JP5027950B2 - 光マイクロホン - Google Patents

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Description

本発明は、空気などの気体を伝搬する音響波を受波し、光を利用して、受波した音響波を電気信号に変換する光マイクロホンに関する。
音波を受波し、電気信号に変換する装置として、従来からマイクロホンが知られている。ダイナミックマイクロホンやコンデンサマイクロホンに代表される多くのマイクロホンは、振動板を備えている。これらのマイクロホンでは、音波が振動板を振動させることによって受波し、その振動を電気信号として取り出す。この種のマイクロホンは、機械的振動部を有しているため、多数回、繰り返して使用することにより、機械的振動部の特性が変化する可能性がある。また、非常に強力な音波をマイクロホンで検出しようとすると、振動部が破壊する可能性がある。
このような従来の機械的振動部を有するマイクロホンの課題を解消するために、例えば、特許文献1および特許文献2では機械的振動部を有しておらず、光波を利用することで音響波を検出する光マイクロホンが開示されている。
例えば特許文献1は、光を音響波によって変調し、光の変調成分を検出することによって音響波を検出する方法を開示している。具体的には、図15に示すように、空気中を伝搬する音響波5に、出射系光学部品101を用いて整形されたレーザー光を作用させ、回折光を生じさせる。この際、位相が互いに反転した2つの回折光成分が生じる。回折光を受光系光学部品102で調整した後に、2つの回折光成分のどちらか一方のみを光ダイオード103で受光し、電気信号に変換することにより音響波5を検出する。
また、特許文献2は、音響波を媒質中に伝搬させ、媒質の光学的特性の変化を検出することにより、音響波を検出する方法を開示している。図16に示すように、空気中を伝搬する音響波5は、開口部201から取り込まれ、壁面の少なくとも一部が光音響伝搬媒質203から形成されている音響導波路202中を進行する。音響導波路202を進行する音波は光音響伝搬媒質203に取り込まれて、その内部を伝搬する。光音響伝搬媒質203では、音波の伝搬に伴い、屈折率変化が生じる。この屈折率変化をレーザードップラー振動計204を用いて光変調として取り出すことにより、音響波5を検出する。特許文献2は光音響伝搬媒質203として、シリカ乾燥ゲルを用いることで、導波路中の音響波を光音響伝搬媒質203の内部へ高効率に取り込むことができると開示している。
特開平8−265262号公報 特開2009−085868号公報
特許文献1の光マイクロホンでは、音響波によって生じた回折光を検出する必要がある。しかし、回折光の生じる角度は、音響波の周波数に依存するため、検出する音響波の周波数に応じてマイクロホンの感度が変化してしまうという課題がある。
また、特許文献2の方法では、レーザードップラー振動計を用いる。レーザードップラー振動計は、音響光学素子などの光周波数シフタや、多数のミラー、ビームスプリッタ、レンズなどからなる複雑な光学系が必要であるため、大型である。このため、特許文献2に開示される測定装置全体が大きくなってしまうという課題がある。
本願は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、感度が音響波の周波数に依存しない光マイクロホンを、レーザードップラー振動計などを用いない、小型でかつ簡素な構成で提供することを目的とする。
本発明の光マイクロホンは、光波を用いて、環境流体を伝搬する音響波を検出する光マイクロホンであって、前記音響波が伝搬する伝搬媒質部と、前記伝搬媒質部中の回折領域を透過する光波を出射する光源と、前記伝搬媒質部を透過した前記光波を検出し、電気信号を出力する光電変換部とを備え、前記音響波の一部である第1音響波および他の少なくとも一部である第2音響波を、同時刻に前記回折領域に到達し、かつ、前記回折領域を透過する前記光波を横切るように、互いに平行かつ反対方向に前記伝搬媒質部においてそれぞれ伝搬させ、前記回折領域において、前記第1音響波および前記第2音響波の伝搬に伴ってそれぞれ生じる前記伝搬媒質部を構成する伝搬媒質の屈折率分布により、前記光波の+1次回折光波および−1次回折光波をそれぞれ生成させ、前記光電変換部は、前記第1音響波による前記光波の+1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の−1次回折光波との干渉成分、および、前記第1音響波による前記光波の−1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の+1次回折光波との他の干渉成分のうち少なくとも一方を検出する。
ある好ましい実施形態において、光マイクロホンは、前記光電変換部で得られた電気信号の周波数を1/2倍に変化する周波数変換部をさらに備える。
ある好ましい実施形態において、前記光電変換部は、前記回折領域を透過した光波に対して、前記第1音響波および前記第2音響波の伝搬する方向に沿ってシフトして配置されており、前記第1音響波による前記光波の+1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の−1次回折光波との干渉成分、および、前記第1音響波による前記光波の−1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の+1次回折光波との他の干渉成分のうちの一方のみを検出する。
ある好ましい実施形態において、光マイクロホンは、前記光電変換部と前記伝搬媒質部中の回折領域との間に位置し、前記回折領域を透過した光波の一部または全てが前記光電変換部に入射しないように前記回折領域を透過した光波を遮蔽する遮蔽部をさらに備える。
ある好ましい実施形態において、前記第1音響波および前記第2音響波は、前記回折領域の同じ場所を透過する。
ある好ましい実施形態において、前記第1音響波および前記第2音響波は、前記回折領域の互いに異なる場所を透過する。
ある好ましい実施形態において、前記伝搬媒質部は、第1伝搬媒質部分および第2伝搬媒質部分を含み、前記回折領域は前記第1伝搬媒質部分および第2伝搬媒質部分にそれぞれ位置する第1回折領域部分および第2回折領域部分を含み、前記第1回折領域部分および前記第2回折領域部分は、前記光源と前記光電変換部との間において、重なって配置されている。
ある好ましい実施形態において、前記伝搬媒質部は、空気より小さい音速を有し、固体の伝搬媒質からなる。
ある好ましい実施形態において、前記伝搬媒質はシリカ乾燥ゲルからなる。
ある好ましい実施形態において、光マイクロホンは、前記伝搬媒質と前記光電変換部との間に、前記光波の+1次回折光波および−1次回折光波の伝搬方向を変化させる光学素子をさらに備える。
ある好ましい実施形態において、前記伝搬媒質部は、互いに対向し、前記第1音響波および前記第2音響波がそれぞれ入射する第1および第2入力開口面を有している。
ある好ましい実施形態において、前記伝搬媒質部において、前記第1および第2入力開口面は、前記回折領域から等距離に位置している。
