JP5035958B2 - 分岐型化合物、これを用いた有機薄膜及び有機薄膜素子 - Google Patents

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Description

本発明は、分岐型化合物、これを用いた有機薄膜及び有機薄膜素子に関する。
電荷(電子又はホール)輸送性を有する有機材料を含む薄膜は、有機薄膜トランジスタ、有機太陽電池、光センサ等の有機薄膜素子への応用が期待されており、有機p型半導体(ホール輸送性を示す)および有機n型半導体(電子輸送性を示す)の開発が種々検討されている。
有機p型半導体材料として、オリゴチオフェン、ポリチオフェンなどチオフェン環を有する化合物が、安定なラジカルカチオン状態をとりうることから高いホール輸送性を示すことが期待されている。特に鎖長の長いオリゴチオフェンは共役長が長くなり、より効果的にホール輸送できることが予想されているが、直鎖状の分子では固体状態での分子配列の規則性に乏しいため分子間相互作用が十分でなく、いまだその潜在能力を十分に利用できていない。
一方、デンドリマーやハイパーブランチポリマーと呼ばれる超分岐構造を有する化合物が注目されている。デンドリマーやハイパーブランチポリマーは、直鎖状の化合物と異なり、粘度を低くできること、有機溶媒への溶解性が良好であること、官能基の導入により機能発現ができることなどの特徴を有している(非特許文献1)。また、分岐構造を有したオリゴチオフェンについても種々報告されている(特許文献1〜2、非特許文献2〜6参照)。
特許第3074277号 特開2005−272846号公報 柿本雅明、高分子47巻、11月号(1998年)、p.804-807 Chuanjun Xia et al., Org. Lett. 2002,vol.4,No.12,p.2067-2070 Chuanjun Xia et al., J. Am. Chem. Soc. 2004,vol.126,p.8735-8743 S A. Ponomarenko et al., Adv. Func. Mat. 2003,vol.13 p.591-596 Jerome Bras et al., Chem. Mater. 2000,vol.12,p.2372-2384 根岸他, Polymer Preprints,Japan 2005,vol.54,No.2,p.2869-2870
しかしながら、有機半導体材料を用いた有機薄膜素子の実用化という観点からは、高い電荷輸送性だけでなく素子の安定性を高めることが要求されている。有機半導体材料における電荷の輸送現象は、例えばホール輸送では、中性状態の分子から電子が引き抜かれカチオン状態になる(酸化)過程とその逆過程を繰り返しながらホールを輸送する現象ととらえることができ、酸化に対する安定性を有する材料が素子の安定性のためにも重要である。しかしながら、上述した公知の材料では未だ十分な性能とは言い難い。
そこで、本発明の目的は、電荷輸送性及び安定性に優れる有機p型半導体として利用可能な分岐型化合物を提供することにある。本発明の目的はまた、この分岐型化合物を含む有機薄膜、及びこの有機薄膜を備える有機薄膜素子を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、コア部と、該コア部に結合した少なくとも1つの側鎖部と、から構成される分岐型化合物であって、上記側鎖部の少なくとも1つは、下記一般式(1)で表される繰返し単位が1又は2以上繰り返してなり(但し、コア部と結合する前記繰返し単位においては、Tがコア部に結合しており、2以上繰り返す前記繰返し単位においては、LがTに結合している。)、
Lは、連結により共役を生じる共役形成単位が複数連結して構成され、
上記共役形成単位としてチエニレン単位を含み、該チエニレン単位はL中で少なくとも3つ連結しており、
Lの末端(Tと結合していない側のLの末端)に存在する共役形成単位は、フェニル基又は置換フェニル基である、分岐型化合物を提供する。以下の式(1)中、Lは置換基を有していてもよい2価の有機基を示し、Tは置換基を有していてもよい3価の有機基を示す。なお、側鎖部については、その全てが、下記一般式(1)で表される繰返し単位が1又は2以上繰り返してなることが好ましい。
Figure 0005035958
本発明の分岐型化合物は、少なくとも側鎖部にチオフェン環構造を備えることから環同士の共役平面性が良好となり、分子間の相互作用を強くすることができるため、電荷輸送性に優れた有機半導体として利用可能である。また、分岐末端にフェニル基又は置換フェニル基を有しているため、他の末端、例えばチオフェン末端の化合物に比べて、化合物の安定性が非常に優れている。これらに加え、本発明の分岐型化合物は、溶剤への溶解性が優れているため、溶液を用いて薄膜を形成することで、性能の優れた有機薄膜素子が製造可能となる。
本発明の分岐型化合物において、コア部、T及びLが全体として共役して分岐型共役化合物を形成していることが好ましい。このような構造をとることで、分子全体として平面性が高くなるとともに共役性が高まり、有機半導体として使用した場合の電荷輸送性に顕著に優れることになる。また、末端をフェニル基又は置換フェニル基としたときの化合物の安定性向上効果が一層優れたものとなる。
本発明の分岐型化合物は、一般式(1)で表される繰返し単位の2以上が、Tでコア部と結合していることが好ましく、Lは、下記一般式(2)で表される2価の有機基が好ましい。
Figure 0005035958
式(2)中、Ar1は、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を示す。R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を示し、これらの基における一部又は全部の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。なお、R、R、R及びRが複数存在するときは、これら(複数のR、R、R及びR)はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、m、n及びoは、それぞれ独立に、0〜5の整数を示す。ただし、mとoとの和は3〜10の整数である。nが0の場合が好ましく、R、R、R及びRの少なくとも一つは水素原子でないことが好ましい。
このような構造を有する分岐型化合物は、共役性が良好であり、化合物の安定性も特に優れるようになる。したがって、電荷輸送性に一層優れ、有機p型半導体として適用したときに優れた特性を発揮する。
本発明の分岐型化合物においては、Tが下記一般式(3)〜(7)で表される3価の有機基のいずれかであることが好ましく、下記式(4’)で表される3価の有機基が特に好ましい。
Figure 0005035958

Figure 0005035958

なお、式(3)中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基又はシアノ基を示す。
また、下記一般式(8)で表される2価の有機基がコア部として特に好ましい。
Figure 0005035958
式(8)中、Arは、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を示す。R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を示し、これらの基における一部又は全部の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。なお、R、R、R及びRが複数存在するときは、これら(複数のR、R、R及びR)はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、p、q及びrは、それぞれ独立に、0〜10の整数を示す。ただし、pとrとの和は5〜20の整数である。
上述のようなコア部から構成される分岐型化合物は、さらに共役性に優れるものとなり、電荷輸送性及び安定性により一層優れる有機p型半導体として利用可能となる。特に、Lが一般式(2)で表される2価の有機基である場合は、分子全体としての均一性が優れることになり、分子全体としての共役性が高まり、有機半導体として使用した場合の電荷輸送性が大幅に向上する。
上記一般式(1)で表される繰返し単位は、下記一般式(9)で表される繰返し単位であることが好適である。
Figure 0005035958
式(9)中、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、これらの基における一部又は全部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。R10及びR11が複数存在するときは、これら(複数のR10及びR11)はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、kは、3〜10の整数を示す。
Lの末端に存在する共役形成単位については、フェニル基が特に好ましい。本発明者らは側鎖部の末端が化合物の安定性向上に寄与すると推察しているが、末端の共役形成単位がフェニル基である場合は化合物の安定性向上効果が特に顕著となる。
本発明は、また、上記本発明の分岐型化合物を含む有機薄膜を提供する。上記有機薄膜は、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法又はフレキソ印刷法により形成されることが好ましい。
本発明は、更に、上記有機薄膜を備える有機薄膜素子、有機薄膜トランジスタ、有機太陽電池及び光センサを提供する。
このような有機薄膜、有機薄膜トランジスタ、有機太陽電池及び光センサは、上述のように優れた電荷輸送性を示す本発明の分岐型化合物を用いて形成されているため、優れた性能を得ることができる。
本発明によれば、電荷輸送性及び安定性に優れる有機p型半導体として利用可能な新規の分岐型化合物を提供することができる。また、本発明によれば、この分岐型化合物を含有する有機薄膜及びこの有機薄膜を備える有機薄膜素子を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明の分岐型化合物は、コア部と、該コア部に結合した少なくとも1つの側鎖部と、から構成され、いわゆるデンドリマー(デンドリックポリマー)、ハイパーブランチポリマー、スターバーストポリマーといった構造をとり得る化合物である。側鎖部の骨格は一般式(1)で表され、好適な側鎖部は上述の通りである。コア部については、x価の有機基が好ましい(xは1以上の整数であり、側鎖部の数に対応する。以下同様)。コア部としては、x価の芳香族炭化水素基、x価の複素環基、x価のアリールアミン又はその誘導体からなる基、もしくはそれらを組み合わせた有機基が例示される。
x価の芳香族炭化水素基とは、ベンゼン環又は縮合環から水素原子x個を除いた残りの原子団をいい、通常炭素数6〜60、好ましくは6〜20である。縮合環としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、ルブレン、フルオレンが挙げられる。これらの中でもベンゼン環から水素原子x個以上を除いた残りの原子団が最も好ましい。なお、芳香族炭化水素基上に置換基を有していてもよい。ここで、x価以上の芳香族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。なお、置換基としては、ハロゲン原子、飽和若しくは不飽和炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
また、x価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子x個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は、通常4〜60、好ましくは4〜20である。複素環化合物としては、例えば、チオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾールが挙げられる。これらの中でもチオフェン、ベンゾチアジアゾールから水素原子x個を除いた残りの原子団が最も好ましい。なお複素環基上に置換基を有していてもよく、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。なお、置換基としては、ハロゲン原子、飽和若しくは不飽和炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
x価のアリールアミン又はその誘導体からなる基とは、アミンに1以上のアリール基を置換した化合物またはその化合物を複数結合した化合物などの誘導体から水素原子x個除いた残りの原子団をいう。アリールアミン又はその誘導体としては、例えば、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、N,N’−テトラフェニル−フェニレンジアミン、N,N’−テトラフェニル−ビフェニレンジアミン等が例示され、トリフェニルアミンが好ましい。
コア部は、下記一般式(8)で表される単位であると、分岐型化合物の共役性がさらに向上し、電荷輸送性が向上するため、より好ましい。
Figure 0005035958
式(8)中、Arは、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を示す。R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を示し、これらの基の一部又は全部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよくい。なお、R、R、R及びRが複数存在するときは、複数のR、R、R及びRは同一でも異なっていてもよい。また、p、q及びrは、それぞれ独立に、0〜10の整数を示す。ただし、pとrとの和は3〜20の整数が好ましく、5〜10がより好ましい。
電荷の輸送性を高める観点から、上記一般式(8)においてqが0の場合、すなわち、コア部がすべてチオフェン環からなるものが好ましく、p+rが9〜15のものがさらに好ましい。有機溶媒への溶解性を高める観点から、R、R、R及びRの少なくとも一つは水素原子でないことが好ましい。
上記一般式(2)及び(8)において、Ar及びArで表される2価の芳香族炭化水素基とは、ベンゼン環又は縮合環から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、通常炭素数6〜60、好ましくは6〜20である。縮合環としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、ルブレン、フルオレンが挙げられる。これらの中でもベンゼン環及びフルオレン環から水素原子2個を除いた残りの原子団が最も好ましい。なお、芳香族炭化水素基上に置換基を有していてもよい。ここで、2価の芳香族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。なお、置換基としては、ハロゲン原子、飽和若しくは不飽和炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
また、Ar及びArで表される2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は、通常4〜60、好ましくは4〜20である。複素環化合物としては、例えば、チオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾールが挙げられる。これらの中でもチオフェン、ベンゾチアジアゾールから水素原子2個を除いた残りの原子団が最も好ましい。なお複素環基上に置換基を有していてもよく、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。なお、置換基としては、ハロゲン原子、飽和若しくは不飽和炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
〜R11で表されるアルキル基には特に制限はなく、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロドデシル基などが挙げられ、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましいく、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基がさらに好ましい。
〜RおよびR〜Rで表されるアルコキシ基には特に制限はなく、上述のアルキル基をその構造中に含むアルコキシ基が例示される。
〜R11で表されるアリール基には特に制限がなく、炭素数6〜60のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
〜RおよびR〜Rで表される1価の複素環基には特に制限がなく、炭素数4〜60の複素環基が好ましく、例えば、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基などが例示され、炭素数4〜20の複素環基が好ましく、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基がより好ましい。
また、本発明の分岐型化合物において、Lの末端に存在する共役形成単位は、フェニル基又は置換フェニル基である。置換基としては、ハロゲン原子、飽和又は不飽和炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。分岐型化合物の安定性の観点から、フェニル基がより好ましい。
次に、本発明の分岐型化合物の構成について、更に詳細に説明する。本発明の分岐型化合物は、上述したように、上記一般式(1)で表される繰返し単位を含んでいれば特に制限はないが、上記一般式(1)で表される繰返し単位を2種類以上含んでいてもよい。また複数あるLの末端に存在する共役形成単位についても同一でも異なっていてもよい。本発明の分岐型化合物としては、下記一般式(a)、(b)、(c)及び(d)で表される分岐型化合物が例示される。
Figure 0005035958

