JP5034120B2 - 製品の組立調整方法および組立調整装置 - Google Patents

製品の組立調整方法および組立調整装置 Download PDF

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Description

本発明は、製品の温度特性まで考慮した最適な調整値を得る工程において、製品個々の温度特性を計測することなく短時間に調整を実施する技術に関する。
センサ、映像機器、光学製品、電気・電子部品等の製品の製造工程には、その組立の終盤工程に、調整工程(以下、最終調整工程という)を含んでいるものが多い。
最終調整工程で受け入れる半製品は、部品の寸法精度や、部品の組み立て・加工精度、材料の物性ばらつき等により、製品の特性値がばらつく可能性がある。
このような工程能力の不足により、製品の特性のばらつきが大きくなり許容値(製品の性能に求められるスペック)を超える場合には、市場に不良品を流出させないように許容値に対する合否を個々に検査する必要がある。検査を実施した後、許容値を満足しない場合には製品を廃棄したり、手直ししたりするロスが発生する。
このようなロスを抑えるためには、製品を構成する部品や材料のばらつきを小さくして、製品の特性値のばらつきが小さくなるような品質管理的な手段が従来用いられてきた。
しかしながら、このような管理方法では、精度の高い部品を購入したり、部品を精度よく加工したり組み立てしたりするのに余分なコストがかかる。
この点で、上流工程で累積したばらつきを相殺するため、最終調整工程のパラメータを調整することで、最終製品のばらつきを小さくする技術(以下、最終調整技術)が広く用いられてきた。かかる最終調整技術に関し、特に製品の品質の安定化に関しては、たとえば、特開2002−334652号公報(特許文献1)において、カラー陰極線管(以下、CRTとも称する)を構成するアパーチャグリルとガラスパネルとのペア組み立て工程における、最終調整技術が開示されている。
具体的には、上流工程で作りこまれた外形寸法ばらつきを有するアパーチャグリルと、寸法ばらつきのあるガラスパネルとに転写された蛍光体パターンとを精度よく組み合わせるため、CRTのペア組み立て工程の最終工程である板バネの溶接位置を決定する方法が開示されている。なお、板バネの溶接位置は、上記最終調整工程における調整パラメータに相当する。
CRTに限らず、たとえば、2つ以上の光学部品(レンズ、ミラー、プリズムなど)を有する光学系の組み立てにおいては、多くの場合、光軸調整と称する最終調整工程があり、これによって最終製品の特性のばらつきを最小限に抑えている。
また、たとえば、圧力センサ、磁気センサ等のセンサ素子の製造工程においても、センサのゼロ点を調整したり、感度(入力を出力に変換する比例定数)を回路の一部のパラメータ(抵抗値等)を用いて調整したりする最終調整工程があり、これによって最終製品の特性のばらつきを最小限に抑えている。
このような最終調整工程は常温環境のみで行われることも多いが、しばしば、製品の温度特性を含めた調整を行うため、最終調整工程において、製品を加熱環境下あるいは冷却環境下において、製品温度を変化させながら製品の特性値を取得し、その温度特性が所望の値となるように、調整パラメータを決定することが行われていた。
たとえば、特開2006−119008号公報(特許文献2)においては、温度特性を考慮した組立調整方法が開示されている。具体的には、ジャイロセンサの温度を−50℃〜90℃まで10℃毎に変化させて、そのゼロ点電圧を取得する方式が開示されている。
また、同様に、特開2001−272423号公報(特許文献3)においては、非接触センサの最終調整工程において最適な抵抗値等のパラメータを決定するために、センサの温度特性を取得している。このことは「通常の出荷検査」と記述されており、工程内で温度特性を取得して製品特性を最終調整する方式は、一般的な方式である。
いずれの方式においても温度特性を考慮した組立調整を実施するためには、製品を恒温槽などで順次設定温度を変化させながら逐一データを取得する必要があるが、一般的に恒温槽の熱容量は大きいので、恒温槽が設定温度になるまでに時間がかかり、さらに、製品が恒温槽などで設定温度になるまでには、更なる時間がかかる可能性がある。
また、これらの調整工程においては、調整をさらに精度よく行い、製品の品質をより向上させたいという要望がある。
特開2002−334652号公報 特開2006−119008号公報 特開2001−272423号公報
したがって、纏めると従来においては、以下のような課題があった。
(1)温度特性を考慮しない調整の場合、最終調整工程の調整パラメータの値が温度特性も含めて最適であるかどうかがわからないため、製品の品質を十分に確保できないという問題があった。
(2)また、温度特性を考慮して調整を行う場合には、製造工程内で製品の温度を変化させる必要があり、それがしばしば時間を要するため、製造工程における生産性を低下させるという問題があった。
(3)また、このような温度特性を考慮して調整をさらに精度よくおこない、製品の品質をより向上させたいという要望があった。
(4)また、一般に、高い調整精度を有する組立調整手段は高価で、調整に時間がかかるという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、製品の温度特性まで考慮した最適な調整値を得る工程において、製品個々の温度特性を計測することなく、短時間に調整を実施する製品の組立調整方法および組立調整装置を提供することを目的とする。