ある好ましい実施形態において、光マイクロホンは、同一方向に面している第1および第2入力開口と、互いに対向する第1および第2出力開口と、前記第1および第2入力開口と前記第1および第2出力開口との間にそれぞれ設けられた第1および第2導波路とを有し、前記第1入力開口から入射した前記第1音響波および前記第2入力開口から入射した前記第2音響波をそれぞれ前記第1および第2出力開口へ導く導波路構造をさらに備え、前記導波路構造の前記第1および第2出力開口は、前記伝搬媒質部の前記第1および第2入力開口面に配置されている。
ある好ましい実施形態において、前記第1および第2導波路は、前記導波路構造において対称に配置されている。
ある好ましい実施形態において、光マイクロホンは、前記導波路構造の第1および第2出力開口に接続されたホーンをさらに備える。
本発明の音響波の検出方法は、光波を用いて、環境流体を伝搬する音響波を検出する音響波の検出方法であって、前記音響波の一部である第1音響波および他の少なくとも一部である第2音響波を、同時刻に伝搬媒質部の回折領域に到達するように、互いに平行かつ反対方向に前記伝搬媒質部中にそれぞれ伝搬させるステップと、前記搬媒質部の前記回折領域において、前記伝搬する第1音響波および前記第2音響波を横切るように、光波を透過させ、前記回折領域において、前記第1音響波および前記第2音響波の伝搬に伴ってそれぞれ生じる前記伝搬媒質部を構成する伝搬媒質の屈折率分布により、前記光波の+1次回折光波および−1次回折光波をそれぞれ生成させるステップと、前記第1音響波による前記光波の+1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の−1次回折光波との干渉成分、および、前記第1音響波による前記光波の−1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の+1次回折光波との他の干渉成分のうち少なくとも一方を検出するステップとを包含する。
本発明の光マイクロホンによれば、検出すべき音響波の一部である第1音響波および他の一部である第2音響波を、同時刻において、伝搬媒質部を透過する光波を横切るように、互いに平行かつ反対方向に伝搬媒質部においてそれぞれ伝搬させる。このため、第1音響波による+1次回折光波と第2音響波による−1次回折光波、または、第1音響波による−1次回折光波と第2音響波による+1次回折光波は、音響波の周波数に関わらず、同じ回折角で回折する。したがって、+1次回折光波と−1次回折光波との干渉成分が音響波の周波数に関わらず一定となり、音響波の周波数によらず一定の検出感度で音響波を検出することのできる光マイクロホンが実現する。
本発明による光マイクロホンの一実施形態の構成を示す図である。 (a)および(b)は、図1に示す光マイクロホンの断面図であって、(a)は第1および第2音響波が伝搬媒質部に入射する様子を示し(b)は、第1および第2音響波が伝搬媒質部を伝搬し、±1次回折光波が生成している様子を示す図である。 光マイクロホンに用いることのできる導波路構造を示す模式的な斜視図である。 伝搬媒質部が組み込まれた導波路構造の一例を示す模式的な斜視図である。 伝搬媒質部が組み込まれた導波路構造の他の例を示す模式的な斜視図である。 (a)および(b)は、回折領域の位置の調整を説明する図である。 (a)は、伝搬媒質部の回折領域における第1音響波による光波の回折を示す図であり、(b)は、伝搬媒質部の回折領域における第2音響波による光波の回折を示す図である。 (a)および(b)は、光源から出射する光波の光軸に沿ってみた、光波の0次回折光波および±1次回折光波の位置を示す図である。 (a)および(b)は、第1および第2音響波の伝搬を説明する模式図である。 (a)から(c)は、本光マイクロホンにおいて得られる光信号および電気信号を説明する図である。 図1の光マイクロホンにおいて、0次回折光波を遮蔽する構成を示す模式図である。 図1の光マイクロホンにおいて、伝搬媒質部と光電変換部との間に光学素子を設けた構成を示す模式図である。 2つの伝搬媒質部で構成される光マイクロホンを示す図である。 図13の光マイクロホンの回折光波の位置関係を示す図である。 従来の光マイクロホンの構成を概略的に示す図である。 従来の他の光マイクロホンの構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による光マイクロホンの実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の光マイクロホン100の主要部の構成を示している。光マイクロホン100は、環境流体を伝搬する音響波5を、光波を用いて電気信号として検出するマイクロホンである。ここで、「環境流体」とは、光マイクロホン100の外部空間に存在する流体を示す。例えば、環境流体は空気である。
光マイクロホン100は、伝搬媒質部1と、光源2と、光電変換部4とを備える。光マイクロホン100において、音響波5を伝搬媒質部1に伝搬させ、伝搬媒質部1中で光源2より出力する光波3と作用させることによって、伝搬媒質部1を透過した光波に音響波5の情報を重畳させ、光波3を光電変換部4によって電気信号に変換することによって、音響波5を電気信号として検出する。光マイクロホン100では、音響波5をその一部である第1音響波5aと他の少なくとも一部である第2音響波5bとに分け、第1音響波5aおよび第2音響波5bを互いに平行かつ反対方向に伝搬媒質部1においてそれぞれ伝搬させ、光波3と作用させることを一つの特徴としている。
以下、光マイクロホン100の各構成要素を具体的に説明する。以下、分かり易さのため、図1に示すように座標を設定する。具体的には、音響波5が伝搬する方向をx軸にとり、光波3が伝搬する方向をz軸にとる。また、x軸およびz軸に直行する方向をy軸にとる。
(伝搬媒質部1)
図2(a)は、図1のx−z平面であって、光波3が伝搬している面における光マイクロホン100の断面図であり音響波5が環境流体より伝搬媒質部1に入射する様子を模式的に表わしている。
伝搬媒質部1は、第1音響波5aおよび第2音響波5bが入射する第1入力開口面6aおよび第2入力開口面6bを有する。第1入力開口面6aと第2入力開口面6bとは、互いに対向した面である。また、第1入力開口面6aと第2入力開口面6bとは、互いに平行である。
以下において詳細に説明するように、光源2から出射した光波3は、伝搬媒質部1に設けられた回折領域21を透過する。第1および第2入力開口面6a、6bから入射した第1および第2音響波5a、5bは、回折領域21において互いに平行であり、かつ、反対方向に伝搬する。また、第1および第2音響波5a、5bは、同時刻に回折領域21に到達することが好ましい。また、光波3を横切るように第1および第2音響波5a、5bが伝搬することが好ましい。
伝搬媒質部1は、固体の伝搬媒質からなり、空気よりも小さい音速を有することが好ましい。具体的には、伝搬媒質部1の音速は、空気の音速である340m/secより小さいことが好ましい。伝搬媒質として固体材料を用いることにより、伝搬媒質部1において大きな回折効果を得ることができる。また、一般に、音速の小さい材料は密度も比較的小さいため、空気などの環境流体と伝搬媒質部1との境界における反射が小さくなり、比較的高い効率で音響波を伝搬媒質部1に取り込むことができる。
