以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態を説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム5のシステム構成を示している。画像形成システム5は、プリンタコントローラ10と画像形成装置20を備えて構成される。
プリンタコントローラ10には、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置2がLAN(Local Area Network)などのネットワーク3を介して接続される。プリンタコントローラ10は情報処理装置2から送られてくる印刷ジョブに係る印刷データをラスタライズしてビットマップ形式のイメージデータを生成する(RIP処理する)機能と、イメージデータが表す複数ページ分の画像を1ページ(出力用紙における1ページに面付けする機能を備えている。
画像形成装置20は、プリンタコントローラ10の生成したイメージデータに基づいて用紙上に画像を形成して出力するプリント出力機能と、イメージデータが表す複数ページ分の画像を1ページ出力用紙における1ページ)に面付けする機能とを備えている。
プリンタコントローラ10は、当該プリンタコントローラ10の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)11と、ネットワーク3に接続するための通信機能を果たすLANIF部12と、RIP処理により生成したイメージデータなどを記憶する画像メモリ13、ネットワーク3から受信した印刷ジョブのデータやRIP処理の処理過程で生成される中間データなどを蓄積するハードディスク装置(HDD)14と、画像メモリ13へのデータのリード/ライト機能、画像メモリ13にリード/ライトする画像をビット単位(1ドット単位)にシフトさせる機能、画像形成装置20との間で各種データを送受信する機能などを備えたDRAM制御部15とを有している。
このほかCPU11には、当該CPU11が読み出して実行するプログラムや固定データが記憶されたROM(Read Only Memory)、CPU11がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するためのワークメモリなどが接続されている。
図2は、画像形成装置20の機械的概略構成を示している。画像形成装置20は、前述した機能のほかに、原稿を光学的に読み取りその複製画像を用紙上に形成するコピー機能などを備えた、所謂、デジタル複合機と称される装置として構成されている。
図2では、画像形成装置20に大容量給紙装置21と後処理装置22を接続した状態を示している。大容量給紙装置21は画像形成装置20に給紙される用紙を大量に蓄積収容する装置であり、後処理装置22は画像形成装置20から排出された用紙に折り目をつけたり、複数の用紙を束ねてステイプルで綴じたり、パンチで穴を開けたりする機能などを有する装置である。
画像形成装置20は、表示操作部31と、原稿画像を光学的に読み取って対応する画像データを取得するスキャナ部32と、原稿トレイ33aに載置された原稿を1枚ずつスキャナ部32の原稿読み取り位置へ繰り出す自動原稿送り装置33と、用紙上に画像を形成して出力するプリンタ部34と、主制御部50とを備えている。
スキャナ部32は、原稿に光を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサ32aと、原稿からの反射光をラインイメージセンサ32aに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路などで構成される。スキャナ部32は、自動原稿送り装置33によって原稿を搬送することにより原稿を読み取り位置に対して相対移動させながら読み取る流し読み形式のほか、原稿をプラテンガラス上に載置した状態で読み取ることができる。
プリンタ部34は、画像形成用の用紙を蓄える複数の給紙トレイ36と、用紙上に画像を形成する画像形成部37と、大容量給紙装置21または給紙トレイ36から用紙を繰り出し、画像形成部37を通過させて後段の後処理装置22へ排出する用紙搬送機構38などで構成される。
画像形成部37は、感光体41、帯電装置42、レーザーユニット43、現像装置44、転写装置45、分離装置46、クリーニング装置47、定着装置48などで構成され、電子写真プロセスによって画像を用紙上に形成する。
