以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。プラント制御用のデータ処理装置は、例えば、火力発電プラント、製鉄プラント、水処理プラント、石油化学プラント、植物工場プラントなどの各種プラントに適用することができる。本実施形態では、発電プラントに適用する場合を例に挙げて説明する。
本実施形態で述べるプラント制御用の制御システムM3は、物理モデルパラメータ推定部M41と、物理モデルパラメータデータベースM42と、制御パラメータ最適化部M44と、出力ばらつき再現部M45とを備えることができる。なお、図中および以下の説明では、「物理モデルパラメータ」を「モデルパラメータ」と略記する場合がある。
モデルパラメータ推定部M41は、計測信号などを記憶する信号データベースM33から、制御対象プラントM1のモデルのモデルパラメータおよび当該モデルパラメータのばらつきを推定する。モデルパラメータデータベースM42は、モデルパラメータ推定部M41による推定結果を記憶する。出力ばらつき再現部M45は、モデルパラメータデータベースM42から制御対象プラントM1の所定の出力のばらつきを再現する。本実施形態では、所定の出力のばらつきを推定することを、「所定の出力のばらつきを再現する」と表現する場合がある。
本実施形態の制御システムを用いることで、プラント出力のばらつきを考慮しつつ、目的や制約条件に応じて制御パラメータを自動的に最適化できる。本実施形態の制御システムでは、ばらつきを推定できるだけの十分なサンプルデータを持つ他のプラント出力データから、制御対象モデルのモデルパラメータのばらつきを推定し、その推定結果を用いて所定の出力のばらつきをプラントモデルで再現することができる。従って、本実施形態の制御システムでは、1回のデータの取得に時間がかかるプラント出力や、データ量がばらつきを推定できる理論的サンプル数に満たないプラント出力であっても、そのばらつきを推定して、目的や制約条件に応じて制御パラメータを最適化することができる。
図1〜図12を用いて第1実施例を説明する。図1は、第1実施例による制御システムM3を説明するブロック図である。例えば発電プラントなどの制御対象プラントM1は、制御システムM3によって制御される。制御システムM3は、制御対象プラントM1および制御室M2内の管理用コンピュータM24と双方向通信可能に接続されている。通信インターフェースの種類は問わない。
制御システムM3は、例えば、マイクロプロセッサ、主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース部M34などを備えるコンピュータシステムとして構成される。制御システムM3が持つ各種機能は、例えば、マイクロプロセッサが所定のコンピュータプログラムを実行することによって、あるいは、専用のハードウェア回路を動作させることによって、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとが協調することによって、実現することができる。
制御システムM3は、例えば、操作信号演算部M31、制御パラメータデータベースM32、信号データベースM33、入出力インターフェース部M34、および制御パラメータ自動調整装置M4を含む。操作信号演算部M31および制御パラメータ自動調整装置M4は、コンピュータ資源の一つである演算装置を用いて実現される。制御パラメータデータベースM32と信号データベースM33とは、コンピュータ資源の他の一つであるデータベースを用いて実現される。図中では、データベースを「DB」と略記する。
制御パラメータ自動調整装置M4は、それ自体が独立した装置または機能として構成することができる。制御パラメータ自動調整装置M4は、制御システムM3内に最初から組み込むこともできるし、制御システムM3へ後から追加することもできる。制御パラメータ自動調整装置M4を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体または通信媒体を介して、流通させることができる。
操作信号演算部M31は、制御対象プラントM1から入出力インターフェース部M34を介して計測信号D11を取り込むと共に、制御パラメータデータベースM32に保存された実機向け制御パラメータ信号D32も取り込む。操作信号演算部M31は、制御パラメータ信号D32および計測信号D11に基づいて、操作信号D12を計算する。
ここで、制御パラメータとは、操作信号D12の計算に用いるパラメータであり、例えば、比例積分制御器のゲイン、関数の形状を決定するパラメータ等である。制御システムM3は、操作信号演算部M31で算出した操作信号D12を、入出力インターフェース部M34を通して制御対象プラントM1へ送信する。
制御対象プラントM1内の制御対象装置(不図示)は、制御システムM3からの操作信号に応じて動作する。制御対象装置としては、例えば、バルブ、ヒータ、シリンダ、モータ、ファン、ポンプなどがある。
