JP5029354B2 - 新規ポリマー及びこれを用いたコレステロール測定法 - Google Patents

新規ポリマー及びこれを用いたコレステロール測定法 Download PDF

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Description

本発明は、一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、一般式[2]で示されるモノマー単位及び一般式[3]で示されるモノマー単位を構成成分として含んでなるポリマーを用いた、例えば高比重リポ蛋白(HDL)、低比重リポ蛋白(LDL)、超低比重リポ蛋白(VLDL)等のリポ蛋白中コレステロールの測定用試薬、キット及び測定方法、詳しくは、試料中のHDL、LDL、VLDL中のコレステロールの直接的な測定に於いて、当該ポリマーを含有させたリポ蛋白中のコレステロールの測定用試薬、キット及び該測定試薬を用いて特定のリポ蛋白中のコレステロール濃度を測定する方法、並びに一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、一般式[2]で示されるモノマー単位及び第3モノマー単位からなるポリマーに関する。
血清及び血漿中リポ蛋白中コレステロールの測定は、主に動脈硬化、心筋症、脂質異常解析等の診断に利用されており、臨床検査の分野に於いては重要な測定項目の1つである。特にHDLコレステロール(HDL−C)及びLDLコレステロール(LDL−C)に於いては、動脈硬化学会に於いてもガイドラインが設定され、測定頻度が高い項目の1つでもある。遠心分離操作等を行うことなく、自動分析装置等を用いて実施できるHDL−Cの直接的測定方法としては、例えば、抗βリポ蛋白抗体を用いてHDL以外のリポ蛋白を保護しHDL−Cのみを検出する方法(特許文献1)、シクロデキストリン誘導体等の糖化合物及び修飾した酵素を用いて同様にHDL−Cのみを検出する方法(特許文献2)、リポ蛋白を溶解しない界面活性剤を使用する方法(特許文献3)、HDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去した後にHDL−Cを特異的に検出する方法(特許文献4)、カリクスアレン類を用いてHDL以外のリポ蛋白と複合体を形成させて保護し、HDL−Cを検出する方法(特許文献5)などがある。
一方、遠心分離操作等を行うことなく、自動分析装置等を用いて実施できるLDL−Cの直接的測定法としては、ポリアニオンと両性界面活性剤でLDLを保護し、LDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去した後、LDL−Cを測定する方法(特許文献6)界面活性剤を用いてLDL以外のリポ蛋白のみ可溶化して消去した後、LDL−Cを検出する方法(特許文献7、特許文献8)、カリクスアレン類を用いてLDL以外のリポ蛋白を保護し、LDL−Cを検出する方法(特許文献9)などが挙げられる。
しかしながら、これらの試薬の測定精度は、脂質濃度が正常範囲である検体(正脂検体)に於いては満足できるものの、例えば高トリグリセライド(TG)検体等の脂質異常検体に於いては、標準的測定法で、超遠心による分画と組み合わせたUCHM法(Ultracentrifugation-heparin-MnCl2-method)、BQ法(Beta-Quantification method)での測定値を比べると必ずしも精度の面で十分とはいえないのが現状である。
また、特許文献10には、ポリエチレングリコールを主鎖に有するブロック共重合体及びこれを化粧料として使用することが開示されている。
特許第3446486号公報 特許第2600065号公報 特許第2799835号公報 特許第3164829号公報 国際公開WO98/59068号公報 特開2000-60600号公報 特許第3193634号公報 特許第3058602号公報 国際公開WO98/59068号公報 特開2001-288233号公報
本発明は、ポリマーを含んで成る、リポ蛋白中のコレステロールの測定方法及び測定用試薬、並びに新規なポリマーを提供することを課題とする。
本発明は、
(1)(i)一般式[5]
Figure 0005029354
(式中、R は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R はシアノ基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、E は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、kは10〜250の整数を表す。)で示されるポリエチレングリコールセグメント
(ii)一般式[2]
Figure 0005029354
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示されるモノマー単位、及び
(iii)メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸ジ(トリフルオロメチル)メチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル、メタクリル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチル、シクロヘキシルメタクリルアミド、アクリル酸シクロヘキシル、ビニルシクロヘキシル、アリルシクロヘキシル、シクロヘキシルビニルエーテル又はアリルベンゼン由来の第3モノマー単位からなるポリマー(以下、「本発明のポリマー(a)」と略記する場合がある。)、
(2)(iv)一般式[1]
Figure 0005029354
(式中、kは前記に同じ。)で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、
(v)一般式[2]
Figure 0005029354
(式中、Rは前記に同じ。)で示されるモノマー単位、及び
(vi)一般式[3]
Figure 0005029354
〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは一般式[4]
Figure 0005029354
(式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基又はボルニル基を表す。)で示される基、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基又はアルキルカルバモイル基を表す。〕で示されるモノマー単位を構成成分として含んで成るポリマー(以下、「本発明に係るポリマー」と略記する場合がある。)
の共存下で測定を行うことを特徴とする、特定のリポ蛋白中のコレステロールの測定方法、
(3)生体由来試料を(1)コレステロールエステラーゼ(CHE)及びコレステロールオキシダーゼ(CO)、又は(2)CHE、コレステロールデヒドロゲナーゼ(CHD)及びNAD(P)〔ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)〕と反応させ、生成する過酸化水素又はNAD(P)H〔還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)〕に基づいてコレステロールを測定するための試薬に、上記(iv)〜(vi)を構成成分として含んでなるポリマーを含有させた、生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用試薬、
(4)生体由来試料を特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去するための試薬と接触させて、特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去し、特定のリポ蛋白中のコレステロールと、(1)CHE及びCO、又は(2)CHE、CHD及びNAD(P)と反応させ、生成する過酸化水素又はNAD(P)Hに基づいてコレステロールを測定するための試薬に、上記(iv)〜(vi)を構成成分として含んでなるポリマーを含有させた、生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用試薬、
(5)(1) 上記(iv)〜(vi)を構成成分として含んでなるポリマー、(2)CHE、(3)CO、ペルオキシダーゼ(POD)、及びカップラー又は/及びデベロッパー、及び(4)水性媒体を含んでなる第一試液と、(5)CHE、(6)CO及び(7)水性媒体を含んでなる第二試液とからなるものであって、POD、カップラー、デベロッパーがそれぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含まれている、特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用キット、
(6)(1) 上記(iv)〜(vi)を構成成分として含んでなるポリマー、(2)CHE、(3)CO、(4)POD、(5)カップラー、(6)デベロッパー及び(7)水性媒体を含んでなる第一試液と、(8)界面活性剤及び(9)水性媒体を含んでなる第二試液とからなる、特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用キット、及び
(7)(1) 上記(iv)〜(vi)を構成成分として含んでなるポリマー、(2)CHE、(3)CO、(4)カタラーゼ(CAT)及び(5)水性媒体を含んでなる第一試液と、(6)CAT阻害剤、(7)水性媒体及び要すれば(8)界面活性剤とを含んでなる第二試液とからなるものであって、POD、カップラー、デベロッパーがそれぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含まれている、特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用キット、の発明である。
リポ蛋白中のコレステロールの直接的測定法に於いて、上記(iv)一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、(v)一般式[2]で示されるモノマー単位及び(vi)一般式[3]で示されるモノマー単位を構成成分として含んでなるポリマー(以下、「本発明に係るポリマー」と略記する場合がある。)、特に上記(i)一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、(ii)一般式[2]で示されるモノマー及び(iii)第3モノマーからなるポリマー(以下、「本発明のポリマー(a)」と略記する場合がある。)を共存させることにより、特定のリポ蛋白を保護し、当該特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応を阻害、言い換えれば、遅延ないしは一時的に停止させて、特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールの反応を先行させて、当該特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを測定することができる。また、反応を先行させた当該特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去することにより、特定のリポ蛋白中のコレステロールを測定することができる。これにより、測定対象となる目的のリポ蛋白以外のリポ蛋白を分離分別することなく、目的のリポ蛋白中のコレステロールを測定することが可能となる。更に、本発明によれば、これまで問題となっていた脂質異常検体の測定値に於いても標準的測定法での測定値と一致する測定精度に優れたリポ蛋白中コレステロール測定方法及び測定試薬を提供することが可能となる。
1.本発明に係るポリマー
1−1.ポリマー
一般式[1]に於いて、kは通常10〜250、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150の整数である。
一般式[2]及び[3]に於いて、R及びRで示される炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状或いは分枝状でもよく、通常炭素数1〜3、好ましくは炭素数1のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。
一般式[3]に於いて、Rで示されるアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜15、好ましくは3〜8のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、n-ウンデシル基、イソウンデシル基、sec-ウンデシル基、tert-ウンデシル基、ネオウンデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、sec-ドデシル基、tert-ドデシル基、ネオドデシル基、n-トリデシル基、イソトリデシル基、sec-トリデシル基、tert-トリデシル基、ネオトリデシル基、n-テトラデシル基、イソテトラデシル基、sec-テトラデシル基、tert-テトラデシル基、ネオテトラデシル基、n-ペンタデシル基、イソペンタデシル基、sec-ペンタデシル基、tert-ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基等が挙げられ、中でも、シクロヘキシル基又はシクロヘキシルメチル基が好ましい。
で示されるアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜10、好ましくは1〜6のものが挙げられ、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、ネオヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、ネオオクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、ネオノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基、ネオデシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロデシルオキシ基等が挙げられ、中でもシクロヘキシルオキシ基が好ましい。
で示されるアラルキル基としては、通常炭素数7〜12のものが挙げられ、具体的には、例えばベンジル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等が挙げられ、中でもベンジル基が好ましい。
で示されるアルキルカルバモイル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数2〜11、好ましくは2〜7のものが挙げられ、具体的には、例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n-プロピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基、n-ブチルカルバモイル基、イソブチルカルバモイル基、sec-ブチルカルバモイル基、tert-ブチルカルバモイル基、n-ペンチルカルバモイル基、イソペンチルカルバモイル基、sec-ペンチルカルバモイル基、tert-ペンチルカルバモイル基、ネオペンチルカルバモイル基、n-ヘキシルカルバモイル基、イソヘキシルカルバモイル基、sec-ヘキシルカルバモイル基、tert-ヘキシルカルバモイル基、ネオヘキシルカルバモイル基、n-ヘプチルカルバモイル基、イソヘプチルカルバモイル基、sec-ヘプチルカルバモイル基、tert-ヘプチルカルバモイル基、ネオヘプチルカルバモイル基、n-オクチルカルバモイル基、イソオクチルカルバモイル基、sec-オクチルカルバモイル基、tert-オクチルカルバモイル基、ネオオクチルカルバモイル基、n-ノニルカルバモイル基、イソノニルカルバモイル基、sec-ノニルカルバモイル基、tert-ノニルカルバモイル基、ネオノニルカルバモイル基、n-デシルカルバモイル基、イソデシルカルバモイル基、sec-デシルカルバモイル基、tert-デシルカルバモイル基、ネオデシルカルバモイル基、シクロプロピルカルバモイル基、シクロブチルカルバモイル基、シクロペンチルカルバモイル基、シクロヘキシルカルバモイル基、シクロヘキシルメチルカルバモイル基、シクロヘプチルカルバモイル基、シクロオクチルカルバモイル基、シクロノニルカルバモイル基、シクロデシルカルバモイル基等が挙げられ、中でもシクロヘキシルカルバモイル基が好ましい。
一般式[4]に於いて、Rで示されるアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜15、好ましくは3〜12のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロウンデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基等が挙げられ、中でも、例えばtert-ブチル基、シクロヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ドデシル基等が好ましい。
で示されるハロアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基中の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子(例えばフッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。)で置換されたものが挙げられ、通常炭素数1〜12、好ましくは1〜10のものが挙げられ、具体的には、例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、3-フルオロプロピル基、3-クロロプロピル基、3-ブロモプロピル基、トリフルオロプロピル基、トリクロロプロピル基、トリブロモプロピル基、ジ(トリフルオロメチル)メチル基、ジ(トリクロロメチル)メチル基、ジ(トリブロモメチル)メチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘプタクロロプロピル基、4-フルオロブチル基、4-クロロブチル基、4-ブロモブチル基、ノナフルオロブチル基、ノナクロロブチル基、ノナブロモブチル基、5-フルオロペンチル基、5-クロロペンチル基、5-ブロモペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基(−CH(CF)H)、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタクロロペンチル基(−CH(CCl)H)、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタブロモペンチル基(−CH(CBr)H)、パーフルオロペンチル基、パークロロペンチル基、パーブロモペンチル基、6-フルオロヘキシル基、6-クロロヘキシル基、6-ブロモヘキシル基、パーフルオロヘキシル基、パークロロヘキシル基、パーブロモヘキシル基、パーフルオロへプチル基、パークロロヘプチル基、パーブロモヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パークロロオクチル基、パーブロモオクチル基、パーフルオロノニル基、パークロロノニル基、パーブロモノニル基、ヘプタデカフルオロオクチルエチル基(−(CH)(CF)CF基)、ヘプタデカクロロオクチルエチル基(−(CH)(CCl)CCl基)、ヘプタデカブロモオクチルエチル基(−(CH)(CBr)CBr基)、パーフルオロデシル基、パークロロデシル基、パーブロモデシル基、パーフルオロウンデシル基、パークロロウンデシル基、パーブロモウンデシル基、パーフルオロドデシル基、パークロロドデシル基、パーブロモドデシル基等が挙げられ、中でも、例えばジ(トリフルオロメチル)メチル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基、ヘプタデカフルオロオクチルエチル基等が好ましい。
一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメントとしては、例えば一般式[5]
Figure 0005029354
