JP5036340B2 - ガスバリア材形成用組成物、ガスバリア材及びその製造方法並びにガスバリア性包装材 - Google Patents

ガスバリア材形成用組成物、ガスバリア材及びその製造方法並びにガスバリア性包装材 Download PDF

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本発明は、ポリカルボン酸系ポリマーに特定の官能基を有する化合物からなる架橋剤を用いて成るガスバリア材形成用組成物に関するものであり、より詳細には、低温短時間硬化が可能で、優れたガスバリア性、耐レトルト性及び可撓性を有するガスバリア材形成用組成物、ガスバリア材及びその製造方法並びにかかるガスバリア材を用いて成る包装材に関する。
従来より、ガスバリア性樹脂としては種々のものが使用されており、特にポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアルコール共重合体等がガスバリア性樹脂として知られている。しかしながら、ポリ塩化ビニリデンやポリアクリロニトリルは、環境の問題からその使用を控える傾向があり、エチレンビニルアルコール共重合体においては、ガスバリア性の湿度依存性が大きく、高湿度条件下ではガスバリア性が低下するという問題があった。
包装材料にガスバリア性を付与する方法としては、基材の表面に無機物を蒸着したフィルムも知られているが、これらのフィルムはコストが非常に高く、しかも蒸着フィルムの可撓性や基材又は他の樹脂層との接着性に劣るという問題を有している。
このような問題を解決するために、基材に、水溶液高分子Aと水溶性または水分散性の高分子Bと、無機系層状化合物から成る被膜を形成したガスバリアフィルム(特許文献1)や、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコール類との混合物から成る成形物層の表面に金属化合物を含む層を塗工して成るガスバリア性フィルム(特許文献2)、或いはポリビニルアルコールとエチレン−マレイン酸共重合体と2価以上の金属化合物を含有するガスバリア性塗料(特許文献3)等が提案されている。
特開平9−151264号公報 特開2000−931号公報 特開2004−115776号公報
上記特許文献1乃至3に記載されたガスバリア材は、高湿度条件下におけるガスバリア性は改善されているとしても、包装材料としての多様な要求に耐え得るものではなく、未だ充分満足し得るものではない。
すなわち上記特許文献1に記載されたガスバリアフィルムにおいては、塗膜中に無機層状化合物が分散されているだけであるため、優れたガスバリア性を得るために無機層状化合物を多量に添加する必要があり、機械的強度が低下するという問題があると共に耐レトルト性にも劣っている。また上記特許文献2に記載されたガスバリア性フィルムでは、塗膜の硬化に高温且つ長時間の熱処理が必要であり、また上記特許文献3に記載されたガスバリア性塗料においても、短時間で塗膜の硬化を行う場合には高温で熱処理することが必要であり、特許文献2及び3に記載されたガスバリア材においてはプラスチック基体への影響が大きいと共に生産性の点で問題がある。
このような問題を解決するための本発明者等は、ポリカルボン酸系ポリマー(A)と、窒素との間に二重結合を形成する炭素にエーテル結合が形成され、該エーテル結合中の酸素を含んで成る環構造(b)を2個含有する化合物(B)から成り、前記ポリカルボン酸系ポリマー(A)のカルボキシル基と環構造(b)が反応することにより架橋構造が形成されていることを特徴とするガスバリア材を提案した(特願2005−282008)。
かかるガスバリア材は、上記先行技術が有する問題を生じることがなく、優れたガスバリア性、耐レトルト性、可撓性を有し、更に塗膜を低温短時間で硬化することができ、生産性にも優れたものである。
本発明者等は、上記ガスバリア材について更に鋭意研究を行った結果、上記架橋構造を形成する反応が、ガスバリア材形成用組成物中に存在する水によって阻害され、かかる水を架橋反応に影響を与えることなく除去できれば、ガスバリア材形成用組成物の貯蔵安定性が向上し、より低温短時間で塗膜を硬化することが可能になることを見出した。
従って本発明の目的は、優れたガスバリア性、耐レトルト性、可撓性を有するガスバリア材を形成可能であると共に、より低温短時間での硬化を可能とし、プラスチック基体に影響を与えることがなく、生産性を向上することが可能なガスバリア材形成用組成物を提供することである。
また本発明の他の目的は、上記ガスバリア材の製造方法及び上記ガスバリア材を用いてなる包装材を提供することである。
本発明によれば、ポリカルボン酸系ポリマー(A)と、窒素との間に二重結合を形成する炭素にエーテル結合が形成され、該エーテル結合中の酸素を含んで成る環構造(b)を少なくとも2個含有する化合物(B)及び脱水剤(C)を含み、前記脱水剤(C)がオルト蟻酸メチル及び/又はオルト酢酸メチルであると共に、前記ポリカルボン酸系ポリマー(A)100重量部当たり1乃至50重量部の量で含有されていることを特徴とするガスバリア材形成用組成物が提供される。
本発明のガスバリア材形成用組成物においては、
1.ポリカルボン酸系ポリマー(A)100重量部当たり、前記化合物(B)を1乃至50重量部の量で含有すること、
2.化合物(B)に含まれる環構造(b)の少なくとも1個がオキサゾリン基又はその誘導体であること、
3.化合物(B)が、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)であること、
4.ポリカルボン酸系ポリマー(A)が、ポリ(メタ)アクリル酸又はその部分中和物であること、
が好適である。
本発明によればまた、上記ガスバリア材形成用組成物から成り、該ガスバリア材形成用組成物のポリカルボン酸系ポリマー(A)のカルボキシル基と化合物(B)の環構造(b)が反応することにより架橋構造が形成されていることを特徴とするガスバリア材が提供される。
本発明のガスバリア材においては、前記架橋構造が、架橋部にアミドエステル結合が少なくとも2個形成されていることが好適である。
本発明によればまた、多価金属イオンによって、残余の未反応カルボキシル基の間に金属イオン架橋が形成されていることが好適である。
本発明によれば更にまた、上記ガスバリア材を、多価金属化合物を含有する水で処理することにより、残余の未反応カルボキシル基の間に金属イオン架橋を形成させることを特徴とするガスバリア材の製造方法が提供される。
本発明によればまた、上記ガスバリア材から成る層を、プラスチック基体の表面或いはプラスチックの層間に備えてなることを特徴とする包装材が提供される。
本発明の包装材においては、前記ガスバリア材からなる層が、アンカー層を介してプラスチック基体の表面或いは少なくとも一方の面がアンカー層を介してプラスチックの層間に設けられていることが好適であり、特にアンカー層がウレタン系ポリマーを含有することが好ましい。
本発明のガスバリア材形成用組成物によれば、より低温短時間での加熱で容易に架橋構造を形成することができるため、プラスチック基体に悪影響を与えることなく且つ製造時間及びエネルギーをより低減することが可能になり、生産性よく、優れたガスバリア材を形成することが可能となる。
また本発明のガスバリア材形成用組成物によれば、脱水剤(C)を配合することにより、架橋反応を阻害する水を除去することが可能となり、架橋反応を効率よく進めることができるため、架橋剤の使用量を減らすことができるとともに、ガスバリア材形成用組成物の貯蔵安定性が顕著に向上される。