Figure 0005035958
Figure 0005035958
Figure 0005035958
ここで、Xはコア部を表し、YはLの末端に存在する共役形成単位を表す。T、T、L、L、Y及びYは、それぞれT、L及びYと同義であり、T、L及びYと同一でも異なっていても良い。製造の容易さという観点からすれば、T、T、L、L、Y及びYは、それぞれT、L及びYと同一であることが好ましい。
本発明の分岐型化合物は、電荷輸送性を高め、安定性に優れるという観点から、下記一般式(e)及び(f)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 0005035958
Figure 0005035958
式(e)及び(f)中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、複数あるRは同一でも異なっていてもよい。複数連結した一連のチオフェン環の置換基Rの少なくとも1つは、水素原子でないことが好ましい。t及びuはそれぞれ独立に、3〜15までの整数を示す。
本発明の分岐型化合物の製造方法は特に限定されないが、以下に説明する製造方法により製造することが好ましい。
本発明の分岐型化合物は、上記一般式(1)で表される繰返し単位を部分構造として含む化合物をモノマーとして用いて、以下に示すスキームA又はBで製造することができる。スキームAはスキームA−1〜3からなり、スキームBはスキームB−1〜3からなる。
Figure 0005035958
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Figure 0005035958
Figure 0005035958
Figure 0005035958
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ここで、X、T、L及びYは上記と同義である。W、Vは互いに反応する活性官能基を表し、Zは保護基を表す。また、hは2以上の整数である。
スキームA及びBでは、上記式(1)で表される繰返し単位を導入する工程が2回の例を示している。すなわち、コア部と、該コア部に結合した上記一般式(1)で表される繰返し単位(第1世代と呼ぶ)及びその外側に結合した上記一般式(1)で表される繰返し単位(第2世代と呼ぶ)とからなる側鎖部から構成される分岐型化合物の製造方法を示したものである。
本発明の分岐型化合物の世代数は、1以上であれば特に制限されない。電荷輸送性の観点からは、上記式(1)で表される繰返し単位の数を多く含むことが好ましいことから世代数は多い方が好ましいが、製造工程が長くなる。一般式(1)で表される繰返し単位の密集性及び合成の容易性から世代数は適宜選択され、世代数として1〜8が好ましく、2〜6がさらに好ましく、2〜3が最も好ましい。
また、本発明の分岐型化合物は以下のスキームCを用いても製造することができる。スキームCは、スキームC−1〜4からなる。
Figure 0005035958
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また、スキームC−2で得られた化合物(34)を用いて下記のスキームDで製造することもできる。スキームDはスキームD−1及び2からなる。
Figure 0005035958
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ここで、X、T、L及びYは上記と同義であり、XはXの部分構造を表す。W〜W(Wで表すことがある)とV〜V(Vで表すことがある)は互いに反応する活性官能基を表すが、VとWとの間の反応性に比べて、WとWとの間の反応性が低い官能基を選択することが好ましい。TMSは保護基であり、トリメチルシリル基を表す。
スキームCおよびDで製造する場合においても、世代数2の場合を例に示したものであるが、世代数を1以上にすることも可能であり、一般式(1)で表される繰返し単位の密集性と合成の容易性から世代数は適宜選択されれば良く、世代数として1〜8が好ましく、2〜6がさらに好ましくは、2〜3が最も好ましい。
以下、本発明の分岐型化合物の製造方法について、さらに詳しく説明する。
活性官能基VとWを結合させる反応には、例えば、Suzukiカップリング反応を用いる方法、Grignard反応を用いる方法、Stille反応を用いる方法、脱ハロゲン化反応を用いる方法が挙げられる。
これらのうち、Suzukiカップリング反応を用いる方法、Stille反応を用いる方法が、原料の入手しやすさと反応操作の簡便さから好ましい。
Suzukiカップリング反応の場合は、触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用い、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基、フッ化セシウムなどの無機塩をモノマーに対して当量以上、好ましくは1〜10当量加えて反応させる。無機塩を水溶液として、2相系で反応させてもよい。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが例示される。反応温度は、使用する溶媒にもよるが50〜160℃程度が好ましい。溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は1時間から200時間程度である。Suzukiカップリング反応については、例えば、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)に記載されている。
Stille反応の場合は、触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用い、有機スズ化合物をモノマーとして反応させる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが例示される。反応温度は、使用する溶媒によるが、50〜160℃程度が好ましい。溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は1時間から200時間程度である。
活性官能基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホウ酸基、ホルミル基、アルキルスタニル基又はビニル基が例示され、用いる反応に応じて適宜組み合わせを選択し用いることができる。
活性官能基VおよびWの組合せとして、例えばSuzukiカップリング反応を用いる方法では、ハロゲン原子とホウ酸エステル基またはホウ酸基との組み合わせが好ましく、Stille反応を用いる方法では、ハロゲン原子とアルキルスタニル基の組み合わせが好ましい。
保護基としては、保護したい部位及び用いる反応によって適した基を選択すればよく、Protective Groupes in Organic Syntehesis, 3rd ed. T.W. Greene andP.G. M.. Wuts, 1999 John Willey & Sons, Inc. に記載されている保護基が好ましい。例えば、保護したい部位がアルキンの場合、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基、ビフェニルジメチルシリル基などのアリールジアルキルシリル基、2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられ、トリメチルシリル基が好ましい。
反応させるモノマーは、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で、反応させることができる。
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、十分に脱酸素処理を施したものを用い、不活性雰囲気下で反応を進行させることが好ましい。また、同様に、脱水処理を行うことが好ましい(但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない)。
本発明の分岐型化合物を製造する際、適宜アルカリや適当な触媒を添加することができる。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。また、上記アルカリ又は触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものを使用することが好ましい。
本発明の分岐型化合物を有機薄膜素子用の材料として用いる場合、その純度が素子特性に影響を与えるため、反応前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに反応に用いることが好ましく、また合成後、昇華精製、再結晶、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
反応に用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等のエーテル類、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸等が例示され、単一溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いてもよい。
反応後は、例えば水でクエンチした後に有機溶媒で抽出し、溶媒を留去する等の通常の後処理で生成物を得ることができる。生成物の単離後及び精製は、クロマトグラフィーによる分取や再結晶等の方法により行うことができる。
次に、本発明の有機薄膜について説明する。本発明の有機薄膜は、上記本発明の分岐型化合物を含有することを特徴とする。
有機薄膜の膜厚としては、通常1nm〜100μm程度であり、好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、特に好ましいのは20nm〜200nmである。
有機薄膜は、上記分岐型化合物の1種類を単独で含むものであってもよく、また上記分岐型化合物の2種類以上を含むものであってもよい。また、有機薄膜の電子輸送性又はホール輸送性を高めるため、上記分岐型化合物以外に電子輸送性又はホール輸送性を有した低分子化合物又は高分子化合物を混合して用いることもできる。
ホール輸送性材料としては、公知のものが使用でき、例えばピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリアリールジアミン誘導体、オリゴチオフェン若しくはその誘導体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリアリーレンビニレン若しくはその誘導体、又はポリチエニレンビニレン若しくはその誘導体等が例示され、電子輸送性材料としては公知のものが使用でき、例えばオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体、C60等のフラーレン類
及びその誘導体等が例示される。
また、本発明の有機薄膜は、有機薄膜中で吸収した光により電荷を発生させるために、電荷発生材料を含んでいてもよい。電荷発生材料としては公知のものが使用でき、アゾ化合物及びその誘導体、ジアゾ化合物及びその誘導体、無金属フタロシアニン化合物及びその誘導体、金属フタロシアニン化合物及びその誘導体、ペリレン化合物及びその誘導体、多環キノン系化合物及びその誘導体、スクアリリウム化合物及びその誘導体、アズレニウム化合物及びその誘導体、チアピリリウム化合物及びその誘導体、C60等のフラーレン
類及びその誘導体が例示される。
さらに、本発明の有機薄膜は、種々の機能を発現させるために必要な材料を含んでいてもよい。例えば、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するためのため増感剤、安定性を増すための安定化剤、UV光を吸収するためのUV吸収剤等が例示される。
また、本発明の有機薄膜は、機械的特性を高めるため、上記分岐型化合物以外の高分子化合物材料を高分子バインダーとして含んでいてもよい。高分子バインダーとしては、電子輸送性又はホール輸送性を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好ましく用いられる。
このような高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
本発明の有機薄膜の製造方法に制限はないが、例えば、上記分岐型化合物、必要に応じて混合する電子輸送性材料又はホール輸送性材料、高分子バインダーを含む溶液からの成膜による方法が例示される。また、本発明の分岐型化合物は真空蒸着法により薄膜に形成することもできる。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、分岐型化合物及び混合する電子輸送性材料又はホール輸送性材料、高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。
本発明の有機薄膜を溶液から成膜する場合に用いる溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類系溶媒等が例示される。分岐型化合物の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法等の塗布法を用いることができ、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
本発明の有機薄膜は、電子輸送性又はホール輸送性を有することから、電極から注入された電子又はホール、又は光吸収により発生した電荷を輸送制御することにより、有機薄膜トランジスタ、有機太陽電池、光センサ等種々の有機薄膜素子に用いることができる。
本発明の有機薄膜は、ホール輸送性を有することから、電極から注入されたホール又は光吸収により発生したホールの輸送を制御することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機トランジスタ、有機太陽電池、光センサ等種々の有機薄膜素子に用いることができる。
