヨウ素の付加反応による合成方法、アミノ化合物をジアゾ化し、ヨウ化カリウム等のヨウ素化剤と反応させる合成方法等が挙げられ、この内、特にアミノ化合物をジアゾ化し、ヨウ化カリウム等のヨウ素化剤と反応させる合成方法が、収率、操作性、位置選択性等の観点より、最も効率的な方法である。ジアゾ化を経由する通常のヨウ素化方法は、アミノ化合物を酸性水溶液中で亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩類と反応させ、ジアゾ化反応を行なった後に、ヨウ化カリウム等のヨウ素化剤と反応させることにより実施される。
一方、導電性高分子の原料や有機EL色素などの機能性色素の原料として有用なヨウ素化合物の一つに、2−ヨード−o−ターフェニレン骨格を有するヨウ素化合物を挙げることができる。該ヨウ素化合物は、対応するアミンを、塩酸酸性の水溶液中で、亜硝酸ナトリウムと反応させジアゾ化を行い、過剰のヨウ化カリウムと処理することで得られているが、収率が19%と非常に低いものであった(例えば、非特許文献1を参照)。この原因として、3つのフェニル基がオルト位で結合したトリフェニレンが副生成物(以下、ヨウ素化されず、芳香環が結合した副生成物を環化体という場合もある)として生成することが確認されている。この反応は、環化体が生成することから、下記式で示す通りに進行するものと考えられる。
Figure 0005036445
前記の通り、環化体が多く生成されると収率の低下を招くばかりでなく、目的物であるヨウ素化合物の精製が困難となるため、上記方法は改善の余地があった。このような問題は、2−ヨード−o−ターフェニレンよりフェニル基が一つ少ない2−アミノ1,1’−ビフェニルを原料として使用した場合には確認されておらず、この場合、収率98%で目的とする2−ヨウ素−1,1’−ビフェニルが得られている(例えば、非特許文献2を参照)。
つまり、2−ヨード−o−ターフェニレンを、ジアゾ化を経由して、高収率で得る方法は確立されていないのが現状であった。
Chem.Pharm.Bull.、28巻、1980年、1468−1476ページ Tetrahedron、60巻、2004年、145−158ページ
上述した通り、2−ヨード−o−ターフェニレン骨格を有するヨウ素化合物を高収率で得る方法は確立されていなかった。また、該ヨウ素化合物を高収率で得るには、反応中に副生するトリフェニレン骨格を有する化合物の量を低減させる必要があった。そこで、本発明は、導電性高分子の原料や有機EL色素などの機能性色素の原料として有用なヨウ素化合物を高収率で効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、2−アミノ−o−ターフェニレン骨格を有するアミノ化合物、亜硝酸塩類、酸、およびヨウ素化剤とを反応させる際、ヨウ素化剤の存在下に亜硝酸塩類を添加することにより、副生成物であるトリフェニレン骨格を有する化合物の量を低減させ、高選択率且つ高収率で2−ヨード−o−ターフェニレン骨格を有するヨウ素化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記式(1)
Figure 0005036445
(式中、A、B、Cは、各々独立に、当該基が結合する2つの炭素原子と芳香環を形成する基である。)
で示されるアミノ化合物、亜硝酸塩類、酸、およびヨウ素化剤とを反応させて下記式(2)
Figure 0005036445
{式中、A、B、Cは、前記式(1)と同義である。}
で示されるヨウ素化合物を製造する方法であって、アミノ化合物、酸、およびヨウ素化剤を含む溶液に、亜硝酸塩類を加えることを特徴とするヨウ素化合物の製造方法である。
また、第2の本発明は、式(1)で示されるアミノ化合物1モルに対して、酸を2〜10モル、ヨウ素化剤を1〜20モル含む溶液に、亜硝酸塩類を1〜5モル加えることを特徴とするヨウ素化合物の製造方法である。
更に、第3の本発明は、上記発明において、亜硝酸塩類を添加した後、さらに、酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類を加えることを特徴とするヨウ素化合物の製造方法である。
第4の本発明は、第3の発明において、式(1)で示されるアミノ化合物1モルに対して、使用する酸の全量が2モルを超え20モル以下、ヨウ素化剤の全量が1モルを超え30モル以下、および亜硝酸塩類の全量が1モルを超え10モル以下であることを特徴とするヨウ素化合物の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、芳香環が結合した環化体の生成が少なくなり、原料のアミノ化合物を目的物のヨウ素化合物とする選択率を高めることができ、ヨウ素化合物の精製が容易となる。さらに、本発明の製造方法によれば、アミノ化合物の反応率を高めることができ、ヨウ素化合物の収量を効率よく増やすことができる。