詳細には、感光体41は、円筒形状を成すとともに、図示省略の駆動部によって一定方向(図中の矢印A方向)に回転される。回転中、感光体41は、帯電装置42によるコロナ放電によって一様に帯電した後、レーザーユニット43から画像データに応じてオン/オフされるレーザー光の走査を受けてその表面に静電潜像が形成される。現像装置44は、感光体41の表面に形成された静電潜像をトナー像として顕像化する。
用紙搬送機構38は、大量の用紙を蓄積収納可能な大容量給紙装置21あるいは給紙トレイ36から用紙を繰り出して搬送し、感光体41と転写装置45との間へ適切なタイミングで送り込む(矢印B)。転写装置45は感光体41の表面に形成されているトナー像を、用紙搬送機構38によって搬送されてきた用紙上に静電的に転写し、分離装置46は、除電により感光体41からこの用紙を分離する。クリーニング装置47は、転写後に感光体41に残ったトナーをブレード等で擦って除去する。トナー像が転写された用紙は、さらに搬送され(矢印C)、定着装置48を通る際に加圧加熱されてトナー像が用紙上に固着された後、後処理装置22へ排出される(矢印D)。なお、画像形成の方式は電子写真方式に限定されるものではなく、他の方式であってもかまわない。
図1に戻って画像形成装置20の電気的構成を説明する。画像形成装置20は、当該画像形成装置20の動作を統括制御する主制御部50に、スキャナ部32とプリンタ部34と表示操作部31を接続して構成される。
スキャナ部32は、図1に示すラインイメージセンサ32aのほか、当該スキャナ部32の動作全体を制御するスキャナ制御部32bを備えている。プリンタ部34は画像データに応じてオン/オフされるレーザーダイオード(LD)のほか、画像形成部37や用紙搬送機構38などを含めたプリンタ部34全体の動作を制御するプリンタ制御部34bなどを有している。このほか、図示省略してあるがプリンタ制御部34bには画像形成部37の各部や用紙搬送機構38を作動させるモータ、ソレノイド、センサなどが接続されている。
表示操作部31は、各種設定画面や操作画面を表示してユーザから各種の設定/選択操作を受け付けたり、ユーザに向けて各種の情報や警告を表示したりする機能を果たす。表示操作部31は、液晶ディスプレイからなる表示部31aと、その画面上に敷設されたタッチスイッチおよびその他のスイッチから成る操作部31bと、表示部31aおよび操作部31bを制御する操作制御部31cとを有する。
なお、スキャナ制御部32b、操作制御部31c、プリンタ制御部34bはそれぞれCPU(Central Processing Unit)およびROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を主要部とする回路で構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って各種の制御を実行する。
主制御部50は、画像形成装置20の動作を統括制御する機能を果たし、読み取り処理部51と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御部52と、圧縮IC53aと、伸張IC53bと、半導体メモリで構成された画像メモリ55と、書き込み処理部56と、CPU57と、ROM58と、RAM59と、不揮発メモリ61と、ハードディスク装置62(HDDとも記す)などを備えて構成される。
読み取り処理部51は、スキャナ部32の出力する画像データに対して拡大処理、鏡像処理、誤差拡散処理などを施す機能を果たす。圧縮IC53aは画像データを圧縮し、伸張IC53bは圧縮された画像データ(圧縮画像データ)を元のイメージデータに伸張する機能を果たす。画像メモリ55は、非圧縮の画像データをページ単位で記憶可能なページメモリ55aとしての機能と、圧縮画像データを記憶する圧縮メモリ55bなどとして使用される。
書き込み処理部56は、圧縮メモリ55bから読み出して伸張された画像データに応じてレーザーユニット43のレーザーダイオードをオン/オフさせるための信号を、プリンタ部34の動作に応じたタイミングで出力する機能を果たす。
DRAM制御部52は、ダイナミックRAMからなる画像メモリ55へのリード・ライトおよびリフレッシュのタイミング制御や、画像データを圧縮して圧縮メモリ55bに格納したり、圧縮メモリ55bから圧縮画像データを読み出して伸張したりする際のタイミング制御などを行う。またDRAM制御部52はPCI(Peripheral Component Interconnect)バス54を通じてプリンタコントローラ10のDRAM制御部15と接続されており、プリンタコントローラ10との間でPCIバス54を通じて各種のデータを授受する機能を果たす。
ここでは、プリンタコントローラ10は画像形成装置20の内部に組み込まれている。プリンタコントローラ10を画像形成装置20の外部に設ける場合には、プリンタコントローラ10と画像形成装置20との間でのデータの送受信は、それに適したインターフェイスで行われる。
