以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システムは、IEEE802.19.1標準が実装され、TV White Space(TVWS)存在する場合においても互いに共存処理を行うことが可能なシステムである。但し、本発明を適用した通信システムは、これに限定されるものではなく、TVWS以外の空間においても、他のいかなるシステム間の共存処理において適用してもよい。
本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1は、図1に示すように、一つのCDIS(Coexistence Discovery and Information Server)2と、このCDISとの間で情報を送受信可能な複数のCM(Coexistence Manager)3と、これら各CM3との間で情報を送受信可能なCE4(Coexistence Enabler)とを備えている。この図1では、CDISとの間で情報を送受信可能な2つのCM3a、3bと、このCM3aの管轄に入っており、このCM3aのみと情報を送受信できる2つのCE4a−1、4a−2と、CM3bの管轄に入っており、このCM3bのみと情報を送受信できる1つのCE4bとを備えている場合を例にとり説明をするが、これに限定されるものではない。また、CDIS2は、一つのみ設けられている場合に限定されるものではなく、複数に亘り設けられるものであってもよい。仮に複数のCDIS2が設けられる場合には、互いに同期をとる必要がある。
また、この無線通信ネットワーク間の共存システム1は、外部にあるTVWSのデータベース5との間でも情報を送受信可能とされている。具体的には、CDIS2又はCM3が、このデータベース5との間で情報を送受信可能とされている。
この本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1は、そのシステム外にある複数の無線通信ネットワーク6間において互いに通信干渉が生じないようにして隣接空間において互いに共存しえるような共存処理を実行していく。CE4は、その共存処理対象としての無線通信ネットワーク6に実装されている。無線通信ネットワーク6は、当該ネットワークの基地局としての役割を担うコーディネータ61と、かかるコーディネータ61との間で無線通信可能な複数のデバイス62を有している。
一のCEはそれぞれ割り当てられた一の無線通信ネットワーク6のコーディネータ61内に設けられる。例えば、CE4a−1は、割り当てられた無線通信ネットワーク6a−1におけるコーディネータ61a−1内に実装される。CE4a−2は、割り当てられた無線通信ネットワーク6a−2におけるコーディネータ61a−2内に実装される。CE4bは、割り当てられた無線通信ネットワーク6bにおけるコーディネータ61b内に実装される。
以下、本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1の各構成要素について詳細に説明をする。
CDIS2は、少なくとも無線通信ネットワーク6間における共存処理に関する各種情報が記述され、またCM3が実際に共存処理の制御を行う場合において、自身に格納されている各種有用な情報を提供するサーバーである。また、このCDISは、TVWSのデータベース5にアクセスし、そのTVWSにおけるプライマリユーザとの共存を行う上で必要な、使用可能な情報を取得してこれを蓄積する。またCDIS2は、CM3毎にその管轄するCE4を記憶する。
CM3は、必要に応じて共存処理に関する意思決定を行う。このCM3は、共存処理に関する各要求コマンド、又は応答コマンドを生成し、これをCDIS2やCE4へ送信する。また、このCM3は、CDIS2やCE4から送信されてきた各要求コマンド、又は応答コマンドを受信して共存に関する各種意思決定を行い、又は処理動作を実行することになる。また、CM3は、CE4自体が共存に関する意思決定を行わない場合には、このCE4に代わってその意思決定を代行する場合もある。またCM3はTVWSとの共存処理を行う場合においても、共存制御を自ら実行し、又はこれを補助する役割も担う。ちなみに、このCM3は、それぞれのCE4の管轄が割り当てられている。なお、このCM3は、コーディネータ61に実装されるものであってもよいし、インターネット上において個別に設けられるものであってもよい。
図2は、本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1における階層構造の模式的に示している。この図2によれば、例えばCM3aの管轄としては、CE4a−1、CE4a−2、CE4a−3が割り当てられている。CM3bの管轄としては、CE4b−1、CE4b−2、CE4b−3、CE4b−4が割り当てられている。またCM3cの管轄としては、CE4c−1、CE4c−2、CE4c−3が割り当てられている。例えばCM3aは、自らの管轄内にあるCE4a−1、CE4a−2、CE4a−3がそれぞれどのチャネルを利用しているのか、その通信範囲はどの程度か、どの通信規格か、等といった各種通信情報を基本的に全て把握しようとする。把握した通信情報は、CM3内にある図示しない記憶部に記憶される。また自己の管轄内にあるCE4に関する通信情報が更新された場合には、随時アップデートされる場合もある。なお、CM3aは、他のCM3b等の管轄下にあるCE4b−1〜CE4b−4についての通信情報は、当初の段階では分からない状態となっている。
ちなみに、ここでいう通信情報は、チャネル情報に加えて、CM3のIDやネットワークID、サービスエリア、ネットワークの規格や通信方式、各種意思決定の方法等、通信に関するあらゆる情報が含まれる。
CE4は、無線通信ネットワーク6におけるコーディネータ61並びにデバイス62間と、CM3との間における通信を中継し、また共存に関する各種処理を実行するイネーブラーである。このCE4は、実際に無線通信ネットワーク6におけるコーディネータ61内に実装され、そのコーディネータ61によって生成され、又はデバイス62から受信した、共存に関する各種要求や応答をCM3へ送信する。また、このCE4は、CM3から送信されてくる、共存に関する各種要求や応答をコーディネータ61やデバイス62へ送る。CE4は、あくまでイネーブラーとしての役割が主たるものであって、送受信する信号を必要に応じて他の規格のものに置き換えたり、送受信する信号を他の信号に変換する処理を担う。即ち、図1におけるCE4とコーディネータ61との間における点線矢印は、何れもイネーブルを意味する。このCE4は、CM3の下に管轄グループに分かれ、一のCE4が2以上のCM3の管轄グループに属することは無い。
