以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で示す各実施の形態は一例であり、システムの構成、機能ブロックの構成は限定されるものではない。
なお、各実施の形態では、無線通信装置は、無線通信システムにおいて異なるサービスエリアを形成するアクセスポイントに対して、プロファイル情報(SSID、暗号方式、IPアドレス等を含む)を用いて接続することによって、それぞれのアクセスポイントからサービスの提供を受ける。ここでは、異なるサービスエリアとは、無線通信装置におけるアクセスポイント接続時に必要となるプロファイル情報を保持していないサービスエリアとする。また、言い換えれば、異なるサービスエリアは、無線通信装置が位置しているサービスエリアで利用したプロファイル情報では接続不可能なサービスエリアとする。各実施の形態の無線通信システムにおける複数のサービスエリアは、例えば、同種のサービス(例えば、ネット接続サービス)ではあるが、それぞれサービス提供元(管理元)が異なるサービスエリア等から構成されるものとする。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置を有する無線通信システムの構成を示す概念図である。図1に示す無線通信システム100は、無線通信装置200と、アクセスポイントA11と、アクセスポイントA12〜A14とを備えて構成される。
無線通信装置200は、アクセスポイントA11により形成されるサービスエリアE1に位置している。サービスエリアE1に隣接している異なるサービスエリアとして、アクセスポイントA12、A13によりそれぞれ形成されるサービスエリアE2、E3が存在し、サービスエリアE2、E3に隣接している異なるサービスエリアとして、アクセスポイントA14により形成されるサービスエリアE4が存在する。
なお、サービスエリアE1〜E4をそれぞれ形成するアクセスポイントA11〜A14は、それぞれ、無線通信装置200と通信可能であり、無線通信装置200からのプローブ要求、接続要求に応答するとともに、サービスを提供可能とする。各アクセスポイントA11〜A14は、無線通信装置200からのサービスエリア情報取得要求を受けるサービスエリア情報要求受付部と、サービスエリア情報要求を受けて、サービスエリア情報要求元の前記無線通信装置200に、当該無線通信装置200が現在位置するサービスエリア及び現在位置するサービスエリアとは異なる近隣のサービスエリアを構成するアクセスポイントを示すサービスエリア情報を通知する近隣接続情報通知部とを有する。
図2は、本発明に係る無線通信システム100の主要な構成要素である無線通信装置200の要部構成を示す機能ブロック図である。
図2に示す無線通信装置200は、入力部201と、無線LANインターフェース部202と、状態変化検出部203と、サービスエリア情報取得部204と、記憶部205と、プロファイル情報取得部206と、不揮発性記憶部207と、優先順位設定部211と
、優先プロファイル情報選択部213と、受信電波強度取得部215と、アクセスポイント接続判定部217と、制御部219とを有する。
尚、無線通信装置200において、入力部201、無線LANインターフェース部202、状態変化検出部203、サービスエリア情報取得部204、記憶部205、プロファイル情報取得部206、不揮発性記憶部207、優先順位設定部211、優先プロファイル情報選択部213、受信電波強度取得部215、アクセスポイント接続判定部217、制御部219等の各部は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)により構成される。
これら各部は、個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここではLSIとしたが、集積度の違いによりIC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサにより行っても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なコンフィギュラブル・プロセッサを利用して各部を構成しても良い。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術により各部201〜207,211,213,215,219の集積化を行っても良い。例えば、バイオ技術を適応することによって集積化を行ってもよい。
入力部201は、例えば、操作キーなどを介したユーザの操作入力を受けて制御部219に出力され、無線通信装置200における種々の動作を行う。例えば、通信アプリ起動の開始要求を、制御部219を介して状態変化検出部203に出力する。
無線LANインターフェース部202は、サービスエリアを形成するアクセスポイントに対して信号の送受信を行う。
状態変化検出部203は、制御部219を介して入力される情報を用いて、無線通信装置200自体の使用状態の変化を検出し、制御部219に出力する。
具体的には、状態変化検出部203は、ユーザにより入力部201を介して入力された通信アプリの起動指示を、無線通信装置200自体の状態変化として検出し、制御部219を介して受信電波強度取得部215に出力する。
また、状態変化検出部203は、無線LANインターフェース部202及び制御部219を介して入力される、無線通信装置200の位置するサービスエリアを形成するアクセスポイントからのビーコン(信号)の受信レベルを判定する。
状態変化検出部203におけるビーコンの受信レベルの判定は、例えば、受信したビーコンの受信レベルを予め設定された閾値と比較することによって行う。当該閾値以上であれば、制御部219を介して無線LANインターフェース部202に、現在接続しているアクセスポイントへの接続を継続させ、閾値以下であれば、制御部219を介してサービスエリア情報取得部204にその旨を通知する。
サービスエリア情報取得部204は、状態変化検出部203により検出される状態変化情報に基づいて、接続しているサービスエリアを形成するアクセスポイントに対するサービスエリア情報の取得要求を、無線LANインターフェース部202に出力する。
具体的には、サービスエリア情報取得部204は、状態変化検出部203から制御部219を介して入力される、受信レベルが閾値以下となった旨の状態変化情報によって、無線通信装置200が位置しているサービスエリアを形成するアクセスポイントに対するサービスエリアの情報(サービスエリア情報)の取得要求を行うことで取得する。
つまり、この取得要求に対するアクセスポイントの応答により、アクセスポイントから送信されるサービスエリア情報は、無線LANインターフェース部202から制御部219へ出力され、取得されたサービスエリア情報は、記憶部205へ保存される。
この取得したサービスエリア情報に、サービスエリアに散在するアクセスポイントの情報を示すプロファイル情報が付加されている場合、サービスエリア取得部204は、制御部219を介して、優先順位設定部211に、設定処理要求信号を出力する。なお、取得したプロファイル情報は、取得されたサービスエリア情報とともに記憶部205に保存される。
また、サービスエリア情報に付加されたプロファイル情報に予め優先順位が設定されている場合、サービスエリア情報取得部204は、制御部219を介して優先プロファイル情報選択部213に、選択処理要求信号を出力する。
記憶部205は、制御部219を介して入出力される情報を保存する。なお、以下では制御部219を介した各部間の情報の入出力は、各部間の入出力として説明することもある。
具体的には、記憶部205は、制御部219を介してサービスエリア情報取得部204により取得されたサービスエリア情報、及び、不揮発性記憶部207からのサービスエリア(詳細にはアクセスポイント)のプロファイル情報を保存する。サービスエリア情報取得部204により取得されたサービスエリア情報に、プロファイル情報又は既に順位付けされたプロファイル情報が付加されている場合は、サービスエリア情報とともにプロファイル情報又は既に順位付けされたプロファイル情報も保存する。
更に、記憶部205は、受信電波強度取得部215によって測定された信号の電波強度と、当該信号のSSIDの対応情報とを保存する。
また、記憶部205は、優先順位設定部211で優先順位付けされたプロファイル情報を、例えば、リスト構造で、優先順位の高いプロファイル情報P22から優先順位順にアクセス可能となるような管理形式で保存する。
ここで、記憶部205に記憶されるサービスエリア情報のデータ構造を説明する。
図3は、アクセスポイントから取得したサービスエリア情報の一例を示す図である。なお、取得したサービスエリア情報300は、本実施の形態ではテキストベースで構成され、ここでは、<所属サービスエリア>、<隣接サービスエリア>及び<周辺サービスエリア>の三種類の情報を有する。
サービスエリア情報における<所属サービスエリア>は、現在接続しているアクセスポイントが提供しているサービスエリアを示し、<隣接サービスエリア>は、現在接続しているサービスエリアに隣接しているサービスエリアを示す。また、<周辺サービスエリア>は周辺に位置しているサービスエリアの情報を示す。
図3に示す<隣接サービスエリア>及び<周辺サービスエリア>は、<所属サービスエ
リア>の近隣に存在するサービスエリアを示している。
図3に示すサービスエリア情報300では、接続中のアクセスポイントが現在所属しているサービスエリアE1を提供していることを示している。また、このサービスエリアE1に隣接するサービスエリアはE2、E3であることを示し、サービスエリアE1の周辺に位置しているサービスエリアはE4であることを示している。なお、本実施の形態ではサービスエリア情報をテキストベースで構成したが、これに限らず、MAP情報を用いてサービスエリア情報を構成してもよい。
プロファイル情報取得部206は、記憶されたサービスエリア情報(ここでは、サービスエリアE1,E2,E3,E4の情報)を用いて、これらサービスエリア情報が示す各サービスエリアに対応するプロファイル情報(例えば、プロファイル情報P22、P23、P24)を取得する。
サービスエリアに対応するプロファイル情報は、サービスエリアを形成するアクセスポイントの情報と同義であり、アクセスポイントへの接続に際し用いられる。
本実施の形態では、プロファイル情報取得部206は、記憶部205から、サービスエリア情報取得部204により取得されたサービスエリア情報を取得し、これを用いて、サービスエリア情報の示すサービスエリアに対応するアクセスポイントのプロファイル情報を不揮発性記憶部207から読み出して記憶部205に保存する。
また、プロファイル情報取得部206は、記憶部205上にプロファイル情報(例えば、プロファイル情報P22、P23、P24)を保存すると、その旨の通知を、制御部219を介して優先順位設定部211に出力する。
不揮発性記憶部207は、制御部219を介して読み出し可能な、サービスエリアに関するプロファイル情報を記憶するものであり、本実施の形態では予め記憶している。
プロファイル情報は、サービスエリアを形成するアクセスポイント毎の情報を含み、例えば、サービスを提供しているアクセスポイントを特定するための識別情報(SSID)、暗号方式及び暗号化に必要な鍵情報(例えば、WEP(Wired Equivalent Privacy)KEY)、アクセスポイントへ接続するために必要な情報(IPアドレス)などを有する。
図4は、不揮発性記憶部207に記憶されるプロファイル情報の一例を示す図である。
図4に示すプロファイル情報は、例えば、テキストベースで構築され、サービスエリアE1、E2,E3,E4の各プロファイル情報をプロファイル情報P21,P22,P23,P24で示している。
例えば、図4では、サービスエリアE1のプロファイル情報P21は、サービスを提供しているアクセスポイントを特定するためのSSIDとしての「service_AreaE1」と、暗号化方式及び暗号化に必要な情報WEP KEYとしての「jeoiuoitlkj22」とアクセスポイントへ接続するために必要なIPアドレス(IP_Addr)としての「132.186.2.22」を有している。同様に、サービスエリアE2のプロファイル情報P22は、「SSID:Service_AreaE2、WEP KEY:klaujoeiu93、IP_Addr: 192.168.0.2」を有している。また、サービスエリアE3のプロファイル情報P23は、「SSID:Service_AreaE3、WEP KEY:koitoiroiiuo2、IP_Addr:10.68.36.22」を有している。さらに、サービスエリアE4のプロファイル情報P24は、「SSID:Service_AreaE4、WEP KEY:koitojwqhro5、IP_Addr:100.23.36.22」を有している。
優先順位設定部211は、サービスエリア情報取得部204又はプロファイル情報取得部206からの入力を受けて、サービスエリア情報取得部204で取得された情報と、プロファイル情報取得部206で取得された情報からサービスエリア(例えば、サービスエリアE1〜E4)に存在するアクセスポイント(例えばA11〜A14)に関連するプロファイル情報(例えばP21〜P24)に、接続する際に用いる情報としての優先順位を設定し、設定した優先順位で、プロファイル情報(例えば、P21〜P24)を記憶部205に保存する。設定した順位で記憶部205にプロファイル情報(例えば、P21〜P24)が保存されると、制御部219は、プロファイル情報(例えば、P21〜P24)が保存された旨を示す情報を、優先プロファイル情報選択部213に出力する。
優先順位設定部211により設定される優先順位は、優先順位設定部211によって、現在位置している場所から次の移動先サービスエリアへ移動する過程において、選択される可能性が高いプロファイル情報から順に付与される。
すなわち、優先順位設定部211は、接続中のアクセスポイントからの受信電波強度と、接続中のアクセスポイントからのサービスエリア情報とを用いて、接続状況が良好であろう順に、接続されるサービスエリア(具体的には、接続先となるアクセスポイント)の優先順位を設定して、これに対応してプロファイル情報を優先順に並び替える。
ここでは、接続中のアクセスポイントからの受信電波強度が小さくなった場合、サービスエリア情報とプロファイル情報とから、所属サービスエリアに近い他のサービスエリアを形成するアクセスポイントのプロファイル情報を、最も優先するように並び換える。
なお、優先順位を付ける際に、対象となるサービスエリアにおける、所属サービスエリアに対する近さが、同程度の近さである場合、優先順位設定部211は、これら対象となるサービスエリアにおけるアクセスポイントのプロファイル情報の優先順位付けをランダムに行う。
例えば、無線通信装置200がサービスエリアE1に位置し、サービスエリアE1の外方に移動している場合では、サービスエリアE1にはサービスエリアE2及びE3が隣接していることから、プロファイル情報P22、P23を優先順位の高いプロファイル情報として設定する。
この時のプロファイル情報P22、P23の優先順位付けであるが、現在取得されている情報からプロファイル情報P22、P23に設定のアクセスポイントが構成しているサービスエリアE2、E3へは、同程度に移動する可能性があると判断できる。
この場合、例えばランダムに優先順位を設定することが選択肢の一つとして考えられる。つまり、優先順位設定部211は、プロファイル情報P21〜P23に対して、ランダムに優先順位付けを行い、プロファイル情報P22を最も優先順位の高いプロファイル情報として設定し、プロファイル情報P23を2番目に優先順位の高いプロファイル情報として設定する。次に、優先順位の高いプロファイル情報として周辺に位置しているプロファイル情報P24を設定する。
現在接続中のアクセスポイント情報が含まれているプロファイル情報P21は、移動により受信電波強度が小さくなり、サービスエリアE1からユーザは出ようとしているものと考えられ、今後使用される可能性が低いと判断できる。よって、優先順位設定部211は、プロファイル情報P21を優先順位が最も低いプロファイル情報として優先順位付けを行う。その結果、プロファイル情報P22、P23、P24、P21の順に優先順位が
決定される。この決定によりプロファイル情報P21〜P24の優先順位は並びかえられる。
図5は、優先順位設定部211によって、各プロファイル情報に優先順位が設定され、その順番に並び替えられた状態の一例を示す図である。
図5に示すように、サービスエリアE2のアクセスポイントA12に関連付けられたプロファイル情報P22が最も優先順位の高いプロファイル情報として優先順位設定部211によって並び替えられて管理される。このプロファイル情報22に次いで優先順位の高いプロファイル情報として、サービスエリアE3のアクセスポイントA13に関連付けられたプロファイル情報P23が管理される。
なお、各プロファイル情報P21〜P24は、例えばリスト構造で管理されており、優先順位の高いプロファイル情報P22から優先順位順にアクセス可能となるような管理形式で、記憶部205に保存される。
優先プロファイル情報選択部213は、制御部219からプロファイル情報P21〜P24が保存された旨を示す情報によって、無線通信装置200が現在位置において最も優先順位の高いプロファイル情報を選択し、記憶部205から読み出す。
また、優先プロファイル情報選択部213は、サービスエリア情報取得部204からの選択処理要求信号の入力によって、無線通信装置200が現在位置において最も優先順位の高いプロファイル情報を選択し、記憶部205から読み出す。
優先プロファイル情報選択部213は、読み出し処理を終了した後、その終了通知を、制御部219を介して受信電波強度取得部215に出力する。
受信電波強度取得部215は、所定のアクセスポイントからの信号の電波強度を測定して、制御部219を介して測定した電波強度と、受信した信号のSSIDの対応情報とを記憶部205に保存する。
詳細には、受信電波強度取得部215は、制御部219を介して状態変化検出部203から無線通信装置200自在の状態変化情報としての通信アプリ起動開始の情報が入力されると、制御部219を介して、無線LANインターフェース部202に対してSSIDを特定しないプローブ要求を行うよう通知する。
プローブ要求を受けたアクセスポイントからの応答が無線LANインターフェース部202、制御部219を介して受信電波強度取得部215へ通知されると、受信電波強度取得部215は、その時の信号の電波強度を測定し、測定した受信電波強度を、制御部219を介して、SSIDの対応情報とともに記憶部205に保存するとともに、測定した電波強度をアクセスポイント接続判定部217に出力する。
また、受信電波強度取得部215は、優先プロファイル情報選択部213からのプロファイル情報の読み出し終了の通知を受けて、優先プロファイル情報として選択されたプロファイル情報(例えばP22)に設定のアクセスポイント情報であるSSIDが示すアクセスポイントに対してプローブ要求を行う。
アクセスポイント接続判定部217は、制御部219を介して入力される、受信電波強度取得部215により測定された受信電波強度を用いて、当該受信電波強度の対象となる信号を送信したアクセスポイントと接続可能かを判定する。この判定結果に基づいて、ア
クセスポイント接続判定部217は、優先プロファイル情報選択部213により選択されたプロファイル情報のアクセスポイントへの接続要求を、制御部219を介して無線LANインターフェース部202に行う。或いは、先の判定結果に基づいて、アクセスポイント接続判定部217は、次の優先順位のプロファイル情報を選択する選択要求を優先プロファイル情報選択部213に、制御部219を介して行う。