本発明のある局面に従う組立調整方法は、複数の構成部材からなる半製品と、最終調整部材とからなる製品において、その組立の終盤工程に、最終調整部材の調整パラメータの水準値を決定し、組立を行う組立調整方法であって、製品の常温時の特性値の実測値を調整パラメータの水準ごとに計測するステップと、計測された常温時の特性値の実測値から、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方を調整パラメータの水準ごとに計算するステップと、製品の常温時の主要特性値の実測値と、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方の予測値とに基づいて、調整パラメータの水準ごとの常温時の主要特性値の実測値と高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方の予測値との分散が最小となるような調整パラメータの水準値を決定するステップと、調整パラメータの値を決定した値に制御し、固定するステップとを備える。
好ましくは、半製品の構成部材のパラメータの値を、設計中心値から公差範囲でさまざまにばらつかせた複数のサンプルについて、各サンプルの常温時の特性値の実測値、高温時の主要特性値の実測値および低温時の主要特性値の実測値の少なくとも一方を組立に先立って調整パラメータの水準ごとに計測するステップと、目的変数を高温時の主要特性値の実測値および低温時の主要特性値の実測値の少なくとも一方とし、説明変数を常温時の特性値の実測値とし、統計的手法を用いて、予測関係式を組立に先立って調整パラメータの水準ごとに作成するステップとをさらに備える。計算するステップは、製品の常温時の特性値と、作成された予測関係式とに基づいて、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方を計算する。
特に、説明変数は、常温時の調整パラメータの水準値ごとの主要特性値の実測値を含む。
特に、統計的手法は、タグチ法である。
特に、タグチ法で用いる説明変数ごとの重み付け係数ηj(jは説明変数の通し番号:1,2,・・・,k)は、j番目の説明変数と目的変数の比例定数βjの平方和成分Sβjと、比例定数βjの比例直線からの目的変数データのばらつきの平方和成分Sejとの比(ηj=Sβj/Sej)に基づいて算出される。
好ましくは、調整パラメータの水準値を決定するステップは、各々が、連続する調整パラメータの水準値を含む、複数の調整パラメータ水準セットを設定するステップと、複数の調整パラメータ水準セットにそれぞれ対応する、常温時の主要特性値の実測値、および高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の少なくとも一方の予測値との分散を計算するステップと、計算した複数の調整パラメータ水準セットにそれぞれ対応する分散が最小となる調整パラメータ水準セットを決定するステップと、分散が最小となる調整パラメータ水準セットの水準値から調整パラメータの最適な設定値を決定するステップとを含む。
本発明のある局面に従う組立調整装置は、複数の構成部材からなる半製品と、最終調整部材とからなる製品において、その組立の終盤工程に、最終調整部材の調整パラメータの水準値を決定し、組立を行う組立調整装置であって、製品の常温時の特性値の実測値を調整パラメータの水準ごとに計測部と、計測された常温時の特性値の実測値から、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方を調整パラメータの水準ごとに計算する計算部と、製品の常温時の主要特性値の実測値と、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方の予測値とに基づいて、調整パラメータの水準ごとの常温時の主要特性値の実測値と高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方の予測値との分散が最小となるような調整パラメータの水準値を決定する決定部と、調整パラメータの値を決定した値に制御し、固定するパラメータ制御部とを備える。
以上より明らかなとおり、本発明によれば、製品の温度特性まで考慮した最適な調整値を得ることができ、また製品個々の温度特性を計測することなく短時間に調整を実施できる。
本発明の実施の形態1に従う組立調整装置について説明する図である。 本発明の実施の形態1に従う製品100について説明する図である。 CRTの製品の構成を説明する図である。 センサデバイスである製品の構成を説明する図である。 本発明の実施の形態1に従う組立調整方式を説明するメインフロー図である。 本発明の実施の形態1に従う組立調整方式における主要特性値と調整パラメータとの関係を説明する図である。 常温・高温・低温特性値のデータベースを作成する作成処理を説明するフロー図である。 半製品を構成する構成部材の寸法あるいは物性のパラメータの値を設計中心値から公差範囲でさまざまにばらつかせた複数のサンプルのデータテーブルを説明する図である。 複数のサンプルのそれぞれについて、常温時、高温時および低温時の主要特性値の実測データを説明する図である。 複数のサンプルのそれぞれについて、常温時の副次特性値の実測データを説明する図である。 本発明の実施の形態1に従う高温・低温特性値予測部10における予測処理(ステップSB)を具体的に説明するフロー図である。 説明変数のデータ組を説明するテーブル図である。 本発明の実施の形態1に従う調整量決定部25における決定処理(ステップSC)を具体的に説明するフロー図である。 調整パラメータpにおける主要特性値の実測値と、高温時および低温時の主要特性値の予測値とに基づく分散を説明する図である。 常温時の主要特性値だけから予測関係式をつくった場合の、調整パラメータの水準値ごとの目的変数(高温時、低温時の主要特性値)の予測値と実測値との関係を示す例である。 サンプル数n、目的変数yのデータをy1,y2,・・・yn、説明変数の1つであるxjのデータをxj1,xj2,・・・,xjnとした場合のデータの模型を説明する図である。 図16の具体例を説明する図である。 さまざまな説明変数と目的変数の関係をあらわすデータと、そのときの単相関係数、実施の形態3のSN比、実施の形態4のSN比をそれぞれ比較した図である。 本発明の実施の形態5に従う調整パラメータの水準値決定処理を説明するフロー図である。 調整パラメータpを横軸、常温時の主要特性値の実測値および、高温時の主要特性値の予測値、低温時の主要特性値の予測値を縦軸にとったグラフを説明する図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に従う組立調整装置について説明する図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う組立調整装置1は、特性値計測部5と、高温・低温特性値予測部10と、常温・高温・低温特性値予測用データベース(DB)20と、調整量決定部25と、調整パラメータ制御部30とを含む。
