JP5031591B2 - 変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の遊星歯車組の各回転要素に連結されるブレーキおよびクラッチの締結解放の組み合わせにより変速段を形成する複式遊星歯車装置を具備する変速機に関し、特に、それまで静止していた所定回転要素に対してクラッチを締結することで変速段のシフトを行う場合において改善された変速制御を行うようにした変速機に関する。
通常、変速機において設けられるクラッチは、それ自体が回転要素と共に回転する回転クラッチからなっている。そのため、クラッチに作動油圧が供給されていない場合でも回転により遠心油圧が発生し、クラッチトルク容量が発生するという問題がある。この問題を解決するために、キャンセラ機構を用いてキャンセル油室に給油し、遠心油圧を相殺する技術が従来より知られている(例えば特許文献1、2等)。
特開平2−296072号 特開平5−203053号
しかし、上記従来技術に係るキャンセラ機構が正常に動作するには、キャンセル油室への給油が適切になされることが条件である。キャンセル油室への給油は、クラッチの回転に伴う遠心力によりなされるようになっているので、クラッチが連結された回転要素が回転していないと遠心力が生じず、キャンセル油室への給油が適切になされないことになる。従って、或る変速段(現変速段)から別の変速段(目標変速段)へシフトするときに、該目標変速段を形成するためにクラッチを締結する必要がある場合、該クラッチの配置された回転要素が、現変速段が形成されているときに回転していることが望まれる。何故ならば、現変速段の形成時に回転停止されている回転要素に配置されたクラッチにおいては遠心力が生じていないのでキャンセル油室への給油が適切になされておらず、第2の変速段を形成するために当該静止していたクラッチを締結制御して回転開始させた場合、キャンセル油室への給油も該締結時点から開始されることになるので、クラッチの遠心油圧を即座に相殺することができず、遅れ時間が生じるからである。この遅れ時間を考慮せずに、クラッチを締結制御すると、不自然なクラッチ締結となり、変速又はインギヤの商品性を損なってしまう。
上記のような問題は、特定の変速段において回転しないクラッチが存在するような構成の変速機において起こりうる。例えば、下記特許文献3の図7に示された構成の変速機や下記特許文献4の図4に示された構成の変速機などがその一例である。このタイプの変速機は、コンパクトな構成で多段変速を実現するようにしたものであるが、或る特定の変速段(第1の変速段)において静止したクラッチが存在し、該第1の変速段から該静止したクラッチを締結する必要がある別の変速段(第2の変速段)へとシフトする場合に、上記のような不都合が起こる。
特開2002−213545号 特開2007−327536号
しかし、従来技術においては、上記のような不都合が起こることが考慮されておらず、また、適切な対策も示されていなかった。
ところで、そのような不都合に対する対策として、上述の遅れ時間を考慮して、その間のキャンセル油圧の経過的特性を特定し、該経過的特性に応じてクラッチの作動油圧を経過的に制御することが考えられる。しかし、そのようなキャンセル油圧の立ち上がり時の経過的特性を特定するのは極めて困難であり、よって、クラッチの作動油圧を経過的に適切に制御することは困難であった。従って、従来技術においては、変速段をシフトする際に静止していたクラッチを締結制御する必要がある場合、制御性が悪く、また、不自然なクラッチ締結を余儀なくされるため、商品性が損なわれるおそれがあった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、変速段をシフトする際に静止していたクラッチを締結制御する必要がある場合において、簡単な制御によって不自然なクラッチ締結がなされないようにすることにより、制御性と商品性を向上させた変速機を提供しようとするものである。
本発明に係る変速機は、複数の遊星歯車組の各回転要素に連結されるブレーキおよびクラッチの締結解放の組み合わせにより変速段を形成する複式遊星歯車装置(UO)を具備する変速機(TM)であって、ブレーキおよびクラッチの両方が連結される所定の回転要素(2)を有するものにおいて、前記所定の回転要素(2)に連結されるクラッチは、クラッチシリンダ室に供給される作動油の遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室を有し、該クラッチシリンダ室とキャンセル油室は前記所定の回転要素上に配置されており、形成可能な複数の変速段の中に、前記所定の回転要素に連結されるブレーキ(B2)を締結して該所定の回転要素の回転を停止することに基づき形成される第1の変速段(2速又は8速)と、前記ブレーキ(B2)を解放するとともに該所定の回転要素(2)に連結される前記クラッチ(K3)を締結することに基づき形成される第2の変速段(4速又は6速)とが含まれており、現在の変速段から目標変速段にシフトすべきとき、該目標変速段を形成するための締結されるべきクラッチが該現在の変速段が形成されているときに静止しているか否かを判定し(ST1)、静止していると判定されたならば、前記第1の変速段から前記第2の変速段へのシフトと判定し、前記第1の変速段から一旦他の変速段(3速又は7速)を経由して該第2の変速段を達成するよう制御する制御手段(21)を具備し、前記他の変速段は前記所定の回転要素に連結されるブレーキが解放されるとともに前記所定の回転要素に連結されるクラッチを締結しないで形成される変速段であることを特徴とする。なお、上記で括弧内に記した図面参照番号あるいは変速段名は、後述する実施形態における対応する構成要素あるいは変速段名を参考のために例示するものである。