特に脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチル及び/又はオルト酢酸メチルを用いることによって、脱水反応により生じる副生物もガスバリア材を形成する際に容易に蒸発して消失するため、本発明のガスバリア材の優れた性能を損なうことがない。
本発明のガスバリア材形成用組成物から得られるガスバリア材は、優れたガスバリア性、耐水性を有すると共に、レトルト殺菌のような高温湿熱条件下におかれた後も優れたガスバリア性を達成でき、耐レトルト性をも付与することが可能となる。
更にまた本発明のガスバリア材は可撓性にも優れているため、可撓性の包装材に使用しても問題になるようなガスバリア材の損傷によるガスバリア性の低下がないと共に、プラスチック基材上に形成して多層予備成形体として更に加工を付すこともできる。
更にポリカルボン酸系ポリマー及び特定の官能基を有する架橋剤による架橋形成後未反応で残存するカルボキシル基間に金属イオン架橋構造を導入することにより、高湿度条件下におけるガスバリア性を顕著に改善することも可能となる。
本発明のガスバリア材形成用組成物は、ポリカルボン酸系ポリマー(A)と、窒素との間に二重結合を形成する炭素にエーテル結合が形成され、該エーテル結合中の酸素を含んで成る環構造(b)を少なくとも2個含有する化合物(B)及び脱水剤(C)を含むことが重要な特徴である。
本発明のガスバリア材形成用組成物がガスバリア材を形成する基本構造は、前記ポリカルボン酸系ポリマー(A)のカルボキシル基と化合物(B)の環構造(b)が反応することにより架橋構造が形成されるものによるものであり、下記式(2)に示すように、ポリカルボン酸系ポリマー(A)のカルボキシル基と、化合物(B)の環構造(b)が反応してアミドエステルを形成し、架橋部分にアミドエステル結合が2個形成された架橋塗膜として形成され、これにより優れたガスバリア性を付与することが可能となるのである。
Figure 0005036340
上記ガスバリア材が優れたガスバリア性を示す理由は以下の通りであると考えられる。
i)主成分であるポリマーがポリカルボン酸系ポリマーであるため、側鎖のカルボキシル
基が高水素結合性を有し強い凝集力が働くため、優れたガスバリア性を有する基本構造
を形成することができる。
ii)ポリマー側鎖であるカルボキシル基と架橋成分である化合物(B)の環構造(b)
との反応により、ガスバリア性に有効な構造であるアミドエステル結合を形成すること
ができる。
iii)環構造(b)が架橋形成に必要最小限の2個であるため、架橋点の構造が3次元的
に広がり難く、ガスバリア性に優れた緻密な架橋構造を形成することができる。
iv)主成分にポリカルボン酸系ポリマーを用いると、架橋に用いられなかった未反応の
カルボキシル基を金属イオン架橋させて、高湿度条件下におけるガスバリア性を更に向
上させることができ、高湿度条件下においても損なわれることのない優れたガスバリア
性を付与することもできる。
またポリカルボン酸系ポリマー(A)の化合物(B)による架橋は、低温且つ短時間での加熱により皮膜形成可能で、ガスバリア材を形成すべきプラスチック基体に与える影響も少なく、また生産性にも優れているという利点もある。
しかしながら、上記(2)に表される架橋反応において、水が存在すると化合物(B)が失活し、架橋反応が阻害されることがわかった。このため、本発明のガスバリア材形成用組成物においては、上記(A)及び(B)成分に加えて脱水剤(C)を配合することにより反応系に存在する水を除去することができ、これによりガスバリア材形成用組成物の貯蔵安定性を向上でき、化合物(B)をポリカルボン酸系ポリマー(A)と効率よく反応させて架橋反応を促進することが可能となるのである。
すなわち、脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチルを用いた場合の脱水反応を示す下記式(3)において、脱水反応により生じた副生物はメタノールと蟻酸メチルに分解されるが、これらは共に架橋反応の反応条件下では容易に蒸発して、形成されるガスバリア材中に残留することがないため、本発明のガスバリア材形成用組成物においては、形成されるガスバリア材は脱水剤(C)を配合していないものと同様でありながら、架橋反応を促進することが可能となって、より低温短時間での架橋構造を形成することが可能になるのである。
Figure 0005036340
このことは後述する実施例の結果からも明らかである。
すなわち、脱水剤(C)を配合して成る本発明のガスバリア材形成用組成物から成るガスバリア材(実施例1〜10)は、同一条件で硬化させた脱水剤を配合していないガスバリア材形成用組成物から成るガスバリア材(比較例5〜9)に比して、塗膜の硬化状態を示すメタノール抽出率(%)の値がかなり低く、優れた硬化性が得られていることが明らかである。
また脱水剤(C)を配合していないガスバリア材形成用組成物から成るガスバリア材(比較例5〜9)は、レトルト殺菌後の酸素透過係数の値がやや低下するのに対して、本発明のガスバリア形成用組成物からなるガスバリア材(実施例1〜10)は、レトルト殺菌後の酸素透過係数の値のばらつきが少なく、レトルト殺菌後も優れたガスバリア性を確実に発現し得ることが明らかである。
(ガスバリア材形成用組成物)
[ポリカルボン酸系ポリマー(A)]
本発明のガスバリア材形成用組成物に用いるポリカルボン酸系ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー等のカルボキシル基を有するモノマーの単独重合体又は共重合体、及びこれらの部分中和物を挙げることができ、好適には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸を用いることが好ましい。
上記ポリカルボン酸系ポリマーの部分中和物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化金属塩、アンモニア等により部分中和することができる。
上記部分中和物の中和度は、特に限定されないが、カルボキシル基に対するモル比で30%以下であることが好ましい。上記範囲よりも多いとカルボキシル基の水素結合性が低下してガスバリア性が低下する。
ポリカルボン酸系ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、2000乃至5000000、特に10000乃至1000000の範囲にあることが好ましい。
またポリカルボン酸系ポリマーは、含水率が15%以下であることが特に好適である。これにより、脱水剤(C)の配合と相俟って、本発明のガスバリア材をより一層低温短時間で製造することが可能となる。
含水率を15%以下とするには、ポリカルボン酸系ポリマーに対し、加熱や減圧などの脱水処理を行う方法が挙げられる。
脱水処理は例えば、電気オーブンで140乃至180℃の温度で5乃至20分程度の加熱処理で充分であり、他の加熱手段でも良く、他に減圧や加熱と減圧を組合わせた処理を用いても構わない。