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rはシアノ基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Eは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、kは10〜250の整数を表す。)で示されるもの等が挙げられる。
一般式[5]に於いて、R及びRで示される炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状或いは分枝状でもよく、通常炭素数1〜3、好ましくは炭素数1のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。
及びRは、中でも、何れか一方がシアノ基であるのが好ましい。
で示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖状又は分枝状でもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数2のものが挙げられ、具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の直鎖状アルキレン基、例えばエチリデン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、エチルエチレン基、1-メチルトリメチレン基、2-メチルトリメチレン基、1-メチルテトラメチレン基、2-メチルテトラメチレン基、1-メチルペンタメチレン基、2-メチルペンタメチレン基、3-メチルペンタメチレン基等の分枝状アルキレン基等が挙げられ、中でも、エチレン基が好ましい。
kは通常10〜250、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150の整数である。
一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、一般式[2]で示されるモノマー単位及び一般式[3]で示されるモノマー単位を構成成分として含んで成るポリマー(本発明に係るポリマー)としては、例えば一般式[6]
Figure 0005029354
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rはシアノ基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Eは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、nは50〜900の整数を表し、pは50〜900の整数を表し、mは1〜10の整数を表し、R〜R、R、R、E及びkは前記に同じ。)で示されるもの等が挙げられる。
一般式[6]に於いて、R及びRで示される炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状或いは分枝状でもよく、通常炭素数1〜3、好ましくは炭素数1のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。
及びRは、中でも、何れか一方がシアノ基であるのが好ましい。
で示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖状又は分枝状でもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは2のものが挙げられ、具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の直鎖状アルキレン基、例えばエチリデン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、エチルエチレン基、1-メチルトリメチレン基、2-メチルトリメチレン基、1-メチルテトラメチレン基、2-メチルテトラメチレン基、1-メチルペンタメチレン基、2-メチルペンタメチレン基、3-メチルペンタメチレン基等の分枝状アルキレン基等が挙げられ、中でも、エチレン基が好ましい。
n及びpは、夫々独立して通常20〜1000、好ましくは50〜900、より好ましくは75〜600の整数である。
mは、通常1〜10、好ましくは2〜6の整数である。
本発明に係るポリマーの重合平均分子量は、通常10,000〜120,000、好ましくは30,000〜100,000である。
また、本発明に係るポリマーに於ける一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメントの含有量は、通常1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%である。
更に、本発明に係るポリマーに於ける一般式[2]及び[3]で示されるモノマー単位の含有量は、夫々通常20〜85重量%、好ましくは50〜85重量%である。
1−2.製造法
一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、一般式[2]で示されるモノマー単位及び一般式[3]で示されるモノマー単位を構成成分として含んで成るポリマー(本発明に係るポリマー)は、例えば一般式[10]
Figure 0005029354
(式中、R〜R、E、E及びkは前記に同じ。)で示されるモノマー単位を有するアゾ基含有ポリエチレングリコールセグメントの共存下に、一般式[11]
Figure 0005029354
(式中、Rは前記に同じ。)で示される化合物及び一般式[12]
Figure 0005029354
(式中、R及びRは前記に同じ。)で示される化合物を共重合することにより得られる。
一般式[11]で示される化合物の具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
一般式[12]で示される化合物の具体例としては、例えばメタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル等のメタクリル酸エステル類、例えばアクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸エステル類等のα,β-不飽和カルボン酸エステル類、例えばシクロヘキシルメタクリルアミド等のα,β-不飽和カルボン酸アミド類、例えばシクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、例えばビニルシクロヘキシル、アリルシクロヘキシル等のα,β-不飽和脂肪族炭化水素類、例えばアリルベンゼン等のα,β-不飽和芳香族炭化水素類等が挙げられる。
一般式[10]で示されるモノマー単位を有するアゾ基含有ポリエチレングリコールセグメントは、市販品を用いても常法により適宜合成したものを用いてもよい。市販品を使用する場合の具体例としては、例えばVPE−0201、VPE−0401、VPE−0601等の高分子アゾ重合開始剤(和光純薬工業(株)製)等が挙げられる。
また、常法により適宜合成したものを使用する場合の具体例としては、例えば特開平4-372675号公報等に記載の製造法に従って容易に製造することができる。即ち、例えば一般式[13]
Figure 0005029354
(式中、kは前記に同じ。)で示されるポリエチレングリコールと、例えば一般式[14]
Figure 0005029354
(式中、Xはハロゲン原子を表し、R〜R、E及びEは前記に同じ。)で示されるアゾ基含有ニ塩基酸ジハライドとを適当な溶媒中、要すれば塩基性触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
また、一般式[10]で示されるモノマー単位を有するアゾ基含有ポリエチレングリコールセグメントは、例えば特開平6-93100号公報、特開平6-322089号公報等に記載の製造法に従って製造したものを用いてもよい。即ち、例えば上記一般式[13]で示されるポリエチレングリコールと、一般式[15]
Figure 0005029354
(式中、R〜R、E及びEは前記に同じ。)で示されるアゾ基含有二塩基酸とを適当な溶媒中、要すれば塩基性触媒の存在下、脱水剤を用いて反応させることによっても得ることができる。
一般式[14]に於いて、Xで示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記製造法は、何れも塩基性触媒の存在下で行うのが好ましく、使用する塩基性触媒の具体例としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、トリ-n-ブチルアミン、N-メチルモルホリン等の有機アミン類、例えば水素化ナトリウム等の金属水素化物類、例えばn-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等の塩基性アルカリ金属化合物類等が挙げられる。
塩基性触媒の使用量としては特に限定されるものではないが、一般式[14]で示されるアゾ基含有二塩基酸ジハライド、[15]で示されるアゾ基含有二塩基酸或いは脱水剤に対して通常0.5〜5倍モル、好ましくは0.5〜1.5倍モルの範囲から適宜選択される。
また、当該ポリエチレングリコールと一般式[15]で示されるアゾ基含有二塩基酸とを反応させる方法に於いて使用される脱水剤の具体例としては、脱水縮合剤として用いられるものであれば特に限定されないが、例えば濃硫酸、五酸化二リン、無水塩化亜鉛等の無機脱水剤類、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)塩酸塩等のカルボジイミド類、ポリリン酸、無水酢酸、カルボニルジイミダゾール、p-トルエンスルホニルクロライド等が挙げられる。
脱水剤の使用量としては特に限定されるものではないが、少ないと反応が遅くなり、且つ到達分子量も小さくなり、多すぎると短時間で高分子量になるが分子量の制御が困難となり、且つ、経済的でないため、相当するアゾ基含有二塩基酸に対して通常1〜5倍モル、好ましくは2〜3倍モルの範囲から適宜選択される。
反応溶媒としては、どちらの方法に於いても例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、例えば四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、例えばn-ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても、二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
一般式[13]で示されるポリエチレングリコールと、一般式[14]で示されるアゾ基含有二塩基酸ジハライド或いは一般式[15]で示されるアゾ基含有二塩基酸との使用割合は特に限定されず必要に応じて適宜決定されるが、高分子量のアゾ基含有ポリエチレングリコールセグメントを得るには両者をほぼ等モル量用いることが好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、あまり高いとアゾ基が分解し、低すぎると反応速度が遅くなり製造に時間を要し、且つ高分子量のアゾ基含有ポリエチレングリコールセグメントが得られ難くなるため、通常−10〜60℃の範囲から適宜選択される。また、反応温度は低温から段階的に温度を上昇させる方法をとってもよい。
反応時間は製造方法により異なるが、通常1〜60時間の範囲から適宜選択される。
目的物の単離は、使用した原料、塩基性触媒、脱水剤、溶媒等の種類や量並びに反応液の状態等に応じて適宜行えばよく、例えば粘稠な反応液の場合には、反応液を適当な溶媒で希釈した後、濾過或いは水洗等の操作により副生する第四級アンモニウム塩等の不純物を除いた後、溶媒を除去することにより目的のアゾ基含有ポリエチレングリコールセグメントを得ることができる。また、得られた該アゾ基含有ポリエチレングリコールセグメントは精製及び/又は単離することなく、そのまま重合反応に付してもよい。
尚、原料として用いられる、上記一般式[13]で示されるポリエチレングリコール、一般式[14]で示されるアゾ基含有二塩基酸ジハライド又は一般式[15]で示されるアゾ基含有二塩基酸は、市販品を用いても或いは常法により適宜製造したものを用いてもよい。
本発明に係るポリマー、即ち、一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、一般式[2]で示されるモノマー単位及び一般式[3]で示されるモノマー単位を構成成分として含んで成るポリマーは、例えば親水性有機溶媒中、一般式[10]で示されるアゾ基含有ポリエチレングリコールセグメント、一般式[11]で示される化合物及び一般式[12]で示される化合物を、得られるポリマーの主たる構成単位である一般式[1]で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、一般式[2]で示されるモノマー単位及び一般式[3]で示されるモノマー単位の組成比が目的とする組成となるように夫々の使用量を選択設定して重合反応させ、得られる溶液から、不溶性有機溶剤を沈殿剤として用いて晶析、単離することにより得られる。
重合溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、例えばテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の環状エーテル類、例えばN-メチルピロリドン、N,N'-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の親水性有機溶媒が挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上適宜組み合わせて用いてもよい。また、反応に影響が出ない範囲であれば、含水溶媒であってもよい。
上記重合反応の方法としては、例えば懸濁重合、溶液重合、バルク重合、乳化重合等が挙げられる。この際アゾ基含有ポリエチレングリコールセグメントと通常のラジカル重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビスイソ酪酸ジメチル等)を併用してもよい。
この共重合反応を行う際、必要に応じて連鎖移動剤(例えばラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸ブチル等)を添加し、分子量の調節を行ってもよい。
重合反応時の濃度としては、当該アゾ基含有ポリシロキサンセグメント、一般式[2]及び一般式[3]で示される化合物の合計が通常5〜100重量%(無溶媒)、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%、更に好ましくは20〜50重量%の範囲となるよう適宜選択される。
重合反応は、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
重合温度は、高すぎると反応の制御が困難になり、低すぎると反応速度が遅くなり反応に時間を要するため、通常30〜120℃、好ましくは60〜100℃である。また、重合反応の進行に合わせて重合温度を変化させ、反応の制御を行ってもよい。
重合時間は、通常3〜24時間、好ましくは5〜15時間である。
沈殿剤として用いる有機溶媒としては、生成したポリマーが不溶物として析出するものであれば特に限定されないが、例えばヘキサン、酢酸エチル、ジエチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上適宜組み合わせて用いてもよい。更に、溶媒の使用量は、少なすぎると、得られる共重合体に含まれる残存重合溶媒の量や未反応の残存モノマーの量が多くなるため、通常重合溶媒の2倍容量以上、好ましくは3〜20倍容量、より好ましくは5〜10倍容量である。
尚、反応後の後処理等はこの分野に於いて通常行われる後処理法に準じてこれを行えばよい。
1−3.ポリマーの性質
このようにして得られた本発明に係るポリマーは、例えば塗料用樹脂組成物、被覆用樹脂組成物等の樹脂組成物、例えば頭髪化粧料用基材(例えばセット剤、トリートメント剤等)、基礎化粧料用基材等の化粧料用基材等として、或いは、離型剤、コーティング剤、表面改質剤、医療材料等としての用途が期待されているが、中でも、特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用添加剤として有用である。
例えば本発明に係るポリマーは、当該ポリマーを構成するモノマー単位の組成比を適宜選択することにより、特定のリポ蛋白を保護し、当該特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応を阻害することができる。この性質を利用することにより、後述するように、特定のリポ蛋白中のコレステロールを特異的に測定することが可能となる。
尚、本発明に於いて「阻害」とは、保護された特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応を、遅延ないしは一時的に停止させることを意味する。
このような目的に使用可能なポリマーの好ましい具体例としては、 例えば下記(i)〜(iii)のみからなるポリマー(本発明のポリマー(a))が挙げられる。
(i)一般式[1]
Figure 0005029354
(式中、kは前記に同じ。)で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、
(ii)一般式[2]
Figure 0005029354
(式中、Rは前記に同じ。)で示されるモノマー単位、及び
(iii)メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸ジ(トリフルオロメチル)メチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル、メタクリル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチル、シクロヘキシルメタクリルアミド、アクリル酸シクロヘキシル、ビニルシクロヘキシル、アリルシクロヘキシル、シクロヘキシルビニルエーテル及びアリルベンゼンから選ばれる第3モノマー単位
(1)HDL保護ポリマー
例えば、HDLを保護し、HDL中のコレステロールの反応を阻害するポリマーとしては、一般式[2]で示されるモノマー単位(モノマーA)と一般式[3]で示されるモノマー単位(モノマーB)との組成比が、通常2≦モノマーB/モノマーA、好ましくは2≦モノマーB/モノマーA≦3であって、一般式[2]で示されるモノマー単位と一般式[3]で示されるモノマー単位の合計(AB)と一般式[1]で示されるポリエチレングリコールセグメント(PEG)との組成比は、通常1≦AB/PEG≦10、好ましくは2≦AB/PEG≦5であるポリマーが好ましい。
また、このようなポリマーとしては、例えば一般式[2]で示されるモノマー単位がアクリル酸又はメタクリル酸由来のものであり、一般式[3]で示されるモノマー単位が、一般式[7]
Figure 0005029354
(式中、Rは炭素数6〜12のアルキル基、アルコキシ基、炭素数4〜16のアルコキシカルボニル基、ハロアルコキシカルボニル基、アルキルカルバモイル基、アラルキル基又はボルニルオキシカルボニル基を表す。)で示されるものを構成成分として含んで成るポリマーが好ましい。
一般式[7]に於いて、Rで示される炭素数6〜12のアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、具体的には、例えば上記一般式[3]に於けるRで示されるアルキル基中の炭素数6〜12のものの例示と同様のものが挙げられ、中でも、例えばシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が好ましい。
で示されるアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜10、好ましくは1〜6のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[3]に於けるRで示されるアルコキシ基の例示と同様のものが挙げられ、中でも、シクロヘキシルオキシ基が好ましい。