本発明に係る変速機においては、現在の変速段から目標変速段にシフトすべきとき、該目標変速段を形成するための締結されるべきクラッチが該現在の変速段が形成されているときに静止しているか否かを判定し、静止していると判定されたならば、前記第1の変速段から前記第2の変速段へのシフトと判定する。そのような場合、前記第1の変速段の形成時に所定の回転要素がブレーキによって静止されていることにより、該所定の回転要素に連結されるクラッチも静止している。しかし、本発明によれば、該第1の変速段(現変速段)から前記第2の変速段(目標変速段)にシフトすべきことが指示されたと判定したとき、該第1の変速段から直ちに第2の変速段にシフトすることなく、経過的に、一旦他の変速段(これを実施例では「準備変速段」という)を経由して該第2の変速段を達成するよう制御するので、それまで静止していた該所定の回転要素に連結されるクラッチが第2の変速段の形成のために即座に締結されることがない。従って、他の変速段(準備変速段)を経過的に経由している間に、該所定の回転要素が回転されるように当該他の変速段を適切に選定することにより、該所定の回転要素の回転に伴って該クラッチを回転させることができ、もって、該クラッチのキャンセル油室に給油させることができる。こうして、その後、該クラッチを締結して該第2の変速段を達成したとき、該クラッチの遠心油圧を相殺した状態を用意することができ、自然なクラッチ締結を行うことができる。従って、本発明によれば、困難なクラッチ作動油圧の経過的制御を行うことなく、自然なクラッチ締結を行うことができるものであり、制御性と商品性を向上させた変速機を提供することができる。
なお、上記他の変速段としては、前記第2の変速段が前記第1の変速段よりも低い場合は前記第1の変速段よりも低い変速段であり、前記第2の変速段が前記第1の変速段よりも高い場合は前記第1の変速段よりも高い変速段であり、かつ、前記第2の変速段に最も近い変速段を選定するのがよい。
第1の実施形態として、前記制御手段は、前記第1の変速段から前記第2の変速段へのシフトがアップシフトであっても、ダウンシフトであっても、上記のように前記第1の変速段から前記他の変速段を一旦経由して該第2の変速段を達成するよう制御する構成からなっていてよい。この第1の実施形態にあっては、アップシフトおよびダウンシフトのいずれの場合であっても、上述のように、制御性と商品性を向上させた変速機を提供することができる。
別の観点に従うと、本発明に係る変速機は、複数の遊星歯車組の各回転要素に連結されるブレーキおよびクラッチの締結解放の組み合わせにより変速段を形成する複式遊星歯車装置を具備する変速機であって、ブレーキおよびクラッチの両方が連結された所定の回転要素を有するものにおいて、形成可能な複数の変速段の中に、前記所定の回転要素に連結されるブレーキを締結して該所定の回転要素の回転を停止することに基づき形成される第1の変速段と、前記ブレーキを解放するとともに該所定の回転要素に連結されるクラッチを締結することに基づき形成される第2の変速段とが含まれており、前記第1の変速段から前記第2の変速段にシフトすべきとき、前記第1の変速段から一旦他の変速段を経由して該第2の変速段を達成するよう制御する制御手段を具備し、前記制御手段は、前記第1の変速段から前記第2の変速段にアップシフトすべきときに、上記のように前記第1の変速段から前記他の変速段を一旦経由して該第2の変速段を達成するよう制御し、他方、前記第1の変速段から前記第2の変速段にダウンシフトすべきときは、一旦二ユートラルに設定した後、前記所定の回転要素に対する前記クラッチの締結を行うが、前記第2の変速段を形成するために必要な他の回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つの締結は行わない経過的締結状態を経由させ、その後、該経過的締結状態では締結していなかった前記必要な他の回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つを締結することで該第2の変速段を達成するよう制御することを特徴とする
これによれば、アップシフトの場合に上述のように制御性と商品性を向上させた変速機を提供することができる。一方、ダウンシフトの場合は、第1の変速段から前記経過的締結状態を経由して第2の変速段へのシフトが行われる。この経過的締結状態では、一旦二ユートラルに設定した後、前記所定の回転要素に対する前記クラッチの締結を行うが前記第2の変速段(目標変速段)を形成するために必要な他の回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つの締結は行わないので、特定の変速段が形成されるには至らないことにより、キャンセラ機構が正常に作動しているかどうかは問題とされず、静止クラッチを簡便に締結制御できる。変速段の形成を完了するための摩擦係合要素の締結は、回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つに対して行われるので、キャンセラ機構が正常に作動し、安定して行うことができる。この第2の実施形態は、ダウンシフト時に、一旦二ユートラルに設定されるため、幾分の駆動力切れが生じるおそれがあるが、変速商品性として駆動力切れが許容される場合に適用可能である。