CPU57は、画像形成装置20の動作全体を制御する機能を果たす。ROM58には、プログラムや各種固定データなどが記憶されており、CPU57はROM58に格納されたプログラムに従って動作する。RAM59は、CPU57がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用される。不揮発メモリ61は、電源オフ後も記憶しておくべきユーザデータやシステムデータ、後述する所定値などが記憶されるメモリである。
次に、第1の実施の形態に係る画像形成システム5における印刷処理の流れを説明する。第1の実施の形態では面付け処理をプリンタコントローラ10で行うか画像形成装置20で行うかを印字率に基づいてジョブ単位に判定するようになっている。
印刷に際して、情報処理装置2は、プリンタドライバの画面を通してユーザから面付けに関する設定を受け付ける。そして、該設定内容を含む印刷ジョブのデータをプリンタコントローラ10へ送信する。印刷ジョブのデータは、たとえば、先頭に配置されたジョブ情報部と、その後ろに配置されたページ数分のページ情報部とから構成される。ジョブ情報部には、当該印刷ジョブ全体に関する各種の制御情報、たとえば、面付けに関する指示情報などが含まれる。ページ情報部はそのページに関する制御情報やそのページの印刷データなどで構成される。以後、面付け指示のある印刷ジョブを面付けジョブ、面付け指示のない印刷ジョブを通常ジョブと呼ぶものとする。
図3は、プリンタコントローラ10が行う処理の流れを示している。プリンタコントローラ10は、常に情報処理装置2から印刷ジョブのデータが受信されるのを待機しており(ステップS101;No)、受信が開始すると(ステップS101;Yes)、CPU11はジョブ情報部の内容などを解析し、面付け設定の指示があるか否かを判断する(ステップS102)。
面付け設定の指示がなければ(ステップS102;No)、受信した印刷ジョブの全ページについて、印刷データを順次ラスタライズしてイメージデータを生成するRIP処理を行い(ステップS107)、該生成した各ページのイメージデータと、印刷ジョブのデータに含まれていた制御情報の内容等を画像形成装置20に対応したデータ形式に変換した制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS108)処理を終了する。この場合、ジョブデータには、制御情報の1つとして通常ジョブであることを示す情報が含まれる。
面付け設定の指示がある場合は(ステップS102;Yes)、印刷ジョブのデータの受信が全ページについて完了するのを待つ(ステップS103;No)。面付け設定されている場合に全ページの受信完了を待つのは、たとえば、先頭ページと最終ページとが同一用紙に面付けされる場合などがあることによる。
全ページの受信が完了すると(ステップS103;Yes)、CPU11は、受信したデータに係る画像の印字率を演算する(ステップS104)。ここでは、製本や冊子に整形された後の有効エリア(切り落とされる枠部分などを除くエリア)における印字率を演算する。求める印字率は、全ページの印字率の平均値でもよいし、ページ毎の印字率の中で最も高い印字率でもよい。
CPU11は、求めた印字率が予め定めた所定値より高いか否かを判定し(ステップS105)、求めた印字率が所定値以下の場合は(ステップS105;No)、当該印刷ジョブに対する面付け処理はプリンタコントローラ10で行わずに、ステップS107に移行する。すなわち、面付け設定がない場合と同様に、全ページについて印刷データをラスタライズしてイメージデータを生成(RIP処理)し(ステップS107)、該生成した各ページのイメージデータと制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS108)処理を終了する。なお、この場合、ジョブデータに制御情報として、面付けジョブであることを示す情報と、面付け済みでないことを示す情報とが埋め込まれる。
印字率と比較する所定値は、たとえば、95パーセントのように高い値が設定される。所定値より印字率が高い場合は有効エリアのほぼ全体に写真などの画像が存在するので、同一ページに面付けされる複数のページ間の境界に隙間が生じると、その隙間が目立ちやすく、見栄えの低下に影響を与える。印字率が低い画像の場合、各ページの縁部には写真などの画像が元々存在しないケースが多いので、ページ間の境界にわずかの隙間があっても目立ち難い。