で示される炭素数4〜16のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、具体的には、例えばn-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ネオブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec-ペンチルオキシカルボニル基、tert-ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカルボニル基、イソヘキシルオキシカルボニル基、sec-ヘキシルオキシカルボニル基、tert-ヘキシルオキシカルボニル基、ネオヘキシルオキシカルボニル基、n-ヘプチルオキシカルボニル基、イソヘプチルオキシカルボニル基、sec-ヘプチルオキシカルボニル基、tert-ヘプチルオキシカルボニル基、ネオヘプチルオキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニル基、イソオクチルオキシカルボニル基、sec-オクチルオキシカルボニル基、tert-オクチルオキシカルボニル基、ネオオクチルオキシカルボニル基、2-エチルヘキシルオキシカルボニル基、n-ノニルオキシカルボニル基、イソノニルオキシカルボニル基、sec-ノニルオキシカルボニル基、tert-ノニルオキシカルボニル基、ネオノニルオキシカルボニル基、n-デシルオキシカルボニル基、イソデシルオキシカルボニル基、sec-デシルオキシカルボニル基、tert-デシルオキシカルボニル基、ネオデシルオキシカルボニル基、n-ウンデシルオキシカルボニル基、イソウンデシルオキシカルボニル基、sec-ウンデシルオキシカルボニル基、tert-ウンデシルオキシカルボニル基、ネオウンデシルオキシカルボニル基、n-ドデシルオキシカルボニル基、イソドデシルオキシカルボニル基、sec-ドデシルオキシカルボニル基、tert-ドデシルオキシカルボニル基、ネオドデシルオキシカルボニル基、n-トリデシルオキシカルボニル基、イソトリデシルオキシカルボニル基、sec-トリデシルオキシカルボニル基、tert-トリデシルオキシカルボニル基、ネオトリデシルオキシカルボニル基、n-テトラデシルオキシカルボニル基、イソテトラデシルオキシカルボニル基、sec-テトラデシルオキシカルボニル基、tert-テトラデシルオキシカルボニル基、ネオテトラデシルオキシカルボニル基、n-ペンタデシルオキシカルボニル基、イソペンタデシルオキシカルボニル基、sec-ペンタデシルオキシカルボニル基、tert-ペンタデシルオキシカルボニル基、ネオペンタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルメトキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基、シクロノニルオキシカルボニル基、シクロデシルオキシカルボニル基、シクロウンデシルオキシカルボニル基、シクロドデシルオキシカルボニル基、シクロトリデシルオキシカルボニル基、シクロテトラデシルオキシカルボニル基、シクロペンタデシルオキシカルボニル基等が挙げられ、中でも、例えばtert-ブトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2-エチルヘキシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等が好ましい。
で示されるハロアルコキシカルボニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子(例えばフッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。)で置換されたものが挙げられ、通常炭素数2〜13、好ましくは2〜11のものが挙げられ、具体的には、例えばフルオロメトキシカルボニル基、クロロメトキシカルボニル基、ブロモメトキシカルボニル基、ヨードメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、トリクロロメトキシカルボニル基、トリブロモメトキシカルボニル基、2-フルオロエトキシカルボニル基、2-クロロエトキシカルボニル基、2-ブロモエトキシカルボニル基、3-フルオロプロポキシカルボニル基、3-クロロプロポキシカルボニル基、3-ブロモプロポキシカルボニル基、トリフルオロプロポキシカルボニル基、トリクロロプロポキシカルボニル基、トリブロモプロポキシカルボニル基、ジ(トリフルオロメチル)メトキシカルボニル基、ジ(トリクロロメチル)メトキシカルボニル基、ジ(トリブロモメチル)メトキシカルボニル基、ヘプタフルオロプロポキシカルボニル基、ヘプタクロロプロポキシカルボニル基、4-フルオロブトキシカルボニル基、4-クロロブトキシカルボニル基、4-ブロモブトキシカルボニル基、ノナフルオロブトキシカルボニル基、ノナクロロブトキシカルボニル基、ノナブロモブトキシカルボニル基、5-フルオロペンチルオキシカルボニル基、5-クロロペンチルオキシカルボニル基、5-ブロモペンチルオキシカルボニル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルオキシカルボニル基(−COOCH(CF)H)、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタクロロペンチルオキシカルボニル基(−COOCH(CCl) H)、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタブロモペンチルオキシカルボニル基(−COOCH(CBr) H)、パーフルオロペンチルオキシカルボニル基、パークロロペンチルオキシカルボニル基、パーブロモペンチルオキシカルボニル基、6-フルオロヘキシルオキシカルボニル基、6-クロロヘキシルオキシカルボニル基、6-ブロモヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パークロロヘキシルオキシカルボニル基、パーブロモヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロへプチルオキシカルボニル基、パークロロヘプチルオキシカルボニル基、パーブロモヘプチルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、パークロロオクチルオキシカルボニル基、パーブロモオクチルオキシカルボニル基、パーフルオロノニルオキシカルボニル基、パークロロノニルオキシカルボニル基、パーブロモノニルオキシカルボニル基、ヘプタデカフルオロオクチルエトキシカルボニル基(−COO(CH)(CF)CF基)、ヘプタデカクロロオクチルエトキシカルボニル基(−COO(CH)(CCl)CCl基)、ヘプタデカブロモオクチルエトキシカルボニル基(−COO(CH)(CBr)CBr基)、パーフルオロデシルオキシカルボニル基、パークロロデシルオキシカルボニル基、パーブロモデシルオキシカルボニル基、パーフルオロウンデシルオキシカルボニル基、パークロロウンデシルオキシカルボニル基、パーブロモウンデシルオキシカルボニル基、パーフルオロドデシルオキシカルボニル基、パークロロドデシルオキシカルボニル基、パーブロモドデシルオキシカルボニル基等が挙げられ、中でも、例えばジ(トリフルオロメチル)メトキシカルボニル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルオキシカルボニル基、ヘプタデカフルオロオクチルエトキシカルボニル基が好ましい。
で示されるアルキルカルバモイル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数2〜11、好ましくは2〜7のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[3]に於けるRで示されるアルキルカルバモイル基の例示と同様のものが挙げられ、中でもシクロヘキシルカルバモイル基が好ましい。
で示されるアラルキル基としては、通常炭素数7〜12のものが挙げられ、具体的には、例えば上記一般式[3]に於けるRで示されるアラルキル基の例示と同様なものが挙げられ、中でもベンジル基が好ましい。
一般式[7]で示されるモノマー単位の好ましい具体例としては、例えばメタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジ(トリフルオロメチル)メチル、メタクリル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル、シクロヘキシルメタクリルアミド、シクロヘキシルビニルエーテル、ビニルシクロヘキシル、アリルシクロヘキシル、アリルベンゼン等由来のものが挙げられる。
(2)LDL保護ポリマー
例えば、LDLを保護し、LDL中のコレステロールの反応を阻害するポリマーとしては、一般式[2]で示されるモノマー単位(A)と一般式[3]で示されるモノマー単位(B)との組成比が、通常B/A≦1、好ましくは0.5≦B/A≦1であって、一般式[2]で示されるモノマー単位と一般式[3]で示されるモノマー単位から成るコポリマー(AB)と一般式[1]で示されるポリエチレングリコールセグメント(PEG)との組成比は、通常1≦AB/PEG≦10、好ましくは2≦AB/PEG≦5であるポリマーが好ましい。
また、このようなポリマーとしては、例えば一般式[2]で示されるモノマー単位がメタクリル酸又はアクリル酸由来のものであり、一般式[3]で示されるモノマー単位が、一般式[8]
Figure 0005029354
(式中、R10が炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基を表し、Rは前記に同じ。)で示されるものを構成成分として含んで成るポリマーが好ましい。
一般式[8]に於いて、R10で示される炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数1〜8のものが挙げられ、具体的には、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、が挙げられ、中でも、例えばtert-ブトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等が好ましい。
10で示される炭素数6〜12のアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、具体的には、例えば上記一般式[3]に於けるRで示されるアルキル基中の炭素数6〜12のものの例示と同様のものが挙げられ、中でもシクロヘキシル基が好ましい。
10で示されるアルキルカルバモイル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、通常炭素数2〜11、好ましくは2〜7のものが挙げられ、例えば上記一般式[3]に於けるRで示されるアルキルカルバモイル基の例示と同様のものが挙げられ、中でもシクロヘキシルカルバモイル基が好ましい。
一般式[8]で示されるモノマー単位の好ましい具体例としては、例えばメタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、シクロヘキシルメタクリルアミド、アクリル酸シクロヘキシル、ビニルシクロヘキシル等由来のものが挙げられ、中でも、例えばビニルシクロヘキシル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、シクロヘキシルメタクリルアミド等がより好ましい。
(3)HDL・LDL保護ポリマー
例えば、LDLとHDLとを保護し、HDL中のコレステロール及びLDL中のコレステロールの反応を阻害するポリマーとしては、一般式[2]で示されるモノマー単位(A)と一般式[3]で示されるモノマー単位(B)との組成比が、通常1<B/A<2であって、一般式[2]で示されるモノマー単位と一般式[3]で示されるモノマー単位から成るコポリマー(AB)と一般式[1]で示されるポリエチレングリコールセグメント(PEG)との組成比(AB/C)は、通常1≦AB/C≦10、好ましくは2≦AB/C≦5であるポリマーが好ましい。
また、このようなポリマーとしては、例えば一般式[2]で示されるモノマー単位がメタクリル酸由来のものであり、一般式[3]で示されるモノマー単位が、一般式[9]
Figure 0005029354
(式中、R11は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rは前記に同じ。)で示されるものを構成成分として含んで成るポリマーが好ましい。
一般式[9]に於いて、R11で示される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状或いは環状の何れでもよく、具体的には、例えば上記一般式[3]に於けるRで示されるアルキル基中の炭素数1〜6のものの例示と同様なものが挙げられ、中でも、例えばtert-ブチル基、シクロヘキシル基等が好ましい。
一般式[9]で示されるモノマー単位の好ましい具体例としては、例えばメタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等由来のものが挙げられ、中でもメタクリル酸シクロヘキシル由来のものが好ましい。
2.本発明のリポ蛋白中のコレステロールの測定法
本発明のリポ蛋白中のコレステロールの測定法は、上記した如き本発明に係るポリマー(以下、単に「ポリマー」と略記する場合がある。)の存在下で、生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロールを測定すればよい。
このような生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロールを測定する方法としては、原理的には、生体由来試料中のコレステロールをCHEと反応させて遊離コレステロールと脂肪酸に分解し、次いで(a)COを反応させて生成する過酸化水素を測定するか、或いは(b)CHD及びNAD(P)を反応させて生成するNAD(P)Hを測定する方法が挙げられる。
より具体的には、酵素反応を利用する、(1)例えば生体由来試料中のコレステロールエステルをCHEによって遊離コレステロールと脂肪酸に分解し、初めから存在する遊離コレステロールと共に、COによって酸化して、コレステ−4−エン−3−オンと過酸化水素とにし、PODの存在下、生成した過酸化水素で被酸化性呈色試薬(例えばカップラーとデベロッパーとの組合せ、酸化によってそれ自体が発色する発色剤等)を酸化発色させて、生じた酸化色素を比色定量する酸化呈色法、(2)例えば生体由来試料中のコレステロールをCHEによって遊離コレステロールと脂肪酸に分解し、初めから存在する遊離コレステロールと共にCHDの存在下、NAD(P)と反応させて、生成するNAD(P)Hを340nmで測定する紫外部測定法等が挙げられる。
即ち、本発明の測定法は、これらの方法を行うに際して、反応系に、本発明に係るポリマーを存在(共存)させればよい。
尚、本発明の方法は、本発明に係るのポリマーを使用する以外は上記した如き方法に準じて実施すれば良く、また、上記した如き方法において使用される試薬類も使用可能である。
本発明の測定法は、より具体的には以下の2つの方法に大別される。
(1)本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを測定する方法(直接法)
生体由来試料と本発明に係るポリマーとを接触させて、当該試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応を阻害、言い換えれば、遅延ないしは一時的に停止させ、当該特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールの反応によって生成される前記生成物を測定する。
(2)本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白中のコレステロールを測定する方法(消去法)
先ず、生体由来試料と本発明に係るポリマーとを接触させて、当該試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応を阻害、言い換えれば、遅延ないしは一時的に停止させ、その結果として当該特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールの反応を先行させてこれらを消去(消費)し、しかる後、特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応によって生成される前記生成物を測定する。
2−1.直接法
上記した如き直接法としては、例えば以下の如き方法が挙げられる。
直接法(1)
本発明に係るポリマーの存在下(共存下)、生体由来試料にCHEとCOを作用させて過酸化水素を生じさせ、生じた過酸化水素にPODと被酸化性呈色試薬(例えばカップラーとデベロッパーとの組合せ、酸化によってそれ自体が発色する発色剤等)を作用させて酸化色素を生じさせ、次いで吸光度を測定し、これに基づいて生体由来試料中のリポ蛋白中のコレステロール量、即ち、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール量を算出する。
直接法(2)
本発明に係るポリマーの存在下(共存下)、生体由来試料にCHE、CHD及びNAD(P)を作用させてNAD(P)Hを生じさせ、次いで吸光度を測定し、これに基づいて生体由来試料中のリポ蛋白中のコレステロール量、即ち、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール量を算出する。
上記直接法(1)及び直接法(2)において、吸光度を測定する時期は、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了し、且つ本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点(ODnb)である。尚、当該吸光度を測定する時期は、測定方法の違いや、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)を検討し、適宜設定すればよい。
また、上記直接法(1)及び直接法(2)において、本発明に係るポリマーを適宜選択して用いることにより、特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを特異的に測定することができる。例えば(1)前述した如きHDLを保護するポリマーを用いることにより、HDL以外のリポ蛋白中のコレステロールの量(LDL―コレステロール及びVLDL−コレステロールの量)を、(2)前述した如きLDLを保護するポリマーを用いることにより、LDL以外のリポ蛋白中のコレステロールの量(HDL―コレステロール及びVLDL−コレステロールの量)を、また、(3)前述した如きHDL及びLDLを保護するポリマーを用いることにより、HDL及びLDL以外のリポ蛋白中のコレステロールの量(VLDL―コレステロールの量)を、それぞれ求めることができる。尚、これら本発明に係るポリマーの具体例、好ましい態様は前述した通りである。
2−2.消去法
上記した如き消去法としては、以下のように更に2つに大別される。
消去法(1):生体由来試料と本発明に係るポリマーとを接触させた後、相異なる二つの時点での吸光度を測定する方法。
消去法(2):本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを、本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白中のコレステロールの反応に関与しない別の反応に導いて消去(消費)する方法。
(1)消去法(1)
上記した如き消去法(1)としては、例えば以下の如き方法が挙げられる。
消去法(1)-a
本発明に係るポリマーの存在下(共存下)、生体由来試料にCHEとCOを作用させて過酸化水素を生じさせ、生じた過酸化水素にPODと被酸化性呈色試薬(例えばカップラーとデベロッパーとの組合せ、酸化によってそれ自体が発色する発色剤等)を作用させて酸化色素を生じさせ、相異なる二つの時点での吸光度を測定し、これらに基づいて生体由来試料中のリポ蛋白中のコレステロール量、即ち、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール量を算出する。
消去法(1)-b
本発明に係るポリマーの存在下(共存下)、生体由来試料にCHE、CHD及びNAD(P)を作用させてNAD(P)Hを生じさせ、相異なる二つの時点での吸光度を測定し、これらに基づいて生体由来試料中のリポ蛋白中のコレステロール量、即ち、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール量を算出する。