形例として、前記第1の変速段から前記第2の変速段へのシフトがアップシフト/ダウンシフトのいずれの場合であっても、上記のように第1の変速段から前記経過的状態を経由して第2の変速段へのシフトが行われるようにしてもよい。この場合は、前記第1の変速段から前記第2の変速段へのシフトがアップシフト/ダウンシフトのいずれの場合であっても、前記所定の回転要素に対する前記クラッチ(静止クラッチ)の締結によっては、変速段の形成が完了しないことにより、キャンセラ機構が正常に作動しているかどうかは問題とされず、静止クラッチを簡便に締結制御できる。変速段の形成を完了するための摩擦要素の締結は、回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つに対して行われるので、キャンセラ機構が正常に作動し、安定して行うことができる。この第2の実施形態の変形例では、アップシフト時においても、一旦二ユートラルに設定されるため、幾分の駆動力切れが生じるおそれがあるが、変速商品性としてそのようなアップシフト時の駆動力切れが許容される場合に適用可能である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[全体構成の説明]
図1は、本発明の一実施形態に係る変速機TMを備えた動力伝達装置10を示す概略図である。動力伝達装置10は、例えばFR型の車両に搭載されるものである。動力伝達装置10は、車両前方に配設されたエンジン5と、エンジン5の出力軸5aにトルクコンバータ6を介して入力軸1が接続される変速機TMと、変速機TMの出力軸4が接続されるデフ機構7とで構成される。この動力伝達装置10では、エンジン5の駆動力により所定方向に回転数Neで回転する入力軸1の回転駆動力が変速機TMにより変速されて、出力軸4から出力される。出力された回転駆動力は、デフ機構7により左右のドライブシャフト8,8に分割されて、左右の駆動輪(後輪)9,9に伝達される。FR型の車両においては、しばしば、図1に示すように、変速機TMの入力軸1と出力軸4とを車両の前後方向に延びる同軸上に位置させたレイアウトで動力伝達装置10が構成される。なお、自動変速機TMは、複数のケース部材を組み付けて成形されるケーシング20の内部空間に収容されている。
変速機TMには、変速制御を行うように構成された変速制御装置21が備えられている。変速制御装置21は、車両各部に設けたセンサからの入力情報やシフトレバーの操作状態などに応じて、複数の変速段のうちいずれかにシフトするよう変速指令を生成し、この変速指令に応じた変速段を形成するように、変速機TMに設けた複数のクラッチやブレーキからなる各摩擦係合要素の作動制御(締結又は解放)を行う。この場合、変速指令は、自動変速パターンに基づき自動的に与えられる場合もあれば、シフトレバーのマニュアル操作に基づいて与えられる場合もある。変速機TMにおける変速機構は、変速制御装置21により指示された変速段を実現し、該変速段に応じて入力軸1の回転を変速して出力軸4を回転させる。
[変速機構の説明]
図2は、変速機TMにおける変速機構を示すスケルトン図である。なお、以下では、図2における右側(エンジン側)を入力側あるいは上流側と称し、左側(駆動輪側)を出力側あるいは下流側と称す。変速機TMは、入力側が、入力軸1の回転を変速してカウンタ軸2に出力する平行軸式変速機PTMからなる上流側変速機構UIになっており、出力側が、入力軸1とカウンタ軸2の少なくともいずれかの回転を変速して出力軸4に出力する複列式遊星ギヤ列PLAおよび遊星ギヤ用係合要素30からなる複式遊星歯車装置UOになっている。
入力軸1は、ケーシング20内部を上流側から下流側に延びて設けられており、上流側が図示しないベアリングにより回転自在に支持されている。カウンタ軸2は、ケーシング20の内部を入力軸1と平行に延びるように設けられており、上流端及び下流端がそれぞれベアリング82,83によって回転自在に支持されている。カウンタ軸2は、ケーシング20の内部空間において入力軸1の下方に配置されている。センタ軸3は、入力軸1の下流側において入力軸1と同軸線上に延びるように設けられている。
平行軸式変速機PTMは、第1ギヤ列G1、第2ギヤ列G2および第3ギヤ列G3から構成される入力軸側変速ギヤ列を備えている。第1ギヤ列G1は、入力軸1上に相対回転可能に設けられた第1ドライブギヤ11と、第1ドライブギヤ11に噛合してカウンタ軸2上に連結されてカウンタ軸2と一体回転可能な第1ドリブンギヤ12とから構成される。第1ドリブンギヤ12は、カウンタ軸2上に設けられカウンタ軸2と一体に回転するクラッチK3(以下、後述する第1、第2クラッチK1,K2と区別するために第3クラッチK3という。)によりカウンタ軸2に対して係脱自在に構成されている。すなわち、第3クラッチK3が締結されたとき、入力軸1の回転がギヤ11,12及びクラッチK3を介してカウンタ軸2に伝達される。
第2ギヤ列G2は、入力軸1上に相対回転可能に設けられた第2ドライブギヤ13と、第2ドライブギヤ13に噛合してカウンタ軸2上に連結されてカウンタ軸2と一体回転可能な第2ドリブンギヤ14とから構成される。第2ドライブギヤ13は、入力軸1上に設けられ入力軸1と一体に回転するクラッチK4(以下、第4クラッチK4という。)により入力軸1に対して係脱自在に構成されている。
第3ギヤ列G3は、カウンタ軸2上に設けられてカウンタ軸2と一体回転可能な第3ドライブギヤ15と、第3ドライブギヤ15と噛合して入力軸1の外周に入力軸1に対して相対回転可能に設けられた第3ドリブンギヤ16とから構成されている。第3ドリブンギヤ16は、後述するリングギヤR2に連結されている。
