JP5108993B2 - 光マイクロホン - Google Patents

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    • H04R2410/00Microphones

Description

本願は、光を用いて音響信号を検出する光マイクロホンに関する。
従来より振動板を用いて音響信号を検出し、電気的信号に変換するマイクロホンが広く利用されている。このようなマイクロホンは、機械的に振動する部分である振動板を有している。このため、繰り返しマイクロホンを使用するうちに、振動板の特性が変化する可能性がある。また、マイクロホンを用いて高強度の音響信号を検出した場合、音響信号によりマイクロホンの振動板が大きく振動し、振動板が破壊される可能性がある。
さらに、マイクロホンは、振動板が有する最低共振周波数以上の周波数において、良好な音響信号を検出することが期待できない。よって、マイクロホンは、広帯域な周波数を検出すること(以下、「広帯域性」と言う。)が困難である。また、広帯域性を得るために振動板を小型化した場合、音響信号の検出感度が低下する。
これに対し、例えば特許文献1は、光を用いて音響信号を検出し、電気信号に変換する光マイクロホンを提案している。以下、特許文献1に開示された従来の光マイクロホンを説明する。
図20に、特許文献1に開示された従来の光マイクロホン141を示す。光マイクロホン141は、受信機構部1410とレーザードップラー振動計148とを備える。
受信機構部1410は、凹部を有するベース部143と、レーザー光147に対して透明な透明支持板145とを備える。ベース部143の凹部と透明支持板145とにより、空間が形成される。この空間には、伝搬媒質であるナノ多孔体142が充填されている。
ナノ多孔体142には、例えば、特許文献2に開示されたシリカ乾燥ゲルなどの音速が遅く(音響インピーダンスが小さく)、音響的伝搬損失の少ない媒質が用いられる。ベース部143は、音響信号149をナノ多孔体142に導入するための開口部144を有する。ベース部143の凹部底面は反射面1411である。
レーザードップラー振動計148は、受信機構部1410の外部からレーザー光147を照射する。レーザー光147は、透明支持板145およびナノ多孔体142を透過し、反射面1411で反射する。反射面1411で反射したレーザー光147は、再びナノ多孔体142および透明支持板145を透過し、レーザードップラー振動計148へ戻る。
外界の音響信号149は、開口部144から受信機構部1410へ入射し、空気とナノ多孔体142との界面で屈折し、高効率でナノ多孔体142へ入射する。入射した音響信号149は、ナノ多孔体142を進行する疎密波1412に変換される。レーザードップラー振動計148から出力されるレーザー光147のナノ多孔体142上でのスポット位置において、生成した疎密波1412は密度の時間変動として観測される。この密度変化は屈折率変化を生じさせるため、スポット位置において、音響信号149に応じた屈折率の時間変動が生じる。
図20に示すように、レーザー光147をナノ多孔体142と透明支持板145との界面の法線方向から入射させると、透過後のレーザー光147が屈折率の時間変動から受ける位相変動量は、スポット位置における屈折率の時間変動に応じて反射面1411が法線方向に振動運動していると仮定した時に受ける位相変動量と光学的に等価である。したがって、反射面1411から反射されて戻ってくるレーザー光147は、反射面1411の振動運動に相当するドップラーシフトを受ける。レーザードップラー振動計148は、反射面1411で反射され、戻ってくるレーザー光147中に含まれるドップラーシフトを受けた光成分を計測する。その光成分の、周波数シフト量に対するフーリエ係数を求めることによって、周波数シフト量毎の光強度を検出する。
屈折率変動は音響信号149の音圧に概ね比例しており、ドップラーシフト量(周波数変化量)は振動運動の速度に比例する。したがって、レーザードップラー振動計148は、音響信号149の時間微分に概ね比例する信号を出力する。出力信号に積分処理や適当なフィルタ処理を行うことによって、音響信号に対応した電気信号を得ることができる。これにより、所望の音響特性を持ったマイクロホンとして光マイクロホン141を動作させることができる。
特開2009−85868号公報 特許第3633926号公報 特開2009−128103号公報