なお、CE4は、それぞれ無線通信ネットワーク6に実装されることから、CE4の判断は、無線通信ネットワーク6(コーディネータ61、デバイス62を含む)自身の判断を代表しているといえる。
TVWSのデータベース5は、プライマリユーザによって既に占有されているチャネルのリストを格納するデータベースである。また、このTVWSのデータベース5は、既に占有されていないチャネルのリストも格納する。
デバイス62は、IEEE802標準に基づいてコーディネータ61との間で無線パケット通信を行うことができ、更にはコーディネータ61を介して他のデバイス62との間で無線パケット通信を行うことができる。このデバイス62は、例えば携帯電話、パーソナルコンピュータ(PC)等を初めとしたモバイル端末等である。
コーディネータ61も同様に上述したデバイス62と構成を同一とするものであってもよい。このコーディネータ61は、無線通信ネットワーク6内における中央制御ユニットとしての役割を担う。また、コーディネータ61にはCE4を装着可能な図示しない装着部が設けられていてもよい。
ちなみに、この無線通信ネットワーク6内には、当該ネットワーク6内の通信を制御するための通信制御局が別途設けられていてもよい。
次に、本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1における共存処理動作のコンセプトについて説明をする。
先ず図3(a)に示すように、CE4a−1が実装された無線通信ネットワーク6a−1と、CE4a−2が実装された無線通信ネットワーク6a−2とが十分離間していて、通信可能範囲が重複しない場合には、何ら共存処理を行う必要がない。これに対して図3(b)に示すように、CE4a−1が実装された無線通信ネットワーク6a−1と、CE4a−2が実装された無線通信ネットワーク6a−2とが接近している場合には、互いに通信可能範囲が重複するため干渉領域が形成されることになり、このまま通信を開始すると無線通信ネットワーク6間において干渉が生じてしまう。この干渉領域が形成される程度まで接近している他の無線通信ネットワーク6を以下、隣接する他の無線通信ネットワーク6という。
このような隣接する他の無線通信ネットワーク6が存在する場合には、共存処理を行う必要がある。この共存処理の最も一般的なものとしては、CE4a−1側から共存処理を行う場合において、隣接する他の無線通信ネットワーク6が何であるかを識別する。このとき、無線通信ネットワーク6と、CE4とが一対一対応の場合には、かかる無線通信ネットワーク6のネットワークIDを介して識別を行うことが可能となる。そして、識別した隣接する他の無線通信ネットワーク6a−2において実際に使用されているチャネルを識別する。仮に無線通信ネットワーク6a−1がチャネルAであり、無線通信ネットワーク6a−2がチャネルBであれば、特に干渉は生じない。これに対して、無線通信ネットワーク6a−1がチャネルAであり、無線通信ネットワーク6a−2がチャネルAであれば、干渉が生じるため、無線通信ネットワーク6a−1のチャネルを他に切り替える共存処理を行う必要性が生じる。
但し、このときCE4a−1は、隣接する他の無線通信ネットワーク6a−2が現在どのチャネルを使用しているのか、他の無線通信ネットワーク6a−2についてのいわゆる通信情報を取得する必要がある。
CE4a−1自身で、或いは無線通信ネットワーク6a−1自身で、同じ管轄グループ内の各CE4(無線通信ネットワーク6)について、下記の表1に示すように、CE4の種別毎にそれぞれの通信情報を取得している場合がある。但し、CE4自身がこの表1のようなリストを取得している場合は、かかるCE4が実装されたコーディネータ61自体が共存に関する意思決定を行うことができる場合である。かかる場合には、その通信情報を参照してチャネルを他に切り替える共存処理を行うことができる。
これに対して、CE4a−1自身が、或いは無線通信ネットワーク6a−1自身が、同じ管轄グループ内の各CE4(無線通信ネットワーク6)ではなく、他のCM3bの管轄下にある4b−1、4b―2管轄のCM3bについて通信情報をもっていない場合について通信情報を取得できていない場合がある。
このため、かかる隣接する他の無線通信ネットワーク6a−2についての通信情報をCDIS2に問い合わせる必要性が出てくる。
表2は、各CM3a、CM3b、CM3cにおいて、自己の管轄内にあるCE4について取得している通信情報の例である。CM3aは、自己の管轄内にある全てのCE4a−1〜4a−3の属するそれぞれの無線通信ネットワーク6の通信情報を取得しているが、他のCM3b、CM3cの管轄内にあるCE4の通信情報は、当初の段階において取得することができない。他のCM3b、3cも自らの管轄内にあるCE4の通信情報のみ取得することができ、他のCM3の管轄内にあるCE4の通信情報は当初の段階において取得することができない。
このため、例えば図3(c)に示すように、隣接する他の無線通信ネットワーク6が、CM3aの管轄ではなく、CM3bの管轄下にある場合には、CE4a−1は単にCM3aに問い合わせるだけでは足りず、CDIS2に問い合わせる必要が出てくる。
表3は、CDIS2において格納されている通信情報テーブルの例である。
CDIS2には、複数のCM3から送信されてくる全ての通信情報に基づいて上述した通信情報テーブルが作成され、記憶されることになる。この通信情報テーブルは、それぞれCM3毎に分類され、さらにその分類されたCM3の管轄する全てのCE4が記述される。即ち、このCDIS2に記憶されている通信情報テーブルを参照することにより、全てのCE4における通信情報を把握することが可能となる。
なお、上述した表1〜表3では通信情報としてチャネルに関する情報を例に挙げて説明をしたが、これらはあくまで一例であって、他の通信情報についても同様に説明することが可能となる。
従って、図3(c)に示すように、隣接する他の無線通信ネットワーク6が、他のCM3の管轄下にある場合には、CDIS2に問い合わせをすることにより、かかる通信情報テーブルを参照することで、通信情報を全て把握することが可能となる。