特性値計測部5は、製品100の常温時の特性値の実測値を調整パラメータ毎に計測する。
高温・低温特性値予測部10は、特性値計測部5で計測された製品100の常温時の特性値の実測値に基づいて、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値を調整パラメータ毎の水準毎に計算する。
調整量決定部25は、常温時の主要特性値の実測値と、予測した高温時の主要特性値の予測値yHおよび低温時の主要特性値の予測値yLとから、これらの主要特性値のデータの分散が最小となるような調整パラメータの水準値を決定する。
調整パラメータ制御部30は、製品100に対して調整パラメータの値を調整決定部25で決定された値に制御し、固定する。
また、製品100は、半製品110と、最終調整部材120とを含む。
図2は、本発明の実施の形態1に従う製品100について説明する図である。
図2を参照して、本発明の実施の形態1に従う完成品である製品100の構成は、複数の構成部材(a〜h)111により構成される半製品110と、最終調整を行う対象部材である最終調整部材120とを含む。
半製品110は、最終調整部材120と組み合わされ、そのパラメータ(位置、抵抗値など)が好適な値に設定され、所望の特性を得ることで、完成品となる。
なお、最終調整部材120は、必ずしも半製品に別途付加されるものではく、半製品の構成部材として、すでに組み込まれている(パラメータ値は可変で、その値は半製品では最適に設定されていない)場合もあるが、最終調整部材が供する機能は同様である。
図3は、CRTの製品の構成を説明する図である。
図3を参照して、ここでは、CRTの製品100#は、アパーチャグリルと、ガラスパネルとからなる半製品110#と、ペア組用の板バネからなる最終調整部材120#とを含む。
半製品110#は、アパーチャグリルを構成する複数の構成部材に対応する複数の部品(a〜d)111#と、ガラスパネルを構成する複数の構成部材に対応する複数の部品(e〜h)111#とを含む。
半製品110#であるアパーチャグリルとガラスパネルとのペア組み立て工程(最終調整工程)において、最終調整部材120#であるアパーチャグリルとガラスパネルとのペア組立用の板バネが組み合わされ、板バネの設置位置である調整パラメータが設定され、完成品となる。
図4は、センサデバイスである製品の構成を説明する図である。
図4を参照して、ここでは、センサデバイスの製品100aは、調整前のデバイス構造体である複数の構成部材に対応する複数の部品(a〜d)111aからなる半製品110aと、トリミング回路の調整用の素子である最終調整部材120aとを含む。
半導体プロセスで作り込まれたデバイス構造体のままでは、ゼロ点や感度が所望の値にそろっていないため、トリミング回路とよばれる調整用回路の素子(多くは抵抗値、)を調整、すなわち抵抗値を調整パラメータとして調整して、所望のゼロ点や感度を得る。
このような対応は、最終調整工程をもつ製品であれば、半製品、構成部材、最終調整部材、調整パラメータ、のそれぞれにおいて、製品の種類間で図2の構成との類似の関係が成立するため、本発明においては製品の種類を特に限定しない。
以下、説明の便宜上、製品の特性値を以下の如く2つに大別する。
1つは主要特性値と称するもので、最終調整の結果に対するスペックがあり良否管理されるものである。
センサデバイスの場合は、センサ入力に対してセンサ出力する値にスペックがあり、良否管理される。
圧力センサの場合は、入力圧力に対応する出力電圧値が、主要特性値となる。
光学系製品では、たとえば照射位置に必要な光量分布が得られているかどうかが重要であり、照射位置毎における光量の大きさやその均一性などが主要特性値となる。
また、たとえば、特許文献1ではアパーチャグリルとガラスパネルとの設置位置の再現性を表す指標である「嵌合量」を管理しており、これが主要特性値となる。
この場合は、CRTのアパーチャグリルとガラスパネルとのペア組立品をCRTの中間製品と考えて、これを本発明では便宜上単に製品と呼んでいるのである。
もう1つは副次特性値と称するもので、主要特性値以外の計測可能な特性値である。
これは、主要特性値を満足するための製造途中での品質管理特性であったり、主要特性値を算出するための下位特性であったりする。
一般に、製品の最終出荷試験では、主要特性値の良否を判定して、製品の出来栄えを確認(チェック)する。
副次特性値は、工程が安定に稼動しているどうかを確認(チェック)したり、工程に不具合があった場合に品質管理的な視点での調査が行われる際に、原因分析を目的として計測されたりする特性値であり、最終出荷試験で用いられることは少ない。
たとえば、特許文献1では、アパーチャグリルの各部位の寸法や、ガラスパネル内面のピンの位置(板バネが嵌合する位置)、ガラスパネルに印刷された蛍光体の寸法や位置等が重要な副次特性値である。
本発明では、主要特性値は、製品の最終出荷試験における合否判定に必須であるため必ず計測される。
一方、副次特性値は、後述する高温時または低温時の特性を予測する際に必要に応じて計測される。
ただし、ここで製品の使用される環境として、高温時のみ、または低温時のみ考慮すればよい場合、高温時および低温時の特性値の予測値のうち必要なほうだけを予測するのみでよい。