具体的に、アクセスポイント接続判定部217では、入力される受信電波強度の対象となる信号を送信したアクセスポイントに対応するSSIDを格納した情報を、記憶部205から順に呼び出していき、その電波強度が閾値を超えている場合は、呼び出した情報のアクセスポイントに接続要求を行う。閾値を超えていない場合は、SSIDを返してきた他のアクセスポイントの情報を参照し、その値が閾値を超えていないかを判定する。なお、アクセスポイント接続判定部217が、制御部219を介してアクセスポイントに接続要求を行う際は、プローブ要求後にアクセスポイントから通知される暗号方式、及び暗号化に必要な鍵情報、アクセスポイントへ接続するために必要なIPアドレスなどを含んでいるプロファイル情報を参照して、接続先のアクセスポイントを特定する。
制御部219は、入力部201、無線LANインターフェース部202、状態変化検出部203、サービスエリア情報取得部204、記憶部205、プロファイル情報取得部206、不揮発性記憶部207、優先順位設定部211、優先プロファイル情報選択部213、受信電波強度取得部215、アクセスポイント接続判定部217、制御部219間の信号の入出力を制御する。
制御部219は、各部202、203、204、206、211、213、215、217等を制御することによって、無線通信装置200が位置している状況に応じて、近隣に存在するサービスエリアの情報をアクセスポイントへ取得要求し、アクセスポイントから通知された情報を元に参照するプロファイル情報の優先順位付けを行う。この優先順位付けによって、無線通信装置200では、次に移動する可能性の高いサービスエリアを形成するアクセスポイントのプロファイル情報を優先的に選択し、接続要求を行うよう制御する。
次に、本実施の形態の無線通信装置200におけるアクセスポイント接続処理について説明する。
図6は、本発明に係る無線通信装置200により実行されるアクセスポイント接続処理を説明するためのフローチャートである。
無線通信装置200は、図6に示す各ステップS1〜S9の処理を繰り返し行う。
ここでは、図6を参照しつつ、無線通信装置200によるアクセスポイント接続処理について、図1に示す無線通信システム100において、無線通信装置200が、異なるサービスエリアE1、E2間を、矢印で示す方向に地点M1、M2、M3の順に移動を行う場合を想定して説明する。
なお、図1において、地点M1に位置する無線通信装置200は、サービスエリアE1内を移動して、サービスエリアE2、E3の近隣へ位置したことを示している。また、地点M3に位置する無線通信装置200は、サービスエリアE2内へ完全に移動した状態を示している。
先ず、図1における地点M1に無線通信装置200が位置するものとする。この地点M1における無線通信装置200では、ユーザから通信アプリ起動のための入力が入力部2
01を介して制御部219へ通知されると、制御部219は通信アプリの起動を行う。その際に状態変化検出部203へアプリ起動を通知する。
無線通信装置200では、状態変化検出部203によってアプリ起動が検知されると、制御部219を介してその旨を示す情報が受信電波強度取得部215へ通知される。
アプリ起動の通知を受けた受信電波強度取得部215は制御部219を介して、無線LANインターフェース部202に対して、SSIDを特定しないプローブ要求を行うよう通知する。
無線通信システム100において、地点M1に位置する無線通信装置200からプローブ要求を受けたアクセスポイント(図1では、無線通信装置200がサービスエリアE1内にいるためアクセスポイントA11)は、SSIDの情報を無線通信装置200に送信する。
無線通信装置200は、アクセスポイントが送信したSSIDの情報を、無線LANインターフェース部202で受信し、制御部219を介して受信電波強度取得部215へ通知(出力)する。このとき、受信電波強度取得部215は、入力されたSSIDの情報の電波強度を測定し、測定した受信電波強度とSSIDの対応情報を記憶部205へ保存する。
この記憶部205に保存した情報を用いて、無線通信装置200では、現在位置するサービスエリアにおけるアクセスポイントを検索して、接続する(ステップS1)。
具体的には、無線通信装置200では、アクセスポイント接続判定部217が、SSIDを格納した情報を記憶部205から順に呼び出していき、その電波強度が閾値を超えている場合は、そのアクセスポイントに接続要求を行う。アクセスポイント接続判定部217において、閾値を超えていない場合は、SSIDを送信した他のアクセスポイントの情報を参照し、その値が閾値を超えているか否かを判定する。アクセスポイントに接続要求を行う際は、プローブ要求後にアクセスポイントから通知される暗号方式、及び暗号化に必要な鍵情報、アクセスポイントへ接続するために必要なIPアドレスなどを含んでいるプロファイル情報を参照して行われる。このプロファイル情報を参照することで接続するアクセスポイントを特定することが可能となる。
図1において、地点M1に位置する無線通信装置200は、サービスエリアE1内に位置するため、プロファイル情報P21(図4参照)のIPアドレスを用いて、アクセスポイントA11に接続する。
無線通信装置200の受信電波強度取得部215は、接続先のアクセスポイント(ここでは、アクセスポイントA11)から送信されるビーコンが閾値以下であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2において、ビーコンが閾値以下であれば、ステップS3に移行し、閾値より大きければ、ステップS2の処理を繰り返す。
例えば、無線通信装置200が、ステップS2においてビーコンが閾値より大きく、ステップS2の処理を繰り返す場合は、無線通信装置200が、図1に示す無線通信システム100において地点Mに位置する等、サービスエリアE1内において、アクセスポイントA11との接続状態が良好な位置に位置すると想定される。
一方、ステップS2において、アクセスポイントからのビーコンが閾値以下の場合は、無線通信装置200が図1に示すサービスエリアE1内を移動して、サービスエリアE2
、E3の近隣へ位置している状況等、接続先のアクセスポイントにより形成されるサービスエリアのエッジ付近に位置する場合が想定される。
具体的には、ステップS2では、無線通信装置200の状態変化検出部203は、例えば、無線通信装置200が位置しているサービスエリアE1を形成するアクセスポイントA11から通知されるビーコンを、無線LANインターフェース部202、制御部219を介して受信し、受信レベルが閾値以下となっているかを判定する。受信レベルが閾値以下となっていることを検出すると、制御部219へその旨を通知する。閾値より大きい場合は、現在接続しているアクセスポイントA11への接続を継続する。
無線通信装置200は、実際に所属(接続)しているサービスエリアにおけるサービス提供の範囲外に移動する場合等、サービス提供先のアクセスポイントを変更する場合、サービス提供先のアクセスポイントからサービスエリア情報を取得する(ステップS3)。なお、各アクセスポイントは、無線通信装置200からのサービスエリア情報取得要求を受けるサービスエリア情報要求受付部と、サービスエリア情報要求を受けて、サービスエリア情報要求元の前記無線通信装置200に、当該無線通信装置200が現在位置するサービスエリア及び現在位置するサービスエリアとは異なる近隣のサービスエリアを構成するアクセスポイントを示すサービスエリア情報を通知する近隣接続情報通知部とを有する。この構成によって、アクセスポイントは、無線通信装置200からのサービスエリア情報取得要求をサービスエリア情報要求受付部で受けると、無線通信装置200が現在位置するサービスエリア及び現在位置するサービスエリアとは異なる近隣のサービスエリアを構成するアクセスポイントを示すサービスエリア情報を記憶部から読み出して、近隣接続情報通知部を介して、サービスエリア情報要求元の無線通信装置200に送信する。これにより無線通信装置200では、無線LANインターフェース部202を介してサービスエリア情報を取得する。
このステップS3において、無線通信装置200が接続先のアクセスポイントからプロファイル情報を取得するタイミングとしては、例えば、所属のサービスエリアを形成するアクセスポイントとの通信状態や、当該アクセスポイントとの位置関係を用いて設定できる。ここでは、接続しているアクセスポイントからの受信レベルを用いて、その判定に基づいてサービスエリア情報の取得を行うものとして説明するが、これに限らず、例えば、無線通信装置200自体に自装置の位置情報を用いてサービスエリア情報の取得を行ってもよい。この場合、無線通信装置200に、自装置を測位する機能(例えば、GPS装置)を搭載して、接続しているアクセスポイントとの位置関係を用いて、サービスエリア外への移動を判定するようにしてもよい。なお、サービスエリア情報の取得は、入力部201を介したユーザによる、提供を受けているサービスとは異なるサービスの提供を受けようとする入力で行われてもよい。
ステップS3について、無線通信装置200が地点M2に位置する場合に適用して、詳細に説明する。
具体的には、サービスエリア情報取得部204は、制御部219を介して状態変化検出部203から受信レベルが閾値以下となったことを通知されると、無線通信装置200が位置しているサービスエリア(例えば、サービスエリアE1)を形成するアクセスポイント(例えば、アクセスポイントA11)に対してサービスエリアの情報取得要求を行う。
このサービスエリア情報取得部204による取得要求は、制御部219を介して無線LANインターフェース部202へ通知され、アクセスポイント(例えば、アクセスポイントA11)に送信される。
アクセスポイント(例えば、アクセスポイントA11)は無線通信装置200からの取得要求に対して応答して、サービスエリアの情報300(図3参照)を送信する。アクセスポイントからの応答は、無線LANインターフェース部202から制御部219へ通知され、取得された情報(図3に示すサービスエリア情報300)は、記憶部205へ保存される。
なお、接続先のアクセスポイント(例えば、アクセスポイントA11)から送信されるサービスエリア情報に、各サービスエリアに散在するアクセスポイントの情報を示すプロファイル情報が付加されている場合、制御部219を介して、取得した情報(サービスエリア情報300およびこれに付加されたプロファイル情報)が記憶部205に保存されるとともに、サービスエリア情報取得部204は、優先順位設定部211に対して、設定処理要求信号、つまり、取得したプロファイル情報の優先順位設定処理を行う旨の信号を、制御部219を介して通知する。
次いで、プロファイル情報取得部206は、無線通信装置200が取得したサービスエリア情報を用いて、当該サービスエリア情報が示す所属サービスエリア、隣接サービスエリア及び周辺サービスエリアのそれぞれに対応するプロファイル情報を取得する(ステップS4)。なお、無線通信装置200が所属するサービスエリアに隣接するサービスエリア及び周辺のサービスエリアを纏めて近隣のサービスエリアと称する。すなわち、プロファイル情報取得部206は、サービスエリア情報取得部204によりサービスエリア情報が取得されると、取得したサービスエリア情報における近隣サービスエリアに対応するプロファイル情報を不揮発性記憶部207から読み出して、記憶部205に保存する。
具体的には、プロファイル情報取得部206は、制御部219を介してサービスエリア情報取得部204からサービスエリアE2、E3、E4の情報取得の通知を受けると、記憶部205に保存されたサービスエリアE2、E3、E4の情報を参照し、近隣に存在するサービスエリアがE2、E3、E4であることを確認すると、不揮発性記憶部207にあらかじめ保持していたサービスエリアE2、E3、E4のプロファイル情報P22、P23、P24(図4参照)の読み出しを行い、記憶部205へ保存する。また、プロファイル情報取得部206は、プロファイル情報保存を示す旨を優先順位設定部211に通知する。
次いで、プロファイル情報取得部206からの、プロファイル情報保存を示す旨の通知を受けて、優先順位設定部211は、プロファイル情報取得部206により取得されたプロファイル情報の優先順位の設定を行う(ステップS5)。なお、この優先順位設定処理では、優先順位設定部211によりプロファイル情報の優先順位が設定された際に、優先順位付けされたプロファイル情報は記憶部205に保存されるとともに、この保存された旨を示す情報は、優先プロファイル情報選択部213に出力される。
具体的には、無線通信装置200が地点M2に位置する場合、優先順位設定部211には、プロファイル情報取得部206から、記憶部205上にプロファイル情報P22、P23、P24を保存した旨の通知が制御部219を介して入力される。
これを受けて、優先順位設定部211は、サービスエリア情報取得部204で取得された情報と、プロファイル情報取得部206で取得された情報からサービスエリアE1、E2、E3、E4に存在するアクセスポイントA11、A12、A13、A14のプロファイル情報P21、P22、P23、P24に優先順位を設定する。
ここでは、無線通信装置200が地点M2に位置するため、所属サービスエリアE1に隣接するサービスエリアはサービスエリアE2とE3であるため、プロファイル情報P2
2、P23が優先順位の高いプロファイル情報として設定される。
これらプロファイル情報P22、P23の順位付けであるが、現在取得されている情報からプロファイル情報P22、P23に設定のアクセスポイントが構成しているサービスエリアE2、E3へは、同程度に移動する可能性があるため、ここでは、ランダムに優先順位付けを行う。例えば、プロファイル情報P22を最も優先順位の高いプロファイル情報として設定し、プロファイル情報P23を2番目に優先順位の高いプロファイル情報として設定する。
次に、優先順位の高いプロファイル情報として周辺に位置しているP24を設定する。
また、現在接続中のアクセスポイント情報が含まれているプロファイル情報P21は、移動により受信電波強度が小さくなっているため、今後使用される可能性が低いと判断して、最も優先順位の低いプロファイル情報として優先順位付けされる。
これにより、P22、P23、P24、P21の順に優先順位が決定される(図5参照)。なお、サービスエリア情報取得部204から設定処理要求信号を受けた場合、優先順位設定部211は、優先順位付け対象のプロファイル情報として、サービスエリア情報に加えて付加されたプロファイル情報も含めて行う。
次いで、設定されたプロファイル情報の優先順位が保存されると、優先プロファイル情報選択部213は、優先順位の最も高いプロファイル情報を選択し、選択終了を受信電波強度取得部215に出力する(ステップS6)。
具体的には、ステップS6では、プロファイル情報の優先順位が保存された旨の通知が制御部219を介して入力されると、優先プロファイル情報選択部213は、無線通信装置200が現在位置において最も優先順位の高いプロファイル情報P22を選択し、記憶部205から読み出す処理を行う。読み出し処理が終了すると、優先プロファイル情報選択部213は、その終了通知を、制御部219を介して受信電波強度取得部215に通知する。なお、優先プロファイル情報選択部213は、サービスエリア情報取得部204から選択要求信号の入力を受けた場合、選択するプロファイル情報を、アクセスポイントから取得したときに既に設定されていた順位を用いて選択することとなる。
次いで、優先プロファイル情報が選択されると、受信電波強度取得部215は、選択された優先プロファイル情報のアクセスポイントから送信される受信電波強度を取得する(ステップS7)。
具体的には、ステップS7では、受信電波強度取得部215は、優先プロファイル情報の選択通知を受けると、選択されたプロファイル情報P22に設定のアクセスポイント情報であるSSIDを参照してプローブ要求を行う。プローブ要求を受けたアクセスポイントA12はその要求に対する応答を無線LANインターフェース部202に通知する。上記通知は、制御部219を介して受信電波強度取得部215へ通知され、受信電波強度取得部215は、その時の信号の電波強度を測定する。
なお、測定した受信電波強度は制御部219を介してアクセスポイント接続判定部217へ通知される。
次いで、受信電波強度が通知されたアクセスポイント接続判定部217は、通知された受信電波強度により接続可能かを判定し(ステップS8)、接続可能であれば、ステップS2に移行し、接続不能であれば、ステップS9に移行する。
具体的には、アクセスポイント接続判定部217は、接続可能と判断した場合、優先プロファイル情報選択部213によって選択されたプロファイル情報P22に設定のアクセスポイント情報を参照して、アクセスポイントA12への接続要求を行う。接続要求は、制御部219、無線LANインターフェース部202を介してアクセスポイントへ通知される。アクセスポイントA12からの応答があった場合、その応答は、無線LANインターフェース部202、制御部219を介してアクセスポイント接続判定部217へ通知される。
受信電波強度取得部215からの通知が受信不可能である場合、アクセスポイント接続判定部217は、次の優先順位のプロファイル情報を選択する(ステップS9)。
具体的には、アクセスポイント接続判定部217は、制御部219を介して優先プロファル情報選択部213に、次の優先順位のプロファイル情報を選択させる旨を通知して、優先プロファル情報選択部213に、次の優先順位であるプロファイル情報の選択を行わせて、ステップS7に移行する。
以上のように、この構成によれば、自装置200が位置している状況に応じて、近隣に存在するサービスエリアの情報を取得し、移動する可能性の高いサービスエリアを形成しているアクセスポイントのプロファイル情報を優先的に選択して接続できる。このため、無線通信装置200が異なるサービスエリア間を移動した場合において、迅速なアクセスポイント接続を実現することが可能となる。また、図1で示された地点M3へ無線通信装置200が移動する際に、アクセスポイントA11からのビーコン受信強度の低下を検出するため、切断することなくサービスエリアE2での通信を行うことができるとともに、アクセスポイント検索の処理が不要となるため消費電力の低減も実現可能となる。
よって、無線通信装置200が異なるサービスエリア間を移動した場合において迅速なアクセスポイント接続を実現することができる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置を有する無線通信システムの構成を示す概念図である。
図7に示すように、無線通信システム400は、無線通信装置500と、アクセスポイントA21と、アクセスポイントA22〜A24とを備えて構成される。無線通信装置500はアクセスポイントA21により形成されるサービスエリアE11に位置している。サービスエリアE11に隣接しているサービスエリアとして、アクセスポイントA22、A23によりそれぞれ形成されるサービスエリアE12、E13が存在し、サービスエリアE12、E13に隣接しているサービスエリアとして、アクセスポイントA24により形成されるサービスエリアE14が存在する。なお、図7に示す無線通信装置500a、500bは、無線通信システム400において、サービスエリアE11内の地点M11に位置する無線通信装置500が、サービスエリアE12の地点M12、サービスエリアE14の地点M13に移動した状態の無線通信装置を示している。互いに異なるサービスエリアE11〜E13を、それぞれ形成するアクセスポイントA21〜A24は、それぞれ、無線通信装置500と通信可能であり、無線通信装置500からのプローブ要求、接続要求に応答するとともに、サービスを提供する。なお、各アクセスポイントA21〜A24は、無線通信装置500からのサービスエリア情報取得要求を受けるサービスエリア情報要求受付部と、サービスエリア情報要求を受けて、サービスエリア情報要求元の前記無線通信装置500に、当該無線通信装置500が現在位置するサービスエリア及び現在位置するサービスエリアとは異なる近隣のサービスエリアを構成するアクセスポイントを示すサービスエリア情報を通知する近隣接続情報通知部とを有する。