本発明は、かかるコンセプトの下で、このCDIS2に記憶されている通信情報テーブルを参照することを必須のプロセスとして実行する。但し、この参照する通信情報テーブルが過去の通信情報が記述されているのでは、正確な通信情報を取得することができない。このため、実際に共存処理を開始する際には、先ずこのCDIS2に記憶されている通信情報テーブルを更新し、各CE4について最新の通信情報が書き込まれている状態としてから、CDIS2からCM3を介してCE4に通信情報を通知することになる。
以下、本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1の処理動作について説明をする。
先ず図4に示すように、CDIS2に記憶されている通信情報テーブルに対して最新の情報を登録する操作を行う。具体的には、ステップS11、S12においてかかる登録処理を実行する。
先ずステップS11においてCE4は、自己の属する無線通信ネットワーク6における通信情報をCM3へ送信する。このとき、CM3の管轄下にある全てのCE4から、その管轄元であるCM3に対してそれぞれの通信情報が送信されることを前提としているが、必ずしもこれに限定されるものではない。CM3は、自己の管轄下にある各CE4から送信されてきた通信情報を必要応じて登録する。
また、ステップS12において、CM3は、各CE4から送信されてきた通信情報をそれぞれ又はまとめてCDIS2へ送信する。CDIS2が複数のCM3からアクセス可能である場合には、その全ての複数のCM3から通信情報が送信されることを前提としているが、それに限定されるものではない。なお、図1中において、ステップS12が上位に、またステップS11が下位にきているが、何れを先に実行するようにしてもよい。
仮にステップS12を先に実行し、ステップS11を後に実行する場合には、先ずCM3内にある最新の通信情報をCDIS2へ送信した後、各CE4から通信情報が送信されてくる。そしてCM3は、かかるCE4からの通信情報に基づき自己の記憶しているCE4毎の通信情報を更新し、その後CDIS2へとこれを送信することになる。
CDIS2には、全てのCM3から通信情報が送信されてくる。ちなみに、このCM3から送信されてくる通信情報は、CE4からの最新の通信情報に更新されている。この通信情報には、CE4の属する無線通信ネットワーク6の最新の位置情報も当然に含まれることから、各無線通信ネットワーク6の最新の位置情報がCDISにおいて更新されていると考えることもできる。このため、CDIS2には、基本的には、全てのCE4から最新の通信情報(位置情報)が集められ、表3に示す通信情報テーブルが最新の状態に更新されることになる。
以上のステップS11、12は、いわゆる最新の通信情報を探索する探索ステップとされている。次にステップS13へと移行する。このステップS13以降では、実際に共存処理をおこなうための制御を行う、いわゆる共存制御ステップとなる。
ステップS13では、先ず、共存処理を試みようとする一のCE4から共存処理要求をCM3を介してCDIS2へ送信する。この共存処理要求には、隣接する他の無線通信システム6の存在と、例えばチャネル情報等を始めとしたその通信情報を問い合わせるためのコマンドが記述されている。CE4は、先ずCM3へこの共存処理要求を通知し、CM3は、自らのデータベースに記憶されている管轄内の他のCE4について隣接通信情報を確認する。その結果、CM3内のデータベースに隣接通信情報が格納されている場合には、CDIS2に問い合わせることなく、CE4へその隣接通信情報を送信する。これに対して、CM3内のデータベースに隣接通信情報が格納されていない場合には、CDIS2へかかる共存処理要求を送信する。かかる共存処理要求を受けたCDIS2は、ステップS11、12において作成した通信情報テーブルを参照し、当該一のCE4の属する無線通信ネットワーク6に隣接する他の無線通信ネットワーク6が何であるかを判別する。この判別は、通信情報の中の一つである各無線通信ネットワーク6の位置情報に基づいて判別するようにしてもよい。そして、この隣接する他の通信ネットワーク6の通信情報を通信情報テーブルから取得し、これをCM3を介して当該一のCE4へ送信する。
次にステップS14へ移行し、CE4は、共存処理のための各種意思決定を行う。なお、実際はCE4自身が意思決定を行っているのではなく、CE4が実装されたコーディネータ61が意思決定を行うことになる。このため、CE4が意思決定を行う場合というのは、CE4が装着されたコーディネータ61が実際に意思決定を行っているものと解される。このステップS14において、CE4は、自己が属する無線通信ネットワーク6に隣接する他の無線通信ネットワーク6における通信情報が既に送信されてきている。このためCE4は、この隣接する他の無線通信ネットワーク6の通信情報に基づいて、これと通信干渉を防止するための共存処理を実行する。
そして、このステップS14における共存処理の結果、CE4が実装されている無線通信ネットワーク6のチャネルを変更又は更新すべき旨等の意思決定を行った場合には、ステップS15において新たな通信条件の再設定を行う。この通信条件の再設定では、CE4が実装されている無線通信ネットワーク6について、新たに変更又は更新されたチャネルに再設定する処理を行う。その結果、これ以降の無線通信ネットワーク6におけるコーディネータ61とデバイス62との間における無線通信は、その新たに再設定された通信条件に基づいて、ひいては新たに再設定されたチャネルで行われる。
次にステップS16へ移行し、CE4からCM3に対して、再設定された通信条件に応じた新たな通信情報を更新する、いわゆる登録アップデートを行う。その結果、CM3において記憶されている各CE4の新たな通信情報が最新の状態に更新されることになる。
また、次にステップS17へ移行し、CM3からCDIS2に対して通信情報を更新する、いわゆる登録アップデートを行う。その結果、CDIS2において記憶されている全てのCM3の管轄下にある各CE4の通信情報が最新の状態に更新されることになる。