そこで、求めた印字率が所定値より高い場合は(ステップS105;Yes)、当該印刷ジョブの全ページについてプリンタコントローラ10にて高精度の面付け処理を行う(ステップS106)。
ここでは、印刷データをラスタライズしてイメージデータを生成するRIP処理の実行時に面付け処理を合わせて行うようにしている。たとえば、先頭ページと最終ページとを出力用紙1ページに対して面付けする場合、出力用紙に対応する画像エリアのうち先頭ページをレイアウトすべき場所に、当該先頭ページの印刷データをラスタライズして得たイメージデータを1ドット単位の精度で配置し、出力用紙に対応する画像エリアのうち最終ページをレイアウトすべき場所に、当該最終ページの印刷データをラスタライズして得たイメージデータを1ドット単位の精度で配置する。なお、ページ毎にRIP処理した後、生成された各ページのイメージデータを出力用紙に対応するエリア内にそれぞれ1ドット単位の高精度で配置して面付けするように構成されてもかまわない。
該処理の後、ステップS108に移行し、面付け処理済みのイメージデータと制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS108)処理を終了する。なお、この場合、ジョブデータに制御情報として、面付けジョブであることを示す情報と、面付け済みであることを示す情報とが埋め込まれる。
プリンタコントローラ10で面付けした場合、各ページのレイアウト位置を1ドット単位に調整して高精度に面付けされる。たとえば、ページ間の境界に隙間が生じないように面付けされる。
次に、画像形成装置20が行う処理について説明する。
画像形成装置20は、プリンタコントローラ10からジョブデータを受信すると、該ジョブデータをハードディスク装置62に記憶する。図4は、ハードディスク装置62に記憶されているジョブデータに対して画像形成装置20のCPU57が面付けに関して行う処理の流れを示している。
CPU57は、ハードディスク装置62に記憶されているジョブデータに係る出力処理を行うタイミング、すなわち、該出力処理に備えて画像データを準備すべきタイミングが到来したか否かを判断する(ステップS201)。たとえば、即時実行の印刷ジョブの場合は、プリンタコントローラ10からその印刷ジョブのデータを受信し終えた時点で上記タイミングが到来する。出力保留の指示のある印刷ジョブの場合は、別途、画像形成装置20の表示操作部31などから出力指示を受けた場合に上記タイミングが到来する。
上記タイミングが到来すると(ステップS201;Yes)、CPU57は、ジョブデータに含まれる制御情報に基づき、当該ジョブデータに係る印刷ジョブが面付けジョブであるか否かを判断し(ステップS202)、面付けジョブでない場合は(ステップS202;No)本処理を終了する。この場合は、ジョブデータに含まれているイメージデータがそのまま画像形成用のイメージデータとして使用される。
面付けジョブの場合は(ステップS202;Yes)、プリンタコントローラ10で面付け済みか否かを、処理対象のジョブデータに含まれる制御情報に基づいて判断し(ステップS203)、面付け済みの場合は(ステップS203;Yes)本処理を終了する。この場合、ジョブデータに含まれている面付け済みのイメージデータがそのまま画像形成用のイメージデータとして使用される。
面付け済みでない場合は(ステップS203;No)、制御情報に含まれる面付けに関する情報に基づいて、出力用紙1ページに対応する画像エリアにレイアウトすべき複数のページおよびそれらのレイアウトを決定する。そして、該決定に従って複数ページ分のイメージデータを出力用紙1ページに対応する画像エリアに面付けして新たな1ページ分(出力用紙1ページ分)のイメージデータにすることを、当該ジョブデータに係る面付け前の全ページについて行って(ステップS204)処理を終了する。この場合は、ステップS204で面付けして得た新たなイメージデータが画像形成用のイメージデータとして使用される。
画像形成装置20での面付け処理はCPU57が行うので1バイト単位あるいは1ワード単位の精度で行われる。このため、たとえば、1バイト単位(8ビット単位)の面付け精度において各ページの幅がM(Mは正整数)バイト+3ビットの場合には、最小でも隣接するページとの間に5ビットに相当する幅の隙間が生じる。
しなしながら、印字率が所定値より高い場合(言い換えると、隙間が目立つ画像の場合)はプリンタコントローラ10にて高精度の面付けを行い、印字率が所定値以下の場合(言い換えると、隙間が目立ち難い画像の場合)にのみ画像形成装置20で面付け処理を行うので、画像形成装置20で面付け処理を行っても隙間が目立たず見栄えに影響がでない。