上記消去法(1)-a及び(1)-bにおいて、相異なる二つの時点とは、(i)本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了し、且つ本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点(ODnb)と、(ii)本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了した時点(ODt)、の二つの時点である。尚、これら二つの時点は、測定方法の違いや、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)を検討し、適宜設定すればよい。
また、上記消去法(1)-a及び消去法(1)-bにおいて、本発明に係るポリマーを適宜選択して用いることにより、特定のリポ蛋白中のコレステロールを特異的に測定することができる。例えば(1)前述した如きHDLを保護するポリマーを用いることにより、HDL―コレステロールの量を、(2)前述した如きLDLを保護するポリマーを用いることにより、LDL―コレステロールの量を、また、(3)前述した如きHDL及びLDLを保護するポリマーを用いることにより、HDL−コレステロール及びLDL―コレステロールの量を、それぞれ求めることができる。尚、これら本発明に係るポリマーの具体例、好ましい態様は前述した通りである。
上記消去法(1)-a及び消去法(1)-bにおいては、(i)本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了した後、好ましくは本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了し、且つ本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点(ODnb)の後に、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質、言い換えれば、本発明に係るポリマーによって阻害されている特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応を復活(復帰)或いは促進し得る物質を反応系に共存させるのが好ましい。これにより阻害されていた特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応が復活(復帰)或いは促進されるので、より短時間に目的とする特定のリポ蛋白中のコレステロールの測定を完了(終了)することができる。
また、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了し、且つ本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点(ODnb)の後に、反応系のpHを変化させることによっても、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除、言い換えれば、本発明に係るポリマーによって阻害されている特定のリポ蛋白の反応を復活(復帰)或いは促進し得る。
(2)消去法(2)
本発明の消去法(2)を実施するには、本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去するための試薬の存在下、当該試薬と本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールとを反応させて、本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを、本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白中のコレステロールの反応に関与しない別の反応に導いて消去(消費)した後、本発明に係るポリマーにより保護された特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応を実施すればよい。
例えば、このような本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去するための試薬としては、(i)生体由来試料中のコレステロールをCHEと反応させて遊離コレステロールと脂肪酸に分解し、次いでCOを反応させて生成する過酸化水素を消去するための過酸化水素消去試薬、(ii)生体由来試料中のコレステロールをCHEと反応させて遊離コレステロールと脂肪酸に分解し、CHD及びNAD(P)を反応させて生成するNAD(P)Hを消去するためのNAD(P)H消去試薬等が挙げられる。
過酸化水素消去試薬としては、例えばCHE、CO、POD及びカップラーとの組合せ、CHE、CO、POD及びデベロッパーとの組合せ、CHE、CO、POD、カップラー及びデベロッパーの組合せ、CHE、CO及びCAT等が挙げられ、NAD(P)H消去試薬としては、CHE、CHD及びNAD(P)の組合せが挙げられる。
このような本発明に係るポリマーにより保護されたリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去するための試薬を用いる、本発明の消去法(2)は、例えば以下のように実施することができる。
消去法(2)-a
本発明に係るポリマーの存在下(共存下)、生体由来試料にCHEとCOを作用させて過酸化水素を生じさせ、生じた過酸化水素にPODとカップラー(又はデベロッパー)、又はCATを作用させて、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去(消費)し、次いでデベロッパー(又はカップラー)、又はCAT阻害剤及び被酸化性呈色試薬を作用させて酸化色素を生じさせ、吸光度を測定し、これに基づいて生体由来試料中のリポ蛋白中のコレステロール量、即ち、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール量を算出する。
消去法(2)-b
本発明に係るポリマーの存在下(共存下)、生体由来試料にCHE、CHD及びNAD(P)(或いはCHE、CO、POD及びカップラー又は/及びデベロッパー)を作用させてNAD(P)H(或いは過酸化水素)を生じさせる反応系に導いて、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去(消費)した後、次いで、CO、POD、被酸化性呈色試薬及びCHD阻害剤(或いはCHD、NAD(P)及びCO阻害剤)を作用させて酸化色素(或いはNAD(P)H)を生じさせ、吸光度を測定し、これに基づいて生体由来試料中のリポ蛋白中のコレステロール量、即ち、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール量を算出する。
上記消去法(2)-a及び(2)-bにおいては、一つの時点、即ち、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了した時点(ODb)のみの吸光度の測定によっても生体由来試料中の特定リポ蛋白中のコレステロール量を測定し得るが、より測定精度を上げるために、上記消去法(1)-a及び(1)-bと同様の相異なる二つの時点、即ち、(i)生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールが実質的に消去(消費)され、且つ本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点(ODbl)と、(ii)本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了した時点(ODb)での吸光度を測定するのが好ましい。尚、これら二つの時点は、測定方法の違いや、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)を検討し、適宜設定すればよい。
また、上記消去法(2)-a及び消去法(2)-bにおいて、本発明に係るポリマーを適宜選択して用いることにより、特定のリポ蛋白中のコレステロールを特異的に測定することができる。例えば(1)前述した如きHDLを保護するポリマーを用いることにより、HDL―コレステロールの量を、(2)前述した如きLDLを保護するポリマーを用いることにより、LDL―コレステロールの量を、また、(3)前述した如きHDL及びLDLを保護するポリマーを用いることにより、HDL−コレステロール及びLDL―コレステロールの量を、それぞれ求めることができる。尚、これら本発明に係るポリマーの具体例、好ましい態様は前述した通りである。
上記消去法(2)-a及び消去法(2)-bにおいては、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールが実質的に消去(消費)された後、好ましくは生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールが実質的に消去(消費)され、且つ使用する本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前(ODbl)に、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質、言い換えれば、本発明に係るポリマーによって阻害されている特定のリポ蛋白の反応を復活(復帰)或いは促進し得る物質を反応系に共存させるのが好ましい。これにより阻害されていた特定のリポ蛋白の反応が復活(復帰)或いは促進されるので、より短時間に測定を完了(終了)することができる。
また、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールが実質的に消去(消費)され、且つ使用する本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点(ODbl)の後に、反応系のpHを変化させることによっても、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除、言い換えれば、本発明に係るポリマーによって阻害されている特定のリポ蛋白の反応を復活(復帰)或いは促進し得る。
2−3.具体的な測定法
(1)直接法〔直接法(1)及び(2)〕
本発明の直接法〔直接法(1)及び(2)〕は、1液法でも2液法でも或いはそれ以上の試液を用いる方法の何れでもよく、2液以上の試液を用いる方法においては、本発明に係るポリマーを、生体由来試料と直接混合させる試薬中に含有させればよい。尚、1液法の場合には、本発明に係るポリマー及びコレステロール測定用の試薬類の全てが当該試液に含まれることは言うまでもない。
以下に本発明の直接法〔直接法(1)及び(2)〕の具体例を示すが、本発明の方法はこれらに限定されるものではない。
1液法で行う場合は、例えば以下の如くである。
生体由来試料と、(1)本発明に係るポリマー、(2)CHE、(3)CO、POD及び被酸化性呈色試薬〔又は(3)CHD及びNAD(P)〕及び(4)水性媒体を含んでなる試液とを混合した後に吸光度(ODnb)を測定し、この吸光度に基づいて生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール)量を算出すればよい。
2液法で行う場合は、例えば以下の如くである。
生体由来試料と、(1)本発明に係るポリマー及び(2)水性媒体を含んでなる第一試液とを混合し、その後、要すれば吸光度(ODbl)を測定し、次いで、当該混合液と、(3)CHE、(4)CO〔又は(4)CHD〕及び(5)水性媒体を含んでなる第二試液とを混合した後に吸光度(ODnb)を測定し、この吸光度に基づいて生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール)量を算出すればよい。尚、第二試液にCOを含有させる場合には、POD及びカップラー、デベロッパーを、それぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させ、また、第二試液にCHDを含有させる場合には、NAD(P)を第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させる。
上記において、ODnbを測定する時点は、測定方法の違いや、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)を検討し、適宜設定すればよい。
また、上記の1液法において、生体由来試料と試液との反応条件としては、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、一概には言えないが、反応温度としては、通常15〜40℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30℃〜40℃の範囲、反応時間は1〜20分、好ましくは2〜15分、より好ましくは3〜10分の範囲から、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)等を検討し、適宜設定すればよい。また、反応時のpHについても同様に、通常5〜11、好ましくは5〜10、より好ましくは5.5〜8.5、更に好ましくは6〜8、特に好ましくは7付近の範囲から適宜設定すればよい。
上記の2液法において、生体由来試料と第一試液との反応条件としては、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、一概には言えないが、反応温度としては、通常15〜40℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30℃〜40℃の範囲、反応時間は1〜20分、好ましくは2〜15分、より好ましくは3〜10分の範囲から、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)等を検討し、適宜設定すればよい。また、反応時のpHについても同様に、通常5〜11、好ましくは5〜10、より好ましくは5.5〜8.5、更に好ましくは6〜8、特に好ましくは7付近の範囲から適宜設定すればよい。また、生体由来試料と第一試液との混合液と第二試液との反応条件についても同様であり、反応温度としては、通常15〜40℃、好ましくは25 〜40℃、より好ましくは30℃〜40℃の範囲、反応時間は1〜20分、好ましくは2〜15分、より好ましくは3〜10分の範囲から、また、反応時のpHについても同様に、通常5〜11、好ましくは5〜10、より好ましくは5.5〜8.5、更に好ましくは6〜8、特に好ましくは7付近の範囲から例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)等を検討し、適宜設定すればよい。
(2)消去法(1)〔消去法(1)-a及び(1)-b〕
本発明の消去法(1)〔消去法(1)-a及び(1)-b〕は、1液法でも2液法でも或いはそれ以上の試液を用いる方法の何れでもよい。2液以上の試液を用いる方法においては、本発明に係るポリマーを、生体由来試料と直接混合させる試薬中に含有させればよく、また、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質を使用する場合には、当該物質を、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了した後の時点で添加する試液中(例えば2液法の場合には第二試液)に含有させればよい。尚、1液法の場合には、本発明に係るポリマー及びコレステロール測定用の試薬類の全てが当該試液に含まれることは言うまでもない。
以下に本発明の消去法(1)〔消去法(1)-a及び(1)-b〕の具体例を示すが、本発明の方法はこれらに限定されるものではない。
1液法で行う場合は、例えば以下の如くである。
生体由来試料と、(1)本発明に係るポリマー、(2)CHE、(3)CO、POD及び被酸化性呈色試薬〔又は(3)CHD及びNAD(P)〕及び(4)水性媒体を含んでなる試液とを混合し、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了し、且つ使用する本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点で吸光度(ODnb)を測定し、次いで、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了した時点で吸光度(ODt)を再度測定し、これらの吸光度に基づいて生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール)量を算出すればよい。
2液法で行う場合は、例えば以下の如くである。
生体由来試料と、(1)本発明に係るポリマー及び(2)水性媒体を含んでなる第一試液とを混合し、その後、要すれば吸光度(ODbl)を測定し、次いで、当該混合液と、(3)CHE、(4)CO〔又は(4)CHD〕及び(5)水性媒体を含んでなる第二試液とを混合した後、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了し、且つ使用する本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点で吸光度(ODnb)を測定し、次いで、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了した時点で吸光度(ODt)を再度測定し、これらの吸光度に基づいて生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール)量を算出すればよい。尚、第二試液にCOを含有させる場合には、POD及びカップラー、デベロッパーを、それぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させ、また、第二試液にCHDを含有させる場合には、NAD(P)を第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させる。
また、例えば以下のようにしても2液法で本発明を実施することができる。
生体由来試料と、(1)本発明に係るポリマー、(2)CHE、(3)CO、POD及び被酸化性呈色試薬〔又は(3)CHD及びNAD(P)〕及び(4)水性媒体を含んでなる第一試液とを混合した後に吸光度(ODnb)を測定し、次いで、当該混合液と、(4)特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質及び(5)水性媒体を含んでなる第二試液とを混合した後に吸光度(ODt)を測定し、これらの吸光度に基づいて生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール量)を算出すればよい。
上記において、ODnbとODtを測定する時点は、測定方法の違いや、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)を検討し、適宜設定すればよい。
また、上記の1液法において、生体由来試料と試液との反応条件としては、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、一概には言えないが、反応温度としては、通常15〜40℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30℃〜40℃の範囲、反応時間は1〜20分、好ましくは2〜15分、より好ましくは3〜10分の範囲から、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)等を検討し、適宜設定すればよい。また、反応時のpHについても同様に、通常5〜11、好ましくは5〜10、より好ましくは5.5〜8.5、更に好ましくは6〜8、特に好ましくは7付近の範囲から適宜設定すればよい。
上記の2液法において、生体由来試料と第一試液との反応条件としては、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、一概には言えないが、反応温度としては、通常15〜40℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30℃〜40℃の範囲、反応時間は1〜20分、好ましくは2〜15分、より好ましくは3〜10分の範囲から、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)等を検討し、適宜設定すればよい。また、反応時のpHについても同様に、通常5〜11、好ましくは5〜10、より好ましくは5.5〜8.5、更に好ましくは6〜8、特に好ましくは7付近の範囲から適宜設定すればよい。また、生体由来試料と第一試液との混合液と第二試液との反応条件についても同様であり、反応温度としては、通常15〜40℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30℃〜40℃の範囲、反応時間は1〜20分、好ましくは2〜15分、より好ましくは3〜10分の範囲から、また、反応時のpHについても同様に、通常5〜11、好ましくは5〜10、より好ましくは5.5〜8.5、更に好ましくは6〜8、特に好ましくは7付近の範囲から例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)等を検討し、適宜設定すればよい。