上述したステップS13からステップS17における共存制御ステップは、CE4a−1が共存処理を試みようとする場合を例に取ると以下のプロセスとなる。先ずCE4a−1は、共存処理要求をCM3aを介してCDIS2へ送信する。かかる共存処理要求を受けたCDIS2は、作成した通信情報テーブルを参照し、CE4a−1の属する無線通信ネットワーク6a−1に隣接する他の無線通信ネットワーク6が何であるかを判別する。最新の通信情報から現在の隣接する他の無線通信ネットワーク6は、無線通信ネットワーク6b−2であることが判別したものとする。かかる場合においてCDIS2は、その隣接する他の無線通信ネットワーク6b−2の通信情報を通信情報テーブルから取得し、これをCM3aを介して当該一のCE4a−1へ送信する。CE4a−1は、この送信されてきた通信情報を含む全ての情報を無線通信ネットワーク6におけるコーディネータ61へ渡す。コーディネータ61はかかる情報を受けて各種意思決定を行う。
CE4a−1(CM4a−1が実装されたコーディネータ61)は、ステップS14において共存処理を行う上で必要な意思決定を行う場合、隣接する他の無線通信ネットワーク6b−2の通信情報をこの段階で把握していることとなる。仮にCE4a−1の属する無線通信ネットワーク6a−1が、隣接する他の無線通信ネットワーク6b−2とチャネルが重複する場合、CE4a−1は、これと重複しないチャネルに変更していくことになる。そして、ステップS14における共存処理の結果、CE4a−1が実装されている無線通信ネットワーク6a−1のチャネルを変更又は更新すべき旨の意思決定を行った場合には、ステップS15において新たな通信条件の再設定を行う。次にCE4a−1は、ステップS16においてCM3aに対して登録アップデートを行い、更にステップS17においてCDIS2に対する登録アップデートが行われることになる。
上述した例では、あくまで共存処理の意思決定対象がCE4が実装されたコーディネータ61である場合について説明をしたがCE4は上述したようにイネーブラーとしての機能しか発揮しえない。かかる場合には、上述したCE4をコーディネータ61に読み替えるものとする。
なお、CDIS2の代替としてデータベース5を使用するようにしてもよい。かかる場合にはTVWSに関するチャネル情報も盛り込まれた情報がCE4へと送信されることになる。
本発明は、共存処理の意思決定対象が無線通信ネットワーク6である場合に限定されるものではない。例えば図5に示すように共存処理の意思決定対象がCM3であってもよい。以下、このCM3が共存処理の意思決定を行う場合の例について図面を参照しながら詳細に説明をする。
先ずステップS11、ステップS12の探索ステップは、上述した図5の処理と同一であるため、同一のステップ符号を付すことにより以下での説明を省略する。
ステップS21では、一のCM3からCDIS2に対して自身の管轄下にある全てのCE4について、それぞれの他の隣接する無線通信ネットワーク6における通信情報を取得したい旨の要求を送信する。かかる要求を受けたCDIS2は、ステップS11、12において作成した通信情報テーブルを参照し、当該一のCM3の管轄下にあるCE4に属する無線通信ネットワーク6に隣接する他の無線通信ネットワーク6が何であるかを判別する。そして、この隣接する他の通信ネットワーク6の通信情報を通信情報テーブルから取得し、これをCM3へ送信する。
次にステップS22へ移行し、CM3は、自己の管轄するCE4のうち何れかが共存処理を行いたい旨の要求信号を受ける。かかる信号を受けたCM3は、要求信号を受信した旨の応答を送信する。更に、このステップS22において、CE4が実装された無線通信ネットワーク6に関する詳細な情報を確認したい場合には、CM3とCE4との間で互いに通信を行うことにより情報の収集を行うことになる。
次にステップS23へ移行し、CM3は、その要求信号を送信したCEに隣接する他の通信ネットワーク6を特定する。そして特定した隣接する他の無線通信ネットワーク6の通信情報と、CE4が実装された無線通信ネットワーク6の通信情報とに基づいて、CM3は共存処理のための各種意思決定を行う。このステップS23において、CM3は、自己の管轄下にあるCE4の属する無線通信ネットワーク6に隣接する他の無線通信ネットワーク6の通信情報が既に送信されてきている。このためCM3は、この隣接する他の無線通信ネットワーク6の通信情報に基づいて、これと通信干渉を防止するための共存処理を実行する。
そして、このステップS23における共存処理の結果、その共存処理を要求してきたCE4が実装されている無線通信ネットワーク6のチャネルを変更又は更新すべき旨の意思決定を行った場合には、ステップS24において新たな通信条件の再設定の命令をCM3から行う。即ち、この通信条件の再設定では、CM3からCE4に対して、新たに変更又は更新されたチャネルに再設定する処理を行う。この図5の例では、あくまでCE4が実装されたコーディネーター61が自ら意思決定や再設定を行う能力を有しない場合を想定しているところ、CM3側からかかる意思決定や再設定をCE4に対して実行する必要がある。
また、次にステップS25へ移行し、CM3からCDIS2に対して通信情報を更新する、いわゆる登録アップデートを行う。その結果、CDIS2において記憶されている全てのCM3の管轄下にある各CE4の通信情報が最新の状態に更新されることになる。なお、このとき、CDIS2は、この内容と関係するCM3に対して通知するようにしてもよい。
このように、本発明では、共存処理の意思決定主体が、CM3であっても、CE4(コーディネータ61)であっても、IEEE802.19.1システムにおいて、隣接する他の無線通信システムを漏れなく見つけ出して、高精度な干渉防止のための共存処理を行うことが可能となる。
本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1は、上述した図4、5のフローチャートをベースにしたものであるが、その細かい処理フローは以下に説明するとおりである。
図6(a)は、ステップS11における処理の詳細を示している。先ず初回のみCE4からCEに対してCM_CE_Authentication_requestを送信する。このCM_CE_Authentication_requestは、CE4が自己の存在の認証をCM3に対して要求するための信号である。このCM_CE_Authentication_requestを受信したCM3は、かかる送信元のCE4の存在を認証する場合あるいは拒絶する場合に、CM_CE_Authentication_responseを当該CE4へ送信する。このCM_CE_Authentication_responseには、CM3が係る認証の可否が記述されているため、これを受信したCE4はその認証の結果を識別することが可能となる。