上述の従来の光マイクロホンは、高い音響検出感度を有している。しかしながら、光マイクロホンの小型化と、周囲環境の変動(振動や温度変化)に対する安定性の実現とが困難であるという課題を有している。
具体的には、レーザードップラー振動計148は、照射レーザー光周波数を基準としたときの、被測定運動物体からの散乱光のドップラー周波数を、光干渉計により検出する。そのため、レーザードップラー振動計148には、He−Neレーザーに代表される狭帯域光源と光干渉計とが内蔵されている。また、より高い周波数弁別度を得やすい高周波数帯にまで、ドップラー周波数を持ち上げるために、照射レーザー光の周波数を周波数変調することを目的として、レーザードップラー振動計148には、音響光学変調素子が内蔵されている。このような狭帯域光源と音響光学変調素子が物理的に大きな体積を占めるために、第1の課題である光マイクロホンの小型化に対する困難性が生じている。
また、第2の課題である装置の安定性は、レーザードップラー振動計148が、被測定物体の運動状況だけでなく、光干渉計を構成する光学素子間の相対的位置の時間的変化に対しても高い感度を有していることに起因している。光干渉計では、レーザー光を2つの光線に分割して、一方を被測定物体に照射し、もう一方を参照光として用いる。そして、被測定物体から戻ってきたレーザー光と参照光とを再び重畳させ、得られた干渉光の強度変化の時間変動や変動の周期や位相から、被測定物体を計測する。干渉光の強度変化は2つの光線の光路長差により決定される。したがって、レーザードップラー振動計148は、レーザー光を2つの光線に分割後の両光線の光路長差の時間変動に対して等しく感度を持つ。すなわち、レーザードップラー振動計148に対し、周囲環境から振動が加わり、光干渉計を構成する光学系が振動して光路長差に時間変化が生じた場合、その光路長変動も計測される。ゆえに、このような振動の周波数が測定したい音響信号の周波数帯内にある場合はノイズ成分となる。以上のように、光干渉計は高感度である反面、周囲環境の影響を受けやすいという課題を有している。
本願は、上述した従来技術の課題の少なくとも1つを解決する光マイクロホンを提供する。
本願に開示された光マイクロホンは、光源と、前記光源から出射した光のうち、直線偏光光を透過する第1の偏光子と、開口部と、前記第1の偏光子と異なる偏光面を持つ直線偏光光を透過する第2の偏光子と、空気より小さい音速を有し、前記開口部から入射した音響信号が伝搬する音響媒体とを有する受音部であって、前記第1の偏光子を透過した前記直線偏光光が、前記音響信号の伝搬する経路を横切って前記音響媒体を透過し、前記第2の偏光子に入射するように配置された受音部と、前記第2の偏光子を透過した光の強度を電気信号に変換する光検出器とを備え、前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との間で、前記第1の偏光子を透過した前記直線偏光光に、偏光方向とそれぞれ異なる直交する2方向において、異なる位相シフトが与えられる。
本願に開示された光マイクロホンは、光の干渉ではなく、音響信号の印加により音響媒体に生じる光の複屈折による光の偏光面の回転を検出する。このため、狭帯域光源、音響光学変調素子、ならびに光干渉計を用いずに、光マイクロホンを構成することができる。したがって、小型で外部環境変動に対して高い耐性をもつ光マイクロホンを実現することができる。
また、楕円偏光生成部をさらに備えていることにより、さらに検出感度を高めることができる。
第1の実施形態による光マイクロホンの構成を概略的に示す図である。 図1の光マイクロホンの受音部の構成を概略的に示す図である。 図1の光マイクロホンの受音部の他の構成を概略的に示す図である。 図1の光マイクロホンの受音部中の音響媒体における光線の振る舞いを示した模式図である。 図1の光マイクロホンの楕円偏光生成部の構成を概略的に示す図である。 図1の光マイクロホンの楕円偏光生成部の他の構成を概略的に示す図である。 図1の光マイクロホンの音響媒体の構成を概略的に示す図である。 図1の光マイクロホンの音響媒体の他の構成を概略的に示す図である。 実験に用いた光マイクロホンの構成を示す概略図である。 波長板を有さない光マイクロホンを用いて、音響信号を検出した場合における音響媒体22へ加えた圧力に対するフォトダイオードからの出力電気信号の大きさを示すグラフである。 