(3)消去法(2)〔消去法(2)-a及び(2)-b〕
本発明の消去法(2)〔消去法(2)-a及び(2)-b〕は、通常2液法又はそれ以上の試液を用いる方法で行われる。2液以上の試液を用いる方法においては、本発明に係るポリマーを、生体由来試料と直接混合させる試薬中に含有させればよい。また、上記消去法(2)-aにおいては、PODとカップラー、PODとデベロッパー、又はCATを、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始するより前の時点で添加する試液中に含有させればよく、上記消去法(2)-bにおいては、PODとカップラー又は/及びデベロッパー、又はNAD(P)を、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始するより前の時点で添加する試液中に含有させればよい。特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質を使用する場合には、当該物質を、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールが実質的に消去(消費)された後の時点で添加する試液中(例えば2液法の場合には第二試液)に含有させればよい。
以下に本発明の消去法(2)〔消去法(2)-a及び(2)-b〕の具体例を示すが、本発明の方法はこれらに限定されるものではない。
例えば以下のようにして、消去法(2)-aを実施することができる。
生体由来試料と、(1)本発明に係るポリマー、(2)CHE、(3)CO、(4)PODとカップラー(又はデベロッパー)〔或いは(4)CAT〕、及び(5)水性媒体を含んでなる第一試液とを混合し、その後、要すれば吸光度(ODbl)を測定し、次いで、当該混合液と、(6)デベロッパー(又はカップラー)〔或いは(6)CAT阻害剤〕、(7)水性媒体及び要すれば(8)特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質を含んでなる第二試液とを混合した後に吸光度(ODb)を測定し、これらの吸光度に基づいて生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール)量を算出すればよい。尚、第一試液にCATを含有させる場合には、POD、カップラー、デベロッパーは、それぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させる。また、CHE、CO、PODは第一試薬と第二試薬の両方に含有させても良い。
例えば以下のようにして、消去法(2)-bを実施することができる。
生体由来試料と、(1)本発明に係るポリマー、(2)CHE、(3)CO、POD、及びカップラー又は/及びデベロッパー〔或いは(3)CHD及びNAD(P)〕、及び(5)水性媒体を含んでなる第一試液とを混合し、その後、要すれば吸光度(ODbl)を測定し、次いで、当該混合液と、(6)CHD、NAD(P)及びCO阻害剤〔或いは(6)CO、POD、被酸化性呈色試薬及びCHD阻害剤〕及び(7)水性媒体、要すれば(8)特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質を含んでなる第二試液とを混合した後に吸光度(ODb)を測定し、これらの吸光度に基づいて生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール量)を算出すればよい。
上記において、ODbを測定する時点は、測定方法の違いや、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)を検討し、適宜設定すればよい。
また、上記において、生体由来試料と第一試液との反応条件としては、使用する本発明に係るポリマーの種類及び使用濃度、その他酵素等の試薬類の種類及び使用濃度等により異なるため、一概には言えないが、反応温度としては、通常15〜40℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30℃〜40℃の範囲、反応時間は1〜20分、好ましくは2〜15分、より好ましくは3〜10分の範囲から、例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)等を検討し、適宜設定すればよい。また、反応時のpHについても同様に、通常5〜11、好ましくは5〜10、より好ましくは5.5〜8.5、更に好ましくは6〜8、特に好ましくは7付近の範囲から適宜設定すればよい。また、生体由来試料と第一試液との混合液と第二試液との反応条件についても同様であり、反応温度としては、通常15〜40℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30℃〜40℃の範囲、反応時間は1〜20分、好ましくは2〜15分、より好ましくは3〜10分の範囲から、また、反応時のpHについても同様に、通常5〜11、好ましくは5〜10、より好ましくは5.5〜8.5、更に好ましくは6〜8、特に好ましくは7付近の範囲から例えば各リポ蛋白分画に対する反応性(反応曲線等)等を検討し、適宜設定すればよい。
(4)リポ蛋白中のコレステロール量の算出
上記した如き本発明の方法において、得られた吸光度に基づいて生体由来試料中のリポ蛋白中のコレステロール量を算出するには、例えば以下の如くして行えばよい。
直接法〔直接法(1)及び(2)〕
(1)ODnbを、例えば予め、濃度既知の、特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール(本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害される特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール)を含有する標準液等の標準品を試料として上記方法と同様にして求めた、当該リポ蛋白中のコレステロール濃度とODnbとの関係を示す検量線に当てはめることにより、生体由来試料中の特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール)の値を算出する。
(2)ODnbからODbl〔又はODblに由来する値(例えばODblに液量補正係数を掛けて求めた値)〕を差し引いた吸光度(ODtv)を求め、得られたODtvを、例えば予め、濃度既知の、特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール(本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害される特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール)を含有する標準液等の標準品を試料として上記方法と同様にして求めた、当該リポ蛋白中のコレステロール濃度とODtvとの関係を示す検量線に当てはめることにより、生体由来試料中の特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロール)の値を算出する。
消去法(1)〔直接法(1)-a及び(1)-b〕
(1)ODtからODnb〔又はODnbに由来する値(例えばODnbに液量補正係数を掛けて求めた値)〕を差し引いた吸光度(ODcb)を求め、得られたODcbを、例えば予め、濃度既知の特定のリポ蛋白中のコレステロール(本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害される特定のリポ中のコレステロール)を含有する標準液等の標準品を試料として上記方法と同様にして求めた、当該リポ蛋白中のコレステロール濃度とODcbとの関係を示す検量線に当てはめることにより、生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール)の値を算出する。
(2)ODnbからODbl〔又はODblに由来する値(例えばODblに液量補正係数を掛けて求めた値)〕を差し引いた吸光度(ODcnb)と、ODtからODbl〔又はODblに由来する値(例えばODblに液量補正係数を掛けて求めた値)〕を差し引いた吸光度(ODct)を求め、更にODctからODcnbを差し引いた吸光度(ODcb)を求める。得られたODcbを、例えば予め、濃度既知の特定のリポ蛋白中のコレステロール(本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害される特定のリポ蛋白中のコレステロール)を含有する標準液等の標準品を試料として上記方法と同様にして求めた、当該リポ蛋白中のコレステロール濃度とODcbとの関係を示す検量線に当てはめることにより、生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール)の値を算出する。
消去法(2)〔直接法(2)-a及び(2)-b〕
(1)ODbを、例えば予め、濃度既知の特定のリポ蛋白中のコレステロール(本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害される特定のリポ中のコレステロール)を含有する標準液等の標準品を試料として上記方法と同様にして求めた、当該リポ蛋白中のコレステロール濃度とODbとの関係を示す検量線に当てはめることにより、生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール)の値を算出する。
(2)ODbからODbl〔又はODblに由来する値(例えばODblに液量補正係数を掛けて求めた値)〕を差し引いた吸光度(ODcb)を求め、得られたODcbを、例えば予め、濃度既知の特定のリポ蛋白中のコレステロール(本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害される特定のリポ蛋白中のコレステロール)を含有する標準液等の標準品を試料として上記方法と同様にして求めた、当該リポ蛋白中のコレステロール濃度とODcbとの関係を示す検量線に当てはめることにより、生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白中のコレステロール)の値を算出する。
2−4.各構成要件の態様及び使用濃度
以下に本発明における各構成要件の好ましい態様、具体例及びその使用濃度等について説明する。
(1)本発明に係るポリマー
本発明のポリマーの好ましい態様、具体例は前述した通りである。
また、本発明に係るポリマーの使用濃度としては、特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応を阻害させて、当該特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールの反応を先行させ得る濃度であればよく、生体由来試料と直接混合させる試液中の濃度として、通常0.001%〜10%(W/V)、好ましくは0.05%〜2%(W/V)である。尚、これら本発明のポリマーは単独で用いても、或は二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
(2)CO
本発明において用いられるCOとしては、通常この分野で使用されているもの、例えば、ノカルディア属、シュードモナス属等の微生物に由来するもの、牛膵臓等動物臓器に由来するもの等が挙げられる。COの使用量としては、例えば2液法に於ける第一試液中の濃度として、通常0.03〜330u/ml、好ましくは0.07〜130u/ml、より好ましくは0.13〜65u/mlであり、又は、最終の反応液中の濃度として、通常0.02〜250u/ml、好ましくは0.05〜100u/ml、より好ましくは0.1〜50u/mlである。
尚、一液法の場合は、上記最終の反応液中の濃度範囲から適宜選択される。(以下、同様。)
(3)CHE
本発明において用いられるCHEとしては、通常この分野で使用されているもの、例えば、キャンディダ属、シュードモナス属等の微生物に由来するもの、牛膵臓等動物臓器に由来するもの等が挙げられる。CHEの使用量としては、例えば2液法に於ける第一試液中の濃度として、通常0.03〜330u/ml、好ましくは0.07〜130u/ml、より好ましくは0.13〜65u/mlであり、又は、最終の反応液中の濃度として、通常0.02〜250u/ml、好ましくは0.05〜100u/ml、より好ましくは0.1〜50u/mlである。
(4)POD
本発明において用いられるPODとしては、通常この分野で使用されているもの、例えば、西洋ワサビ、大豆、大根等の植物に由来するもの、カビ、酵母等の微生物に由来するもの、動物の白血球、甲状腺等に由来するもの等が挙げられる。PODの使用量としては、例えば2液法に於ける第一試液中の濃度として、通常0.1〜1000u/ml、好ましくは0.25〜400u/ml、より好ましくは0.5〜200u/mlであり、又は、最終の反応液中の濃度として、通常0.1〜250u/ml、好ましくは0.25〜100u/ml、より好ましくは0.5〜50u/mlである。
(5)被酸化性呈色試薬
本発明において用いられる被酸化性呈色試薬としては、PODの存在下、過酸化水素と反応して呈色するものであればよく、例えば4-アミノアンチピリン(以下、4−AAと略記する。)等のカップラー及び、該カップラーと酸化縮合して色素を生ずるデベロッパーとの組合せ、即ち、例えば4−AAとフェノール系化合物、ナフトール系化合物若しくはアニリン系化合物の組合せ、3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラゾンとアニリン系化合物の組合せ等や、例えば2,2'-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)、トリフェニルメタン系ロイコ色素、ジフェニルアミン誘導体、ベンジジン誘導体、トリアリルイミダゾール誘導体、ロイコメチレンブルー誘導体、o-フェニレンジアミン誘導体等の酸化によってそれ自体が発色する発色剤等が挙げられる。
デベロッパーとしてのフェノール系化合物の具体例としては、例えばフェノール、p-クロロフェノール、2,4-ジクロロフェノール等が挙げられ、ナフトール系化合物の具体例としては、例えば1-ナフトール、1-ナフトール-2-スルホン酸、1-ナフトール-2-カルボン酸等が挙げられ、また、アニリン系化合物の具体例としては、例えばN,N-ジエチルアニリン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-m-トルイジン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(DAOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシ-4-フルオロアニリン(FDAOS)、N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(HDAOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-m-トルイジン(TOOS)、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N'-サクシニル-エチレンジアミン(EMSE)、N-(3-スルホプルピル)-3-メトキシ-5-メチルアニリン(HMMPS)等が挙げられる。
カップラーとデベロッパーとの組合せを用いる場合、カップラーの使用量としては、用いるカップラーの種類や組み合わせるデベロッパーの種類等により異なるが、例えば2液法に於ける第一試液中の濃度として、通常0.01〜400mM、好ましくは0.1〜40mM、より好ましくは0.2〜10mMであり、最終の反応液中の濃度として、通常0.01〜100mM、好ましくは0.1〜10mMの範囲である。また、カップラーとして4−AAを使用する場合の使用量としては、例えば2液法に於ける第一試液中の濃度として、通常0.01〜200mM、好ましくは0.1〜40mM、より好ましくは0.2〜10mMであり、最終の反応液中の濃度として、通常0.01〜50mM、好ましくは0.1〜5mMである。
また、デベロッパーの使用量としては、用いるデベロッパーの種類や組み合わせるカップラーの種類等により異なるため一概には言えないが、例えば2液法に於ける第一試液中の濃度として、通常0.01〜200mM、好ましくは0.1〜40mM、より好ましくは0.2〜10mMであり、最終の反応液中の濃度として、通常0.01〜50mM、好ましくは0.1〜5mMである。
トリフェニルメタン系ロイコ色素の具体例としては、例えばロイコマラカイトグリーン、ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-2-スルホフェニルメタン、ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-3,4-ジスルホプロポキシフェニルメタン・ジナトリウム塩等が挙げられ、ジフェニルアミン誘導体の具体例としては、例えばビス〔4-ジ(2-ブトキシエチル)アミノ-2-メチルフェニル〕アミン、N,N-ビス(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-N'-p-トルエンスルホニル尿素等が挙げられ、また、ロイコメチレンブルー誘導体の具体例としては、例えば10-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン・ナトリウム塩、10-〔3-(メトキシカルボニルアミノメチル)フェニルメチルアミノカルボニル〕-3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等が挙げられる。更に、ベンジジン誘導体の具体例としては、例えばベンジジン、o-トリジン、o-ジアニシジン、3,3'-ジアミノベンジジン、3,3',5,5'-テトラアミノベンジジン等が挙げられ、トリアリルイミダゾール誘導体の具体例としては、例えば2-(4-カルボキシフェニル)-3-N-メチルカルバモイル-4,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)イミダゾール、2-(3-メトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)3-N-メチルカルバモイル-4,5-ビス(2-メチル-4-ジエチルアミノフェニル)イミダゾール等が挙げられる。
これら発色剤の使用量としては、通常この分野で用いられる濃度範囲である。
(6)CAT
本発明において用いられるCATとしては、通常この分野で使用されているもの、例えば、牛肝臓等の動物臓器に由来するもの、クロロプラスト等の植物に由来するもの、ミクロコッカス属、ロドシュードモナス属等の微生物に由来するもの等が挙げられる。CATの使用量としては、例えば2液法に於ける第一試液中の濃度として、通常10〜50000u/ml、好ましくは100〜5000u/ml、より好ましくは50〜2000u/mlである。
(7)CHD
本発明において用いられるCHDは、通常この分野で使用されているもの、例えば、ノカルディア属に由来するもの等が挙げられる。CHDの使用量としては、例えば2液法に於ける第一試液中の濃度として、通常0.1〜150u/ml、好ましくは0.3〜100u/ml、より好ましくは0.5〜60u/mlであり、最終の反応液中の濃度として、通常0.1〜100u/ml、好ましくは0.5〜50u/mlである。
(8)NAD(P)
本発明において用いられるNAD(P)は、通常この分野で使用されているもの、例えば、酵母に由来するもの等が挙げられる。NAD(P)の使用量としては、例えば2液法に於ける第一試液中の濃度として、通常0.2〜70mM、好ましくは0.5〜50mM、より好ましくは1〜20mMであり、最終の反応液中の濃度として、通常0.2〜50mM、好ましくは1〜10mMである。
(9)CAT阻害剤
本発明において用いられるCAT阻害剤としては、通常この分野で使用されているもの、例えばNaN3、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール等が挙げられる。これらCAT阻害剤の使用量としては、用いるCAT阻害剤の種類により異なるため一概には言えないが、例えば2液法に於ける第二試液中の濃度として、通常0.01〜10%(W/V)、好ましくは0.02〜5%(W/V)、より好ましくは0.03〜3%(W/V)である。