ポリカルボン酸系ポリマーの含水率は、カール・フィッシャー法により求められる。カール・フィッシャー法によって求められる含水率は、水分気化のためのポリカルボン酸系ポリマーの加熱条件に依存する。加熱条件を200℃未満に設定してしまうと、ポリカルボン酸系ポリマーへの吸着水量(自由水量)は把握できるものの、高水素結合性ポリマーであるポリカルボン酸系ポリマーが、構造水として持つ水分量も含めて含水率として求めることは難しいと考えられる。一方、250℃を超えると、ポリカルボン酸系ポリマーが著しく分解してしまう危険性があるため、好ましくない。従って自由水及び構造水の両方を加味した含水率を求めるには、加熱条件として200乃至250℃が好適範囲と考えられる。
[化合物(B)]
本発明のガスバリア材形成用組成物において、ポリカルボン酸系ポリマーを架橋するための架橋剤として用いられる化合物(B)は、窒素との間に二重結合を形成する炭素にエーテル結合が形成され、該エーテル結合中の酸素を含んで成る環構造(b)、すなわち−N=C−O−基、或いは=C−O−部分を環内に持つオキソイミノ基を有する環構造を2個含有するものであり、かかる環構造(b)としては、これに限定されないが下記の環構造を例示することができる。
Figure 0005036340
一方、下記式(4)
Figure 0005036340
に示されるような、エーテル結合中の酸素を含まない環構造ではポリカルボン酸系ポリマーとアミドエステル結合を生成する架橋反応が起こらない。
また、環構造が1個では架橋することができない。3個以上では架橋点の構造が3次元的に広がり、ガスバリア性に優れた緻密な架橋構造が形成できないため好ましくない。これらのことより、窒素と炭素が二重結合を形成していること、炭素がエーテル結合を形成していること、窒素との間に二重結合を形成する炭素にエーテル結合が形成されていること、それらの条件が単独で存在するだけではなく、窒素との間に二重結合を形成する炭素にエーテル結合が形成され、該エーテル結合中の酸素を含んで成る環構造(b)を2個含有することが重要なのである。
本発明のガスバリア材形成用組成物に用いる化合物(B)は、上述したような環構造(b)を2個含有するものであり、かかる環構造は同一の環構造が2個でもよいし、異なる環構造の組み合わせであってもよいが、少なくとも1個がオキサゾリン基又はその誘導体であることが好適である。
かかる環構造(b)を2個有する化合物(B)としては、これに限定されないが、例えば、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(5,5’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4,4’,4’−テトラメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−3,3′−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−シクロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等のビスオキサゾリン類:2,2′−メチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−エチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−プロピレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ブチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−m−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ナフチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−p・p′−ジフェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)等のビスオキサジン類を例示することができる。
本発明においては、機械的特性及び着色等の点から、ポリアクリル酸ポリマー(A)と化合物(B)により形成される架橋部分が、脂肪族鎖により形成されていることが好適であることから、上記化合物(B)の中でも芳香環を有しないものを好適に使用することができ、中でも2,2’−ビス(2−オキサゾリン)を特に好適に用いることができる。
[脱水剤(C)]
本発明のガスバリア材形成用組成物に用いる脱水剤としては、それ自体公知の脱水剤を使用することができ、これに限定されないが以下の脱水剤を挙げることができる。
(i)粉末状で多孔性に富んだ金属酸化物又は炭化物質;例えば、合成シリカ、活性アルミナ、ゼオライト、活性炭等、
(ii)CaSO、CaSO・1/2HO、CaOなどの組成を有するカルシウム化合物類;例えば、焼き石膏、可溶性石膏、生石灰等、
(iii)金属アルコキシド類;例えば、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウム sec−ブチレート、テトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、ジルコニウム2−プロピレート、ジルコニウムn−ブチレート、エチルシリケート、ビニルトリメトキシシラン等
(iv)単官能イソシアネート類;例えば、アディティブTI(住化バイエルウレタン(株)製、商品名)等、
(v)有機アルコキシ化合物類;例えば、下記式(1)で表される有機アルコキシ化合物、が挙げられる。
Figure 0005036340
(式(1)中、Rは水素原子又は−CHを表し、Rは同一又は相異なってもよい−CH3、−Cを表す。)
これらの脱水剤は、単独で又は2種以上併用して使用することができる。
式(1)で表される有機アルコキシ化合物として、特に加熱乾燥時に揮散し易いことから、オルト蟻酸メチル及び/又はオルト酢酸メチルを好適に使用することができる。
[ガスバリア材形成用組成物の調製]
本発明のガスバリア材形成用組成物は、上述したポリカルボン酸系ポリマー(A)100重量部当たり、前記化合物(B)を1乃至50重量部、特に3乃至50重量部、及び脱水剤(C)を1乃至100重量部、特に1乃至50重量部の量で含有して成ることが好適である。
本発明のガスバリア材形成用組成物においては、脱水剤(C)が配合されているため、ガスバリア材形成用組成物の調製に、水或いは水以外のアルコール等の溶剤、水/アルコール等の混合溶媒を用いることができるが、脱水剤(C)による反応系からの脱水を有効に行うためには、ガスバリア材形成用組成物の調製に用いる溶媒は水以外の溶媒が主成分であることが好ましく、揮発させるために必要な熱量が水より少ない溶媒が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、特にメタノールが好ましい。
調製方法としては、ポリカルボン酸系ポリマー(A)、化合物(B)及び脱水剤(C)の各成分を溶媒に溶解させてもよいし、或いは(A)及び(B)成分を含有する溶液をそれぞれ調製した後混合して(C)成分を配合することによっても調製することができる。
また本発明のガスバリア材形成用組成物においては、ポリカルボン酸系ポリマー(A)のカルボキシル基と、化合物(B)の環構造(b)の反応を促進するために酸触媒を加えてもよい。酸触媒としては、酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、安息香酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸等の一価の酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、ポリカルボン酸等の二価以上の酸を挙げることができる。