なお、第1ギヤ列G1に設定されるギヤ比(レシオ)rG1は、第1ドリブンギヤ12の歯数を第1ドライブギヤ11の歯数で除したものである。第2ギヤ列G2に設定されるギヤ比(レシオ)rG2は、第2ドリブンギヤ14の歯数を第2ドライブギヤ13の歯数で除したものである。第3ギヤ列G3に設定されるギヤ比(レシオ)rG3は、第3ドライブギヤ15の歯数を第3ドリブンギヤ16の歯数で除したものである。ここでは、第1ギヤ列G1と第3ギヤ列G3のギヤ比rG1,rG3は1よりも小さく設定されており、第2ギヤ列G2のギヤ比rG2は1よりも大きく設定されている。
遊星ギヤ用係合要素30は、入力軸1およびセンタ軸3上に並設された第1クラッチK1と第2クラッチK2とで構成される。入力軸1の出力側とセンタ軸3の入力側とは、第1クラッチK1を介して係脱可能に構成されている。これにより、第1クラッチK1が締結されると、入力軸1の回転がそのままセンタ軸3に伝達され、センタ軸3は入力軸1と一体に回転する。また、入力軸1の出力側は、複列式遊星ギヤ列PLAにおけるキャリアC2に、第2クラッチK2を介して係脱自在に連結されている。
複列式遊星ギヤ列PLAは、同一ギヤ比を有するシングルピニオンタイプの第1遊星ギヤ列(第1遊星歯車列)40及び第2遊星ギヤ列(第2遊星歯車列)50を有している。
第1遊星ギヤ列40は、センタ軸3上に位置する回転軸を中心に回転可能な第1サンギヤS1と、第1サンギヤS1と噛合して第1サンギヤS1の周りを自転しながら公転する第1ピニオンギヤP1と、ニードルベアリングを介して第1ピニオンギヤP1を回転自在に保持するとともに出力軸4に固定されて出力軸4を回転中心として第1ピニオンギヤP1と同じ速度で公転する第1キャリアC1と、第1ピニオンギヤP1と噛合する内歯を有して第1サンギヤS1の回転軸と同軸上に位置する回転軸を中心に回転可能な第1リングギヤR1とから構成されている。第1クラッチK1が係合されると、第1サンギヤS1にはセンタ軸3を介して入力軸1の回転が直接的に伝達される。また、第1遊星ギヤ列40には、第1リングギヤR1の歯数を第1サンギヤS1の歯数で除して求められる所定のレシオ(ギヤ比)rRPGが設定されている。
第2遊星ギヤ列50は、センタ軸3上に位置する回転軸を中心に回転可能な第2サンギヤS2と、第2サンギヤS2と噛合して第2サンギヤS2の周りを自転しながら公転する第2ピニオンギヤP2と、ニードルベアリングを介して第2ピニオンギヤP2を回転自在に保持するとともにセンタ軸3を回転中心として第2ピニオンギヤP2と同じ速度で公転する第2キャリアC2と、第2ピニオンギヤP2と噛合する内歯を有し、第2サンギヤS2の回転軸と同軸上に位置する回転軸を中心に回転可能な第2リングギヤR2と、から構成されている。また、第2遊星ギヤ列50には、第2リングギヤR2の歯数を第2サンギヤS2の歯数で除して求められる所定のレシオ(ギヤ比)rRPGが設定されているが、第2リングギヤR2の歯数は第1リングギヤR1の歯数と同じであり、第2サンギヤS2の歯数は第1サンギヤS1の歯数と同じであるため、第1遊星ギヤ列40および第2遊星ギヤ列50のレシオの値は、同じになる。
第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とは、互いの回転軸が連結されて一体に設けられている。第1リングギヤR1は、第2キャリアC2と連結されて一体に設けられている。また、第2キャリアC2は、第2クラッチK2を介して入力軸1と係脱自在に連結されている。第2リングギヤR2は、第3ドリブンギヤ16と連結されて一体に設けられている。第1キャリアC1は、その回転軸が下流側に延びる出力軸4に接続されている。
これにより、第1遊星ギヤ列40及び第2遊星ギヤ列50の各構成部品は、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2が連結されて構成される第1回転要素と、第1キャリアC1および第1ピニオンギヤP1から構成される第2回転要素と、第2ピニオンギヤP2、第2キャリアC2および第1リングギヤR1から構成される第3回転要素と、第2リングギヤR2から構成される第4回転要素の各回転要素を構成している。
複式遊星歯車装置UOには、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2が設けられている。第1ブレーキB1は、第1リングギヤR1の外周に配置されており、係合により第1リングギヤR1を固定保持するようになっている。したがって、第3回転要素である第1リングギヤR1と第2キャリアC2は一体に回転可能であるとともに、第1ブレーキB1により一体に停止されるようになっている。なお、この第1ブレーキB1はワンウェイブレーキとしても構成されている。このワンウェイブレーキは、変速段が1速に設定されるときに第1キャリアC1を介して第1リングギヤR1に加えられようとする回転方向に対してブレーキをかけるよう作用する。第2ブレーキB2は、第2リングギヤR2の外周に配置されており、係合により第2リングギヤR2(第4回転要素)を固定保持するようになっている。
