JP5029224B2 - 自動水栓 - Google Patents

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本発明は、吐水口に手を近づけると自動的に吐水する機能を有する自動水栓に関する。
自動水栓において、水平に延びる吐水管の先端に下向きに吐水する吐水口を備え、その吐水口に差し出された手を検知するためのセンサを備えたものが知られている。この構造は、上下2分割されたケースにてセンサを挟み込む構造となっている。
特開2003−293407号公報
特許文献1記載の自動水栓は、ケースが上下に2分割された複雑な構造であるため、構成材料が限定されるだけでなく、上下ケースの隙間にゴミがたまるなどの問題が発生している。また、上下ケースの組み付け精度を正確に確保するためにデザイン的な制約も大きく、非常にコストが高いものとなっている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、デザイン性を損なう部品継ぎ目や部品内部の露出を最小限に抑え、メンテナンス時のセンサの脱着が容易であり、誤感知のおそれのない自動水栓を提供することにある。
本発明の自動水栓は、設置面に略水平に取り付けられた筒状の吐水管と、前記吐水管の先端に開設された開口部に着脱可能に嵌め込まれた蓋部材と、前記吐水管の下面に開けられた吐水開口部と、前記吐水開口部に臨む吐水口を有し、前記吐水開口部より前記設置面寄りの前記吐水管内に嵌め込まれた吐水継手と、前記蓋部材と前記吐水継手との間に配置され、前記吐水開口部近傍に差し出された手を検知するセンサと、前記センサからの信号に基づき前記吐水口からの吐水・止水を行う開閉弁への指令を出す前記制御部と、を備えた自動水栓において、前記蓋部材と前記吐水継手とを連結するリンク機構を備えることにより、前記蓋部材を前記開口部から外すと、前記センサーが前記蓋部材と前記吐水継手との間に露出した状態で前記吐水管の軸心方向に沿って引き出し可能であることを特徴とする。
このような構成とすれば、先端が蓋部材で閉塞された筒状の吐水管の下面の吐水開口部に吐水口が露出した外観形状となるため、デザイン性を損なう部品継ぎ目や部品内部の露出を最小限に抑えることができる。また、吐水管の先端の開口部を閉塞している蓋部材を外すと、特殊工具を使用することなく、開口部からセンサーが蓋部材と吐水継手との間に露出した状態で取り出したり、センサと吐水継手とを一緒に装入したりすることができるため、メンテナンス時のセンサの脱着が容易であり、一緒に取り出した吐水継手をメンテナンスすることもできる。
ここで、前記センサから延設された信号線を、前記吐水管内の前記吐水継手より前記設置面寄りに収納された着脱式のコネクタを介して前記制御部に接続することが望ましい。このような構成とすれば、吐水経路を構成する吐水継手よりも上流側にコネクタが位置するので、コネクタ部分の防水性を高めることができる。また、センサと一緒に吐水継手も取り出すことができるため、センサと制御部とを繋ぐ信号線のコネクタを露出させ、吐水管を設置面に固定したままコネクタを外して、センサをメンテナンスすることができる。
この場合、前記リンク機構に、前記吐水継手と前記蓋部材との距離を一定以上に保つ保持機構を設ければ、蓋部材を取り付ける場合に、蓋部材と吐水継手との間に配置されたセンサに無理な押圧力が加わるのを防止することができる。
一方、前記センサのセンサ窓部を、前記吐水管の内側に配置し、前記センサ窓部と前記吐水管との間に当該センサ窓部に対して略垂直面となる内部反射防止面を設けることもできる。このような構成とすれば、センサからの送信波が吐水管内で内部反射することを抑えることができるため、センサの指向性を高め、センサ感度を高めることに有効である。
本発明により、デザイン性を損なう部品継ぎ目や部品内部の露出を最小限に抑え、メンテナンス時のセンサの脱着が容易であり、誤感知のおそれのない自動水栓を提供することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態である自動水栓を示す一部切欠側面図、図2は図1に示す自動水栓の一部拡大図、図3は図2に示す自動水栓の正面図、図4は図3のA−A線における断面図、図5は図2に示す自動水栓の一部切欠側面図、図6は図5に示す自動水栓の吐水管から蓋部材、継手部材およびセンサなどを取り出した状態を示す一部切欠側面図、図7は図5に示す自動水栓の分解図である。