本実施の形態2に係る無線通信装置500は、所属サービスエリア外への移動に伴う接続先となるアクセスポイントを変更する際に、優先的に接続するアクセスポイントのプロファイル情報を予め設定しておき、その設定に従い接続処理を行うものである。
図7では、その一例として、無線通信システム400において、無線通信装置500は、異なるサービスエリアE11−E12間、E12−E14間を、ユーザが移動前に予め決めた予定に従って移動する状態が図示されている。
この実施の形態2の無線通信装置500は、実施の形態1の無線通信装置200と比較して、所属サービスエリア外のサービスエリアのアクセスポイントに接続する際に、接続中のアクセスポイントからサービスエリア情報を取得することなく、プロファイル情報の順位付けを行える点が異なる。
図8は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置500の要部構成を示す機能ブロック図である。なお、図8に示す無線通信装置500は、図2に示す実施の形態1に対応する無線通信装置200と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように無線通信装置500は、入力部201aと、無線LANインターフェース部202と、プロファイル情報取得部206aと、優先プロファイル情報選択部213と、受信電波強度取得部215と、アクセスポイント接続判定部217と、記憶部501と、状態変化検出部502と、優先順位設定部504と、不揮発性記憶部506と、制御部508とを有する。
尚、無線通信装置500において、入力部201a、無線LANインターフェース部202、プロファイル情報取得部206a、優先プロファイル情報選択部213、受信電波強度取得部215、アクセスポイント接続判定部217、記憶部501、状態変化検出部502、優先順位設定部504、不揮発性記憶部506、制御部508等の各部は、実施の形態における無線通信装置200のものと同様に、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)により構成される。また、これら各部は、個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここではLSIとしたが、集積度の違いによりIC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサにより行っても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なコンフィギュラブル・プロセッサを利用して各部を構成しても良い。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術により各部201a、202,206a、213,215,217,501,502,504,506、508の集積化を行っても良い。例えば、バイオ技術を適応することによって集積化を行ってもよい。
なお、無線通信装置500における入力部201aは、例えば、操作キーなどを介したユーザの操作入力を受けて制御部508に出力し、無線通信装置500における種々の動作を指示する。具体的には、ユーザから、スケジュールに沿ってアクセスポイントを接続するスケジュールアプリ機能の起動の入力を受け付けて、制御部508に出力してスケジュールアプリを起動させる。また、入力部201aは、スケジュールアプリ起動後に、ユーザから入力される、移動するスケジュール<時刻、場所>を、制御部508を介して記
憶部501に記憶させる。この入力部201aによるスケジュールアプリの起動要求は、制御部508を介して状態変化検出部502に出力する。
記憶部501は、記憶部205と比較して、サービスエリア情報に換えて、サービスエリア間を移動する際のスケジュール情報を、入出力自在に保存する点が異なる。
記憶部501に保存されるスケジュール情報は、ここでは、予定している時間を示す<時刻>と、<時刻>に位置する待ち合わせ場所や移動先の場所を示す<場所>の情報を有するスケジュールによりなるスケジュールテーブルとする。
スケジュールにおいて、<場所>を示す情報には、当該<場所>が示す場所での接続先として優先させるアクセスポイントを関連付けられる情報が付与されている。
図9は、記憶部501に保存されるスケジュールテーブルの一例を示す図である。
図9に示すスケジュールテーブル510は、データ構造となっており、例えば、携帯電話などで見られるスケジュールアプリにより登録、管理されているデータにより構築されている。なお、ここでは、スケジュールテーブル510を、無線通信装置500が過去に移動した際に接続したアクセスポイントとの通信状態を用いて、作成されたものとして説明する。
スケジュールテーブル510において、スケジュールD11は、時刻「12:00」に「○○駅」へ移動する予定を示し、スケジュールD12は時刻「14:00」に「○×公園」に移動する予定を示す。また、スケジュールD13は、時刻「15:00」に「△△喫茶店」に移動していることを示している。なお、各スケジュールD11、D12、D13は、ここでは、入力部201aを介したユーザによるスケジュールアプリ起動後に、当該入力部201aを介して入力されることによって、記憶部501に保存された情報(時刻、場所)とする。
プロファイル情報取得部206aは、記憶された各スケジュール(ここでは、スケジュールD11、D12、D13等)のそれぞれを用いて、これらスケジュールが示す場所に対応するアクセスポイントのプロファイル情報を不揮発性記憶部506から読み出して記憶部501に保存する。なお、プロファイル情報は、アクセスポイントへ接続するために必要な情報を示すものであり、アクセスポイントを特定するための情報である。
また、プロファイル情報取得部206aは、プロファイル情報を取得すると、その旨の通知を、制御部508を介して優先順位設定部504に出力する。
また、プロファイル情報取得部206aは、スケジュールテーブルのスケジュールに設定の<場所>を参照することで、<場所>にリンクされた情報を読み出し可能となっている。具体的には、スケジュールの<場所>には、不揮発性記憶部506におけるプロファイル情報の位置(アドレス)を示す位置情報(例えば、ポインタ)が関連付けられている。この位置情報を用いて、プロファイル情報取得部206aは、該当するプロファイル情報を取得することができる。なお、不揮発性記憶部506に記憶されるプロファイル情報は、実施の形態1のプロファイル情報と同様に、それぞれサービスを提供しているアクセスポイントを特定するためのSSIDを含む、当該アクセスポイントに接続する際に必要な情報を有する。ここでは、プロファイル情報は、実施の形態1と同様に、例えば、サービスを提供しているアクセスポイントを特定するための識別情報(SSID)、通信で用いる暗号方式及び暗号化に必要な鍵情報(例えば、WEP(Wired Equivalent Privacy)KEY)、アクセスポイントへ接続するために必要な情報(IPアドレス)などを有する
。
図10は、プロファイル情報取得部206aが、不揮発性記憶部506から読み込むプロファイル情報の一例を示す図である。
図10に示すプロファイル情報は、例えば、テキストベースで構築され、サービスエリアE11、E12,E14の各プロファイル情報をプロファイル情報P31,P32,PP34で示している。
すなわち、図10では、サービスエリアE11のアクセスポイントのプロファイル情報P31は、サービスを提供しているアクセスポイントを特定するためのSSIDとしての「service_AreaE11」と、暗号化方式及び暗号化に必要な情報WEP KEYとしての「jeoiuoitlkj22」とアクセスポイントへ接続するために必要なIPアドレス(IP_Addr)としての「132.186.2.22」を有している。同様に、サービスエリアE12のプロファイル情報P32は、「SSID:Service_AreaE12、WEP KEY:klaujoeiu93、IP_Addr: 192.168.0.2」を有している。また、サービスエリアE14のプロファイル情報P34は、「SSID:Service_AreaE14、WEP KEY:koitoiroiiuo2、IP_Addr:10.68.36.22」を有している。
不揮発性記憶部506は、制御部508を介して読み出し可能な、サービスエリアに関するプロファイル情報(サービスエリアを形成するアクセスポイントのプロファイル情報)を記憶するものであり、ここでは、予め記憶しているものとする。
不揮発性記憶部506に記憶されるプロファイル情報は、それぞれサービスを提供しているアクセスポイントを特定するためのSSID、暗号方式及び暗号化に必要な鍵情報、アクセスポイントへ接続するために必要なIPアドレスなどから構成されている。
不揮発性記憶部506は、無線通信システム400における異なるサービスエリア全てのアクセスポイントのプロファイル情報を記憶している。本実施の形態における不揮発性記憶部506では、少なくとも、サービスエリアE11〜E14のアクセスポイントA21〜A24毎のプロファイル情報が記憶されている。
優先順位設定部504は、記憶部501に格納された情報を用いて、プロファイル情報取得部206aにより取得されたプロファイル情報に対して、優先的に接続するアクセスポイントの情報を含む順に、優先順位を設定する。
具体的には、優先順位設定部504は、記憶部501のスケジュール(例えば、図9で示すスケジュールD11、D12、D13)に設定の<時刻>を用いて、実行時間の早いスケジュール順に、それぞれ対応するプロファイル情報を順位付けする。
さらに、優先順位設定部504は、無線LANインターフェース部202から制御部508にサービスエリアのアクセスポイントへの接続完了信号が出力された際に、次の移動先であるサービスエリアのアクセスポイントへの接続を迅速に行うため、記憶部501に保持されているプロファイル情報を読み出して、優先順位の変更を行う。
また、優先順位設定部504は、優先順位付けが処理を終了すると、制御部508を介して優先プロファイル情報選択部213に優先順位付け終了通知信号を出力する。
優先プロファイル情報選択部213は、優先順位付け終了通知信号の入力によって、優先順位されたプロファイル情報において、優先順の高いプロファイル情報(優先プロファ
イル情報)を選択し、記憶部501から読み出す。また、優先プロファイル情報選択部213は、優先プロファイル情報の読み出し終了後、その終了通知信号を、制御部508を介して受信電波強度取得部215に出力する。
受信電波強度取得部215は、実施の形態1のものと同様に、プロファイル情報に設定されたSSIDを参照して、制御部508、無線LANインターフェース部202を介したアクセスポイントへのプローブ要求を行う。そして、受信電波強度取得部215は、アクセスポイントからのプローブ要求の応答を受けて、応答時の受信電波の受信強度を測定し、制御部508を介してアクセスポイント接続判定部217へ出力する。
具体的には、受信電波強度取得部215は、優先プロファイル情報選択部213又はアクセスポイント接続判定部217から制御部508を介した信号が入力された際に、優先プロファイル情報のアクセスポイント、又は、接続判定対象のアクセスポイントからの信号(例えばビーコン)の受信強度(接続受信レベル)を判定する。
アクセスポイント接続判定部217は、受信電波強度の測定結果を用いて、受信電波強度測定対象となる信号を送信したアクセスポイントへの接続判定を行う。アクセスポイント接続判定部217において、接続可能であれば、制御部508、無線LANインターフェース部202を介して、プロファイル情報を用いてアクセスポイントへ接続要求を行う。一方、アクセスポイント接続判定部217において、接続不能であれば、制御部508を介して、同じアクセスポイントからの電波強度の判定をするために、受信電波強度取得部215に、電波強度取得指示信号を出力する。
制御部508は、入力部201a、無線LANインターフェース部202、プロファイル情報取得部206a、優先プロファイル情報選択部213、受信電波強度取得部215、アクセスポイント接続判定部217、記憶部501、状態変化検出部502、優先順位設定部504、不揮発性記憶部506間の信号の入出力を制御する。
制御部508は、各部202、206a、213、215、217、501、502、504、506の制御によって、予め優先順位付けされたプロファイル情報(スケジュールテーブル510)を管理して、移動予定先のサービスエリアを形成するアクセスポイントへの接続情報を優先的に選択し、接続要求する制御を行う。また、スケジュールテーブル501を保持する。
次に、本発明に係る無線通信装置500におけるアクセスポイントの接続方法について図11を用いて説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置におけるアクセスポイント接続を説明するフローチャートである。
ここでは、図11に基づく無線通信装置500におけるアクセスポイントへの接続処理の説明を、図7に示す無線通信システム400において、無線通信装置500が、スケジュールテーブル510(図9参照)に従って、サービスエリアE11、E12、E14と順に移動する場合を適用して説明する。
すなわち、図7において、地点M11に位置する無線通信装置500は、スケジュールテーブル510のスケジュールD11の時刻12:00にサービスエリアE11へ到達している状態を示すものとする。また、図7において、地点M12に位置する無線通信装置500aは、サービスエリアE11内を移動して、地点M11から、スケジュールD12の時刻14:00にサービスエリアE12に到達している状態を示すものとする。さらに
、図7において、地点M13に位置する無線通信装置500bは、地点M12から更に移動して、スケジュールD13の時刻15:00にサービスエリアE14に到達している状態を示すものとする。
図7において、サービスエリアE11内の無線通信装置500では、ユーザから通信アプリ起動のための入力が行われると、その情報が入力部201aを介して制御部508へ通知され、制御部508は通信アプリの起動を行うとともに、状態変化検出部502へアプリ起動を通知する。
次いで、状態変化検出部502は、制御部508からの情報でアプリが起動されたことを検知し、制御部508へその旨を通知する(ステップS10)。
プロファイル情報取得部206aは、制御部508からの通知を受けると、図9に示すスケジュールテーブル510(詳細には、スケジュール)に設定の<場所>を用いて、それに対応する不揮発性記憶部506に保存されているプロファイル情報(ここでは、プロファイル情報P31、P32、P34)を読み出す(ステップS11)。
なお、プロファイル情報は、上述したようにアクセスポイントへ接続するために必要な情報を示すもので、この情報はアクセスポイントを特定するための情報として利用することが可能である。
また、プロファイル情報は、記憶部501のスケジュールテーブルに設定の<場所>に関連付けられており、プロファイル情報取得部206aは、これら<場所>とプロファイル情報を関連付ける情報を用いて、不揮発性記憶部506からプロファイル情報を読み出す。
図12は、プロファイル情報取得部によるスケジュールテーブルを用いたプロファイル情報の読み出しの説明に供する図である。
図12に示すように、記憶部501では、スケジュールテーブルにおけるスケジュールにおける<場所>の情報が別途、一次元配列で管理され、個々の配列に、不揮発性記憶部506に格納されているプロファイル情報のアドレスへのポインタが関連付けられている。また、記憶部501は、各スケジュールに対して、無線通信装置500の移動順にアドレス(例えば、「1000」、「1002」、「1004」)を付与して保存するものとする。
これによりプロファイル情報取得部206aは、記憶部501のスケジュールにおける<場所>を読み出すことで、読み出した<場所>に関連付けられているポインタを用いて不揮発性記憶部506から、ポインタの示すアドレスのプロファイル情報を読み出すことができる。
例えば、無線通信装置500において、「○○駅」という情報が記述された記憶部501上の1000番地目の配列が選択されると、そのデータはアドレス400番地へのポインタを有しているので、同時にポインタ先のプロファイル情報も読み出すことができる。
このようにプロファイル情報取得部206aにより読み出されるプロファイル情報は、スケジュールの<場所>でサービス提供先となるアクセスポイントのプロファイル情報である。ここでは、プロファイル情報取得部206aによって、スケジュールD11に設定の<場所>に対応するプロファイル情報P31、スケジュールD12に設定の<場所>に対応するプロファイル情報P32、スケジュールD13に設定の<場所>に対応するプロ
ファイル情報P34が読み出される。
このように、プロファイル情報を読み出した後、プロファイル情報取得部206aは、制御部508を介して優先順位設定部504へプロファイル情報読出終了を通知する。
優先順位設定部504は、スケジュールD11、D12、D13に設定の<時刻>を参照して、プロファイル情報取得部206aによって取得されたプロファイル情報の優先順位付けを行う(ステップS12)。
ステップS12における優先順位設定部504の優先順位付けは、ここでは、登録されたスケジュールが実行される時刻の順に対応するプロファイル情報に優先順位を付けていく。
優先順位設定部504では、例えば、図9のスケジュールテーブル510において、最初に実行されるスケジュールは<時刻>が12:00に設定されているスケジュールD11であるから、それに対応するプロファイル情報であるプロファイル情報P31を最も優先順位のものとして優先順位付けを行う。
次に実行されるスケジュールは<時刻>が14:00のスケジュールD12であるから、それに対応するプロファイル情報P32が2番目に優先順位の高いプロファイル情報として優先順位付けが行われる。同様にして、プロファイル情報P34にも優先順位付けが行われることになる。
以上のように順位付けされたプロファイル情報の一例を図13に示す。
図13は、優先順位設定部により優先順位付けされたプロファイル情報のデータ構造の一例を示す図である。
図13に示すように、優先順位設定部504は、プロファイル情報P31→P32→P34と各プロファイル情報に対して優先順位付けを行う。
優先順位設定部504は、優先順位付け処理が終了すると、制御部508を介して優先プロファイル情報選択部213へその旨を通知する。
この通知を受けて優先プロファイル情報選択部213は、優先順位の最も高いプロファイル情報P31を選択し、記憶部501から読み出す処理を行う(ステップS13)。この選択したプロファイル情報の読み出し処理が終了すると、優先プロファイル情報選択部213は、その終了通知を、制御部508を介して受信電波強度取得部215に通知する。