制御対象プラントM1には、そのプラント状態(プラント出力)を計測する各種センサ(不図示)が設けられている。センサとしては、例えば、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、流速センサ、物体検知センサ、液面計、ガス濃度センサなどがある。制御対象装置が動作することでプラント状態は変化し、その変化は一つまたは複数のセンサにより検出されて、プラント出力として制御システムM3へ送信される。
制御システムM3は、操作信号演算部M31から制御対象プラントM1へ送った操作信号D12と、制御対象プラントM1から取得した計測信号D11と、データ受信時刻とを、「プラントの運転データ」の一例として、操作・計測信号データベースM33へ記憶して管理する。図中では、操作信号と計測信号を含む運転データを格納する操作・信号データベースM33を、信号データベースM33と表記する。
制御パラメータデータベースM32は、上述のように、実機向け制御パラメータ信号D32を記憶して管理する。実機向け制御パラメータ信号D32は、制御パラメータ自動調整装置M4から最適制御パラメータ信号D45を取り込むことで更新される。
「プラント制御用のデータ処理装置」の一つの例である制御パラメータ自動調整装置M4の構成を説明する。制御パラメータ自動調整装置M4は、例えば、モデルパラメータ推定部M41と、モデルパラメータデータベースM42と、制御対象モデルM43と、制御パラメータ最適化部M44を持つ。制御対象モデルM43内には出力ばらつき再現部M45を設けることができる。
制御対象モデルM43は、制御対象プラントM1内の一部を取り出してモデル化したものである。図中では一つの制御対象モデルM43を示すが、複数の制御対象モデルM43を同時に生成し、各制御対象モデルM43で使用する制御パラメータ(「所定の制御パラメータ」)を並列処理で最適化することもできる。
制御パラメータ自動調整装置M4は、制御パラメータ最適化部M44と制御対象モデルM43を用いて、最適制御パラメータ信号D45を計算する。制御パラメータ自動調整部M4の詳細な動作については、図3を用いて後述する。
制御パラメータ最適化部M44は、制御対象モデルM43に対して制御パラメータ信号D44を送信する。制御対象モデルM43は、制御パラメータ信号D44とモデルパラメータデータベースM42に保存されるモデルパラメータ信号D42を用いて、制御対象プラントM1を操作した時の特性をシミュレーション解析する。
モデルパラメータとは、模擬計測信号D43の計算に用いるパラメータである。例えば制御対象プラントM1が火力発電プラントである場合、操作条件に対する火炉収熱量の特性関数の形状を決定するパラメータや、負荷に対する蒸気温度を決定するパラメータなどが、モデルパラメータである。
モデルパラメータ信号D42は、モデルパラメータの確率分布の形式を持つ。制御対象モデルM43において模擬計測信号D43の計算に用いるモデルパラメータの値は、出力ばらつき再現部M45が確率分布に従って確率的に選択する。
本実施例では、出力ばらつき再現部M45により、シミュレーション解析に用いるモデルパラメータを確率分布に従ってばらつかせるため、制御対象モデルM43の出力のばらつきを再現することができる。シミュレーション解析の解析結果である模擬計測信号D43は、制御対象モデルM43から制御パラメータ最適化部M44へ送信される。
制御パラメータ最適化部M44は、制御対象モデルM43から得た模擬計測信号D43を用いて、プラント運転特性が所望の性能となるように制御パラメータを調整する。制御パラメータ最適化部M44は、調整した制御パラメータを示す制御パラメータ信号D44を制御対象モデルM43へ送信する。
本実施例の制御パラメータ自動調整装置M4は、制御対象モデルM43のシミュレーション解析と制御パラメータの調整とを繰り返すことで、制御対象モデルM43からの出力のばらつきを考慮した、最適な制御パラメータの値を探索する。
制御パラメータ最適化部M44で実行可能なパラメータ最適化方法としては、例えば、強化学習理論、遺伝的アルゴリズム、ニューラルネットワーク、勾配法、ミニマックス法などがある。これらの各種最適化方法の中から任意の方法を選択して、制御パラメータ最適化部M44に設けることができる。本実施例では、最適化方法として強化学習理論を用いた場合について述べる。強化学習理論の詳細は、非特許文献2に記載されている。
制御パラメータ最適化部M44から制御対象モデルM43に対して送信する信号は、最適化対象の制御パラメータを示す信号D44である。模擬計測信号D43は、制御パラメータを最適化するための評価値の計算に用いる。制御パラメータ最適化部M44は、最適化対象の制御パラメータの値を、制御対象モデルM43から受信した模擬計測信号D43に基づいて試行錯誤して決定する。
評価値とは、制御パラメータ信号D44に対する評価値であり、その値は制御パラメータによる目的の達成度合に応じる。例えば、目的が、燃料消費量を最小とするようにプラント運転することである場合、燃料消費量が少ないときほど評価値を高く、反対に燃料消費量が多いときほど評価値を低くする。目的が、プロセス状態の変動による燃料消費量のばらつきがあっても燃料消費量の制限値以内に留めることである場合、ばらつきを含めた燃料消費量が制限値を満たす場合に評価値を高く、ばらつきを含めた燃料消費量が制限値を超過するほど評価値を低くする。強化学習理論は、評価値が最大となる制御パラメータを探索する。