そのため、本発明の製造方法は、導電性高分子の原料や有機EL色素などの機能性色素の原料として有用なヨウ素化合物を高収率(高い選択率および高いアミノ化合物の反応率)で得ることができるため、工業的実施において非常に有用な方法である。
本発明の製造方法においては、2−アミノ−o−ターフェニレンの骨格を有するアミノ化合物、亜硝酸塩類、酸、およびヨウ素化剤とを反応させる際、ヨウ素化剤の存在下に亜硝酸塩類を添加することにより、副生成物であるトリフェニレン骨格を有する化合物の量を低減させ、高選択率且つ高収率で2−ヨード−o−ターフェニレン骨格を有するヨウ素化合物を得ることが可能となる。以下、本発明の製造方法で使用する反応物、反応条件や反応手順、生成物等について詳しく説明する。
本発明の方法で使用するアミノ化合物は、下記式(1)で示される。
Figure 0005036445
(上記式中、A、B、Cは、各々独立に、当該基が結合する2つの炭素原子と芳香環を形成する基である。)
本発明において、A、B、Cは、当該基が結合する2つの炭素原子と一緒になって芳香環を形成する2価の基である(以下、この芳香環を単にAが形成する芳香環、Bが形成する芳香環、Cが形成する芳香環とする場合もある。)。これらA、B、Cが形成する芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン等を挙げることができ、この内、特に、得られるヨウ素化合物の有用性の観点より、ベンゼン、ナフタレンであるのが好ましい。
本発明の製造方法は、式(1)に示す特定の構造であるアミノ化合物をヨウ素化する方法である。つまり、本発明は、A、B、Cが形成する芳香環の各々の結合位置、Aが形成する芳香環におけるアミノ基の結合位置が式(1)に示す位置であって、かつ、Cが結合する一方の炭素原子が水素原子と結合している構造のアミノ化合物に適用されるものである。そのため、A、B、Cが形成する芳香環は、より有用なヨウ素化合物とするために、置換基を有していてもよい。この置換基を有するものを含めたアミノ化合物は、下記式(3)で示される。
Figure 0005036445
(式中、A、B、Cは、各々独立に、当該基が結合する炭素原子と芳香環を形成する基であり、R、R、Rは各々独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリル基、ビニル基、チエニル基、フリル基、フッ素原子、塩素原子のハロゲン原子であり、同一であっても異なっていても良く、環を形成していても良い。また、m、n、oは各々独立に0〜10の整数である。)
、R、Rは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリル基、ビニル基、チエニル基、フリル基、フッ素原子、塩素原子のハロゲン原子であり、同一であっても異なっていても良く、環を形成していても良い。
上記式(3)中、R、R、Rのアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができ、この内、特に、得られるヨウ素化合物の有用性の点より、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基が好ましく、特に、メチル基、エチル基が好ましい。
また、アルコキシ基としては、炭素数1〜12のアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、ベンジルオキシ等を挙げることができ、この内、特に、得られるヨウ素化合物の有用性の点より、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、メチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、ベンジルオキシ基が好ましく、特に、メトキシ基、エトキシ基、メチレンジオキシ基、ベンジルオキシ基が好ましい。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基、ペタセニル基等を挙げることができる。この内特に、得られるヨウ素化合物の有用性の点より、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基が好ましく、特にフェニル基が好ましい。
前記式(3)におけるm、n、oは各々独立に0〜10の整数を示し、何れのものでも本発明の効果は十分に発揮されるが、原料化合物の入手のしやすさより、0〜5、特に0〜3であるのが好ましい。なお、当然のことながら、m、n、oが0の場合は、置換基を有さないことを示す。
