JP5030312B2 - 受信機、受信方法および集積回路 - Google Patents

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Description

本発明は、受信機受信方法および集積回路、特にマルチキャリア方式により信号を送受信する受信機受信方法および集積回路に関する。
本願は、2007年9月5日に、日本に出願された特願2007−230589号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
マルチキャリア伝送において、ガードインターバル(GI:Guard Interval)区間を越える到来波が存在すると、前のシンボルがFFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)区間に入り込むことにより生じる、シンボル間干渉(ISI:Inter Symbol Interference)や、高速フーリエ変換区間にシンボルの切れ目、つまり信号の不連続区間が入ることによって生じるキャリア間干渉(ICI:Inter Carrier Interference)が生じる。
図26は、マルチパス環境を経て送信機から受信機に到達する信号を示す図である。図26では、横軸に時間を取っている。シンボルS1〜S4はマルチパス環境を経て、送信機から受信機に到達する信号を示しており、4つのマルチパスを経由して受信機に到達している。シンボルS1〜S4の前には、シンボルの後半部分をコピーしたガードインターバル(GI)が付加されている。
図26の上から1番目の信号S1は送信機から受信機に最初に到来した到来波を示しており、2番目の信号S2はガードインターバル(GI)以内の信号S1に対して遅延t1が生じた到来波を示している。また、図26の上から3番目、4番目の到来波である信号S3、S4は、信号S1に対して遅延t2、t3が生じており、信号S3、S4はその遅延がガードインターバル(GI)を超えている。
3番目、4番目の到来波の信号S3、S4の前にある斜線部R1、R2は、所望シンボルの前のシンボルが所望シンボルのFFT区間に入った部分を示している。区間t4は、所望シンボルのFFT区間を示しており、斜線部R1、R2が上記ISI成分となる。ISI成分は、干渉成分であるので、復調時の特性劣化の原因となる。また、3番目、4番目の到来波の信号S3、S4では、区間t4にシンボルの切れ目K1、K2が入ることになり、これが上記ICIの原因となる。
図27(a)及び図27(b)は、サブキャリア間が直交している様子と、ICIによりサブキャリア間で干渉が生じる様子を示す図である。図27(a)及び図27(b)において、横軸は周波数を示している。図27(a)は8つのサブキャリアの間でICIが生じておらず、サブキャリア間で干渉が生じない様子を示している。図27(b)はICIによりサブキャリア間で干渉が生じている様子を示している。
ガードインターバル(GI)を超える到来波が存在しない場合には、図27(a)のように、点線部分L1に注目すると、この周波数において、ある一つのサブキャリア成分のみが含まれ、他のサブキャリア成分が含まれない状態にある。このような状態は、サブキャリア間の直交性が保たれている状態である。通常のマルチキャリア通信ではこの状態で復調を行う。
これに対して、ガードインターバル(GI)を超える到来波が存在する場合には、図27(b)のように、点線部分L2に注目すると、この周波数において、所望のサブキャリア成分以外にも隣接するサブキャリアの成分が含まれ、干渉していることになる。このような状態は、サブキャリア間の直交性が保たれていない状態である。ICI成分は特性劣化の原因となる。
前記ガードインターバル(GI)を超える到来波が存在する場合の、ISI、ICIによる特性劣化を改善するための技術が以下の特許文献1で提案されている。この技術では、一度復調動作を行った後、誤り訂正結果(MAP復号器出力)を利用し、前記ISI成分、および前記ICI成分を含む所望以外のサブキャリアの複製信号(レプリカ信号)を作成した後、これを受信信号から除去したものに対し、再度復調動作を行うことにより、ISI、ICIによる特性改善を行っている。
一方、マルチキャリア伝送方式と、CDM(Code Division Multiplexing:符号分割多重)方式を組み合わせた方式として、MC−CDM(Multi Carrier−Code Division Multiplexing:マルチキャリア符号分割多重)方式、MC−CDMA(Multi Carrier−Code Division Multiple Access:マルチキャリア符号分割多元接続)、Spread−OFCDM(Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing:直交周波数・符号分割多重)などが提案されている。
図28(a)及び図28(b)は、MC−CDM方式におけるサブキャリアと各サブキャリアに対応する直交符号の関係を示す図である。図28(a)及び図28(b)では、横軸に周波数を取っている。図28(a)は、一例として、MC−CDM方式における8個のサブキャリアを示している。また、図28(b)は、各サブキャリアに対応する直交符号として、C8,1、C8,2、C8,7の3種類を示している。ここで、C8,1=(1,1,1,1,1,1,1,1)、C8,2=(1,1,1,1,−1,−1,−1,−1)、C8,7=(1,−1,−1,1,1,−1,−1,1)としている。
データに対しこの3種類の直交符号を乗算することにより、3つのデータ系列を同一時間、同一周波数を用いて、コード多重して通信を行うことができるのが、MC−CDM方式の特徴の一つとなっている。
なお、C8,1、C8,2、C8,7の3種類の直交符号は全て周期が8の直交符号であり、一周期の間で加算を行うことにより直交符号間でデータの分離を行うことができる。なお、図28(a)中のSFfreqは、直交符号C8,1、C8,2、C8,7の周期を示している。
図29(a)及び図29(b)は、MC−CDM方式の信号が空中を伝搬し、受信機において受信された際の符号の様子を示す図である。図29(a)及び図29(b)において、横軸は周波数を示している。図29(a)には、受信機において受信された符号C’8,1、C’8,2、C’8,7を示している。図29(b)には、受信機において受信された符号C’’8,1、C’’8,2、C’’8,7を示している。
図29(a)は直交符号の周期SFfreq中で周波数変動がない場合を示している。
このとき、C8,1で逆拡散(despreading)する、つまり、C8,1との内積をとる、すなわちSFfreq内の全ての値を足した場合、C’8,1は4となり、C’8,2、C’8,7は0となる。この様な状況を、符号間の直交性が保たれているという。
これに対し、図29(b)のように直交符号の周期SFfreq中に6dBの周波数変動が存在するような場合、つまり、直交符号の周期中で周波数変動が存在する場合には、C8,1で逆拡散した場合、C’’8,1は5となり、C’’8,2は3となり、C’’8,7は0となる。つまり、C’’8,1とC’’8,2の間で干渉成分が存在し、符号間の直交性が保たれていない状況となる。
このように、伝搬路の周波数変動が早い(周波数方向に早く変動する)場合には、MC−CDM方式においては、コード間干渉(Multi Code Interference)が特性劣化の原因となる。
前記符号間の直交性の崩れによる特性劣化を改善するための技術が、特許文献2及び非特許文献1に記載されている。これらの技術では、下りリンク、上りリンクの違いはあるが、双方ともMC−CDM通信時のコード多重によるコード間干渉を取り除くため、誤り訂正後、または逆拡散後のデータを用いて、所望コード以外の信号を除去することにより、特性の改善を図っている。
特開2004−221702号公報 特開2005−198223号公報 Y.Zhou、J.Wang、and M.Sawahashi、"Downlink Transmission of Broadband OFCDM Systems−Part I:Hybrid Detection、"IEEE Transaction on Communication、Vol.53、Issue 4、pp.718−729、April 2005.