モデルパラメータデータベースM42に保存されるモデルパラメータ信号D42は、モデルパラメータ推定部M41から受信するモデルパラメータ推定分布信号D41により更新される。
モデルパラメータ推定部M41は、操作・計測信号データベースM33に保存されている操作・計測信号D31を用いて、制御対象モデルM43に用いるモデルパラメータ信号D42の確率分布を計算する。モデルパラメータ推定部M41は、確率分布の計算結果であるモデルパラメータ推定分布信号D41を、モデルパラメータデータベースM42へ送信する。
モデルパラメータ推定部M41で実行可能なモデルパラメータの推定方法としては、例えば、ベイズ推定法、最尤推定法などがある。モデルパラメータを推定する方法としては、前述した方法のうち任意の方法を採用することができる。本実施例では、ベイズ推定法を用いた場合を説明する。ベイズ推定の詳細は、非特許文献3に記載されている。
ベイズ推定法は、ベイズ確率の考え方に基づいて、モデルパラメータを推定する方法である。ベイズ推定法は、制御対象モデルから受信した計測データを用いて、モデルパラメータを確率分布で推定する。ベイズ推定法での計算結果は確率分布であり、点推定する最尤推定などの手法とは異なる。本実施例では、操作・計測信号データベースM33に保存されている操作・計測信号D31を、ベイズ推定法へ入力する計測データとすることで、モデルパラメータ推定分布信号D41を推定する。
制御室M2は、制御対象プラントM1を監視するための部屋であり、例えば、運転員M21、キーボードM22、マウスM23、管理用コンピュータM24、ディスプレイM25を持つ。図1では図示を省略しているが、制御システムM3への入力信号D21と制御システムM3からの出力信号D22とは、入出力インターフェース部M34を介して、各データベースM33,M32,M42と、操作信号演算部M31と、制御パラメータ自動調整装置M4とに繋がっている。
運転員M21は、例えばキーボードM22やマウスM23などの情報入力装置を用いて、管理用コンピュータM24へ設定値などの情報を入力する。管理用コンピュータM24は、入力された情報を入出力インターフェース部M34を介して、制御パラメータ自動調整装置M4や操作信号演算部M31などへ送る。これにより、運転員M21は、制御室M2から、制御パラメータ自動調整装置M4や操作信号演算部M31の設定を編集することができる。
運転員M21は、情報出力装置の例としてのディスプレイM25に、制御システムM3内の情報を表示させることができる。ディスプレイM25には、例えば、各データベースM32,M33,M42に保存されたデータと、制御パラメータ自動調整装置M4や操作信号演算部M31の入出力データとを表示させることができる。
情報入力装置としては、キーボードM22やマウスM23に限らず、例えば、音声認識装置、タッチパネルなどを用いることもできる。情報出力装置としては、ディスプレイM25に限らず、例えば、プリンタ、音声合成装置などを用いることもできる。
なお、本実施例では、制御システムM3内に、制御パラメータデータベースM32、操作・計測信号データベースM33、制御パラメータ自動調整装置M4を搭載する場合を示すが、これらデータベースM32,M33や演算部M4の全部または一部を制御システムM3の外部に設けてもよい。制御システムM3は、外部に設けられたデータベースM32,M33や演算部M4などと通信してデータを送受信することで、制御システムM3としての機能を実現することができる。
上記と同様に、本実施例の制御パラメータ自動調整装置M4は、モデルパラメータ推定部M41、モデルパラメータデータベースM42、制御対象モデルM43を搭載しているが、これらの一部を制御パラメータ自動調整装置M4の外に配置して、データのみを送受信する構成としても良い。
図2は、制御システムM3の動作を示すフローチャートである。図2に示すように、本フローチャートは、後述するステップS10、S11、S12、S13、S14、S15、S16、S17を組み合わせて実行する。
制御システムM3は、最初に、制御対象プラントM1に対して操作信号D12を送信する必要があるか否かを判定する(S10)。制御対象プラントM1への操作信号D12の送信を要求する送信要求が存在する場合、操作信号D12を送信すると判定する(S10:YES)。ステップS10の判定は、制御室M2の運転員M21による設定内容によって、結果が変化する。
例えば、制御対象プラントM1が発電プラントである場合、発電プラントを運転計画に沿って制御している期間は、操作信号D12の送信要求があると判定される。発電プラントが停止している期間では、操作信号D12の送信要求は無いと判定される。制御システムM3は、操作信号D12の送信要求があると判定した場合(S10:YES)はステップS11へ進み、無しと判定した場合(S10:NO)はステップS14へ進む。
