JP2009079641A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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和久 北村
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Abstract

【課題】 リンク間の接触を適正な大きさとすることにより、回転トルクの増加を抑え、しかも、リンク間に振動を抑止できる程度の摩擦力を生成することができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 各リンク11は、プレス加工で製作されており、その反り量が0.01mm以上のものDが少なくとも1枚含まれている。反り小のリンク11間には、隙間Gがあり、反り大のリンクDと反り小のリンク11とは、隙間gが確保された状態で接触する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図5に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
特開2005−233275号公報
特許文献1の動力伝達チェーンでは、チェーン幅方向に並ぶリンクの隣り合うもの同士の間に隙間が設けられているが、この隙間が大きいと、チェーンの弦振動が発生した場合の抑止力となる摩擦力が無くなるので、振動および騒音が大きくなるという問題が生じやすい。逆に、隙間をなくすと、リンク間の接触による摩擦力によって回転トルクが大きくなり好ましくない。
この発明の目的は、リンク間の接触を適正な大きさとすることにより、回転トルクの増加を抑え、しかも、リンク間に振動を抑止できる程度の摩擦力を生成することができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、各リンクは、プレス加工で製作されており、その反り量が0.01mm以上のものが少なくとも1枚含まれていることを特徴とするものである。
各リンクは、平行な平坦面を有している板材に、プレス加工、熱処理、表面処理などを施すことで製作され、この結果、リンクには、反りが生じる。反り量は、リンクによってばらつきがあり、反り量が0.01mm以上のリンクは、リンクの反りを測定して反り大のものを選別することで得ることができ、必要に応じて、プレス成形時に意図的に反りを大きくするようにしてもよい。反り大のリンクの反り量は、0.1mm以下とされることが好ましい。反り大のリンクの反り量のより好ましい範囲は、0.03〜0.08mmとされる。リンクの反りの方向は一方向に揃えられることが好ましく、このようにするには、各プレスを同じ方向に打ち抜いて同じ方向に配置すればよい。
弦振動の低減を考えた場合、チェーン幅方向に並ぶリンク間に隙間があると、弦振動が減衰しにくくなるので、この隙間をゼロとすることが考えられる。しかしながら、このようにすると、チェーン幅方向に並ぶリンク同士の接触によって、摩擦抵抗が増加し、チェーンの回転トルクが大きくなってしまう。また、リンク間に保持された潤滑油の粘性抵抗も摩擦抵抗増加の要因であり、平面同士の接触は、潤滑油による摩擦抵抗増加の原因となる。そこで、リンクに必然的に生じる反りを考慮して、反りの大きいリンクと反りの小さいリンクとを接触させ、平面同士の接触を防止することで、リンク間の摩擦による振動減衰効果を落とさずに、かつ摩擦抵抗の増加(屈曲時のトルク増加)を防ぐことができる。しかも、反りがあることで発生するリンク間の隙間は、潤滑油の保持部としての機能を有することになり、潤滑効果も高めることができる。こうして、加工時に発生する反りを利用して、リンク間の適正な摩擦力を得ることができる。
リンクの幅方向隙間(リンクに反りがないとした場合の設計時の隙間)は、0より大きくかつ0.02mm以下(より好ましくは0.01mm以下)とされる。この隙間は、ピンにリンクを固定(圧入)する際のリンク位置を所定位置とすることで設定される。
反りの大きいリンクには、エッジ当たりを防止するために、リンクの縁部のバリ、カエリなどの除去加工が施されていることが好ましい。
チェーンは、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されていることがある。この場合に、3列のうちの少なくとも1列に、反り大のリンクが含まれることが好ましく、各列に1つ以上反り大のリンクが含まれることがより好ましい。
弦振動を減衰させる効果は、反り大のリンクがチェーンの直線部分の緩み側にある場合に大きくなる。反り大のリンクが全体で1枚だけであったとしても、チェーンの回転に伴って、このリンクがチェーンの直線部分の緩み側に来るごとに、弦振動の減衰効果が得られるので、少なくとも1枚あれば、弦振動低減効果を得ることができる。例えば、チェーン全長/チェーンの直線部分の長さ≒Nの場合、適宜な間隔でN枚以上の反り大のリンクを配置すれば、チェーンの直線部分の緩み側に少なくとも1枚が必ず存在することになり、所要の弦振動低減効果が達成される。例えば、チェーン全周において、中央のリンクの反り量を0.05mmに設定することで、より一層低トルクで騒音レベルの低いチェーンを得ることができる。組立てのしやすさを考慮して、反り大のリンクの配置位置を特定しないようにしてもよい。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。第2ピンは、第1ピンよりも幅が狭い形状とされることが好ましく、この場合、第2ピンの上下縁部に突出縁部が設けられることがある。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部の前側部分に設けられたピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部の前側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部の後側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部の後側部分に設けられたピン固定部に固定されていることが好ましい。