しかしながら、上述した従来の技術においては、サブキャリア数の多いマルチキャリア信号及びMC−CDM信号を受信機で復調する際の演算量が増加するという問題があった。また、MC−CDM時のコード間干渉を受信機で取り除く際に、コード多重数分だけ演算量が増加するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、受信機が送信機から受信した信号を復調する際の演算量を減らすことができる受信機及び受信方法を提供することにある。
(1) 本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による受信機は、受信信号からチャネルインパルス応答推定値を求める伝搬路推定部と、送信信号のレプリカであるレプリカ信号を受信信号に基づいて作成するレプリカ信号作成部と、前記チャネルインパルス応答推定値を分割する時間帯を設定する時間帯設定部と、前記レプリカ信号作成部が作成したレプリカ信号を用いて、前記時間帯設定部が設定した各時間帯の受信信号を抽出する受信信号抽出部と、前記受信信号抽出部が抽出した各時間帯の信号を合成する処理を繰返す合成部と、前記合成部が合成した信号に対して復調処理を行う復調処理部とを備え、少なくとも1回の前記繰返し処理で設定する時間帯の数が異なる。
本発明では、受信機が送信機から受信した受信信号を、少なくとも1つ以上の時間帯に時間帯分割部が分割することによって、ISIやICIを低減または抑圧すると同時に、各時間帯における遅延分散を小さくすることによってMCIを低減させることができ、受信機が送信機から受信した信号を復調する際の演算量を減らすことができる。
(2) また、本発明の一態様による受信機の前記受信信号抽出部は、受信信号の伝搬路推定値であるチャネルインパルス応答推定値と前記レプリカ信号作成部が作成するレプリカ信号と前記時間帯設定部が設定する時間帯とに基づいて各時間帯の到来波のレプリカを生成する到来波レプリカ生成部と、受信信号から前記到来波レプリカ生成部が生成した各時間帯の到来波のレプリカを減算することにより前記時間帯設定部が設定した時間帯の受信信号を抽出する減算部とを備える。
(3) また、本発明の一態様による受信機の前記時間帯設定部は、繰返し処理の回数が増えるにつれて、前記時間帯の数が不変または増加するように設定する。
(4) また、本発明の一態様による受信機の前記時間帯設定部は、前記チャネルインパルス応答推定値に基づいて、前記時間帯の数を設定する。
(5) また、本発明の一態様による受信機の前記時間帯設定部は、前記時間帯の数を前記繰返し処理毎に適応的に設定する。
(6) また、本発明の一態様による受信機の前記時間帯設定部は、前記レプリカ信号作成部が作成するレプリカ信号の尤度に基づいて、前記時間帯の数を設定する。
(7) また、本発明の一態様による受信機の前記時間帯設定部は、前記レプリカ信号作成部が作成するレプリカ信号の信頼度情報に基づいて、前記時間帯の数を設定する。
(8) また、本発明の一態様による受信機の前記信頼度情報は、前記レプリカ信号作成部が作成するレプリカ信号と前記チャネルインパルス応答推定値と前記受信信号とから求められる分割誤差である。
(9) また、本発明の一態様による受信機の前記時間帯設定部は、前記分割誤差と分割利得とに基づいて、前記時間帯の数を設定する。
(10) また、本発明の一態様による受信機の前記分割利得は、シンボル間干渉、サブキャリア間干渉、パスダイバーシチ利得のうち少なくとも1つに基づいて決定される。
(11) また、本発明の一態様による受信機は、コード多重された信号を分離する逆拡散部をさらに備え、前記分割利得は、コード間干渉、シンボル間干渉、サブキャリア間干渉、パスダイバーシチ利得のうち少なくとも1つに基づいて決定される。
(12) また、本発明の一態様による受信方法は、受信信号からチャネルインパルス応答推定値を求める伝搬路推定過程と、送信信号のレプリカであるレプリカ信号を受信信号に基づいて作成するレプリカ信号作成過程と、前記チャネルインパルス応答推定値を分割する時間帯を設定する時間帯設定過程と、前記レプリカ信号作成過程で作成したレプリカ信号を用いて、前記時間帯設定過程で設定した各時間帯の受信信号を抽出する受信信号抽出過程と、前記受信信号抽出過程で抽出した各時間帯の信号を合成する処理を繰返す合成過程と、前記合成過程で合成した信号に対して復調処理を行う復調処理過程とを実行し、少なくとも1回の前記繰返し処理で設定する時間帯の数が異なる。
本発明の受信機及び受信方法では、受信機が送信機から受信した信号を復調する際の演算量を減らすことができる。
本発明の第1の実施形態による送信機100の構成の一部を示す概略ブロック図である。 本発明の第1の実施形態によるフレームフォーマットの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態による受信機200の構成の一部を示す概略ブロック図である。 本発明の第1の実施形態による信号検出部23(図3)の構成の一例を示す概略ブロック図である。 本発明の第1の実施形態によるブロック分割部82(図4)の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態による受信機200(図3)の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態によるチャネルインパルス応答推定値を示す図である。 本発明の第1の実施形態による到来波除去部45−1におけるチャネルインパルス応答推定値を示す図である。 本発明の第1の実施形態による到来波除去部45−2におけるチャネルインパルス応答推定値を示す図である。 本発明の第1の実施形態による到来波除去部45−3におけるチャネルインパルス応答推定値を示す図である。 本発明の第1の実施形態による初回処理におけるチャネルインパルス応答推定値と合成部46を示す図である。 本発明の第1の実施形態による初回処理におけるチャネルインパルス応答推定値と合成部46を示す図である。 本発明の第1の実施形態による伝搬路・雑音電力推定部22(図3)の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態によるブロック分割設定部81(図4)の処理を説明する図である。 本発明の第1の実施形態による効果を説明する図である。 本発明の第1の実施形態による効果を説明する図である。 本発明の第1の実施形態における分割数と特性との関係を示すグラフである。 全ての繰返し処理に対してブロック分割数を固定した場合の特性を示すグラフである。 異なるブロック分割数を設定した場合の特性改善の一例を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態による受信方法を用いた場合の計算機シミュレーションによる評価結果の一例を示すグラフである。 図20の計算機シミュレーションで設定した繰返し処理回数とブロック分割数との関係を示す表である。 図20の計算機シミュレーションで用いた主なシミュレーションパラメータを示す表である。 本発明の第2の実施形態による受信機の信号検出部90の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第2の実施形態による効果について説明する図である。 本発明の第3の実施形態によるブロック分割数の設定方法の一例を示す図である。 マルチパス環境を経て送信機から受信機に到達する信号を示す図である。 サブキャリア間が直交している様子と、ICIによりサブキャリア間で干渉が生じる様子を示す図である。 MC−CDM方式におけるサブキャリアと各サブキャリアに対応する直交符号の関係を示す図である。 MC−CDM方式の信号が空中を伝搬し、受信機において受信された際の符号の様子を示す図である。
符号の説明
1・・・S/P変換部、2−1〜2−4・・・コード毎信号処理部、3・・・誤り訂正符号化部、4・・・ビットインタリーバ部、5・・・変調部、6・・・シンボルインタリーバ部、7・・・周波数−時間拡散部、8・・・DTCH多重部、9・・・PICH多重部、10・・・スクランブリング部、11・・・IFFT部、12・・・GI挿入部、21・・・シンボル同期部、22・・・伝搬路・雑音電力推定部、23・・・信号検出部、24−1〜24−4・・・コード毎復号部、25・・・ビットデインタリーバ、26・・・誤り訂正復号部、27・・・加算部、28・・・レプリカ信号生成部、29−1〜29−4・・・コード毎シンボル生成部、30・・・ビットインタリーバ部、31・・・シンボル生成部、32・・・シンボルインタリーバ部、33・・・周波数−時間拡散部、34・・・DTCH多重部、35・・・PICH多重部、36・・・スクランブリング部、37・・・IFFT部、38・・・GI挿入部、39・・・P/S変換部、41・・・到来波レプリカ生成部、42・・・減算部、43・・・GI除去部、44・・・FFT部、45−1〜45−B・・・到来波除去部、46・・・合成部、47−1〜47−4・・・コード毎復調部、48・・・逆拡散部、49・・・シンボルデインタリーバ部、50・・・復調部、61・・・伝搬路推定部、62・・・プリアンブルレプリカ生成部、63・・・雑音電力推定部、70・・・MAC部、71・・・フィルタリング処理部、72・・・D/A変換部、73・・・周波数変換部、74・・・送信アンテナ、75・・・受信アンテナ、76・・・周波数変換部、77・・・A/D変換部、81・・・ブロック分割設定部、82・・・ブロック分割部、90・・・信号検出部、91・・・ブロック分割設定部、100・・・送信機、200・・・受信機
以下、図面を参照し、本発明の第1〜第3の実施形態について説明する。始めに、本発明の第1の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、ガードインターバルを超える到来波に起因するISIおよびICIや、伝搬路の周波数選択性に起因するコード間干渉が存在する場合においても良好な特性を得ることのできる受信機について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による送信機100の構成の一部を示す概略ブロック図である。この送信機100は、MAC(Media Access Control:媒体アクセス制御)部70、S/P(Serial / Parallel:直列/並列)変換部1、コード毎信号処理部2−1〜2−4、DTCH(Data Traffic Channel:データトラフィックチャネル)多重部8、PICH(Pilot Channel:パイロットチャネル)多重部9、スクランブリング部10、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部11、GI挿入部12、フィルタリング処理部71、D/A(Digital/Analog:デジタル/アナログ)変換部72、周波数変換部73、送信アンテナ74を備える。