本発明のガスバリア材形成用組成物には、上記成分以外にも、無機分散体を含有することもできる。このような無機分散体は、外部からの水分をブロックし、ガスバリア材を保護する機能を有し、ガスバリア性や耐水性を更に向上させることができる。
かかる無機分散体は、球状、針状、層状等、形状は問わないが、ポリカルボン酸ポリマー(A)及び化合物(B)に対して濡れ性を有し、ガスバリア材形成用組成物中において、良好に分散するものが使用される。特に水分をブロックし得るという見地から、層状結晶構造を有するケイ酸塩化合物、例えば、水膨潤性雲母、クレイ等が好適に使用される。これらの無機分散体は、アスペクト比が30以上5000以下であることが層状に分散させ、水分をブロックするという点で好適である。
無機分散体の含有量はポリカルボン酸ポリマー(A)及び化合物(B)の合計100重量部に対し、5乃至100重量部の量で含有していることが好ましい。
(ガスバリア材)
本発明のガスバリア材は、上述したガスバリア材形成用組成物を、用いるポリカルボン酸系ポリマー(A)や化合物(B)の種類や、或いはガスバリア材形成用組成物の塗工量にもよるが、100乃至150℃、好ましくは110乃至140℃の温度で2秒乃至5分間(ピーク保持時間)加熱することにより製造することができる。
本発明のガスバリア材は、上記ガスバリア材形成用組成物を直接シート状やフィルム状等にしてこれを加熱して架橋構造を形成してガスバリア材とすることもできるし、或いは上記ガスバリア材形成用組成物を基体上に塗布したものを加熱して架橋構造を形成した後、基体から取外して単層のガスバリア材とすることもできるし、或いはプラスチック基体上にガスバリア層を形成して、多層のガスバリア材とすることもできる。
架橋構造が形成されたガスバリア材においては、架橋構造の形成に使用されなかった未反応のカルボキシル基が残存していることから、本発明においては更に、未反応で残存するカルボキシル基間に金属イオン架橋を形成させることが特に好ましく、これにより、未反応のカルボキシル基が低減して耐水性が顕著に向上すると共に、ポリカルボン酸系ポリマーの架橋構造に更にイオン架橋構造が導入されるため、より緻密な架橋構造が付与され、特に高湿度条件下におけるガスバリア性を顕著に向上させることが可能となるのである。
金属イオン架橋は、ガスバリア材中の少なくとも酸価100mg/gKOH以上の量に相当するカルボキシル基を金属イオンにより架橋することが好ましく、330mg/gKOH以上であることがより好ましい。
架橋構造が形成されたガスバリア材中の残余の未反応のカルボキシル基の間に金属イオン架橋を形成するには、ガスバリア材を多価金属化合物を含有する水で処理することにより容易に金属イオン架橋構造を形成することができる。
多価金属化合物を含有する水による処理としては、(i)多価金属化合物を含有する水中へのガスバリア材の浸漬処理、(ii)多価金属化合物を含有する水のガスバリア材へのスプレー処理、(iii)(i)乃至(ii)の処理後に高湿度下にガスバリア材を置く雰囲気処理、(iv)多価金属化合物を含有する水でレトルト処理(好ましくは、包材と熱水が直接接触する方法)、等を挙げることができる。
上記処理(iii)は、上記処理(i)〜(ii)後のエージング効果をもたらす処理であり、(i)〜(ii)処理の短時間化を可能にする。上記処理(i)〜(iii)の何れの場合も使用する処理水は冷水でも構わないが、多価金属化合物を含有する水がガスバリア材に作用しやすいように、多価金属化合物を含有する水の温度を20℃以上、特に40乃至100℃の温度とする。処理時間は、(i)〜(ii)の場合は、1秒以上、特に3秒乃至4日程度処理を行うことが好ましい。さらに(iii)の処理を行う場合は、(i)〜(ii)処理を0.5秒以上、特に1秒乃至1時間程度処理した後、高湿度下にガスバリア材を置く雰囲気処理を1時間以上、特に2時間乃至14日程度処理することが好ましい。上記処理(iv)の場合は、処理温度は101℃以上、特に120乃至140℃の温度であり、1秒以上、特に3秒乃至120分程度処理を行う。
また、多価金属化合物を予め溶解乃至分散させておいたコーティング液から形成したガスバリア材を、水乃至多価金属化合物を含有する水で同様に処理してもよい。
多価金属イオンとしては、前記樹脂が有するカルボキシル基を架橋可能である限り特に制限されず、2価以上、特に2〜3価であることが好ましく、好適にはマグネシウムイオンMg2+、カルシウムイオンCa2+等2価の金属イオンが使用できる。
上記金属イオンとしては、アルカリ土類金属(マグネシウムMg,カルシウムCa、ストロンチウムSr,バリウムBa等)、周期表8族金属(鉄Fe,ルテニウムRu等)、周期表11族金属(銅Cu等)、周期表12族金属(亜鉛Zn等)、周期表13族金属(アルミニウムAl等)等の金属の金属イオンが例示できる。2価金属イオンとしては、マグネシウムイオンMg2+,カルシウムイオンCa2+,ストロンチウムイオンSr2+,バリウムイオンBa2+,銅イオンCu2+,亜鉛イオンZn2+等が例示でき、3価金属イオンとしては、アルミニウムイオンAl3+,鉄イオンFe3+等のイオンが例示できる。上記金属イオンは一種又は二種以上組み合わせて使用できる。上記多価金属イオンのイオン源である水解離性金属化合物としては、上記金属イオンを構成する金属の塩、例えば、ハロゲン化物(例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の塩化物)、水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、酸化物(例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム)、無機酸塩、例えば、過ハロゲン酸塩(例えば、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム等の過塩素酸塩等)、硫酸塩、亜硫酸塩(例えば、マグネシウムスルホネート、カルシウムスルホネート等)、硝酸塩(例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム等)、次亜リン酸塩、亜リン酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム等)、有機酸塩、例えば、カルボン酸塩(例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の酢酸塩等)等が挙げられる。
これらの金属化合物は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。またこれらの化合物のうち、上記金属のハロゲン化物、水酸化物等が好ましい。
多価金属化合物は、水中に金属原子換算で0.125mmol/L以上であることが好ましく、0.5mmol/L以上であることがより好ましく、2.5mmol/L以上であることが更に好ましい。
また何れの処理の場合も、多価金属化合物を含有する水は、中性乃至アルカリ性であることが好ましい。
本発明のガスバリア材はレトルト用包材として充分なガスバリア性能を有しており、レトルト後においても酸素透過量が10cm/m・day・atm(25℃−80%RHの環境下)以下、好ましくは5cm/m・day・atm(25℃−80%RHの環境下)以下という優れたガスバリア性及び耐レトルト性を有している。