図3は、変速制御装置21により指示可能な各変速段と、該各変速段を形成するための各摩擦係合要素K1〜K4,B2,B1の締結/解放状態の組み合わせとの関係を示す表である。図4は、図2に示された構成からなる変速機構の速度線図である。この変速機TMにおいては、変速制御装置21が各摩擦係合要素K1〜K4,B2,B1を図3に示すような組み合わせで選択的に締結/解放する制御を行うことにより、図4に示すように、前進8速(1st〜8th)および後進2速(REV1、REV2)の変速段を設定できるようになっている。各変速段は、図3に示すような組み合わせで2つの摩擦係合要素が締結されることで形成される。また、前進段において隣り合う変速段間の変速は、2つの摩擦係合要素のうち1つを締結したままとし、残りの1つを解放して別の1つの摩擦係合要素を締結することで行うように構成されている。このため、変速をスムーズに行うことができる。なお、図3では、便宜上、1速の変速段を設定する際に第1ブレーキB1を締結制御するように示しているが、前述のワンウェイブレーキ機能により、該第1ブレーキB1を締結制御することなく、事実上ブレーキを効かすことができる。
図4の速度線図では、4本の縦軸は、それぞれ左側から複列式遊星ギヤ列PLAを構成する第1回転要素である第1および第2サンギヤS1、S2、第2回転要素である第1キャリアC1、第3回転要素である第1リングギヤR1および第2キャリアC2、第4回転要素である第2リングギヤR2の回転数Nを示すものであり、縦線上の上下方向の位置が回転数Nの値に対応している。また、各縦軸は、第1回転要素および第2回転要素間の間隔と、第2回転要素および第3回転要素間の間隔と、第3回転要素および第4回転要素間の間隔との比がrRPG:1:(1+rRPG)/rRPGになっている。同図の第1回転要素、第3回転要素および第4回転要素を表す縦軸上の●印はクラッチの締結を表し、■印はブレーキの締結を表す。また、回転数Nは入力軸1の回転方向を正としており、出力軸4が正方向に回転するとき、すなわち、第1キャリアC1が正方向に公転するとき、車両は前進する。逆に、第1キャリアC1が逆方向に公転するとき、車両は後退する。
図4に示すように、各変速段において、それぞれ所定の組み合わせで締結される2つの摩擦係合要素を結ぶ直線L1〜L8,LREV1,LREV2と第1キャリアC1の回転数を示す縦軸との交点である回転数N1〜N8,NREV1,NREV2で第1キャリアC1が回転する。したがって、入力軸1の回転数Neに対して、1速〜8速、後進1速、後進2速の各変速段において、出力軸4がそれぞれ回転数N1〜N8,NREV1,NREV2で回転するようになる。
[静止クラッチについて]
図2の構成において、各クラッチK1〜K4は油圧制御される回転型のクラッチであり、背景技術の項で述べたように、遠心油圧を相殺するためにキャンセル油室を含むキャンセル機構がそれぞれ設けられている。例えば、カウンタ軸2に連結された第3クラッチK3は、第2ブレーキB2の締結によって第2リングギヤR2及びギヤ16が固定されたとき、カウンタ軸2の回転停止に伴って静止され、背景技術の項で述べたような問題が起こり得る。
そのような事例は、現在の変速段として8速(8th)が形成されているときに起こる。8速においては、図3および図4に示すように、第2クラッチK2と第2ブレーキB2が締結状態にある。このとき、図2から理解できるように、第2クラッチK2の締結により第1リングギヤR1および第2キャリアC2が入力軸1の回転数Neで正方向に回転し、第2リングギヤR2は第2ブレーキB2の締結により停止されているため回転しない。第1キャリアC1は、直線L8と第1キャリアC1の回転数を示す縦軸との交点である回転数N8で正方向に回転し、出力軸4には8速の出力回転数N8が得られる。このとき、第2ブレーキB2の締結により、第3ギヤ列G3及びカウンタ軸2も回転せず、カウンタ軸2に連結された第3クラッチK3も回転されないことにより、該第3クラッチK3のキャンセル油室に必要な給油がなされない。
この状態で、目標変速段として6速が指令されたとする(つまり、現在の変速段である8速から6速にシフトすべきことが指令されたとする)と、背景技術の項で述べたような問題が起り得る。6速(6th)の変速段は、図3および図4に示すように、第2クラッチK2および第3クラッチK3を締結することにより形成される。よって、従来は、8速から6速へのシフトは、単純に、第2クラッチK2を締結したまま、第2ブレーキB2を解放し、次いで第3クラッチK3を締結することで行っていた。しかし、それまで静止していた第3クラッチK3においては遠心力が生じていなかったのでキャンセル油室への給油が適切になされておらず、キャンセラ機構が正常に作動しないことになるので、不自然なクラッチ締結となってしまう。
同様の問題は、2速(2nd)から4速(4th)にシフトすべきことが指令された場合も起こり得る。すなわち、図3および図4に示すように、2速は第1クラッチK1および第2ブレーキB2を締結することにより形成されており、第3クラッチK3はカウンタ軸2と共に静止されている。この状態から4速(4th)にシフトすべきことが指令されると、4速の変速段は第1クラッチK1および第3クラッチK3を締結することにより形成されるので、従来は、単純に、第1クラッチK1を締結したまま、第2ブレーキB2を解放し、次いで第3クラッチK3を締結することで行っていた。しかし、それまで静止していた第3クラッチK3においては遠心力が生じていなかったのでキャンセル油室への給油が適切になされておらず、キャンセラ機構が正常に作動しないことになるので、不自然なクラッチ締結となってしまう。
[第1の制御形態]
以下述べるように、本発明においては、上記のようにクラッチの遠心油圧のキャンセラ機構が正常に作動しないような場合であっても、不自然なクラッチ締結とならないように変速制御を行う。