なお、画像形成装置20は、ハードディスク装置62に記憶されているジョブデータに対して、表示操作部31から面付けに関する設定変更(たとえば、ページ順序を入れ替える等の変更操作)を受け付け可能に構成されている。そして、表示操作部31で面付け設定の変更操作を受けたジョブが、プリンタコントローラ10で面付け処理されたジョブ(図4のステップS203で「Yes」となるジョブ)の場合は、変更後の設定での面付け処理のやり直しをプリンタコントローラ10に依頼する。
一方、面付け設定の変更操作を受けたジョブが画像形成装置20で面付け処理するジョブ(図4のステップS203で「No」となるジョブ)の場合は、変更後の設定での面付け処理を画像形成装置20で行うようになっている。
プリンタコントローラ10に面付けのやり直しを依頼した場合、プリンタコントローラ10は変更後の面付け設定に対応するようにRIP処理を再度実行し、該面付け後のイメージデータを画像形成装置20に送信する。画像形成装置20は該イメージデータでハードディスク装置62に記憶されている当該ジョブに係る変更前のイメージデータを更新する。このように、面付けをプリンタコントローラ10でやり直す場合は、RIP処理が行われるので面付け設定の変更に対応するための所要時間が長くかかる。
これに対し、面付け設定の変更に画像形成装置20で対応する場合は、ハードディスク装置62に記憶してあるイメージデータを使用して面付けをやり直すので再度のRIP処理は不要であり、面付け設定の変更に短時間で対応することができる。特に、画像形成装置20は、実際の面付け処理の実行は、図4のステップS201で示した画像準備タイミングが到来した場合に開始するので、表示操作部31で面付け設定の変更操作を受けてもその時点ではジョブデータ内の面付け設定に関する制御情報を変更するだけとなり、面付け設定の変更に係る処理負担はほとんどない。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係る画像形成システム5の構成は図1、図2に示すものと同様であり、その説明は省略する。また、画像形成装置20の動作は第1の実施の形態と同一でありその説明は省略する。
第2の実施の形態では、高精度面付けを行うか否かの選択を情報処理装置2のプリンタドライバ画面を通じてユーザから受け付け、画像形成システム5は該ユーザの指定に基づいて、面付け処理をプリンタコントローラ10で行うか画像形成装置20で行うかを判定するようになっている。
情報処理装置2は、プリンタドライバの画面を通してユーザから面付け設定を受ける際に、その面付けを高精度で行うか否かの選択を受け、該選択結果を示す制御情報を含む印刷ジョブのデータをプリンタコントローラ10に送信する。
図5は、第2の実施の形態に係るプリンタコントローラ10が行う処理の流れを示している。プリンタコントローラ10は、常に情報処理装置2から印刷ジョブのデータが受信されるのを待機しており(ステップS301;No)、受信が開始すると(ステップS301;Yes)、CPU11はジョブ情報部の内容を解析し、面付け設定の指示があるか否かを判断する(ステップS302)。
面付け設定の指示がある場合は(ステップS302;Yes)、さらにジョブ情報部の内容を解析し、高精度面付けの設定があるか否かを判断する(ステップS303)。面付け設定の指示がない場合(ステップS302;No)または高精度面付けの設定がない場合は(ステップS303;No)、受信した印刷ジョブの全ページについて印刷データを順次ラスタライズしてイメージデータを生成するRIP処理を行い(ステップS306)、生成した各ページのイメージデータと印刷ジョブのデータに含まれていた制御情報の内容等を画像形成装置20に対応したデータ形式に変換した制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS307)処理を終了する。この場合、ジョブデータには制御情報として、通常ジョブであることを示す情報が埋め込まれる。
高精度面付けの設定がある場合は(ステップS303;Yes)、印刷ジョブのデータの受信が全ページについて完了するのを待ち(ステップS304;No)、全ページの受信が完了すると(ステップS304;Yes)、当該印刷ジョブの全ページについてプリンタコントローラ10にて高精度の面付け処理を行う(ステップS305)。面付け処理は第1の実施の形態と同様にRIP処理に合わせて1ドット単位の高精度で行われる。その後、ステップS307に移行してジョブデータを送信する。なお、この場合、ジョブデータに制御情報として、面付けジョブであることを示す情報と、面付け済みであることを示す情報とが埋め込まれる。