ステップS11において、制御システムM3は、操作信号演算部M31を動作させ、計測信号D11と実機向け制御パラメータ信号D32とを用いて、操作信号D12を計算し、その操作信号D12を制御対象プラントM1へ送信する。
ステップS12では、制御システムM3は、操作信号D12に基づいて制御した制御対象プラントM1の状態変化を計測し、その計測結果である計測信号D11を操作信号演算部M31へ送信する。
ステップS13において、制御システムM3は、ステップS11で制御対象プラントM1へ送信した操作信号D12と、ステップS12で操作信号演算部M31へ送信した計測信号D11とを、操作・計測信号データベースM33に送信して保存する。
制御システムM3は、制御パラメータを最適化するか否かを判定する(S14)。制御システムM3は、操作・計測信号データベースM33に保存されたデータ数が、運転員M21によって予め設定された基準データ数よりも多い場合に、制御パラメータを最適化すると判定する(S14:YES)。
基準データ数は、制御パラメータの最適化処理を開始するか否かを判定するための閾値であり、運転員M21が設定する。運転員M21の手動設定に代えて、何らかの指標に基づいて基準データ数を自動的に決定してもよい。
制御システムM3は、操作・計測信号データベースM33に保存されたデータ数が、基準データ数以下の場合に、制御パラメータの最適化を行わないと判定する(S14:NO)、本処理を終了する。
制御システムM3は、制御パラメータを最適化すると判定すると(S14:YES)、最適化処理に用いるプラント出力のデータ数が、操作・計測信号データベースM33に十分な数だけ保存されているかを判定する(S15)。
最適化処理に用いるプラント出力のデータとは、最適化対象の制御パラメータに対応するプラント出力のデータである。プラント出力のデータ数が十分保存されているとは、最適化対象の制御パラメータに対応するプラント出力のデータ数が、十分存在していることを意味する。
制御パラメータの最適化のためのデータ数が十分ある場合(S15:YES)はステップS16へ移動し、無い場合(S15:NO)はステップS17へ移る。データ数が十分存在するかを判定するために数1を用いることができる。
数1において、Nは必要データ数、kは正規分布の棄却限界値、CIは信頼値上限−信頼値下限、s2は母集団の推定値、である。必要データ数Nは、「理論的サンプル数」の一例である。
評価計算対象の出力のばらつき又は分散の推定に用いることのできるデータ数をnとしたとき、制御システムM3は、N≦nの場合にステップS15でYESと判定し、N>nの場合にステップS15でNOと判定する。N≦nの場合であっても、1回のサンプル取得に1分間以上必要とする場合、制御システムM3は、ステップS15でNOと判定する。ここでの1分間は、「所定のサンプル数」の一例である。
ステップS16では、制御システムM3は、特許文献1に開示されたと同様の方法に従って、制御パラメータデータベースM32を更新する。図2では、従来方法による制御パラメータの最適化を第1手法による最適化と呼び、本発明に特有な制御パラメータの最適化を第2手法による最適化と呼ぶ。
ステップS17では、制御システムM3は、制御パラメータ自動調整装置M4を動作させ、制御パラメータ最適化部M44から制御パラメータデータベースM32へ最適制御パラメータ信号D45を送信することにより、制御パラメータを更新する。ステップS17の詳細については、図3を用いて後述する。
図3は、図2中のステップS17の詳細を示すフローチャートである。図3に示すように、本フローチャートは、ステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS104、ステップS105、ステップS106、ステップS107、ステップS108、ステップS109、ステップS110を組み合わせて実行する。
制御システムM3は、ステップS101において、モデルパラメータ推定部M41を動作させる。モデルパラメータ推定部M41は、操作・計測信号データベースM33から操作・計測信号D31を取り込んで、モデルパラメータ推定分布信号D41を計算する(S101)。
ステップS102では、制御システムM3は、ステップS101で計算したモデルパラメータ推定分布信号D41をモデルパラメータデータベースM42に保存する。
ステップS103では、制御システムM3は、制御パラメータ最適化部M44で制御パラメータ信号D44を計算し、制御対象モデルM43に対して送信する。
ステップS104において、制御システムM3は、制御対象モデルM43の出力ばらつき再現部M45を動作させる。出力ばらつき再現部M45は、モデルパラメータデータベースM42から取り込んだモデルパラメータ信号D42を用いることで、制御対象モデルM43において模擬計測信号D43の計算に用いるモデルパラメータの値を決定する(S104)。