(10)CO阻害剤
本発明において用いられるCO阻害剤としては、通常この分野で使用されているもの、例えばAg+イオン、Zn2+イオン、グルタチオン等が挙げられる。これらCO阻害剤の使用量としては、用いるCO阻害剤の種類により異なるため一概には言えないが、例えば2液法に於ける第二試液中の濃度として、通常0.00002〜40%(W/V)、好ましくは0.0002〜4%(W/V)、より好ましくは0.002〜0.4%(W/V)である。
(11)CHD阻害剤
本発明において用いられるCHD阻害剤としては、通常この分野で使用されているもの、例えばAg+イオン、Zn2+イオン等が挙げられる。これらCHD阻害剤の使用量としては、用いるCHD阻害剤の種類により異なるため一概には言えないが、例えば2液法に於ける第二試液中の濃度として、通常0.00001〜70%(W/V)、好ましくは0.0001〜7%(W/V)、より好ましくは0.001〜0.7%(W/V)である。
(12)水性媒体
本発明において用いられる水性媒体としては、水、緩衝液等が挙げられる。緩衝液を構成する緩衝剤としては、pH5〜11の範囲で緩衝作用を有し、コレステロール測定反応を阻害しないものであればよく、例えばトリスヒドロキシメチルアミノメタン、グッドの緩衝剤(PIPES、BES、TES、HEPES等)、リン酸塩、ホウ酸塩、イミダゾール等、通常この分野で用いられるものが挙げられ、その使用濃度としては、通常1mM〜2M、好ましくは10mM〜1Mの範囲であり、また、pHは、通常5〜11、好ましくは5〜10、より好ましくは5.5〜8.5、更に好ましくは6〜8、特に好ましくは7付近である。
また、生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールが実質的に消去(消費)され、且つ使用する本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点(ODbl)の後に、反応系のpHを変化させることによって、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除、言い換えれば、本発明に係るポリマーによって阻害されている特定のリポ蛋白の反応を復活(復帰)或いは促進させる場合には、生体由来試料と直接混合させる本発明に係るポリマーを含む試液(例えば第一試液)のpHを、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されないリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)中のコレステロールの反応が実質的に終了した後の時点で添加する試液(例えば第二試液)のpHよりも、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る程度高く、または低くすればよい。具体的には、使用する本発明に係るポリマーの種類や濃度等によって異なるため一概には言えないが、これら試液間でのpHの差は、通常0.5〜3、好ましくは1〜3である。
(13)特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質
本発明において用いられる、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質としては、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応を復活(復帰)或いは促進し得る性質を有するものであればよい。
このような性質を有する物質としては、例えば、上記した如き性質を有するものであって、自体公知の総コレステロール測定方法(試薬)で使用される非イオン性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤が使用できる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル〔ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等〕、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル〔ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等〕、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル〔ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等〕、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル〔ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等〕、ソルビタン脂肪酸エステル〔ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート等〕、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル〔テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等〕、ポリオキシエチレンアルキルアミン〔ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン等〕、グリセリン脂肪酸エステル〔ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド等〕等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えばコール酸およびその誘導体〔コール酸、デオキシコール酸、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、ラウロイルサルコシン等〕等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン誘導体〔ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアンモニウムベタイン、ココナットベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等〕、イミダゾリニウムベタイン誘導体〔2-ラウリル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2-ウンデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン;2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等〕、スルホベタイン誘導体〔N-オクチル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホン酸、N-デシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホン酸、N-ドデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホン酸、N-テトラデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホン酸、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホン酸等〕等のベタイン誘導体;例えばアルキルグリシン、アルキルビス(アミノエチル)グリシン、ジオクチルポリアミノエチルグリシン、N-アルキルポリアミノエチルグリシン、β-アラニン誘導体等のアミノカルボン酸誘導体;例えばビス(2-ウンデシル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、アルキルイミダゾリン誘導体等のイミダゾリン誘導体;例えばラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド誘導体等が挙げられる。
上記した如き界面活性剤の中でも、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤が好ましい。
上記した如き界面活性剤の使用濃度としては、本発明に係るポリマーによって反応が阻害されたリポ蛋白(生体由来試料と本発明に係るポリマーとの接触によって反応が阻害された特定のリポ蛋白)中のコレステロールの反応を復活(復帰)或いは促進し得る濃度であればよく、使用する本発明のポリマーの種類やその使用濃度、界面活性剤の種類等により異なる為一概には言えないが、2液法で用いる場合、第一試液と第二試液の液量比等により異なるが、第二試液中の濃度としては、通常0.01〜20%(W/V)、好ましくは0.05〜5%(W/V)である。
尚、これら界面活性剤は単独で用いても、或は二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
(14)その他の試薬類
本発明においては、上記した如き試薬類(構成要件)以外にも、通常この分野で用いられている試薬類が使用可能である。
このような試薬類としては、例えばアスコルビン酸、溶血、ビリルビン等の共存物質の影響回避(例えばアスコルビン酸オキシダーゼ、銅イオン等の金属イオン、フェロシアン化カリウム等)、高トリグリセライド検体等による乳びの影響回避剤(例えば界面活性剤、NaCl、KCl等の塩類、例えばLPL等の酵素等)及び反応促進剤(例えば界面活性剤、金属イオン等)、酵素等の安定化剤(例えば牛アルブミン、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質、例えばグルタミン酸等の各種アミノ酸類、例えばブドウ糖等の各種糖類等)、各種塩類(例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウム等)、抗酸化性物質(例えばマンニトール等)、キレート剤(例えばEDTA等)、防腐剤(例えばアジ化ナトリウム等)、吸着防止剤〔例えばPMPC、PMB82、PMB82−1M、PMB37、PMC1891、PMC1882、PMBz82等の特開2003-344413号公報記載のMPCポリマー〕等が挙げられる。
尚、上記した如きその他の試薬類の使用濃度は、自体公知の方法に従い適宜選択すればよい。
(15)生体由来試料
本発明が適用される生体由来試料としては、例えば血清、血漿等の生体由来試料、及びこれらを水、生理食塩水や通常この分野で用いられている例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等の緩衝液等に適宜溶解させて再構成して得られた処理物等が挙げられる。
3.本発明のリポ蛋白中のコレステロールの測定用試薬及びキット
本発明の試薬及びキットは、上記した如き本発明の測定法を実施するために使用されるものであり、本発明に係るポリマーを用いる以外は、上記した如き生体由来試料中のコレステロールを測定する方法に使用される試薬類(構成要件)を、通常この分野で使用される濃度範囲で含有するように調製されたものでよく、構成要件の好ましい態様や使用濃度等は、前述した通りである。
より具体的には、本発明の試薬及びキットは、例えば以下の如き試薬類(構成要件)を主成分として含むものであり、これら以外にその他の試薬類を含有していてもよい。
(1)直接法用試薬・キット
上記した如き本発明の直接法用の試薬・キットとしては、例えば以下の如き試薬類(構成要件)を主成分として含むものが挙げられる。
直接法(1)用試薬・キット(一液法)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CO
・POD
・被酸化性呈色試薬(カップラー及びデベロッパー)
・水性媒体
直接法(1)用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・水性媒体
(第二試液)
・CHE
・CO
・水性媒体
尚、上記の場合には、POD、カップラー及びデベロッパーは、それぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させる。
直接法(2)用試薬・キット(一液法)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CHD
・NAD(P)
・水性媒体
直接法(2)用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・水性媒体
(第二試液)
・CHE
・CHD
・水性媒体
尚、上記の場合には、NAD(P)は、第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させる。
(2)消去法(1)用試薬・キット
上記した如き本発明の消去法(1)用の試薬・キットとしては、例えば以下の如き試薬類(構成要件)を主成分として含むものが挙げられる。
消去法(1)-a用試薬・キット(一液法)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CO
・POD
・被酸化性呈色試薬(カップラー及びデベロッパー)
・水性媒体
消去法(1)-b用試薬・キット(一液法)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CHD
・NAD(P)
・水性媒体
消去法(1)-a用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・水性媒体
(第二試液)
・CHE
・CO
・水性媒体
尚、上記の場合には、POD、カップラー及びデベロッパーは、それぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させる。
消去法(1)-a用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CO
・POD
・カップラー
・デベロッパー
・水性媒体
(第二試液)
・特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質(例えば界面活性剤)
・水性媒体
消去法(1)-b用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・水性媒体
(第二試液)
・CHE
・CHD
・水性媒体
尚、上記の場合には、NAD(P)は、第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させる。
消去法(1)-b用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CHD
・NAD(P)
・水性媒体
(第二試液)
・特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質(例えば界面活性剤)
・水性媒体
(3)消去法(2)用試薬・キット
上記した如き本発明の消去法(2)用の試薬・キットとしては、例えば以下の如き試薬類(構成要件)を主成分として含むものが挙げられる。
消去法(2)-a用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CO
・POD
・カップラー又はデベロッパー
・水性媒体
(第二試液)
・デベロッパー又はカップラー
・水性媒体
・要すれば、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質(例えば界面活性剤)
上記の場合には、CHE、CO、PODは第一試薬と第二試薬の両方に含有させても良い。
消去法(2)-a用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CO
・CAT
・水性媒体
(第二試液)
・CAT阻害剤
・水性媒体
・要すれば、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質(例えば界面活性剤)
上記の場合には、POD、カップラー、デベロッパーは、それぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含有させ、また、CHE、COは第一試薬と第二試薬の両方に含有させても良い。
消去法(2)-b用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CO
・POD
・カップラー又は/及びデベロッパー
・水性媒体
(第二試液)
・CHD
・NAD(P)
・CO阻害剤
・水性媒体
・要すれば、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質(例えば界面活性剤)
上記の場合には、CHEは第一試薬と第二試薬の両方に含有させても良い。
消去法(2)-b用試薬・キット(2液法)
(第一試液)
・本発明に係るポリマー
・CHE
・CHD
・NAD(P)
・水性媒体
(第二試液)
・CO
・POD
・CHD阻害剤
・被酸化性呈色試薬(カップラー及びデベロッパー)
・水性媒体
・要すれば、特定のリポ蛋白に対する本発明に係るポリマーの保護を解除し得る物質(例えば界面活性剤)
上記の場合には、CHEは第一試薬と第二試薬の両方に含有させても良い。
また、当該キットには、必要に応じて、測定対象となるリポ蛋白中のコレステロール標準品等が組み合わされていてもよい。当該標準品は、例えばヒトや動物等の血清等を用いて調製された標準血清やこれらに由来する測定対象となるリポ蛋白分画を含有するもの等を使用することができる。尚、ここで、測定対象となるリポ蛋白質とは、例えば利用する測定法が本発明の直接法の場合には、本発明に係るポリマーによって保護されるリポ蛋白以外のリポ蛋白(本発明に係るポリマーによって反応が阻害される特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白)を意味し、利用する測定法が本発明の消去法の場合には、本発明に係るポリマーによって保護されるリポ蛋白(本発明に係るポリマーによって反応が阻害される特定のリポ蛋白)を意味する。
更に、前述した如き本発明の測定法での使用のための説明書等を含ませておいても良い。当該「説明書」とは、本発明の方法における特徴・原理・操作手順等が文章又は図表等により実質的に記載されている当該キットの取り扱い説明書、添付文書、或いはパンフレット(リーフレット)等を意味する。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
以下に表記される「化合物(1)〜(16)」とは、下記表1に示される化合物のことを意味する。
Figure 0005029354
実施例1.本発明のポリマーの製造方法
実施例1−1.
メタクリル酸(和光純薬工業(株)社製)23g〔以下、「モノマーA」と略記する。〕とメタクリル酸シクロヘキシル(和光純薬工業(株)社製) 23g〔以下、「モノマーB」と略記する。〕とをイソプロパノール 180g中に溶解し、重合開始剤(アゾ基含有ポリエチレングリコール)(以下、「PEG」と略記する。)(商品名:VPE-0201,和光純薬工業(株)社製) 15gを添加した後、アルゴンガス置換下、78℃で6時間攪拌した。反応終了後、得られた反応液をヘキサン 500mLに投入し、上澄みを除去した。残渣を減圧乾燥することにより、本発明に係るポリマーを得た。
得られたポリマーは、1H-NMRスペクトル分析により、ポリメタクリル酸セグメント(0.88ppm〜1.96ppm)及びポリエチレングリコールセグメント(3.58ppm)を有していること、IRスペクトル分析により、カルボニル基(-C=O)(1725cm-1)の存在を確認した。その結果を表2に示す。
実施例1−2〜1−24.
本発明のポリマーに於けるモノマーA及びモノマーBとして、表2に示す各種モノマーを所定の割合で用いる以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、本発明に係るポリマーを得た。その結果を表2に併せて示す。
Figure 0005029354
実施例1−25〜1−47
本発明に於けるモノマーA及びモノマーBとして、表3に示す各種モノマーを所定の割合で用いる以外は、実施例1−1と同様の操作を行い、本発明のポリマーを得た。その結果を表3に示す。
Figure 0005029354
実施例2−1
本発明のポリマーを含有するコレステロール測定用試薬と、超遠心法で分画した各種リポ蛋白との反応曲線を測定し、本発明のポリマーの各リポ蛋白中のコレステロールの反応性への影響について確認した。