次に、本発明の有機薄膜の有機薄膜トランジスタへの応用について説明する。有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となり本発明の分岐型化合物を含む有機薄膜層(活性層)、電流経路を通る電流量を制御するゲート電極を備えた構造であればよく、電界効果型、静電誘導型などが例示される。
電界効果型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となり本発明の分岐型化合物を含む有機薄膜層(活性層)、電流経路を通る電流量を制御するゲート電極、並びに、活性層とゲート電極との間に配置される絶縁層を備えることが好ましい。特に、ソース電極及びドレイン電極が、本発明の分岐型化合物を含む有機薄膜層(活性層)に接して設けられており、さらに有機薄膜層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていることが好ましい。
静電誘導型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となり本発明の分岐型化合物を含有する有機薄膜層、並びに電流経路を通る電流量を制御するゲート電極を有し、該ゲート電極が有機薄膜層中に設けられていることが好ましい。特に、ソース電極、ドレイン電極及び有機薄膜層中に設けられたゲート電極が、本発明の分岐型化合物を含有する有機薄膜層に接して設けられていることが好ましい。ゲート電極の構造としては、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成され、かつゲート電極に印加した電圧で電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、例えば、くし形電極が例示される。
図1は第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図1に示す有機薄膜トランジスタ100は、基板1と、基板1上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の絶縁層3の領域を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4と、を備えるものである。
図2は第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図2に示す有機薄膜トランジスタ110は、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、ソース電極5と所定の間隔を持って活性層2上に形成されたドレイン電極6と、活性層2及びドレイン電極6上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の絶縁層3の領域を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4と、を備えるものである。
図3は第3実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図3に示す有機薄膜トランジスタ120は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を一部覆うように、絶縁層3上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6を覆うように絶縁層3上に形成された活性層2と、を備えるものである。
図4は第4実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図4に示す有機薄膜トランジスタ130は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を一部覆うように絶縁層3上に形成されたソース電極5と、ソース電極5を覆うようにして絶縁層3上に形成された活性層2と、ゲート電極4が下部に形成されている活性層2の領域を一部覆ように、ソース電極5と所定の間隔を持って絶縁層3上に形成されたドレイン電極6と、を備えるものである。
図5は第5実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図5に示す有機薄膜トランジスタ140は、基板1と、基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6の一部を覆うようにして活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5が下部に形成されている絶縁層3の領域とドレイン電極6が下部に形成されている絶縁層3の領域とをそれぞれ一部覆うように、絶縁層3上に形成されたゲート電極4と、を備えるものである。
図6は第6実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図6に示す有機薄膜トランジスタ150は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を覆うように形成された活性層2と、ゲート電極4が下部に形成されている活性層2の領域を一部覆うように絶縁層3上に形成されたソース電極5と、ゲート電極4が下部に形成されている活性層2の領域を一部覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って絶縁層3上に形成されたドレイン電極6と、を備えるものである。
図7は第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(静電誘導型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図7に示す有機薄膜トランジスタ160は、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って複数形成されたゲート電極4と、ゲート電極4の全てを覆うようにして活性層2上に形成された活性層2a(活性層2aを構成する材料は、活性層2と同一でも異なっていてもよい)と、活性層2a上に形成されたドレイン電極6と、を備えるものである。
第1〜第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタにおいては、活性層2及び/又は活性層2aは、本発明の分岐型化合物を含有しており、ソース電極5とドレイン電極6の間の電流通路(チャネル)となる。また、ゲート電極4は、電圧を印加することにより活性層2及び/又は活性層2aにおける電流通路(チャネル)を通る電流量を制御する。
このような電界効果型有機薄膜トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。また、静電誘導型有機薄膜トランジスタは、公知の方法、例えば特開2004−006476号公報記載の方法により製造することができる。
基板1の材質としては有機薄膜トランジスタとしての特性を阻害しなければ特に制限されないが、ガラス基板やフレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板も用いることができる。
活性層2を形成する際に、有機溶媒可溶性の化合物を用いることが製造上非常に有利であり好ましいことから、上記で説明した本発明の有機薄膜の製造方法を用いて、活性層2となる有機薄膜を形成することができる。
活性層2に接した絶縁層3としては、電気の絶縁性が高い材料で有れば特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えばSiOx,SiNx、Ta25、ポリイミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、有機ガラス等が挙げられる。低電圧化の観点から、誘電率の高い材料の方が好ましい。
絶縁層3の上に活性層2を形成する場合は、絶縁層3と活性層2の界面特性を改善するため、シランカップリング剤等の表面処理剤で絶縁層3表面を処理して表面改質した後に活性層2を形成することも可能である。表面処理剤としては、長鎖アルキルクロロシラン類、長鎖アルキルアルコキシシラン類、フッ素化アルキルクロロシラン類、フッ素化アルキルアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン等のシリルアミン化合物等があげられる。表面処理剤で処理する前に、絶縁層表面をオゾンUV、O2プラズマで処理をしておくことも可能である。
有機薄膜トランジスタを作成後、素子を保護するために有機薄膜トランジスタ上に保護膜を形成することが好ましい。これにより、有機薄膜トランジスタが、大気から遮断され、有機薄膜トランジスタの特性の低下を抑えることができる。また、保護膜により有機薄膜トランジスタの上に駆動する表示デバイスを形成するときの影響を低減することができる。
保護膜を形成する方法としては、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiONx膜等でカバーする方法等があげられる。大気との遮断を効果的に行うため有機薄膜トランジスタを作成後保護膜を形成するまでの工程を大気に曝すことなく(例えば、乾燥した窒素雰囲気中、真空中等)行うことが好ましい。
次に、本発明の有機薄膜の太陽電池への応用を説明する。図8は、実施形態に係る太陽電池の模式断面図である。図8に示す太陽電池200は、基板1と、基板1上に形成された第1の電極7aと、第1の電極7a上に形成された本発明の分岐型化合物を含有する有機薄膜からなる活性層2と、活性層2上に形成された第2の電極7bと、を備えるものである。
本実施形態に係る太陽電池においては、第1の電極7a及び第2の電極7bの一方に透明又は半透明の電極を用いる。電極材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属又はそれらの半透明膜、透明導電膜を用いることができる。高い開放電圧を得るためには、それぞれの電極として、仕事関数の差が大きくなるように選ばれることが好ましい。活性層2(有機薄膜)中には光感度を高めるためにキャリア発生剤、増感剤等を添加して用いることができる。基材1としては、シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができる。
次に、本発明の有機薄膜の光センサへの応用を説明する。図9は、第1実施形態に係る光センサの模式断面図である。図9に示す光センサ300は、基板1と、基板1上に形成された第1の電極7aと、第1の電極7a上に形成された本発明の分岐型化合物を含有する有機薄膜からなる活性層2と、活性層2上に形成された電荷発生層8と、電荷発生層8上に形成された第2の電極7bと、を備えるものである。
図10は、第2実施形態に係る光センサの模式断面図である。図10に示す光センサ310は、基板1と、基板1上に形成された第1の電極7aと、第1の電極7a上に形成された電荷発生層8と、電荷発生層8上に形成された本発明の分岐型化合物を含有する有機薄膜からなる活性層2と、活性層2上に形成された第2の電極7bと、を備えるものである。
図11は、第3実施形態に係る光センサの模式断面図である。図11に示す光センサ320は、基板1と、基板1上に形成された第1の電極7aと、第1の電極7a上に形成された本発明の分岐型化合物を含有する有機薄膜からなる活性層2と、活性層2上に形成された第2の電極7bと、を備えるものである。
第1〜第3実施形態に係る光センサにおいては、第1の電極7a及び第2の電極7bの一方に透明又は半透明の電極を用いる。電荷発生層8は光を吸収して電荷を発生する層である。電極材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属又はそれらの半透明膜、透明導電膜を用いることができる。活性層2(有機薄膜)中には光感度を高めるためにキャリア発生剤、増感剤等を添加して用いることができる。また基材1としては、シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(測定条件等)
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、JEOL(日本電子株式会社)製の商品名JMN−270(1H測定時270MHz)、又は同社製の商品名JMNLA−600(13C測定時150MHz)を用いて測定した。ケミカルシフトは百万分率(ppm)で表している。内部標準0ppmには、テトラメチルシラン(TMS)を用いた。結合定数(J)は、ヘルツで示しており、略号s、d、t、m及びbrは、それぞれ、一重線(singlet)、二重線(doublet)、三重線(triplet)、四重線(quartet)、多重線(multiplet)及び広幅線(broad)を表す。質量分析(MS)は、PerSeptive Biosystems社Voyager Linear DE-H MALDI-TOF MS(商品名)を用いて測定した。カラムクロマトグラフィー分離におけるシリカゲルは、関東化学株式会社製の商品名Silicagel60N(40〜50μm)を用いた。またアルミナは、Merck社製の商品名aluminium oxide 90standardizedを用いた。全ての化学物質は、試薬級であり、和光純薬工業株式会社、東京化成工業株式会社、関東化学株式会社、ナカライテスク株式会社、シグマアルドリッチジャパン株式会社、より購入した。
サイクリックボルタンメトリーは、BAS社製の装置を使用し、作用電極としてBAS社製Pt電極、対電極としてPt線、参照電極としてAg線を用いて測定した。この測定時の掃引速度は100mV/sec、走査電位領域は−2.8V〜1.6Vであった。還元電位及び酸化電位の測定は、化合物1×10−3mol/L、及び、支持電解質としてのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート(TBAPF6)0.1mol/Lを塩化メチレン溶媒に完全に溶解し測定した。
参考合成例1
<SnBu―4T―≡―TMSの合成>
Figure 0005035958