特に、伝搬媒質部1の伝搬媒質として、シリカ乾燥ゲルを用いることが好ましい、シリカ乾燥ゲルは、空気との音響インピーダンスの差が小さいという性質を備えており、空気中を伝搬する第1および第2音響波5a、5bを効率よくシリカ乾燥ゲルで構成される伝搬媒質部1の内部に取り込むことができる。具体的には、シリカ乾燥ゲルの音速は、50〜150m/secであり、空気中の音速340m/secよりも小さく、また密度も約70〜280kg/m3と小さい。このため、空気の音響インピーダンスとの差が小さく、界面での反射が小さいため、空気中の音響波を効率よく内部に取り込むことができる。例えば、音速50m/sec、密度100kg/m3のシリカ乾燥ゲルを用いると、空気との界面での反射は70%となり、音響波のエネルギーの30%程度が界面で反射されずに、内部へ取り込まれる。また、このシリカ乾燥ゲルは光波の屈折率変化量Δnも大きいという特長がある。空気の屈折率変化量Δnは、1Paの音圧変化に対して2.0×10-9であるのに対して、シリカ乾燥ゲルの1Paの音圧変化に対する屈折率変化量Δnは1.0×10-7程度と大きい。このため10cmを超えるような大きな伝搬媒質を用意しなくても十分な感度が得られる。
(音響波5)
音響波5は、上述したように、第1音響波5aおよび第2音響波5bとして伝搬媒質部1に入射させる。図2(a)に示すように、第1音響波5aと第2音響波5bとは、互いに平行であり、かつ、反対方向に伝搬媒質部1を伝搬することが好ましい。このため、伝搬媒質部1は第1入力開口面6aおよび第2入力開口面6bを有しており、第1入力開口面6aおよび第2入力開口面6bから第1音響波5aおよび第2音響波5bがそれぞれ伝搬媒質部1に入射する。
また、第1音響波5aおよび第2音響波5bは、同じ周波数の音響波であることが好ましい。ここで、「同じ周波数」とは、第1音響波5aおよび第2音響波5bが一定の周波数の連続はまたはバースト波である場合、その周波数が等しいことを言う。また、第1音響波5aおよび第2音響波5bが時間とともに周波数が変化する音響波である場合、いずれの時刻においても第1音響波5aおよび第2音響波5bの周波数が一致することを言う。ただし、第1音響波5aおよび第2音響波5bの振幅は必ずしも等しい必要はなく、異なっていてもよい。
一般的には、環境流体を伝搬する音響波5から、第1音響波5aおよび第2音響波5bを分波した場合、特別な処理を施さない限り第1音響波5aおよび第2音響波5bの周波数は同じになる。また、第1音響波5aおよび第2音響波5bの位相も一致する。ただし、第1音響波5aおよび第2音響波5bの位相は一致していなくてもよく、例えば互いに逆であってもよい。
音響波5から第1音響波5aおよび第2音響波5bを生成し、伝搬媒質部1に入力するために、例えば図3に示すように、光マイクロホン100は導波路構造9およびホーン11を備えていてもよい。
ホーン11は、音響波5が入射する入力開口11cおよび音響波5が出射する出力開口11dを有する。入力開口11cは出力開口11dよりも大きく、入力開口11cと出力開口11dとを接続する側面はホーン形状を備える。このため、入力開口11cから入射した音響波5の音圧が高められ、高い音圧の音響波5が出力開口11dから出射する。
導波路構造9は、第1および第2入力開口10a、10bと、第1および第2出力開口12a、12bと、第1および第2入力開口10a、10bと第1および第2出力開口12a、12bとの間にそれぞれ設けられた第1および第2導波路9a、9bとを有する。第1および第2導波路9a、9bは導波路構造9において対称に配置されている。導波路構造9の第1および第2入力開口10a、10bは、同一方向に面しており、ホーン11の出力開口11dに接続されている。また、第1および第2出力開口12a、12bは互いに平行であり、対向している。第1および第2出力開口12a、12bはそれぞれ伝搬媒質部1の第1入力開口面6aおよび第2入力開口面6bに連結されている。
ホーン11の出力開口11dから導波路構造9へ入射する音響波5は、第1および第2入力開口10a、10bにおいて、2つに分けられ、第1音響波5aおよび第2音響波5bとして、第1導波路9aおよび第2導波路9bをそれぞれ伝搬し、第1および第2出力開口12a、12bから伝搬媒質部1に互いに平行であり、かつ反対方向に入射する。
これにより、環境流体を伝搬する音響波5を第1音響波5aおよび第2音響波5bに分波し、それぞれを反対向きに伝搬媒質部1中へ入力することができる。また、導波路構造9の前段にホーン11を配置することで、音響波5をより効率的に取り込むことができ、マイクロホンの感度を高くすることができる。
また、導波路構造の内部に伝搬媒質部1を配置してもよい。図4に示す導波路構造9’は、第1および第2入力開口10a、10bを両端に有する空洞を有している。空洞は、第1および第2入力開口10a、10bからそれぞれ緩やかに曲げられた後、直線状に伸び互いに繋がっている。空洞内に伝搬媒質部1が設けられている。伝搬媒質部1の第1入力開口面6aおよび第2入力開口面6bは、導波路構造9’の第1入力開口面6aおよび第2入力開口面6bと一致させてもよいし、導波路構造9’の空洞内に位置するように配置してもよい。空洞の直線部分には伝搬媒質部1が配置されている。環境流体を伝搬する音響波5は、第1および第2入力開口面6a、6bから空洞内にそれぞれ入射し、第1音響波5aおよび第2音響波5bとして導波路構造9’に沿って伝搬し、その後、直線部分において、互いに反対向きに伝搬する。このため、導波路構造9’によれば、音響波5から第1音響波5aおよび第2音響波5bを生成し、伝搬媒質部1において、第1音響波5aおよび第2音響波5bを互いに平行な方向にかつ、反対方向に伝搬させることができる。
導波路構造の内部に伝搬媒質部1を配置する他の形態として、光マイクロホン100は図5に示す導波路構造9’’を備えていてもよい。導波路構造9’’は、全体が伝搬媒質部1で構成されている。導波路構造9’’は第1および第2入力開口面6a、6bと、第1および第2反射面14a、14bを有する。第1および第2入力開口面6a、6bは、独立した2つの開口であってもよいし、伝搬媒質部1によって構成された立体の1つ面の中央部分に遮音板13を配置することにより、遮音板13の両端に形成される第1および第2入力開口面6a、6bであってもよい。第1および第2入力開口面6a、6bは、音響波5が伝搬する方向に対してそれぞれ垂直に設けられており、同一方向に面している。第1および第2反射面14a、14bは、第1および第2入力開口面6a、6bに対してそれぞれ45°の角度で配置されていることが好ましい。
第1および第2入力開口面6a、6bに対して垂直な方向から入力された音響波5は、それぞれ第1音響波5a、第2音響波5bとして伝搬媒質部1を伝搬し、第1および第2反射面14a、14bで反射される。これにより、第1反射面14aで反射された第1音響波5aと第2反射面14bで反射された第2音響波5bは互いに平行であり、かつ、逆向きに伝搬媒質部1を伝搬する。