ここで、ステップS103で制御パラメータ最適化部M44から新しい制御パラメータ信号D44を受信した後における、最初のステップS104である場合、ステップS104で選択するモデルパラメータの値を、モデルパラメータ信号D42の確率分布の期待値とする。モデルパラメータの最初の値をそのモデルパラメータの確率分布の期待値にすることと、後述するステップS106とが結合することにより、最適化処理に要する時間を短縮することができる。
ステップS105では、制御システムM3は、ステップS103で決定した制御パラメータ信号D44とステップS104で決定したモデルパラメータの値とを用いて、制御対象モデルM43での模擬計測信号D43を計算する。
ステップS106では、制御システムM3は、ステップS105で計算した模擬計測信号D43のデータ数が、模擬計測信号D43のばらつき又は分散を推定するのに十分な数だけあるか否かを、数1を用いて判定する。
ここで、模擬計測信号D43のデータ数をiとしたとき、N≦iの場合、ステップS106ではYESと判定し、N>iの場合はNOと判定する。ステップS106でYESと判定された場合はステップS107へ進み、ステップS106でNOと判定された場合はステップS104へ戻る。
ここで、ステップS104ではモデルパラメータの最初の選択値をモデルパラメータ信号D42の確率分布の期待値としているため、N>iの場合であっても、模擬計測信号D43が所望の特性を満たしていない場合は、ステップS106でYESと判定して、計算時間を短縮する。
モデルパラメータの値が期待値でありながら、模擬計測信号D43が所望の特性を満たしていない場合、ステップS103で計算した制御パラメータ信号D44の評価値が最大とならないことは明白である。従って、ステップS106でYESと判定することで、ばらつきの計算処理を省くことができ、計算時間を短縮できる。
制御システムM3は、ステップS105で計算した1つ以上の模擬計測信号D43のサンプルデータから、プラント出力である模擬計測信号D43の期待値とばらつき又は分散とを計算し、その計算結果を模擬計測信号D43と一緒に制御パラメータ最適化部M44へ送信する(S107)。ここで、上述の通り、ステップS106で最適化に要する計算時間を短縮した場合は、模擬計測信号D43の値のみを制御パラメータ最適化部M44へ送信する。模擬計測信号のばらつきは計算していないためである。
ステップS108では、制御システムM3は、制御パラメータ最適化部M44を動作させ、ステップS107で計算したプラント出力(模擬計測信号D43)の期待値とばらつきとを用いて、評価値を計算する。
ここで、ステップS106で最適化に要する計算時間を短縮している場合、模擬計測信号D43のばらつきは計算していないため、運転員M21が予め設定した仮の値を模擬計測信号D43の値であると仮定して、評価値を計算する(S108)。
ばらつきの仮の値は、目標値が設定されている場合は必ずその目標値を逸脱する値として設定される。目標値が設定されていない場合、ばらつきの仮の値は、ステップS104〜S106で計算されるばらつきの値よりも必ず大きくなるように設定される。つまり、最適化に要する計算時間を短縮していない場合よりも、大きい値になるように、ばらつきの仮の値を設定する。
ステップS109では、制御システムM3は、制御パラメータの最適化が完了したか判定する。制御システムM3は、制御パラメータ最適化部M44から制御パラメータ信号D44が送信された回数CLを記録している。
その回数CLが予め決められた所定の値ThCLを超過した場合(CL>ThCL)、制御システムM3は、制御パラメータの最適化が完了したと判定し(S109:YES)、ステップS110へ移る。これに対し、回数CLが所定値ThCLを超えていない場合(CL≦ThCL)、制御システムM3は、制御パラメータの最適化が終了していないと判定し(S109:NO)、ステップS103へ戻る。制御パラメータ最適化部M44が制御パラメータ信号D44を送信する回数CLを学習回数と呼び、所定値ThCLを学習完了を判定するための閾値と呼ぶこともできる。制御パラメータの最適化が完了したかを判定する方法は、上述の例に限定されない。制御パラメータ信号D44の送信回数CL以外の値を用いて判定する方法でもよい。
ステップS110において、制御システムM3は、制御パラメータ最適化部M44を動作させ、目的に対して最適と判断された最適制御パラメータ信号D45を制御パラメータデータベースM32へ送信する。これにより、制御パラメータデータベースM32の値が更新される。
図4は、操作・計測信号データベースM33に保存されているデータの態様を説明する図である。図4に示すように、操作・計測信号データベースM33には、計測信号D11と操作信号D12(図では、データ項目A、B、Cを記載)の値が、サンプリング周期毎に保存される。
図5は、モデルパラメータデータベースM42に保存されているデータの状態を説明する図である。図5に示すように、モデルパラメータデータベースM42には、各モデルパラメータの確率分布が保存されている。確率分布を保存する形式は任意である。例えば、「パラメータ1」は、分布の種類とその分布の形状とが一意に定まるように、その平均値や分散等の特徴量を指定する形式で確率分布を保存している。「パラメータ2」は、確率分布のサンプルデータの形式で確率分布を保存している。