以下、高温時および低温時の両方の特性値を考慮する場合について説明するが、高温時または低温時の一方のみを考慮すればよい場合も、高温時または低温時の特性値だけを予測することで、同様の実施の形態を実現することが可能である。
次に、本発明の実施の形態1に従う組立調整方式について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1に従う組立調整方式を説明するメインフロー図である。
図6は、本発明の実施の形態1に従う組立調整方式における主要特性値と調整パラメータとの関係を説明する図である。
まず、図5を参照して、特性値計測部5は、製品100の常温時の特性値を調整パラメータの水準毎に計測する(ステップSA)。図6(a)には、常温時の主要特性値yについて、調整パラメータの水準毎に計測した結果が示されている。
次に、高温・低温特性値予測部10は、計測された常温時の特性値にしたがって高温時および低温時の主要特性値の予測値を調整パラメータの水準毎に計算する(ステップSB)。具体的な計算処理については後述する。図6(b)には、常温時の主要特性値yに基づいて、高温時および低温時の主要特性値の予測値が計算された結果が示されている。
そして、次に、調整量決定部25は、常温時の実測値と高温時および低温時の予測値とからなる主要特性データの水準毎の分散が最小となるような調整パラメータの水準値pmを決定する(ステップSC)。図6(c)には、常温時、高温時および低温時の主要特性値である主要特性データに基づいて、その分散が最小となるような調整パラメータとして水準値pmが決定されている場合が示されている。
そして、調整パラメータ制御部30は、決定された水準値に従って製品100の調整パラメータの値をpmに制御、固定する(ステップSD)。
そして、処理を終了する(エンド)。
<ステップSBの処理について>
まず、ステップSBにおける計算処理に必要な特性値データベースについて説明する。当該特性値データベースは予め設けられているものとする。なお、以下で説明する複数のサンプルにおける特性値の計測は、製造工程設計段階で事前に行っておく作業であり、製造工程でのオンラインでの組立調整では実施しない。
<特性値データベース作成>
図7は、常温・高温・低温特性値のデータベースを作成する作成処理を説明するフロー図である。
図7を参照して、常温・高温・低温特性値のデータベースを作成する処理として、まず、半製品を構成する構成部材の寸法あるいは物性のパラメータの値を設計中心値から公差範囲でさまざまにばらつかせた複数のサンプルを作成する(ステップS1)。
図8は、半製品を構成する構成部材の寸法あるいは物性のパラメータの値を設計中心値から公差範囲でさまざまにばらつかせた複数のサンプルのデータテーブルを説明する図である。
図8を参照して、ここでは、サンプル1,・・・nのn個のサンプルについて、それぞれのサンプルを構成する構成部材1〜rのr個の構成部材のパラメータ値を公差範囲でばらつかせたデータテーブルが示されている。なお、構成部材のパラメータ値の変化から主要特性値が計算できるモデル(シミュレーション)がある場合には、公差範囲でのばらつきを乱数で発生させたり、公知の2元系直交表でばらつき条件を設定したりすることが可能である。一般には、直交表を用いる方式の方が、少ないサンプル数でさまざまなパターンのばらつき状態を網羅することができるので効率的である。
再び図7を参照して、次に、各サンプルの常温時、高温時および低温時の特性値を調整パラメータ毎に計測する(ステップS2)。
図9は、複数のサンプルのそれぞれについて、常温時、高温時および低温時の主要特性値の実測データを説明する図である。
図10は、複数のサンプルのそれぞれについて、常温時の副次特性値の実測データを説明する図である。なお、高温時および低温時の特性値は主要特性値だけでよい。
そして、次に、計測した特性値をデータベース20に格納する(ステップS3)。
そして、処理を終了する(エンド)。当該処理により、複数のサンプルについて、調整パラメータごとの常温時の主要特性値および副次特性値と、高温時および低温時の主要特性値とのデータベースを構築することが可能となる。
図11は、本発明の実施の形態1に従う高温・低温特性値予測部10における予測処理(ステップSB)を具体的に説明するフロー図である。
図11を参照して、まず、データベース20に格納されている特性データに基づいて常温時の特性値から高温時および低温時の主要特性値を推定するための予測関係式を作成する(ステップS10)。
具体的には、データベース20に格納されている特性データに基づいて、目的変数を高温時の主要特性値の実測値、および低温時の主要特性値の実測値とし、説明変数を常温時の特性値の実測値とし、統計的手法を用いて、予測関係式を調整パラメータの水準毎に作成する。
このとき、予測したい高温時の主要特性値、および低温時の主要特性値はいくつあってもよい。
たとえば、光学系製品における主要特性値である光量分布の場合、光の照射位置(座標)毎に特性値を管理する必要がある。
ここでは、その複数ありうる主要特性値のうち、ぞれぞれを1つずつ予測する予測関係式を作成することを考える。
その1つの高温時または低温時の主要特性値をy(目的変数)とする。1つの主要特性値の予測関係式について説明するため、複数の目的変数を区別したり、高温時・低温時を区別したりする添え字はここでは表記省略する。
yを予測するのに用いる説明変数もいくつあってもよい。
一般には多くの説明変数があったほうが予測の精度は向上する。
特に、副次特性値はいくつでも考えることができ、たとえば主要特性値のカーブの微係数、ピークの値、ピーク間の座標距離など、主要特性値の特徴を示すような特性値を作成することができる。
また、主要特性値が別の複数の物理量から演算されるような場合、その基となる複数の物理量も副次特性値となりうる。
ここで、常温時の特性値である説明変数をx1,x2,・・・xkとする。説明変数には常温時の主要特性値、副次特性値の両方が含まれうるが、数式の記号の上では主要特性値と副次特性値とは区別しない。また、調整パラメータをpとする。調整パラメータも複数あってもよいが、ここでの説明では調整パラメータが1つの場合について説明し、記号pで表す。