図5は、本発明に従う第1の制御形態を示すフロー図であり、この制御は変速制御装置21において行われる。変速制御装置21の内部において現在の変速段から目標変速段へのシフト指令が生成されたときに、図5の処理がスタートする。なお、目標変速段へのシフト指令の生成は、前述したように、車両各部に設けたセンサからの入力情報やシフトレバーの操作状態などに応じて、従来公知の手法で生成されるようになっていればよいので、ここでは詳しく説明しない。なお、変速制御装置21で生成されるシフト指令は、自動変速制御に基づくものであってもよいし、手動変速制御に基づくものであってもよい。
ステップST1では、目標変速段を形成するために締結すべき摩擦係合要素(クラッチ及びブレーキ)の中には、現在静止しているクラッチが含まれているか否かを判定する。これは、当該変速機構の特性(図3、図4)と、現変速段と、目標変速段との関係から判定できる。すなわち、現変速段におけるブレーキ締結によって静止されているクラッチが、目標変速段の形成のために締結されるとき、ステップST1はYESと判定される。このようにYESと判定されるのは、上述のように、当該クラッチの回転が開始したときそのキャンセラ機構が正常に作動しないおそれがあるケースである。すなわち、現変速段(第1の変速段)がブレーキ締結によって或る回転要素の回転を停止させることに基づき形成されており、目標変速段(第2の変速段)が該ブレーキを解放しかつ該回転要素に連結されたクラッチを締結することによって形成されるとき、該クラッチは静止状態から回転を開始することになるため、上記のように過渡的にキャンセラ機構が正常に作動しないものとなる。図2の変速機構においては、現変速段が8速(第1の変速段)で目標変速段が6速(第2の変速段)の場合、ステップST1はYESと判定される。また、現変速段が2速(第1の変速段)で目標変速段が4速(第2の変速段)の場合も、ステップST1はYESと判定される。その場合、本発明の第1の制御形態に従い、ステップST2,ST3の処理を行い、その後、ステップST4の処理で目標変速段への変速を行う。
ステップST2では、所定の条件に従って、現変速段(第1の変速段)及び目標変速段(第2の変速段)以外の変速段を「準備変速段」として設定する。「準備変速段」の条件は、目標変速段(第2の変速段)が現変速段(第1の変速段)よりも低い場合は現変速段(第1の変速段)よりも低い変速段であり、目標変速段(第2の変速段)が現変速段(第1の変速段)よりも高い場合は現変速段(第1の変速段)よりも高い変速段であり、かつ、目標変速段(第2の変速段)に最も近い変速段を、準備変速段とすることからなる。なお、「準備変速段」を形成するクラッチの中に現変速段(第1の変速段)における静止クラッチが含まれていてはならないのは、本発明の目的からして当然である。また、この「準備変速段」が形成されたときに、目標変速段(第2の変速段)における静止クラッチが連結する回転要素を回転させうる(つまり、静止していたクラッチを回転させうる)ものであることを要する。
例えば、図2の変速機構においては、8速から6速へのシフト指令の場合は、7速が準備変速段として設定される。また、2速から4速へのシフト指令の場合は、3速が準備変速段として設定される。
ステップST3では、設定された準備変速段を形成するために必要な組み合わせでクラッチ及びブレーキの締結制御を行う。例えば、8速から6速へのシフト指令の場合において、7速が準備変速段として設定されると、クラッチK2を締結したままブレーキB2を解放し、かつ、クラッチK4を締結する(図3)。これにより、7速の変速段が形成され、現変速段(8速)から準備変速段(7速)に変速される。このとき、クラッチK4の締結によりカウンタ軸2が回転し、これに伴いクラッチK3も回転する。また、2速から4速へのシフト指令の場合において、3速が準備変速段として設定されると、クラッチK1を締結したままブレーキB2を解放し、かつ、クラッチK4を締結する(図3)。これにより、3速の変速段が形成され、現変速段(2速)から準備変速段(3速)に変速される。このとき、クラッチK4の締結によりカウンタ軸2が回転し、これに伴いクラッチK3も回転する。
ステップST4では、目標変速段(第2の変速段)を形成するために必要な組み合わせでクラッチ及びブレーキの締結制御を行う。これにより、ステップST3からST4に処理が移行した場合は、上記準備変速段から目標変速段(第2の変速段)へとシフトが行われる。例えば、6速が目標変速段の場合は、7速の準備変速段から6速の目標変速段へとシフトが行われる。このとき、準備変速段が形成された段階で既にカウンタ軸2およびクラッチK3が回転されているので、目標変速段である6速を形成するためにクラッチK3を締結したとき、クラッチの遠心油圧のキャンセラ機構は正常に作動する。従って、特段の過渡的クラッチ制御を行うことなく、不都合のないクラッチ締結制御を簡便に行うことができる。4速が目標変速段の場合も同様に、不都合のないクラッチ締結制御を簡便に行うことができる。
なお、ステップST3からST4に処理が移行したとき、走行状態の変化やシフトレバー操作等によって、目標変速段が別のものに変更されてしまっている場合が起こり得る。その場合は、ステップST1に戻って、新たな目標変速段に関して、上述と同様の処理を行えばよい。
なお、ステップST3の処理により準備変速段を形成するためのクラッチおよびブレーキの締結制御を行う過程で、カウンタ軸2およびクラッチK3が回転し始め、キャンセラ機構が正常に作動するようになった場合は、準備変速段を形成するためのクラッチおよびブレーキの締結完了を待たずに、ステップST4に移行し、目標変速段にシフトするようにしてもよい。