コード毎信号処理部2−1〜2−4は、それぞれ誤り訂正符号化部3、ビットインタリーバ部4、変調部5、シンボルインタリーバ部6、周波数−時間拡散部7を備える。
S/P変換部1には、MAC部70から出力された情報信号が入力され、S/P変換部1の直列−並列変換の出力がコード毎信号処理部2−1〜2−4に入力される。なお、コード毎信号処理部2−2〜2−4の構成は、コード毎信号処理部2−1と同じであるので、それらの説明を省略する。
コード毎信号処理部2−1に入力された信号は、誤り訂正符号化部3においてターボ符号化、LDPC(Low Density Parity Check:低密度パリティ検査)符号化、または畳み込み符号化などいずれかの誤り訂正符号化処理が行われる。誤り訂正符号化部3の出力はビットインタリーバ部4により、周波数選択性フェージングによる受信電力の落ち込みによるバースト誤りの発生を改善するために、ビット毎にその順番を適切な順序で入れ替えられて出力される。
ビットインタリーバ部4の出力は、変調部5において、BPSK(Binary Phase Shift Keying:2値位相偏移変調)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4値位相偏移変調)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation:16値直交振幅変調)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation:64値直交振幅変調)などのシンボル変調処理が行われる。
変調部5の出力はシンボルインタリーバ部6によりバースト誤りの改善のためにシンボル毎にその順番を適切な順序で入れ替えられる。シンボルインタリーバ部6の出力は周波数−時間拡散部7により所定の拡散コード(チャネライゼーションコード)で拡散される。ここでは、OVSF(Orthogonal Variable Spread Factor:直交可変拡散係数)符号を用いているが、他の拡散コードを用いても良い。
なお、送信機100はコード毎信号処理部2−1〜2−4を、コード多重数Cmux(Cmuxは1以上の自然数)備えている。ここでは一例としてCmux=4の場合を示している。異なる拡散コードで拡散された信号が、コード毎信号処理部の出力としてDTCH多重部8に出力され、DTCH多重部8にて多重(加算処理)される。続いて、PICH多重部9において、伝搬路推定などに使用するパイロットチャネル(PICH)が所定の位置に挿入される。
その後、スクランブリング部10において、基地局固有のスクランブリングコードにてスクランブルされた後、IFFT部11において周波数時間変換が行われる。GI挿入部12においてガードインターバル(GI)の挿入が行われた後、フィルタリング部71によるフィルタリング処理、D/A変換部72によるデジタルアナログ変換処理、周波数変換部73による無線周波数への周波数変換処理などが行われた後、送信アンテナ74から送信信号として受信機に送信される。
図1では、コード毎信号処理部2−1〜2−4に、ビットインタリーバ部4及びシンボルインタリーバ部6の双方が配置されているが、これはいずれか一方だけ配置しても良い。また、コード毎信号処理部2−1〜2−4にビットインタリーバ部4及びシンボルインタリーバ部6の双方を配置しなくても良い。
図2は、本発明の第1の実施形態によるフレームフォーマットの一例を示す図である。
この図は、送信機100(図1参照)から受信機に送信されるフレームフォーマットを示している。図2では、横軸に時間、縦軸に受信電力をとっている。図2に示すように、パイロットチャネル(PICH)は、1つのフレームの前後及び中央に配置されている。データの伝送に用いられるデータトラフィックチャネル(DTCH)は、フレームの前半と後半に配置されており、Cmux個の異なる拡散コードにて拡散された信号が、コード多重されている。
ここでは、Cmux=4の場合をデータが4個積み重なった様子で模式的に示している。また、パイロットチャネル(PICH)の受信電力と、データトラフィックチャネル(DTCH)の1コードあたりの受信電力の比を、PPICH/DTCHで表している。なお、図2では、パイロットチャネル(PICH)の挿入方法に関して、時間多重を行っているが、周波数多重や周波数―時間多重などを行ってもよい。
図3は、本発明の第1の実施形態による受信機200の構成の一部を示す概略ブロック図である。この受信機200は、受信アンテナ75、周波数変換部76、A/D(Analog/Digital:アナログ/デジタル)変換部77、シンボル同期部21、伝搬路・雑音電力推定部22(伝搬路推定部とも称する。)、信号検出部23、コード毎復号部24−1〜24−4、レプリカ信号生成部28(レプリカ信号作成部とも称する。)、P/S(Parallel / Serial:並列/直列)変換部39を備えている。
レプリカ信号生成部28は、コード毎シンボル生成部29−1〜29−4、DTCH多重部34、PICH多重部35、スクランブリング部36、IFFT部37、GI挿入部38を備えている。
レプリカ信号生成部28は、送信信号のレプリカであるレプリカ信号を受信信号r(t)に基づいて作成する。具体的には、まず誤り訂正復号部26において、例えばMAP(Maximum a posteriori Probability:最大事後確率)復号により対数尤度比などを算出する。算出した対数尤度比を基に、レプリカ信号生成部28は、送信信号のレプリカであるレプリカ信号s^(t)を作成する。
また、コード毎シンボル生成部29−1〜29−4は、ビットインタリーバ部30、シンボル生成部31、シンボルインタリーバ部32、周波数−時間拡散部33を備えている。また、コード毎復号部24−1〜24−4は、ビットデインタリーバ25、誤り訂正復号部26、加算部27を備えている。
受信アンテナ75で受信した受信信号は、周波数変換部76によるベースバンド信号への周波数変換処理、A/D変換部76によるアナログデジタル変換処理を経た後、デジタル受信信号r(t)としてシンボル同期部21においてシンボル同期が行われる。シンボル同期部21では、ガードインターバル(GI)と有効信号区間との相関特性などを使用してシンボル同期が行われ、その結果に基づいて、以降の信号処理を行う。
伝搬路推定・雑音電力推定部22は、パイロットチャネル(PICH)を利用し、チャネルインパルス応答推定値や雑音電力推定値を推定する。伝搬路推定方法としては、パイロットチャネル(PICH)のレプリカ信号を作成し、その絶対値の2乗誤差が最小になるようにRLS(Recursive Least Square)アルゴリズムによる推定を行ったり、受信信号r(t)とパイロットチャネル(PICH)のレプリカ信号との相互相関を時間軸又は周波数軸でとることにより取得したり、様々な方法があるが、これに限るものではない。
また、雑音電力推定方法に関しても、受信したパイロットチャネル(PICH)から、推定されたチャネルインパルス応答推定値を利用し、パイロットチャネル(PICH)のレプリカを作成し、これらの差分より求める方法などが考えられるが、これに限るものではない。
伝搬路・雑音電力推定部22より出力されたチャネルインパルス応答推定値および雑音電力推定値は、信号検出部23に入力され、例えばMAP検出を行う場合にはビット毎の対数尤度比の算出などに利用される。
信号検出部23では、初回には、受信信号、チャネルインパルス応答推定値、雑音電力推定値を用いて、ビット毎の対数尤度比を出力する。対数尤度比とは、受信されたビットが0であるのが最もらしいか、1であるのが最もらしいかを示す値であり、通信路のビット誤り率に基づいて算出される。
図3では、信号検出部23から、それぞれコード毎復号部24−1〜24−4に対数尤度比を出力しているが、これらの対数尤度比は、それぞれ異なる拡散コードに割り当てられたビットの対数尤度比である。
なお、後述する繰り返し時には、受信信号と復調結果より得られるレプリカ信号、チャネルインパルス応答推定値、雑音電力推定値を用いて、ビット毎の対数尤度比をコード毎復号部24−1〜24−4に出力する。
コード毎復号部24−1〜24−4では、入力信号に対して、ビットデインタリーバ部25においてビット毎にデインタリーブ処理を行う。デインタリーブ処理は、インタリーブ処理と逆の処理であって、インタリーブの処理による順番の入れ替えを元に戻す。
誤り訂正復号部26は、信号検出部26の合成部46が合成した信号を、コード毎復調部47−1〜47−4(図4)、ビットデインタリーバ部25(図3)を介して取得し、MAP復号などの誤り訂正復号処理を行う。また、誤り訂正復号部26は信号検出部23の復調部50(図4、後述)が復調を行った結果を基に、誤り訂正復号を行い、ビット毎の対数尤度比を算出する。
なお、MAP復号とは、ターボ復号、LDPC復号、ビタビ復号(Viterbi decoding)など通常の誤り訂正復号時に、硬判定を行わず、情報ビットおよびパリティビットも含めて対数尤度比などの軟判定結果を出力する方法である。すなわち、硬判定は受信信号を0、1のみに判定するのに対して、軟判定はどの程度確からしいかの情報(軟判定情報)を元に判定する。なお、MAP復号のような軟判定復号に限らず、硬判定復号を行ってもよい。
誤り訂正復号部26への入力と誤り訂正復号部26からの出力との差分λ2を加算部27で算出し、レプリカ信号生成部28に出力する。
レプリカ信号生成部28への入力はビットインタリーバ部30に入力され、ビットインタリーバ部30では、ビット毎に差分λ2を入れ替えて出力される。ビットインタリーバ部30の出力は、シンボル生成部31において、差分λ2の大きさを考慮し、受信機200の復調方式と同一範疇の変調方式(BPSK、QPSK、16QAM、64QAMなど)でシンボル変調処理が行われる。
シンボル生成部31の出力は、シンボルインタリーバ部32によりシンボル毎に順番を入れ替えられ、シンボルインタリーバ部32の出力は周波数−時間拡散部33により所定の拡散コード(チャネライゼーションコード)で拡散される。
なお、受信機200は、コード毎復号部及びコード毎シンボル生成部を、コード多重数Cmux(Cmuxは1以上の自然数)だけ備えている。ここでは、Cmux=4としている。異なる拡散コードで拡散された信号が、コード毎シンボル生成部29−1〜29−4の出力として、DTCH多重部34に出力され、DTCH多重部34にて多重(加算処理)される。