ユーザによる高精度面付けの選択指示は、プリンタドライバの画面から受け付ける場合に限定されず、たとえば、プリンタコントローラ10が画像形成装置20と別体に設けられかつ表示操作部を有する場合は、プリンタコントローラ10の表示操作部にて受け付けてもよい。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態に係る画像形成システム5の構成は図1、図2に示すものと同様であり、その説明は省略する。第3の実施の形態では面付け処理をプリンタコントローラ10で行うか画像形成装置20で行うかを印字率に基づいてページ単位に判定するようになっている。
情報処理装置2がプリンタコントローラ10に対して送信する印刷ジョブは第1の実施の形態と同一でありその説明は省略する。
図6は、第3の実施の形態に係るプリンタコントローラ10が行う処理の流れを示している。プリンタコントローラ10は、常に情報処理装置2から印刷ジョブのデータが受信されるのを待機しており(ステップS401;No)、受信が開始すると(ステップS401;Yes)、CPU11は受信したデータのジョブ情報部を解析し、面付け設定の指示があるか否かを判断する(ステップS402)。
面付け設定の指示がなければ(ステップS402;No)、受信した印刷ジョブの全ページについて印刷データを順次ラスタライズしてイメージデータを生成するRIP処理を行い(ステップS408)、生成した各ページのイメージデータと印刷ジョブのデータに含まれていた制御情報の内容等を画像形成装置20に対応したデータ形式に変換した制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS409)処理を終了する。この場合、ジョブデータに制御情報として、通常ジョブであることを示す情報が含まれる。
面付け設定の指示がある場合は(ステップS402;Yes)、印刷ジョブのデータの受信が全ページについて完了するのを待ち(ステップS403;No)、全ページの受信が完了すると(ステップS403;Yes)、CPU11は、予め定めた特定ページについて画像の印字率を演算する(ステップS404)。特定ページは、たとえば、表紙、表紙と同じ出力用紙に面付けされるページ、製本状態で見開いた際に左右のページが同一用紙となるようなページなど、面付けされたページ間の境界が製本後にユーザの目に触れ得るページである。
なお、印字率は第1の実施の形態と同様に、製本や冊子に整形された後に残る有効エリア(切り落とされる枠部分などを除くエリア)における印字率であり、演算で求める印字率は、全特定ページの印字率の平均値でもよいし、特定ページ毎の印字率の中で最も高い印字率でもよい。
CPU11は、求めた印字率が予め定めた所定値より高いか否かを判定し(ステップS405)、求めた印字率が所定値以下の場合は(ステップS405;No)、当該印刷ジョブに対する面付け処理はプリンタコントローラ10で行わずに、ステップS408に移行する。すなわち、面付け設定がない場合と同様に、全ページについて印刷データをラスタライズしてイメージデータを生成(RIP処理)し(ステップS408)、この生成した各ページのイメージデータと制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS409)処理を終了する。
なお、この場合、ジョブデータに制御情報として、面付けジョブであることを示す情報と、全ページにつき、面付け済みでないことを示す情報とが埋め込まれる。ここで、面付け済みか否かを示す情報は、ぺ−ジ毎に面付け済みか否かを示す。
特定ページに係る印字率が所定値より高い場合は(ステップS405;Yes)、特定ページについてプリンタコントローラ10にて1ドット単位の高精度の面付け処理を行う(ステップS406)。ここでは、印刷データをラスタライズしてイメージデータを生成するRIP処理の実行時に面付け処理を合わせて行う。なお、RIP処理後に別途、面付け処理を行ってもかまわない。
さらに、特定ページ以外のページについてRIP処理を行う(ステップS407)。その後、各イメージデータと制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS409)処理を終了する。なお、この場合、ジョブデータに制御情報として、面付けジョブであることを示す情報と、ページ毎に面付け済みであるか否かを示す情報とが埋め込まれる。面付け済みか否かを示す情報は、たとえば、ジョブデータのうちのページ情報部にぺ−ジ毎に付加される。
このように第3の実施の形態では、ページ間の境界が見栄えに影響するような印字率の高い特定ページのみを対象にプリンタコントローラ10で面付けが行われる。なお、印字率の高低にかかわらず、特定ページはプリンタコントローラ10で面付けするように構成されてもよい。