遮音板13を用いて第1音響波5aおよび第2音響波5bが交差する近辺に音響波5が直接入力されないようにすることによって、第1音響波5aおよび第2音響波5bの検出の妨げとなる音響波の混入を防ぐことができ、精度よく音響波5を検出できる。
なお、第1音響波5aおよび第2音響波5bは、必ずしも環境流体を伝搬する音響波5を2分波したものである必要はない。同一波形を出力する異なる2つの音源から出力された2つの音響波5を、それぞれ第1音響波5a、第2音響波5bとしてもよい。
(光源2)
光源2は、図2(a)に示すように伝搬媒質部1に向かって、光波3を出力する。光波3の波長および強度に特に制限はなく、光電変換部4が良好な感度で光波3を検出することのできる波長および強度が選択される。ただし、伝搬媒質部1にあまり吸収されない波長を選択することが好ましい。
光源2より出射された光波3は、伝搬媒質部1の回折領域21に入射され、図2(b)に示すように、伝搬媒質部1中で第1音響波5aおよび第2音響波5bと作用する。具体的には、第1音響波5aおよび第2音響波5bの伝搬によって、伝搬媒質部1の回折領域21に、伝搬媒質の密度分布が生じ、これによる伝搬媒質の屈折率分布が生じる。伝搬媒質の屈折率分布は、光波3に対して回折格子として機能し、光波3を回折させる。このため、第1音響波5aによる光波3の+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3bと、第2音響波5bによる光波3の+1次回折光波3cおよび−1次回折光波3dとが生じる。以下において、説明するように、屈折率分布は第1音響波5aおよび第2音響波5bの伝搬に伴い移動するため、回折光波の周波数はドップラー効果により、シフトしている。
光波3としてはコヒーレントな光を用いても、インコヒーレントな光を用いてもよい。しかし、レーザー光のようなコヒーレントな光を用いたほうが、回折光波が干渉しやすく、信号が取り出しやすい。
光波3の回折光波を得るためには、光波3の伝搬方向と第1音響波5aおよび第2音響波5bの伝搬方向とは非平行であること、つまり、第1音響波5aおよび第2音響波5bは光波3を横切るように伝搬することが好ましい。特に、第1音響波5aおよび第2音響波5bの伝搬方向と、光波3の伝搬方向とが、xz平面で垂直になる場合に、最も高い回折効率が得られ、マイクロホンとしての感度が高くなる。
光波3の伝搬媒質部1での透過位置、つまり回折領域21の位置は、第1音響波5aおよび第2音響波5bが同時刻に回折領域21に到達するように決定されていることが好ましい。
音響波5が単一周波数の正弦波による連続波である場合などには、同じ周波数の音響波が連続しているため、回折領域21が伝搬媒質部1のどこに位置していても、第1音響波5aおよび第2音響波5bの同じ音響波が同時刻に回折領域21に到達していると言える。
しかし、音響波5が連続波ではなく、例えば図6のように単一パルスのバースト信号のような時間的に不連続な波である場合や時間に伴い周波数が変化する音響波である場合には、第1音響波5aおよび第2音響波5bを同時に光波3に作用させるためには、回折領域21を第1音響波5aおよび第2音響波5bが伝搬媒質部1中ですれ違い重なる位置に設定することが好ましい。
伝搬媒質部1が均一な伝搬媒質で構成されており、第1音響波5aおよび第2音響波5bが同時刻に、第1および第2入力開口面6a、6bに入射する場合には、回折領域21は、第1および第2入力開口面6a、6bから等距離に位置している。
第1音響波5aおよび第2音響波5bが異なる時刻に伝搬媒質部1の第1入力開口面6aおよび第2入力開口面6bから伝搬媒質部1に入射する場合には、例えば、以下の方法によって回折領域21の位置を決定できる。一例として、図6(a)のように音響波5aが先に第1入力開口面6aから入射し、そのΔt秒後に音響波5bが第2入力開口面6bから入射する場合を考える。図6(a)および(b)は、それぞれ単一パルスによる第1および第2音響波5a、5bの伝搬の時系列変化を示している。時間差Δtの情報は、音源から入力開口面6aおよび6bまでの距離と環境流体中の音響波5の速度から計算して取得してもよいし、入力開口面6aおよび6bの手前に調整のためのマイクロホンを配置して、第1および第2音響波5a、5bの到達時間を計測することで取得してもよい。図6(a)および(b)において、第1入力開口面6aと第2入力開口面6bとの距離をWとする。Δtが0の場合、つまり音響波5aおよび5bが同時に伝搬媒質部1に入射する場合、上述したように、第1および第2入力開口面6a、6bから等距離の位置に回折領域21を設ければよい。つまり、第1および第2入力開口面6a、6bからW/2離れた位置に回折領域21を設ければよい。Δtが0でない場合には、回折領域21を伝搬媒質部1の真ん中の位置から、入力開口面6a、6bのうち音響波5が遅く到達した方へシフトした位置に設ける必要がある。シフトさせる距離dは、伝搬媒質部1中の第1および第2音響波5a、5bの音速をVnとした場合、Vn×Δt/2である。これにより、第1および第2音響波5a、5bがいかなる信号であっても、伝搬媒質部1中で第1音響波5aおよび第2音響波5bを光波3と同時に作用させることができる。
(光電変換部4)
光電変換部4は、図2(a)および(b)に示すように、伝搬媒質部1を挟んで光源2と反対に位置し、光源2と光電変換部4とが対向するように配置される。光電変換部4は、光源2から出射し、伝搬媒質部1の回折領域21を透過した光波3を検出する。具体的には、光電変換部4は第1音響波5aによる光波3の+1次回折光波3aおよび第2音響波5bによる光波3の−1次回折光波3dと第1音響波による光波3の−1次回折光波3bおよび第2音響波5bによる光波3の+1次回折光波3cとのうち少なくとも一方を受光し、電気信号に変換する。光電変換部4で受光する光波3は、0次回折光波3eを含まないほうが好ましい。0次回折光波3eには音響波に関する情報が含まれないからである。しかし、上述した+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3dと−1次回折光波3bおよび+1次回折光波3cとのうち少なくとも一方が含まれていれば、0次回折光波3eを含んでいても、音響波5の情報が含まれるため、音響波5を検出することが可能である。
光電変換部4で0次回折光波3eを受光しないようにするためには、0次回折光波3eが光電変換部4に入射しないように、光電変換部4をx軸方向にシフトさせるか、光電変換部4と伝搬媒質部1との間に遮蔽板を設け0次回折光波3eの一部あるいは全てを遮蔽すればよい。
なお、以下において詳細に説明するように、光電変換部4は、音響波5の2倍の周波数を有する成分を含む電気信号を出力する。このため、図1に示すように、光電変換部4を周波数変換器22に接続し、周波数変換器22において、入力された信号の周波数を1/2に変換することによって、音響波5の成分を含む電気信号が得られる。
(光マイクロホン100の動作)
次に、光マイクロホン100の動作を説明する。