図1〜図7に示すように、本実施形態の自動水栓10は、垂直に立設された設置面11に略水平に取り付けられた円筒状の吐水管12と、吐水管12の先端に開設された開口部12aに着脱可能に嵌め込まれた蓋部材13と、吐水管12の下面に開けられた吐水開口部12bと、吐水開口部12bに臨む吐水口14を有するとともに吐水開口部12bより設置面11寄りの吐水管12内に嵌め込まれた吐水継手15と、蓋部材13と吐水継手15との間に配置され、吐水開口部12b近傍に差し出された手を検知するセンサ16と、センサ16からの信号に基づき吐水口14からの吐水・止水を行う開閉弁17への指令を出す制御部18と、を備えている。
吐水管12の基端部12cは設置面11を貫通して、その裏側に突出しており、この突出部分に設けられた雄ねじ部に雌ねじ部材20を螺着することによって固定されている。開閉弁17から延設された給水管19は設置面11の裏側から吐水管12に挿入され、その先端部に吐水継手15が接続され、吐水継手15の先端に吐水口14が取り付けられている。吐水継手15は、吐水管12の下面から挿入されたねじ24によって着脱可能に固定されている。
また、センサ16から延設された信号線21は、吐水管12内の吐水継手15より設置面11寄りに収納された着脱式のコネクタ22を介して制御部18に接続されている。センサ16とコネクタ22との間には、吐水管12内を区画するパッキン23が配置されている。パッキン23は、吐水継手15の上流側には給水管19と接続するための連結部15aと、間隔をおいて形成された二つのフランジ部15b,15cとが設けられ、これらのフランジ部15b,15cの間にパッキン23が挟持されている。
さらに、図5〜図7に示すように、吐水管12の開口部12aと蓋部材13との間にはリング状のシール部材26が挟持され、蓋部材13と吐水継手15とはリンク機構25を介して連結されている。リンク機構25は、吐水管12の軸心C方向に沿って配置された左右一対のリンク部材25aと、リンク部材25aの両端部をそれぞれ蓋部材13、吐水継手15に軸支する支軸25b,25cで構成されている。支軸25bは、リンク部材25aの縦長円孔25dを貫通して蓋部材13のネジ孔13aに螺着され、吐水継手15に突設された二つの支軸25cが、リンク部材25aの横長円孔25eに嵌入されている。二つの支軸25cは横長円孔25eの長径方向の両端内周に内接して配置されている。
図3,図4に示すように、自動水栓10は、先端が蓋部材13で閉塞された円筒状の吐水管12の下面の吐水開口部12bに吐水口14が露出した外観形状であるため、デザイン性を損なう部品継ぎ目や部品内部の露出を最小限に抑えられている。また、図6に示すように、吐水管12の先端の開口部12aを閉塞している蓋部材13を開口部12aから外すと、センサ16が吐水継手15とともに吐水管12の軸心C方向(図4参照)に沿って引き出し可能である。
このように、特殊工具を使用することなく、開口部12aからセンサ16と吐水継手15とを一緒に取り出したり、装入したりすることができるため、メンテナンス時のセンサ16の脱着が容易であり、一緒に取り出した吐水継手15をメンテナンスすることもできる。また、図6に示すように、センサ16と一緒に吐水継手15も取り出すことができるため、センサ16と制御部18とを繋ぐ信号線のコネクタ22を露出させ、コネクタ22を外してセンサ16をメンテナンスすることができる。
また、図5,図6に示すように、蓋部材13と吐水継手15とをリンク機構25を介して連結しているため、蓋部材13と継手部材15を一度に吐水管12内に嵌めこむことができる。さらに、リンク機構25を構成するリンク部材25aの両端部をそれぞれ支軸25b,25cを介して蓋部材13、吐水継手15に取り付けることにより、吐水継手15と蓋部材13との距離を一定以上に保つ保持機構を設けているため、蓋部材13を吐水管12内に取り付ける場合に、蓋部材13と吐水継手15との間に配置されたセンサ16に無理な押圧力が加わるのを防止することができる。
一方、センサ16は、赤外線の発光部(図示せず)と、対象物で反射された赤外線を検知する受光部(図示せず)とが一体構造をなしている。図4,図7に示すように、センサ16のセンサ窓部16aを吐水管12の内部に配置し、さらに吐水管12との間に、蓋部材13の一部であり、センサ窓部16aに対して垂直な内部反射防止面13cを備えている。従って、センサ16から発せられた赤外線が対象物に届く前に吐水管12の内面で反射され、受光するということがない。このため、センサ16の指向性が高まり、センサ感度を高めることができる。