〔試料〕
自体公知の超遠心法によりヒト血清より分画して得た、HDL分画(コレステロール:200mg/dL)、LDL分画(コレステロール:300mg/dL)及びVLDL分画(コレステロール:100mg/dL)をそれぞれ試料とした。

〔試薬〕
下記の組成の試薬を使用した。
Figure 0005029354
尚、本発明のポリマーとしては、実施例1−1〜1−47で合成したポリマーを使用した。また、対照として、本発明のポリマーを含有しない試薬を用いた。

〔測定条件〕
日立7170形自動分析装置((株)日立製作所製)を用い、測定パラメータを以下のように設定して測定を行った。
・測定方法:1ポイントエンド[15]-[0]
・試料量 :2.0μL
・試液量 :180μL
・測定波長:700/600nm
・測定温度:37℃
〔結果〕
図1に、本発明のポリマーを含有しない試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースを、図2に、実施例1−1で得られたポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースを、図3に、実施例1−3で得られたポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースを、図4に、実施例1−8で得られたポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースを、図5に、実施例1−11で得られたポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースを、図6に、実施例1−16で得られたポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースを、また、図7に、実施例1−22で得られたポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースをそれぞれ示す。
尚、各図中、−●−はHDL分画試料(コレステロール:200mg/dL)について得られた結果を、−◆−はLDL分画試料(コレステロール:300mg/dL)について得られた結果を、−■−はVLDL分画試料(コレステロール:100mg/dL)について得られた結果を、また、−△−は生理食塩水を試料として得られた結果をそれぞれ示す。
図1〜図4の結果から、実施例1−1、1−3及び1−8で得られた本発明のポリマーを含有する試薬を用いた場合、LDL中のコレステロールの反応が阻害されていることが、図1及び図5の結果から、実施例1−11で得られた本発明のポリマーを含有する試薬を用いた場合、LDL及びHDL中のコレステロールの反応が阻害されていることが、また、図1及び図6〜7の結果から、実施例1−16及び1−22で得られた本発明のポリマーを含有する試薬を用いた場合、HDL中のコレステロールの反応が阻害されていることが、それぞれ判る。
尚、図示はしていないが、実施例1−2、1−4〜1−7、1−36〜1−38、1−40及び1−45〜1−47で得られた本発明のポリマーを含有する試薬を用いた場合には、LDL中のコレステロールの反応が阻害されることが、実施例1−9〜1−12で得られた本発明のポリマーを含有する試薬を用いた場合には、LDL及びHDL中のコレステロールの反応が阻害されることが、また、実施例1−13〜1−15、1−17〜21、1−23〜1−26、1−27〜1−35、1−39及び1−41〜1−44で得られた本発明のポリマーを含有する試薬を用いた場合には、HDL中のコレステロールの反応が阻害されることが、それぞれ確認された。
以上の結果と表2及び3から、本発明のポリマーのうち、一般式[2]で示されるモノマー単位(A)と一般式[3]で示されるモノマー単位(B)との組成比が、B/A≦1であるポリマー(実施例1−1〜1−8、1−36〜1−38、1−40及び1−45〜1−47)は、LDLを保護し、LDL中のコレステロールの反応を阻害する性質を有することが、本発明のポリマーのうち、これらの組成比が、1<B/A<2であるポリマー(実施例1−9〜1−12)は、LDLとHDLとを保護し、HDL中のコレステロール及びLDL中のコレステロールの反応を阻害する性質を、また、これらの組成比が、2≦B/Aであるポリマー(実施例1−13〜1−35、1−39及び1−41〜1−44)は、HDLを保護し、HDL中のコレステロールの反応を阻害する性質を有することが示唆される。
更に、本発明のポリマーが有するこれらの性質を適宜選択することによって、例えば本発明のポリマーによって保護された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを直接測定することや、本発明のポリマーによって保護された特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去法によって消去した後に、本発明のポリマーによって保護された特定のリポ蛋白質中のコレステロールを測定することが可能となることが示唆される。
実施例3−1 消去法によるHDL−コレステロールの測定
HDL中のコレステロールの反応を阻害する性質を有する、本発明のポリマー(実施例1−22のポリマー)を用いて、消去法により試料中のHDL−コレステロールを測定し、基準的測定法であるUCHM法での測定値と比較した。

〔試料〕
人血清20検体
尚、各人血清中のトリグリセライド(TG)値は、LタイプワコーTG-M(和光純薬工業(株)製)によって測定した。

〔UCHM法〕
Recommendations on Lipoprotein Measurement From the Working Group on Lipoprotein Measurement (NIH Publication No.95-3044 September 1995 page63-124)に記載の方法に従い測定した。

〔本発明によるHDL−コレステロールの測定〕
(試薬)
以下の試薬を用い、本発明の消去法により各試料中のHDL−コレステロールを測定した。
・第一試液
Figure 0005029354

・第二試液
Figure 0005029354

(測定条件)
オリンパスAU−640自動分析装置(オリンパス(株)製)を用い、測定パラメータを以下のように設定して測定を行った。
尚、キャリブレーターとしてマルチキャリブレーターリピッド(和光純薬工業(株)製)を用いた。
・条件 :2ポイントエンド法 (測光ポイント10−27)
・試料 :2μL
・試薬1 :180μL
・試薬2 :60μL
・測定波長:主波長 600nm、副波長700nm
〔結果〕
測定結果及び各試料中のTG値を表4に、また、本発明の方法とUCHM法との相関図を図8にそれぞれ示す。
尚、相関式及び相関係数は以下の通りであった。
相関式:y=1.03x−1.3444;相関係数:R2=0.9742
Figure 0005029354
表4と図8の結果から明らかなように、本発明の消去法によるHDL−コレステロール測定法(試薬)は、基準的測定法であるUCHM法と良好な相関を示すことが判る。特に、高トリグリセライド検体においても、本発明の消去法によるHDL−コレステロール測定法(試薬)で得られた値は、UCHM法の値から解離することなく、その測定値は両者で一致していることが判る。
実施例3−2 消去法によるLDL−コレステロールの測定
LDL中のコレステロールの反応を阻害する性質を有する、本発明のポリマー(実施例1−8のポリマー)を用いて、消去法により試料中のLDL−コレステロールを測定し、基準的測定法であるBQ法での測定値と比較した。

〔試料〕
人血清20検体
尚、各人血清中のトリグリセライド(TG)値は、LタイプワコーTG-M(和光純薬工業(株)製)によって測定した。

〔BQ法〕
Recommendations on Lipoprotein Measurement From the Working Group on Lipoprotein Measurement (NIH Publication No.95-3044 September 1995 page 1-62)に記載の方法に従い測定した。

〔本発明によるLDL−コレステロールの測定〕
(試薬)
以下の試薬を用い、本発明の消去法により各試料中のLDL−コレステロールを測定した。
・第一試液
Figure 0005029354

・第二試液
Figure 0005029354

(測定条件)
オリンパスAU−640自動分析装置(オリンパス(株)製)を用い、測定パラメータを以下のように設定して測定を行った。
尚、キャリブレーターとしてマルチキャリブレーターリピッド(和光純薬工業(株)製)を用いた。
・条件 :2ポイントエンド法 (測光ポイント10−27)
・試料 :2μL
・試薬1 :180μL
・試薬2 :60μL
・測定波長:主波長 600nm、副波長700nm
〔結果〕
測定結果及び各試料中のTG値を表5に、また、本発明の方法とBQ法との相関図を図9にそれぞれ示す。
尚、相関式及び相関係数は以下の通りであった。
相関式:y=0.987x−1.1931;相関係数:R2=0.9862
Figure 0005029354
表5と図9の結果から明らかなように、本発明の消去法によるLDL−コレステロール測定法(試薬)は、基準的測定法であるBQ法と良好な相関を示すことが判る。特に、高トリグリセライド検体においても、本発明の消去法によるLDL−コレステロール測定法(試薬)で得られた値は、BQ法の値から解離することなく、その測定値は両者で一致していることが判る。
尚、上記第1試液に更にPMB37 0.25%を添加して同様の操作を行った場合でもBQ測定値と良好な相関を示すLDL−コレステロール値が得られ、このような試薬は本発明の測定法に影響がないことが判った。
実施例3−3 直接法によるVLDL−コレステロールの測定
LDL及びHDL中のコレステロールの反応を阻害する性質を有する、本発明のポリマー(実施例1−11のポリマー)を用いて、直接法により試料中のVLDL−コレステロールを測定し、基準的測定法である超遠心法での測定値と比較した。

〔試料〕
人血清20検体
尚、各人血清中のトリグリセライド(TG)値は、LタイプワコーTG-M(和光純薬工業(株)製)によって測定した。

〔超遠心法〕
(1)超遠心分離法によるVLDL分画の採取
「新生化学実験講座、第4巻 脂質I 197ページ(東京化学同人編)」に記載された方法により、VLDL分画を採取した。即ち、血清試料(4mL)に比重d=1.006の塩化ナトリウム溶液を2mL重層し、16℃、20,000rpmで30分間遠心して上層にあるキロミクロンを分離除去して残った下層に、さらに比重d=1.006の塩化ナトリウム溶液を2mL重層し、16℃、40,000rpmで18時間遠心した後の上層部を採取してVLDL分画とした。

(2)VLDL−コレステロールの測定
上記(1)の操作により得たVLDL分画に生理食塩水を加えて元の血清量4mLにしたものを試料として、その中に含まれているコレステロール濃度を総コレステロール測定試薬(Lタイプワコー CHO・H:和光純薬工業(株)製)を用いて、日立自動分析装置7170S形自動分析装置((株)日立製作所製)を用い、下記の測定条件で測定した。
尚、キャリブレーターとしてマルチキャリブレーターリピッド(和光純薬工業(株)製)を用いた。
・条件 :2ポイントエンド法 (測光ポイント16−34)
・試料 :2μL
・試薬1 :180μL
・試薬2 :60μL
・測定波長:主波長 600nm、副波長700nm