前記式(3)で示される化合物の内、好適な化合物を具体的に例示すると、以下のものをあげることができるが、これに限定されるわけではない。
Figure 0005036445
Figure 0005036445
本発明で使用する亜硝酸塩類は、通常、ジアゾ化反応で使用される亜硝酸塩類が制限なく使用できるが、入手が容易であることと、反応性の良さより、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムを使用するのが好ましい。また、亜硝酸塩類は、単独であるいは水溶液として使用することができるが、取り扱いの面より水溶液で使用するのが好ましい。また、該水溶液には、反応に影響を与えない有機溶媒を加えることもできる。
本発明で使用するヨウ素化剤は、通常ジアゾ化合物のヨウ素化に使用されるヨウ素化剤が制限なく使用できるが、入手が容易であることと、反応性の良さより、ヨウ素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等を挙げることができる。また、ヨウ素化剤は、単独であるいは水溶液として使用することができるが、取り扱いの面より水溶液で使用するのが好ましい。また、該水溶液には、反応に影響を与えない有機溶媒を加えることもできる。
本発明で使用する酸としては、特に制限されるものではないが、入手が比較的容易であること、水と混和すること、反応が効率よく進行することより、塩化水素(塩酸)、臭化水素(臭化水素酸)、硫酸が好ましい。また、酸は、単独であるいは水溶液として使用することができるが、取り扱いの面より水溶液で使用するのが好ましい。また、該水溶液に、反応に影響を与えない有機溶媒を加えることもできる。なお、この酸の使用量は、下記に詳述するが、反応を進行させるために、反応系が酸性条件下(pHが7未満)となるような量を使用することが好ましく、式(1)のアミノ化合物1モルに対して、2モル以上使用することが好ましい。
次に、本発明で使用する反応物(アミノ化合物、ヨウ素化剤、酸、亜硝酸塩類)の添加順序、および添加量に関して説明する。
通常、上記非特許文献1、2で示した通り、アミノ化合物を原料として、ジアゾ化を経て、ヨウ素化合物を製造する際には、アミノ化合物を酸性条件下で、亜硝酸塩類と反応させ、アミノ化合物をジアゾ化合物に変換した後に、ヨウ素化剤と反応させる。
しかしながら、前記した従来通りの添加順序を、本発明で使用する式(1)で示したアミノ化合物に適応させた場合、対応するジアゾ化合物が分解するものと考えられ、環化反応を生じ、トリフェニレン骨格を有する副生成物(環化体)を大量に生じる。これは、式(1)で示したアミノ化合物特有の問題である。
本発明は、前記アミノ化合物、酸、およびヨウ素化剤の存在下に、亜硝酸塩類を添加して反応を行なうことにより、環化体の副生を大幅に低減することが可能となり、目的物であるヨウ素化合物の選択率を高くすることができる。この順で反応物を加えることにより、環化体が副生するよりも早くヨウ素化合物が生成するため、ヨウ素化合物の選択率を高くできるものと考えられる。
本発明において、アミノ化合物、酸、およびヨウ素化剤を加える順序は、特に制限されるものではなく、これら成分を同時に添加してもよいし、順次、ある成分から添加してもよい。中でも、中間体となるアミノ化合物のアンモニウム塩を効率よく生成させるためには、アミノ化合物、酸、ヨウ素化剤の順で添加するのが好ましい。本発明は、これらアミノ化合物、酸、およびヨウ素化剤を含む溶液に、亜硝酸塩類を添加することを特徴とするものである。
本発明において、前記反応物は、反応速度、式(2)で示されるヨウ素化合物の選択率等を考慮すると、アミノ化合物1モルに対して、酸を2モル以上、ヨウ素化剤を1モル以上含む溶液に、亜硝酸塩類を1モル以上加えることが好ましい。酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類の量の上限値は、特に制限されるものではないが、ヨウ素化合物の精製の容易さ、高選択率、さらに、下記に詳述するが、得られるヨウ素化物の収量を効率よく高めるためには、アミノ化合物1モルに対して、酸を10モル以下、ヨウ素化剤を20モル以下、亜硝酸塩類を5モル以下にすることが好ましく、特に、酸を5モル以下、ヨウ素化剤を10モル以下、亜硝酸塩類を2モル以下にすることが好ましい。なお、このような量の反応物を使用した場合も、亜硝酸塩類を加えた溶液は酸性であることが好ましい。