図6は、制御パラメータデータベースM32に保存されているデータの状態を説明する図である。図6に示すように、制御パラメータデータベースM32には、各制御パラメータの最適値がそれぞれ保存されている。制御パラメータの保存形式は特に問わない。図6では、最適値の保存形式の例として、一つの制御パラメータ毎に値を一つ保存しているが、これに限らず、関数などの形式で最適値を保存してもよい。
図7は、運転員M21が、評価値計算の対象とするプラント出力と制約条件を、制御パラメータ自動調整装置M4に対して設定する場合に使用する画面G21の例である。この画面G21は、運転員M21の求めに応じてディスプレイM25に表示される。
画面G21の上部では、評価値計算の対象とする出力(プラント出力)に関する情報を設定する。評価対象とする出力を設定する際は、評価対象の変数名、目的、目標値、重みなどの情報を入力する。評価対象の「出力の変数名」には、制御対象モデルM43で用いられる変数名など、評価値計算の対象とする出力が一意に特定可能な情報を使用する。「目的」と「目標値」は、制御パラメータ最適化部M44で制御パラメータD44の評価値を計算するために必要な情報である。
例として、ある発電プラントの燃料消費量を5万トン以下としたい場合、出力変数名は「燃料消費量」、目的は「目標値以下」、目標値は「5万トン」と設定する。重みは、最適化の優先順位を決めるための情報である。重みの高い出力が重みの低い出力とトレードオフ関係にある場合、重みの高い出力の方が優先される。
画面G21の下部では、制約条件に関する情報を設定する。制約条件の設定に際しては、制約条件となる変数名、目的、制限値などの情報を入力する。「制限値」は、「目的」や「目標値」と同様に、制御パラメータ最適化部M44で制御パラメータD44を評価するための情報である。ある発電プラントの制約条件が、「運転中の熱応力を400Mpa以内とすること」である場合を例に挙げて説明する。この場合、制約条件となる変数名は「熱応力」、目的は「制限値以内とすること」、制限値は「400」となる。画面G21の上部に示すように、評価値計算の対象とする「出力」の下には、出力を追加するためのボタンが配置される。同様に、画面G21の下部において、「制約条件」の下には、制約条件を追加するためのボタンが配置される。
これらの追加ボタンは、評価値計算の対象とする出力の項目と制約条件の項目とが足りない場合に、必要な項目を増やすために用いられる。運転員M21は、画面G21を用いることで、制御パラメータの最適化処理における評価対象となる、出力(プラント出力)および制約条件を簡単に設定することができる。なお、他の画面例でも同様であるが、図7の画面G21の構成は一例であり、図7に示す画面構造に限定されない。
図8は、運転員M21が、制御パラメータと、モデルパラメータデータベースM42に保存するモデルパラメータとを制御システムM3へ設定する場合に使用する画面G22の例を示す。この画面G22も、運転員M21の求めに応じて、ディスプレイM25に表示される。
画面G22の上部では、最適化対象の制御パラメータに関する情報を入力する。入力する情報には、例えば、最適化対象である制御パラメータの変数名、最小値、最大値、初期値、パラメータの種類などがある。最適化対象である「制御パラメータの変数名」には、操作信号演算装置M31や制御対象モデルM43で用いられる変数名などのように、制御パラメータを一意に特定可能な情報を用いる。
「最小値」と「最大値」とは、最適化対象である制御パラメータの調整可能範囲を規定する情報である。「初期値」は、最適化処理の開始時における制御パラメータの初期値である。「パラメータの種類」は、制御パラメータが離散値であるか、それとも連続値であるかを指定する項目である。
画面G22の下部では、モデルパラメータデータベースM42に保存するモデルパラメータに関する情報を入力する。入力する情報としては、例えば、モデルパラメータの推定に用いる、データおよび計算式がある。計算式は、推定対象のモデルパラメータとモデルパラメータの推定に用いるデータとの関係性を示す式である。例えば、推定対象のモデルパラメータが燃料消費量である場合、モデルパラメータの推定に用いるデータは一定時間あたりの燃料流量と時間である。この場合の計算式は、下記数2である。
数2において、Fは燃料消費量、Vは1分間あたりの燃料流量、Tは時間である。図8に示す入力方法および入力項目は例示に過ぎない。他の入力方法および入力項目を採用してもよい。画面G22を用いることで、運転員M21は、モデルパラメータと最適化対象の制御パラメータとを簡単に制御システムM3へ設定することができる。
図9は、運転員M21が、制御パラメータ自動調整装置M4の出力結果である最適制御パラメータ信号D45を確認するための画面G23の例である。画面23は、運転員M21の求めに応じて、ディスプレイM25に表示される。