以上の説明変数x1,x2,・・・xk、調整パラメータpの水準値pi(i=1〜S、Sは調整パラメータの水準数)での目的変数yiを予測する予測関係式は、次式で示される。
Figure 0005034120
予測関係式を得る方法としては、公知の方法(たとえば、重回帰分析、マハラノビス距離、ニューラルネットワークなど)を用いる。たとえば、もっとも一般的な重回帰分析手法を用いた場合、予測関係式は、次式のような平面式になる。
Figure 0005034120
yの予測値と実測値(真値)の相関が十分得られるように、説明変数を適宜選択する。
一例として、常温時の主要特性値(各調整パラメータ値に対応する値)やその特徴をあらわす量、主要特性値を演算するために必要となる副次特性の物理量(各調整パラメータ値に対応する値)やその特徴を現す量を多数採用した説明変数のデータ組を示す。
図12は、説明変数のデータ組を説明するテーブル図である。
図12を参照して、ここでは、サンプル1〜nについて、主要特性値の値、特徴量ならびに副次特性値の値、特徴量のデータ組が示されている。
次に、再び図11を参照して、特性値計測部5において計測された常温時の特性値の実測値と作成された予測関係式とを用いて、高温時および低温時の主要特性値の予測値を計算する(ステップS11)。
そして、図5の処理に戻る(リターン)。
製品の常温時の特性値と、予測関係式(式1)とを用いて、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値を求める。すなわち、高温時および低温時の特性値の予測値を調整パラメータの水準値ごとに得る。
<ステップSCの処理について>
次に、ステップSAで計測した常温時の主要特性値の実測値と、ステップSBで予測した高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値とから、これらの主要特性データの分散が最小となるような調整パラメータの水準値を決定する。
図13は、本発明の実施の形態1に従う調整量決定部25における決定処理(ステップSC)を具体的に説明するフロー図である。
図13を参照して、ステップSAで計測した製品の常温時の主要特性値の実測値と、ステップSBで求めた高温時の主要特性値の予測値と、低温時の主要特性値の予測値との、3データの分散を調整パラメータpの水準値ごとに計算する(ステップS20)。ここでの分散は、常温時、高温時、低温時の特性値のばらつきを代表する値であればよく、標準偏差σ、範囲Rを用いても良い。
分散を調整パラメータpの水準間で比較し、そのなかで分散が最小となるような調整パラメータpの水準値pmを設定する(ステップS20)。
図14は、調整パラメータpにおける主要特性値の実測値と、高温時および低温時の主要特性値の予測値とに基づく分散を説明する図である。
図14に示されるように、常温時、高温時、低温時の特性値の分散の最小は、本例においては、水準値pm=+0.1に対応する0.0002である。
そして、上述したように、最後に、調整パラメータ制御部30において、調整パラメータpの値をステップSCで定めた値pmに制御し、固定する。
調整パラメータの値の制御、固定とは、最終調整部材の位置や角度を接着やねじ締めなどの手段で固定したり、素子をトリミング(抵抗体の一部を切断して長さを調整)したりすることに対応し、従来技術で実施している公知の方法で行えばよい。
本実施の形態によれば、最終組立調整工程において、製造工程での1つ1つの製品に対する温度特性を考慮した調整となっている。すなわち、市場で使用される場合の環境温度や製品温度の変化に対して、主要特性値のばらつきが少ない製品とすることができるため、製品の品質を十分に確保することができる。
また、温度特性を考慮して調整を行う際に、製造工程内で製品の温度を変化させる必要がないため、製造工程における生産性を向上させることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に従う調整組立方法について説明する。
本実施の形態2では、ステップSBにおける説明変数は、常温時の調整パラメータの水準値ごとの主要特性値の実測値だけからなる。
図10で説明したように本発明の実施の形態1に従う組立調整方式では、説明変数は、特性値の種類は制約せず、常温時の主要特性値と副次特性値を適宜用いていた。
一方、データを鋭意分析した結果、主要特性値の温度特性を予測する上では、説明変数として常温時の調整パラメータの水準値ごとの主要特性値だけからで十分な予測精度を得ることが可能であることが判明した。
主要特性値の温度特性とは、温度変化による構成部材の寸法・位置関係の変化や物性値の変化であり、その挙動は、常温時の主要特性値がどのような値であるかにあらわれていることが多い。
図15は、常温時の主要特性値だけから予測関係式をつくった場合の、調整パラメータの水準値ごとの目的変数(高温時、低温時の主要特性値)の予測値と実測値との関係を示す例である。
図15の具体例においては、サンプル数n=40とし、代表例としてp=p1,p5の値を用いて実験した。図15に示されるように、予測値と実測値との関係において、高い相関が得られた。
本実施の形態2に従う組立調整方式によれば、予測関係式を求めるために、説明変数に常温時の主要特性値のみ用いる方式とする。当該方式により説明変数の設定を試行錯誤で選択する必要がなく、予測関係式を容易に求めることが可能であるため、製造工程の開発設計を迅速におこなうことができる。
また、高温時、低温時の主要特性値の予測値の計算をオンラインで行う際に、より少ない説明変数で実施することが可能であるため、計算用コンピュータ(図示せず)のメモリ節約や、計算時間の短縮の効果がある。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に従う組立調整方式について説明する。