加熱乾燥し窒素置換した50mL二つ口フラスコに下記一般式(45)で表される化合物4T−≡−TMS(0.97g,1.6mmol)を入れた。乾燥テトラヒドロフラン(THF)(16mL)を加えた後、―78℃まで冷却し1.0Mのリチウムジイソプロピルアミド(LDA)/ヘキサン―THF(1.7mL,1.7mmol)を滴下した。30分間撹拌した後、塩化トリブチルスズ(0.55mL,2.0mmol)を一度に加え、室温まで反応系を昇温し3時間撹拌した。反応溶液に水(20mL)とヘキサン(20mL)を加え、有機層を水(20mL)で2回洗浄した。さらに、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン)で精製することにより目的物(1.32g,93%)を黄色オイルとして得た(SnBu―4T―≡―TMS)。
Figure 0005035958

TLC Rf= 0.40 (hexane); 1H-NMR(CDCl3)δ0.25(s,9H),0.86-0.95 (m,15H),1.08-1.14 (m,6H),1.23-1.42(m,18H),1.54-1.64 (m,10H),2.72 (t,J = 7.8 Hz,2H),2.80(t,J = 7.8 Hz,2H),6.85 (s,1H),7.02 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.07 (s,1H),7.11 (d,J =3.8 Hz,1H),7.12 (d,J = 3.8 Hz,1H); MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracenematrix) m/z 886.7 (M+,calcd 884.3)
参考合成例2
<2Br―4T―≡―TMSの合成>
Figure 0005035958

窒素置換した50mL二つ口フラスコに参考合成例1で得られたSnBu―4T―≡―TMS(1.12g,1.27mmol)、3,5-ジブロモヨードベンゼン(553mg,1.53mmol)及び乾燥トルエン(12mL)を入れた。バブリングによる脱気後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(74mg,0.064mmol)を加え12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)で精製することにより目的物(785mg,74%)を黄色固体として得た(2Br―4T―≡―TMS)。

Mp 86-88℃; TLC Rf = 0.27 (hexane); 1H-NMR(CDCl3) δ0.25 (s,9H),0.86-0.95(m,6H),1.22-1.50 (m,12H),1.57-1.69 (m,4H),2.69 (m,4H),7.01-7.08 (m,3H),7.10-7.16(m,3H),7.55 (t,J = 1.6 Hz,1H),7.64 (d,J = 1.6 Hz,2H); 13C NMR (CDCl3)δ0.1,14.2,22.7,22.7,29.3,29.4,29.7,30.5,30.6,31.8,97.6,100.0,121.1,123.5,124.2,124.3,126.9,127.1,127.1,127.8,131.8,132.3,132.7,134.7,134.9,135.8,137.1,137.5,138.4,139.6,141.1;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 834.5 (M+,calcd828.0). Anal. Calcd for C39H44Br2S4Si1:C,56.51; H,5.35. Found: C,56.84; H,5.46.
参考合成例3
<4T―Phの合成>
Figure 0005035958

窒素置換した50mL二つ口フラスコに下記一般式(46)で表される化合物4T―Br(1.30g,2.25mmol)、フェニルボロン酸(410mg,3.38mmol)、炭酸ナトリウム(715mg,6.75mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(130mg,0.11mmol)を入れ、DME(10mL)、精製水(1mL)を加えた。12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、水(20mL)とヘキサン(20mL)を加えた。有機層を水20mLで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)で精製することにより目的物(1.2g,93%)を黄色オイルとして得た(4T―Ph)。
Figure 0005035958


TLC Rf= 0.20 (hexane); 1H-NMR (CDCl3) δ0.87-0.92 (m,6H),1.26-1.43(m,12 H),1.63-1.70 (m,4H),2.77-2.82(m,4H),6.95 (d,J = 5.2 Hz,1H),7.03 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.06 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.14(d,J = 3.8 Hz,1H),7.14 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.17 (s,1H),7.18 (d,J = 5.2 Hz,1H),7.28(t,J = 7.6 Hz,1H),7.38 (t,J = 7.6Hz,2H),7.60 (t,J = 7.6 Hz,2H); MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracenematrix) m/z 578.0 (M+,calcd 574.2).
参考合成例4
<Ph―4T―SnBuの合成>
Figure 0005035958

加熱乾燥し窒素置換した50mL二つ口フラスコに参考合成例3で得られた4T―Ph(0.8g,1.4mmol)を入れ、乾燥THF(14mL)を加えた後、―78℃まで冷却し1.6Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン(1.7mL,2.8mmol)を滴下した。30分間撹拌した後、塩化トリブチルスズ(0.75mL,4.2mmol)を一度に加えた。室温まで反応系を昇温し3時間撹拌した。反応溶液に水(20mL)及びヘキサン(20mL)を加え、有機層を水(20mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン/ジクロロメタン=9/1)で精製することにより目的物(1.32g,93%)を黄色オイルとして得た(Ph―4T―SnBu)。

TLC Rf= 0.25 (hexane); 1H-NMR (CDCl3) δ0.77-0.94 (m,15H),1.08-1.14(m,6H),1.23-1.62 (m,34H),2.80 (t,J = 7.8 Hz,4H),6.96(s,1H),7.02 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.06 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.13 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.21(s,1H),7.28 (t,J = 7.0 Hz,1H),7.38 (t,J = 7.0 Hz,2H),7.60 (d,J = 7.0 Hz,2H); MS(MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 869.0 (M+,calcd864.3).
参考合成例5
<4T―SnBuの合成>
Figure 0005035958

加熱乾燥し窒素置換した100mL三つ口フラスコに下記一般式(47)で表される4T(1.98g,3.97mmol)、を入れ、乾燥THF(40mL)を加えた後、―78℃まで冷却し、1.6Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン(2.5mL,4.0mmol)を滴下した。30分間撹拌した後、塩化トリブチルスズ(1.2mL,4.4mmol)を一度に加えた。室温まで反応系を昇温し3時間撹拌した。反応溶液に水(20mL)とヘキサン(20mL)を加えた。有機層を水(20mL)で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン)と分取型GPC(JAIGEL-1H,2H,溶離液:クロロホルム)で精製することにより目的物(1.64g,52%)を黄色オイルとして得た(4T―SnBu3)。
Figure 0005035958

TLC Rf= 0.40 (hexane); 1H-NMR (CDCl3) δ0.87-0.93 (m,15H),1.09-1.13(m,6H),1.31-1.50 (m,18H),1.56-1.70 (m,10H),2.78 (t,J = 8.3 Hz,2H),2.80 (t,J = 8.3Hz,2H),6.94 (d,J = 65.4 Hz,1H),6.96 (s,1H),7.01 (d,J = 3.9 Hz,1H),7.02 (d,J =3.9 Hz,1H),7.12 (d,J = 3.9 Hz,2H),7.17 (d,J = 5.4 Hz,1H); MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracenematrix) m/z 787.0 (M+,calcd 788.3).
参考合成例6
<4T―2Brの合成>
Figure 0005035958
窒素置換した50mL二つ口フラスコに参考合成例5で得られた4T―SnBu(1.12g,1.27mmol)、3,5-ジブロモヨードベンゼン(553mg,1.53mmol)を入れ、乾燥トルエン(12mL)を加えた。バブリングによる脱気後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(74mg,0.064mmol)を加え12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)と再結晶(ヘキサン)で精製することにより目的物(785mg,74%)を黄色固体として得た(2Br―4T―≡―TMS)