優先プロファイル情報選択終了通知を受けた受信電波強度取得部215は、選択されたプロファイル情報P31に設定のSSIDが示すアクセスポイントからの受信電波の強度を取得する(ステップS14)。
具体的に、ステップS14では、受信電波強度取得部215は、プロファイル情報P31に設定されたSSIDを参照して、制御部508、無線LANインターフェース部202を介したアクセスポイントへのプローブ要求を行う。プローブ要求をうけたアクセスポイントは、その応答を無線LANインターフェース部202、制御部508を介して受信電波強度取得部215へ通知する。この応答信号を用いて、受信電波強度取得部215は、受信された電波の受信強度を測定し、制御部508を介してアクセスポイント接続判定
部217へ通知する。なお、測定した結果は、制御部508を介してアクセスポイント接続判定部217へ通知される。
この通知を受けて、アクセスポイント接続判定部217は、アクセスポイントへの接続判定、つまり、受信信号を送信したアクセスポイントへ接続可能か否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15において、アクセスポイントへ接続可能と判断できる場合、制御部508、無線LANインターフェース部202を介してアクセスポイント(例えば、アクセスポイントA21)へ接続要求を行う。この接続要求は、プロファイル情報P31に設定された情報を参照して行われる。上記接続要求を受けたアクセスポイント(例えば、アクセスポイントA21)は、無線通信装置500に対して応答し、無線通信装置500では、無線LANインターフェース部202、制御部508を介してアクセスポイント接続判定部217に通知される。また、サービスエリアE11のアクセスポイントA21への接続完了が、無線LANインターフェース部202から制御部508へ通知され、制御部508は、優先順位設定部504に対して処理要求を行い、ステップS16に移行する。なお、処理要求の内容は、次の移動先であるサービスエリア(ここでは、E12)のアクセスポイント(ここでは、A22)への接続を迅速に行うため、記憶部501に保持されているプロファイル情報を読み出して、優先順位の変更を行うものである。
ステップS15において、アクセスポイントへ接続不可能と判断する場合は、再度受信電波強度取得部215へ電波強度を取得するよう制御部508を介して通知し、ステップS14に移行する。
ステップS16では、優先順位設定部504は、プロファイル情報に対して設定された順位を変更する。
具体的に、ステップS16では、優先順位設定部504は、現在接続中のアクセスポイントA21の接続情報として設定されているプロファイル情報P31を、今後無線通信装置500の移動が発生した場合での使用可能性の低いものとして、最も低い優先順位付けを行う。そして、優先順位設定部504は、次の移動先となっているサービスエリアE12を形成するアクセスポイントA22への接続情報が設定されたプロファイル情報P32を最も優先順位の高いプロファイル情報として設定する。なお、プロファイル情報P34は2番目の優先順位が付けられる。
図14は、優先順位設定部における、優先順位付けの変更結果を示す図である。
図14では、プロファイル情報P31が最も優先順位の低いプロファイル情報として設定され、プロファイル情報P32が最も優先順位の高いプロファイル情報として設定されている。
以上の処理の後、無線通信装置500では、次のスケジュールD12でのアクセスポイント接続に備えることが可能となる。
この次のスケジュールD12に関連するサービスエリアE12を形成する次の接続先であるアクセスポイントA22への接続要求は、ステップS17の処理の後、行われる。
ステップS17では、状態変化検出部502は、現在接続中のアクセスポイントA21からのビーコン(無線LANインターフェース部202、制御部508を介して受信される信号)の受信レベル(接続受信レベル)が閾値以下となったかを判定する。
このステップS17の状態変化検出部502におけるビーコン受信レベルの閾値判定の結果、閾値以下であると検出された場合に、ステップS13に戻り、優先プロファイル情報選択部213は、次に順位付けされたプロファイル情報P32を選択する。
また、ステップS17において、状態変化検出部502によるビーコンの受信レベル判定の結果、受信レベルが閾値より大きい場合は、現在接続しているアクセスポイントへの接続を維持する(ステップS18)。
以上のように、本実施の形態2の無線通信装置500では、記憶部501で、スケジュールテーブルのスケジュールに沿って移動する際に、スケジュール毎に関連するプロファイル情報を優先的に順位付けして、この優先的に順位付けされたプロファイル情報を用いて、各スケジュール実行に際し、接続先のアクセスポイントを設定する。
つまり、無線通信装置500によれば、あらかじめ優先順位付けされたプロファイル情報を管理することで、移動予定先のサービスエリアを形成するアクセスポイントへの接続情報を優先的に選択し、接続要求を行うことが可能となる。
例えば、ユーザが移動するサービスエリアの順にプロファイル情報の優先順位付けを行っておけば、移動予定先のプロファイル情報を常に優先的に選択することができる。よって、移動先のアクセスポイントへの迅速な接続を実現することが可能となる。また、移動先のサービスエリア情報を取得する必要が無いため、消費電力を低減することが可能となる。
(実施の形態3)
図15は、本発明の実施の形態3に係る無線通信装置を有する無線通信システムの構成を示す概念図である。
図15に示す無線通信システム700は、実施の形態2の無線通信システム400において、無線通信装置500に換えて無線通信装置800を備えるものであり、各サービスエリアE11〜E14及びこれらサービスエリアE11〜E14を形成するアクセスポイントA21〜A24は同様のものである。
すなわち、図15に示す無線通信システム700は、無線通信装置800と、アクセスポイントA21と、アクセスポイントA22〜A24とを備えて構成される。無線通信装置800はアクセスポイントA21により形成されるサービスエリアE11に位置している。
サービスエリアE11に隣接している異なるサービスエリアとして、アクセスポイントA22、A23によりそれぞれ形成されるサービスエリアE12、E13が存在し、サービスエリアE12、E13に隣接している異なるサービスエリアとして、アクセスポイントA24により形成されるサービスエリアE14が存在する。なお、各アクセスポイントA21〜A34は、無線通信装置800からのサービスエリア情報取得要求を受けるサービスエリア情報要求受付部と、サービスエリア情報要求を受けて、サービスエリア情報要求元の無線通信装置800に、無線通信装置800が現在位置するサービスエリア及び現在位置するサービスエリアとは異なる近隣のサービスエリアを構成するアクセスポイントを示すサービスエリア情報を通知する近隣接続情報通知部とを有する。
図16は本発明の実施の形態3に係る無線通信装置800の要部構成を示す機能ブロック図である。なお、図16に示す無線通信装置800は、図8に示す実施の形態2に対応
する無線通信装置500と同様の基本的構成において、サービスエリア情報取得部812を設け、このサービスエリア情報取得部812を用いて情報収集を行う機能を、制御部814に設けたものである。よって、以下では、無線通信装置800は、無線通信装置500と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
すなわち、無線通信装置800は、無線通信装置200と同様な基本的な機能を有する入力部201aと、無線LANインターフェース部202と、優先プロファイル情報選択部213と、受信電波強度取得部215と、不揮発性記憶部506とに加え、記憶部801と、プロファイル情報取得部803と、状態変化検出部806と、優先順位設定部808と、アクセスポイント接続判定部810と、サービスエリア情報取得部812と、制御部814とを有する。
尚、無線通信システム700において、無線通信装置800は、無線通信装置200と同様に、入力部201a、無線LANインターフェース部202、優先プロファイル情報選択部213、受信電波強度取得部215、不揮発性記憶部506、記憶部801、プロファイル情報取得部803、状態変化検出部806、優先順位設定部808、アクセスポイント接続判定部810、サービスエリア情報取得部812、制御部814の各部は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)により構成される。
これら各部は、個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここではLSIとしたが、集積度の違いによりIC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサにより行っても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なコンフィギュラブル・プロセッサを利用して各部を構成しても良い。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術により各部201〜213の集積化を行っても良い。例えば、バイオ技術を適応することによって集積化を行ってもよい。
入力部201aは、例えば、操作キーなどを介したユーザの操作入力によって、無線通信装置200において各部を用いた種々の動作を行う。具体的には、ユーザから、スケジュールに沿ってアクセスポイントを接続するスケジュールアプリ機能の起動の入力を受け付けて、制御部814に出力してスケジュールアプリを起動させる。また、入力部201aは、スケジュールアプリ起動後に、ユーザから入力される、移動するスケジュール<時刻、場所>を、制御部814を介して記憶部801に記憶させる。また、入力部201aは、スケジュールアプリの起動要求信号を、制御部814を介して状態変化検出部806に出力する。
不揮発性記憶部506は、実施の形態2の無線通信装置500が有するものと同様のものであり、制御部814を介して読み出し可能な、サービスエリアに関するプロファイル情報(サービスエリアを形成するアクセスポイントのプロファイル情報)を記憶する。ここでは、不揮発性記憶部506は、無線通信システム700における異なるサービスエリアE11〜E14のアクセスポイントA21〜A24毎のプロファイル情報が記憶されている。なお、プロファイル情報は、それぞれサービスを提供しているアクセスポイントを特定するためのSSID、暗号方式及び暗号化に必要な鍵情報、アクセスポイントへ接続するために必要なIPアドレスなどから構成されている。
記憶部801は、制御部814を介して入出力される情報を保存する。なお、以下では
制御部814を介した各部間の情報の入出力は、各部間の入出力として説明することもある。
具体的には、記憶部801は、制御部814を介して、入力部201aから入力され、サービスエリア間を移動する際に用いられるスケジュール情報を保存する。
また記憶部801は、サービスエリア情報取得部812により取得されたサービスエリア情報や不揮発性記憶部506からのサービスエリア(詳細にはアクセスポイント)のプロファイル情報を保存する。
更に、記憶部801は、受信電波強度取得部215によって測定された信号の電波強度と、当該信号の発信元であるアクセスポイントのSSIDの対応情報とを保存する。
また、記憶部801は、優先順位設定部808で優先順位付けされたプロファイル情報を、例えば、リスト構造で、優先順位の高いプロファイル情報から優先順位順にアクセス可能となるような管理形式で保存する。
記憶部801に保存されるスケジュール情報は、ここでは、予定している時間を示す<時刻>と、<時刻>に位置する待ち合わせ場所や移動先の場所を示す<場所>の情報を有するスケジュールによりなるスケジュールテーブルとする。
スケジュールにおいて、<場所>を示す情報には、当該<場所>が示す場所での接続先として優先させるアクセスポイントを関連付けられる情報が付与されている。
なお、記憶部801で記憶されるスケジュール情報は、記憶部501で記憶される、スケジュールD11〜D13を有するスケジュールテーブル510(図9参照)と同様のものとする。
プロファイル情報取得部803は、制御部814からの通知を受けて不揮発性記憶部506に保存されているプロファイル情報(例えば、プロファイル情報P31、P32、P34)を読み出して、記憶部501上にプロファイル情報を保存すると、その旨の通知を、制御部814を介して優先順位設定部808に出力する。
具体的には、プロファイル情報取得部803は、記憶された各スケジュール(ここでは、図9に示すスケジュールD11、D12、D13等)のそれぞれを用いて、これらスケジュールが示す場所に対応するアクセスポイントのプロファイル情報を不揮発性記憶部506から読み出して記憶部801に保存する。
また、プロファイル情報取得部803は、スケジュールテーブルのスケジュールに設定の<場所>を参照することで、<場所>にリンクされた情報を読み出し可能となっている。具体的には、スケジュールの<場所>には、不揮発性記憶部506におけるプロファイル情報の位置(アドレス)を示す位置情報(例えば、ポインタ)が関連付けられている。
この位置情報を用いて、プロファイル情報取得部803は、該当するプロファイル情報を不揮発性記憶部506から取得することができる。なお、不揮発性記憶部506に記憶されるプロファイル情報は、アクセスポイントへ接続するために必要な情報を示すものであり、アクセスポイントを特定するための情報である。
具体的には、プロファイル情報は、実施の形態1のプロファイル情報と同様に、それぞれサービスを提供しているアクセスポイントを特定するためのSSIDを含む、当該アク
セスポイントに接続する際に必要な情報を有する。ここでは、プロファイル情報は、実施の形態1と同様に、例えば、サービスを提供しているアクセスポイントを特定するための識別情報(SSID)、通信で用いる暗号方式及び暗号化に必要な鍵情報(例えば、WEP(Wired Equivalent Privacy)KEY)、アクセスポイントへ接続するために必要な情報(IPアドレス)などを有する。このプロファイル情報の一例としては、例えば、図10に示すものが挙げられる。
また、プロファイル情報取得部803は、記憶部501にサービスエリア情報が記憶されている際には、サービスエリア情報を用いて、これらサービスエリア情報が示す各サービスエリアに対応するアクセスポイントのプロファイル情報を取得する。具体的には、プロファイル情報取得部803は、サービスエリア情報取得部812から制御部814を介したサービスエリアの情報取得信号の入力を受けて、記憶部801に保存されたサービスエリア情報を読み込む。そして、この読み込んだサービスエリア情報を用いて、不揮発性記憶部506から、サービスエリア情報が示すアクセスポイントのプロファイル情報を取得する。
本実施の形態では、プロファイル情報取得部803は、記憶部801から、サービスエリア情報取得部812により取得されたサービスエリア情報を取得する。この取得したサービスエリア情報を用いて、プロファイル情報取得部803は、当該サービスエリア情報の示すサービスエリアに対応するアクセスポイントのプロファイル情報を不揮発性記憶部506から読み出して記憶部801に保存する。
状態変化検出部806は、制御部814を介して入力される情報を用いて、無線通信装置800自体の使用状態の変化を検出し、制御部814に出力する。
具体的には、状態変化検出部806は、ユーザにより入力部201aを介して入力されたスケジュールアプリ起動を、無線通信装置800自体の状態変化として検出し、制御部814を介して受信電波強度取得部215に出力する。
また、状態変化検出部806は、無線LANインターフェース部202及び制御部814を介して入力される、無線通信装置800の位置するサービスエリアを形成するアクセスポイントからのビーコン(信号)の受信レベル(接続受信レベル)を判定する。
状態変化検出部806におけるビーコンの受信レベルの判定は、例えば、接続先のアクセスポイントからのビーコン(信号)の受信レベルを予め設定された閾値と比較することによって行う。ビーコンが閾値以上であれば、制御部814を介して無線LANインターフェース部202に、現在接続しているアクセスポイントへの接続を継続させ、閾値以下であれば、制御部814を介してプロファイル情報取得部803にその旨の信号を出力する。
優先順位設定部808は、記憶部801に格納された情報を用いて、プロファイル情報取得部803により取得されたプロファイル情報に対して、優先的に接続するアクセスポイントの情報を含む順に、優先順位を設定する。
具体的には、優先順位設定部808は、プロファイル情報取得部803から、制御部814を介して入力される、プロファイル情報の記憶部801への保存終了信号を受けて、サービスエリア情報取得部812で取得された情報と、プロファイル情報取得部803で取得された情報を用いて、サービスエリアに存在するアクセスポイントのプロファイル情報に優先順位付けを行う。
例えば、優先順位設定部808は、記憶部801のスケジュール(例えば、図9で示すスケジュールD11、D12、D13)に設定の<時刻>を用いて、実行時間の早いスケジュール順に、それぞれ対応するプロファイル情報を順位付けする。
また、優先順位設定部808は、無線LANインターフェース部202から制御部814にサービスエリアのアクセスポイントへの接続完了信号が出力された際に、次の移動先であるサービスエリアのアクセスポイントへの接続を迅速に行うため、記憶部801に保持されているプロファイル情報を読み出して、優先順位の変更を行う。
また、優先順位設定部808は、優先順位付けが処理を終了すると、制御部814を介して優先プロファイル情報選択部213に優先順位付け終了通知信号を出力する。
優先順位設定部808により設定される優先順位は、優先順位設定部808によって、現在位置している場所から次の移動先サービスエリアへ移動する過程において、選択される可能性が高いプロファイル情報から順に付与される。
また、優先順位設定部808は、接続中のアクセスポイントからの受信電波強度と、記憶部801のスケジュール或いは、接続中のアクセスポイントからのサービスエリア情報とを用いて、接続状況が良好であろう順に、接続されるサービスエリア(具体的には、接続先となるアクセスポイント)の優先順位を設定して、これに対応してプロファイル情報を優先順に並び替える。
例えば、接続中のアクセスポイントからの受信電波強度が小さくなった場合、サービスエリア情報とプロファイル情報とから、所属サービスエリアに近い他のサービスエリアを形成するアクセスポイントのプロファイル情報を、最も優先するように並び換える。
なお、優先順位を付ける際に、対象となるサービスエリアにおける、所属サービスエリアに対する近さが、同程度の近さである場合、優先順位設定部808は、これら対象となるサービスエリアを形成するアクセスポイントのプロファイル情報の優先順位付けをランダムに行う。
アクセスポイント接続判定部810は、受信電波強度の測定結果を用いて、受信電波強度測定対象となる信号を送信したアクセスポイントへの接続判定を行う。アクセスポイント接続判定部810において、接続可能であれば、制御部814、無線LANインターフェース部202を介して、プロファイル情報を用いてアクセスポイントへ接続要求を行う。一方、アクセスポイント接続判定部810において、接続不能であれば、制御部814を介して、同じアクセスポイントからの電波強度の判定をするために、受信電波強度取得部215に、電波強度取得指示信号を出力する。