PICH多重部35では、伝搬路推定などに使用するパイロットチャネル(PICH)が所定の位置に挿入される。その後、スクランブリング部36において基地局固有のスクランブリングコードにてスクランブルされた後、IFFT部37において周波数時間変換が行われ、GI挿入部38においてガードインターバル(GI)の挿入が行われた後、信号検出部23に入力され、繰り返し時の信号処理に利用される。
なお、上記繰り返し復号動作が所定回数行われた後、誤り訂正復号部26の出力が、P/S変換部39に入力され、並列直列変換された後、復調結果としてMAC部(図示省略)に出力される。
図4は、本発明の第1の実施形態による信号検出部23(図3)の構成の一例を示す概略ブロック図である。信号検出部23は、ブロック分割設定部81(時間帯設定部とも称する。)、ブロック分割部82(受信信号抽出部とも称する。)、合成部46、コード毎復調部47−1〜47−4(復調処理部とも称する。)を備えている。
図5は、本発明の第1の実施形態によるブロック分割部82(図4)の構成の一例を示す図である。ブロック分割部82は、到来波除去部45−1〜45−Bを備えている。ここで、Bはブロック分割を行うブロック分割数を示し、Bは1またはそれよりも大きい自然数である。ブロック分割部82は、レプリカ信号生成部28(図3)が作成したレプリカ信号から、ブロック分割設定部81が分割した少なくとも1つ以上の時間帯に含まれる信号を抽出する(後述する図8〜図10参照)。
ブロック分割設定部81(図4)は、レプリカ信号生成部28が作成するレプリカ信号を少なくとも1つ以上の時間帯に分割する。ブロック分割設定部81は、レプリカ信号生成部28が作成するレプリカ信号の分割数を繰返し処理毎に変更し、ブロック分割設定値(分割数とも称する。)をブロック分割部82に出力する。ブロック分割設定値は、繰返し処理において分割する所定の時間帯(ブロック)の構成などの情報であり、ブロック分割数や各ブロックの大きさに関する情報などが含まれる。また、繰返し処理毎のブロック分割数の設定方法は、受信機において予め設定しておく方法や、チャネルインパルス応答推定値などのような送信機と受信機との間の伝搬路特性などに基づいて受信機で設定する方法などを用いることができるが、これらに限るものではない。
ブロック分割部82では、ブロック分割設定部81(図4)が出力するブロック分割設定値に基づいて、到来波除去部45−1〜45−Bの設定が行われる。
到来波除去部45−1〜45−Bは、到来波レプリカ生成部41、減算部42、GI除去部43、FFT部44をそれぞれ備えている。到来波除去部45−1〜45−Bは、レプリカ信号生成部28(図3)が生成するレプリカ信号s^(t)を用いて、受信信号r(t)から所定の時間帯ごとに到来波を除去する。
到来波レプリカ生成部41は、受信信号r(t)から推定される伝搬路推定値であるチャネルインパルス応答推定値と、レプリカ信号生成部28(図3)が生成するレプリカ信号s^(t)と、ブロック分割設定部81が出力するブロック分割設定値とに基づいて、所定の時間帯ごとの到来波のレプリカhを生成する。
減算部42は、受信信号r(t)から到来波レプリカ生成部41が生成した所定の時間帯ごとの到来波のレプリカを減算する。
コード毎復調部47−1〜47−4(図4)は、逆拡散部48、シンボルデインタリーバ部49、復調部50をそれぞれ備えている。
信号検出部23に入力された受信信号r(t)は、信号検出部23に入力されたレプリカ信号s^(t)とチャネルインパルス応答推定値h(t)を基に求められた到来波レプリカ生成部41(図5)の出力との差分を減算部42(図5)で算出し、GI除去部43に入力される。
GI除去部43においてガードインターバル(GI)が除去され、FFT部44に入力される。FFT部44では入力信号に対し、時間周波数変換を行い、信号R を得る。
なお、iは自然数であり、1≦i≦Bである。
合成部46(図4)は、ブロック分割部82が抽出した各時間帯の信号R を合成する。具体的には、合成部46は、到来波除去部45−1〜45−B(図5)の出力R と、チャネルインパルス応答推定値h(t)と、雑音電力推定値とを用いて、合成部46において、到来波除去部45−1〜45−Bが出力したそれぞれの信号R 〜R に対して、伝搬路補償および合成を行い、信号Y’を算出して、コード毎復調部47−1〜47−4(図4)に出力する。
なお、合成部46では、例えば、MMSE(Minimum Mean Square Error:最小平均自乗誤差)フィルタリング処理によるMMSE合成などを用いることができる。なお、合成部46では、レプリカ信号などに基づいて算出されたブロック分割誤差を用いてもよい。
この信号Y’を用いて、Cmux個(ここでは、一例としてCmux=4)のコード毎復調部47−1〜47−4(図4)では、拡散コード毎の復調処理を行う。逆拡散部48は、それぞれの拡散コードを用いて逆拡散処理を行う。
シンボルデインタリーバ部49は、逆拡散部48の出力に対してシンボル毎に入れ替えを行う。復調部50は、シンボルデインタリーバ部49が出力した信号に対して復調処理を行う。
復調部50は、シンボルデインタリーブ部49の出力に対して、軟判定や硬判定を行う。以下では、その一例として、復調部50がビット毎の対数尤度比を軟判定結果として出力する場合について説明する。復調部50は、以下の式(1)〜式(3)を利用することにより、対数尤度比λ1を算出する。つまり、シンボルデインタリーバ部49のnシンボル目の出力をZnとすると、QPSK変調時の軟判定結果λ1は、以下の式(1)及び式(2)で表すことができる。
Figure 0005030312
Figure 0005030312
ここで、式(1)中のRe[]はカッコ内の実部を、式(2)中のIm[]はカッコ内の虚部をとることを示し、μ(n)はnシンボルでの基準シンボル(パイロット信号の振幅)を示す。なお、変調信号は、以下の式(3)で表すことができる。
Figure 0005030312
なお、ここでは、QPSK変調の例を示したが、他の変調方式においても同様にビット毎の軟判定結果(対数尤度比)λ1を求めることができる。
なお、図3及び図4では、ビットインタリーバ部30(図3)、ビットデインタリーバ部25(図3)、およびシンボルインタリーバ部32(図3)、シンボルデインタリーバ部49(図4)の双方が配置されているが、これはいずれか一方、つまりビットインタリーバ部30及びビットデインタリーバ部25のみを配置しても良いし、シンボルインタリーバ部32及びシンボルデインタリーバ部49のみを配置しても良い。
また、ビットインタリーバ部30、ビットデインタリーバ部25、及びシンボルインタリーバ部32、シンボルデインタリーバ部49の全てを配置しなくても良い。
なお、周波数方向にサブキャリアごとにインタリーブ処理を行うチップインタリーブを行ってもよい。
図6は、本発明の第1の実施形態による受信機200(図3)の動作の一例を示すフローチャートである。信号検出部23は初回動作か否かを判定する(ステップS1)。図6のフローチャートで示している一連のステップは全て受信機200の中だけで行われているため、外部からの何らかの情報は不要であり、受信機が何回目の繰返し動作であるかは、容易に認識できる。例えば、受信機200が該パケットに対する一連の処理をカウントすること等で実現することができる。
ステップS1で初回動作であると判定した場合には、GI除去部43は受信信号r(t)からガードインターバル(GI)を除去する(ステップS2)。
そして、FFT部44はFFT処理(時間周波数変換処理)を行う(ステップS3)。
次に、合成部46は、通常のMMSEフィルタ処理を行う(ステップS4)。そして、逆拡散部48は、逆拡散処理を行う(ステップS5)。
次に、シンボルデインタリーバ部49は、シンボルデインタリーバ処理を行う(ステップS6)。そして、復調部50は、軟判定ビット出力処理を行う(ステップS7)。次に、ビットデインタリーバ部25は、ビットデインタリーバ処理を行う(ステップS8)。
そして、誤り訂正復号部26は、誤り訂正復号処理を行う(ステップS9)。次に、上述したステップS1〜S9の処理を、所定回数繰り返したか否かについて判定する(ステップS10)。
なお、図3で説明したように、ステップS5〜S9の処理をCmux個の並列に配置された回路において処理を行っても良い。なお、初回のMMSEフィルタ処理については後述する。
ステップS10でステップS1〜S9の処理を、所定回数繰り返していないと判定した場合には、Cmuxコード分の復調結果λ2を用いて、ビットインタリーバ部30は、対数尤度比λ1をビットインタリーブする(ステップS11)。
そして、シンボル生成部31は、変調信号レプリカ生成を行う(ステップS12)。次に、シンボルインタリーバ部32は、シンボルインタリーバ処理を行う(ステップS13)。そして、周波数−時間拡散部33は、所定の拡散コードを用いて拡散処理を行う(ステップS14)。
上述したステップS11〜S14の処理をCmux回繰り返した後、DTCH多重部34は、データトラフィックチャネル(DTCH)の多重を行う(ステップS15)。そして、PICH多重部35は、パイロットチャネル(PICH)の多重を行う(ステップS16)。
次に、スクランブリング部36は、スクランブリング処理を行う(ステップS17)。
そして、IFFT部37は、IFFT処理を行う(ステップS18)。次に、GI挿入部38は、ガードインターバル(GI)を挿入する(ステップS19)。ステップS19でガードインターバル(GI)が挿入された信号をレプリカ信号とし、繰り返し復調時に使用する。
ステップS1で繰返し処理時、つまり初回動作ではないと判定した場合には、到来波除去部45−1〜45−Bは、ブロック分割設定部81が出力するブロック分割設定値に基づいて、ブロック毎に所定の到来波以外を除去する(ステップS20)。そして、GI除去部43は、ガードインターバル(GI)の除去処理を行う(ステップS21)。次に、FFT部44は、FFT(高速フーリエ変換)処理を行う(ステップS22)。
上述したステップS20〜S23の処理をB(Bは自然数)ブロック分を繰返して処理を行ってもよいし、B個の並列に配置された回路において処理してもよい。合成部46は、Bブロックからの出力信号をMMSEフィルタにより、最小平均自乗誤差規範に従い合成する。つまり、MMSEフィルタ処理を行う(ステップ23)。なお、ステップ23以降は、初回処理と同様の処理を行う。
