JP5028600B2 - タデを用いたルテインの調製方法 - Google Patents
タデを用いたルテインの調製方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5028600B2 JP5028600B2 JP2006179775A JP2006179775A JP5028600B2 JP 5028600 B2 JP5028600 B2 JP 5028600B2 JP 2006179775 A JP2006179775 A JP 2006179775A JP 2006179775 A JP2006179775 A JP 2006179775A JP 5028600 B2 JP5028600 B2 JP 5028600B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lutein
- preparing
- extraction
- tade
- growing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Cultivation Of Plants (AREA)
Description
また、その調整の際に、ルテインを比較的多く含むタデを生育し、この生育によりルテインを多く含むことになったタデから、ルテインを効果的に抽出するルテインの調製方法に関するもので、ルテインを含有する健康食品調製、医薬調製技術に関するものである。
このルテインは、人間の体内器官や皮膚にも存在し、特に乳房や子宮頚部に多く存在することが知られ、眼の水晶体と黄斑部には、カロチノイドとしては、ルテインとゼアキサンチンが存在するだけであり、これらの部位の機能を正常に働かせるためには重要な成分であるとされている。
さらに、ルテインとゼアキサンチンの摂取による、核性白内障に対する防御作用が示唆されている(Lyle BJら(1999)、Am.J.Epidemiol 149:801−9)。
それらの野菜に含まれるルテインは、生野菜100g当たり、ケール21.9mg、ほうれん草10.2mg、ブロッコリー1.9mgなどである(Mangelsら、1993)。
たとえば、特表平11−508603号公報(特許文献1)には、マリーゴールドの花弁から得た含油樹脂中のルテインジエステルを、鹸化することによりルテイン結晶を製造する方法が提案されている。
その方法は、クロレラを微粉化したのち鹸化抽出し、ついで、溶媒を用いる含有成分の抽出により、さらには、順相カラムクロマトグラフィーで処理してルテインを取得するというものである。
その結果、福岡県の特産農産物である紅タデおよび紅タデを成長させた植物体に、加齢性黄斑変成症に効果のあるルテインが、野菜より多量に含まれていることを知見し、この発明を完成させたものである。
さらに、それらのタデ葉から溶剤を使用することにより、容易にルテインが抽出され分離されることを見出して、この発明を完成したのである。
酢酸浸漬処理の施されたタデからケトンおよび/またはアルコールを用いて抽出すること
を特徴とするルテインの調製方法である。
請求項1に記載のルテインの調製方法において、
前記ケトンは、
アセトンであって、前記アルコールがエタノールであること
を特徴とするものである。
請求項1に記載のルテインの調製方法において、
前記抽出は、
ケトンによるタデからの抽出と、抽出物のアルコールによる成分分離により行われるものであること
を特徴とするものである。
請求項1に記載のルテインの調製方法において、
前記タデは、
生育体であること
を特徴とするものである。
請求項1に記載のルテインの調製方法において、
前記タデの生育体は、
生育日数又は窒素肥料の施肥量を多くして生育したことにより、生育体中のルテイン含量を増大せしめたものであること
を特徴とするものである。
請求項5に記載のルテインの調製方法において、
前記生育日数は、
93日間以上であること
を特徴とするものである。
請求項5に記載のルテインの調製方法において、
前記窒素肥料の施肥量は、
窒素として10g/m 2 以上であること
を特徴とするものである。
複雑な工程と多様な試薬を必要とすることなく、簡易な工程で純度の高いルテインの抽出物を得ることを可能としたものである。
このタデは、タデ科タデ属の植物として、北海道から沖縄にわたる日本全土、台湾や中国を含む北半球の温帯から熱帯にかけて広く分布する、河川、沼地などの水辺に生える一年草である。
特に、ヤナギタデに関しては、栽培品種も開発され、上記したように、発芽した子葉を「芽タデ」と称して刺身のツマ用に、さらにタデ酢に摩り下ろして香辛料として添加されるために栽培出荷されている。
前記生育体は、河川、沼地などの水辺に自生しているものも使用可能であるが、供給の安定性の面からは、栽培したものが好ましい。
特に、栽培に際して、窒素肥料の施肥量を多くして生育させたものは、その生育体中のルテインの含有量が著しく増加するので、この発明のルテインの調製方法にとり好ましいものである。
特に、タデをアセトンによる抽出をまず行い、さらに、それをエタノールにより分別する方法を採用すると、目的とするルテインが、効率よく、また高純度で、得られるので好ましい方法である。
凍結保存された生長タデ葉2kgを、温度38〜50℃で通風乾燥し、粉砕し、篩い分けして、タデ葉粉末乾燥品442.8gを得た。
このタデ葉粉末を95%酢酸450ml中に投入し、攪拌しながら水1800mlを加え、攪拌したのち、混合品を冷房室に3.7日間放置した。
これに水4l加え、40分間攪拌したのち、遠心分離し濾過した。
得られた濾液を分離して得られた残渣に、水3.5l加えて攪拌濾過し、得られた残渣を超音波処理により50%エタノールに分散させ攪拌後遠心濾過した。
その残渣を、超音波処理により80%エタノールに分散させ攪拌後遠心濾過し、得られた濾液と残渣に、再度80%エタノールを加え攪拌濾過して得られた濾液を併せて、減圧濃縮することにより沈着物を得、イオン水で洗浄して、ルテインを10.067%含む画分を17.02g得た。