上述したように構成要素を配置した光マイクロホン100において、第1音響波5aおよび第2音響波5bが、互いに平行であり、かつ逆方向に伝搬媒質部1の回折領域21中を伝搬する際、光波3は第1音響波5aおよび第2音響波5bの伝搬による作用を受ける。
図2(a)に示すように、伝搬媒質部1の第1および第2入力開口面6a、6bから入射した第1音響波5aおよび第2音響波5bは、伝搬媒質部1を伝搬し、図2(b)に示すように回折領域21に同時刻に到達する。回折領域21において、光波3と第1音響波5aおよび第2音響波5bが作用する様子を、それぞれの音響波に分けて説明する。
図7(a)は、伝搬媒質部1の内部において、第1音響波5aと光波3とが作用する様子を示している。図7(b)は、伝搬媒質部1の内部において、第2音響波5bと光波3とが作用する様子を示している。図7(a)および(b)において、Λは伝搬媒質部1を伝搬する音響波5の波長、fは音響波5の周波数、λは光波6の波長、f0は光波3の周波数を表す。また、光波3は、z軸方向に伝搬し、第1音響波5aは、x軸方向に伝搬する。第1音響波5aが伝搬する向きをx軸の正の向きとする。音響波は縦波であるため、図7(a)および(b)に示す伝搬媒質部1中、黒い部分は、第1音響波5aおよび第2音響波5bによる伝搬媒質の変位によって伝搬媒質が密になっている部分を示し、白い部分は、伝搬媒質が粗になっている部分を示している。
図7(a)に示すように、第1音響波5aが伝搬媒質部1の内部を伝搬することにより、伝搬媒質部1を構成している伝搬媒質の密度が変化する。その結果、伝搬媒質の密度の高低に、光波3に対する伝搬媒質の屈折率が変化する。例えば、波長Λの平面波である第1音響波5aが伝搬することにより、周期Λの屈折率変化パターンが形成される。つまり、伝搬媒質部1が、周期Λの屈折率変化パターンを有する回折格子となる。
このような状態の伝搬媒質部1に対して、光波3を入射させると、回折光波が生じる。このとき、測定できる範囲の音圧を有する音響波5の場合、2次以上の回折光成分は小さいため、無視できる。
図7(a)に示すように、伝搬媒質部1の回折領域21に光波3が入射することにより、回折されずにz軸方向へそのまま伝搬する0次回折光波3eと、0次回折光波3eに対して、音響波5aの伝搬方向であるx軸の正方向へ回折した+1次回折光波3aと、0次回折光波3eに対して、音響波5aの伝搬と逆方向であるx軸の負方向へ回折した−1次回折光波3bの3つの光波が出射する。
+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3bの周波数は、第1音響波5aによりドップラーシフトを受ける。ドップラーシフトを受けた+1次回折光波3aの周波数はf0+fとなり、−1次回折光波3bの周波数は、f0−fとなる。0次回折光波3eの周波数は、f0のままである。
+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3bの回折角θ、および回折光波の強度I1は、以下の式(1)および(2)で表わされる。
Figure 0005027950
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ここで、λは光波3の波長、Λは第1音響波5aの波長、fは第1音響波5aの周波数、Vnは伝搬媒質部1中の第1音響波5aの音速(伝搬速度)、Δnは第1音響波5aの伝搬による伝搬媒質部1の屈折率変化量、lは光波3が伝搬媒質部1中を伝搬する距離、J1は1次のベッセル関数を表している。式(1)から、音響波5の周波数が高くなればなるほど、回折角θが大きくなることがわかる。第1音響波5aおよび第2音響波5bは、音響波5から分波したものであるから、これら、波長Λ、周波数f、音速Vn、屈折率変化量Δnは音響波5および第2音響波5bについても等しい。
図7(b)は、伝搬媒質部1の内部において、第2音響波5bと光波3とが作用する様子を示している。図7(a)と同様に、Λは伝搬媒質部1を伝搬する音響波5の波長、fは音響波5の周波数、λは光波3の波長、f0は光波3の周波数を表している。光波3は、図7(a)と同様に、z軸方向に伝搬する。音響波5bは、音響波5aと異なり、x軸の負の向きに伝搬する。
第1音響波5aの場合と同様、図7(b)に示すように、第2音響波5bが伝搬媒質部1の内部を伝搬することにより、伝搬媒質部1を構成している伝搬媒質の密度が変化し、伝搬媒質部1が、周期Λの屈折率変化パターンを有する回折格子となる。図7(b)に示すように、伝搬媒質部1の回折領域21に光波3が入射することにより、回折されずにz軸方向へそのまま伝搬する0次回折光波3eと、0次回折光波3eに対して、音響波5bの伝搬方向であるx軸の負方向へ回折した+1次回折光波3cと、0次回折光波3eに対して、音響波5bの伝搬と逆方向であるx軸の正方向へ回折した−1次回折光波3dが生成する。+1次回折光波3cおよび−1次回折光波3dの周波数は、第2音響波5bにより、ドップラーシフトを受ける。ドップラーシフトを受けた+1次回折光波3cの周波数はf0+fとなり、−1次回折光波3dの周波数は、f0−fとなる。0次回折光波3eの周波数はf0のままである。+1次回折光波3cおよび−1次回折光波3dの回折角θ、および回折光波の強度I1は、上記式(1)および(2)で表わされる。
図7(a)および(b)において、光波3と第1音響波5aおよび第2音響波5bとの作用を別々に説明したが、光マイクロホン100において、伝搬媒質部1の回折領域21には、第1音響波5aおよび第2音響波5bは同時に到達する、このため、図2(b)に示すように、逆向きに伝搬する第1音響波5aおよび第2音響波5bが同時に光波3に作用し、第1音響波による+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3bと、第2音響波5bによる+1次回折光波3cおよび−1次回折光波3dとが同時に生成する。
図8(a)および(b)に、伝搬媒質部1を透過した後の回折光波の様子を示す。図9は、光波3が伝搬する方向から見た回折光波である。光波3と作用する音響波5a、5bの伝搬方向が互いに逆向きでかつ周波数が等しい場合には、上記式(1)の右辺のパラメータが全て等しくなるため、回折角θは等しい。このため、第1音響波5aにより回折した+1次回折光波3aおよび第2音響波5bにより回折した−1次回折光波3dと、音響波5aにより回折した−1次回折光波3bおよび音響波5bにより回折した+1次回折光波3cとは、同じ方向に同じ角度で回折し、それぞれの光路は一致する。
よって、第1音響波5aによる+1次回折光波3aと第2音響波5bによる−1次回折光波3d、および、第1音響波5aによる−1次回折光波3bと第2音響波5bによる+1次回折光波3cは、図8(a)および(b)に示すように、それぞれ重なり合い干渉する。つまり、+1次回折光波3aの周波数はf0+fであり、−1次回折光波3dの周波数はf0−fであるから、周波数2fで強度が変化する干渉成分が得られる。同様に、−1次回折光波3bの周波数はf0−fであり、+1次回折光波3cの周波数はf0+fであるから、周波数2fで強度が変化する干渉成分が得られる。このため、+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3d、または、−1次回折光波3bおよび+1次回折光波3cを光電変換部4で検出すると周波数が2fである差周波光成分が含まれる。
音響波5の周波数が変化した場合においても、第1音響波5aおよび第2音響波5bの周波数が同じである限り、回折角θは第1音響波5aと第2音響波5bに対して同様に変化するため、+1次回折光波3aと−1次回折光波3dとが重なる面積、および、−1次回折光波3bと+1次回折光波3cとが重なる面積は変化しない。このため、音響波5の周波数によって検出感度が変化することはない。
ただし、図8(a)に示すように、回折角θの大きさ、および、光電変換部4の位置によって、+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3d、ならびに、−1次回折光波3bおよび+1次回折光波3cと0次回折光波3eとが重ならない場合、または、図8(b)に示すように、光電変換部4の位置によっては、+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3d、ならびに、−1次回折光波3bおよび+1次回折光波3cと0次回折光波3eとが部分的に重なる場合が生じる。
回折領域21における光波3の回折について補足する。図9(a)および(b)は第1音響波5aおよび第2音響波5bによる伝搬媒質部1の屈折率変化を説明するため、第1音響波5aおよび第2音響波5bを横波で表現して、第1音響波5aおよび第2音響波5bを示した図である。図9(a)に示すように、t=0で、距離wだけ離れた第1および第2入力開口面6a、6bから入射した第1および第2音響波5a、5bは、互いに反対向きに伝搬することより、距離w/2において、波の重ねあわせの法則により重なり合い、見かけ上、振幅が2倍になった音響波が距離w/2において現れた後、波の独立性により、第1音響波5aおよび第2音響波5bは互いに遠ざかるように伝搬する。
図9(a)に示す振幅が2倍の波は、実際の縦波の伝搬においては、伝搬媒質の屈性率の変化量が2倍になることを示し、式(2)より、伝搬媒質の屈性率の変化量は回折光波の強度に比例するから、強度の強い回折光が生成することを意味する。このことは、+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3d、または、−1次回折光波3bおよび+1次回折光波3cが重なった光には、+1次回折光波3aの2倍の強度の周波数が2fである成分が含まれることを意味する。
第1音響波5aおよび第2音響波5bが一定周波数の連続波で、かつ振幅が等しい場合には、伝搬媒質部1中に定在波が生じる。この定在波は、見かけ上、一定周波数で振幅が変化するものの、波が現れる位置は変化しないため、伝搬しないように見える。しかし、定在波の振幅の時間変化は、第1音響波5aおよび第2音響波5bが伝搬したものが重ね合わせられることにより生じている。このため、この場合においても、伝搬媒質部1において、第1音響波5aおよび第2音響波5bの伝搬により、±1次回折光波3a、3b、3c、3dの周波数はドップラー効果による周波数シフトを受けていると考えて良い。
また図9(a)の下方に示すように、回折領域21の位置が、距離w/2にない場合、まず、第1音響波5aによる回折光が生じ、その後、第2音響波5bによる回折光が生じることが分かる。この場合、+1次回折光波3aと−1次回折光波3d、とは同じ位置(同じ回折角θ)に生成するが、時間的にずれている。このため、上述した+1次回折光波3aと−1次回折光波3dとの干渉は生じない。つまり、干渉成分は検出されない。
図9(b)は、第1音響波5aおよび第2音響波5bの位相が異なっている(図では反転)している場合を示している。t=t’において、位相が反転している第1音響波5aおよび第2音響波5bが回折領域21のx=w/2の位置に到達した場合、2つの音響波は位相が反転するため、第1音響波5aおよび第2音響波5bが到達した時刻において、2つの音響波は互いに打ち消しあい、波形は見られなくなる。しかし、この時刻前後、つまりt=t’+Δtあるいはt=t’−Δtにおいては、波の独立性により、第1音響波5aおよび第2音響波5はそれぞれ存在するため、上述したように、第1音響波5aおよび第2音響波5bによる回折が生じる。この場合、第1音響波5aおよび第2音響波5bの位相差に応じて、干渉成分の強度変化の位相が変化する。
図10(a)から(c)は、光マイクロホン100における、音響波5の信号の検出の様子を模式的に示している。
+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3d、または、−1次回折光波3bおよび+1次回折光波3cの干渉光を光電変換部4で受光して光電変換すると、図10(a)のように回折光波の強度に応じた直流成分に周波数2fの信号が加わった電気信号が得られる。これから直流成分を除去することで音響波5を検出することができる。この際に得られる電気信号は、入力した音響波5に対応した信号ではあるが、周波数は入力した音響波の2倍になっている。音響波5を入力した周波数そのままで検出したければ、得られた電気信号を図1に示すように周波数変換器22に入力し、周波数を1/2倍にする処理を施せばよい。
上述したように、回折角θおよび光電変換部4の位置によって、±1次回折光波3a、3b、3c、3dは、0次回折光波3eと重ならず分離している場合(図8(a))と、±1次回折光波3a、3b、3c、3dが、0次回折光波3eの一部と重なる場合(図8(b))とがある。
図2(a)に示すように、伝搬媒質部1と光電変換部4の距離をL、光波3のビーム幅をw、回折角θとした場合、以下の式(3)を満たす場合、図8(a)に示すように、±1次回折光波3a、3b、3c、3dは、0次回折光波3eと重ならず分離する。一方、式(4)を満たす場合、図8(b)に示すように±1次回折光波3a、3b、3c、3dは、0次回折光波3eの一部と重なる。
Figure 0005027950
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まず、図8(a)に示すように±1次回折光波3a、3b、3c、3dが0次回折光波3eから分離している場合を考える。本実施形態による光マイクロホン100においては、0次回折光波3eは音響波5の検出に原理的に寄与しないため、光電変換部4で受光する必要はない。図8(a)のように分離した場合には、0次回折光波3eを受光しないように、光電変換部4をx軸方向にシフトさせた位置に配置することで、第1音響波5aによる+1次回折光波3aと第2音響波5bによる−1次回折光波3d、もしくは、第1音響波5aによる−1次回折光波3bと第2音響波5bによる+1次回折光波3cだけを受光することができる。
図10(a)は0次回折光波3eを受光しない場合の音響波5の信号検出の様子を示したものである。これに対して、0次回折光波3eを光電変換部4で受光した場合には、図10(b)のように受光強度の直流成分が増加してしまう。この場合でも光電変換部4での受光強度が光電変換部4の最大入力レベルよりも小さい場合であれば、問題なく音響波5を検出することができる。しかし、光電変換部4で受光する光波のうち、音響波5の検出に寄与する部分が相対的に小さくなってしまう。そのため、0次回折光波3eを受光しない方が測定の精度がよくなり好ましい。
また、光電変換部4での受光強度が光電変換部4の最大入力レベルよりも大きい場合には、図10(c)のように光電変換部4の出力は飽和してしまい、音響波5を検出することができない。以上のことから、回折光波が図8(a)のように分離している場合では0次回折光波3eは受光しないほうが好ましい。
また、図11のように、0次回折光波3eのみを遮蔽物7で遮蔽するなどして、±1次回折光波3a、3b、3c、3dを全て受光すれば、+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3d、または−1次回折光波3bおよび+1次回折光波3cの一方の干渉光成分のみを受光した時と比較して、音響波5の信号検出に寄与する光波の強度が2倍となる。これにより、光電変換部4にて、音響波5の検出に寄与しない成分を増やすことなく、大きな受光強度で光電変換を行うことができ、より高い感度で信号を検出することができる。
次に、図8(b)のように、±1次回折光波3a、3b、3c、3dが0次回折光波3eの一部と重なる場合を考える。
図8(b)のように一部が重なっている場合には、+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3dや−1次回折光波3bおよび+1次回折光波3cの他に0次回折光波3eと±1次回折光波3a、3b、3c、3dが、重なっている部分においても干渉が生じる。0次回折光波3e、±1次回折光波3a、3b、3c、3dが干渉すると、周波数fの差周波光成分が発生する。この際、+1次回折光波3a、3cと0次回折光波3eによる差周波光成分と、−1次回折光波3b、3dと0次回折光波3eによる差周波光成分の位相関係は互いに逆相となる。そのため、差周波光成分を光電変換しても互いに打ち消しあうため、周波数fの電気信号は得られない。そのため、0次回折光波3eと、±1次回折光波3a、3b、3c、3dが分離できない場合にも、周波数2fの信号だけが得られる。
しかし、図8(a)の場合と同様に、0次回折光波3eを受光することにより、音響波5の検出に寄与しない光波の直流成分が増加してしまう。また、受光強度が光電変換部4の最大入力光強度を超えてしまうと、音響波5を検出できなくなる。そのため、0次回折光波3eを受光しないように、光電変換部4をx軸方向にシフトして配置したり、0次回折光波3eの一部を遮蔽したりすることにより、直流光成分を小さくするのが好ましい。しかし、図9(b)のように一部が重なっている場合では、+1次回折光波3aおよび−1次回折光波3d、または、−1次回折光波3bおよび+1次回折光波3cの干渉光と0次回折光波3eが重なっている部分では、干渉光と0次回折光波3eを分離することはできない。そのため、重なっている部分は0次回折光波3eと一緒に受光するか、重なっている部分を受光しないようにする。
0次回折光波3eと一緒に受光する場合には、受光強度に占める音響波5の検出に寄与する光強度の割合が小さくなり、測定の精度が悪くなる。また、重なっている部分を受光しない場合には、受光強度が弱くなり、感度が悪くなる。このため、図8(a)のように±1次回折光波3a、3b、3c、3dが0次回折光波3eから分離している方が0次回折光波3eの分離が行いやすく好ましい。
なお、伝搬媒質部1として、シリカ乾燥ゲルを用いると、伝搬媒質内部を伝搬する音響波5の音速Vnが小さくなることにより、式(1)からわかるように、大きな回折角度が得られる。そのため、0次回折光波3eと、±1次回折光3a、3b、3c、3dの分離を行う際に、伝搬媒質部1から光電変換部4までの距離Lを短くすることができる。
また、図12に示すように、伝搬媒質部1と光電変換部4との間にレンズなどの光学素子8配置し、少なくとも+1次回折光波3a、3cおよび−1次回折光波3b、3dの伝搬方向を変化させれば、0次回折光波3eと、±1次回折光波3a、3b、3c、3dを分離する際に、さらに伝搬媒質部1から光電変換部4までの距離を短くすることができる。
また上記実施形態では、伝搬媒質部1は、単一の部材によって構成され、第1音響波5aおよび第2音響波5bは、回折領域21の同じ場所を伝搬していた。しかし、第1音響波5aおよび第2音響波5bは回折領域21の互いに異なる場所を透過してもよい。
図13は、第1伝搬媒質部分1aおよび第2伝搬媒質部分1bを備える光マイクロホンを示している。
第1伝搬媒質部分1aおよび第2伝搬媒質部分1bは、光源2と光電変換部4との間で重ねて配置されており、第1伝搬媒質部分1aの回折領域(第1回折領域部分)21aを透過した光波3が第2伝搬媒質部分1bの回折領域(第2回折領域部分)21bを透過する。第1伝搬媒質部分1aおよび第2伝搬媒質部分1bは同じ伝搬媒質で構成され、内部を伝搬する音響波5の音速Vnは同じである。このため、第1音響波5aによる+1次回折光波3aと第2音響波5bによる−1次回折光波3d、および第1音響波5aによる−1次回折光波3bと第2音響波5bによる+1次回折光波3cは同じ方向に同じ角度で回折する。このため、+1次回折光波3aと−1次回折光波3dとは互いに平行であり、−1次回折光波3bと+1次回折光波3cとは互いに平行である。
このため、第1音響波5aによる+1次回折光波3aと第2音響波5bによる−1次回折光波3d、および第1音響波5aによる−1次回折光波3bと第2音響波5bによる+1次回折光波3cは、図14に示すように、各回折光波の光軸は多少ずれるが、大部分が互いに重なり、重なった部分において干渉する。音響波5の周波数が変化した場合にも、第1伝搬媒質部分1aおよび第2伝搬媒質部分1bの音速と音響波5aおよび5bの周波数が同じである限り、回折角は音響波5aと音響波5bに対して同様に変化し、この位置関係は変わらない。そのため、干渉部分の面積が変わらないので、音響波5の周波数によって検出感度が変化することはない。
このように本実施形態の光マイクロホンによれば、検出すべき音響波の一部である第1音響波および他の一部である第2音響波を、同時刻において、伝搬媒質部を透過する光波を横切るように、互いに平行かつ反対方向に伝搬媒質部においてそれぞれ伝搬させる。このため、第1音響波による+1次回折光波と第2音響波による−1次回折光波、または、第1音響波による−1次回折光波と第2音響波による+1次回折光波は、音響波の周波数に関わらず、同じ回折角で回折する。したがって、+1次回折光波と−1次回折光波との干渉成分が音響波の周波数に関わらず一定となり、音響波の周波数によらず一定の検出感度で音響波を検出することのできる光マイクロホンが実現する。
また、検出すべき音響波を、+1次回折光波と−1次回折光波との干渉成分として検出するため、干渉成分の光量変化が検出すべき音響波に対応する。したがって、レーザードップラー振動計のように大掛かりな光学系を用いなくても、簡単な光電変換素子を用いれば干渉成分を検出することが可能となる。このため、光マイクロホンの構成を小型かつ簡単にすることができる。