ステップS10で、上述した処理を所定回数繰り返したと判定するまで、ステップS1〜S9、S11〜S23の処理を繰り返す。
次に、到来波除去部45−1〜45−B(図5)の処理について具体的に説明する。ここでは、i番目の到来波除去部45−iの到来波レプリカ生成部41及び減算部42の動作について説明する。
まず、到来波除去部45−iでは、到来波レプリカ生成部41において到来波のレプリカhを生成し、これとレプリカ信号s^(t)との畳み込み演算を行ったものを、受信信号r(t)から減算する。これが、減算部42の出力となる。
図7は、本発明の第1の実施形態によるチャネルインパルス応答推定値を示す図である。ここでは、伝搬路・雑音推定部22(図3)から6パスのチャネルインパルス応答推定値が得られた場合について説明する。なお、図7では横軸に時間、縦軸に受信電力をとっている。到来波除去部45−1〜45−B(図5)において、6パスの到来波を、2パスずつの3つの到来波に分解する。
図8は、本発明の第1の実施形態による到来波除去部45−1におけるチャネルインパルス応答推定値を示す図である。なお、図8では横軸に時間、縦軸に受信電力をとっている。図8に示すように、まず到来波除去部45−1においては、点線で囲まれた領域A1に含まれる第3パス(P3)、第4パス(P4)、第5パス(P5)、第6パス(P6)をh(t)と定義し、前記到来波レプリカ生成部41で作成する。
前記到来波レプリカ生成部41の出力は、前記h(t)とs^(t)との畳み込み演算したものであり、減算部42の出力は受信信号r(t)から、前記h(t)とs^(t)との畳み込み演算したものを減算したものとなる。つまり、レプリカが正しく生成された場合には、減算部42の出力は、(h(t)−h(t))で表される伝搬路を経て受信された信号であると考えることができる。これにより、図8の実線で示された伝搬路を経て受信された信号P1、P2が、減算部42の出力となる。
図9は、本発明の第1の実施形態による到来波除去部45−2におけるチャネルインパルス応答推定値を示す図である。なお、図9では横軸に時間、縦軸に受信電力をとっている。図9に示すように、まず到来波除去部45−2においては、点線で囲まれた領域A2に含まれる第1パス(P1)及び第2パス(P2)と、点線で囲まれた領域A3に含まれる第5パス(P5)及び第6パス(P6)とを、h(t)と定義し、到来波レプリカ生成部41で作成する。
到来波レプリカ生成部41の出力は、h(t)とs^(t)との畳み込み演算したものであり、減算部42の出力は受信信号r(t)から、h(t)とs^(t)との畳み込み演算したものを減算したものとなる。つまり、レプリカが正しく生成された場合には、減算部42の出力は、(h(t)−h(t))で表される伝搬路を経て受信された信号であると考えることができる。これにより、図9の実線で示された伝搬路を経て受信された信号P3、P4が、減算部42の出力となる。
図10は、本発明の第1の実施形態による到来波除去部45−3におけるチャネルインパルス応答推定値を示す図である。なお、図10では横軸に時間、縦軸に受信電力をとっている。図10に示すように、まず到来波除去部45−3においては、点線で囲まれた領域A4に含まれる第1パス(P1)、第2パス(P2)、第3パス(P3)、第4パス(P4)をh(t)と定義し、到来波レプリカ生成部41で作成する。
到来波レプリカ生成部41の出力は、h(t)とs^(t)との畳み込み演算したものであり、減算部42の出力は受信信号r(t)から、h(t)とs^(t)との畳み込み演算したものを減算したものとなる。つまり、レプリカが正しく生成された場合には、減算部42の出力は、(h(t)−h(t))で表される伝搬路を経て受信された信号であると考えることができる。これにより、図10の実線で示された伝搬路を経て受信された信号P5、P6が、減算部42の出力となる。
図8〜図10の説明では、到来波除去部45−1〜45−3が、識別された到来波の数に基づいて、所定の時間帯を設定する場合について説明した。つまり、チャネルインパルス応答推定値を基に、識別された到来波の数に基づいて、到来波除去部45−1〜45−3毎に作成および減算を行うレプリカ信号を変える場合について説明した。この方法の他に、以下のような方法を使用することができる。
例えば、到来波除去部45−1〜45−3が、識別された到来波の時間に基づいて所定の時間帯を設定する。つまり、到来波の到達時間をB個に分割し、どの時間帯に到達した到来波であるかによって、どの到来波除去部で処理するかを決定する、つまり識別された到来波の時間に基づいて、到来波除去部毎に作成および減算を行うレプリカ信号を変えるようにしてもよい。
また、到来波除去部45−1〜45−3が、識別された到来波の受信電力に基づいて所定の時間帯を設定するようにしてもよい。つまり、全受信信号を到達時間の順に到来波に含まれる受信信号がほぼ一定になるようB個に分割し、これに基づいてどの到来波除去部で処理するかを決定する、つまり識別された到来波の受信電力に基づいて、到来波除去部毎に作成および減算を行うレプリカ信号を変えるようにしてもよい。
図11(a)〜図11(c)は、本発明の第1の実施形態による初回処理におけるチャネルインパルス応答推定値と合成部46を示す図である。ここでは、図4で示した合成部46と、図6で示したステップS4及びステップS23の動作について説明する。なお、以下では合成部46において、MMSEフィルタ処理を行う場合を説明する。
まず、初回の合成部46の動作について示す。受信信号を周波数領域で表現すると、受信信号Rは、以下の式(4)のように表すことができる。
Figure 0005030312
ここで、H^は推定された伝搬路の伝達関数を示しており、ガードインターバル(GI)内の到来波のみが存在すると仮定すると、Nc*Ncの対角行列で表すことができる。
なお、Ncはspread−OFCDMのサブキャリア数を示している。H^は、以下の式(5)のように表すことができる。
Figure 0005030312
式(4)中のSは送信シンボルを表しており、以下の式(6)に示すように、Nc*1のベクトルで表すことができる。
Figure 0005030312
同様に、式(4)中の受信信号R、雑音成分Nは、以下の式(7)、式(8)に示すように、Nc*1のベクトルで表すことができる。
Figure 0005030312
Figure 0005030312
なお、式(6)〜式(8)において、添え字に用いたTは転置行列であることを表している。
このような受信信号を受信したとき、合成部46の出力Yは、以下の式(9)に示すように、Nc*1のベクトルで表すことができる。
Figure 0005030312
合成部46は、チャネルインパルス応答推定値及び雑音電力推定値を基に、MMSEフィルタ係数Wを決定する。ここで、MMSEフィルタ係数Wは、以下の式(10)に示すように、Nc*Ncの対角行列で表すことができる。
Figure 0005030312
さらに、上記MMSEフィルタ係数Wの各要素は、周波数方向拡散時は以下の式(11)で表すことができる。ここで、mは1〜Nc(2又は2よりも大きい自然数)である。
Figure 0005030312
なお、式(11)中における、
Figure 0005030312
はコード多重時の他コードからの干渉成分であり、式(11)中における、
Figure 0005030312
は雑音電力の推定値を示している。また、式(11)中の添え字のHは、ハミルトニアン(共役転置)を示している。
また、上記のMMSEフィルタ係数Wの各要素は、時間方向拡散時はコード間の直交性が保たれていると仮定して以下の式(12)で表すことができる。
Figure 0005030312
なお、図11(a)〜図11(c)は、初回処理において図7に示した伝搬路を通った信号が、前記係数に基づいた合成部46に入力される様子を示している。
なお、図11(a)は、図7に示したチャネルインパルス応答P1〜P6を示しており、横軸に時間をとり、縦軸に受信電力をとっている。
図11(b)は、チャネルインパルス応答P1〜P6を周波数軸で表現した伝達関数を示しており、横軸に周波数をとり、縦軸に受信電力をとっている。なお、図11(b)において、初回処理では、周波数選択性が高い(周波数軸方向の電力の変動が激しい)ことが分かる。このような状態は、前述したとおり、MC−CDMにおいてはコード間において、直交性が崩れ、コード間干渉が生じていることを意味している。
次に、繰り返し時の合成部46の動作について説明する。まず繰り返し復調時に、i番目の到来波除去部45−iにおいて使用されるレプリカ信号r^を以下の式(13)のように表すことができる。
Figure 0005030312
ここで、h^は、i番目の到来波除去部45−iにおいて処理を行う到来波のみを抽出した遅延プロファイルである。s^は、前回の誤り訂正復号によって得られた対数尤度比λ2を基に算出されたレプリカ信号である。式(13)における、
Figure 0005030312
は畳み込み演算を示している。従って、到来波除去部45−iの出力、つまり、図4のi番目の到来波除去部45の出力R は、以下の式(14)のように表すことができる。
Figure 0005030312
ここでΔは、レプリカの不確定性による誤差信号と熱雑音成分を含む。このとき、合成部46の出力Y’は、以下の式(15)で表すことができる。
Figure 0005030312
ここで、レプリカ信号は精度よく生成されており、Δにはレプリカの誤差による成分は含まれず、熱雑音成分のみが含まれると仮定すると、MMSEフィルタ係数の部分行列は、以下の式(16)のように対角行列で表すことができる。
Figure 0005030312
さらに、合成部46への入力信号は、後述するように周波数選択性が少なくなっており、フラットフェージングに近い状態になっていることから、コード多重時のコード間干渉もないと仮定すると、各要素は以下の式(17)で表すことができる。
Figure 0005030312
なお、H^i’,mは、i’番目の到来波除去部におけるm番目の伝搬路の伝達関数である。また、H^i’,m は、H^i’,mのハミルトニアンである。
なお、式(17)において、分母の第1項にCmuxを掛けてもよい。つまり、繰返し処理時における合成部46への入力信号に対して、以下の式(17’)を用いてもよい。
Figure 0005030312
なお、式(17)および(17’)において、雑音電力の推定値σ^ を、レプリカ信号生成部28(図3)が出力するレプリカ信号s^(t)と、伝搬路・雑音電力推定部22(図3)が推定するチャネルインパルス応答推定値h(t)と受信信号r(t)とに基づいて求めてもよい。