また、アクセスポイント接続判定部810は、制御部814を介して入力される、受信電波強度取得部215により測定された受信電波強度を用いて、当該受信電波強度の対象となる信号を送信したアクセスポイントと接続可能かを判定する。この判定結果に基づいて、アクセスポイント接続判定部810は、優先プロファイル情報選択部213により選択されたプロファイル情報のアクセスポイントへの接続要求を、制御部814を介して無線LANインターフェース部202に行う。
一方、先の判定結果が接続不能である場合、アクセスポイント接続判定部810は、制御部814を介して、次の優先順位のプロファイル情報を選択させるべく優先プロファイル情報選択部213へ信号を出力する、或いは、サービスエリアの収集を実施させるべくサービスエリア情報取得部812へ信号を出力する。
サービスエリア情報取得部812は、アクセスポイント接続判定部810から制御部814を介して入力される、近隣のサービスエリアの情報収集要求を受けて、サービスエリアを形成するアクセスポイントの情報を含む情報を収集する。
具体的に、サービスエリア情報取得部812は、アクセスポイント接続判定部810からの要求に応じて、近隣のサービスエリアを形成するアクセスポイントのプロファイル情報を取得するための情報を接続しているサービスエリアのアクセスポイントから取得する。
具体的には、サービスエリア情報取得部812は、接続しているサービスエリアを形成するアクセスポイントに対するサービスエリア情報の取得要求を、無線LANインターフェース部202に出力する。
この取得要求に対するアクセスポイントの応答として送信されるサービスエリア情報は、無線LANインターフェース部202から制御部814へ出力されて、記憶部801に記憶されることによって、サービスエリア情報取得部812に取得される。
図17は、アクセスポイントから取得したサービスエリア情報の一例を示す図である。なお、取得したサービスエリア情報は、図3で示すサービスエリア情報300と同様に形成されている。すなわち、サービスエリア情報300aは、テキストベースで構成され、例えば、<所属サービスエリア>、<隣接サービスエリア>及び<周辺サービスエリア>の三種類の情報を有する。
サービスエリア情報における<所属サービスエリア>は、現在接続しているアクセスポイントが提供しているサービスエリアを示し、<隣接サービスエリア>は現在接続しているサービスエリアに隣接しているサービスエリアの情報を示している。また、<周辺サービスエリア>は現在接続しているサービスエリアの周辺に位置している(隣接しているサービスエリアよりは遠い場所に位置している)ことを示している。<隣接サービスエリア>及び<周辺サービスエリア>は、<所属サービスエリア>の近隣に存在するサービスエリアを示している。なお、図17のサービスエリア情報では、接続中のアクセスポイントはサービスエリアE12を提供していることを示し、隣接しているサービスエリアはE11、E13、E14である、ということを示している。なお、<周辺サービスエリア>は空欄である。これは隣接するサービスエリアは存在するものの、その他近くにはサービスエリアが存在しないことを示している。
制御部814は、無線LANインターフェース部202、優先プロファイル情報選択部213、受信電波強度取得部215、不揮発性記憶部506、記憶部801、プロファイル情報取得部803、状態変化検出部806、優先順位設定部808、アクセスポイント接続判定部810、サービスエリア情報取得部812間の信号の入出力を制御する。
制御部814は、各部202、213、215、803、806、808、810、812の動作を制御することによって、予め優先順位付けされたプロファイル情報を管理して、移動予定先のサービスエリアを形成するアクセスポイントへの接続情報を優先的に選択し、接続要求を行う。ここでは、ユーザが移動するサービスエリアの順にプロファイル情報の優先順位付けを行っておくことで、移動予定先のプロファイル情報を常に優先的に選択するように制御する。また、制御部814は、予め優先順位付けされたプロファイル情報から最も優先順位の高いプロファイル情報を選択し、アクセスポイントへ接続失敗となった場合、その時点での近隣のサービスエリア情報及びそれらサービスエリアのプロファイル情報の収集を行いプロファイル情報に対する優先順位付けを実行する制御を行う。
次に、本発明に係る無線通信装置800におけるアクセスポイント接続方法について説明する。
図18〜図20は、本発明の実施の形態3に係る無線通信装置におけるアクセスポイント接続を説明するフローチャートである。
ここでは、図18〜図20に基づく無線通信装置800におけるアクセスポイント接続処理の説明を、図15に示す無線通信システム700において、予め設定された予定に従って移動中の無線通信装置800が、予定外の位置に移動した場合を適用して説明する。
図21及び図22は、図15に示す無線通信システムでの無線通信装置の移動を示す図である。詳細には、図21は、図15で示した無線通信装置800が移動を行い、移動前に予めユーザが決めた予定に従って異なるサービスエリアE11−E12間の移動を示す図である。また、図22は、無線通信装置800がサービスエリアE12−E13間を移動した状況を示しており、ユーザにより予め設定された予定とは異なった移動を示す図である。なお、図15に示す本実施の形態3の無線通信システム700は、図7に示す実施の形態2の無線通信システム400と同様の、アクセスポイントA21〜A24により形成されるサービスエリアE11〜E14を有している。このため、図15、図21及び図22における地点M11〜M13は、実施の形態2で用いた地点と同符号を付して説明する。
また、ユーザにより予め設定された予定とは、無線通信装置800の記憶部801において記憶されるスケジュールテーブルである。なお、このスケジュールテーブルは、無線通信装置800において、スケジュールアプリ起動後、ユーザが入力部201aから情報を入力し、制御部814を介して記憶部801に保存されて形成されるものである。
本実施の形態では、記憶部801に記憶されるスケジュールテーブルは、実施の形態2の記憶部501に記憶されるスケジュールテーブル510と同様のものであるため、無線通信装置800は、スケジュールテーブル510に従って移動するものとして説明する。
すなわち、ここでは、スケジュールD11は、時刻12:00に○○駅へ移動する予定を示し、図15で示すサービスエリアE11の地点M11に無線通信装置800が位置している状態を示す。また、スケジュールD12は、時刻14:00に○×公園に移動する予定を示し、図21で示すサービスエリアE12の地点M12に無線通信装置800が位置していることを示す。さらに、スケジュールD13は、時刻15:00に△△喫茶店に移動していることを示し、図22に示されたサービスエリアE14の地点M13に無線通信装置800が位置していることを示す。
まず、図15に示す無線通信システム700における無線通信装置800において、ユーザから通信アプリ起動のための入力が行われると、その情報が入力部201aを介して制御部814へ通知される。この通知を受けた制御部814は通信アプリの起動を行うとともに、通信アプリが起動された旨を、状態変化検出部806に通知する。
この通知を受けて、状態変化検出部806は通信アプリの起動を検知し、制御部814を介して、プロファイル情報取得部803へ通知する(ステップS20)。
プロファイル情報取得部803は、制御部814からの通知を受けて不揮発性記憶部506に保存されているプロファイル情報(ここではプロファイル情報P31、P32、P34のプロファイル情報を読み出す(ステップS21)。
なお、プロファイル情報は、上述したようにアクセスポイントへ接続するために必要な情報を示すもので、この情報はアクセスポイントを特定するための情報として利用することが可能である。
このプロファイル情報は、記憶部801のスケジュールテーブルに設定の<場所>に関連付けられており、プロファイル情報取得部803は、これら<場所>とプロファイル情報を関連付ける情報を用いて、不揮発性記憶部506からプロファイル情報を読み出す。
なお、スケジュールテーブルを用いたプロファイル情報取得部803による不揮発性記憶部506からのプロファイル情報の読み出しは、図12を用いて説明した実施の形態2のプロファイル情報取得部206aと同様である。
すなわち、図12に示すように、記憶部801では、スケジュールテーブルにおけるスケジュールにおける<場所>の情報が一次元配列で管理され、個々の配列に、不揮発性記憶部506に格納されているプロファイル情報のアドレスへのポインタが関連付けられている。また、記憶部801は、各スケジュールに対して、無線通信装置500の移動順にアドレス(例えば、「1000」、「1002」、「1004」)を付与して保存するものとする。
これにより、プロファイル情報取得部803は、記憶部801のスケジュールにおける<場所>を読み出すことで、読み出した<場所>に関連付けられているポインタを用いて不揮発性記憶部506から、ポインタの示すアドレスのプロファイル情報を読み出すことができる。
このようなプロファイル情報取得部803によるプロファイル情報の読み出し終了後、プロファイル情報取得部803は、制御部814を介して優先順位設定部808に読み出し終了を通知する。
プロファイル情報読出終了の通知を受けて、優先順位設定部808は、スケジュールテーブル501のスケジュールD11、D12、D13に設定の<時刻>を参照して、プロファイル情報取得部803によって取得されたプロファイル情報の優先順位付けを行う(ステップS22)。
なお、ステップS22における優先順位設定部808の優先順位付けは、実施の形態2における優先順位設定部504の処理(ステップS12)と同様であるため説明は省略する。
ステップS22で、優先順位設定部808により優先順位付けされたプロファイル情報のデータ構造は、図13に示すように、プロファイル情報P31→P32→P34と各プロファイル情報に対して優先順位付けが行われる。
優先順位付け処理が終了すると、優先順位設定部808は、制御部814を介して優先プロファイル情報選択部213へ優先順位設定終了を通知する。
優先順位設定終了通知を受けて、優先プロファイル情報選択部213は、優先順位の最も高いプロファイル情報P31を選択し、記憶部801から読み出す(ステップS23)。優先プロファイル情報選択部213による選択したプロファイル情報の読み出しが終了すると、優先プロファイル情報選択部213は、その終了通知を、制御部814を介して受信電波強度取得部215に通知する。
優先プロファイル情報選択終了通知を受けた受信電波強度取得部215は、選択されたプロファイル情報P31に設定のSSIDが示すアクセスポイントからの受信電波の強度を取得する(ステップS24)。
具体的にステップS24では、受信電波強度取得部215は、プロファイル情報P31に設定されたSSIDを参照して、制御部814、無線LANインターフェース部202を介したアクセスポイントへのプローブ要求を行う。プローブ要求をうけたアクセスポイントは、その応答を無線LANインターフェース部202、制御部814を介して受信電波強度取得部215へ通知する。この応答信号を用いて、受信電波強度取得部215は、受信された電波の受信強度を測定する。なお、測定した結果は、制御部814を介してアクセスポイント接続判定部810へ通知される。
この測定結果を受けて、アクセスポイント接続判定部810は、アクセスポイントへの接続判定、つまり、受信信号を送信したアクセスポイントへ接続可能か否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25において、アクセスポイント接続判定部810が、アクセスポイントへ接続可能と判断した場合、制御部814、無線LANインターフェース部202を介してアクセスポイントへ接続要求を行う。この接続要求は、プロファイル情報P31に設定された情報を参照して行われる。接続要求を受けたアクセスポイントは、無線通信装置800に対して応答し、無線通信装置800では、無線LANインターフェース部202、制御部814を介してアクセスポイント接続判定部810に通知される。また、アクセスポイントサービスエリアE11のアクセスポイントA21への接続完了が、無線LANインターフェース部202から制御部814へ通知され、制御部814は、優先順位設定部808に対して処理要求を行い、ステップS26に移行する。なお、処理要求の内容は、次の移動先であるサービスエリア(ここではE12)のアクセスポイント(ここではA22)への接続を迅速に行うため、記憶部801に保持されているプロファイル情報を読み出して、優先順位の変更を行うものである。
ステップS25において、アクセスポイント接続判定部810が、接続不可能と判断する場合、サービスエリアの収集を実施するよう、制御部814を介してサービスエリア情報取得部804へ通知してステップS36に移行する。
ステップS26では、優先順位設定部808は、プロファイル情報に対して設定された順位を変更する。
具体的に、ステップS26では、優先順位設定部808は、現在接続中のアクセスポイントA21への接続情報として設定されているプロファイル情報P31を、今後無線通信装置800の移動が発生した場合での使用可能性の低いものとして、最も低い優先順位付けを行う。また、優先順位設定部808は、次の移動先となっているサービスエリアE12を形成するアクセスポイントA22の接続情報が設定されているプロファイル情報P32を最も優先順位の高いプロファイル情報として設定する。なお、優先順位設定部808は、プロファイル情報P34に2番目の優先順位を付ける。なお、優先順位付けが変更された結果の一例は図14に示すものと同様であり、この優先順位付けされたプロファイル情報によれば、次のスケジュールD12に設定された場所へ移動する際の、迅速なアクセスポイント接続に備えることができる。
この優先順位変更処理の後、状態変化検出部806は、接続中のアクセスポイントからのビーコンの受信レベルが閾値以下となっているか否かの判定を行う(ステップS27)
。
このステップS27では、接続中のアクセスポイントからのビーコンの受信レベルが閾値より大きければ、ステップS27の処理は繰り返され、現在接続中のアクセスポイントA21へ継続して接続が行われる。これにより無線通信装置800は、接続中のアクセスポイントを介して良好なサービス提供を受けることができる。
つまり、無線通信装置800において、次の接続先であるアクセスポイントA22への接続要求は、現在接続中のアクセスポイントA21からのビーコン受信レベルが閾値以下となったことを状態変化検出部806が検出した場合に行われる。
例えば、無線通信装置800は、図21に示すように、無線通信システム700において、所属するサービスエリアE11の地点M11から隣接するサービスエリアE12の地点M12に移動しているものとする。
このように無線通信装置800が移動している場合、状態変化検出部806が、無線LANインターフェース部202、制御部814を介して受信されるアクセスポイントA21からのビーコンの受信レベルが閾値以下になったことを検出すると、その旨を制御部814へ通知する。制御部814は、上記通知を優先プロファイル情報選択部213へ通知して、ステップS28に移行する。
ステップS28では、ビーコン受信レベルが閾値以下の通知を受けて、優先プロファイル情報選択部213は、優先順位の最も高いプロファイル情報P32を選択し、記憶部801から読み出す。読み出し処理が終了すると、優先プロファイル情報選択部213は、その終了通知を、制御部814を介して受信電波強度取得部215に通知して、ステップS29に移行する。
優先プロファイル情報選択部213により優先プロファイル情報が選択されると受信電波強度取得部215は、選択されたプロファイル情報のアクセスポイントから送信される信号の受信電波強度を取得する(ステップS29)。
具体的に、ステップS29では、受信電波強度取得部215は、制御部814から優先プロファイル情報選択終了の通知を受けて、受信電波強度取得部215は、プロファイル情報P32に設定されているSSIDを参照して、制御部814、無線LANインターフェース部202を介してプローブ要求を行う。プローブ要求を受けたアクセスポイントは、その要求に対する応答を無線LANインターフェース部202、制御部814を介して受信電波強度取得部215に通知する。受信電波強度取得部215は、通知された信号から電波強度を測定し、その結果について制御部814を介してアクセスポイント接続判定部810へ通知する。
この測定結果を受けて、アクセスポイント接続判定部810は、アクセスポイントへの接続判定、つまり、受信信号を送信したアクセスポイントへ接続可能か否かを判定する(ステップS30)。接続可能と判断できる場合は、制御部814、無線LANインターフェース部202を介してアクセスポイントへ接続要求を行う。接続要求は、プロファイル情報P32に設定された情報を参照して行われる。上記接続要求を受けたアクセスポイントは、無線通信装置800に対して応答を返す。その応答は無線LANインターフェース部202、制御部814を介してアクセスポイント接続判定部810へ通知される。なお、接続できないと判断された場合は、サービスエリア情報の収集を実施するよう制御部814を介してサービスエリア情報取得部804へ通知してステップS36に移行する。
サービスエリアE12のアクセスポイントA22への接続完了が、無線LANインターフェース部202を介して制御部814へ通知されると、優先順位設定部808に対して処理要求が行われ、ステップS31に移行する。
ステップS31では、優先順位設定部808は、記憶部801に保持されているプロファイル情報を読み出して、優先順位を設定する。
ステップS31における優先順位設定部808では、現在接続中のアクセスポイントA22の接続情報が設定されているプロファイル情報P32は、今後移動が発生した場合使用される可能性が低いため、優先順位を3番目に優先順位付けし、次の移動先となっているサービスエリアE14を形成するアクセスポイントA24への接続情報が設定されたプロファイル情報P34を最も優先順位の高いプロファイル情報として設定する。図23にプロファイル情報に対する優先順位の設定変更の結果を示す。
この優先順位変更処理の後、状態変化検出部806は、接続中のアクセスポイントA22からのビーコンの受信レベルが閾値以下となっているか否かの判定を行う(ステップS32)。
このステップS32では、ステップS27と同様に、接続中のアクセスポイントからのビーコンの受信レベルが閾値より大きければ、ステップS32の処理は繰り返えされ、現在接続中のアクセスポイントA22へ継続して接続が行われる。
状態変化検出部806において、アクセスポイントA22からのビーコン受信レベルが閾値以下になったことを検出すると、その旨を制御部814へ通知し、制御部814は、記通知をプロファイル情報取得部803へ通知し、ステップS33に移行する。
この場合、図22に示すようにサービスエリアE12に存在する無線通信装置800が、スケジュールD13に設定の情報とは異なる移動先である、サービスエリアE13に向かって移動を始めていると想定する。
優先プロファイル情報選択部213は上記通知を受けると、優先順位の最も高いプロファイル情報P34を選択し、記憶部801から読み出す処理を行う(ステップS33)。読み出し処理が終了すると、優先プロファイル情報選択部213は、制御部814を介して受信電波強度取得部215に、読み出しが終了した旨を通知する。