また、本発明においては、アミノ化合物、酸、およびヨウ素化剤を含む溶液に、亜硝酸塩類を加えることにより、環化体が少なく、ヨウ素化合物となる割合を高くする(選択率を高くする)ことができるが、さらに、酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類を追加することにより、アミノ化合物の反応率を高めることができる。以下、アミノ化合物、酸、およびヨウ素化剤を含む溶液に、亜硝酸塩類を加えて反応を行うことを第一反応とし、この第一反応の後、さらに、酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類を加えて反応を行うことを第二反応とする場合もある。なお、この第一反応は、上記の通り、酸性条件下で行うことが好ましく、また、この第二反応も酸性条件下で行うことが好ましい。この第二反応において追加する酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類は、上記のように水溶液として取り扱うこともできる。
本発明において、第二反応によりアミノ化合物の反応率が高くなる理由は明らかではないが、以下の通りに推定している。つまり、第一反応における反応物の添加順序では、ヨウ素化剤が酸及び亜硝酸塩類により消費されやすいものと考えられ、第二反応において、消費された分のヨウ素化剤や、その他、酸、亜硝酸塩を加えることにより、アミノ化合物の反応率を非常に高くできるものと考えられる。そのため、第一反応後に、第二反応を行うことにより、残存するアミノ化合物が再度、反応し、ヨウ素化合物の収量を高くできるものと考えられる。なお、この第二反応においては、酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類を複数回に分けて加えることもできる。
このように、酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類を追加して、アミノ化合物の反応率を高める場合、酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類を追加する前の各反応物、即ち、第一反応における各反応物は、特に、アミノ化合物1モルに対して、酸を2〜10モル、ヨウ素化剤を1〜20モル含む溶液に、亜硝酸塩類を1〜5モル加えることが好ましく、特に、酸を2〜5モル、ヨウ素化剤を1〜10モル含む溶液に、亜硝酸塩類を1〜2モル加えることが好ましい。第一反応において、上記範囲で反応を行うことにより、少ない反応物の量で効率よくヨウ素化合物の選択率を高めることができる。そして、第一反応を上記範囲で行った後、第二反応を行うことにより、ヨウ素化合物の選択率を高く維持したまま、アミノ化合物の反応率を高めることができ、その結果、ヨウ素化合物の収率をより高くすることができる。また、第一反応を上記範囲で行うことにより、第二反応を行う際、酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類を加える順序は、第一反応のように制限されなくなる。この理由も明らかではないが、第一反応では完全にヨウ素化剤が消費されているのではなく、一部、ヨウ素化剤が反応系内に残存していることが原因ではないかと推定している。ただし、反応率をより向上させるためには、第二反応における添加順序は、酸、亜硝酸塩類、続いてヨウ素化剤の順で添加することが好ましい。
本発明においては、第一反応において、なるべく少ない量の反応物でヨウ素化合物の選択率を高め、さらに、第二反応において、酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類を加えることにより、アミノ化合物の反応率をより高くすることができる。そのため、第二反応における酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類の使用量は、アミノ化合物の反応率を十分に高くできる量であればよい。中でも、反応速度、ヨウ素化合物の収率、精製の容易さ、経済性等を考慮すると、第一反応を上記範囲の量で行い、第二反応における酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類の使用量は、最初に仕込むアミノ化合物1モルに対して、使用する酸の全量が2モルを超え20モル以下、ヨウ素化剤の全量が1モルを超え30モル以下、および亜硝酸塩類の全量が1モルを超え10モル以下となるように調整することが好ましく、特に、使用する酸の全量が4〜20モル、ヨウ素化剤の全量が2〜30モル、および亜硝酸塩類の全量が2〜10モルとなるように調整することが好ましい。なお、上記全量とは、第一反応および第二反応で使用する酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類のそれぞれの合計量である。第二反応における酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類の使用量を上記範囲とすることにより、酸分、ヨウ素化剤、亜硝酸塩類の使用量を低減しつつ、ヨウ素化合物の収率を高めることができる。