例えば、レプリカ信号s^(t)とチャネルインパルス応答推定値h(t)との畳み込みした結果を受信信号r(t)から減算したものを雑音電力の推定値とする。
図12(a)〜図12(g)は、本発明の第1の実施形態による初回処理におけるチャネルインパルス応答推定値と合成部46を示す図である。図12では、繰り返し処理において図8〜図10に示した伝搬路を通った信号が、MMSEフィルタ係数に基づいた合成部46に入力される様子を示している。なお、ここでは到来波除去部の数Bを3としている。なお、図12(a)、図12(c)、図12(e)では、横軸に時間をとっており、縦軸に受信電力をとっている。また、図12(b)、図12(d)、図12(f)では、横軸に周波数をとっており、縦軸に受信電力をとっている。
合成部46は、初回復調時には式(11)又は式(12)で表わされるMMSEフィルタ係数Wを用い、繰り返し復調時には式(17)で表わされるMMSEフィルタ係数W’i,mを用いる。
なお、図11(a)と同様に、図12(a)、図12(c)、図12(e)は、図8〜図10に示したチャネルインパルス応答P1〜P6を示している。図12(b)、図12(d)、図12(f)は、チャネルインパルス応答P1〜P6を周波数軸で表現した、伝達関数を示している。
なお、図12(b)、図12(d)、図12(f)の繰り返し処理時では、周波数選択性が低い(周波数軸方向の電力の変動が小さい)ことが分かる。このような状態は、前述したとおり、MC−CDMにおいてはコード間において、直交性が保たれ、コード間干渉が生じにくいことを意味している。
このように、繰り返し処理を行うことにより、ガードインターバル(GI)を超える到来波を取り除くのと同時に、コード間干渉の影響も取り除くという効果を奏することができる。
図13は、本発明の第1の実施形態による伝搬路・雑音電力推定部22(図3)の構成を示す図である。伝搬路・雑音電力推定部22は、伝搬路推定部61、プリアンブルレプリカ生成部62、雑音電力推定部63を備えている。
伝搬路推定部61は、受信信号に含まれるパイロットチャネル(PICH)を用いてチャネルインパルス応答の推定を行う。プリアンブルレプリカ生成部62は、伝搬路推定部61によって求められたチャネルインパルス応答推定値と、既知情報であるPICH信号波形とを用いてパイロットチャネル(PICH)のレプリカ信号を作成する。
雑音電力推定部63は、受信信号に含まれるパイロットチャネル(PICH)部分と、プリアンブルレプリカ生成部62より出力されるパイロットチャネル(PICH)のレプリカ信号との差分をとることにより雑音電力の推定を行う。
なお、伝搬路推定部61における伝搬路推定方法としては、RLSアルゴリズムなどを用いて、最小平均自乗誤差規範に基づき導出を行う方法や、周波数相関を用いる方法など様々な方法を使用することができる。
本発明の第1の実施形態による受信機200によれば、レプリカ信号生成部28(図3)が作成したレプリカ信号を用いて受信信号r(t)から所定の時間帯ごとに到来波レプリカ生成部41(図5)が到来波を除去し、その所定の時間帯ごとに到来波を除去した信号を合成部46(図4)が合成し、その合成した信号に対して復調部50(図4)が軟判定を行うようにしたので、到来波を除去した信号に対してFFT(高速フーリエ変換)の処理を行うことが可能となる。また、到来波を除去することにより周波数選択性を減らした信号に対して逆拡散の処理を行うことが可能となり、コード数に関係のない演算量で、コード間干渉の除去を行うことができる。
ブロック分割の繰返し処理ごとに異なるブロック分割数を設定することによって、特性が改善できる理由を以下に説明する。
図14(a)〜図14(d)は、本発明の第1の実施形態によるブロック分割設定部81(図4)の処理を説明する図である。この処理は、ブロック分割の繰返し処理ごとに異なるブロック分割数を設定する場合の一例を示している。ここでは、図14(a)に示すように、受信機200が、12パスのマルチパスP101〜P112を受信した場合を示している。図14(a)〜図14(d)において、横軸には時間をとっており、縦軸には受信電力をとっている。
図14(b)は、繰返し処理回数が1回目のときにおけるブロック分割数が1の場合を示している。図14(b)では、パスP101〜P112をブロックB11に設定している。
図14(c)は、繰返し処理回数が2回目のときにおけるブロック分割数が3の場合を示している。図14(c)では、パスP101〜P104をブロックB21に設定しており、パスP105〜P108をブロックB22に設定しており、パスP109〜P112をブロックB23に設定している。
図14(d)は、繰返し処理回数が3回目のときにおけるブロック分割数が6の場合を示している。図14(d)では、パスP101、P102をブロックB31に設定しており、パスP103、P104をブロックB32に設定しており、パスP105、P106をブロックB33に設定しており、パスP107、P108をブロックB34に設定しており、パスP109、P110をブロックB35に設定しており、パスP111、P112をブロックB36に設定している。
本発明の第1の実施形態では、受信機200において受信されたマルチパスに対してブロック分割を行うことによって、前述したように、ISIとICIを低減または抑圧すると同時に、各ブロックにおける遅延分散を小さくすることによってMCI(Multi Code Interference:コード間干渉)を低減させることができる。さらに、そのMCIについて、ブロック分割数を大きくするにつれて、各ブロックにおける遅延分散が小さくなるため、MCIをさらに低減させることができる。
その一方で、ブロック分割を行う際に生じる分割誤差に起因して、ブロック分割数を大きくするにつれて特性の改善が制限されることがある。本実施形態では、ブロック分割を行うために、まず送信信号レプリカを生成し、生成した送信信号レプリカとチャネルインパスル応答推定値に基づいて、各ブロックに対応した到来波レプリカを生成する。そして、受信信号から生成した到来波レプリカを減算することによりブロック分割を行っている。
そのため、用いる送信信号レプリカの不確定性により、分割誤差が生じることになる。
図15(a)〜図15(c)は、本発明の第1の実施形態による効果を説明する図である。図15(a)〜図15(c)は、横軸に時間をとっており、縦軸に受信電力をとっている。図15(a)〜図15(c)は、12パスのマルチパスP101〜P112に対してブロック分割数を3としたときに、分割誤差が生じている様子を示している。
図15(a)〜図15(c)では、ブロックB21にマルチパスP101〜P104が含まれるように、ブロックB22にマルチパスP105〜P108が含まれるように、ブロックB23にマルチパスP109〜P112が含まれるように、ブロックB21〜B23の時間帯をそれぞれ設定している。
例えば、図15(a)で示すように、ブロックB21に含まれる到来波を得るために、ブロックB22およびB23に含まれる到来波と送信信号レプリカに基づいて生成した到来波レプリカを受信信号から減算する。送信信号レプリカが理想的であれば、ブロックB22およびB23に含まれる到来波を完全に除去することができ、ブロックB21に含まれる到来波のみを得ることができる。
しかし、繰返し回数が少ない場合等では、送信信号レプリカに不確定性が生じているため、それに起因して分割誤差が生じることになる。同様に、図15(b)および図15(c)に示すようにブロックB22およびB23においても、それぞれ分割誤差が生じる。
そして、この分割誤差が大きくなるにつれて、特性改善に対して影響することになる。
図16(a)、図16(b)は、本発明の第1の実施形態による効果を説明する図である。図16(a)、図16(b)は、横軸に時間をとっており、縦軸に受信電力をとっている。図16(a)は、12パスのマルチパスP101〜P112に対してブロック分割数を3としたときに、分割誤差が生じている様子を示している。図16(b)は、12パスのマルチパスP101〜P112に対してブロック分割数を6としたときに、分割誤差が生じている様子を示している。
図16(a)のブロックB22およびB23の分割誤差は、図16(b)のブロックB33〜B36の分割誤差と同じである。そのため、図16(a)に示すブロック分割数が3のときと、図16(b)に示すブロック分割数が6のときを比べると、図16(b)のブロックB32の分割誤差の分だけ大きくなる。
つまり、レプリカの不確定性が同じであれば、ブロック分割数が大きくなるにつれて、分割誤差による影響が大きくなることを意味している。なお、図15(a)〜図15(c)、および、図16(a)、図16(b)では簡単のため、所望のブロックに含まれる到来波に対する分割誤差は省略している。
図17は、本発明の第1の実施形態における分割数と特性との関係を示すグラフである。図17では、横軸に分割数をとっており、縦軸に特性をとっている。また、分割誤差に対する特性は分割誤差の大きさによって異なり、これは送信信号レプリカの確からしさに相当する。
図17に示すように、分割数が増加するに従って、コード間干渉の特性は減少する。一方、分割数が増加するに従って、分割誤差に対する特性は増加する。つまり、分割誤差が小の場合であれ、大の場合であれ、分割数が増加するにつれて、その分割誤差は増加する。
図18は、全ての繰返し処理に対してブロック分割数を固定した場合の特性を示すグラフである。図18では、横軸に分割数をとっており、縦軸に特性をとっている。ここで、特性とは、コード間干渉に対する特性と分割誤差に対する特性を示している。
図18に示すように、ブロック分割数が小さい場合のnでは、ある繰返し処理における分割誤差による特性の劣化は小さくなるが、繰返した場合でもMCI(コード間干渉)により特性の改善は小さい。すなわち、分割数nのところの矢印w1の示すように、分割誤差は当初の分割誤差の曲線との交点(矢印w1の尾のところ)から、複数回の繰り返しの後に、コード間干渉の曲線との交点(矢印w1の矢先のところ)まで改善されるが、その特性の改善は小さい。
その一方で、ブロック分割数が大きい場合のnでは、コード間干渉による特性の劣化は小さいため、繰返し処理により期待される特性の改善は大きいが、ある繰返し処理における分割誤差による特性の劣化が大きく、バースト的に誤る確率が高くなるため、結果的に繰返し処理後の誤り率特性が悪くなる。つまり、ブロック分割数を固定したときに、ブロック分割数を大きく設定した場合と小さく設定した場合の特性を比較すると、繰返した場合でもブロック分割数が大きい場合の特性の方が悪くなることがある。すなわち、分割数nのところの矢印w1で示すように、分割数nに固定して複数回繰り返した後の分割誤差の改善は、矢印w2のようにコード間干渉の曲線との交点まで伸びずに、「分割数nに固定し、複数回繰り返した後の特性」を示す横線のところで押さえられて、矢印w3のようにそこで終ってしまう。結果として、特性は分割数がnのときより悪い。