画面G23には、例えば、最適化対象である制御パラメータの変数名、制御パラメータの最適値、制御パラメータに対する評価対象の出力のグラフなどを表示できる。
最適化対象である「制御パラメータの変数名」は、図8の画面G22で運転員M21が入力したものと同じである。制御パラメータの「最適値」は、制御パラメータデータベースM32に保存される値である。
制御パラメータに対する評価対象の出力のグラフは、制御パラメータの値によって、評価対象の出力の平均値とばらつきとがどのように変化するかを示す。図10は、図9中のグラフを拡大して示す。図10(a)は、図9における「制御パラメータ1」の最適値を示すグラフである。図10(b)は、図9における「制御パラメータ2」の最適値を示すグラフである。
図10に示すように、縦軸はプラント出力、横軸は制御パラメータである。図10には、プラント出力のばらつき具合と、プラント出力の目標値および期待値と、制御パラメータを最適化した結果とが示される。
図9に示す制御パラメータ自動調整装置M4の出力結果の画面G23の構成は一例であり、他の構成を採用してもよい。本画面G23を用いることで、運転員M21は簡単に制御パラメータの最適値と、その値が最適値であると判定された理由とを確認できる。
図11は、運転員M21が、モデルパラメータデータベースM42に保存されるモデルパラメータ推定分布信号D41を確認するための画面G24の例である。画面G24も、運転員M21の求めに応じて、ディスプレイM25に表示される。
画面G24には、例えば、モデルパラメータの変数名、平均値、分散値、モデルパラメータの確率分布のグラフなどを表示させることができる。
「モデルパラメータの変数名」は、図8の画面G22で運転員M21が入力したものと同じである。「平均値」、「分散値」、および「モデルパラメータの確率分布のグラフ」は、モデルパラメータデータベースM42に保存される値、または保存されている情報から算出した値である。画面G24も図11に示す構成に限られず、他の構成を採用することもできる。運転員M21は、画面G24を用いることで、モデルパラメータデータベースM42に保存されるモデルパラメータ推定分布信号D41を簡単に確認できる。
このように構成される本実施例によれば、プラント出力のばらつきを考慮しつつ、目的や制約に応じて制御パラメータを自動的に最適化できる。
本実施例によれば、プラント出力に関する1回のサンプルデータの取得に時間がかかる場合や、ばらつきを推定できる理論的サンプル数よりも少ないデータ量(プラント出力のデータ量)しか取得できない場合であっても、制御パラメータを最適化できる。この場合、本実施例では、理論的サンプル数を満たす他のデータ(運転実績を示す運転データD31)から、制御対象モデルM43のモデルパラメータのばらつきを推定し、その推定結果を用いてプラント出力のばらつきを制御対象モデルM43で再現する。これにより、本実施例では、プラント出力のばらつきを考慮しつつ、目的や制約に応じて制御パラメータを最適化できる。
すなわち本実施例によれば、サンプルデータの不十分な所定のプラント出力(サンプルデータ数が理論値以下またはサンプル周期が所定周期以上のプラント出力)であっても、サンプルデータが十分にある他のプラント出力から得られる情報に基づいて、所定のプラント出力の制御に関する制御パラメータを最適化することができる。
図12を用いて第2実施例を説明する。第2実施例は、第1実施例の変形例であるため、第1実施例との相違を中心に説明する。第2実施例は、第1実施例で述べた制御対象プラントM1が火力発電プラントM5である場合を示す。
本実施例の制御システムM3は、制御パラメータの最適化によって、火力発電プラントM5の起動から停止までの運転で使用した総燃料消費量を安定化しつつ、最小化する事を目的とする。制御システムM3の構成は第1実施例と同一であるため、図12では省略している。
制御システムM3を用いて火力発電プラントM5を制御することで、一定期間中の総燃料消費量を安定化しつつ最小化するための、制御システムM3の最適な制御パラメータを自動的に探索することができる。
特にベース電源用の火力発電プラントM5は、多くても年に1、2回程度しか起動停止することはないため、プラント出力のばらつきを算出するのに十分なサンプル数を得るには、とても長い時間(例えば十年以上の時間)が必要となる。
したがって、従来技術の手法では制御パラメータを最適化するのは難しいが、第1実施例で述べた第2手法によれば、プラント出力のサンプルデータを制御対象モデルM43から得ることができる。このため、本実施例によれば、従来技術の手法を用いる場合よりも短時間で、ばらつきを考慮しつつ、制御パラメータを最適化することができる。
図12は、火力発電プラントM5の構造例を示すブロック図である。図12に示すように、火力発電プラントM5は、ボイラM51と、バーナM52と、ファンM53と、ミルM54と、給水ポンプM61と、熱交換器M62と、タービンガバナM63と、蒸気タービンM64と、発電器M65とを含む。