本発明の反応は、上記反応物(アミノ化合物、ヨウ素化剤、酸、亜硝酸塩類)を溶液中で混合して実施するが、水及び有機溶媒の混合溶液中で実施するのが、反応の効率の観点より好ましい。ここでいう水とは、亜硝酸塩類の水溶液中の水、ヨウ素化剤の水溶液中の水、酸の水溶液中の水を含む。使用する有機溶媒としては、反応を阻害しない有機溶媒を使用することができる。具体的に例示すると、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類を挙げることができる。この内、特に、水とよく混和すること、目的とするヨウ素化合物が高選択率で得られることより、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフランが特に好ましく、アセトン、アセトニトリルが特に好ましい。
本発明において、上記反応物を水及び有機溶媒の混合溶液中で反応を行う場合、水の使用量は、多すぎると後処理が面倒になり、少なすぎると反応の進行が遅くなるため、使用するアミノ化合物1質量部に対して1〜100質量部、特に5〜50質量部であるのが好ましい。また、有機溶媒の使用量は、多すぎると後処理が面倒になり、少なすぎると反応の進行が遅くなるため、使用するアミノ化合物1質量部に対して1〜100質量部、特に5〜50質量部であるのが好ましい。なお、上記の第一反応、第二反応ともに、上記範囲の水、有機溶媒量で反応を実施することが好ましい。
本発明において、上記反応の温度は、温度が低すぎると反応速度が極端に遅くなり、高すぎると副生成物が増加することから、−30〜50℃、特に−20〜30℃、更には−10〜25℃で実施するのが好ましい。第一反応、第二反応ともに、この反応温度で実施することが好ましい。
反応時間は、その他の反応条件に応じて反応進行度を確認しながら適宜決定すれば良いが、通常24時間以内で十分な収量のヨウ素化合物を得ることができる。第一反応および第二反応を行う場合は、両反応を合わせた時間が上記範囲であればよい。
このようにして得られるヨウ素化合物は、下記式(2)で示される構造を有するものである。
Figure 0005036445
{式中、A、B、Cは、前記式(1)と同義である。}
また、アミノ化合物が前記式(3)で示される場合には、得られるヨウ素化合物は、下記式(4)で示される構造を有するものである。
Figure 0005036445
{式中、A、B、C、R、R、R、m、n、oは、前記式(3)と同義である。}
上記式(4)で示される化合物の構造は、夫々原料として使用するアミノ化合物の構造に対応するものとなる。よって、好適な化合物を具体的に例示すると、以下のものを挙げることができる。
Figure 0005036445
Figure 0005036445
このような方法で得られたヨウ素化合物は、例えば次のような方法により反応液から分離することができる。即ち、反応終了後の反応液に抽出溶媒を添加し、分液操作で水層を分離する。その後、チオ硫酸ナトリウム水溶液等の還元剤を滴下し、有機層に存在するヨウ素を還元する。有機層を水洗して、中性にした後、減圧濃縮を行なうことにより、ヨウ素化合物の粗体を分離することができる。このようにして得られた粗体の純度は、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCという)分析により確認することができ、通常HPLC純度60%以上(ここでいうHPLC純度とは、溶媒を除く各ピークの総面積値を100とした面積百分率であり、以後示すHPLC純度も同様の意味を示す)で、目的のヨウ素化合物を含有している。
このようにして得られた粗体は、シリカゲル、アルミナ、活性炭等の吸着剤による吸着処理や晶析(再結晶)、減圧蒸留、水蒸気蒸留、昇華精製、カラムクロマトグラフィー等の公知の方法で、さらに精製を行なうことにより高純化することができる。
本発明の方法で得られたヨウ素化合物は、フェニル基が連なった構造を有しており、導電性高分子の原料や有機EL色素などの機能性色素の原料として、優れた性能を発揮することができる。また、フェニル基がo位で連なった骨格を有しており、合成が比較的容易なp位やm位で連なった化合物とは立体構造が大きく異なり、これまでの色素にない優れた性能を発揮する可能性を十分に秘めている。例えば、フェニル基がo位で連なったポリマーは、置換基の立体効果にもよるが、その構造がカラム状を形成し得ることが予想され、単に平面上で共役系が連なったポリマーとは異なる性能を発揮することが予想される。
本発明の方法で得られたヨウ素化合物は、導電性高分子の原料や有機EL色素としてだけでなく、耐熱性ポリマーや記録材料用色素などの原料としても、幅広く使用することができる。