Mp 93-95 ℃; TLC Rf = 0.20 (hexane); 1H-NMR(CDCl3) δ0.87-0.95(m,6H),1.28-1.45 (m,12 H),1.57-1.71(m,4H),2.79 (t,-J = 7.8 Hz,4H),6.94 (d,J = 5.4 Hz,1H),7.03 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.07(d,J = 3.8 Hz,1H),7.13 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.17 (s,1H),7.18 (d,J = 5.4 Hz,1H),7.54(d,J = 1.6 Hz,1H),7.64 (d,J = 1.6 Hz,2H); 13C-NMR (CDCl3)δ14.1,22.6,29.2,29.2,29.3,29.6,30.5,30.6,31.6,31.7,123.4,123.9,123.9,124.0,126.5,126.7,127.0,127.6,130.1,130.2,131.7,132.5,134.5,135.6,136.5,137.3,137.4,138.2,139.9,140.8;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 734.3 (M+,calcd730.0). Anal. Calcd for C34H36Br2S4:C,55.73; H, 4.95. Found: C, 55.63; H, 4.96.
参考合成例7
<TMS―4T―Br>
Figure 0005035958
加熱乾燥し窒素置換した100mL三つ口フラスコに下記一般式(48)で表されるBr―4T―Br(2.77g,4.22mmol)を入れ、乾燥THF(42mL)を加えた後、―50℃まで冷却し、1.6Mのn―ブチルリチウム/ヘキサン(2.9mL,4.64mmol)を滴下した。30分間撹拌した後、塩化トリメチルシラン(0.7mL,5.57mmol)を一度に加え、室温まで反応系を昇温し3時間撹拌した。反応溶液に水(20mL)とヘキサン(20mL)を加え、有機層を水(20mL)で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)で精製することにより目的物(1.74g,63%)を黄色オイルとして得た(TMS―4T―Br)。
Figure 0005035958

TLC Rf= 0.35 (hexane); 1H-NMR (CDCl3) δ0.33(s,9H),0.86-0.89 (m,6H),1.30-1.50(m,12H),1.58-1.66(m,4H),2.68-2.80(m,4H),6.90 (s,1H),6.96 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.02 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.05 (s,1H),7.10(d,J = 3.8 Hz,1H),7.12 (d,J = 3.8 Hz,1H); MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracenematrix) m/z 652.4,654.5 (M+,M++2 calcd 648.1,650.1).
参考合成例8
<TMS―4T―SnBu
Figure 0005035958
加熱乾燥し窒素置換した50mL三つ口フラスコに参考合成例7で得られたTMS―4T―Br(0.92g,1.42mmol)を入れ、乾燥THF(14mL)を加えた後、―78℃まで冷却し1.6Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン(1.8mL,2.8mmol)を滴下した。30分間撹拌した後、塩化トリブチルスズ(1.2mL,4.3mmol)を一度に加え、室温まで反応系を昇温し3時間撹拌した。反応溶液に水(20mL)とヘキサン(20mL)を加え、有機層を水(20mL)で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン)で精製することにより目的物(1.2g,100%)を黄色オイルとして得た(TMS―4T―SnBu)。

TLC Rf= 0.35 (hexane); 1H-NMR (CDCl3) δ0.33 (s,9H),0.87-0.94 (m,15H),0.99-1.12(m,6H),1.22-1.50 (m,18H),1.55-1.71 (m,10H),2.74-2.83 (m,4H),6.91 (s,1H),7.01 (d,J= 3.8 Hz,1H),7.02 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.04 (s,1H),7.11 (d,J = 3.8 Hz,2H); MS(MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 866.6 (M+,calcd860.3).
実施例1
<G1(Ph)―4T―≡―TMSの合成>
Figure 0005035958
窒素置換した20mL二つ口フラスコに参考合成例4で得られたPh―4T―SnBu(650mg,0.75mmol)、参考合成例2で得られた2Br―4T―≡―TMS(210mg,0.25mmol)を入れ、乾燥トルエン(5mL)を加えた。バブリングによる脱気後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(29mg,0.091mmol)を加え12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン=4/1)で精製することにより目的物(273mg,60%)を橙色半固体として得た(G1(Ph)―4T―≡―TMS)。

TLC Rf= 0.15 (hexane/CH2Cl2 = 4/1); 1H-NMR (CDCl3)δ0.26 (s,9H),0.86〜0.94 (m,18H),1.22〜1.50 (m,36H),1.60〜1.80(m,12H),2.71〜2.88 (m,12H),7.05 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.08 (s,1H),7.08 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.11〜7.20(m,6H),7.18 (s,3H),7.28 (t,J = 7.3 Hz,2H),7.28 (s,3H),7.39 (t,J = 7.3 Hz,4H),7.60(d,J = 7.3 Hz,4H),7.69 (s,3H); 13C-NMR (CDCl3) δ0.18,14.3,14.3,22.7,22.8,22.8,29.3,29.4,29.5,29.8,29.8,30.5,30.7,30.7,31.8,31.8,97.6,100.0,121.0,121.8,124.1,124.1,124.3,125.7,126.3,126.4,126.6,126.7,127.0,127.7,129.0,130.1,130.7,130.8,132.4,134.1,134.5,135.2,135.4,135.5,135.5,135.8,136.7,136.9,137.4,139.5,140.9,141.0,141.0,141.0,141.1,142.1;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 1822.6 (M+,calcd1815.57) ;Anal. Calcd for C107H118S12Si1:C,70.73; H,6.55. Found: C,70.62; H,6.45.
<G1(Ph)―4T―≡―≡―4T―G1(Ph)の合成>
Figure 0005035958
50mLナス型フラスコにG1(Ph)―4T―≡―TMS(149mg,0.082mmol)、水酸化カリウム(0.2g)、THF(8mL)、メタノール(1mL)を入れ、30分間室温で撹拌し、ジクロロメタン(10mL)と水(10mL)を加えた。分離した有機層を水(20mL)で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン)で精製し、(G1(Ph)―4T―≡―H)を得た。次いで、窒素置換した30mLナス型フラスコにG1(Ph)―4T―≡―H、酢酸銅(II)一水和物(145mg,0.90mmol)、N,N,N’,N’−テトラエチレンジアミン(TMEDA)(0.12mL,0.8mmol)、乾燥THF(9mL)を入れ、12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン)により目的物(94mg,66%)を赤色固体として得た(G1(Ph)―4T―≡―≡―4T―G1(Ph))。

1H-NMR (CDCl3)δ0.86〜0.95 (m,36H),1.26〜1.50(m,72H),1.63〜1.75 (m,24H),2.73〜2.87 (m,24H),7.07 (d,J = 3.8 Hz,6H),7.08 (d,J =3.8 Hz,2H),7.11 (d,J = 3.8 Hz,8H),7.14〜7.18 (m,17H),7.16 (s,4H),7.24 (s,6H),7.24(t,J = 7.6 Hz,4H),7.37 (t,J = 7.6 Hz,8H),7.59 (d,J = 7.6 Hz,8H),7.67 (s,6H); MS(MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 3795.4 (M+,calcd 3485.04).
<G1(Ph)―9T―G1(Ph)>
Figure 0005035958

窒素置換した30mLナス型フラスコにG1(H)―4T―≡―≡―4T―G1(H)(80mg,0.023mmol)、硫化ナトリウム9水和物(110mg,0.46mmol)、乾燥THF(12mL)を入れ、12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)と分取型GPC(JAIGEL-1H,2H,溶離液:クロロホルム)で精製することにより目的物(48mg,59%)を赤色固体として得た(G1(Ph)―9T―G1(Ph))。これを分岐型化合物Aと呼ぶ。

Mp 140-143 ℃;1H-NMR (CDCl3,40℃) δ0.88〜0.95(m,36H),1.26〜1.50 (m,72H),1.65〜1.80 (m,24H),2.75〜2.87 (m,24H),7.00 (s,2H),7.05(d,J = 3.8 Hz,2H),7.05 (s,2H),7.06 (d,J = 3.8 Hz,4H),7.10 (d,J = 3.8 Hz,6H),7.13〜7.16(m,12H),7.15 (s,4H),7.25 (s,6H),7.26 (t,J = 7.6 Hz,4H),7.36 (t,J = 7.6 Hz,8H),7.58(d,J = 7.6 Hz,8H),7.67 (s,6H); 13C NMR (CDCl3,40℃) δ14.2,14.2,14.2,22.7,22.7,22.7,29.3,29.4,29.5,29.7,29.8,29.8,30.3,30.5,30.5,30.6,31.7,31.7,31.8,121.2,123.8,123.8,124.2,125.5,126.1,126.1,126.2,126.2,126.5,126.7,127.5,128.9,129.7,130.0,130.6,130.7,134.0,134.7,134.9,135.0,135.2,135.3,135.8,136.6,136.7,140.2,140.4,140.6,140.6,140.7,140.8,141.9;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 3531.6 (M+,calcd3521.03); Anal. Calcd for : C208H220S25 C,70.94;H,6.30. Found: C,70.67; H,6.21
実施例2
<G1(Ph)-4T>
Figure 0005035958
窒素置換した30mL二つ口フラスコに参考合成例4で得られたPh―4T―SnBu(1.20g,1.39mmol)、参考合成例6で得られた4T―2Br(466mg,0.63mmol)を入れ、乾燥トルエン(10mL)を加えた。バブリングによる脱気後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(107mg,0.093mmol)を加え、12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン=9/1)と再結晶(ヘキサン/ジクロロメタン)で精製することにより目的物(647mg,59%)を橙色粉末として得た(G1(Ph)―4T)。