ステップS34では、受信電波強度取得部215は、選択されたプロファイル情報に示すアクセスポイントから送信される信号を用いて受信電波強度を取得する。
具体的に、ステップS34では、受信電波強度取得部215は、上記制御部814からの通知を受けると、プロファイル情報P34に設定されているSSIDを参照して、制御部814、無線LANインターフェース部202を介してプローブ要求を行う。プローブ要求を受けたアクセスポイントは、その要求に対する応答を無線LANインターフェース部202、制御部814を介して受信電波強度取得部215に通知する。受信電波強度取得部215は、通知された信号から電波強度を測定し、その結果について制御部814を介してアクセスポイント接続判定部810へ通知する。
アクセスポイント接続判定部810は上記結果から、アクセスポイントへの接続判定を行う(ステップS35)。接続可能と判断できる場合は制御部814、無線LANインターフェース部202を介してアクセスポイントへ接続要求を行う。接続要求は、プロファイル情報P34に設定された情報を参照して行われる。この接続要求を受けたアクセスポ
イントは、無線通信装置800に対して応答を返す。その応答は無線LANインターフェース部202、制御部814を介してアクセスポイント接続判定部810へ通知される。なお、接続不可能と判断する場合は、制御部814を介して、サービスエリア情報取得部812へサービスエリア情報収集の依頼を行い、ステップS36に移行する。
ここで、図22に示されるようにユーザはスケジュールD13とは異なる移動場所E13への移動を行っているため、受信電波強度取得部215は受信電波強度を取得することができず、アクセスポイント接続判定部810は接続できないと判断することになる。
アクセスポイント接続判定部810は、受信電波強度を取得できなかった場合(アクセスポイントへ接続できない場合)、スケジュールとは異なる移動を行ったと判断し、再度、隣接している、近隣のサービスエリア情報の収集を行うように、制御部814を介してサービスエリア情報取得部812へその旨を通知する(ステップS36)。
上記通知を受けてサービスエリア情報取得部812は、無線通信装置800が位置しているサービスエリアE12を形成するアクセスポイントA22に対して近隣のサービスエリア情報取得要求を行う(ステップS37)。取得要求は、制御部814を介して無線LANインターフェース部202へ通知される。アクセスポイントは無線通信装置800からの取得要求に対して、サービスエリアの情報を応答する。アクセスポイントからの応答は、無線LANインターフェース部202を介して制御部814へ通知され、取得された情報は、記憶部801へ保存される。取得されたサービスエリア情報は、ここでは図17に示すものとする。
サービスエリア情報取得部812から制御部814を介して、サービスエリアE11、E13、E14の情報取得を通知されたプロファイル情報取得部803は、記憶部801へ保存されたサービスエリアの情報を参照する。隣接しているサービスエリアがE11、E13、E14であることを分かると、不揮発性記憶部506にあらかじめ保持していたサービスエリアE11、E13、E14のプロファイル情報P31、P33、P34の読み出しを行い、記憶部801へ保存する(ステップS38)。
図24は、プロファイル情報取得部803により不揮発性記憶部506から読み出されたプロファイル情報の一例を示す図である。なお、図24に示すプロファイル情報P31は、サービスエリアE11のプロファイル情報を示し、プロファイル情報P33はサービスエリアE13のプロファイル情報を示す。さらに、プロファイル情報P34はサービスエリアE14のプロファイル情報を示している。
プロファイル情報取得部803より、記憶部801上へのプロファイル情報P31、P33、P34の保存通知が制御部814を介して優先順位設定部808へあると、優先順位設定部808は、サービスエリア情報取得部812で取得された情報と、プロファイル情報取得部803で取得された情報からサービスエリアE11、E13、E14に存在するアクセスポイントA11、A13、A14のプロファイル情報P31、P33、P34に優先順位付けを行う(ステップS39)。
例えば、無線通信装置800はサービスエリアE12に位置しており、サービスエリアE11、E13、E14が隣接し、移動する可能性が高いことからプロファイル情報P31、P33、P34を優先順位の高いプロファイル情報として設定する。この時のプロファイル情報P31、P33、P34の優先順位付けであるが、現在取得されている情報からP31、P33、P34に設定のアクセスポイントが構成しているサービスエリアE11、E13、E14へは、同程度に移動する可能性がある。よって、上述したように、ここでは、ランダムに優先順位付けを行い、P34を最も優先順位の高いプロファイル情報
として優先順位付けを行う。その他P33を2番目に優先順位の高いプロファイル情報として、P31を3番目に優先順位の高いプロファイル情報として優先順位付けを行う。現在接続中のアクセスポイント情報が含まれているプロファイル情報P32は、移動により受信電波強度が小さくなり、サービスエリアE12からユーザは出ようとしているものと考えられ、今後使用される可能性が低いと判断できる。よって、優先順位が最も低いプロファイル情報として優先順位付けを行う。その結果、P34→P33→P31→P32のように優先順位付けされる。
図25は優先順位設定部808によって、各プロファイル情報に優先順位付けが行われ、その順番に並び替えられた状態を説明する図である。プロファイル情報P34が最も優先順位の高いプロファイル情報として管理されることとなり、その次にプロファイル情報33が優先順位の高いプロファイル情報として管理される。優先順位設定部808から、優先順位付けされたプロファイル情報が記憶部801に保存されたことが制御部814を介して優先プロファイル情報選択部213に通知される。
制御部814からの通知を受けた優先プロファイル情報選択部213は、無線通信装置800が現在位置しているサービスエリアE12において最も優先順位の高いプロファイル情報P34を選択し、記憶部801から読み出す処理を行う(ステップS40)。
読み出し処理が終了すると、優先プロファイル情報選択部213は、その終了通知を、制御部814を介して受信電波強度取得部215に通知する。
受信電波強度取得部215は上記通知をうけると、選択されたプロファイル情報P34に設定されているSSIDを参照し、制御部814、無線LANインターフェース部202を介してプローブ要求を行う。プローブ要求をうけたアクセスポイントはその要求に対する応答を無線LANインターフェース部202、制御部814を介して受信電波強度取得部215へ通知する。受信電波強度取得部215は、受信した信号の電波強度を測定し、その結果について制御部814を介してアクセスポイント接続判定部810へ通知する(ステップS41)。
アクセスポイント接続判定部810は、受信電波強度取得部215から通知された結果を用いて、アクセスポイントへの接続判定を行う(ステップS42)。ステップS42で、アクセスポイント接続判定部810が、接続可能と判断できる場合、優先プロファイル情報選択部213によって選択されたプロファイル情報P34に設定のアクセスポイント情報を参照して、アクセスポイントへの接続要求を行う。接続要求は、制御部814、無線LANインターフェース部202を介してアクセスポイントへ通知される。アクセスポイントからの応答は無線LANインターフェース部202、制御部814を介してアクセスポイント接続判定部810へ通知される。接続不可能と判断する場合(ステップS42:NO)、アクセスポイント接続判定部810は、次の優先順位のプロファイル情報を選択するように、制御部814を介して優先プロファイル情報選択部213へ通知を行う。
具体的には、ステップS42において、接続可能と判断できる場合、つまり、接続要求に対するアクセスポイントからの応答があり接続可能となった場合(ステップS42:YES)は、当該アクセスポイントとの通信を行う。つまり、次の移動で、状態変化検出部806より、ビーコンの受信レベルが閾値以下であるかどうかを判定し(ステップS43)、その結果、ビーコンの受信レベルが閾値以下であった場合は、サービスエリアの情報を収集するように制御部814を介してサービスエリア情報取得部804へ処理を依頼(ステップS37に移行)する。また、ステップS43においてビーコンの受信レベルが閾値より大きい場合(ステップS43:NO)は、現在接続中のアクセスポイントへ接続を維持する。
以上のように、本実施の形態3の無線通信装置800によれば、あらかじめ優先順位付けされたプロファイル情報から最も優先順位の高いプロファイル情報を選択し、アクセスポイントへ接続失敗となった場合、その時点での近隣のサービスエリア情報及びそれらサービスエリアのプロファイル情報の収集を行いプロファイル情報に対する優先順位付けを実行するため、接続性の低いアクセスポイントに対する接続要求を回避し、消費電力の低減が可能となる。
本発明に係る無線通信装置200,500,800は上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
また、各実施の形態では、無線通信装置200,500,800において、アクセスポイントへの接続に用いるSSIDは、一つのアクセスポイントに対する識別情報としたが、これに限らず、複数のアクセスポイントに対する識別情報としてもよい。
また、各実施の形態の無線通信装置200,500,800では、状態変化検出部203、806、受信電波強度取得部215を用いて、接続先のアクセスポイントからの受信レベルの判定によって、接続中のアクセスポイントにより形成されるサービスエリア外への移動を検出するものとしたが、これに限らない。例えば、無線通信装置200,500,800において、自装置の位置を検出するGPS装置などの測位装置を設け、接続中のアクセスポイントからの離間距離を用いて、所属するサービスエリアとは異なるサービスエリアのアクセスポイントへ接続を行うようにしてもよい。
(第4の実施の形態)
図26は、本発明の実施形態4に係る無線通信装置を有する無線通信システムの構成を示す概念図である。
図26に示す無線通信システム900は、無線通信装置1100と、互いにサービス提供元が異なるサービスエリアE21〜E23の基地局(アクセスポイント)A30〜A36とを備えて構成される。
本実施の形態4の無線通信装置1100は、実施の形態1〜3の各無線通信装置200、500、800と比較して、無線LAN方式に替えて、IEEE802.16の規格に準拠したモバイルWiMAX環境下においてアクセスポイントへの接続を行う点で異なる。
また、本実施の形態4の無線通信装置1100は、実施の形態1〜3の各無線通信装置200、500、800と比較して、過去にアクセスポイントに接続した情報である接続実績情報を用いて移動時の迅速な接続処理を精度良く行う点が異なる。
なお、モバイルWiMAX環境における無線通信装置1100は、1)スキャニング(Scanning)、2)レンジング(Ranging)、3)ベーシックケーパビリティ交換(Basic Capability exchange)、4)認証要求を順に行うことでアクセスポイントへの接続を行う。
ここで、1)スキャニングとは、定義された周波数の中でチャネルをスキャンし、無線区間の走査と同期を行う処理である。ここでは端末(無線通信装置1100)がどの基地局(アクセスポイント)と通信できるかを確認する処理である。また、2)レンジングは、要求MAC(Media Access Control)メッセージをアクセスポイントに対して送信し、無線通信装置のMACアドレス登録を要求する処理である。さらに、3)ベーシックケー
パビリティ交換は、アクセスポイントと無線パラメータのネゴシエーションを行う処理である。また、4)認証要求は、アクセスポイントへ認証要求を行いデータ暗号化用の鍵を取得する処理である。
このようにモバイルWiMAX環境下のサービスエリアE21〜E23を形成するアクセスポイントA30〜A36は、無線通信装置1100と通信可能となっており、無線通信装置1100からのレンジング要求(MACアドレスの登録要求)、ベーシックケーパビリティ交換(アクセスポイントと無線パラメータのネゴシエーション)、認証要求(データ暗号化用の鍵取得のための認証要求)及び接続要求に応答して、無線通信装置1100にサービスを提供する。
また、各アクセスポイントA30〜A36は、近隣に位置するアクセスポイントの情報を通知する近隣接続情報通知部を備え、この近隣接続情報通知手段を用いて無線通信装置1100へサービスエリア情報を送信する。詳細には、各アクセスポイントA30〜A36は、無線通信装置1100(詳細には図27に示すサービスエリア情報取得部1112)からのサービスエリア情報取得要求を受けるサービスエリア情報要求受付部と、サービスエリア情報要求を受けて、サービスエリア情報要求元の前記無線通信装置1100に、当該無線通信装置1100が現在位置するサービスエリア及び現在位置するサービスエリアとは異なる近隣のサービスエリアを構成するアクセスポイントを示すサービスエリア情報を通知する近隣接続情報通知部とを有する。
無線通信装置1100は、所属サービスエリア外への移動により接続先アクセスポイントの変更を実施する場合、優先的に接続するアクセスポイントのプロファイル情報、アクセスポイントから送られてくるサービスエリアの情報、及び無線通信装置内で管理している接続実績情報を利用して接続処理を行う。
図26に示す無線通信システム900では、サービスエリアE21は、アクセスポイントA30、A31により形成され、このサービスエリアE21には、アクセスポイントA32〜A34によって形成されたサービスエリアE22が隣接している。また、このサービスエリアE22にはアクセスポイントA35、A36により形成されるサービスエリアE23が隣接している。
なお、図26では、無線通信装置1100が、サービスエリアE21内の地点M21に位置している状態を無線通信装置1100aで示し、サービスエリアE21から移動してサービスエリアE22のM22点へ位置している状態を無線通信装置1100bで示す。更に、図26では、サービスエリアE22から移動してサービスエリアE23のM23点へ位置した無線通信装置1100を無線装置1100cで示している。
ここで、図26に示す無線通信装置1100について説明する。
図27は、本発明の実施の形態4に係る無線通信装置1100の要部構成を示す機能ブロック図である。
図27に示す無線通信装置1100は、入力部201a、状態変化検出部1101、WiMAXインターフェース部1102、スキャニング(Scanning)部1103、レンジング(Ranging)部1104、ベーシックケーパビリティ交換(Basic Capability Exchange)部1105、認証処理部1106、優先プロファイル情報選択部1107、不揮発記憶部1108、制御部1109、優先順位設定部1110、プロファイル情報取得部1111、サービスエリア情報取得部1112、記憶部1113を有する。
なお、入力部201a、状態変化検出部1101、WiMAXインターフェース部1102、スキャニング部1103、レンジング部1104、ベーシックケーパビリティ交換部1105、認証処理部1106、優先プロファイル情報選択部1107、不揮発記憶部1108、制御部1109、優先順位設定部1110、プロファイル情報取得部1111、サービスエリア情報取得部1112、記憶部1113、の各部は、典型的に集積回路であるLSI(Large Scale Integration)により構成される。
これら各部201a、1001〜1013は、個別に1チップ化しても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いによりIC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、各部201a、1101〜1113に対する集積回路化の手法は、LSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサにより行っても良い。各部201a、1101〜1113は、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なコンフィギュラブル・プロセッサを利用して構成されても良い。さらには、各部201a、1001〜1013の集積化は、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術により行っても良い。例えば、各部201a、1101〜1113を、バイオ技術を適応することによって集積化を行ってもよい。
入力部201aは、入力部201と同様のものであり、例えば、操作キーなどを介したユーザの操作入力を受けて制御部1109に出力され、無線通信装置1100における種々の動作を行う。例えば、通信アプリ起動の開始要求を、制御部1109を介して状態変化検出部1101に出力する。
状態変化検出部1101は、状態変化検出部203と比較して判定対象が異なり基本的構成は略同様である。
すなわち、状態変化検出部1101は、制御部1109を介して入力される情報を用いて、無線通信装置1100自体の使用状態の変化を検出し、制御部1109に出力する。
具体的には、状態変化検出部1101は、ユーザにより入力部201aを介して入力された通信アプリの起動指示を、無線通信装置1100自体の状態変化として検出し、受信電波強度を取得する。なお、無線LAN環境において受信電波強度の取得及び測定は、受信電波強度取得部にて行っていたが、受信電波強度の取得に相当する処理については、レンジング部1104にその機能をもたせ、受信電波強度の測定に相当する処理は、状態変化検出部1101にその機能を持たせるものとする。
また、状態変化検出部1101は、現在接続中のアクセスポイントA34からのDL−MAP(Downlink Map)メッセージ(基地局IDなどの情報を含む)を受信すると、受信したDL−MAPメッセージの受信レベルを判定する。
すなわち、状態変化検出部1101は、制御部1109を介して入力されるDL−MAPメッセージの受信レベルを測定し、測定した受信レベルが閾値以下となったか否かを判定する。状態変化検出部1101における判定は、例えば、受信したDL−MAPメッセージの受信レベルを予め設定された閾値と比較することによって行う。受信レベルの閾値判定の結果、当該閾値より大きければ、制御部1109を介してWiMAXインターフェース部1102に、現在接続しているアクセスポイントへの接続を継続させ、閾値以下であれば、制御部1109を介してサービスエリア情報取得部1112にその旨を通知する
。
WiMAXインターフェース部1102は、サービスエリアを形成するアクセスポイントに対して信号の送受信を行う。例えば、WiMAXインターフェース部1102は、アクセスポイントから発行されたDL−MAPメッセージ、サービスエリア情報を受信し、受信したDL−MAPメッセージ信号、サービスエリア情報を制御部1109に出力する。
また、WiMAXインターフェース部1102は、制御部1109を介して入力されるサービスエリア情報取得部1112からの信号を、現在接続中のアクセスポイントへ送信する。
また、WiMAXインターフェース部1102は、制御部1109を介して入力される要求MACメッセージを、接続可能なアクセスポイントに送信する(無線LAN通信環境におけるプローブ要求及び接続要求に相当)ともに、当該アクセスポイントからの要求MACメッセージの応答を受けて制御部1109に出力する。