そのため、本実施形態では、以上を考慮して、繰返しによる特性を改善させることを目的として、繰返し回数に対して異なるブロック分割数を設定する。
図19は、異なるブロック分割数を設定した場合の特性改善の一例を示すグラフである。図19では、横軸に分割数をとっており、縦軸に特性をとっている。図19では、ブロック分割数の小さい順にn〜nとし、繰返し回数が多くなるにつれて、ブロック分割数を大きく設定する。
繰返し処理の序盤では、ブロック分割数をnにすることにより、分割誤差による特性劣化を抑えることができるが、図中のa点から次第にブロック分割数がnのときに得られるコード間干渉によるb点の特性となる。
そのため、次に、ブロック分割数をnにし、繰返し処理を続行する。ブロック分割数をnにしたc点の時点では、ブロック分割数がnのときに比べて、送信信号レプリカの不確定性が小さくなっているため、バースト的に誤る確率が低くなる。
そのため、繰返し処理を続けることにより、ブロック分割数がnのときに得られるコード間干渉によるd点の特性まで改善できる。以下同様にブロック分割数を大きく設定することにより特性を改善させることができる。すなわち、今度はブロック分割数をnにして処理を続行する。するとe点からf点の特性まで分割誤差を改善させることができる。
なお、各繰り返し処理時におけるブロック分割数の設定は、ブロック分割数で得られるコード間干渉による特性でなくてもよい。
以上のように、繰返し処理回数に対してブロック分割数を設定にすることにより、特性を改善させることができる。
図20は、本発明の第1の実施形態による受信方法を用いた場合の計算機シミュレーションによる評価結果の一例を示すグラフである。図20では、横軸に繰り返し処理回数をとっており、縦軸にパケット誤り率をとっている。
図20では、繰返し処理回数に対して、全て同じブロック分割数を設定した場合と、異なるブロック分割数を設定した場合のパケット誤り率特性を示す。また、その計算機シミュレーションで設定したブロック分割数は、繰返し処理回数毎に予め設定したものを用いている。すなわち、「+」の印は、ブロック分割数を3で固定して設定した場合の、繰り返し処理回数に対するパケット誤り率を示す。「×」の印は、ブロック分割数を6で固定した場合を示す。「●」の印は、以下のように(図21)、異なるブロック分割数に設定した場合を示す。繰り返し処理回数が8回の場合、ブロック分割数を6で固定したとき、パケット誤り率は0.01である。ブロック分割数を3で固定したときは、0.006である。異なるブロック分割数に設定したときは、0.003である。
図21は、図20の計算機シミュレーションで設定した繰返し処理回数とブロック分割数との関係を示す表である。つまり、図20の計算機シミュレーションでは、繰返し処理回数が、1、2、3、4、5、6、7、8のときに、ブロック分割数を、1、3、3、4、4、6、6、6と設定した。
図22は、図20の計算機シミュレーションで用いた主なシミュレーションパラメータを示す表である。図22に示すように、サブキャリア数を、768とした。また、拡散率(周波数方向×時間方向)として、16×1を用いた。また、拡散符号として、Walsh−Hadamard符号を用いた。
また、コード多重数を、12とした。また、変調方式として、QPSKを用いた。
また、誤り訂正符号として、ターボ(Turbo)符号を用いた。また、符号化率を、3/4とした。また、拘束長を、4とした。また、パケット長を、3456ビットとした。また、MAP復号として、MAX−log−MAPを用いた。
また、伝搬路として、12波指数減衰レイリーフェージングを用いた。また、ガードインターバル長を、1.674μsとした。また、遅延分散を、1.61μsとした。
また、ブロック分割方法を等時間とした。また、ブロック分割数を3とした。
図20から分かるように、本実施形態で説明した、繰返し処理ごとに異なるブロック分割数を設定した場合の特性は、全て同じブロック分割数を設定した場合の特性と比べて、改善している。
なお、以上の説明では、コード間干渉と分割誤差に基づいて、繰返し処理回数が増えるにつれてブロック分割数を大きくなるように設定することで特性を改善させることを示したが、これに限るものではなく、コード間干渉の代わりにシンボル間干渉、サブキャリア間干渉、パスダイバーシチ利得などのブロック分割により得られる利得(分割利得)のうち少なくとも1つに基づいてブロック分割数を設定してもよい。例えば、シンボル間干渉やサブキャリア間干渉の場合、ブロック分割後の各ブロックがガードインターバルを超えているとき、ブロック分割数が大きくなるにつれ、干渉は小さくなるため、ブロック分割により利得が得られることになる。また、パスダイバーシチ利得に関しては、ブロック分割数が大きくなるにつれ、到来してきたパスを細かく分離することができるため、各ブロックの結果を合成部で合成することにより、パスダイバーシチ利得が得られることになる。
また、ブロック分割数は繰返し処理回数に対して、全て異なるものを用いなくてもよいし、小さくしてもよい。例えば、送信信号レプリカの不確定性が同じであるならブロック分割数の小さい方が良好な特性を得られる場合などへの適用が考えられる。
第1の実施形態では、受信機200の一例として、受信信号からの軟判定結果を用いたキャンセラ、レプリカ生成、復調処理、復号処理する場合を説明したが、硬判定結果を用いてキャンセラ、レプリカ生成、復調処理、復号処理を行っても良い。つまり、受信信号からQPSK、16QAMなどの変調信号を復調する(ビット分解する)復調処理部として軟判定を行い、対数尤度比を出力する軟判定出力部を備えるMAP検出部を用いているが、硬判定値を出力する検出部を用いてもよい。
また、硬判定値から送信信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成部を用いても良い。さらに、軟判定値を生成したレプリカ信号に基づいて到来波を除去している到来波除去部を用いているが、受信信号から前記硬判定値から生成されたレプリカ信号に基づいて到来波を除去する到来波除去部を用いても良い。これらは、以降の実施形態においても同様である。
また、第1の実施形態では、各到来波除去部からの出力を合成する際、線形合成の一手法であるMMSE合成を用いているが、ZF(Zero Forcing)、MRC(Maximum Ratio Combining)などを用いても良い。また、非線形合成を用いても良い。
また、第1の実施形態では、各コードを誤り訂正符号化の単位としているが、誤り訂正符号化を複数のコードに亘って行ってもよい。
また、第1の実施形態では、受信機200を、MC−CDMに用いる場合について説明したが、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)などのような拡散処理のされていないマルチキャリア信号に用いてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、ブロック分割数を、送信信号レプリカの不確定性などに基づいて、繰返し処理ごとに適応的に設定することにより、ブロック分割を行う際に生じるレプリカの不確定性に起因した分割誤差を抑制しつつ、MCI(コード間干渉)を低減させ、特性を改善させる方法について説明する。
第2の実施形態の送信機や受信機の構成は、第1の送信機100(図1)や受信機200(図3)の構成とほぼ同じであるため、それらの説明を省略する。また、第2の実施形態が第1の実施形態と同様の部分については、それらの説明を省略し、第2の実施形態と第1の実施形態との相違点のみを説明する。
第2の実施形態は、受信機(図3)の信号検出部(図4)で行われる処理が第1の実施形態と異なる。
図23は、本発明の第2の実施形態による受信機の信号検出部90の構成を示す概略ブロック図である。第1の実施形態による受信機200(図3)の信号検出部23とは、信号検出部90のブロック分割設定部91への入力および処理が異なる。
本実施形態で用いるブロック分割設定部91には、レプリカ信号生成部28(図3)から出力されたレプリカ信号s^(t)と伝搬路・雑音電力推定部22(図3)から出力されるチャネルインパルス応答推定値h(t)が入力される。
ブロック分割設定部91では、入力されたレプリカ信号s^(t)とチャネルインパルス応答推定値h(t)に基づいて、送信信号レプリカの不確定性を求める。ここで、送信信号レプリカの不確定性を求める方法としては、例えば、レプリカ信号の信頼度情報に基づいて求めることができる。ここで、レプリカの信頼度情報としては、入力されたレプリカ信号の尤度を用いてもよい。つまり、尤度自体が各ビットの確からしさ(該ビットが1であるか0であるかの確率のようなもの)を表した値となっているので、それにより不確定性を求めることができる。
また、レプリカの信頼度情報としては、入力されたレプリカ信号とチャネルインパルス応答推定値との畳み込み演算を行ったものを受信信号から減算した値を用いてもよい。これにより、図15中の点線で示した分割誤差の総計を求めることができる。
また、送信信号レプリカの不確定性を求めるためのレプリカ信号として、軟判定出力部が出力する対数尤度比や、誤り訂正復号部が出力する対数尤度比を用いてもよい。
ブロック分割設定部91が求めた送信信号レプリカの不確定性に基づいて、ブロック分割設定値が設定され、ブロック分割部82に入力される。ブロック分割部82では、入力されたブロック分割設定値に基づいて、ブロック分割が行われる。以上の処理を、繰返し処理ごとに行う。
なお、繰返し処理ごとにブロック分割設定部91で設定するブロック分割設定値の設定方法は、例えば、送信信号レプリカの不確定性に対応したブロック分割数を予め設定するようにしてもよいし、繰返し処理によって改善される送信信号レプリカの不確定性の改善の大きさが所定値より小さくなった場合にブロック分割数を変更する方法などを用いてもよい。
第2の実施形態で説明した方法を用いて、繰返し処理ごとにブロック分割数を適応的に設定することにより、分割誤差などに応じて効果的に特性を改善させることができる。
図24は、本発明の第2の実施形態による効果について説明する図である。図24では、横軸に分割数をとっており、縦軸に特性をとっている。図24は、繰返し処理ごとに得られる分割誤差とコード間干渉に基づいて適したブロック分割数を繰返し処理ごとに適応的に設定したときの特性改善の様子を示している。