Mp 86-88℃; TLC Rf = 0.10 (hexane/CH2Cl2= 4/1); 1H-NMR (CDCl3) δ0.88-0.95 (m,18H),1.26-1.50(m,36H),1.60-1.80 (m,12H),2.76-2.87 (m,12H),6.95 (d,J = 5.1 Hz,1H),7.04 (d,J = 3.8Hz,1H),7.08 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.11 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.11 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.15-7.17 (m,6H),7.17 (s,2H),7.18 (d,J = 5.1 Hz,1H),7.28(s,3H),7.28 (t,J = 7.6 Hz,2H),7.38 (t,J = 7.6 Hz,4H),7.60 (d,J = 7.6 Hz,4H),7.67(s,3H); 13C-NMR (CDCl3) δ14.2,14.2,22.6,22.7,29.2,29.3,29.3,29.4,29.6,29.7,30.5,30.6,30.6,31.7,121.7,123.9,123.9,123.9,124.0,125.6,126.2,126.3,126.5,126.5,126.9,127.6,128.9,129.9,130.1,130.3,130.6,134.0,135.1,135.1,135.3,135.4,135.4,136.6,136.7,136.9,136.9,140.0,140.8,140.8,140.9,142.0;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 1726.3 (M+,calcd1719.5).;Anal. Calcd for C102H110S12: C,71.19;H,6.44. Found: C,71.07; H,6.36.
<G1(Ph)―4T―SnBu
Figure 0005035958
加熱乾燥し窒素置換した20mL二つ口フラスコにG1(Ph)―4T(627mg,0.36mmol)を入れ、乾燥THF(7mL)を加えた後、―78℃まで冷却し1.6M n−ブチルリチウム/ヘキサン(0.34mL,0.55mmol)を滴下した。30分間撹拌した後、塩化トリブチルスズ(0.20mL,0.73mmol)を一度に加えた。室温まで反応系を昇温し3時間撹拌し、反応溶液に水(20mL)とクロロホルム(20mL)を加え、有機層を水(20mL)で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン/ジクロロメタン=4/1)で精製することにより目的物(730mg,99%)を橙色固体として得た(G1(Ph)―4T―SnBu)。

TLC Rf= 0.30 (hexane/CH2Cl2 = 4/1); 1H-NMR (CDCl3)δ0.89-0.94 (m,27H),1.09-1.15 (m,6H),1.20-1.80(m,60H),2.78-2.88 (m,12H),6.97 (s,1H),7.04 (d,J = 3.8Hz,1H),7.08 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.11 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.12 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.15〜7.19(m,6H),7.18 (s,2H),7.29 (s,3H),7.29 (t,J = 7.6 Hz,2H),7.39 (t,J = 7.6 Hz,4H),7.60(d,J = 7.6 Hz,4H),7.69 (s,3H); 13C-NMR (CDCl3) δ10.9,13.7,14.1,14.1,22.6,22.7,27.3,29.0,29.2,29.3,29.3,29.6,29.7,30.6,30.6,30.7,31.7,121.7,123.7,124.0,124.0,125.6,125.9,126.2,126.3,126.5,126.9,127.6,128.9,129.9,130.6,130.7,134.0,134.8,135.1,135.3,135.4,135.9,136.0,136.1,136.2,136.6,136.9,137.2,138.7,140.8,140.8,140.8,141.0,142.0;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 2016.2 (M+,calcd2009.6).
<G2(Ph)―4T―≡―TMS>
Figure 0005035958
窒素置換した30mL二つ口フラスコにG1(Ph)―4T―SnBu(720mg,0.36mmol)、参考合成例1で得られたSnBu―4T―≡―TMS(124mg,0.15mmol)を入れ、乾燥トルエン(6mL)を加えた。バブリングによる脱気後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(17mg,0.015mmol)を加え12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン=4/1)で精製することにより目的物(530mg,85%)を橙色半固体として得た(G2(Ph)―4T―≡―TMS)

TLC Rf= 0.20 (hexane/CH2Cl2 = 4/1);1H-NMR (CDCl3)δ0.25 (s,9H),0.86-0.98(m,42H),1.26-1.50 (m,84H),1.53-1.83 (m,28H),2.62-2.85(m,28H),7.01 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.05 (d,J = 3.8 Hz,4H),7.05 (s,1H),7.08 (d,J =3.8 Hz,9H),7.09 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.12-7.14 (m,13H),7.14(s,4H),7.23 (s,9H),7.26 (t,J = 7.6 Hz,4H),7.36 (t,J = 7.6 Hz,8H),7.58 (d,J =7.6 Hz,8H),7.61 (s,3H),7.62 (s,6H); 13C-NMR (CDCl3) δ0.1,14.1,14.2,14.2,14.2,22.6,22.7,22.8,22.8,29.2,29.3,29.5,29.5,29.6,29.7,29.8,29.9,30.3,30.5,30.5,30.6,31.6,31.7,31.7,31.8,31.8,97.6,99.8,120.7,121.0,123.7,123.8,124.0,125.5,125.9,126.0,126.1,126.1,126.6,126.8,127.5,128.9,130.0,130.6,130.7,130.8,132.4,134.0,134.3,134.9,135.3,135.3,135.6,135.7,136.3,136.5,136.6,137.3,139.3,140.2,140.3,140.5,140.5,140.6,140.8,140.9,141.8;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 4118.7 (M+,calcd4107.25). Anal. Calcd for C243H262S28Si1:C,71.04; H,6.43. Found: C,70.80; H 6.24,
<G2(Ph)―4T―≡―≡―4T―G2(Ph)>
Figure 0005035958
50mLナス型フラスコにG2(Ph)―4T―≡―TMS(521mg,0.127mmol)、水酸化カリウム(0.2g)、THF(12mL)、メタノール(1mL)を入れ、30分間室温で撹拌し、クロロホルム(10mL)と水(10mL)を加えた。分離した有機層を水(20mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)で精製した(G2(Ph)―4T―≡―H)。
窒素置換した30mLナス型フラスコにG2(Ph)―4T―≡―H、酢酸銅(II)一水和物(483mg,2.4mmol)、TMEDA(0.36mL,2.4mmol)、乾燥THF(6mL)を入れ、12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/クロロホルム=1/1)により目的物(486mg)を粗精製物の赤色固体として得た(G2(Ph)―4T―≡―≡―4T―G2(Ph))。

1H-NMR (CDCl3) δ0.87-1.0 (m,84H),1.26-1.50(m,168H),1.60-1.80 (m,56H),2.75-2.90 (m,56H),7.03-7.15(m,84H),7.19-7.25 (m,8H),7.35 (t,J = 7.0 Hz,16H),7.55〜7.63(m,34H); 13C-NMR (CDCl3) δ14.1,14.2,14.2,22.7,22.8,22.8,29.3,29.5,29.6,29.7,29.9,30.0,30.2,30.5,30.6,31.8,31.8,31.8,79.4,119.6,120.8,121.0,121.3,123.7,123.8,125.5,125.6,125.8,126.0,126.2,126.2,126.6,126.9,127.5,128.6,128.9,129.2,130.2,130.6,130.8,134.1,134.3,134.8,134.9,135.4,136.7,137.4,140.2,140.5,140.7,140.9,142.0;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 8084.9 (M+,calcd8065.4).
<G2(Ph)―9T―G2(Ph)>
Figure 0005035958
窒素置換した50mLナス型フラスコにG2(Ph)―4T―≡―≡―4T―G2(Ph)(483mg)、硫化ナトリウム9水和物(574mg,2.4mmol)、乾燥THF(20mL)を入れ、12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)と分取型GPC(JAIGEL-3H,4H,溶離液:クロロホルム)で精製することにより目的物(216mg,42%,3steps)を赤色固体として得た(G2(Ph)―9T―G2(Ph))。これを分岐型化合物Bと呼ぶ。分岐型化合物Bの酸化側のサイクリックボルタモグラムの繰り返し特性を図12に示す。

1H-NMR (CDCl3,40 ℃) δ0.86-0.97 (m,84H),1.26-1.51(m,168H),1.64-1.75 (m,56H),2.72-2.84 (m,56H),6.85-7.17(m,76H),7.20-7.30 (m,26H),7.34 (t,J = 7.6 Hz,16H),7.58(d,J = 7.6 Hz,16H),7.63 (br,18H); 13C-NMR (CDCl3,40 ℃) δ14.1,14.2,14.3,22.7,22.8,22.9,29.3,29.6,29.7,30.0,30.1,30.5,31.8,31.8,31.9,123.8,125.5,126.2,127.4,128.9,130.2,130.5,130.8,134.1,135.3,135.4,135.5,136.5,136.7,140.3,140.6,140.8,141.8;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 8121.1 (M+,calcd8099.4). Anal. Calcd for C480H508S57: C,71.13;H,6.32. Found: C,70.73; H,6.34.
比較例1
<G1(H)―4T―≡―TMSの合成>
Figure 0005035958
窒素置換した50mL二つ口フラスコに参考合成例5で得られた4T―SnBu(1.52g,1.93mmol)、参考合成例2で得られた2Br―4T―≡―TMS(760mg,0.92mmol)を入れ、乾燥トルエン(9mL)を加えた。バブリングによる脱気後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(106mg,0.091mmol)を加え12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン=4/1)で精製することにより目的物(890mg,58%)を橙色半固体として得た(G1(H)―4T―≡―TMS)。