一方、ステップST1でNOと判定された場合は、ステップST2,ST3の処理を行わずに、ステップST4にジャンプし、従来同様、即座に、現変速段から目標変速段へのシフトを行う。
[第2の制御形態]
上記第1の制御形態では、アップシフトの場合もダウンシフトの場合も同様に準備変速段を経由させる処理を行っている。これに対して、以下説明する第2の制御形態では、アップシフトの場合に上述と同様に準備変速段を経由させる処理を行い、ダウンシフトの場合は一旦ニュートラルに設定して静止クラッチを締結して回転させるという経過的締結制御を行い、それから目標変速段を形成するように制御する。
図6は、本発明に従う第2の制御形態を示すフロー図である。図5と同様に、変速制御装置21の内部において現変速段から目標変速段へのシフト指令が生成されたときに、図6の処理がスタートする。ステップST1では、図5における同一符号の処理と同様に、目標変速段を形成するために締結すべき摩擦係合要素(クラッチ及びブレーキ)の中には、現在静止しているクラッチが含まれているか否かを判定する。YESであれば、ステップST5で、このシフト指令がダウンシフトに係るものであるか否かを判定する。NOつまりアップシフトに係るものである場合は、図5における同一符号の処理と同様のステップST2,ST3,ST4の処理を行う。すなわち、シフト指令がアップシフトに係る場合(上記例では2速から4速へのシフト)、図5を参照して説明したのと同様の処理(準備変速段を経由させる制御)を行う。
一方、シフト指令がダウンシフトに係るものである場合は(上記例では8速から6速へのシフト)、ステップST6で、現変速段(第1の変速段)を構成するすべてのブレーキ及びクラッチを解放し、一旦、ニュートラルに設定する。このとき、エンジンの回転同期をとる必要があれば、回転同期を行う。
次のステップST7では、静止しているクラッチK3を締結制御するが、目標変速段(第2の変速段)を形成するために必要な他のクラッチおよびブレーキのうち、回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つ(8速から6速へのダウンシフトの場合は、クラッチK2)の締結は行わない経過的締結状態に設定する。この経過的締結状態では、静止しているクラッチK3を直結して該クラッチK3に回転を与えるだけであり、変速段が形成されるには至らないので、締結時においてクラッチK3のキャンセラ機構が正常に作動しているかどうかは問題とされず、簡便に締結制御できる。
次のステップST8では、適宜に設定された待ち時間経過後、残りの回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つ(クラッチK2)の締結を行う。これにより、目標変速段(6速)の形成が完了する。このクラッチK2は、8速(第1の変速段)のとき回転されており、一旦ニュートラルに設定されたときも回転しているので、そのキャンセラ機構は正常に作動しており、安定したクラッチ締結を行うことができる。また、適宜に設定された待ち時間により、前ステップST7で直結されたクラッチK3のキャンセラ機構を正常に作動させるだけの時間を確保することができるので、目標変速段(6速)が形成されるときに不都合は生じない。また、複雑なクラッチ作動制御が不要である。
この第2の制御形態の場合、ダウンシフト時に、上述の経過的締結制御によって一旦二ユートラルに設定されるため、幾分の駆動力切れが生じるおそれがあるが、変速商品性として駆動力切れが許容される場合において適用可能である。
[第2の制御形態の変形例]
なお、第2の制御形態の変形例として、現変速段(第1の変速段)から目標変速段(第2の変速段)へのシフトがアップシフト/ダウンシフトのいずれの場合であっても、上記のように経過的締結状態を経由して目標変速段(第2の変速段)へのシフトが行われるようにしてもよい。そのためには、図6においてステップST5,ST2,ST3を省略した構成からなる制御フローを用い、アップシフト/ダウンシフトのいずれの場合であってもステップST6〜ST8を実行するようにすればよい。
なお、本発明は、図2に示した構成の変速機構に限らず、他のいかなる構成の変速機構を具備する変速機においても実施可能である。例えば、複式遊星歯車装置UOは、第1遊星ギヤ列40と第2遊星ギヤ列50の2組の遊星ギヤ列を有して構成されているが、遊星ギヤ列の具体的な組数は、上記の2組には限定されず、他の組数とすることも可能である。また、上流側変速機構UIが有するクラッチの段数も上記実施形態で示した2段あるいは1段には限定されず、他の段数であってもよい。また、複式遊星歯車装置UOに組み合わされる上流側変速機構UIは、上述のような平行軸式変速機PTMからなるものに限らず、その他の変速歯車機構であってよい。
本発明の一実施例に係る変速機を備えた動力伝達装置を示す概略図である。 同実施例に係る変速機の変速機構を示すスケルトン図である。 同実施例に係る変速機において実現可能な各変速段と、該各変速段を実現するための摩擦係合要素(ブレーキおよびクラッチ)の締結/解放状態の組み合わせとの関係を示す表である。 図2に示された構成からなる変速機構の速度線図である。 本発明の第1の制御形態を示すフロー図である。 本発明の第2の制御形態を示すフロー図である。
符号の説明
1 入力軸
2 カウンタ軸
3 センタ軸
4 出力軸
5 エンジン
6 トルクコンバータ
10 動力伝達装置
20 ケーシング
21 変速制御装置
B1,B2 ブレーキ
K1〜K4 クラッチ
TM 変速機
PTM 平行軸式変速機
UI 上流側変速機構