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
1000mlの4つ口フラスコに、アミノ化合物として2−アミノ−o−ターフェニレンを9.80g(0.040mol)、溶媒としてアセトニトリルを153g、水を39.2g入れ、15℃で攪拌後、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を滴下した。反応液を2℃まで冷却後、50%ヨウ化カリウム水溶液66.4g(0.20mol)を滴下した。そこへ、20%亜硝酸ナトリウム水溶液14.5g(0.042mol)を5℃以下で滴下した(第一反応)。2℃で3時間攪拌後、HPLC分析を行った結果、原料のアミノ化合物が38%、ジアゾニウム塩が2%、目的とするヨウ素化合物が57%、副生成物であるトリフェニレン(ジアゾニウム塩が脱窒素し、分子内環化したもの。以下、異なる骨格においても、同様の反応で生じた副生成物を環化体という。)が3%生成していた。追加分として、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を加えた後、20%亜硝酸ナトリウム水溶液を14.5g(0.042mol)を加え、50%ヨウ化カリウム水溶液を66.4g(0.20mol)加え、5℃で2時間攪拌を行なったところ(第二反応)、原料のアミノ化合物は消失しており、ジアゾニウム塩が0.6%、目的とするヨウ素化合物が86%、副生成物である環化体が5.4%、その他構造不明な不純物が8%生成していた。反応液に抽出溶媒としてトルエンを160g加え、分液操作を行い、水層を分離した。有機層(トルエン層)を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液320gで2回、20%食塩水160gで4回洗浄を行い、pHを中性とした後、減圧濃縮を行い、オレンジ色オイルを12g得た。得られたオレンジ色オイルを、展開溶媒にクロロホルムを使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、2−ヨード−o−ターフェニレンとして、11.1gの白色固体(収率:78%、HPLC純度:99%)を得た。分析値は、
HPLC−マススペクトル(APCI):m/z356(M
元素分析値:C1813として
計算値:C;60.69、H;3.68
実測値:C;60.84、H;3.79
であった。
実施例2
実施例1において、反応剤の追加を行う際、20%亜硝酸ナトリウム、6%塩酸、50%ヨウ化カリウムの順序で行なった以外は、同様に操作を実施した。カラムクロマトグラフィー精製後、10.9gの白色固体(収率:77%、HPLC純度:99%)を得た。得られた白色固体のマススペクトルは、実施例1と同様であった。
実施例3
実施例1において、溶媒をアセトンに変えて行なった以外は、同様に操作を実施した。カラムクロマトグラフィー精製後、10.6gの白色固体(収率:74%、HPLC純度:99%)を得た。得られた白色固体のマススペクトルは、実施例1と同様であった。
実施例4
2000mlの4つ口フラスコに、アミノ化合物として2−アミノ−1−(2−ビフェニル)ナフタレンを11.8g(0.040mol)、溶媒としてアセトニトリルを185g、水を47.2g入れ、15℃で攪拌後、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を滴下した。反応液を2℃まで冷却後、50%ヨウ化カリウム水溶液66.4g(0.20mol)を滴下した。そこへ、20%亜硝酸ナトリウム水溶液14.5g(0.042mol)を5℃以下で滴下した。2℃で3時間攪拌後、HPLC分析を行った結果、原料のアミノ化合物が41%、ジアゾニウム塩が1%、目的とするヨウ素化合物が56%、副生成物である環化体が2%生成していた。追加分として、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を加えた後、20%亜硝酸ナトリウム水溶液を14.5g(0.042mol)を加え、50%ヨウ化カリウム水溶液を66.4g(0.20mol)加え、5℃で2時間攪拌を行なったところ、原料のアミノ化合物は消失しており、ジアゾニウム塩が0.2%、目的とするヨウ素化合物が87%、副生成物である環化体が6.2%、その他構造不明な不純物が6.6%生成していた。反応液に抽出溶媒としてトルエンを185g加え、分液操作を行い、水層を分離した。有機層(トルエン層)を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液320gで2回、20%食塩水160gで4回洗浄を行い、pHを中性とした後、減圧濃縮を行い、オレンジ色オイルを13g得た。得られたオレンジ色オイルを、展開溶媒にクロロホルムを使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、2−ヨード−1−(2−ビフェニル)ナフタレンとして、10.5gの白色固体(収率:65%、HPLC純度98%)を得た。分析値は、