スキャニング(Scanning)部1103は、アクセスポイントA30〜A36から発する電波のスキャニング処理を行い、どのアクセスポイントと通信可能であるかを把握して、通信可能であるアクセスポイントを制御部1109に出力する。なお、スキャニング処理とは、アクセスポイントが発する電波を無線通信装置1100内で定義した周波数を利用して、無線区間の走査と同期の処理を行うことである。
レンジング(Ranging)部1104は、制御部1109を介して入力される信号を用いて、スキャニング部1103によって認識した送信タイミングで、接続可能なアクセスポイントに送信すべき要求MAC(Media Access Control)メッセージを制御部1109に出力する。
また、レンジング部1104は、制御部1109を介して、交換した通信能力に対するアクセスポイントのレスポンスを、制御部1109を介して認証処理部1106に出力する。
ベーシックケーパビリティ交換(Basic Capability Exchange)部1105は、制御部1109を介して、入力されるWiMAXインターフェース部1102からのアクセスポイント要求MACメッセージの応答を受けて、応答したアクセスポイントと無線パラメータのネゴシエーションを行うことで通信能力の交換を行う。
認証処理部1106は、レンジング部からの通知を受けて、制御部1109及びWiMAXインターフェース部1102を介して、アクセスポイントへの認証要求を行うととともにアクセスポイントからデータを暗号化するための鍵を含む認証応答を取得する。
また、認証処理部1106は、認証応答を受けて、接続実績情報更新部1114に対して接続実績情報332の更新処理を要求する。
優先プロファイル情報選択部1107は、制御部1109を介して入力される優先順位設定終了を示す情報を受けて、無線通信装置1100が現在位置において最も優先順位の高いプロファイル情報を選択し、記憶部1113から読み出す。また、優先プロファイル情報選択部1107は、読み出し処理を終了した後、その終了通知を、制御部1109を介してスキャニング部1103に出力する
不揮発記憶部1108は、アクセスポイントのプロファイル情報を記憶し、この記憶したプロファイル情報の読み出し書き込みが行われる。
なお、プロファイル情報は、基地局ID、スキャニングに使用する周波数情報、ベーシックケーパビリティ変換に使用するデジタル変調方式などの情報を含む。つまり、アクセスポイントへの接続を行う上で必要な情報を示すもので、アクセスポイントごとに保持している情報である。
制御部1109は、WiMAXインターフェース部1102からのDL−MAPメッセージの信号を状態変化検出部1101に出力するとともに、WiMAXインターフェース部1102からのサービスエリア情報をサービスエリア情報取得部1112に出力する。
また、制御部1109は、サービスエリア情報取得部1112から受けたアクセスポイント情報の取得要求をWiMAXインターフェース部1102に対して出力する。
また、制御部1109は、プロファイル情報取得部1111からの信号を優先順位設定部1110に出力する。
また、制御部1109は、プロファイル情報取得部1111から入力されるプロファイル情報の読み出し終了を示す信号を優先順位設定部1110に出力する。
また制御部1109は、スキャニング)部1103から入力される通信可能なアクセスポイントをレンジング部1104に出力する。
制御部1109は、レンジング部1104からの要求MACメッセージをWiMAXインターフェース部1102に出力するとともに、WiMAXインターフェース部1102を介してアクセスポイントから入力されるアクセスポイント要求MACメッセージの応答をベーシックケーパビリティ交換部1105に出力する。
優先順位設定部1110は、プロファイル読み出しの終了通知を受けて、サービスエリア情報及び接続実績情報を参照して、プロファイル情報取得部1111によって取得されたプロファイル情報の優先順位付けを行う。具体的には、優先順位設定部1110は、入力された情報から、現在接続中のアクセスポイントの近隣に位置するアクセスポイント及び周辺に位置するアクセスポイントのプロファイル情報の中から移動方向に位置するアクセスポイントのプロファイル情報を優先して順位を設定する。
また、優先順位設定部1110は、移動方向に位置するアクセスポイントへ接続するためのプロファイル情報として接続中のアクセスポイントの近隣に位置するアクセスポイントが複数ある場合、移動過程において、接続実績がないアクセスポイントを示すプロファイル情報を最も優先順位が高くなるように設定する。
プロファイル情報取得部1111は、制御部1109から入力されるサービスエリア情報保存確認を示す信号を受けて、記憶部1113に記憶された各スケジュール情報(図29参照)を、制御部1109を介して読み込む。また、プロファイル情報取得部1111は、読み込んだ各スケジュール情報(以下「スケジュール」ともいう)に対応するプロファイル情報を、不揮発記憶部1108から読み出して、記憶部1113上に保存する。プロファイル情報取得部1111は、記憶部1113へのプロファイル情報の保存を確認し、その旨を示す信号を制御部1109に出力する。なお、記憶部1113におけるスケジュール情報の<場所>には、不揮発性記憶部1108におけるプロファイル情報の位置(アドレス)を示す位置情報(例えば、ポインタ)が関連付けされている。この位置情報を
用いて、プロファイル情報取得部1111は、該当するプロファイル情報を不揮発性記憶部1108から取得する。
また、プロファイル情報取得部1111は、プロファイル情報の読み出し終了後、制御部1109に、優先順位設定部1110に通知する読み出し終了を示す信号を出力する。
このプロファイル情報は、アクセスポイント毎の情報であり、アクセスポイントを示す基地局ID、スキャニングに使用する周波数情報、ベーシックケーパビリティ変換に使用するデジタル変調方式などの情報を含み、アクセスポイントへの接続を行う上で必要な情報を示す。プロファイル情報は、アクセスポイントの位置情報は含まれず、不揮発性記憶部1108に、アクセスポイントごとに保持されている。
サービスエリア情報取得部1112は、状態変化検出部1101により検出される状態変化情報に基づいて、現在所属しているサービスエリアを提供しているアクセスポイントに対して、隣接、または周辺に位置しているサービスエリア情報の取得要求を制御部119に通知する。
サービスエリア情報取得部1112において取得要求されるサービスエリア情報は、自装置周辺に位置するアクセスポイントの情報である。例えば、サービスエリア情報はテキストベースで構成され、現在接続しているアクセスポイント、または周辺に位置するアクセスポイントの基地局ID(各アクセスポイントを特定可能なID)を示す<アクセスポイント情報>を含む。また、サービスエリア情報は、自装置及び現在接続しているアクセスポイントとの位置関係を示す<位置情報>を含む。さらにサービスエリア情報は、現在接続しているアクセスポイントであることを示す<接続アクセスポイント>、現在接続しているアクセスポイントに隣接しているアクセスポイントの情報を示す<隣接アクセスポイント>、及び隣接しているアクセスポイントを除く、周辺のアクセスポイントの情報を示す<周辺アクセスポイント>を含む。
また、サービスエリア情報取得部1112は、制御部1109を介して取得したサービスエリア情報を、制御部1109を介して記憶部1113に保存し、取得したサービスエリア情報の保存を確認して、取得したサービスエリア情報の保存確認を示す信号を、制御部1109を介してプロファイル情報取得部1111へ出力する。
記憶部1113は、スケジュール情報及び取得したサービスエリア情報を読み出し自在に保存する。
ここでは、スケジュール情報は、予定している時間を示す<時刻>と、<時刻>に位置する待ち合わせ場所や移動先の場所を示す<場所>の情報とを有し、記憶部1113にスケジュールテーブルとして保存される。また、スケジュール情報における<場所>には、当該<場所>が示す場所において接続先として優先させるアクセスポイントを示す情報が関連付けられ、<場所>を参照して<場所>にリンクされたアクセスポイント情報を読み出し可能となっている。
また、サービスエリア情報は、接続先のアクセスポイントを含む無線通信装置(携帯端末)1000の周辺に位置するアクセスポイントの情報を示す。例えば、サービスエリア情報は、接続先のアクセスポイントを示すアクセスポイント情報と、接続先のアクセスポイントに隣接するアクセスポイントを示すアクセスポイント情報と、接続先のアクセスポイントの周辺に位置するアクセスポイントを示すアクセスポイント情報とをそれぞれ位置情報に関連付けて備える。
また、記憶部1113は、スケジュールテーブルにおける<場所>の情報が一次元配列で管理する。個々の配列には、不揮発性記憶部1108に格納されているプロファイル情報へのアドレスへのポインタが関連付けて保存される。
さらに記憶部1113は、無線通信装置1100が現在時刻よりも過去に接続したアクセスポイントの接続情報である接続実績情報を記憶する。
接続実績情報は、アクセスポイントへ接続が発生した時刻の順に、接続が発生した<時刻>と、その時刻の接続先の<基地局ID>とが関連付けられて構成されている(図33参照)。この接続実績情報は、WiMAXインターフェース部1002を介して接続先のアクセスポイントから通知(ここでは、WiMAX通信においてアクセスポイントから送信される鍵を含む認証応答)を受けたタイミングで接続実績情報更新部1114によって更新される。
接続実績情報更新部1114は、制御部1109を介して認証処理部1106からの通知を受けて、記憶部1113に記憶される接続実績情報へ現在時刻と、認証に成功したアクセスポイントの基地局IDについて登録処理を行う。具体的には、接続実績情報更新部1114は、記憶部1113から接続実績情報を読み出して、この読み出した接続実績情報に対して、認証処理に成功したアクセスポイントの基地局IDと無線通信システム900から取得した現在時刻を記録する。
次に、本発明の実施の形態4に係る無線通信装置1100の接続方法について説明する。
図28は、本発明の実施の形態4に係る無線通信装置におけるアクセスポイント接続を説明するフローチャートである。
無線通信装置1100は、異なるサービスエリア間を移動しながら、スケジュール情報、接続実績情報等を用いて、各サービスエリアに存在するアクセスポイントへの接続を行う。
ここでは、図26に示す無線通信システム900において、無線通信装置1100が、記憶部1113に格納されたスケジュール情報を含むスケジュールテーブルに従って、サービスエリアE21、E22、E23の順に移動する場合のアクセスポイント接続を例にして説明する。
図29は、無線通信装置の備えるスケジュールテーブルの一例を示す図である。
図29に示すスケジュールテーブル910は、移動先の<場所>及びその<場所>に位置する予定の<時刻>が関連付けられたスケジュールD11〜D17を備えている。
具体的には、無線通信装置1100は、無線通信システム900(図26参照)において、スケジュールテーブル(スケジュール情報)910(図29参照)のスケジュールD11の時刻12:00にサービスエリアE21へ到達しアクセスポイントA30へ接続して通信を行い、その後、移動してスケジュールD15の時刻14:40にサービスエリアE22へ到達しており、現在は、アクセスポイントA34へ接続しているものとする。そして、無線通信装置1100は、さらに移動してスケジュールD16の時刻15:00にサービスエリアE23へ移動を行う予定とする。
無線通信装置1100では、現在接続中のアクセスポイントA34により発行された基
地局IDなどの情報を含むDL−MAPメッセージが、WiMAXインターフェース部1102により受信され、制御部1109を介して状態変化検出部1101へ通知される。
無線通信装置1100では、状態変化検出部1101は、現在接続中のアクセスポイントA34から受信した基地局IDなどの情報を含むDL−MAPメッセージの受信レベル(接続受信レベル)を測定する(ステップS50)。
また、状態変化検出部1101は、測定したDL−MAPメッセージ(現在接続中のアクセスポイントA34から受信した、基地局IDなどの情報を含む)の受信レベルが閾値以下となったかを判定する(ステップ51)。
閾値より大きければ、ステップS50に戻り、閾値以下であれば、状態変化検出部1101は、その旨を示す信号を、制御部1109を介してサービスエリア情報取得部1112に出力する。
すなわち、ステップS51では、通知を受けた状態変化検出部1101は、DL−MAPメッセージの受信レベルを測定し、測定した受信レベルが閾値以下となったかを判定する。受信レベルの閾値判定の結果、当該閾値以上であれば現在接続しているアクセスポイントA34への接続を継続させ、閾値以下であれば、制御部1109を介してサービスエリア情報取得部1112にその旨を通知する。
制御部1109を介して状態変化検出部1101からの通知を受けたサービスエリア情報取得部1112は、現在所属しているサービスエリアを提供しているアクセスポイント(ここではアクセスポイントA34)に対して、隣接、または周辺に位置しているサービスエリア情報の取得要求を行って、サービスエリア情報を取得する(ステップ52)。
なお、サービスエリア情報を取得すると、サービスエリア情報取得部1112は、サービスエリア情報取得確認を示す信号を、制御部1109を介してプロファイル情報取得部1111に出力する。
具体的に、ステップS52では、制御部1109からの通知を受けたサービスエリア情報取得部1112は、現在所属しているサービスエリアを提供しているアクセスポイントA34に対して、隣接、または周辺に位置しているアクセスポイント情報の取得要求を制御部1109、WiMAXインターフェース部1102を介して通知する。通知を受けた制御部1109は、サービスエリア情報の取得要求をWiMAXインターフェース部1102に対して出力する。WiMAXインターフェース部1102は、サービスエリア情報取得部1112によって出力された信号を、アクセスポイントA34へ送信する。サービスエリア情報の取得要求を受けたアクセスポイントA34は、近隣に位置するアクセスポイントの情報を通知する近隣接続情報通知部を使って、無線通信装置へサービスエリア情報を送信する。具体的には、サービスエリア情報要求受付部で、無線通信装置1100(詳細には図27に示すサービスエリア情報取得部1112)からのサービスエリア情報取得要求を受ける。アクセスポイントでは、サービスエリア情報取得要求を受けると、記憶部から、サービスエリア情報要求元の無線通信装置1100が現在位置するサービスエリア及び現在位置するサービスエリアとは異なる近隣のサービスエリアを構成するアクセスポイントを示すサービスエリア情報(当該アクセスポイントが形成するサービスエリア、当該サービスエリアに隣接するサービスエリア及び周辺のサービスエリアのそれぞれに属するアクセスポイント)を読み出し、近隣接続情報通知部を介して、サービスエリア情報要求元の無線通信装置1100に送信する。
アクセスポイントA34から送信されたサービスエリア情報は、無線通信装置1100
のWiMAXインターフェース部1102によって受信され、受信した信号は制御部1109を介してサービスエリア情報取得部1112へ通知される。サービスエリア情報取得部1112は、取得したサービスエリア情報を記憶部1113に保存し、取得したサービスエリア情報の保存を確認するとその旨が制御部1109を介してプロファイル情報取得部1111へ通知される。
ここで、取得するサービスエリア情報のデータ構造について説明する。
図30は、アクセスポイントから取得して記憶部1113に保存されるサービスエリア情報の一例を示す図である。
図30に示すサービスエリア情報取得部1112によって取得されるサービスエリア情報330、331は、無線通信装置1100の周囲に位置するアクセスポイントの情報を示す。これらサービスエリア情報330、331は、本実施の形態ではテキストベースで構成され、サービスエリア情報取得部1112により少なくとも一方が取得されるものとする。
図30Aに示す第1サービスエリア情報330は、<アクセスポイント情報>と<位置情報>の二種類の情報を含む。
<アクセスポイント情報>は、現在接続しているアクセスポイント、または周辺に位置するアクセスポイントの基地局ID(各アクセスポイントを特定可能なID)を示し、<位置情報>は現在接続しているアクセスポイントとの位置関係を示す。
ここでは、サービスエリア情報330における現在接続中のアクセスポイントの位置情報を「0(ゼロ)」で示す。また、サービスエリア情報300において、マイナスの符号が付けられている位置情報は、接続中のアクセスポイントから数えて整数個分、移動方向とは逆の後方に位置するアクセスポイントを示す。例えばA34に対応付けられた<位置情報>「−1」は、移動方向とは逆の後方に位置するアクセスポイントであり、現在接続中のアクセスポイントに対して一つ隣のアクセスポイントであることを示す。
さらに第1サービスエリア情報330において、整数で示す<位置情報>は、接続先のアクセスポイントから整数個分、移動方向に位置するアクセスポイントを示す。例えば、A35に対応付けられた<位置情報>「1」は、現在接続中のアクセスポイントA34の一つ隣のアクセスポイントA35であることを示す。
また、図30Bに示す第2サービスエリア情報331は、第1サービスエリア情報330と異なり、ここでは、<接続アクセスポイント>、<隣接アクセスポイント>及び<周辺アクセスポイント>の三種類の情報を有する。
第2サービスエリア情報331は、<接続アクセスポイント>によって、現在接続しているアクセスポイントとして基地局ID「A34」のアクセスポイントを示している。また、<隣接アクセスポイント>によって、現在接続しているアクセスポイントに隣接しているアクセスポイントとして基地局ID「A33」、「A35」のアクセスポイントを示している。また、<周辺アクセスポイント>によって、隣接しているアクセスポイントを除く、周辺のアクセスポイントとして基地局ID「A30」、「A31」、「A32」、「A36」を示している。なお、これら<接続アクセスポイント>、<隣接アクセスポイント、<周辺アクセスポイント>で示すアクセスポイントは、それぞれ上述した所定の異なるサービスエリアを形成している。
このような第1サービスエリア情報330及び第2サービスエリア情報331の一方がサービスエリア情報取得部1112により取得される。
これら第1サービスエリア情報330及び第2サービスエリア情報331の一方がサービスエリア情報取得部1112により取得されて記憶部1113に保存されると、サービスエリア情報とともに保存確認を示す信号が、制御部1109を介してプロファイル情報取得部1111に入力される。
制御部1109を介してサービスエリア情報取得部1112からの信号を受けたプロファイル情報取得部1111は、取得したサービスエリア情報のアクセスポイントに対応するプロファイル情報を、予め記憶部1113に記憶されたスケジュール情報(ここでは、図29に示すスケジュールD11、D12、D13、D14、D15、D16、D17等)を用いて、不揮発記憶部1108から読み出す。
加えて、プロファイル情報取得部1111は、その後、記憶部1113上にプロファイル情報を保存する。プロファイル情報が記憶部1113に保存されると、その旨が制御部1109を介して優先順位設定部1110へ通知される(ステップ53)。