波長板を有する光マイクロホンを用いて、音響信号を検出した場合における音響媒体へ加えた圧力に対するフォトダイオードからの出力電気信号の大きさを示すグラフである。 図9に示す光マイクロホンにおいて、静圧の印加量に対するフォトダイオードの電気信号出力曲線の計算結果を、角度を変えてオーバープロットしたグラフである。 図1の光マイクロホンにおける信号処理部の構成を示している。 図1の光マイクロホンにおける信号処理部の構成を示している。 第1の実施形態による光マイクロホンの他の構成を概略的に示す図である。 第2の実施形態による光マイクロホンの構成を概略的に示す図である。 図16に示す光マイクロホンにおいて、静圧の印加量に対するフォトダイオードの電気信号出力曲線の計算結果を、角度を変えてオーバープロットしたグラフである。 第2の実施形態による光マイクロホンの他の構成を概略的に示す図である。 (a)から(d)は、それぞれ第3の実施形態による光マイクロホンの構成を概略的に示す図である。 従来の光マイクロホンの構成を概略的に示す図である。
本願発明者は、従来の光マイクロホンよりも小型であり、かつ、周囲環境の変動(振動や温度変化)に対する高い耐性を有する光マイクロホンの研究を行った。その結果、音響信号が伝搬する媒質に直線偏光光(直線偏光光に近い楕円偏光光を含む)を透過させ、伝搬する音響信号に応じて変化する透過光の偏光状態を検出することによって、音響信号を検出できることを見出した。本願明細書において音響信号は、可聴域の音波および超音波を含む。
音響媒体を音響信号が伝搬する場合、音響信号は縦波であるため、音響媒体中に時間的に変動する音響媒体の粗密分布、つまり、屈折率分布が生成する。音響媒体の粗密は音響信号の伝搬方向に生じ、伝搬方向と垂直な方向には生じないため、粗密による音響媒体の屈折率の変化には異方性がある。このため、音響信号が伝搬する音響媒体は複屈折性(光学的異方性)を示す。
複屈折性を有する物質は、屈折率が小さい方向である進相軸および屈折率が大きい方向である遅相軸を有する。このような物質に直線偏光光が入射すると、進相軸方向において直線偏光光の位相が相対的に進み、遅相軸方向において、直線偏光光の位相が相対的に遅れる。その結果、直線偏光光は楕円偏光光に変換される。
したがって、音響信号が伝搬する媒質に直線偏光光を透過させれば、直線偏光光は、楕円偏光光に変換され、その偏光度は、音響信号の時間変化に応じた変化を示す。よって透過した楕円偏光光の偏光面の変動を、直交偏光光の光強度として計測することによって、音響信号を検出することができる。この方法によれば、温度や振動などの外部環境の変動に対して不安定な光干渉計、大型な光学素子であるレーザー等の狭帯域光源および光ヘテロダイン検波用の音響光学変調素子などを用いることなく、小型かつ簡単な光学系の構成で音響信号を検出することができる。
本願に開示された光マイクロホンは、光源と、前記光源から出射した光のうち、直線偏光光を透過する第1の偏光子と、開口部と、前記第1の偏光子と異なる偏光面を持つ直線偏光光を透過する第2の偏光子と、空気より小さい音速を有し、前記開口部から入射した音響信号が伝搬する音響媒体とを、および開口部を有する受音部であって、前記第1の偏光子を透過した前記直線偏光光が、前記音響信号の伝搬する経路を横切って前記音響媒体を透過し、前記第2の偏光子に入射するように配置された受音部と、前記第2の偏光子を透過した光の強度を電気信号に変換する光検出器とを備え、前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との間で、前記第1の偏光子を透過した前記直線偏光光に、偏光方向とそれぞれ異なる直交する2方向において、異なる位相シフトが与えられる。
ある一実施態様において、前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との間で、前記第1の偏光子を透過した前記直線偏光光に、偏光方向とそれぞれ異なる直交する2方向において、異なる位相シフトが与えられる。
ある一実施態様において、光マイクロホンは、前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との間に配置され、前記直線偏光光を楕円偏光光に変換する楕円偏光生成部をさらに備え、前記楕円偏光生成部により、前記直線偏光光に、前記直交する2方向における異なる位相シフトが与えられる。