UO 複式遊星歯車装置

Claims (6)

  1. 複数の遊星歯車組の各回転要素に連結されるブレーキおよびクラッチの締結解放の組み合わせにより変速段を形成する複式遊星歯車装置を具備する変速機であって、ブレーキおよびクラッチの両方が連結された所定の回転要素を有するものにおいて、
    前記所定の回転要素に連結されるクラッチは、クラッチシリンダ室に供給される作動油の遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室を有し、該クラッチシリンダ室とキャンセル油室は前記所定の回転要素上に配置されており、
    形成可能な複数の変速段の中に、前記所定の回転要素に連結されるブレーキを締結して該所定の回転要素の回転を停止することに基づき形成される第1の変速段と、前記ブレーキを解放するとともに該所定の回転要素に連結されるクラッチを締結することに基づき形成される第2の変速段とが含まれており、
    現在の変速段から目標変速段にシフトすべきとき、該目標変速段を形成するための締結されるべきクラッチが該現在の変速段が形成されているときに静止しているか否かを判定し、静止していると判定されたならば、前記第1の変速段から前記第2の変速段へのシフトと判定し、前記第1の変速段から一旦他の変速段を経由して該第2の変速段を達成するよう制御する制御手段を具備し、前記他の変速段は前記所定の回転要素に連結されるブレーキが解放されるとともに前記所定の回転要素に連結されるクラッチを締結しないで形成される変速段であることを特徴とする変速機。
  2. 前記他の変速段は、前記第2の変速段が前記第1の変速段よりも低い場合は前記第1の変速段よりも低い変速段であり、前記第2の変速段が前記第1の変速段よりも高い場合は前記第1の変速段よりも高い変速段であり、かつ、前記第2の変速段に最も近い変速段であることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
  3. 前記他の変速段は、前記所定の回転要素を回転可能な変速段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機。
  4. 複数の遊星歯車組の各回転要素に連結されるブレーキおよびクラッチの締結解放の組み合わせにより変速段を形成する複式遊星歯車装置を具備する変速機であって、ブレーキおよびクラッチの両方が連結された所定の回転要素を有するものにおいて、
    形成可能な複数の変速段の中に、前記所定の回転要素に連結されるブレーキを締結して該所定の回転要素の回転を停止することに基づき形成される第1の変速段と、前記ブレーキを解放するとともに該所定の回転要素に連結されるクラッチを締結することに基づき形成される第2の変速段とが含まれており、
    前記第1の変速段から前記第2の変速段にシフトすべきとき、前記第1の変速段から一旦他の変速段を経由して該第2の変速段を達成するよう制御する制御手段を具備し、
    前記制御手段は、
    前記第1の変速段から前記第2の変速段にアップシフトすべきときに、上記のように前記第1の変速段から前記他の変速段を一旦経由して該第2の変速段を達成するよう制御し、他方、
    前記第1の変速段から前記第2の変速段にダウンシフトすべきときは、一旦二ユートラルに設定した後、前記所定の回転要素に対する前記クラッチの締結を行うが、前記第2の変速段を形成するために必要な他の回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つの締結は行わない経過的状態を経由させ、その後、該経過的状態では締結していなかった前記必要な他の回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つを締結することで該第2の変速段を達成するよう制御する、
    ことを特徴とす変速機。
  5. 複数の遊星歯車組の各回転要素に連結されるブレーキおよびクラッチの締結解放の組み合わせにより変速段を形成する複式遊星歯車装置を具備する変速機であって、ブレーキおよびクラッチの両方が連結される所定の回転要素を有するものにおいて、
    形成可能な複数の変速段の中に、前記所定の回転要素に連結されるブレーキを締結して該所定の回転要素の回転を停止することに基づき形成される第1の変速段と、前記ブレーキを解放するとともに該所定の回転要素に連結されるクラッチを締結することに基づき形成される第2の変速段とが含まれており、
    前記第1の変速段から前記第2の変速段にシフトすべきとき、一旦二ユートラルに設定した後、前記所定の回転要素に対する前記クラッチの締結を行うが、前記第2の変速段を形成するために必要な他の回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つの締結は行わない経過的状態を経由させ、その後、該経過的状態では締結していなかった前記必要な他の回転しているクラッチおよびブレーキの少なくとも1つを締結することで該第2の変速段を達成するよう制御する制御手段を具備することを特徴とする変速機。
  6. 前記クラッチは、クラッチシリンダ室に供給される作動油の遠心油圧をキャンセルするためのキャンセル油室を有し、
    該クラッチシリンダ室とキャンセル油室は前記所定の回転要素上に配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の変速機。
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