また、図4に示すように、センサ16から延設された信号線21を、吐水管12内の吐水継手15よりも設置面11寄りに収納された着脱式のコネクタ22を介して制御部18(図1参照)に接続したことにより、コネクタ22は、吐水経路を構成する吐水継手15より上流側に位置するので、コネクタ22部分の防水性を高めることができる。さらに、図6に示すように、センサ16と一緒に吐水継手15も取り出すことができるため、センサ16と制御部18(図1参照)とを繋ぐ信号線21のコネクタ22を露出させ、吐水管12を設置面(図4参照)に固定したままコネクタ22を外して、センサ16のメンテナンスを行うことできる。
なお、本実施形態では、内部反射防止手段として、蓋部材13の一部に内部反射防止面13cを設けた例について説明したが、必ずしもこれだけに限定されるものではなく、例えば、蓋部材13とは別体の内部反射防止手段を設けたり、センサ16の一部をセンサ窓部16aから延設して内部反射防止手段を構成したりすることもできる。
次に、図8を参照して、本発明のその他の実施の形態について説明する。図8はその他の実施の形態である自動水栓を示す一部切欠側面図である。なお、図8において、図1〜図7と同符号を付している部分は自動水栓10の構成部分と同じ構造、機能を有する部分であり、説明を省略する。
図8に示す自動水栓50においては、吐水継手55上流側の連結部55aが吐水管52の軸心Dより下方に偏心して設けられ、連結部55aの下流側に間隔をおいて形成された二つのフランジ部55b,55cの間にパッキン23が挟持されている。また、センサ16から延設された信号線21が、吐水管52内の吐水継手55より蓋部材53寄りに収納された着脱式のコネクタ22を介して制御部に接続されている。
このような構成とすれば、吐水管52内においてコネクタ22と吐水継手55とが上下に配置可能となり、吐水管52の軸心D方向のサイズを減らすことができるため、自動水栓50のコンパクト化を図ることができる。その他の部分の構造、機能は前述した自動水栓10と同様である。
本発明に係る自動水栓は、公共施設のトイレや一般住宅の洗面所などにおいて広く利用することができる。
本発明の実施の形態である自動水栓を示す一部切欠側面図である。 図1に示す自動水栓の一部拡大図である。 図2に示す自動水栓の正面図である。 図3のA−A線における断面図である。 図2に示す自動水栓の一部切欠側面図である。 図5に示す自動水栓の吐水管から蓋部材、継手部材およびセンサなどを取り出した状態を示す一部切欠側面図である。 図5に示す自動水栓の分解図である。 本発明のその他の実施の形態である自動水栓を示す一部切欠側面図である。
符号の説明
10,50 自動水栓
11 設置面
12,52 吐水管
12a 開口部
12b 吐水開口部
12c 基端部
13,53 蓋部材
13a ネジ孔
14 吐水口
15,55 吐水継手
15a 連結部
15b,15c フランジ部
16 センサ
16a センサ窓部
17 開閉弁
18 制御部
19 給水管
20 雌ねじ部材
21 信号線
22 コネクタ
23 パッキン
24 ねじ
25 リンク機構
25a リンク部材
25b,25c 支軸
25d 縦長円孔
25e 横長円孔
26 シール部材
C 軸心

Claims (4)

  1. 設置面に略水平に取り付けられた筒状の吐水管と、
    前記吐水管の先端に開設された開口部に着脱可能に嵌め込まれた蓋部材と、
    前記吐水管の下面に開けられた吐水開口部と、
    前記吐水開口部に臨む吐水口を有し、前記吐水開口部より前記設置面寄りの前記吐水管内に嵌め込まれた吐水継手と、
    前記蓋部材と前記吐水継手との間に配置され、前記吐水開口部近傍に差し出された手を検知するセンサと、
    前記センサからの信号に基づき前記吐水口からの吐水・止水を行う開閉弁への指令を出す前記制御部と、を備えた自動水栓において、
    前記蓋部材と前記吐水継手とを連結するリンク機構を備えることにより、前記蓋部材を前記開口部から外すと、前記センサーが前記蓋部材と前記吐水継手との間に露出した状態で前記吐水管の軸心方向に沿って引き出し可能であることを特徴とする自動水栓。
  2. 前記センサから延設された信号線が、前記吐水管内の前記吐水継手より前記設置面寄りに収納された着脱式のコネクタを介して前記制御部に接続されたことを特徴とする請求項1記載の自動水栓。
  3. 前記リンク機構に、前記吐水継手と前記蓋部材との距離を一定以上に保つ保持機構を設けたことを特徴とする請求項記載の自動水栓。
  4. 前記センサのセンサ窓部を、前記吐水管の内側に配置し、前記センサ窓部と前記吐水管との間に当該センサ窓部に対して略垂直面となる内部反射防止面を設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の自動水栓。
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