〔本発明によるVLDL−コレステロールの測定〕
(試薬)
以下の試薬を用い、本発明の直接法により各試料中のVLDL−コレステロールを測定した。
・第一試液
Figure 0005029354

・第二試液
Figure 0005029354

(測定条件)
オリンパスAU−640自動分析装置(オリンパス(株)製)を用い、測定パラメータを以下のように設定して測定を行った。
尚、キャリブレーターとしてマルチキャリブレーターリピッド(和光純薬工業(株)製)を用いた。
・条件 :2ポイントエンド法 (測光ポイント10−27)
・試料 :3μL
・試薬1 :180μL
・試薬2 :60μL
・測定波長:主波長 600nm、副波長700nm
〔結果〕
測定結果及び各試料中のTG値を表6に、また、本発明の方法とUCHM法との相関図を図10にそれぞれ示す。
尚、相関式及び相関係数は以下の通りであった。
相関式:y=1.0065x−1.1194;相関係数:R2=0.9909
Figure 0005029354
表6と図10の結果から明らかなように、本発明の消去法によるVLDL−コレステロール測定法(試薬)は、基準的測定法である超遠心法と良好な相関を示すことが判る。高トリグリセライド検体においても、本発明の直接法によるVLDL−コレステロール測定法(試薬)で得られた値は、超遠心法の値から解離することなく、その測定値は両者で一致していることが判る。
リポ蛋白中のコレステロールの直接的測定法に於いて、本発明のポリマーを共存させることにより、特定のリポ蛋白を保護し、当該特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応を阻害、言い換えれば、遅延ないしは一時的に停止させて、特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールの反応を先行させて、当該特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを測定することができる。また、反応を先行させた当該特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去することにより、特定のリポ蛋白中のコレステロールを測定することができる。これにより、測定対象となる目的のリポ蛋白以外のリポ蛋白を分離分別することなく、目的のリポ蛋白中のコレステロールを測定することが可能となる。更に、本発明によれば、これまで問題となっていた脂質異常検体の測定値に於いても標準的測定法での測定値と一致する測定精度に優れたリポ蛋白中コレステロール測定方法及び測定試薬を提供することが可能となる。
実施例2−1で得られた、本発明のポリマーを含有しない試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースである。 実施例2−1で得られた、実施例1−1のポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースである。 実施例2−1で得られた、実施例1−3のポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースである。 実施例2−1で得られた、実施例1−8のポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースである。 実施例2−1で得られた、実施例1−11のポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースである。 実施例2−1で得られた、実施例1−16のポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースである。 実施例2−1で得られた、実施例1−22のポリマーを含有する試薬を用いて得られた各リポ蛋白の反応タイムコースである。 実施例3−1で得られた、本発明の方法によるHDL−コレステロール測定値とUCHM法によるHDL−コレステロール測定値との相関図である。 実施例3−2で得られた、本発明の方法によるLDL−コレステロール測定値とBQ法によるLDL−コレステロール測定値との相関図である。 実施例3−3で得られた、本発明の方法によるVLDL−コレステロール測定値と超遠心法によるVLDL−コレステロール測定値との相関図である。
符号の説明
図1〜7中、−●−はHDL分画試料(コレステロール:200mg/dL)について得られた結果を、−◆−はLDL分画試料(コレステロール:300mg/dL)について得られた結果を、−■−はVLDL分画試料(コレステロール:100mg/dL)について得られた結果を、また、−△−は生理食塩水を試料として得られた結果をそれぞれ示す。

Claims (29)

  1. (iv)一般式[1]
    Figure 0005029354
    (式中、kは10〜250の整数を表す。)で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、
    (v)一般式[2]
    Figure 0005029354
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示されるモノマー単位、及び
    (vi)一般式[3]
    Figure 0005029354
    〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは一般式[4]
    Figure 0005029354
    (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基又はボルナニル基を表す。)で示される基、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基又はアルキルカルバモイル基を表す。〕で示されるモノマー単位を構成成分として含んで成るポリマーの共存下で測定を行うことを特徴とする、特定のリポ蛋白中のコレステロールの測定法。
  2. ポリエチレングリコールセグメントが、一般式[5]
    Figure 0005029354
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rはシアノ基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Eは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、kは10〜250の整数を表す。)で示されるものである、請求項1に記載の測定法。
  3. ポリマーが、一般式[6]
    Figure 0005029354
    (式中、R及びRは夫々独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R及びRは夫々独立してシアノ基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、E及びEは夫々独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、kは10〜250の整数を表し、nは50〜900の整数を表し、pは50〜900の整数を表し、mは1〜10の整数を表し、R〜Rは前記に同じ。)で示されるものである、請求項1に記載の測定法。
  4. 一般式[3]で示されるモノマー単位が、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸ジ(トリフルオロメチル)メチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル、メタクリル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチル、シクロヘキシルメタクリルアミド、アクリル酸シクロヘキシル、ビニルシクロヘキシル、アリルシクロヘキシル、シクロヘキシルビニルエーテル又はアリルベンゼン由来のものである、請求項1に記載の測定法。
  5. ポリマーの重合平均分子量が10,000〜120,000である、請求項1に記載の測定法。
  6. 一般式[5]で示されるポリエチレングリコールセグメントが1〜70重量%である、請求項2に記載の測定法。
  7. 一般式[2]で示されるモノマー単位が20〜85重量%である、請求項1に記載の測定法。
  8. 一般式[3]で示されるモノマー単位が20〜85重量%である、請求項1に記載の測定法。
  9. 一般式[2]で示されるモノマー単位がメタクリル酸由来のものであり、一般式[3]で示されるモノマー単位がメタクリル酸シクロヘキシル由来のものである、請求項1に記載の測定法。
  10. (a)当該ポリマーの共存下、生体由来試料を(1)コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼ、又は(2)コレステロールエステラーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ及びNAD(P)と反応させ、
    (b)生成する過酸化水素量又はNAD(P)H量に基づいて生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロールを測定することを特徴とする、請求項1に記載の測定法。
  11. 生体試料と当該ポリマーとを接触させた後、相異なる二つの時点での吸光度を測定し、これらに基づいて生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール量を算出する、請求項1に記載の測定法。
  12. 相異なる二つの時点が、(1)生体由来試料と当該ポリマーとを接触させ、特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールの反応が実質的に終了し、且つ特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応が実質的に開始される前の時点と、(2)特定のリポ蛋白中のコレステロールの反応が実質的に終了した時点である、請求項11に記載の測定法。
  13. (a)当該ポリマー共存下、生体由来試料と特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去するための試薬とを接触させて、特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去し、
    (b)次いで、(1)特定のリポ蛋白中のコレステロールと、コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼとの反応によって生成する過酸化水素量、又は(2)特定のリポ蛋白中のコレステロールと、コレステロールエステラーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ及びNAD(P)との反応によって生成するNAD(P)H量に基づいて生体試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロールを測定する、請求項1に記載の測定法。
  14. 特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去するための試薬が、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼとカップラー又はデベロッパー、或いはカタラーゼである、請求項13に記載の測定法。
  15. リポ蛋白が高比重リポ蛋白(HDL)、低比重リポ蛋白(LDL)又は超低比重リポ蛋白(VLDL)である、請求項1、10、11及び13の何れかに記載の測定法。
  16. 生体由来試料を(1)コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼ、又は(2)コレステロールエステラーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ及びNAD(P)と反応させ、生成する過酸化水素又はNAD(P)Hに基づいてコレステロールを測定するための試薬に、下記(iv)〜(vi)を構成成分として含んで成るポリマーを含有させた、生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用試薬。
    (iv)一般式[1]
    Figure 0005029354
    (式中、kは10〜250の整数を表す。)で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、
    (v)一般式[2]
    Figure 0005029354
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示されるモノマー単位、及び
    (vi)一般式[3]
    Figure 0005029354
    〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは一般式[4]
    Figure 0005029354
    (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基又はボルナニル基を表す。)で示される基、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基又はアルキルカルバモイル基を表す。〕で示されるモノマー単位
  17. 生体由来試料を特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去するための試薬と接触させて、特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去し、特定のリポ蛋白中のコレステロールと、(1)コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼ、又は(2)コレステロールエステラーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ及びNAD(P)と反応させ、生成する過酸化水素又はNAD(P)Hに基づいてコレステロールを測定するための試薬に、下記(iv)〜(vi)を構成成分として含んで成るポリマーを含有させた、生体由来試料中の特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用試薬。
    (iv)一般式[1]
    Figure 0005029354
    (式中、kは10〜250の整数を表す。)で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、
    (v)一般式[2]
    Figure 0005029354
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示されるモノマー単位、及び
    (vi)一般式[3]
    Figure 0005029354
    〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは一般式[4]
    Figure 0005029354
    (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基又はボルナニル基を表す。)で示される基、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基又はアルキルカルバモイル基を表す。〕で示されるモノマー単位
  18. 特定のリポ蛋白以外のリポ蛋白中のコレステロールを消去するための試薬が、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼとカップラー又はデベロッパー、或いはカタラーゼである、請求項17に記載の試薬。
  19. リポ蛋白が高比重リポ蛋白(HDL)、低比重リポ蛋白(LDL)又は超低比重リポ蛋白(VLDL)である、請求項16又は17に記載の測定用試薬。
  20. (1)下記(iv)〜(vi)を構成成分として含んでなるポリマー、(2)コレステロールエステラーゼ、(3)コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びカップラー又は/及びデベロッパー、及び(4)水性媒体を含んでなる第一試液と、(5)コレステロールエステラーゼ、(6)コレステロールオキシダーゼ及び(7)水性媒体を含んでなる第二試液とからなるものであって、ペルオキシダーゼ、カップラー、デベロッパーがそれぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含まれている、特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用キット。
    (iv)一般式[1]
    Figure 0005029354
    (式中、kは10〜250の整数を表す。)で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、
    (v)一般式[2]
    Figure 0005029354
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示されるモノマー単位、及び
    (vi)一般式[3]
    Figure 0005029354
    〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは一般式[4]
    Figure 0005029354
    (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基又はボルナニル基を表す。)で示される基、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基又はアルキルカルバモイル基を表す。〕で示されるモノマー単位
  21. (1)下記(iv)〜(vi)を構成成分として含んでなるポリマー、(2)コレステロールエステラーゼ、(3)コレステロールオキシダーゼ、(4)ペルオキシダーゼ、(5)カップラー、(6)デベロッパー及び(7)水性媒体を含んでなる第一試液と、(8)界面活性剤及び(9)水性媒体を含んでなる第二試液とからなる、特定のリポ蛋白中のコレステロール測定用キット。
    (iv)一般式[1]
    Figure 0005029354
    (式中、kは10〜250の整数を表す。)で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、
    (v)一般式[2]
    Figure 0005029354
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示されるモノマー単位、及び
    (vi)一般式[3]
    Figure 0005029354
    〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは一般式[4]
    Figure 0005029354
    (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基又はボルナニル基を表す。)で示される基、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基又はアルキルカルバモイル基を表す。〕で示されるモノマー単位
  22. (1)下記(iv)〜(vi)を構成成分として含んでなるポリマー、(2)コレステロールエステラーゼ、(3)コレステロールオキシダーゼ、(4)カタラーゼ及び(5)水性媒体を含んでなる第一試液と、(6)カタラーゼ阻害剤、(7)水性媒体及び要すれば(8)界面活性剤とを含んでなる第二試液とからなるものであって、ペルオキシダーゼ、カップラー、デベロッパーがそれぞれ第一試液と第二試液の少なくとも一方に含まれている、特定のリポ蛋白中のコレステロールの測定用キット。
    (iv)一般式[1]
    Figure 0005029354
    (式中、kは10〜250の整数を表す。)で示される基を有するポリエチレングリコールセグメント、
    (v)一般式[2]
    Figure 0005029354
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示されるモノマー単位、及び
    (vi)一般式[3]
    Figure 0005029354
    〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは一般式[4]
    Figure 0005029354
    (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基又はボルナニル基を表す。)で示される基、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基又はアルキルカルバモイル基を表す。〕で示されるモノマー単位
  23. リポ蛋白が高比重リポ蛋白(HDL)、低比重リポ蛋白(LDL)又は超低比重リポ蛋白(VLDL)である、請求項20〜22の何れかに記載のキット。
  24. (i) 一般式[5]
    Figure 0005029354
    (式中、R は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R はシアノ基又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、E は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、kは10〜250の整数を表す。)で示されるポリエチレングリコールセグメント
    (ii)一般式[2]
    Figure 0005029354
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示されるモノマー単位、及び
    (iii)メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸ジ(トリフルオロメチル)メチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル、メタクリル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチル、シクロヘキシルメタクリルアミド、アクリル酸シクロヘキシル、ビニルシクロヘキシル、アリルシクロヘキシル、シクロヘキシルビニルエーテル又はアリルベンゼン由来の第3モノマー単位からなるポリマー。
  25. 重合平均分子量が10,000〜120,000である、請求項24に記載のポリマー。
  26. 一般式[5]で示されるポリエチレングリコールセグメントを1〜70重量%含有する、請求項24に記載のポリマー。
  27. 一般式[2]で示されるモノマー単位を20〜85重量%含有する、請求項24に記載のポリマー。
  28. 第3モノマー単位を20〜85重量%含有する、請求項24に記載のポリマー。
  29. 一般式[2]で示されるモノマー単位がメタクリル酸由来のものであり、第3モノマー単位がメタクリル酸シクロヘキシル由来のものである、請求項24に記載のポリマー。
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