ピン固定部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入によるピン固定部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定は、ピン固定部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車等の車両の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、加工時に発生する反りを利用して、適正なリンク間の摩擦力を得ることができるので、回転トルクの増加を抑え、しかも、リンク間に振動を抑止できる程度の摩擦力を生成することができる。これにより、騒音低減と回転トルクの低減とを両立させることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート曲線とされ、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線領域においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチ長である。
この動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、ピン(14)とインターピース(15)の接触点の移動量を大きくとることができる。接触点の移動量を大きくとることで、リンク(11)に発生するモーメント力は、大となる。リンク(11)に発生するモーメント力は、多角形振動量を低減する効果があるので、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
より一層の騒音および振動の低減のためには、弦振動を効果的に減衰させることが必要であり、それには、チェーン幅方向に隣り合うリンク(11)同士を接触させることが好ましい。しかしながら、チェーン幅方向に隣り合うリンク(11)同士を接触させると、これらのリンク(11)間の摩擦抵抗によって、チェーン使用時の回転トルクが大きくなるという問題が生じる。そこで、次のようにして、弦振動の低減と回転トルクの低減との両立が図られている。
リンク(11)は、プレス加工、熱処理、表面処理などを経て製作されるが、この際にリンク(11)に生じる反りに着目して、図3に示すように(図では反りを誇張して描いている)、反り量が小のリンク(11)の間に、反り量が大のリンクDが配置される。反り量が小のリンク(11)同士間には隙間Gがあり、反り量小のリンク(11)と反り量大のリンクDとは、隙間gが確保されて接触するように隙間Gの大きさが設定されている。反り量小のリンク(11)と反り量大のリンクDとの間に形成される隙間gは、潤滑油保持部として機能することができる。反りを0としたときのリンク(11)間の隙間Gの大きさは、例えば0.05mmとされる。リンク(11)の反りは、リンク(11)によって異なり、例えば、リンク(11)の厚さを1mmとした場合、反り量Wは、例えば、最小が0、最大が0.05mm程度となる。したがって、全てのリンク(11)について反り量を測定することで、反り大のリンクDを選別することができ、これを適当な間隔で配置することで、チェーン(1)の各所に図3に示したような配置を形成することができる。なお、反り量大のリンクDのエッジ部eは、エッジ当たり防止のために面取りされる。
図3において、リンク(11)同士の接触は、面接触でないことから、チェーン(1)全体としてのリンク間の摩擦力は、すべてのリンク(11)が接触するときの摩擦力の数分の1程度になる。したがって、リンク(11)間に過大な接触圧が発生することはなく、回転トルクの増加を抑えることができ、チェーン(1)の伝達効率が大幅に低下することはない。一方、チェーン(1)が発生する弦振動を効果的に減衰させるには、リンク(11)間の摩擦力が有効であるが、摩擦力が確保された状態にできるので、結果として、振動を低減することができる。
この動力伝達チェーン(1)は、図5に示すV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、図4に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ドライブピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D(オーバードライブ)状態が得られる。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を組立て治具上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.05mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には張力が付与(予張)される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンク、ピンおよびインターピースの形状を示す拡大側面図である。 図3は、反り大のリンクを使用することによる効果を示す図である。 図4は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図5は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク(基準ピッチ長リンク)
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)

Claims (2)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、
    各リンクは、プレス加工で製作されており、その反り量が0.01mm以上のものが少なくとも1枚含まれていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1の動力伝達装置。
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