本発明の実施の形態3に従うステップSBにおける統計的手法は、特に、T法(タグチ法)を用いることとする。他の公知の方法、たとえば重回帰分析やマハラノビス距離を用いる方法では以下のような問題点が発生する場合が考えられる。
実施の形態1に従う調整組立方法のような、主要特性値と副次特性値とを区別せずに多数の説明変数を使用する場合、説明変数の数kがデータベースを作成する作成処理で準備したサンプル数nよりも大きくなることが多くなる。
この場合、説明変数間の相関係数行列の逆行列をベースとする重回帰分析手法や、マハラノビス距離を用いる手法では、原理的に相関係数行列の逆行列を算出することができない。この対策としてサンプル数nをさらに増加するか、説明変数の一部を除外するなどの方法をとる必要があり不便である。
また、実施の形態2に従う組立調整方式のような、予測関係式を表す説明変数に、調整パラメータの水準値ごとの主要特性値だけを用いる場合においては、説明変数の数kは限定することが可能が、調整パラメータpの隣同士の水準(水準piと水準pi+1)の主要特性値(いずれも説明変数)の値同士は非常に相関が高いため、それらの説明変数同士の相関係数が1に近い値となる。
この場合、説明変数間の相関係数行列の逆行列の計算が不安定となり、大きな計算誤差を伴う可能性がある。このような計算誤差は、予測関係式の精度を低下させるため、組立調整によって品質のよい製品を製造することができなくなる可能性がある。
したがって、本発明の実施の形態3に従うステップSBにおける統計的手法として、予測関係式を得る方法としてT法(タグチ法)(田口玄一,品質工学便覧,日刊工業新聞社,(2007),p.143-147(非特許文献1))を用いる。
非特許文献1に示すT法は、田口玄一博士によって提案されたMTシステム(マハラノビス・タグチ・システム)の1手法であり、解析計算に説明変数間の相関係数行列の逆行列を用いない方法である。
T法では説明変数x1,x2,・・・xkをそれぞれ1つずつ用いた場合の予測値ye1,ye2,・・・yek(調整パラメータpの水準を表す添え字をiは省略)から1つの総合予測値yetを求める際に、説明変数ごとの重みづけ係数ηj(jは説明変数の通し番号で1〜k)を用いる。すなわち、重みの合計η12+・・・+ηkに対する按分で、以下の如く予測値を決定する。
Figure 0005034120
ここに、ye1,ye2,・・・yekは、説明変数x1,x2,・・・xkをそれぞれ単独で予測に用いた場合の目的変数の予測値である。
説明変数ごとの重みづけ係数ηjは、各説明変数と目的変数の関係性が高い(単相関係数の絶対値が大きい)ほど大きくなるような指標である。その指標をT法では、説明変数ごとに定義されるSN比で計算する。
Figure 0005034120
図16は、サンプル数n、目的変数yのデータをy1,y2,・・・yn、説明変数の1つであるxjのデータをxj1,xj2,・・・,xjnとした場合のデータの模型を説明する図である。
このような目的変数と説明変数の関係から上述した式(4)のSN比を計算する手順について説明する。
まず、目的変数のデータおよび、説明変数のデータの基準化を行なう。
データの基準化は、全データの平均値を各データから引くことにより行なう。このように基準化して得られた目的変数の値をy01,y02,・・・y0n、説明変数x1のデータをx0j1,x0j2,・・・,x0jnとする。
次に、説明変数の全二乗和STjを計算する。
Figure 0005034120
つぎに、有効序rjを計算する。
Figure 0005034120
つぎに、線形式Ljを計算する。
Figure 0005034120
このとき、βj=Lj/Rjは、説明変数の値xjから目的変数yを推定するときの比例定数になっており、説明変数xjによる目的変数yの予測値yejは、次式で求められる。
Figure 0005034120
これは、上式(3)の分子のye1,ye2,・・・yenに対応している。
つぎに、有効成分Sβjを計算する。
Figure 0005034120
つぎに、全二乗和STjからSβj有効成分を引いて、無効成分Sejを計算する。
Figure 0005034120
つぎに、無効成分Sejの分散Vejをも計算する。
Figure 0005034120
これらの値を上式(4)に代入してSN比が計算される。
ηは原理上いくらでも大きな値をとりうるため、重み付けの感度が高まり、たとえば、代わりに単相関係数を重み付けに用いるよりも、より精度の高い予測関係式を作成できる。
目的変数と説明変数の関係性が非常に高くなった場合、単相関係数では±1に漸近するため、±1付近ではほとんど重み付け係数に差がつかないためである。
上記した予測関係式の作成にT法を用いることで、実施の形態1や実施の形態2のような場合において、予想関係式を算出する際に発生しうる問題点を解決することが可能である。
本実施の形態によれば、説明変数が多くなった場合や、説明変数間の相関係数が±1に近い場合に、多くの統計的手法で発生する上記のような問題が生じる可能性を回避することができ、説明変数の割愛や選択などの試行錯誤をすることなく、迅速に予測関係式を作成することが可能である。
また、必要な説明変数を必ず取り入れることができるので、予測関係式による高温時、低温時の主要特性値の予測値の予測精度を高めることができる。これによって、組立調整方式をもちいた製品の品質を向上させることができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に従う調整組立方法について説明する。
上記T法(タグチ法)で用いる説明変数ごとの重み付け係数ηj(jは説明変数の通し番号:1,2,・・・,k)は、式(9)のSβjと、式(10)のSejとの比で算出する。
Figure 0005034120