燃料となる石炭と石炭運搬用の1次空気と燃焼調整用の2次空気とは、バーナM52を介してボイラM51へ投入され、ボイラM51内で燃焼する。石炭と石炭運搬用の1次空気とは経路M55を介して、燃焼調整用の2次空気は経路M56を介して、バーナM52へそれぞれ送られる。石炭と空気の燃焼によって発生した高温のガスは、熱交換器M62を通り、図示せぬ排ガス処理をされた後に大気に放出される。熱交換器M62は、給水ポンプM61からの給水を高温のガスによって加熱することで、蒸気を生成する。
熱交換器M62で発生した蒸気は、タービンガバナM63を介して蒸気タービンM64に送られる。蒸気によって蒸気タービンM64を回転させることによって、蒸気タービンM64に繋がった発電器M65が動作し、発電する。
操作信号演算部M31が出力する操作信号D12は、経路M55を通る空気と経路M56を通る石炭との量(混合比)を制御する。操作・計測信号データベースM33に保存される項目としては、例えば、蒸気温度、蒸気流量、蒸気圧力、排ガス温度、排ガス熱量、火炉収熱量、石炭に含まれる水分量、スートブローの有無、発電量、燃料流量などを挙げることができる。
次に、制御対象プラントM1が火力発電プラントM5である場合の、制御パラメータ自動調整装置M4の動作を説明する。まず、モデルパラメータ推定部M41は、操作・計測信号データベースM33に保存されているデータを取り入れて、制御パラメータの最適化に使用する一つ以上のモデルパラメータを推定し、推定結果をモデルパラメータ推定分布信号D41としてモデルパラメータデータベースM42へ記憶させる。
例えば、本実施例の場合、モデルパラメータ推定部M41は、操作信号D12に対する火炉収熱量特性と、操作信号D12に対する蒸気温度特性と、操作信号D12に対する蒸気流量特性と、操作信号D12に対する蒸気圧力特性と、操作信号D12に対する排ガス温度特性と、操作信号D12に対する排ガス熱量特性と、石炭に含まれる水分量に対する火炉収熱量特性と、石炭に含まれる水分量に対する蒸気温度特性と、石炭に含まれる水分量に対する蒸気流量特性と、石炭に含まれる水分量に対する蒸気圧力特性と、スートブローに対する発電出力の変動量特性などの、各モデルパラメータをそれぞれ推定し、それら推定結果をモデルパラメータ推定分布信号D41として、モデルパラメータデータベースM42に送信して保存する。
その後、制御パラメータ最適化部M44は、操作信号演算部M31で操作信号D12を計算する際に用いる制御ゲインを決定し、決定した制御ゲインを制御パラメータ信号D44として、制御対象モデルM43へ送信する。ここでは、制御ゲインが最適化対象の「所定の制御パラメータ」に該当する。
制御対象モデルM43は、制御パラメータ最適化部M44から入力された制御パラメータ信号D44を用いて、プラント起動から停止までの運転中の、総燃料消費量とそのばらつきとを計算する。
総燃料消費量およびそのばらつきを計算する際に制御対象モデルM43で用いるモデルパラメータの値は、出力ばらつき部M45により決定される。そして、総燃料消費量とそのばらつきの計算結果は、制御対象モデルM43から制御パラメータ最適化部M44へ送信される。
制御パラメータ最適化部M44は、制御対象モデルM43から受信した計算結果と後述する数3および数4とを用いて、制御パラメータ信号D44の評価値を計算する。制御パラメータ最適化部M44は、計算した評価値に基づいて、再び制御ゲインを決定し、その制御ゲインを示す制御パラメータ信号D44を制御対象モデルM43へ送信する。
ここで、制御ゲインの評価値は下記数3で計算する。
数3において、Rは評価値、Ravgは総燃料消費量の平均値に基づく評価値、Rvは総燃料消費量のばらつきに基づく評価値、である。評価値Ravgは数4で、評価値Rvは数5で、計算する。
ここで、Cは運転員M21によって予め設定される定数、Fallは総燃料消費量の平均値、Faimは総燃料消費量の目標値、Fvは総燃料消費量の分散値である。
総燃料消費量の平均値に基づく評価値Ravgは、総燃料消費量の平均値Fallが小さくなるほど高くなり、反対に平均値Fallが大きくなるほど低くなる。
総燃料消費量のばらつきに基づく評価値Rvは、99.73%信頼区間が総燃料消費量の目標値Faim以下の場合に1となり、目標値Faimを超えた場合に0となる。99.73%信頼区間は、分散Fvを3倍した値に平均値Fallを加えた値である。
評価値Rは、制御ゲインが所定値の場合に、最大値となる。制御ゲインの所定値とは、総燃料消費量の99.73%信頼区間が目標値Faim以下であり、かつ、総燃料消費量の平均値Fallが最小値となる、制御ゲインの値である。
このように構成される本実施例によれば、最大の評価値を得る制御ゲインを探索することができ、この制御ゲインを用いることで、火力発電プラントM5を起動してから停止するまでの運転期間中における総燃料消費量を安定化しつつ、総燃料消費量の値を最小化することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。本発明は、火力発電プラント以外の種々のプラントにも適用することができる。