ある一実施態様において、前記楕円偏光生成部は波長板、液晶および光学的異方性を有する光学結晶の少なくとも1つを含む。
ある一実施態様において、前記楕円偏光生成部は、前記第1の偏光子と前記受音部との間に位置する。
ある一実施態様において、前記楕円偏光生成部は、前記第21の偏光子と前記受音部との間に位置する。
ある一実施態様において、前記音響媒体は光学的異方性を有し、前記光学的異方性によって、前記直線偏光光に、前記直交する2方向における異なる位相シフトが与えられる請求項2に記載の光マイクロホン。
ある一実施態様において、前記光学的異方性は、前記音響媒体の残留応力より生成される。
ある一実施態様において、前記受音部は、前記音響媒体に静的圧力を与える与圧部をさらに有し、前記静的圧力によって前記光学的異方性が生成される。
ある一実施態様において、前記第1の偏光子の光学軸と前記第2の偏光子の光学軸とは互いに直交している。
ある一実施態様において、前記楕円偏光生成部の光学軸と前記第2の偏光子の光学軸は互いに直交している。
ある一実施態様において、光マイクロホンは、前記光検出器が変換した電気信号を増幅する信号処理部をさらに備える。
ある一実施態様において、前記信号処理部は、前記光検出器から出力される前記電気信号から、直流成分を除去する直流成分除去部を含む。
ある一実施態様において、前記信号処理部は差動増幅器をさらに含み、前記差動増幅器は、前記光検出器から出力される前記電気信号と前記直流成分除去部の出力との差分を増幅し、出力する。
ある一実施態様において、前記音響媒体は、シリカ乾燥ゲルである。
本願に開示された音響信号の検出方法は、所定の方向に偏光面を有する直線偏光の光を生成する工程と、前記光を、検出すべき音響信号が伝搬する音響媒体において、前記音響信号の伝搬経路を横切るように透過させる工程と、前記音響媒体を透過した前記光を前記偏光面の方向とは異なる方向に光学軸を有する偏光子に透過させる工程と、前記光を光検出器で検出する前に、前記光に対して、前記偏光面の方向とはそれぞれ異なる直交する2方向において、異なる位相シフトを与える工程と、前記偏光子を透過した前記光を光検出器で検出する工程とを包含する。
以下、本発明による光マイクロホンの実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の光マイクロホンの第1の実施形態の構成を示している。光マイクロホン1は検出光学系2と信号処理系17とを備える。検出光学系2によって、光マイクロホン1の周囲の環境を伝搬する音響信号を検出して、電気信号を生成し、信号処理系17によって電気信号に信号処理を施し、受信信号12を生成する。以下、各構成要素を説明する。
<検出光学系2>
検出光学系2は、光源4と、第1の偏光子5と、楕円偏光生成部6と、受音部7と、第2の偏光子8と、光検出器9とを備える。
光源4は、光線3を出射する。本実施形態において使用する光線3は、コヒーレント光であってもよいし、インコヒーレント光であってもよい。また、光線3の占有波長帯域は、単一あるいは狭帯域であってもよいし、広帯域であってもよい。上述したように、光マイクロホン1は光の干渉ではなく、偏光状態の変化を検出するからである。また、光線3を第1の偏光子5に透過させることによって直線偏光光を得るため、光源4から出射する光線3は、直線偏光光でなくてよく、非偏光光であってもよい。ただし、以下において、説明するように、第1の偏光子5、第2の偏光子8、楕円偏光生成部6および受音部7など、検出光学系2の他の構成要素のそれぞれが発揮する機能に波長依存性がある場合には、光マイクロホン1全体として所望の性能が得られるように、光源4が出射する光線3の波長を選択してもよい。
光源4から出射する光線3の強度は一定であり、強度の時間変動が小さいことが好ましい。特に、強度の変動の周波数が、検出する音響信号の周波数帯域内にあると、光源4が音響信号を検出する際のノイズとなり得るため、好ましくない。
光源4には、例えば、He−Neレーザーに代表されるガスレーザー光源、固体レーザー光源、ファイバーレーザー光源、レンズや開口絞り等で概ね平行光化された半導体レーザーおよび発光ダイオード、フィルタによる波長制限、光学系によって平行光化された白色光源(電球など)などを用いることができる。なお、He−Neレーザーに代表されるガスレーザー光源を用いる場合、出力が安定化されていてもよい。