公知のT法においては、上記式(4)で示したSN比ηjの分子はSβjからVej(Sejをその自由度で割ったもの、常に正)を減じたものになっている。前者は説明変数と目的変数の比例定数の大きさに関係し、後者は目的変数データのばらつきに関係しているので、目的変数データのばらつきが大きい場合、すなわち説明変数と目的変数の相関が小さい場合は、式(4)の(Sβj−Vej)が負になることがある。Vejおよびrjは常に正であるので、この場合、SN比はηj<0となる。
目的変数の総合の推定値を求めるための重みづけ係数が負になるのは不適当であるので、T法では、この場合、ηj=0と処理する。つまりその説明変数には重みを与えず、予測には使用しない。
しかし、図17のような目的変数と、ある1つの説明変数の関係の場合、実施の形態3に従う式(4)における計算では、Sβ1=0.245、Ve1=0.251となり、SN比の分子は負になる。しかし、同じデータで単相関係数の有意性を検定すると、危険率5%で有意になる。このように、ηj<0であっても相関係数が有意になるケースもあり、このような説明変数を当初から予測に加えない(ηj=0と処理する)のは、予測精度向上の可能性を捨てていることになる。
本実施の形態では、実施の形態4に従う上式(12)を用いることで、目的変数と説明変数との相関係数との単調性(相関係数が大きいほどSN比も大きい)を保ちながら、負にならない量を定義することができる。
図18は、さまざまな説明変数と目的変数の関係をあらわすデータと、そのときの単相関係数、実施の形態3のSN比、実施の形態4のSN比をそれぞれ比較したものである。
図18に示されるように、実施の形態4のSN比では、SN比が負になることがなく、また相関係数との単調性も確保されていることがわかる。本実施の形態のSN比を用いることによって、すべての説明変数を予測関係式に用いることができるため、予測精度の向上を図ることができる。
本実施の形態によれば、説明変数の重み付けのためのSN比は、どのようなデータの場合にも必ず正になるため、取り上げたすべての説明変数を使用して予測関係式を作成することができる。必要な説明変数を必ず採用することができるので、予測関係式による高温時、低温時の主要特性値の予測値の予測精度を高めることができる。これによって、本発明による組立調整方式を用いた製品の品質を向上させることができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に従う調整組立方法について説明する。
図19は、本発明の実施の形態5に従う調整パラメータの水準値決定処理を説明するフロー図である。
図19を参照して、連続する調整パラメータの水準からなる調整パラメータ水準セットを複数設定する(ステップS30)。
次に、調整パラメータ水準セットに対応する、常温時の主要特性値の実測値および、高温時の主要特性値の予測値、低温時の主要特性値の予測値からなる全データの分散(標準偏差σ、範囲Rでもよい)を計算する(ステップS31)。
複数の調整パラメータ水準セットに対して分散を各々求め、そのうち分散が最小となる調整パラメータ水準セットを決定する(ステップS32)。
分散が最小となる調整パラメータ水準セットの水準値の平均値(中央値でもよい)を求め、それを調整パラメータの最適な設定値とする(ステップS33)。
そして、次の処理に進む(リターン)。
図20は、調整パラメータpを横軸、常温時の主要特性値の実測値および、高温時の主要特性値の予測値、低温時の主要特性値の予測値を縦軸にとったグラフを説明する図である。
図20を参照して、連続する調整パラメータの水準からなる調整パラメータ水準セットは、たとえば水準[p1,p2,p3]の水準の組をあらわしている。このような調整パラメータ水準セットを、順次[p2,p3,p4]、[p3,p4,p5]、・・・、[pl-2,pl-1,pl]と複数設定することができる。ここでは3つ水準の組を1つ調整パラメータ水準セットの例を示したが、2つ以上の水準の組であればいくつでもよい。
つぎに、ある調整パラメータ水準セット、たとえば[p1,p2,p3]に対応する、常温時の主要特性値の実測値および、高温時の主要特性値の予測値、低温時の主要特性値の予測値からなる全データの分散を計算する。ここでの調整パラメータ水準セット[p1,p2,p3]に対応する全データとは、常温時の主要特性値の実測値yR1,yR2,yR3、高温時の主要特性値の予測値yH1,yH2,yH3、低温時の主要特性値の予測値yL1,yL2,yL3の9データを表しており、これら9データの分散を計算する。
ここでの分散は、調整パラメータ水準セットに対応する常温時、高温時、低温時の特性値の全体のばらつきを代表する値であればよく、標準偏差σ、範囲Rを用いてもよい。
つぎに、分散を、すべての調整パラメータ水準セットに関して計算する。
分散が最小となる調整パラメータ水準セットを選択し(たとえば図20では[p3,p4,p5])、その調整パラメータ水準セットの水準の平均値(=(p3+p4+p5)÷3)または中央値(p4)を調整パラメータの最適な設定値とする。
一方、各調整パラメータ水準p1,p2,・・・,plごとの分散を求め、それが最小となる調整パラメータ水準を調整パラメータの設定値とする場合、たとえば図20で水準p5を選択することになる。調整パラメータの設定は、位置決めや抵抗値のトリミングなど物理的な手段で実施されるが、多くの場合、調整のばらつきを生じる。そのため、調整パラメータの設定値としてp5を選んでも、調整のずれによって、水準p5#に設定されてしまう可能性がある。水準p5#では分散は大きくなるため、水準p5を調整パラメータの設定値とするのは好ましくない場合がある。
しかるに、本実施の形態によれば、調整パラメータ水準セットの水準幅ごとの分散が最小となる水準値を調整パラメータ値として設定いるため、調整ずれが発生しても、分散が大きく変化することがない。