HPLC−マススペクトル(APCI):m/z406(M
元素分析値:C2215として
計算値:C;65.04、H;3.72
実測値:C;65.41、H;3.88
であった。
実施例5
2000mlの4つ口フラスコに、アミノ化合物として2−アミノ−4−ベンジルオキシ−6−メトキシ−1−(2−ビフェニル)ナフタレンを17.3g(0.040mol)、溶媒としてアセトニトリルを300g、水を70g入れ、15℃で攪拌後、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を滴下した。反応液を2℃まで冷却後、50%ヨウ化カリウム水溶液66.4g(0.20mol)を滴下した。そこへ、20%亜硝酸ナトリウム水溶液14.5g(0.042mol)を5℃以下で滴下した。2℃で3時間攪拌後、HPLC分析を行った結果、原料のアミノ化合物が45%、ジアゾニウム塩が2%、目的とするヨウ素化合物が47%、副生成物である環化体が6%生成していた。追加分として、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を加えた後、20%亜硝酸ナトリウム水溶液を14.5g(0.042mol)を加え、50%ヨウ化カリウム水溶液を66.4g(0.20mol)加え、5℃で2時間攪拌を行なったところ、原料のアミノ化合物は消失しており、ジアゾニウム塩が0.5%、目的とするヨウ素化合物が86%、副生成物である環化体が8.5%、その他構造不明な不純物が5%生成していた。反応液に抽出溶媒としてトルエンを300g加え、分液操作を行い、水層を分離した。有機層(トルエン層)を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液320gで3回、20%食塩水200gで4回洗浄を行い、pHを中性とした後、減圧濃縮を行い、オレンジ色オイルを20g得た。得られたオレンジ色オイルを、展開溶媒にクロロホルムを使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、2−ヨード−4−ベンジルオキシ−6−メトキシ−1−(2−ビフェニル)ナフタレンとして、16.6gの白色固体(収率:77%、HPLC純度98%)を得た。分析値は、
HPLC−マススペクトル(APCI):m/z542(M
H−NMRスペクトル(CDCl中):δ3.9ppm(s、3H、OCHのCH)、δ5.2ppm(m、2H、OCHPhのCH)、δ6.9〜7.5ppm(m、18H、アリール部位のH)
であった。
実施例6〜7
実施例5において、6%塩酸、20%亜硝酸ナトリウム水溶液、50%ヨウ化カリウム水溶液の使用量を、表1に示す量に変更した以外は、同様に操作を行った。結果を表1に示す。なお、表1中の使用量は、原料とするアミノ化合物に対する量である。
Figure 0005036445
実施例8
2000mlの4つ口フラスコに、アミノ化合物として2−アミノ−4−ベンジルオキシ−6,7−ジメトキシ−1−(2−ビフェニル)ナフタレンを18.5g(0.040mol)、溶媒としてアセトニトリルを480g、水を74g入れ、15℃で攪拌後、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を滴下した。反応液を2℃まで冷却後、50%ヨウ化カリウム水溶液66.4g(0.20mol)を滴下した。そこへ、20%亜硝酸ナトリウム水溶液14.5g(0.042mol)を5℃以下で滴下した。2℃で3時間攪拌後、HPLC分析を行った結果、原料のアミノ化合物が48%、ジアゾニウム塩が2%、目的とするヨウ素化合物が48%、副生成物である環化体が2%生成していた。追加分として、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を加えた後、20%亜硝酸ナトリウム水溶液を14.5g(0.042mol)を加え、50%ヨウ化カリウム水溶液を66.4g(0.20mol)加え、5℃で2時間攪拌を行なったところ、原料のアミノ化合物は消失しており、ジアゾニウム塩が3.2%、目的とするヨウ素化合物が85%、副生成物である環化体が4.7%、その他構造不明な不純物が7.1%生成していた。