得られた画分の吸収スペクトル(図1)とHPLCパターン(図2)を以下に示す。
得られたルテイン総量は1.713gで、乾燥葉からの収率は0.387%であった。
凍結保存の生長タデ葉1kgを、温度50℃で約5時間、温度37℃で一夜通風乾燥した。
手もみで葉枝を除去したのち、ホモゲナイザーで粉砕し、タデ葉粉末205gを得た。
このタデ葉粉末を90%酢酸200ml中に投入し、水400mlを加え、50分間攪拌した。その後さらに水400mlを加え、冷蔵室に22時間放置した。
これにアセトン1l加え30分間攪拌したのち、遠心分離し濾過した。
この濾液と残渣にアセトン1.5l加えて攪拌濾過して得た濾液を合せて減圧濃縮し、15.44gの沈着物を得た。
この沈着物を超音波処理により80%エタノールに溶解し、再度減圧濃縮することにより、析出させ、イオン水で洗浄して、ルテインを14.04%含む画分を7.93g得た。
得られた画分の吸収スペクトル(図3)とHPLCパターン(図4)を、以下に示す。
得られたルテイン総量は1.113gで、乾燥葉からの収率は0.543%であった。
ルテインの調製2の方法を用い、マリーゴールド(花)からルテインの抽出を行った結果を図5、図6のHPLCパターンに示す。
その結果、タデからはルテインは抽出されるが(図5)、マリーゴールド(花)からのルテインの抽出は殆んど認められなかった(図6)。
2004年5月11日に雨よけハウスを用いてタデを播種し、播種後9日、21日、49日、79日、112日に相当する、5月20日、6月1日、6月29日、7月29日、8月30日に一部を収穫し、それぞれの葉について、ルテイン含量を測定し、図7に示した。
図7から明らかなように、播種後の生育日数が多い(収穫日が遅い)と、ルテイン含量は増加した。
なお、生育試験条件は、1区1m2、株間10cm、条間50cm、2条播き、1本立てで、肥料としては堆肥(2t/10a)のみ投入した。
上記と同様に雨よけハウスを用いてタデを、5月11日、5月25日、6月8日、6月22日、7月6日、7月20日、8月3日、8月17日、8月31日に播種し、それぞれ播種後9日、23日、37日、51日、65日、79日、93日、107日、121日に相当する、9月9日に一斉に収穫し、それぞれの葉について、ルテイン含量を測定し、図8に示した。
図7と図8から明らかなように、播種時期が早く生育日数が多いほど、ルテイン含量が増加するが、播種後93日以降は一定であった。
露地栽培にした以外は上記と同様にして、5月20日に播種して、肥料を以下のようにして施肥し、7月6日に収穫し、それぞれの葉について、ルテイン含量を測定し、図9に示した。
1:堆肥のみ(施肥窒素量:10Ng/m2)
2:堆肥+有機配合肥料(施肥窒素量:14.8Ng/m2)
3:堆肥+有機配合肥料+硫安(施肥窒素量:27.4Ng/m2)
図8から明らかなように、同一生育時期では、窒素施肥量が多いほどルテイン含量が増加した。
Claims (7)
- 酢酸浸漬処理の施されたタデからケトン及び/又はアルコールを用いて抽出すること
を特徴とするルテインの調製方法。 - 前記ケトンは、
アセトンであって、前記アルコールがエタノールであること
を特徴とする請求項1に記載のルテインの調製方法。 - 前記抽出は、
ケトンによるタデからの抽出と、抽出物のアルコールによる成分分離により行われるものであること
を特徴とする請求項1に記載のルテインの調製方法。 - 前記タデは、
生育体であること
を特徴とする請求項1に記載のルテインの調製方法。 - 前記タデの生育体は、
生育日数又は窒素肥料の施肥量を多くして生育したことにより、生育体中のルテイン含量を増大せしめたものであること
を特徴とする請求項1に記載のルテインの調製方法。 - 前記生育日数は、
93日間以上であること
を特徴とする請求項5に記載のルテインの調製方法。 - 前記窒素肥料の施肥量は、
窒素として10g/m 2 以上であること
を特徴とする請求項5に記載のルテインの調製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006179775A JP5028600B2 (ja) | 2006-06-29 | 2006-06-29 | タデを用いたルテインの調製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006179775A JP5028600B2 (ja) | 2006-06-29 | 2006-06-29 | タデを用いたルテインの調製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008007462A JP2008007462A (ja) | 2008-01-17 |
JP5028600B2 true JP5028600B2 (ja) | 2012-09-19 |
Family
ID=39065981
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006179775A Expired - Fee Related JP5028600B2 (ja) | 2006-06-29 | 2006-06-29 | タデを用いたルテインの調製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5028600B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4983701B2 (ja) * | 2008-03-10 | 2012-07-25 | 雅夫 山▲崎▼ | フラボン類の生産方法 |
CN113419016A (zh) * | 2021-08-10 | 2021-09-21 | 四川辅正药业股份有限公司 | 一种辣蓼提取物及辣蓼的质量检测方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0823803A (ja) * | 1994-07-08 | 1996-01-30 | Yukio Hagiri | タデの栽培方法 |