図31は、本実施の形態4の無線通信装置において、プロファイル情報取得部が、不揮発性記憶部から読み込むプロファイル情報の一例を示す図である。なお、図31に示すプロファイル情報P40、P41、P42、P43、P44、P45、P46は、ここでは、スケジュール情報に対応している。
図31に示すプロファイル情報は、例えば、テキストベースで構築され、サービスエリアを構成する各アクセスポイントである基地局A30〜A36の各プロファイル情報をプロファイル情報P40〜P46で示している。
図31では、プロファイル情報P40は、サービスを提供しているアクセスポイントを特定するための基地局IDとしての「A30」、スキャニングに使用する周波数「2.5GHz」及びベーシックケーパビリティ変換に使用するデジタル変調方式「OFDM」、「BPSK」を有する。なお、基地局ID「A30」が示すアクセスポイントは、サービスエリアE21に属する。同様に、プロファイル情報P41は、サービスを提供しているアクセスポイントを特定するための基地局IDとしての「A31」、スキャニングに使用する周波数「2.5GHz」及びベーシックケーパビリティ変換に使用するデジタル変調方式「OFDM」を有する。なお、基地局ID「A30」、「A31」が示すアクセスポイントは、サービスエリアE21に属する。以下、同様にプロファイル情報P42〜P46は、基地局ID、スキャニングに使用する周波数情報、ベーシックケーパビリティ変換に使用するデジタル変調方式などの情報を有している。
ステップS53では、プロファイル情報取得部1111は、スケジュールテーブル910のスケジュール情報(例えばスケジュールD11〜D17)に設定の<場所>を参照することで、<場所>にリンクされた情報を読み出す。
図32は、プロファイル情報取得部によるスケジュールテーブルを用いたプロファイル情報の読み出しの説明に供する図である。
図32のように、記憶部1113では、スケジュールテーブルにおける<場所>の情報が一次元配列で管理され、個々の配列に、不揮発性記憶部1108に格納されているプロファイル情報へのアドレスへのポインタが関連付けられている。また、記憶部1113は、各スケジュールに対してアドレス「1000a」、「1002a」、「1004a」、
「1006a」、「1008a」、「1010a」、「1012a」を付与して保存している。
これにより、プロファイル情報取得部1111は、記憶部1113のスケジュールにおける<場所>を読み出すことで、読み出した<場所>に関連付けられているポインタを用いて不揮発性記憶部1108から、ポインタの示すアドレスのプロファイル情報を読み出すことができる。
以上のようなプロファイル情報取得部1111による、プロファイル情報の読み出し終了後、プロファイル情報取得部1111は、制御部1109を介して、優先順位設定部1110に読み出し終了を通知する。
プロファイル読み出しの終了通知を受けた優先順位設定部1110は、サービスエリア情報及び接続実績情報を参照して、プロファイル情報取得部1111によって取得されたプロファイル情報の優先順位付けを行う(ステップ54)。
ステップS54におけるプロファイル情報の優先順位設定処理では、サービスエリア情報取得部1112が第1サービスエリア情報330を取得した場合と、第2サービスエリア情報331を取得した場合とで異なる設定方法が用いられる。
<第1サービスエリア情報330を取得した場合>
優先順位設定部1110は、始めに、サービスエリア情報取得部1112より取得された第1サービスエリア情報330(図30Aを参照)を利用して、使用する可能性の高い順にプロファイル情報の選定を行う。
サービスエリア情報取得部1112により取得された第1サービスエリア情報330には、アクセスポイントを特定可能な基地局IDと、その基地局IDを有するアクセスポイントの位置情報が記載されており、位置情報を参照することで移動方向に位置するアクセスポイントで最も近隣にあるアクセスポイントを特定する。この場合、位置情報が1となっている基地局ID「A35」を有するアクセスポイントが最も接続する可能性の高いアクセスポイントであると特定する。よって、優先順位設定部1110は、基地局ID「A35」が記載されているプロファイル情報P45を最も優先順位の高いプロファイル情報として設定する。
次に、優先順位設定部1110は、サービスエリア情報330を参照し、基地局ID「A36」を有するアクセスポイントを移動方向に位置するアクセスポイントの中で、二番目に接続可能性が高いアクセスポイントと判断する。よって、基地局ID「A36」が記載されているプロファイル情報P45を二番目に優先順位の高いプロファイル情報として設定する。このように移動方向に位置するアクセスポイントへ接続するためのプロファイル情報への優先順位付けが終了すると、残りのプロファイル情報についても優先順位の設定処理を行う。
また、優先順位設定部1110は、現在の位置情報から近い順に、移動方向とは逆の方向に位置するアクセスポイントへの接続に必要なプロファイル情報の優先順位付けを行う。この場合、サービスエリア情報330の位置情報より、現在位置から近い順に基地局IDを並べると、「A34」→「A33」→「A32」→「A31」→「A30」となること判断する。よって、優先順位設定部1110は、各基地局ID「A34」、「A33」、「A32」、「A31」、「A30」の情報が記載されているプロファイル情報の優先順位付けを降べきの順で行い、P44→P43→P42→P41→P40と優先順位付けする。
以上のように、優先順位設定部1112が第1サービスエリア情報330を利用したプロファイル情報の優先順位設定処理を行う場合、アクセスポイントA34から取得したサービスエリア情報330に記載のアクセスポイント情報、位置情報を利用することで、プロファイル情報(図31参照)へ優先順位を設定する。
本実施の形態における状況では、無線通信装置1100では、優先順位設定部1110は、プロファイル情報P40、P41、P42、P43、P44、P45、P46に対してプロファイル情報P45→P46→P44→P43→P42→P41→P40と接続先の優先順位を設定する。
<第2サービスエリア情報331を取得した場合>
優先順位設定部1110は、始めに、サービスエリア情報取得部1112により取得された第2サービスエリア情報331を利用して、使用する可能性の高いプロファイル情報の選定を行う。
サービスエリア情報取得部1112により取得された第2サービスエリア情報には、アクセスポイントを特定可能な基地局IDが記載されている。
優先順位設定部1110は、次に接続する可能性の高い隣接するアクセスポイントの基地局ID、つまり、<隣接アクセスポイント>に属する基地局IDを読み出し、該当する基地局IDが関連付けられたプロファイル情報の選択を行う。図30Aに示す第2サービスエリア情報331では、隣接するアクセスポイントの基地局IDは、「A33」、「A35」となる。よって、基地局ID「A33」、「A35」が関連付けられたプロファイル情報P43、P45が、使用される可能性の高いプロファイル情報として不揮発記憶部1108から選択される。
次に、優先順位設定部1110は、記憶部1113に記憶された接続実績情報の参照を行いプロファイル情報の最終的な優先順位を決定する。
図33は、記憶部に記憶された接続実績情報の一例を示す図であり、図33に示す接続実績情報テーブル332では、無線通信装置1100が現在時刻よりも過去に接続したアクセスポイントの情報(過去にアクセスポイントに接続した<時刻>及びその<時刻>における接続先の<基地局ID>)が、接続の発生した時刻の順に格納されている。例えば、図33の接続実績情報テーブル332では、<時刻>12:00、<基地局ID>A30と記載されている場所は、時刻12:00に基地局ID「A30」のアクセスポイントへ接続があったことを示している。
このように構成された接続実績情報テーブル332を、記憶部1113から読み出すことによって、優先順位設定部1110は、移動過程における基地局ID「A30」、「A31」、「A32」、「A33」、「A34」を有するアクセスポイントへ接続したことを判断できる。つまり、優先順位設定部1110は、基地局ID「A30」、「A31」、「A32」、「A33」、「A34」を有するプロファイル情報は、無線通信装置1100の移動過程において既に使用されたものであると判断し、基地局ID「A30」を有するアクセスポイントA30、基地局ID「A31」を有するアクセスポイントA31、基地局ID「A32」を有するアクセスポイントA32、基地局ID「A33」を有するアクセスポイントA33、基地局ID「A34」を有するアクセスポイントA34へ接続するために必要なプロファイル情報の優先順位を低いと判断する。
以上のことから、優先順位設定部1110は、最も接続可能性の高いアクセスポイント
は、移動過程において接続実績がなく、かつ隣接するアクセスポイントA35(基地局ID「A35」を有するアクセスポイント)であることを特定し、基地局ID「A35」が記載されているプロファイル情報P45を最も優先順位の高いプロファイル情報として設定する。
次に、優先順位設定部1110は、二番目に優先順位の高いプロファイル情報を決定する。具体的には、優先順位設定部1110は、周辺に位置するアクセスポイント(図30Bの第2サービスエリア情報331に記載の<周辺アクセスポイント>)であり、かつ接続実績情報332(図33参照)に記録されていないアクセスポイントの特定を行う。
ここでは、優先順位設定部1110は、第2サービスエリア情報331(図30B参照)及び接続実績情報テーブル332(図33参照)を用いて、基地局ID「A36」を有するアクセスポイントが条件に合致したアクセスポイントであると判断し、基地局ID「A36」が記載されているプロファイル情報P46を2番目に優先順位の高いプロファイル情報として設定する。
次に優先順位設定部1110は、第2サービスエリア情報331(図30B参照)及び接続実績情報テーブル332(図33参照)を用いて、現在接続中のアクセスポイントA34への接続に使用したプロファイル情報P44、その他、過去に使用したプロファイル情報P40、P41、P42、P43の優先順位設定処理を行う。
ここでは、優先順位設定部1110では、無線通信装置1100が現在位置している地点M22からさらに移動する状況を考えた場合、過去に使用したプロファイル情報であるほど、使用される可能性は低いと判断される。よって、優先順位設定部1110は、最近使われたプロファイル情報から順に優先順位付けを行う。
優先順位設定部1110は、記憶部1113から接続実績テーブル(接続実績情報)332の読み出しを行い、現在時刻から近い順に<基地局ID>の読み出しを行う。読みだした<基地局ID>を利用して、記憶部1113からプロファイル情報を読み出し、優先順位付けを行う。つまり、接続実績情報332から読みだされた基地局IDの順番で、その基地局IDが記載されているプロファイル情報へ優先順位が設定される。
例えば、優先順位設定部1110は、接続実績情報332を用いて、最近接続したアクセスポイントの基地局IDの読み出しを行う。この場合、<時刻>14:40と、この<時刻>に接続した基地局ID「A34」を読み出すこととなる。
優先順位設定部1110は、読みだした基地局ID「A34」を有するプロファイル情報P44を不揮発性記憶部1108から読み出し、過去に使用されたプロファイル情報の中で最も優先順位の高いプロファイル情報として設定する。
優先順位設定部1110は、同様にして、プロファイル情報P43、P42、P41、P40にも優先順位を設定し、先に優先順位付けしたプロファイル情報P45、P46を含めて、最終的には、プロファイル情報P45→P46→P44→P43→P42→P41→P40と優先順位を設定する。
以上のように優先順位付けを行った後、優先順位設定部1110は、制御部1109を介して優先プロファイル情報選択部1107へ優先順位設定終了を通知する。
優先順位設定終了を受けて、優先プロファイル情報選択部1107は、優先順位の最も高いプロファイル情報P43を選択し、記憶部1113から読み出す(ステップ55)。
優先プロファイル情報選択部1107によるプロファイル情報の読み出しが終了すると、優先プロファイル情報選択部1107の終了通知が、制御部1109を介して、スキャニング部1103へ通知される。
スキャニング部1103は、基地局から発する電波のスキャニング処理を行う(ステップ56)。
ステップS56では、無線通信装置1100は、スキャニング部1103においてプロファイル情報(例えば最優先順位付けられたA35)に記述されている周波数情報、デジタル変調方式情報を利用して、無線区間の走査及び同期処理を行い、当該プロファイル情報が示すアクセスポイント(例えばアクセスポイントA35)と通信が可能であるかを判定する。ここで、通信が不可能であると判断された場合、ステップ55へ戻り次の優先順位を設定するためにプロファイル情報の選択を行う。
具体的には、接続先としたアクセスポイント(例えば、アクセスポイントA35)から発する電波には、様々なパラメータ(周波数情報、基地局ID、デジタル変調方式、送信タイミングなどのパラメータ)が含まれており、WiMAXインターフェース部1102により受信された上記パラメータは、制御部1109を介して、スキャニング部1103へ通知される。
スキャニング部1103は、優先プロファイル情報選択部1107によって優先順位の順に選択されたプロファイル情報(例えば、プロファイル情報「P45」)に記述されている周波数情報、基地局ID、デジタル変調方式が一致しているかの確認を行い、一致する場合はアクセスポイントA35との通信が可能であると判断する。プロファイル情報(例えば、プロファイル情報「P45」)に記載の情報と一致しない場合は、ステップ54へ戻り次の優先順位付けするプロファイル情報の選択を行う。
スキャニング部1104におけるスキャニング処理の結果、アクセスポイントA35との通信が可能であると判断された場合、制御部1109を介してレンジング部1104へその旨を通知する。
スキャニング部1103の通知を受けたレンジング部1104は、スキャニング部1104によって認識した送信タイミングで、無線LAN通信環境におけるプローブ要求及び接続要求に相当する要求MAC(Media Access Control)メッセージの送信を行う。送信された要求MACメッセージは、制御部1109を介してWiMAXインターフェース部1102へ出力される。WiMAXインターフェース部1102は、出力された要求MACメッセージをアクセスポイントA33へ送信する。
アクセスポイント要求MACメッセージの応答は、WiMAXインターフェース部1102を介して制御部1109へ通知される。すなわち、アクセスポイント要求MACメッセージの応答有りの通知を受けた制御部1109は、レンジング良好と判断(ステップS57)し、その旨をベーシックケーパビリティ交換部1105へ通知する。
ベーシックケーパビリティ交換部1105は、アクセスポイント(例えばアクセスポイントA35)と無線パラメータのネゴシエーションを行うことで通信能力の交換を行う(ステップ58)。
具体的には、無線通信装置1100が通信を行う際に、どのような変調方式を使用するか、またはどの周波数帯域を使用するかなどの情報を含むパラメータを、プロファイル情
報P43から読み出しWiMAXインターフェース部1102へ出力する。WiMAXインターフェース部1102は、出力された上記パラメータをアクセスポイント(例えばアクセスポイントA35)へ送信する。アクセスポイント(例えばアクセスポイントA35)では、受信した上記パラメータの情報を解析し、それが許可できる機能であるかどうかを判断する。許可できる場合はその旨をレスポンスとして返し、許可できない場合は、許可できるパラメータを決定し、その情報をレスポンスとして送信する。
次の接続先と予測したアクセスポイント(例えばアクセスポイントA35)からのレスポンスは、無線通信装置1100のWiMAXインターフェース部1102により受信され、制御部1009を介して、レンジング部1104へ通知される。アクセスポイントA33からのレスポンスがあったレンジング部1104は、制御部1109を介して認証処理部1106へその旨を通知する。
レンジング部1104からの通知を受けた認証処理部1106は、アクセスポイントA33への認証要求を行い、アクセスポイント(例えばアクセスポイントA35)からデータを暗号化するための鍵を取得する(ステップS59)。
具体的には、認証処理部1106は、無線通信装置1100が保持する暗号化アルゴリズムを記述したX.509証明書を、WiMAXインターフェース部1102を介してアクセスポイント(例えばアクセスポイントA35)へ送信する。上記証明書を受信した、アクセスポイント(例えばアクセスポイントA35)は、無線通信装置1100の属性をチェックし、使用する暗号化アルゴリズムとプロトコルを決定する。そして、無線通信装置1100で使用する鍵が含まれた認証応答を返す。認証応答は、WiMAXインターフェース部1102、制御部1109を介して、認証処理部1106へ通知される。
制御部1109からの通知を受けた認証処理部1106は、接続実績情報更新部1114に対して接続実績情報332の更新処理を要求する。
接続実績情報更新部1114は、制御部1109を介して認証処理部1106から更新処理要求の通知を受け取ると、接続実績情報332へ現在時刻と、認証に成功したアクセスポイントの基地局IDについて登録処理を行う(ステップS60)。
具体的には、認証処理部1106からの通知を受信した接続実績情報更新部1114は、記憶部1113から読み出した接続実績情報332に対して、認証処理に成功したアクセスポイントの基地局IDとシステムから取得した現在時刻を接続実績情報332へ記録する。
以上のように、本実施の形態4の無線通信装置1100によれば、サービスエリア情報、接続実績情報に基づいたプロファイル情報の優先順位付けを行うことで、スケジュールによる移動過程において、予め設定した所望のアクセスポイントへの接続要求を行うだけでよく、当該アクセスポイントへ迅速な接続を行うことができ且つ消費電力の低減を図ることができる。
なお、実施の形態4の無線通信装置(携帯端末)1100における優先順位設定部1110におけるプロファイル情報の優先順位付けは、無線通信装置200を備える無線通信システム100、無線通信装置500を備える無線通信システム400及び無線通信装置(携帯端末)800を備える無線通信システム700についても適用できる。
この場合、各無線通信システム100、400、700における無線通信装置200、500、800において、優先順位設定部211、504、808と優先順位設定部11
10とを置き換える。加えて、各無線通信装置200、500、800において、接続実績情報更新部1114を追加し、更に、各サービスエリア情報取得部204、812において、図30に示す第1サービスエリア情報330、第2サービスエリア情報331を取得可能な構成とする。
なお、ここでは、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明をソフトウェアで実現することも可能である。例えば、本発明に係るアクセスポイントの接続方法のアルゴリズムをプログラム言語によって記述し、このプログラムをメモリに記憶しておいて情報処理手段によって実行させることにより、本発明に係る無線通信装置と同様の機能を実現することができる。
2007年3月15日出願の特願2007−67639の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。