TLC Rf= 0.30 (hexane/CH2Cl2 = 4/1); 1H-NMR (CDCl3)δ0.25 (s,9H),0.87-0.94(m,18H),1.22-1.50 (m,36H),1.60-1.75 (m,12H),2.70-2.87(m,12H),6.95 (d,J = 5.4 Hz,2H),7.04 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.04 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.08(s,1H),7.11 (d,J = 3.8 Hz,3H),7.14〜7.17 (m,6H),7.19 (d,J = 5.4 Hz,2H),7.28 (s,3H),7.68(s,3H); 13C-NMR (CDCl3) δ0.1,14.1,14.2,22.6,22.6,22.7,29.1,29.2,29.3,29.3,29.4,29.7,30.4,30.6,30.6,31.7,31.7,31.7,97.5,99.8,120.8,121.5,123.8,123.9,124.1,126.3,126.5,126.8,126.9,130.1,130.3,130.5,130.6,132.3,134.3,135.1,135.2,135.4,135.7,136.5,136.7,136.8,137.2,139.4,139.8,140.7,140.8,140.8,141.0;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 1669.7 (M+,calcd1663.5). Anal. Calcd for C95H110S12Si1:C,68.54; H,6.66. Found: C,68.25; H,6.55.
<G1(H)―4T―≡―≡―4T―G1(H)の合成>
50mLナス型フラスコにG1(H)―4T―≡―TMS(150mg,0.127mmol)、水酸化カリウム(0.2g)、THF(8mL)、メタノール(1mL)を加え、30分間室温で撹拌した。ジクロロメタン(10mL)と水(10mL)を入れた。分離した有機層を水(20mL)で2回洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン)で精製した(G1(H)―4T―≡―H)。
次いで、窒素置換した30mLナス型フラスコにG1(H)―4T―≡―H、酢酸銅(II)一水和物(180mg,0.9mmol)、TMEDA(0.068mL,0.45mmol)、乾燥THF(4.5mL)を入れ、12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン=2/1)により目的物(127mg,89%)を赤色半固体として得た(G1(H)―4T―≡―≡―4T―G1(H))。

TLC Rf= 0.18 (hexane/CH2Cl2 = 2/1); 1H-NMR (CDCl3)δ0.86-0.95 (m,36H),1.26-1.50 (m,72H),1.63-1.77 (m,24H),2.76-2.87(m,24H),6.95 (d,J = 5.4 Hz,4H),7.04 (d,J = 3.8 Hz,4H),7.08 (d,J =3.8 Hz,4H),7.11(d,J = 3.8 Hz,6H),7.15 (d,J = 3.8 Hz,6H),7.16 (d,J = 3.8 Hz,6H),7.18 (s,2H),7.19(d,J = 5.4 Hz,4H),7.27 (s,6H),7.67 (s,6H); 13C-NMR (CDCl3)δ14.1,14.2,22.6,22.7,29.2,29.2,29.3,29.4,29.4,29.7,29.8,30.3,30.5,30.6,30.6,31.7,31.7,31.7,79.1,119.4,121.4,123.8,123.9,124.2,126.3,126.3,126.5,126.8,127.1,130.1,130.4,130.5,130.6,134.0,134.2,135.1,135.4,135.6,136.3,136.7,136.8,137.4,137.6,139.5,139.8,140.7,140.7,140.9,140.9;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 3193.5 (M+,calcd3182.9).
<G1(H)―9T―G1(H)>
Figure 0005035958

窒素置換した30mLナス型フラスコにG1(H)―4T―≡―≡―4T―G1(H)(127mg,0.04mmol)、硫化ナトリウム9水和物(96mg,0.4mmol)、乾燥THF(8mL)を加え、12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン=2/1)と分取型GPC(JAIGEL-1H,2H,溶離液:クロロホルム)で精製することにより目的物(55mg,43%)を赤色固体として得た(G1(H)―9T―G1(H))。これを分岐型化合物Cと呼ぶ。分岐型化合物Cの酸化側のサイクリックボルタモグラムの繰り返し特性を図13に示す。

Mp 135-138℃;TLC Rf = 0.18 (hexane/CH2Cl2 = 2/1); 1H-NMR(CDCl3,40℃)δ0.86-0.94 (m,36H),1.26-1.50 (m,72H),1.62-1.77(m,24H),2.77-2.86 (m,24H),6.94 (d,J = 5.2 Hz,4H),7.03 (s,2H),7,04 (d,J = 3.8 Hz,4H),7.07(d,J = 3.8 Hz,2H),7.08 (s,2H),7.11 (d,J = 3.8 Hz,3H),7.12 (d,J = 3.8 Hz,3H),7.15(d,J = 3.8 Hz,6H),7.16 (d,J = 3.8 Hz,6H),7.18 (d,J = 5.2 Hz,4H),7.27 (s,6H),7.69(s,6H); 13C-NMR (CDCl3,40℃) δ14.1,14.2,14.2,22.7,22.7,22.7,22.7,22.7,29.3,29.3,29.4,29.4,29.5,29.5,29.6,29.7,29.7,29.8,29.8,30.3,30.5,30.6,30.6,31.7,31.7,31.8,31.9,121.3,123.8,123.8,124.2,126.1,126.1,126.3,126.4,126.5,126.7,129.7,130.1,130.4,130.6,130.7,134.7,134.9,135.0,135.1,135.2,135.2,135.4,135.8,136.6,136.7,136.7,139.8,140.3,140.5,140.6,140.7,140.8;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 3228.5 (M+,calcd3216.9). Anal. Calcd for : C184H204S25: C,68.69; H,6.39. Found: C,68.34; H,6.82.
比較例2
<G1(TMS)―4T>
Figure 0005035958

窒素置換した30mL二つ口フラスコに参考合成例8で得られたTMS―4T―SnBu(1.76g,2.05mmol)、参考合成例6で得られた4T―2Br(605mg,0.82mmol)を入れ、乾燥トルエン(10mL)を加えた。バブリングによる脱気後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(107mg,0.093mmol)を加え12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン=9/1)と再結晶(ヘキサン/ジクロロメタン)で精製することにより目的物(836mg,60%)を橙色半固体として得た(G1(TMS)―4T)。

TLC Rf= 0.20 (hexane/CH2Cl2 = 9/1); 1H-NMR (CDCl3)δ0.33 (s,18H),0.88-0.94 (m,18H),1.26-1.50 (m,36H),1.60-1.75(m,12H),2.76-2.87 (m,12H),6.94 (d,J = 5.1 Hz,1H),7.04 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.04 (d,J= 3.8 Hz,2H),7.05 (s,2H),7.11 (d,J = 3.8 Hz,3H),7.15-7.17 (m,6H),7.19 (d,J =5.1 Hz,1H),7.28 (s,3H),7.68 (s,3H); 13C-NMR (CDCl3) δ0.1,14.2,14.3,22.7,22.8,29.3,29.4,29.4,29.5,29.8,30.7,30.8,30.8,31.8,31.8,121.8,124.0,124.0,124.0,124.0,126.4,126.6,126.6,127.0,130.2,130.4,130.7,130.7,135.1,135.2,135.4,135.5,135.6,135.8,136.7,136.8,137.0,137.1,137.3,139.0,140.0,140.9,141.0,141.0,141.1;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 1720.1 (M+,calcd1711.6). Anal. Calcd for: C,67.31; H,6.94. Found: C,67.20; H,6.89.
<G1(TMS)―4T―SnBu
Figure 0005035958
加熱乾燥し窒素置換した20mL二つ口フラスコにG1(TMS)―4T(530mg,0.31mmol)を入れ、乾燥THF(6mL)を加えた後、―78℃まで冷却し1.6M n−ブチルリチウム/ヘキサン(0.25mL,0.40mmol)を滴下し、30分間撹拌した後、塩化トリブチルスズ(0.22mL,0.8mmol)を一度に加えた。室温まで反応系を昇温し3時間撹拌した。反応溶液に水(20mL)及びクロロホルム(20mL)を加え、有機層を水(20mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(アルミナ、ヘキサン/ジクロロメタン=3/2)で精製することにより目的物(491mg,79%)を橙色半固体として得た(G1(TMS)―4T―SnBu)。

TLC Rf= 0.30 (hexane/CH2Cl2 = 3/2); 1H-NMR (CDCl3)δ0.33 (s,18H),0.86-0.98 (m,27H),1.09-1.15 (m,6H),1.26-1.78(m,60H),2.76-2.87 (m,12H),6.96 (s,1H),7.03 (d,J = 3.8 Hz,1H),7.04 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.05(s,2H),7.11 (d,J = 3.8 Hz,3H),7.15 (d,J = 3.8 Hz,4H),7.16 (d,J = 3.8 Hz,2H),7.28(s,3H),7.68 (s,3H); 13C-NMR (CDCl3) δ0.1,10.9,13.7,13.7,13.7,14.1,14.1,22.6,22.7,27.3,27.3,27.4,28.9,29.0,29.0,29.1,29.2,29.3,29.3,29.4,29.7,30.6,30.7,31.7,31.7,121.8,123.7,123.9,124.0,125.9,126.3,126.5,126.9,130.7,130.7,134.9,135.0,135.3,135.5,135.7,135.9,136.0,136.1,136.2,136.6,137.0,137.2,138.7,139.0,140.8,140.8,140.9,140.9,141.0;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 2011.9 (M+,calcd2000.7).
<G2(TMS)―4T―≡―TMS>
Figure 0005035958
窒素置換した30mL二つ口フラスコにG1(Ph)―4T―SnBu(578mg,0.29mmol)、参考合成例1で得られたSnBu―4T―≡―TMS(99mg,0.12mmol)を入れ、乾燥トルエン(5mL)を加えた。バブリングによる脱気後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(14mg,0.012mmol)を加え12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/ジクロロメタン=4/1)で精製することにより目的物(348mg,71%)を橙色半固体として得た(G2(TMS)―4T―≡―TMS)。