JP5186628B2 (ja) * | 2005-02-04 | 2013-04-17 | 株式会社 レオロジー機能食品研究所 | 薬効性組成物の調製方法 |
-
2006
- 2006-06-29 JP JP2006179775A patent/JP5028600B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008007462A (ja) | 2008-01-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN105850709B (zh) | 甜叶菊新品种817096谱星5号及高rd含量甜菊糖苷的制备 | |
Coombe | Increase in fruit set of Vitis vinifera by treatment with growth retardants | |
US4212664A (en) | Nicotinamide-ammonium hydroxide plant growth regulator compositions | |
Do et al. | Gac (Momordica cochinchinensis Spreng) fruit: A functional food and medicinal resource | |
CA2857368C (en) | Method for extracting anthocyanin derivatives from a plant source | |
JP5028600B2 (ja) | タデを用いたルテインの調製方法 | |
CN113133454A (zh) | 花粉多糖提取液在植物抗逆中的应用 | |
JP6395244B1 (ja) | 植物ストレス耐性誘導剤 | |
Mohammadi et al. | Effect of harvest time of spring safflower (Carthamus tinctorius L.) florets on the production of red and yellow pigments | |
JPS59101408A (ja) | 植物生長調整剤 | |
JP2583103B2 (ja) | 植物生長促進剤及びその製造方法 | |
WO2008018273A1 (fr) | Agent destiné à augmenter la teneur en polyphénol de végétaux | |
CN112500448B (zh) | 从百合科葱属植物中提取拉肖皂苷元的方法 | |
JP2001316665A (ja) | ローズマリン酸濃縮物の製造法 | |
JPH10324602A (ja) | 花芽形成誘導剤及び花芽形成誘導用キット | |
JP7427299B1 (ja) | 植物成長促進組成物 | |
Jangid et al. | Foliar application of plant growth regulators to improve fruit retention, yield and quality of aonla cv. NA-7 | |
JP7317275B1 (ja) | 植物成長促進組成物 | |
US11654173B2 (en) | Purified xanthophyll composition comprising (trans,R,R)-lutein and(trans,R,R)-zeaxanthin and process for the preparation thereof | |
JP7233753B2 (ja) | もやしクメストロール含有率増加方法 | |
JP5733695B2 (ja) | 新規化合物及び植物成長調節剤 | |
CN114303915B (zh) | 一种超声提升玉米芽苗菜类胡萝卜素及叶黄素累积的方法 | |
Balde et al. | Effects of seed pretreatment on germination, growth and yield of Momordica charantia L. | |
CN107459504B (zh) | 一种从水培拟南芥中提取花青素的方法 | |
Neelavathi et al. | Evaluation of phytochemicals and anti-diabetic activities of large and small-fruited bitter gourd |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090626 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091001 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20091001 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120110 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120312 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120515 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120529 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5028600 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |