JP5029438B2 - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
無段変速機用動力伝達チェーンとしては、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが知られており、特許文献1では、無段変速機のミスアライメントに対応するために、チェーン幅方向のスキュー量を調整することが提案されている。
特開2005−321066号公報
この種の動力伝達チェーンは、必要な数のピンを垂直状に保持した後、リンクを1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造されるが、この際、チェーン幅方向に並ぶリンクの隣り合うもの同士の間に隙間があると、チェーンの弦振動が発生した場合の抑止力となる摩擦力が無くなるので、振動および騒音が大きくなるという問題が生じやすい。隙間を0とすればよいが、このような製造方法は、手間がかかり、また、自動組立てが困難なものとなる。
この発明の目的は、自動組立てが容易なリンク間の隙間有りの条件下で、リンク間の接触を適正な大きさとすることにより、弦振動を減衰させることができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、平面直置き状態で反りが存在していることを特徴とするものである。
従来の動力伝達チェーンは、特許文献1のものを含めて、平面直置き状態(無端状に形成された状態で平面上に置かれた場合)では、全面が平面に接触する(反り量が0となる)ようになされている。これに対し、この発明による動力伝達チェーンでは、平面直置き状態では、一部が平面に接触し、一部が浮いた状態となる。そして、組立て時において、チェーン幅方向に並ぶリンクの隣り合うもの同士の間の隙間は有りとされる。ここで、「隙間」は、リンクに反りがないとした場合の設計時の隙間をいうものとする。リンク間の隙間は、ピンにリンクを固定(圧入)する際のリンク位置を所定位置とすることで設定される。
平面直置き状態で反りがあるようにするには、無端状チェーンの状態で、少なくとも一部の箇所において、隣り合うピン同士が平行でないようにすればよい。また、無端状チェーンとする前の状態で、平行四辺形(従来のものは、通常、長方形)ではない四辺形(例えば、台形)としておいて、これの端面同士を突き合わせて無端状にすることでも得ることができる。
このチェーンを無段変速機に取り付けた場合、チェーンに進行方向の張力がかかることにより、チェーンは進行方向直線状態となり、これにより、リンク間の隙間が0となって、チェーン幅方向に並ぶリンク間に適切な摩擦力が形成され、この摩擦力により、動力伝達チェーンの弦振動が抑制される。この場合のリンク同士の接触状態は、組立て時に隙間を0としたものに比べて、柔な状態(ばねの状態)となり、過負隙間に起因する回転ムラが起こりにくいものとなる。反りは大きすぎると、耐久性および騒音低減に逆効果となるので、浮いた部分が平面となす最大量を「反り量」として、反り量が1.5mm未満とされることが好ましい。反り量の下限は特に限定されないが、0.3mm以上(好ましくは0.5mm以上)あれば、耐久性および騒音低減を確実に向上させることができる。この効果は、ミスアライメントの値にかかわらず得ることができ、全変速域にてリンク間摩擦を有効に得ることができ、全速度域にて騒音を低減することができる。
平面直置き状態での反りは、例えば、次の4つの構成のうちの1つまたはいくつかを使用することで得ることができる。
1.各リンクは、単品で反った状態に形成され、平面直置き状態で反りが同じ方向となるように配置される。このようにするには、例えば、前後挿通部を形成するためのプレス成形時にリンクに反りが発生するようにすればよく、これにより、リンクおよびピンは、従来と全く同じものを使用して、平面直置き状態での反りを得ることができる。
2.各リンクは、平面直置き状態で最下段から上の段に行くにしたがってピッチ長が変化するように配置される。ピッチ長が一定の場合、チェーンは、全体として、円筒状をなすのに対し、このようにピッチ長を変化させることで、円筒からずれることになり、平面直置き状態で反りが生じる。
3.平面直置き状態で最下段のリンクのピッチ長と最上段のリンクのピッチ長とが異なっている。この場合、中間部分のリンクのピッチ長は、最下段のリンクのピッチ長と同じとしてもよく、最上段のリンクのピッチ長と同じとしてもよく、また、これらの中間のピッチ長としてもよい。このようにすると、上記2に比べて、リンクの種類を減らすことができる。
4.各ピンの背面がピン軸方向にテーパ状とされている。
この動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されていることが好ましく、前後挿通部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。1つの挿通部には、第1ピンと第2ピンとがチェーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリンクの挿通部の周面に嵌合固定される。嵌合固定は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が高精度に付与される。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なように所要の曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの転がり接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。いずれの場合でも、各ピンの転がり接触面形状がそれぞれ2種類(例えば相対的に曲率が大のものと相対的に曲率が小のもの)形成されることで、転がり接触移動の軌跡が相違するピンの組が2種類存在するようにしてもよい。第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡は、例えば、インボリュート曲線とされる。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
このような動力伝達装置では、変速比の変化に伴ってミスアライメント(第1のプーリの幅方向中心線と第2のプーリの幅方向中心線とがプーリの軸線方向にずれること)が生じるが、このミスアライメントは、所定領域(例えば全変速域)において、反りが矯正される方向に設定されていることが好ましい。このようにすると、所定領域においては、チェーン幅方向に並ぶリンク間の摩擦力がミスアライメントによって大きくなり、弦振動の減衰がより確実なものとなる。
この動力伝達装置は、自動車等の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、平面直置き状態で反りが発生するようにすることで、張力負荷状態において適正なリンク間の摩擦力を得ることができるので、動力伝達チェーンの弦振動が抑制される。しかも、リンク同士の接触状態は、組立て時に隙間を0としたものに比べて、柔な状態となり、過負隙間に起因する回転ムラが起こりにくいものとなる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1および図2は、この発明による動力伝達チェーンの基本構成を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、また、ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされて、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。
図2に示すように、各リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を組立て治具上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には張力が付与(予張)される。
上記の動力伝達チェーンは、CVTで使用されるが、この際、図7に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、各可動部(16)(19)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。そして、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D状態が得られる。
上記動力伝達チェーン(1)では、チェーン幅方向に隣り合うリンク(11)間には所定の大きさの隙間が設定されている。このように隙間を設定した場合、チェーン(1)の弦振動に対しては、隙間が0であるものに比べて、振動を減衰させる摩擦力が減少することになるが、これを次のようにして補っている。
この発明による動力伝達チェーン(1)は、従来、平面直置き状態では、反りが0、すなわち、全てのピン(14)およびインターピース(15)が垂直となって、ピン(14)の下端面が平面に接触するように形成されていたのに対し、平面直置き状態で反りがあるように、すなわち、図3に模式的に示すように、多数のピン(14)(およびインターピース(15))が垂直から傾斜し、一部が平面Pに接触し、一部が浮いた状態となるように形成されている。同図において、Dが反り量であり、これが0.5〜1.5mmとされている。
平面直置き状態での反りDは、図4から図6までに模式的に示す実施形態のうちの1つまたはいくつかを使用することで得ることができる。
図4に示す実施形態において、各リンク(11)は、単品で反った状態に形成され、平面直置き状態で反りが同じ方向(上向きに凸)となるように配置される。このようにするには、例えば、前後挿通部(12)(13)を形成するためのプレス成形時にリンク(11)に反りが発生するようにすればよく、これにより、リンク(11)、ピン(14)およびインターピース(15)は、従来と全く同じものを使用して、平面直置き状態での反りを得ることができる。各リンク(11)の反りの大きさは、同じであってももちろんよいが、単品での反り量が異なるリンク(11)がランダムに配置されてもよい。また、反りの大きさが最下段から上の段に行くにしたがって、徐々に変化するようにされていてもよい。
図5に示す実施形態において、各リンク(11)は、平面直置き状態で最下段から上の段に行くにしたがってピッチ長がP1からP2(P1<P2)に変化するように配置される。ピッチ長が一定の場合、隣り合うピン(14)およびインターピース(15)同士の平行が確保されて、チェーン(1)は全体として円筒状となるが、ピン軸方向に沿ってリンク(11)のピッチ長がP1からP2に変化させられていることで、チェーン(1)は、円筒からずれることになり、平面直置き状態で反りが生じる。
図示省略するが、図5において、中間段のリンク(11)のピッチ長は、必ずしも徐々に変化させる必要はなく、平面直置き状態で最下段のリンク(11)のピッチ長P1と最上段のリンク(11)のピッチ長P2とが異なっているようにすれば、同じ効果を得ることができる。この場合、中間部分のリンク(11)のピッチ長は、最下段のリンク(11)のピッチ長P1と同じとしてもよく、最上段のリンク(11)のピッチ長P2と同じとしてもよく、また、これらの中間のピッチ長としてもよい。このようにすると、図5に示したものに比べて、リンク(11)の種類を減らすことができる。
図6に示す実施形態において、各ピン(14)の背面(インターピース(15)に転がり接触している面(15a)と反対側の面)(14b)がピン軸方向にテーパ状とされている。この結果、ピン(14)の軸線方向が隣り合うもの同士で平行でないようになり、平面直置き状態で反りが生じる。
こうして、この動力伝達チェーン(1)によると、平面直置き状態での反りDが有りとされることにより、張力負荷状態において隣り合うリンク(11)間の摩擦力が抵抗力となって振動を減衰させることができ、一方、リンク(11)同士を接触させながらも、柔な状態(ばねの状態)の接触であるため、リンク(11)間に過大な接触圧が発生することはなく、リンク(11)の摩耗を抑えることができ、チェーン(1)の伝達効率を大幅に低下させることはない。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡がインボリュート曲線とされていることにより、ピンおよびインターピースの転がり接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。そして、CVTで使用された場合に、平面直置き状態での反りが存在していることで、弦振動が抑制され、より一層騒音を低減することができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクおよびピンの拡大側面図である。 図3は、この発明による動力伝達チェーンの平面直置き状態を模式的に示す図である。 図4は、平面直置き状態で反りが有りとするための1実施形態を模式的に示す図である。 図5は、平面直置き状態で反りが有りとするための他の実施形態を模式的に示す図である。 図6は、平面直置き状態で反りが有りとするためのさらに他の実施形態を模式的に示す図である。 図7は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)

Claims (6)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、
    平面直置き状態で反りが存在していることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 各リンクは、単品で反った状態に形成され、平面直置き状態で反りが同じ方向となるように配置されていることを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 各リンクは、平面直置き状態で最下段から上の段に行くにしたがってピッチ長が変化するように配置されていることを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン。
  4. 平面直置き状態で最下段のリンクのピッチ長と最上段のリンクのピッチ長とが異なっていることを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン。
  5. 第1ピンまたは第2ピンの背面がピン軸方向にテーパ状とされていることを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン。
  6. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1から5までのいずれかに記載のものとされている動力伝達装置。
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