(包装材)
本発明の包装材は、上記ガスバリア材がプラスチック基体表面或いは、プラスチックの層間に形成されて成るものである。
プラスチック基体としては、熱成形可能な熱可塑性樹脂から、押出成形、射出成形、ブロー成形、延伸ブロー成形或いはプレス成形等の手段で製造された、フィルム、シート、或いはボトル状、カップ状、トレイ状、缶形状等の任意の包装材を挙げることができる
プラスチック基体を構成する樹脂の適当な例は、低−、中−或いは高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−共重合体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のオレフィン系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド等のポリアミド;ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体等のアクリル系共重合体;ポリカーボネート等である。
これらの熱可塑性樹脂は単独で使用しても或いは2種以上のブレンド物の形で存在していてもよい、またプラスチック基体は、単層の構成でも、或いは例えば同時溶融押出しや、その他のラミネーションによる2層以上の積層構成であってもよい。
勿論、前記の溶融成形可能な熱可塑性樹脂には、所望に応じて顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤の1種或いは2種類以上を樹脂100重量部当りに合計量として0.001部乃至5.0部の範囲内で添加することもできる。
また、例えば、この容器を補強するために、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維、パルプ、コットン・リンター等の繊維補強材、或いはカーボンブラック、ホワイトカーボン等の粉末補強材、或いはガラスフレーク、アルミフレーク等のフレーク状補強材の1種類或いは2種類以上を、前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として2乃至150重量部の量で配合でき、更に増量の目的で、重質乃至軟質の炭酸カルシウム、雲母、滑石、カオリン、石膏、クレイ、硫酸バリウム、アルミナ粉、シリカ粉、炭酸マグネシウム等の1種類或いは2種類以上を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。
さらに、ガスバリア性の向上を目指して、鱗片状の無機微粉末、例えば水膨潤性雲母、クレイ等を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない
本発明によれば、最終フィルム、シート、或いは容器の表面に前述したガスバリア材を設けることもできるし、容器に成形するための予備成形物にこの被覆を予め設けることもできる。このような予備成形体としては、二軸延伸ブロー成形のための有底又は無底の筒状パリソン、プラスチック罐成形のためのパイプ、真空成形、圧空成形、プラグアシスト成形のためのシート、或いはヒートシール蓋、製袋のためのフィルム等を挙げることができる。
本発明の包装材において、ガスバリア材は一般に0.1乃至10μm、特に0.5乃至5μmの厚みを有することが好ましい。この厚みが前記範囲を下回ると酸素バリア性が不十分となる場合があり、一方この厚みが前記範囲を上回っても、格別の利点がなく、包装材のコストの点では不利となる傾向がある。勿論、このガスバリア材は単一の層として、容器の内面、容器の外面、及び積層体の中間層として設けることができ、また複数の層として、容器の内外面、或いは容器の内外面の少なくとも一方と積層体の中間層として設けることができる。
被覆予備成形体から最終容器への成形は、二軸延伸ブロー成形、プラグアシスト成形等のそれ自体公知の条件により行うことができる。また、コーティング層を設けたフィルム乃至シートを他のフィルム乃至シートと貼り合わせて、積層体を形成し、この積層体をヒートシール蓋、パウチや、容器成形用の予備成形体として用いることもできる。
本発明のガスバリア材を包装材として用いる場合に、ガスバリア材から成る層の少なくとも片面に、アンカー層を設けることが好ましく、これにより層間の密着性を更に高めることができ、容器の機械的強度や積層体の可撓性をより高めることが可能となる。ガスバリア材から成る層を容器の内外面、或いは積層体の最表層に用いる場合は、アンカー層を介してガスバリア材から成る層を形成すれば良く、積層体の中間層に用いる場合は、ガスバリア材から成る層の少なくとも片面にアンカー層を形成すれば良い。
本発明の包装材において、アンカー材は、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ポリエステル系等種々のポリマーから形成され得る。特にウレタン系ポリマーを含有することが好ましい。
また、アンカー材は主剤と硬化剤から構成されていても良く、硬化反応が完了していない状態の前駆体であっても、或いは硬化剤が過剰に存在している状態であっても良い。例えばウレタン系の場合、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール等のポリオール成分とポリイソシアネート成分から主に構成されており、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基数がポリオール成分中の水酸基数よりも過剰になるようにポリイソシアネート成分が存在していても良い。
ウレタン系ポリマー形成に使用されるポリオール成分としては、ポリエステルポリオールが好ましい。ポリエステルポリオールとしては、多価カルボン酸もしくはそれらのジアルキルエステルまたはそれらの混合物と、グリコール類もしくはそれらの混合物とを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸,シクロヘキサンジカルボン酸の脂肪族多価カルボン酸及びその無水物などが挙げられる。
グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6ーヘキサンジオールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールのガラス転移温度は、−50℃乃至100℃が好ましく、−20℃乃至80℃がより好ましい。また、これらのポリエステルポリオールの数平均分子量は1000乃至10万が好ましく、3000乃至8万がより好ましい。
ウレタン系ポリマー形成に使用されるポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、4−シクロヘキシレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、上記ポリイソシアネート単量体から誘導されたイソシアヌレート、ビューレット、アロファネート等の多官能ポリイソシアネート化合物、あるいはトリメチロールプロパン、グリセリン等の3官能以上のポリオール化合物との反応により得られる末端イソシアネート基含有の多官能ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。