次に第3の実施の形態に係る画像形成装置20が行う処理について説明する。
画像形成装置20は、プリンタコントローラ10からジョブデータを受信すると、該ジョブデータをハードディスク装置62に記憶する。図7は、ハードディスク装置62に記憶されているジョブデータに対して画像形成装置20のCPU57が面付けに関して行う処理の流れを示している。
CPU57は、ハードディスク装置62に記憶されているジョブデータに係る出力処理を行うタイミング(該出力処理に備えて画像を準備するタイミング)が到来したか否かを判断する(ステップS501)。上記タイミングが到来した場合は(ステップS501;Yes)、ジョブデータに含まれる制御情報に基づき、当該ジョブデータに係るジョブが面付けジョブであるか否かを判断し(ステップS502)、面付けジョブでない場合は(ステップS502;No)本処理を終了する。この場合は、ジョブデータに含まれていたイメージデータがそのまま画像形成用のイメージデータとして使用される。
面付けジョブの場合は(ステップS502;Yes)、ページ毎に、そのページがプリンタコントローラ10で面付け済みであるか否かを、ジョブデータ内のページ情報部に基づいて判断する(ステップS503)。注目するページがプリンタコントローラ10で面付け済みでない場合は(ステップS503;No)、当該ページおよびこれと同一出力用紙に面付けすべきページの面付け処理を行い(ステップS504)、ステップS505に移行する。画像形成装置20での面付け処理は、第1の実施の形態と同様にCPU57が行うので1バイト単位あるいは1ワード単位の精度で行われる。
注目するページが面付け済みの場合は(ステップS503;Yes)、ステップS505に移行する。ステップS505では、全ページについて面付け済みとなったか否かを判定し、面付けされていないページがある場合は(ステップS505;No)、注目するページをステップS503の判断を受けていない他のページに変更して(ステップS506)、ステップS503へ移行し、処理を継続する。全ページ面付け済みの場合は(ステップS505;Yes)本処理を終了する。この場合、ジョブデータに含まれていたプリンタコントローラ10で面付け済みのイメージデータはそのまま画像形成用のイメージデータとして使用され、プリンタコントローラ10で面付けされていなかったページについては画像形成装置20にて面付けして得たイメージデータが画像形成用に使用される。
なお、画像形成装置20は、ハードディスク装置62に記憶されているジョブデータに対して、表示操作部31から面付けに関する設定変更(たとえば、ページ順序を入れ替える等の変更)をページ単位に受け付け可能に構成されている。そして、表示操作部31で面付け設定の変更操作を受けたページが、プリンタコントローラ10で面付け処理されたページ(図7のステップS503で「Yes」となるページ)の場合は、そのページについて、変更後の設定での面付け処理のやり直しをプリンタコントローラ10に依頼する。一方、面付け設定の変更操作を受けたページが画像形成装置20で面付けしたページ(図7のステップS503で「No」となるページ)の場合は、そのページに関する変更後の設定での面付け処理を画像形成装置20で行うようになっている。
プリンタコントローラ10に面付けのやり直しを依頼した場合、プリンタコントローラ10は指定されたページについて変更後の面付け設定に対応するようにRIP処理を実行し、生成した面付け後のイメージデータを画像形成装置20に送信し、画像形成装置20は該イメージデータでハードディスク装置62に記憶されている当該ページの変更前のイメージデータを更新する。
このように、面付け設定の変更操作を受けた場合でも、プリンタコントローラ10で面付けされたページについてのみプリンタコントローラ10に再度の面付けを依頼するので、プリンタコントローラでRIP処理されるページを最小限に抑えることができ、面付け設定の変更に対応するまでの所要時間を短くすることができる。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態に係る画像形成システム5の構成は図1、図2に示すものと同様であり、その説明は省略する。また、画像形成装置20の動作は第3の実施の形態と同一でありその説明は省略する。
第4の実施の形態では、高精度面付けを行うか否かの選択を情報処理装置2のプリンタドライバ画面を通じてユーザからページ単位に受け付け、画像形成システム5は該ユーザの指定に基づいて、面付け処理をプリンタコントローラ10で行うか画像形成装置20で行うかをページ単位に判定するようになっている。