仮にCE4がCM3から認証を受けた場合には、CM_CE_Registration_RequestをCM3へ送信する。このCM_CE_Registration_Requestは、実際にステップS11においてCM3において送信すべき通信情報が含まれる。この通信情報の送信は、上述したように、隣接する他の無線通信ネットワーク6を高精度に発見するために必要になるものである。
CM_CE_Registration_Requestを受信したCM3は、送信されてきた通信情報を自己のデータベース内に登録を試みる。そして、その登録の成否についての情報を含めたCM_CE_Registration_responseを生成して、これをCE4へ送信する。CE4は、かかるCM_CE_Registration_responseを受信することにより、かかる登録の成否を判別することが可能となる。
図6(b)は、既にCE4からCM3へ通信情報の登録が行われた後に、再度CE4からCM3へ新たな通信情報を登録したり、既に登録された通信情報を更新する場合の例である。かかる場合には、既にCE4はCM3から認証を受けているため、CE4から先ずCM_CE_Registration_RequestをCM3へ送信し、通信情報の登録の成否をCM3からCE4へCM_CE_Registration_responseを介して送信することとなる。
図6(c)は、一度CM3に登録した通信情報の登録を解除し、ログオフする場合のフローチャートである。実際に、無線通信ネットワーク6は、場合よって無線通信ネットワーク間の共存システム1から抜けたい場合もある。かかる場合には、実際に無線通信ネットワーク間の共存システム1から抜ける前に、図6(c)に示すように登録解除、並びにログオフの処理を行う必要がある。
先ず、CE4からCM3に対してCM_CE_De-Registration _Requestを送信する。このCM_CE_De-Registration _Requestは、CM3のデータベースからCE4の登録情報を除去するためのメッセージである。このメッセージでは、消去されるべきネットワークIDも含まれている。
CM3は、このCE4から送信されてきたCM_CE_De-Registration _Requestを受信し、送信元のCE4について登録を解除するための処理を行う。そして、登録解除の成否をCM_CE_De-Registration_confirmに含めて、CE4へ送信する。ちなみに、このCM_CE_De-Registration_confirmには、更に登録解除の成否を示すためのステータス情報が記述されていてもよい。
このCM_CE_De-Registration_confirmを受信したCE4は、かかる登録解除の成否を確認することが可能となる。そしてCE4は、CM_CE_De-Authentication_RequestをCM3へ送信する。このCM_CE_De-Authentication_Requestは、ログオフを要求するためのメッセージであるが、ネットワークIDに関する情報や確認のためのパスワード等が含まれていてもよい。CM_CE_De-Authentication_Requestを受信したCM3は、送信元のCE4をログオフするための処理を行う。
更にCM3は、このCM_CE_De-Authentication_Requestに対する応答信号として、CM_CE_De-Authentication_ConfirmをCE4へ送信する。このCM_CE_De-Authentication_Confirmには、CE4のログオフの処理の成否情報、ステータス情報が記述される。CE4は、かかるCM_CE_De-Authentication_Confirmを読み取ることにより、CMにおけるログオフ処理の成否を識別することが可能となる。
図7は、CM3によりCE4が動作しているか否かを確認するためのフローチャートである。先ずCE4から最後のメッセージをCM3が受信した時点をスタート時とし、そこから所定時間カウントする。その所定時間カウントすることをタイマー1と称する。この所定時間経過後、CM3は、CE4が現時点において動作しているか否かを確認するためのメッセージCM_CE_SessionActive_RequestをCE4へ送信する。かかるCM_CE_SessionActive_Requestを受信したCE4がその時点においてまだ動作可能であれば、CM_CE_SessionActive_ConfirmをCM3へ送信する。このCM_CE_SessionActive_Confirmを受信したCM3が、かかるCE4が現時点においてまだ動作中であることを確認することが可能となる。またその時点において動作不能であれば、そもそもCM_CE_SessionActive_Requestを受信できたか否かの判断もできなくなることから、CM_CE_SessionActive_ConfirmをCM3へ送信することはできない。
CM_CE_SessionActive_Confirmを受信したCM3は、かかるCM_CE_SessionActive_Confirmが最後のメッセージとなるため、それを受信した時点をスタート時としたタイマー1を再度動作させる。そして、所定時間経過後、CM3は、CE4が現時点において動作しているか否かを確認するためのメッセージCM_CE_SessionActive_RequestをCE4へ送信する。以下の説明は、CM3がCM_CE_SessionActive_Confirmを受信することができなかった場合の処理フローである。CM3は、このCM_CE_SessionActive_Requestの送信時点から別のタイマー2を動作させて所定時間経過後に再度CM_CE_SessionActive_RequestをCE4へ送信する。
CE4からCM_CE_SessionActive_Confirmを受信することができない場合には、更に別のタイマー3を動作させて所定時間経過後に再度CM_CE_SessionActive_RequestをCE4へ送信する。このタイマー3を動作させて所定時間経過後まで、CE4からの応答が得られない場合には、CM3は、当該CE4について自己のデータベースから登録を解除し、またログオフ処理を実行していくことになる。
図8(a)は、ステップS11、12が完了していることを前提とした上での、ステップS13における処理の詳細を示している。
先ずCE4からCM3に向けてCM_CE_GetNeighbors_Requestを送信する。このCM_CE_GetNeighbors_Requestは、CE4が自己の属する無線通信ネットワーク6の周囲にある他の隣接する無線通信ネットワーク6の通信情報を要求するメッセージである。CM3はかかるCM_CE_GetNeighbors_Requestを受信した場合にCM_CE_GetNeighbors_Requestを新たに生成し、これをCDIS2へ送信する。CDIS2は、このCM_CE_GetNeighbors_Requestを受信した場合には、送信元のCE4の属する無線通信ネットワーク6に隣接する他の無線通信ネットワーク6が何であるかを判別する。そして、この隣接する他の通信ネットワーク6の通信情報を通信情報テーブルから取得し、これをCM_CDIS_GetNeighbors_ResponseとしてCM3へ送信する。CM3は、かかるCM_CDIS_GetNeighbors_Responseを受けて、隣接する他の通信ネットワーク6の通信情報を含めたCM_CE_GetNeighbors_Responseを生成し、これをCE4へと送信する。CE4は、かかるCM_CE_GetNeighbors_Responseを受信することにより、隣接する他の通信ネットワーク6の通信情報を取得することが可能となる。
図8(b)は、CM3からCDIS2へアクセスする際の処理フローである。先ず通信可能なCDIS2のリストが既に取得されていることを前提としたとき、先ず、CM3は、一のCDIS2に対して、CM_CDIS_Connection_Requestを送信する。このCM_CDIS_Connection_Requestは、CM3がCDIS2と通信開始をする上での接続要求のメッセージである。このCM_CDIS_Connection_Requestを送信後所定時間経過しても特に応答が無い場合には、再びCM_CDIS_Connection_Requestを送信する。このとき、送信先のCDIS2は、前回とは異なる他のCDIS2に対して送信をするようにしてもよい。
即ちタイマーがかかることになる。この動作は、CDIS2からの応答を受信するまで定期的に実行される。これは、複数のCDIS2のリストの順にCM_CDIS_Connection_Requestを送信を順次送信し、最初に応答のあるCDIS2が検出されるまで定期的に実行される。このCM_CDIS_Connection_Requestを受信したCDIS2が通信接続可能であれば、このCM_CDIS_Connection_ResponseをCM3へ送信する。CM3は、かかるCM_CDIS_Connection_Responseを受信することにより、CDIS2が自己との間で通信リンクを確立することができることを識別することが可能となる。
図9(a)は、CM3のCDIS2への接続処理が終了した後の処理フローである。CM3は、初回のみCM_CDIS_Authentication_RequestをCDIS2へ送信する。このCM_CDIS_Authentication_Requestでは、IDやパスワードも含むものであってもよい。次にCDIS2からCM3へCM_CDIS_Authentication_Responseを送信する。このCM_CDIS_Authentication_ResponseにはCDIS2からCM3への認証の成否が記述される。そして、このCM_CDIS_Authentication_Responseを受信することにより、CM3は、CDIS2により認証されたか否かを識別することが可能となる。
CDIS2から認証を受けたCM3のみ、次のステップにおいてCM_CDIS_Registration_RequestをCDIS2へと送信する。このCM_CDIS_Registration_Requestには、CDIS2に対して登録すべき通信情報が含まれている。CDIS2はかかるCM_CDIS_Registration_Requestを取得し、自らの通信情報テーブルに、CM3から送信されてきた通信情報をそれぞれ書き込んでいく。書込み終了後、CDIS2は、CM_CDIS_Authentication_ResponseをCM3へ送信する。
CDIS2は、上述の如き処理を他のCM3との間でも同様に行っていくことになる。その結果、CDIS2における通信情報テーブルには、自己とリンク可能な全てのCM3から送られてきた通信情報がそれぞれ管轄するCE4毎に詳細に書き込まれることになる。
図9(b)は、かかるCM3とCDIS2との間で通信リンクを確立し、CDIS2内に通信情報を登録するまでのフローチャートである。
先ず、ステップS30において、CM3とCDIS2との間で通信リンクの接続を試みる。次にステップS31へ移行し、その接続が成功した場合には、ステップS32へ移行し、失敗した場合には再びステップS30へ移行して処理を繰り返す。ステップS32へ移行した場合には、CDIS2側においてCM3の認証を試み、ステップS33において成功した場合には、ステップS34へ移行し、失敗した場合にはステップS30へ移行することになる。
図10(a)は、CM3からCDIS2へ通信情報の登録が行われた後、かかる登録された通信情報の変更やアップデートを行う場合のフローチャートである。
先ずCM3からCM_CDIS_RegistrationUPdate_RequestをCDIS2へ送信する。この要求の内容としては、通信情報テーブルにおいて新たなCE4の追加、各CE4の通信情報の変更、当該テーブルにおいて既に記述されているCE4の削除等を行う旨の指示が含まれている。CDIS2は、かかるCM_CDIS_RegistrationUPdate_Requestの内容に基づいて、通信情報の変更や各種アップデートを行う。CDISにおけるこれらの処理が終了した後、CDIS2からCM3へその確認のためのCM_CDIS_RegistrationUPdate_Confirmを送信する。
図10(b)は、ステップS13、S21における詳細なフローチャートを示している。このフローチャートでは、CM3のCDIS2への認証、通信方法の登録が終了したものとする。このとき、先ずCM_CDIS_GetNeighbors_RequestをCM3からCDIS2へ送信する。このCM_CDIS_GetNeighbors_Requestは、隣接する他の無線通信システム6の通信情報を要求するためのメッセージである。CDIS2は、かかるCM_CDIS_GetNeighbors_Requestを取得した後、通信情報テーブルを参照して、隣接する他の無線通信システム6の通信情報を読出し、これをCM_CDIS_GetNeighbors_ResponseとしてCM3へと送信する。
図11(a)は、CDIS2によりCM3が動作しているか否かを確認するためのフローチャートである。先ずCM3から最後のメッセージをCDIS2が受信した時点をスタート時とし、そこから所定時間カウントする。その所定時間カウントすることをタイマー4と称する。この所定時間経過後、CDIS2は、CM3が現時点において動作しているか否かを確認するためのメッセージCM_CDIS_SessionActive_RequestをCM3へ送信する。かかるCM_CDIS_SessionActive_Requestを受信したCM3がその時点においてまだ動作可能であれば、CM_CDIS_SessionActive_ConfirmをCDIS2へ送信する。このCM_CDIS_SessionActive_Confirmを受信したCDIS2が、かかるCM3が現時点においてまだ動作中であることを確認することが可能となる。またその時点において動作不能であれば、そもそもCM_CDIS_SessionActive_Requestを受信できたか否かの判断もできなくなることから、CM_CDIS_SessionActive_ConfirmをCDIS2へ送信することはできない。
CM_CDIS_SessionActive_Confirmを受信したCDIS2は、かかるCM_CDIS_SessionActive_Confirmが最後のメッセージとなるため、それを受信した時点をスタート時としたタイマー4を再度動作させる。そして所定時間経過後、CDIS2は、CM3が現時点において動作しているか否かを確認するためのメッセージCM_CDIS_SessionActive_RequestをCM3へ送信する。以下の説明は、CDIS2がCM_CDIS_SessionActive_Confirmを受信することができなかった場合の処理フローである。CDIS2は、このCM_CDIS_SessionActive_Requestの送信時点から別のタイマー5を動作させて所定時間経過後に再度CM_CDIS_SessionActive_RequestをCM3へ送信する。CM3からCM_CDIS_SessionActive_Confirmを受信することができない場合には、更に別のタイマー6を動作させる。このタイマー6を動作させて所定時間経過後までCM3からの応答が得られない場合には、CDIS2は、当該CM3について自己のデータベースから登録を解除し、またログオフ処理を実行していくことになる。
図11(b)は、CM3からCDIS2に登録除去、ログオフ処理を要求する場合のフローチャートである。先ずCM3からCE4へCM_CE_De-Registration_Announcementを送信し、自己が今後ログオフする旨を通知する。その後、CM3からCDIS2に対してCM_CDIS_De-Registration_Requestを送信する。このCM_CDIS_De-Registration_Requestは、CDIS2の通信情報テーブルからCM3の登録情報を除去するためのメッセージである。
CDIS2は、このCM3から送信されてきたCM_CDIS_De-Registration_Requestを受信し、送信元のCM3について登録を解除するための処理を行う。そして、登録解除の成否をCM_CDIS_De-Registration_confirmに含めて、CM3へ送信する。ちなみに、このCM_CDIS_De-Registration_confirmには、更に登録解除の成否を示すためのステータス情報が記述されていてもよい。
このCM_CDIS_De-Registration_confirmを受信したCM3は、かかる登録解除の成否を確認することが可能となる。そしてCM3は、CM_CDIS_De-Authentication_RequestをCDIS2へ送信する。このCM_CDIS_De-Authentication_Requestは、ログオフを要求するためのメッセージである。CM_CDIS_De-Authentication_Requestを受信したCDIS2は、送信元のCM3をログオフするための処理を行う。
更にCDIS2は、このCM_CDIS_De-Authentication_Requestに対する応答信号として、CM_CDIS_De-Authentication_ResponseをCM3へ送信する。このCM_CDIS_De-Authentication_Confirmには、CM3のログオフの処理の成否情報、ステータス情報が記述される。CM3は、かかるCM_CDIS_De-Authentication_Confirmを読み取ることにより、CDIS2におけるログオフ処理の成否を識別することが可能となる。
図12は、実際にCE4側においてデータを測定してCM3へ通知するための処理フローを示している。
先ずCM3は、かかる測定をCE4側に要求するためにCM_CE_Measurement_Requestを送信する。このCM_CE_Measurement_Requestは、例えばどの時点からどの時点まで、どのような測定をどのような周期で行うかというメッセージを含むものである。このCM_CE_Measurement_Requestには、例えば、直ぐに測定データを送信する/定期的に測定データを送信する/CM3から別途送信されてくる要求CM_CE_info-acquaring_requestを受けて測定データをCM_CE_info-acquaring_responseに含めて返信する等といった各種コマンドが含まれている。CE4は、CM_CE_Measurement_Requestを受信し、CM_CE_Measurement_ConfirmをCM3へ送信する。
次にCE4は、CM_CE_Measurement_Requestにおいて記述されたコマンドに基づいて測定を実行する。以下では、CM_CE_Measurement_Requestにおいて記述されたコマンドにおいて、直ぐに測定データを送信する、又は定期的に測定データを送信する旨が記述されていた場合のフローである。
CE4は、測定データをCM_CE_Measurement_Reportに載せてCM3へ送信し、CM3は、CE4へCM_CE_Measurement_Confirmを送信する。仮に定期的に測定データを送信する旨がCM_CE_Measurement_requestに記述されていた場合には、かかる結果をCM_CE_Measurement_reportを使って定期的にCM3に通知する。これに対して、直ぐに測定データを送信する旨がCM_CE_Measurement_requestに記述されていた場合には、全ての測定データを一回又は複数回に分けて測定した後、直ぐにCM_CE_Measurement_resportを使ってCM3に送信する。
図13(a)は、CE4において通信情報を集める場合の処理フローである。CE4、CM3への通信情報への登録、更新が終了していることを前提として、先ずCE4からCM3へCM_CE_Info_Acquiring_ Requestを送信する。CM3は、かかるCM_CE_Info_Acquiring_ Requestを受けて、CM_CE(CM/CDIS)_Info_Acquiring_ Requestを送信する。この送信先は、他のCM3であってもよいし、CDIS2又は他のCE4であってもよい。CM3は送信先からCM_CE(CM/CDIS)_Info_Acquiring_Responseに含まれている通信情報を取得する。更にこのCM3は、CM_CE_Info_Acquiring_Responseにこの通信情報を含めて当初のCE4へ送信する。
図13(b)は、CM3において通信情報を集める場合の処理フローである。CE4、CM3への通信情報への登録、更新が終了していることを前提として、先ずCM3からCE4(CM3又はCDIS2)へCM_CE(CM/CDIS)_Info_Acquiring_ Requestを送信する。CM3は送信先からCM_CE(CM/CDIS)_Info_Acquiring_Responseに含まれている通信情報を取得する。
図14(a)は、CE4からCM3に対してイベント(何らかの障害が発生した場合や、連絡事項等がある場合)を通知するためのフローである。CE4は、CM3において既に登録済みであることを前提とした場合において、先ずCE4は、CM_CE_Event _Indicationにそのイベントに関する情報を含めてCM3へ送信する。CM3は、かかるCM_CE_Event _Indicationを受けてその確認のメッセージCM_CE_Event_ConfirmをCE4へ送信する。
図14(b)は、CM3からCE4に対してイベントを通知するためのフローである。CM3は、CE4において既に登録済みであることを前提とした場合において、先ずCM3は、CM_CE_Event _Indicationにそのイベントに関する情報を含めてCE4へ送信する。CE4は、かかるCM_CE_Event_Indicationを受けてその確認のメッセージCM_CE_Event_ConfirmをCM3へ送信する。
図14(c)は、2つのCM3a、CM3bとの間でイベントを通知するためのフローである。CM3は、CDIS2において既に登録済みであることを前提とした場合において、先ずCM3aは、CM_CM_Event _Indicationにそのイベントに関する情報を含めてCM3bへ送信する。CM3bは、かかるCM_CM_Event_Indicationを受けてその確認のメッセージCM_CM_Event_ConfirmをCM3aへ送信する。
図15(a)は、CM3、CDIS2との間でイベントを通知するためのフローである。CM3は、CDIS2において既に登録済みであることを前提とした場合において、先ずCM3は、CM_CDIS_Event _Indicationにそのイベントに関する情報を含めてCDIS2へ送信する。CDIS2は、かかるCM_CM_Event_Indicationを受けてその確認のメッセージCM_CDIS_Event_ConfirmをCM3へ送信する。
また、図15(b)は、CDIS2からCM3へイベントを通知するためのフローである。先ずCDIS2は、CM_CDIS_Event _Indicationにそのイベントに関する情報を含めてCM3へ送信する。CM3は、かかるCM_CM_Event_Indicationを受けてその確認のメッセージCM_CDIS_Event_ConfirmをCDIS2へ送信する。
図16(a)は、CE4が利用可能なテレビチャネルを取得するためのフローチャートである。
CE4、CM3が既に登録済みであるとしたとき、先ずCE4は、CM3に対して、CM_CE_GetAvailableChanels_Requestを送信する。これを受けたCM3は、CDIS2又は他のTVバンドのチャネルを使用する無線通信ネットワーク6に対して、利用可能なチャネルリストの送信を要求するメッセージCM_CE(CM/CDIS)_GetAvailableChanels_Requestを送信する。このCM_CE(CM/CDIS)_GetAvailableChanels_Requestを受けたCDIS2又は無線通信ネットワーク6は有効なTVバンドのチャネルリストをCM_CE(CM/CDIS)_GetAvailableChanels_Responseに含めてCM3へ送信する。CM3は、これを受けてCM_CE_GetAvailableChanels_ ResponseによりCE4に利用可能なチャネルを通知する。
図16(b)は、CM3が有効なテレビチャネルを取得するためのフローチャートである。CM3は、CDIS2又は他のTVバンドのチャネルリストを使用する無線通信ネットワーク6に対して、利用可能なチャネルの送信を要求するメッセージCM_CE(CM/CDIS)_GetAvailableChanels_Requestを送信する。このCM_CE(CM/CDIS)_GetAvailableChanels_Requestを受けたCDIS2又は無線通信ネットワーク6は有効なTVバンドのチャネルリストをCM_CE(CM/CDIS)_GetAvailableChanels_Responseに含めてCM3へ送信する。
図16(c)は、ステップS24におけるシステムパラメータを再設定する際の詳細を示している。ステップS23の処理を終了後、CM3は、CE4に対してCM_CE_Reconfiguration_Requestを送信し、これを受けたCEが再設定を行い、確認の通知をCM_CE_Reconfiguration_Confirmを介して行う。