TLC Rf= 0.20 (hexane/CH2Cl2 = 4/1); 1H-NMR (CDCl3)δ0.25(s,9H),0.33 (s,36H),0.85-0.95 (m,42H),1.22-1.50 (m,84H),1.56-1.76(m,28H),2.73-2.87 (m,28H),7.03 (d,J = 3.8 Hz,4H),7.05(s,4H),7.06 (s,1H),7.08-7.17 (m,19H),7,19 (d,J = 3.8 Hz,4H),7.27(s,9H),7.67 (s,9H); 13C-NMR (CDCl3) δ0.1,14.1,14.2,14.2,22.6,22.7,22.7,22.8,29.2,29.3,29.3,29.4,29.4,29.5,29.5,29.8,29.8,30.3,30.6,30.6,30.7,31.7,31.7,31.8,97.6,99.8,120.8,121.1,121.3,123.8,123.9,124.0,126.1,126.2,126.2,126.3,126.6,126.7,126.8,130.5,130.6,130.7,130.7,132.3,134.3,134.9,135.0,135.1,135.2,135.3,135.5,135.6,135.7,136.4,136.6,136.7,136.8,137.2,137.3,138.8,139.3,140.4,140.5,140.6,140.7,140.8,140.9;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 4102.1 (M+,calcd4091.3). Anal. Calcd for C231H278S28Si5:C,67.79; H,6.85. Found: C,67.78; H,6.65.
<G2(TMS)―4T―≡―≡―4T―G2(TMS)>
Figure 0005035958
50mLナス型フラスコにG2(TMS)―4T―≡―TMS(348mg,0.085mmol)、水酸化カリウム(0.2g)、THF(8mL)、メタノール(1mL)を入れ、30分間室温で撹拌した。ここへ、クロロホルム(10mL)と水(10mL)を加え、分離した有機層を水(20mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)で精製した(G2(TMS)―4T―≡―H)。
窒素置換した30mLナス型フラスコにG2(Ph)―4T―≡―H、酢酸銅(II)一水和物(337mg,1.69mmol)、TMEDA(0.26mL,1.69mmol)、乾燥THF(9mL)を入れ、12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/クロロホルム=1/1)により目的物(340mg)を粗精製物の赤色半固体として得た(G2(TMS)―4T―≡―≡―4T―G2(TMS))。

1H-NMR (CDCl3) δ0.33 (s,72H),0.87-0.93 (m,84H),1.26-1.50 (m,168H),1.65-1.77(m,56H),2.76-2.84 (m,56H),7.03 (d,J = 3.8 Hz,8H),7.04 (s,8H),7.08-7.16 (m,50H),7.24(s,18H),7.64 (br,18H); 13C-NMR (CDCl3) δ0.1,14.1,14.1,14.2,22.6,22.7,22.8,29.3,29.4,29.4,29.5,29.5,29.8,29.9,30.2,30.6,30.6,30.7,31.7,31.8,31.8,79.3,119.5,121.2,121.4,123.8,123.9,124.1,126.1,126.2,126.3,126.3,126.7,127.0,130.7,130.8,134.1,134.3,135.0,135.1,135.3,135.4,135.7,135.7,136.3,136.7,136.8,136.9,137.2,137.4,137.7,139.0,139.4,140.5,140.5,140.7,140.9,141.0,141.0;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 8052.7 (M+,calcd8035.5).
<G2(H)―9T―G2(H)>
Figure 0005035958
窒素置換した50mLナス型フラスコにG2(Ph)―4T―≡―≡―4T―G2(Ph)(483mg)、硫化ナトリウム9水和物(574mg,2.4mmol)、乾燥THF(20mL)を入れ、12時間加熱還流した。セライトろ過により固形物を取り除き、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)で精製した(G2(TMS)―9T―G2(TMS))。
次いで、50mLナス型フラスコにG2(TMS)―9T―G2(TMS)、1.0M TBAF/THF(0.6mL,0.6mmol)、乾燥THF(20mL)を入れ、室温で30分間撹拌し、クロロホルム(10mL)と水(10mL)を加えた。分離した有機層を水(20mL)で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾過して除いた後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム)と分取型GPC(JAIGEL-3H,4H,溶離液:クロロホルム)で精製することにより目的物(123mg,39%,4steps)を赤色固体として得た(G2(H)―9T―G2(H))。これを分岐型化合物Dと呼ぶ。分岐型化合物Dの酸化側のサイクリックボルタモグラムの繰り返し特性を図14に示す。

1H-NMR (CDCl3,40 ℃,0.071 mM) δ0.88-0.95 (m,84H),1.29-1.50 (m,168H),1.63-1.77 (m,56H),2.76-2.85(m,56H),6.93 (d,J = 4.8 Hz,8H),7.02 (d,J = 3.8 Hz,8H),7.02 (s,2H),7.09-7.15 (m,50H),7.17(d,J = 4.8 Hz,8H),7.23 (s,18H),7.63 (br,18H); 13C-NMR (CDCl3,40℃)δ14.1. 14.2,14.2,14.2,14.2,22.7,22.7,22.8,22.8,22.8,29.3,29.4,29.5,29.6,29.6,29.7,29.9,30.0,30.0,30.3,30.4,30.5,30.6,30.6,31.7,31.8,31.8,31.9,121.0,123.6,123.8,123.9,125.8,126.0,126.8,126.2,126.3,126.5,130.1,130.5,130.6,130.8,130.9,134.7,134.9,135.3,135.4,136.6,136.7,136.9,139.8,140.1,140.2,140.5,140.6,140.7,141.0;MS (MALDI-TOF,1,8,9-trihydroxyanthracene matrix) m/z 7512.5 (M+,calcd7494.1). Anal. Calcd for C432H476S57: C,69.22;H,6.40. Found: C,69.07; H,6.58.
実施例3
<有機薄膜素子の作成及び有機薄膜トランジスタ特性の評価>
ゲート電極となる高濃度にドープされたn型シリコン基板の表面に、絶縁層となるシリコン酸化膜を熱酸化により、300nm形成したものを準備した。この基板の上に、リフトオフ法によりチャネル幅38mm、チャネル長5μmの櫛形ソース電極及びドレイン電極を形成した。電極付き基板をアセトンで10分間、次いでイソプロピルアルコールで10分間超音波洗浄した後、オゾンUVを30分間照射し表面を洗浄した。実施例2で合成した分岐型化合物Bをクロロホルムに1wt%の濃度の溶液とし、上記洗浄基板を用い、スピンコート法により成膜し、有機トランジスタ素子を作成した。成膜後、10−6Paの真空中、120℃で12時間ベークしてトランジスタ特性を評価した。有機トランジスタ素子に、真空中でゲート電圧Vgを0〜−80V、ソース−ドレイン間電圧Vsdを0〜−100Vの範囲で変化させ、有機トランジスタ特性を測定することにより良好なp型半導体のId−Vg特性が得られた。Vg=−80V、Vsd=−100V印加したときのドレイン電流Idは40μAであった。またこのときの移動度は2×10−4cm/Vs、オン/オフ比10と良好であった。
比較例3
<有機薄膜素子の作成及び有機薄膜トランジスタ特性の評価>
実施例3と同様にして、比較例2で合成した分岐型化合物Dを用いて有機トランジスタ素子を作成した。有機トランジスタ素子に、真空中でゲート電圧Vgを0〜−50V、ソース−ドレイン間電圧Vsdを0〜−50Vの範囲で変化させ、有機トランジスタ特性を測定することにより良好なp型半導体のId−Vg特性が得られた。Vg=−50V、Vsd=−50V印加したときのドレイン電流Idは4nAであった。またこのときの移動度は7×10−6cm/Vs、オン/オフ比20と特性が低かった。
第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第3実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第4実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第5実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第6実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 実施形態に係る太陽電池の模式断面図である。 第1実施形態に係る光センサの模式断面図である。 第2実施形態に係る光センサの模式断面図である。 第3実施形態に係る光センサの模式断面図である。 実施例2で合成した分岐型化合物Bのサイクリックボルタモグラムである。 比較例1で合成した分岐型化合物Cのサイクリックボルタモグラムである。 比較例2で合成した分岐型化合物Dのサイクリックボルタモグラムである。
符号の説明
1…基板、2…活性層、2a…活性層、3…絶縁層、4…ゲート電極、5…ソース電極、6…ドレイン電極、7a…第1の電極、7b…第2の電極、8…電荷発生層、100…第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、110…第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、120…第3実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、130…第4実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、140…第5実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、150…第6実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、160…第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、200…実施形態に係る太陽電池、300…第1実施形態に係る光センサ、310…第2実施形態に係る光センサ、320…第3実施形態に係る光センサ。

Claims (8)

  1. 下記一般式(a)又は(c)で表される分岐型化合物。
    Figure 0005035958
    Figure 0005035958
    (式中、下記一般式(1)及び(1’)で表される単位は、それぞれ独立に、下記一般式(9)で表される単位を示し、Xは下記一般式(8)で表される2価の有機基を示し、Y及びY は、それぞれ独立に、フェニル基又は置換フェニル基を示す。)
    Figure 0005035958
    Figure 0005035958
    Figure 0005035958
    (式中、R 10 及びR 11 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、これらの基における一部又は全部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。R 10 及びR 11 が複数存在するときは、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、kは、3〜10の整数を示す。)
    Figure 0005035958
    (式中、Ar は、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を示す。R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を示し、これらの基における一部又は全部の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。なお、R 、R 、R 及びR が複数存在するときは、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、p、q及びrは、それぞれ独立に、0〜10の整数を示す。ただし、pとrとの和は5〜20の整数である。)
  2. Y及びY が、フェニル基である、請求項1記載の分岐型化合物。
  3. 請求項1又は2記載の分岐型化合物を含む有機薄膜。
  4. 真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法又はフレキソ印刷法により形成される、請求項記載の有機薄膜。
  5. 請求項3又は4記載の有機薄膜を備える有機薄膜素子。
  6. ソース電極及びドレイン電極と、これら電極の間の電流経路となる有機半導体層と、前記電流経路を通る電流量を制御するゲート電極と、を備えた有機薄膜トランジスタであって、前記有機半導体層が請求項3又は4記載の有機薄膜を備える有機薄膜トランジスタ。
  7. 請求項3又は4記載の有機薄膜を備える有機太陽電池。
  8. 請求項3又は4記載の有機薄膜を備える光センサ。
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