本発明の包装材において、アンカー層はこれに限定されないが、例えば、上述したポリエステルポリオール100重量部に対してポリイソシアネートを、1乃至100重量部、特に5乃至80重量部の量で含有して成る塗料組成物を、用いるポリエステルポリオールやポリイソシアネートの種類や、或いは塗料組成物の塗工量にもよるが、60乃至170℃の温度で、2秒乃至5分間加熱することにより製造することができる。
上記塗料組成物の調製は、ポリエステルポリオール及びポリイソシアネートの各成分を、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ソルベッソ(エクソン石油株式会社社製の商品名)、イソホロン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶剤の単独或いは混合液に溶解させてもよいし、或いは各成分の溶液を混合することによっても調製できる。上記成分の外に、公知である硬化促進触媒,充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与性樹脂、繊維類、顔料等の着色剤、可使用時間延長剤等を使用することもできる。
アンカー層の厚みは、0.01乃至10μmであることが好ましく、0.05乃至5μmであることがより好ましく、0.1乃至3μmであることが更に好ましい。この厚みが前記範囲を下回ると、密着性におけるアンカー層の効果が発現しなくなる場合があり、一方この厚みが前記範囲を上回っても、格別の利点がなく、包装材のコストの点では不利となる傾向がある。
本発明の包装材において、アンカー層を設けて層間の密着性を高めると、積層体の可撓性がより高まり、積層体に対して屈曲を繰返した後の酸素透過量の増加を抑制することができる。
本発明を次の実施例により更に説明するが、本発明は次の例により何らかの制限を受けるものではない。
(酸素透過量)
得られたプラスチックフィルムのラミネート積層体の酸素透過量を、酸素透過量測定装置(Modern Control社製、OX−TRAN2/20)を用いて測定した(JIS K−7126に準拠)。
また120℃−30分のレトルト殺菌処理を行った後の酸素透過量も測定した。測定条件は環境温度25℃、相対湿度80%である。
(実施例1)
[ガスバリア材形成用組成物の製造]
ポリカルボン酸系ポリマー(A)としてポリアクリル酸(和光純薬製、25%水溶液、粘度8,000〜12,000cp(30℃))を用い、これを減圧下で乾固させた後、直ちにメタノールに溶解して固形分18.7%の(メタノール)溶液(I)とした。
溶媒組成は、重量比でメタノール/水=80/1.3である。一方、化合物(B)として2,2’−ビス(2−オキサゾリン)(東京化成製)をメタノールに溶解し、固形分5%の溶液(II)とした。
化合物(B)がポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して5重量%になるように溶液(I)及び(II)を混合し、脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して3重量%になるように混合し、更に固形分が10%になるようメタノールで調整した上でよく攪拌し、コーティング液No.1とした。
[フィルムの製造]
上記、コーティング液No.1をバーコーターにより、厚み12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム2に塗布した。
塗布後の上記フィルムをボックス型の電気オーブンにより、ピーク温度120℃、ピーク温度保持時間10秒の条件で熱処理し、厚み2μmのコーティング層3を有するポリエチレンテレフタレートフィルムNo.1とした。
[積層体の製造]
50℃に暖めた水道水に、水道水1Lに対して塩化カルシウムを金属原子換算で3.75mmol添加し、上記フィルムを1日浸漬処理した。湯中から取り出し乾燥後、コーティング層を下層にして、厚み2μmのウレタン系接着剤4、厚み15μmの2軸延伸ナイロンフィルム5、厚み2μmのウレタン系接着剤6及び厚み70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム7を順次ラミネートし、図1に示すような層構造の積層体No.1を得た。
また、得られた積層体No.1のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、0.2cm/m・day・atm(以後、cmに省略して表記する)、0.2cmであった。
(実施例2)
実施例1において、化合物(B)がポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して10重量%になるように溶液(I)及び(II)、並びに脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して5重量%になるように混合する以外は実施例1と同様の方法で、積層体No.2を得た。
得られた積層体No.2のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、0.2cm、0.2cmであった。
(実施例3)
実施例1において、化合物(B)がポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して20重量%になるように溶液(I)及び(II)、脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して10重量%になるように混合し、とする以外は実施例1と同様の方法で、積層体No.3を得た。
得られた積層体No.3のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、0.4cm、0.5cmであった。
(実施例4)
実施例1において、化合物(B)がポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して40重量%になるように溶液(I)及び(II)、脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して20重量%になるように混合し、とする以外は実施例1と同様の方法で、積層体No.4を得た。
得られた積層体No.4のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、1.1cm、1.2cmであった。
(実施例5)
実施例1において、ポリカルボン酸系ポリマー(A)としてポリアクリル酸(和光純薬製、平均分子量約250,000)をメタノールに溶解した10%溶液(I)を用い、化合物(B)として2,2’−ビス(2−オキサゾリン)(東京化成製)をメタノールに溶解した5%溶液(II)を用いて、化合物(B)がポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して5重量%になるように溶液(I)及び(II)、脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して5重量%になるように混合し、固形分が8%になるようにメタノールでコーティング液を調整する以外は実施例1と同様の方法で、積層体No.5を得た。
得られた積層体No.5のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、3.9cm、3.9cmであった。
(実施例6)