本発明にかかる光マイクロホンは、小型の超音波センサ等あるいは可聴音マイクロホン等として有用である。また、超音波を用いた周囲環境システムに用いる超音波受波センサ等としても応用できる。
1 伝搬媒質部
1a 第1伝搬媒質部分
1b 第2伝搬媒質部分
2 光源
3 光波
3a 第1音響波による+1次回折光波
3b 第1音響波による−1次回折光波
3c 第2音響波による+1次回折光波
3d 第2音響波による−1次回折光波
3e 0次回折光波
4 光電変換部
5 音響波
5a 第1音響波
5b 第2音響波
6a 第1入力開口面
6b 第2入力開口面
7 遮蔽板
8 光学素子
9 導波路構造
10a 第1入力開口
10b 第2入力開口
11 ホーン
12a 第1出力開口
12b 第2出力開口
100 光マイクロホン
101 出射系光学部品
102 受光系光学部品
103 光ダイオード
201 開口部
202 音響導波路
203 光音響伝搬媒質
204 レーザードップラー振動計

Claims (16)

  1. 光波を用いて、環境流体を伝搬する音響波を検出する光マイクロホンであって、
    前記音響波が伝搬する伝搬媒質部と、
    前記伝搬媒質部中の回折領域を透過する光波を出射する光源と、
    前記伝搬媒質部を透過した前記光波を検出し、電気信号を出力する光電変換部と、
    を備え、
    前記音響波の一部である第1音響波および他の少なくとも一部である第2音響波を、同時刻に前記回折領域に到達し、かつ、前記回折領域を透過する前記光波を横切るように、互いに平行かつ反対方向に前記伝搬媒質部においてそれぞれ伝搬させ、
    前記回折領域において、前記第1音響波および前記第2音響波の伝搬に伴ってそれぞれ生じる前記伝搬媒質部を構成する伝搬媒質の屈折率分布により、前記光波の+1次回折光波および−1次回折光波をそれぞれ生成させ、
    前記光電変換部は、前記第1音響波による前記光波の+1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の−1次回折光波との干渉成分、および、前記第1音響波による前記光波の−1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の+1次回折光波との他の干渉成分のうち少なくとも一方を検出する光マイクロホン。
  2. 前記伝搬媒質部は、互いに対向し、前記第1音響波および前記第2音響波がそれぞれ入射する第1および第2入力開口面を有している請求項1に記載の光マイクロホン。
  3. 前記伝搬媒質部において、前記第1および第2入力開口面は、前記回折領域から等距離に位置している請求項2に記載の光マイクロホン。
  4. 同一方向に面している第1および第2入力開口と、
    互いに対向する第1および第2出力開口と、
    前記第1および第2入力開口と前記第1および第2出力開口との間にそれぞれ設けられた第1および第2導波路と
    を有し、前記第1入力開口から入射した前記第1音響波および前記第2入力開口から入射した前記第2音響波をそれぞれ前記第1および第2出力開口へ導く導波路構造をさらに備え、
    前記導波路構造の前記第1および第2出力開口は、前記伝搬媒質部の前記第1および第2入力開口面に配置されている請求項3に記載の光マイクロホン。
  5. 前記第1および第2導波路は、前記導波路構造において対称に配置されている請求項4に記載の光マイクロホン。
  6. 前記導波路構造の第1および第2入力開口に接続されたホーンをさらに備える請求項4に記載の光マイクロホン。
  7. 前記第1音響波および前記第2音響波は、前記回折領域の同じ場所を透過する請求項1に記載の光マイクロホン。
  8. 前記第1音響波および前記第2音響波は、前記回折領域の互いに異なる場所を透過する請求項1に記載の光マイクロホン。
  9. 前記伝搬媒質部は、第1伝搬媒質部分および第2伝搬媒質部分を含み、
    前記回折領域は前記第1伝搬媒質部分および第2伝搬媒質部分にそれぞれ位置する第1回折領域部分および第2回折領域部分を含み、
    前記第1回折領域部分および前記第2回折領域部分は、前記光源と前記光電変換部との間において、重なって配置されている請求項8に記載の光マイクロホン。
  10. 前記光電変換部は、前記回折領域を透過した光波に対して、前記第1音響波および前記第2音響波の伝搬する方向に沿ってシフトして配置されており、
    前記第1音響波による前記光波の+1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の−1次回折光波との前記干渉成分、および、前記第1音響波による前記光波の−1次回折光波と、前記第2音響波による前記光波の+1次回折光波との前記他の干渉成分のうち一方のみを検出する請求項1に記載の光マイクロホン。
  11. 前記光電変換部と前記伝搬媒質部中の回折領域との間に位置し、前記回折領域を透過した光波の一部または全てが前記光電変換部に入射しないように前記回折領域を透過した光波を遮蔽する遮蔽部をさらに備える請求項1に記載の光マイクロホン。
  12. 前記伝搬媒質と前記光電変換部との間に、前記光波の+1次回折光波および−1次回折光波の伝搬方向を変化させる光学素子をさらに備える請求項1に記載の光マイクロホン。
  13. 前記伝搬媒質部は、空気より小さい音速を有し、固体の伝搬媒質からなる請求項1から12のいずれかに記載の光マイクロホン。
  14. 前記伝搬媒質は、シリカ乾燥ゲルからなる請求項13に記載の光マイクロホン。
  15. 前記光電変換部で得られた電気信号の周波数を1/2倍に変化する周波数変換部をさらに備える請求項1から14のいずれかに記載の光マイクロホン。
  16. 光波を用いて、環境流体を伝搬する音響波を検出する音響波の検出方法であって、
    前記音響波の一部である第1音響波および他の少なくとも一部である第2音響波を、同時刻に伝搬媒質部の回折領域に到達するように、互いに平行かつ反対方向に前記伝搬媒質部中にそれぞれ伝搬させるステップと、
    前記搬媒質部の前記回折領域において、前記伝搬する第1音響波および前記第2音響波を横切るように、光波を透過させ、前記回折領域において、前記第1音響波および前記第2音響波の伝搬に伴ってそれぞれ生じる前記伝搬媒質部を構成する伝搬媒質の屈折率分布により、前記光波の+1次回折光波および−1次回折光波をそれぞれ生成させるステップと、
    前記第1音響波による前記光波の+1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の−1次回折光波との干渉成分、および、前記第1音響波による前記光波の−1次回折光波と前記第2音響波による前記光波の+1次回折光波との他の干渉成分のうち少なくとも一方を検出するステップと、
    を包含する音響波の検出方法。
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