図24では、繰返し回数を7回とし、それぞれの繰返し処理において用いるブロック分割数をn〜nとし、設定されたそれぞれのブロック分割数を用いたときにそれぞれの繰返しにおいて得られる分割誤差のブロック分割数に対する特性を#1〜#7で示す。繰返し処理1回目では、ブロック分割数nを用いて繰返し処理を行い、そのときの分割誤差に基づいて、繰返し処理2回目のブロック分割数を設定する。以降同様に、繰返し処理を行う。
なお、図24の説明では、繰返し処理ごとに送信信号レプリカの不確定性が小さくなり、分割誤差が小さくなるため、ブロック分割数を大きくしていくことで、特性が改善しているが、これに限られるものではない。例えば、繰返し処理を行ったことによって、1回前の繰返し処理の分割誤差と比べて、分割誤差が大きくなった場合などでは、ブロック分割数を小さくしてもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、ブロック分割数を繰返し処理ごとに適応的に設定する場合において、ブロック分割数の設定方法について説明する。
第3の実施形態の送信機や受信機の構成は、第1の送信機100(図1)や受信機200(図3)の構成とほぼ同じであり、第3の実施形態による受信機の信号検出部の構成は、第2の実施形態による信号検出部90(図23)とほぼ同じであるため、それらの説明を省略する。また、第3の実施形態が第1の実施形態又は第2の実施形態と同様の部分については、それらの説明を省略し、第3の実施形態と第1の実施形態又は第2の実施形態との相違点のみを説明する。
第3の実施形態は、受信機の信号検出部90(図23)で行われる処理が第2の実施形態と異なる。
本実施形態では、ブロック分割設定部91において、それぞれの繰返し処理で期待される特性改善の大きさに基づいて、ブロック分割数を設定する。
図25は、本発明の第3の実施形態によるブロック分割数の設定方法の一例を示す図である。図25では、ある繰返し処理において、ブロック分割数nによりa点まで特性が改善し、次の繰返し処理で用いるブロック分割数を設定する場合について説明する。
まず、ブロック分割設定部91で求めた送信信号レプリカの不確定性に基づいて、a点での分割誤差を求める。次に求められた分割誤差のブロック分割に対する特性とコード間干渉とに基づいて、期待される特性改善の大きさが所定値となるようにブロック分割数を設定する。
例えば、図25に示すように、次の繰返し処理で用いるブロック分割数をnとすると、a点で得られる分割誤差では、ブロック分割数nのときの特性がb点となり、繰返し処理によりb点からc点まで改善される。つまり、次の繰返し処理において、ブロック分割数nを用いたときに期待される特性改善の大きさはbc点間となる。
このbc点間を期待される特性改善の大きさとしてもよいし、ac点間を期待される特性改善の大きさとしてもよい。例えば、a点の時点で、次の繰返し処理での分割数をnとすると、そのときの分割数に対するコード間干渉により期待される特性はc点であるため、a点とc点との間が期待される改善量となる。
なお、前記所定値は、予め設定していてもよいし、分割誤差やコード間干渉などを基準にして求めてもよいし、繰返し回数などを基準にして求めてもよいが、これらに限るものではない。コード間干渉の代わりに、シンボル間干渉、サブキャリア間干渉、パスダイバーシチ利得などのブロック分割により得られる利得(分割利得)のうち少なくとも1つに基づいてブロック分割数を設定してもよい。例えば、シンボル間干渉やサブキャリア間干渉の場合、ブロック分割後の各ブロックがガードインターバルを超えているとき、ブロック分割数が大きくなるにつれ、干渉は小さくなるため、ブロック分割により利得が得られることになる。また、パスダイバーシチ利得に関しては、ブロック分割数が大きくなるにつれ、到来してきたパスを細かく分離することができるため、各ブロックの結果を合成部で合成することにより、パスダイバーシチ利得が得られることになる。また、期待される特性改善の大きさをEXIT(EXtrinsic Information Transfer)チャートにより求めてもよい。
第3の実施形態を用いることによって、より最適なブロック分割数を選択することができるため、さらに効果的に特性を改善させることができる。なお、本実施形態による構成は第1の実施形態における構成にも適用可能である。つまり、本実施形態では、ブロック分割数を繰返し処理ごとに適応的に設定する場合におけるブロック分割数の設定方法について説明したが、ブロック分割処理の前に全てのブロック分割数を設定する場合のブロック分割数を設定する基準としても用いても良い。
なお、以上説明した実施形態において、送信機100(図1)や受信機200(図3)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより送信機100や受信機200の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
本発明は、受信機が送信機から受信した信号を復調する際の演算量を減らすことができる受信機及び受信方法などに適用できる。

Claims (13)

  1. 受信信号からチャネルインパルス応答推定値を求める伝搬路推定値と、
    送信信号のレプリカであるレプリカ信号を受信信号に基づいて作成するレプリカ信号作成部と、
    受信信号から抽出する到来波の複数の遅延時間の時間帯を設定する時間設定部と、
    前記レプリカ信号作成部が作成したレプリカ信号および前記複数の遅延時間の時間帯各々について該時間帯外の前記チャネルインパルス応答推定値を用いて、前記時間帯設定部が設定した各時間帯の到来波を抽出する受信信号抽出部と、
    前記受信信号抽出部が抽出した各時間帯の信号を合成する合成部と、
    前記合成部が合成した信号に対して復調処理を行う復調処理部とを備え、
    同一の前記受信信号に対して、前記レプリカ信号作成部と、前記時間設定部と、前記受信信号抽出部と、前記合成部と、前記復調処理部とによる処理を繰り返し、
    該繰り返しにおいて、少なくとも1回は、前記時間設定部が設定する時間帯が異なることを特徴とする受信機。
  2. 前記受信信号抽出部は、
    受信信号の伝搬路推定値であるチャネルインパルス応答推定値と前記レプリカ信号作成部が作成するレプリカ信号と前記時間帯設定部が設定する時間帯とに基づいて遅延時間が各前記時間帯外の到来波のレプリカを生成する到来波レプリカ生成部と、
    前記時間帯設定部が設定した時間帯ごとに、前記到来波レプリカ生成部が生成した該時間帯外の到来波のレプリカを受信信号から減算することにより前記時間帯設定部が設定した時間帯の受信信号を抽出する減算部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の受信機。
  3. 前記時間帯設定部は、繰返し処理の回数が増えるにつれて、前記時間帯の数が不変または増加するように前記時間帯を設定することを特徴とする請求項1記載の受信機。
  4. 前記時間帯設定部は、前記チャネルインパルス応答推定値に基づいて、前記時間帯を設定することを特徴とする請求項1記載の受信機。
  5. 前記時間帯設定部は、前記時間帯を前記繰返し処理毎に適応的に設定することを特徴とする請求項1に記載の受信機。
  6. 前記時間帯設定部は、前記レプリカ信号作成部が作成するレプリカ信号の尤度に基づいて、前記時間帯を設定することを特徴とする請求項5記載の受信機。
  7. 前記時間帯設定部は、前記レプリカ信号作成部が作成するレプリカ信号の信頼度情報に基づいて、前記時間帯を設定することを特徴とする請求項5記載の受信機。
  8. 前記信頼度情報は、前記レプリカ信号作成部が作成するレプリカ信号と前記チャネルインパルス応答推定値と前記受信信号とから求められる誤差であることを特徴とする請求項7記載の受信機。
  9. 前記時間帯設定部は、前記誤差と前記受信信号抽出部における利得とに基づいて、前記時間帯を設定することを特徴とする請求項8記載の受信機。
  10. 前記利得は、シンボル間干渉、サブキャリア間干渉、パスダイバーシチ利得のうち少なくとも1つに基づいて決定されることを特徴とする請求項9記載の受信機。
  11. コード多重された信号を分離する逆拡散部をさらに備え、前記利得は、コード間干渉、シンボル間干渉、サブキャリア間干渉、パスダイバーシチ利得のうち少なくとも1つに基づいて決定されることを特徴とする請求項9記載の受信機。
  12. 受信信号からチャネルインパルス応答推定値を求める伝搬路推定過程と、
    送信信号のレプリカであるレプリカ信号を受信信号に基づいて作成するレプリカ信号作成過程と、
    受信信号から抽出する到来波の複数の遅延時間の時間帯設定過程と、
    前記レプリカ信号作成過程で作成したレプリカ信号および前記複数の遅延時間の時間帯各々について該時間帯外の前記チャネルインパルス応答推定値を用いて、前記時間帯設定過程で設定した各時間帯の到来波を抽出する受信信号抽出過程と、
    前記受信信号抽出過程で抽出した各時間帯の信号を合成する合成過程と、
    前記合成過程で合成した信号に対して復調処理を行う復調処理過程とを有し、
    同一の前記受信信号に対して、前記レプリカ信号作成過程と、前記時間設定過程と、前記受信信号抽出過程と、前記合成過程と、前記復調処理過程とを繰り返し、
    該繰り返しにおいて、少なくとも1回は、前記時間設定過程にて設定する時間帯が異なることを特徴とする受信方法。
  13. 受信信号からチャネルインパルス応答推定値を求める伝搬路推定値と、
    送信信号のレプリカであるレプリカ信号を受信信号に基づいて作成するレプリカ信号作成部と、
    受信信号から抽出する到来波の複数の遅延時間の時間帯を設定する時間設定部と、
    前記レプリカ信号作成部が作成したレプリカ信号および前記複数の遅延時間の時間帯各々について該時間帯外の前記チャネルインパルス応答推定値を用いて、前記時間帯設定部が設定した各時間帯の到来波を抽出する受信信号抽出部と、
    前記受信信号抽出部が抽出した各時間帯の信号を合成する合成部と、
    前記合成部が合成した信号に対して復調処理を行う復調処理部とを有し、
    同一の前記受信信号に対して、前記レプリカ信号作成部と、前記時間設定部と、前記受信信号抽出部と、前記合成部と、前記復調処理部とによる処理を繰り返し、
    該繰り返しにおいて、少なくとも1回は、前記時間設定部が設定する時間帯が異なることを特徴とする集積回路。
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