実施例1において、化合物(B)がポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して10重量%になるように溶液(I)及び(II)、脱水剤(C)としてオルト蟻酸エチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して10重量%になるように混合する以外は、実施例1と同様の方法でコーティング層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
上記フィルムを、水道水で120℃−30分間レトルト処理をし、取り出して乾燥後、実施例1と同様の方法でラミネートし、積層体No.7を得た。
得られた積層体No.7のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、0.2cm、0.3cmであった。
(実施例7)
実施例1において、化合物(B)がポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して20重量%になるように溶液(I)及び(II)、脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して20重量%になるように混合する以外は、実施例1と同様の方法でコーティング層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
水道水1Lに対して塩化カルシウムを金属原子換算で7.5mmol添加した溶液を、上記コーティング層の面に均一に5秒間スプレーした後、直ちに環境温度50℃、相対湿度100%の容器内に10日間放置した。取り出して乾燥後、実施例1と同様の方法でラミネートし、積層体No.8を得た。
得られた積層体No.8のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、1.2cm、1.4cmであった。
(実施例8)
実施例1において、化合物(B)がポリカルボン酸ポリマー(A)に対して20重量%になるように溶液(I)及び(II)を混合し、脱水剤(C)としてオルト酢酸メチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して10重量%になるように混合する以外は実施例1と同様の方法で、厚み12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートを得た。
コーティング層を上層にして、厚み2μmのウレタン系接着剤6及び厚み70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム7を順次ラミネートし、図2に示すような層構成の積層体No.9を得た。その後50℃に暖めた水道水に、水道水1Lに対して塩化カルシウムを2.5mmol添加し、上記積層体を14時間浸漬処理し、湯中から取り出して乾燥後、実施例1と同様の方法でラミネートし、積層体No.9を得た。
得られた積層体No.9のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、0.6cm、0.7cmであった。
(実施例9)
実施例1において、化合物(B)がポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して20重量%になるように溶液(I)及び(II)、脱水剤(C)としてオルト蟻酸エチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して10重量%になるように混合し、更にコーティング層を有するポリエチレンテレフタレートに対する浸漬処理を行わない以外は、実施例1と同様の方法で、積層体No.10を得た。
得られた積層体No.10のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、6.5cm、3.0cmであった。
(比較例1)
ポリカルボン酸系ポリマー(A)としてポリアクリル酸(和光純薬製、25%水溶液)を、化合物(B)としてエチレングリコールを用い、(A)に対して(B)が10重量%になるように混合する以外は実施例10と同様の方法で、積層体No.11を得た。
得られた積層体No.11のレトルト殺菌処理前の酸素透過量は、65cm、レトルト殺菌後は、コーティング層が溶解し、積層体がデラミした。
(比較例2)
化合物(B)としてカルボジイミド化合物(日清紡製、カルボジライトV−02、40%水溶液)を用い、これをポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して40重量%になるように混合して、脱水剤(C)としてオルト蟻酸エチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して10重量%になるように混合し、更にメチルエチルケトンで希釈して固形分を10%に調整し、コーティング液とする以外は実施例1と同様の方法で、積層体No.12を得た。
得られた積層体No.12のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、70cm、130cmであった。
(比較例3)
化合物(B)としてイソシアネート化合物(三井武田ケミカル製、WD−730)を用い、これをポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して20重量%になるように混合して、
脱水剤(C)としてオルト酢酸メチルがポリカルボン酸系ポリマー(A)に対して10重量%になるように混合し、更にメチルエチルケトンで希釈して固形分を10重量%に調整し、コーティング液とする以外は実施例1と同様の方法で、積層体No.13を得た。
得られた積層体No.13のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、70cm、130cmであった。
(比較例4)
化合物(B)としてプロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製、デナコールEX−911M)を用い、これをポリカルボン酸系ポリマー(A)に対してプロピレングリコールジグリシジルエーテルが13重量%になるように混合して、更にポリカルボン酸系ポリマー(A)に対してパラトルエンスルホン酸を3重量%添加してコーティング液とする以外は実施例1と同様の方法で、積層体No.14を得た。
得られた積層体No.14のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、12cm、100cmであった。
(比較例5)
脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチル5重量%を配合しない以外は、実施例2と同様の方法で積層体No.15を得た。
得られた積層体No.15のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、0.2cm、0.8cmであった。
(比較例6)
脱水剤(C)としてオルト蟻酸メチル30重量%を配合しない以外は、実施例5と同様の方法で積層体No.17を得た。
得られた積層体No.17レトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、4.0cm、5.1cmあった。
(比較例7)