情報処理装置2は、プリンタドライバの画面を通してユーザから面付け設定を受ける際に、その面付けを高精度で行うか否かの選択をページ単位に受け、該選択結果を示す制御情報を含む印刷ジョブのデータをプリンタコントローラ10に送信する。
図8は、第4の実施の形態に係るプリンタコントローラ10が行う処理の流れを示している。プリンタコントローラ10は、常に情報処理装置2から印刷ジョブのデータが受信されるのを待機しており(ステップS601;No)、受信が開始すると(ステップS601;Yes)、CPU11はジョブ情報部もしくはページ情報部の内容を解析し、面付け設定の指示があるか否かを判断する(ステップS602)。
面付け設定の指示がない場合は(ステップS602;No)、受信した印刷ジョブの全ページについて印刷データを順次ラスタライズしてイメージデータを生成するRIP処理を行い(ステップS607)、該生成した各ページのイメージデータと印刷ジョブのデータに含まれていた制御情報の内容等を画像形成装置20に対応したデータ形式に変換した制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS608)処理を終了する。この場合、ジョブデータに制御情報として、通常ジョブであることを示す情報が含まれる。
面付け設定の指示がある場合は(ステップS602;Yes)、印刷ジョブのデータの受信が全ページについて完了するのを待つ(ステップS603;No)。
全ページの受信が完了すると(ステップS603;Yes)、CPU11は、当該印刷ジョブの中に高精度面付けの設定がなされたページがあるか否かを判別し(ステップS604)、高精度面付けの設定がなされたページがない場合は(ステップS604;No)、当該印刷ジョブに対する面付け処理はプリンタコントローラ10で行わずに、ステップS607へ移行する。すなわち、面付け設定がない場合と同様に、全ページについて印刷データをラスタライズしてイメージデータを生成(RIP処理)し(ステップS607)、該生成した各ページのイメージデータと制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS608)処理を終了する。
なお、この場合、ジョブデータに制御情報として、面付けジョブであることを示す情報と、全ページにつき、面付け済みでないことを示す情報とが埋め込まれる。面付け済みか否かを示す情報はぺ−ジ毎に面付け済みか否かを示す。
高精度面付けの設定がなされたページがある場合は(ステップS604;Yes)、高精度面付けの設定がなされているページについてプリンタコントローラ10にて1ドット単位の高精度の面付け処理を行う(ステップS605)。ここでは、印刷データをラスタライズしてイメージデータを生成するRIP処理の実行時に面付け処理を合わせて行う。なお、RIP処理後に別途、面付け処理を行ってもかまわない。
さらに、高精度面付けの設定がなされていないページについてRIP処理を行う(ステップS606)。その後、ステップS608に移行し、各イメージデータと制御情報とを含むジョブデータを画像形成装置20へ送信して(ステップS608)処理を終了する。なお、この場合、ジョブデータに制御情報として、面付けジョブであることを示す情報と、ページ毎に面付け済みであるか否かを示す情報とが埋め込まれる。
なお、ユーザによる高精度面付けの選択指示は、プリンタドライバの画面から受け付ける場合に限定されず、たとえば、プリンタコントローラ10が画像形成装置20と別体に設けられかつ操作部を有する場合は、プリンタコントローラ10の操作部にて受け付けてもよい。
また、画像形成装置20のハードディスク装置62にジョブデータを記憶した後の面付け設定の変更操作の受け付けおよびこれに対応する処理は、第3の実施の形態と同様であり、その説明は省略する。
以上、本発明の各種実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態では、画像形成装置20としてデジタル複合機を例示したが、スキャナ部32などを具備せず、単体のプリンタとして構成されてもよく、プリンタコントローラ10からイメージデータを含むジョブデータを受けてプリント出力する機能を備えていればよい。
実施の形態では、画像形成装置20の内部にプリンタコントローラ10が組み込まれている構成例を示したが、プリンタコントローラ10は画像形成装置20と別体に設けられてもよい。
印字率と比較される所定値は、固定値でもよいし、任意の値に設定変更可能にされてもよい。また、特定ページをいかなるページにするかは、固定的に定められてもよいし、任意に設定変更可能にされてもよい。