なお、ここでは簡単のために、調整パラメータpが1つの場合について説明したが、たとえば、調整パラメータが2つ(pおよびq)の場合、調整パラメータ水準セットの1つはたとえば[(p1,q1),(p1,q2),(p1,q3),(p2,q1),(p2,q2),(p2,q3),(p3,q1),(p3,q2),(p3,q3)]のような、3水準×3水準の組み合わせであらわされる。これに対応する常温時の主要特性値の実測値、高温時の主要特性値の予測値、低温時の主要特性値の予測値のデータ数は27になり、これらのデータの分散を求めることになる。調整パラメータが3つ以上の場合でも同様に調整パラメータ水準セットを設定することができる。
本実施の形態によれば、調整ずれを考慮した調整パラメータの水準値を設定できるため、製品の主要特性値を安定化させることができる。これによって、本発明による組立調整方式をもちいた製品の品質を向上させることができる。
また、一般に高い調整精度を有する組立調整装置は高価で、調整に時間がかかることから、本実施の形態に従う組立調整装置を用いることで、組立調整装置を安価にし、調整の時間を短縮することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 組立調整装置、5 特性値計測部、10 高温・低温特性値予測部、20 常温・高温・低温特性値データベース、25 調整量決定部、30 調整パラメータ制御部、100 製品、110 半製品、120 最終調整部材。

Claims (7)

  1. 複数の構成部材からなる半製品と、最終調整部材とからなる製品において、その組立の終盤工程に、最終調整部材の調整パラメータの水準値を決定し、組立を行う組立調整方法であって、
    前記製品の常温時の特性値の実測値を調整パラメータの水準ごとに計測するステップと、
    計測された常温時の特性値の実測値から、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方を調整パラメータの水準ごとに計算するステップと、
    前記製品の常温時の主要特性値の実測値と、前記高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方の予測値とに基づいて、調整パラメータの水準ごとの常温時の主要特性値の実測値と前記高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方の予測値との分散が最小となるような調整パラメータの水準値を決定するステップと、
    調整パラメータの値を決定した値に制御し、固定するステップとを備える、組立調整方法。
  2. 半製品の構成部材のパラメータの値を、設計中心値から公差範囲でさまざまにばらつかせた複数のサンプルについて、各サンプルの常温時の特性値の実測値、高温時の主要特性値の実測値および低温時の主要特性値の実測値の少なくとも一方を前記組立に先立って調整パラメータの水準ごとに計測するステップと、
    目的変数を高温時の主要特性値の実測値および低温時の主要特性値の実測値の少なくとも一方とし、説明変数を常温時の特性値の実測値とし、統計的手法を用いて、予測関係式を前記組立に先立って調整パラメータの水準ごとに作成するステップとをさらに備え、
    前記計算するステップは、前記製品の常温時の特性値と、前記作成された予測関係式とに基づいて、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方を計算する、請求項1に記載の組立調整方法。
  3. 前記説明変数は、前記常温時の調整パラメータの水準値ごとの主要特性値の実測値を含む、請求項2記載の組立調整方法。
  4. 前記統計的手法は、タグチ法である、請求項2または3記載の組立調整方法。
  5. 前記タグチ法で用いる説明変数ごとの重み付け係数ηj(jは説明変数の通し番号:1,2,・・・,k)は、j番目の説明変数と目的変数の比例定数βjの平方和成分Sβjと、前記比例定数βjの比例直線からの目的変数データのばらつきの平方和成分Sejとの比(ηj=Sβj/Sej)に基づいて算出される、請求項4記載の組立調整方法。
  6. 前記調整パラメータの水準値を決定するステップは、
    各々が、連続する調整パラメータの水準値を含む、複数の調整パラメータ水準セットを設定するステップと、
    前記複数の調整パラメータ水準セットにそれぞれ対応する、常温時の主要特性値の実測値、および高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の少なくとも一方の予測値との分散を計算するステップと、
    前記計算した前記複数の調整パラメータ水準セットにそれぞれ対応する分散が最小となる調整パラメータ水準セットを決定するステップと、
    前記分散が最小となる調整パラメータ水準セットの水準値から調整パラメータの最適な設定値を決定するステップとを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組立調整方法。
  7. 複数の構成部材からなる半製品と、最終調整部材とからなる製品において、その組立の終盤工程に、最終調整部材の調整パラメータの水準値を決定し、組立を行う組立調整装置であって、
    前記製品の常温時の特性値の実測値を調整パラメータの水準ごとに計測部と、
    計測された常温時の特性値の実測値から、高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方を調整パラメータの水準ごとに計算する計算部と、
    前記製品の常温時の主要特性値の実測値と、前記高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方の予測値とに基づいて、調整パラメータの水準ごとの常温時の主要特性値の実測値と前記高温時の主要特性値の予測値および低温時の主要特性値の予測値の少なくとも一方の予測値との分散が最小となるような調整パラメータの水準値を決定する決定部と、
    調整パラメータの値を決定した値に制御し、固定するパラメータ制御部とを備える、組立調整装置。
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