脱水剤(C)としてオルト蟻酸エチル10重量%を配合しない以外は、実施例7と同様の方法で積層体No.18を得た。
得られた積層体No.18のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、0.2cm、0.9cmであった。
(比較例8)
脱水剤(C)としてオルト蟻酸エチル20重量%を配合しない以外は、実施例8と同様の方法で積層体No.19を得た。
得られた積層体No.19のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、1.8cm、2.5cmであった。
(注意1)
未コート積層体のレトルト殺菌処理前後の酸素透過量は、70cm、130cmであった。
実施例1〜10、比較例1〜8
表1、表2に、コーティング液の配合内容及び積層体No.1〜No.19について示す。
Figure 0005036340
Figure 0005036340
(注2)メタノール抽出率
下記の手順に従って、メタノール抽出率を求めた。
試験板の重量を測定した。・・・(1)
試験板に塗料を乾燥膜厚2μmとなるように塗装し、設定温度140℃、処理時間2分の条件で熱処理した試験板の重量を測定した。・・・(2)
1000mlのメタノールに浸漬して加熱して還流下で60分間抽出処理を行った試験板を乾燥し、重量を測定した。・・・(3)
塗膜のメタノール浸漬前後における重量減少量(%)を下記式に従って測定した。
メタノール抽出率(%)=[(2)−(3)/(2)−(1)]×100
(注3)酸素透過量増加分
得られた積層体のレトルト殺菌処理後の酸素透過量からレトルト殺菌処理前の酸素透過量を差し引いた値を、酸素透過量増加分とした。
(実施例11)
[アンカー層形成用コーティング液]
ポリエステルポリオール(東洋紡績(株)製、バイロン200)を酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(重量比で60/40)に溶解し、20重量%とした。この溶液中にポリイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製、スミジュールN3300)及びジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ(和光純薬製)を、それぞれポリエステルポリオールに対して60重量%、0.8重量%になるように加え、全固形分が14重量%になるように前記混合溶媒にて希釈し、アンカー層形成用コーティング液とした。
[フィルムの製造]
上記アンカー層形成用コーティング液をバーコーターにより、厚み12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム2に塗布した後、ガスオーブンにより、ピーク温度80℃、ピーク温度保持時間10秒の条件で熱処理し、厚み0.5μmのアンカー層9を有するポリエチレンテレフタレートフィルムとした。
[積層体の製造]
前記フィルムを基材として実施例2のコーティング液No.2を塗布し、以下、実施例1と同様の方法で、積層体No.20を得た。
(比較例10)
積層体の製造において、フィルムを基材として比較例5のコーティング液No.15を塗布し、以下、実施例11と同様の方法で、積層体No.21を得た。
[可撓性の評価]
得られたプラスチックフィルムのラミネート積層体を、120℃−30分のレトルト殺菌処理を行った後に、130mm×100mmの大きさに切り出し、30mmφで長さ130mmの円筒状にしてゲルボフレックステスターに取付けた。温度23℃、相対湿度50%RHの環境下でゲルボフレックステスターによりクラッシュ処理を100回行った。1回のクラッシュ処理は、ねじり運動(ねじれ角180℃、運動長60mm)と水平運動(運動長20mm)から成る。
その後上述の通り酸素透過量を測定し、クラッシュ処理前の酸素透過量、即ちレトルト殺菌処理を行った後の酸素透過量と比較した。
上記実施例11及び比較例10で得られた積層体をレトルト処理した後、ゲルボフレックステスターによる100回クラッシュ処理前後の酸素透過量の測定結果を表3に示す。
Figure 0005036340
クラッシュ処理前後で両者とも良好なバリア性能を示したが、実施例11はクラッシュ処理後の酸素透過量の増加がより少なかった
実施例1で作成した積層体の断面構造を示す図である。 実施例8で作成した積層体の断面構造を示す図である。
符号の説明
1、8:積層体
2 :厚み12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
3 :厚み2μmのコーティング層
4、6:厚み2μmのウレタン系接着剤
5 :厚み15μmの2軸延伸ナイロンフィルム
7 :厚み70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム

Claims (12)

  1. ポリカルボン酸系ポリマー(A)と、窒素との間に二重結合を形成する炭素にエーテル結合が形成され、該エーテル結合中の酸素を含んで成る環構造(b)を少なくとも2個含有する化合物(B)及び脱水剤(C)を含み、前記脱水剤(C)がオルト蟻酸メチル及び/又はオルト酢酸メチルであると共に、前記ポリカルボン酸系ポリマー(A)100重量部当たり1乃至50重量部の量で含有されていることを特徴とするガスバリア材形成用組成物。
  2. 前記ポリカルボン酸系ポリマー(A)100重量部当たり、前記化合物(B)を1乃至50重量部の量で含有する請求項1記載のガスバリア材形成用組成物。
  3. 前記化合物(B)に含まれる環構造(b)の少なくとも1個がオキサゾリン基又はその誘導体である請求項1又は2記載のガスバリア材形成用組成物。
  4. 前記化合物(B)が、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)である請求項1乃至3の何れかに記載のガスバリア材形成用組成物。
  5. 前記ポリカルボン酸系ポリマー(A)が、ポリ(メタ)アクリル酸又はその部分中和物である請求項1乃至4の何れかに記載のガスバリア材形成用組成物。
  6. 請求項1乃至の何れかに記載のガスバリア材形成用組成物から成り、該ガスバリア材形成用組成物のポリカルボン酸系ポリマー(A)のカルボキシル基と化合物(B)の環構造(b)が反応して架橋構造が形成されていることを特徴とするガスバリア材。
  7. 前記架橋構造が、架橋部にアミドエステル結合が少なくとも2個形成されていることを特徴とする請求項に記載のガスバリア材。
  8. 多価金属イオンによって、残余の未反応カルボキシル基の間に金属イオン架橋が形成されている請求項又は記載のガスバリア材。
  9. 請求項又は記載のガスバリア材を、多価金属化合物を含有する水で処理することにより、残余の未反応カルボキシル基の間に金属イオン架橋を形成させることを特徴とするガスバリア材の製造方法。
  10. 請求項乃至の何れかに記載のガスバリア材から成る層を、プラスチック基体の表面或いはプラスチックの層間に備えてなることを特徴とする包装材。
  11. 前記ガスバリア材からなる層が、アンカー層を介してプラスチック基体の表面或いは少なくとも一方の面がアンカー層を介してプラスチックの層間に設けられている請求項10記載の包装材。
  12. 前記アンカー層がウレタン系ポリマーを含有する請求項11記載の包装材。
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