更に、追加分として、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を加えた後、20%亜硝酸ナトリウム水溶液を14.5g(0.042mol)を加え、50%ヨウ化カリウム水溶液を66.4g(0.20mol)加え、5℃で2時間攪拌を行なったところ、ジアゾニウム塩が0.3%、目的とするヨウ素化合物が87%、副生成物である環化体が4.5%、その他構造不明な不純物が8.2%生成していた。反応液に抽出溶媒としてトルエンを480g加え、分液操作を行い、水層を分離した。有機層(トルエン層)を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液320gで3回、20%食塩水300gで5回洗浄を行い、pHを中性とした後、減圧濃縮を行い、オレンジ色オイルを19g得た。得られたオレンジ色オイルを、展開溶媒にクロロホルムを使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、2−ヨード−4−ベンジルオキシ−6,7−ジメトキシ−1−(2−ビフェニル)ナフタレンとして、17.1gの白色固体(収率:75%、HPLC純度98%)を得た。分析値は、
HPLC−マススペクトル(APCI):m/z572(M
H−NMRスペクトル(CDCl中):δ3.6ppm(s、3H、OCHのCH)、δ3.8ppm(s、3H、OCHのCH)、δ5.3ppm(m、2H、OCHPhのCH)、δ6.9〜7.5ppm(m、17H、アリール部位のH)
であった。
比較例1
2000mlの4つ口フラスコに、アミノ化合物として2−アミノ−4−ベンジルオキシ−6−メトキシ−1−(2−ビフェニル)ナフタレンを17.3g(0.040mol)、溶媒としてアセトニトリルを300g、水を70g入れ、15℃で攪拌後、6%塩酸を80.3g(0.132mol)を滴下した。反応液を2℃まで冷却後、20%亜硝酸ナトリウム水溶液14.5g(0.042mol)を2℃で30分攪拌後、50%ヨウ化カリウム水溶液66.4g(0.20mol)を滴下した。2℃で3時間攪拌後、HPLC分析を行った結果、原料のアミノ化合物は消失しており、ジアゾニウム塩が3%、目的とするヨウ素化合物が47%、副生成物である環化体が44%、その他構造不明の不純物が6%生成していた。反応液に抽出溶媒としてトルエンを300g加え、分液操作を行い、水層を分離した。有機層(トルエン層)を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液320gで2回、20%食塩水200gで4回洗浄を行い、pHを中性とした後、減圧濃縮を行い、オレンジ色オイルを20g得た。得られたオレンジ色オイルを、展開溶媒にクロロホルムを使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、2−ヨード−4−ベンジルオキシ−6−メトキシ−1−(2−ビフェニル)ナフタレンとして、5.6gの白色固体(収率:26%、HPLC純度85%)を得た。ジアゾ化合物が分解し、大量の環化体が副生成したため、収率が低下したものと思われる。
比較例2
比較例1において、反応を−15℃で行なった以外は同様に操作を実施した。カラムクロマトグラフィー精製後、8.2gの白色固体(収率38%、HPLC純度89%)を得た。ジアゾ化合物の分解を抑えるために、温度を低下させたが、大きな効果は得られなかった。

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 0005036445
    (式中、A、B、Cは、各々独立に、当該基が結合する2つの炭素原子と芳香環を形成する基である。)
    で示されるアミノ化合物、亜硝酸塩類、酸、およびヨウ素化剤とを反応させて下記式(2)
    Figure 0005036445
    {式中、A、B、Cは、前記式(1)と同義である。}
    で示されるヨウ素化合物を製造する方法であって、アミノ化合物、酸、およびヨウ素化剤を含む溶液に、亜硝酸塩類を加えることを特徴とするヨウ素化合物の製造方法。
  2. 式(1)で示されるアミノ化合物1モルに対して、酸を2〜10モル、ヨウ素化剤を1〜20モル含む溶液に、亜硝酸塩類を1〜5モル加えることを特徴とする請求項1に記載のヨウ素化合物の製造方法。
  3. 亜硝酸塩類を加えた後、さらに、酸、ヨウ素化剤、および亜硝酸塩類を加えることを特徴とする請求項1または2に記載のヨウ素化合物の製造方法。
  4. 式(1)で示されるアミノ化合物1モルに対して、使用する酸の全量が2モルを超え20モル以下、ヨウ素化剤の全量が1モルを超え30モル以下、および亜硝酸塩類の全量が1モルを超え10モル以下であることを特徴とする請求項3に記載のヨウ素化合物の製造方法。
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