第1の偏光子5および第2の偏光子8はそれぞれ光学軸100および光学軸101を有する。第1の偏光子5および第2の偏光子8は、各々の光学軸(光学軸100、光学軸101)に平行な偏光面を持つ光線を透過する。したがって、第1の偏光子5および第2の偏光子8を透過した光は、第1の偏光子5および第2の偏光子8の光学軸に平行な偏光面を持った直線偏光光となる。
図1に示すように、本実施形態では、第2の偏光子8の光学軸101と第1の偏光子5の光学軸100とは互いに直交している。したがって、これら2つの偏光子において、透過する光の偏光面は互いに直交している。なお、第2の偏光子8の光学軸101と第1の偏光子5の光学軸100との直交関係は、以下の定義による。
第1の偏光子5および第2の偏光子8の偏光選別度は、入射する光の波長および入射角度に依存する。偏光子を構成する物質や素子構造によって、波長依存性は異なる。ここで、入射角とは、第1の偏光子5および第2の偏光子8の入射面法線と光線3のなす角度を言う。通常、入射角度は0°に選択される。また、「偏光選別度」とは、偏光子の特性を表すパラメータであり、偏光子の光学軸に平行な偏光面を持った直線偏光光の透過率を1と規定した場合における光学軸に直交した偏光面を持つ直線偏光光の透過率の逆数により規定される。偏光選別度が大きい偏光子ほど直交偏光光を透過しない。偏光選別度が大きいほど、第1の偏光子5および第2の偏光子8の光学軸が互いに直交するように配置し、第1の偏光子5を透過した直線偏光光の偏光状態の変化を第2の偏光子8を透過させて検出する場合の感度が高まり、光マイクロホン1の検出感度を高めることができる。
本願明細書において、「第1の偏光子5の光学軸100と第2の偏光子8の光学軸101とが互いに直交している」とは、光学軸100と光学軸101とのなす角度Φが以下の式(1)の関係を満たしている場合をいう。
Figure 0005108993
式(1)において、Iは光線3の光強度である。iは、音響信号10を印加しない場合にて、第1の偏光子5、以下において説明する楕円偏光生成部6および第2の偏光子8を透過した光の光強度である。ArcSinは逆正弦関数である。逆正弦関数の例は、ArcSin((1/2)1/2)=π/4である。
以下において詳述するように、楕円偏光生成部6は、第1の偏光子5を透過した直線偏光光を楕円偏光光に変化することにより、第2の偏光子8の光学軸101と平行な方向の成分を生成し、これにより、光マイクロホンの感度を高める。このため、楕円偏光生成部6によって生じる第2の偏光子8の光学軸101と平行な方向の光の成分より小さければ、楕円偏光生成部6が挿入されていない状態において、第1の偏光子5の光学軸100と第2の偏光子8の光学軸101とのなす角度が90度からずれることにより、第2の偏光子8を透過する光の成分が生じていてもよい。
式(1)は、楕円偏光生成部6が挿入されていない状態で第1の偏光子5の光学軸100と第2の偏光子8の光学軸101とのなす角度が90度からずれることにより、音響信号が入射しない場合に第2の偏光子8を透過する光の成分が、楕円偏光生成部6によって生じる第2の偏光子8を透過する光の成分の50%以下となる条件を示している。なお、以下において説明するように楕円偏光生成部6の構成は光マイクロホン1の感度設定から決定される。
このように、光マイクロホン1の検出感度と第1の偏光子5および第2の偏光子8の偏光選別度とは密接な関係があるため、所望の偏光選別度が得られるように、光源4から出射する光線3の波長を決定し、また、光線3の第1の偏光子5および第2の偏光子8への入射角を決定することが好ましい。
受音部7は、第1の偏光子5を透過した直線偏光光が透過し、第2の偏光子8に入射するように、第1の偏光子5と第2の偏光子8との間に配置される。受音部7において、音響信号が受音部7内を伝搬することによって音響媒体中に粗密分布11が生じる。この粗密分布11の伝搬経路を横切る(非平行)ように第1の偏光子5を透過した直線偏光光を透過させる。つまり、受音部7において、第1の偏光子5を透過した直線偏光光は音響信号による粗密波の経路を横切っており、かつ、直線偏光光の光学軸は、粗密波の伝搬方向11aと非平行である。音響信号の伝搬方向11aは、少なくとも第1の偏光子5を透過した直線偏光光が透過する領域において、一定であることが好ましい。伝搬経路は粗密分布の伝搬方向に沿って伸びる。
図2は、受音部7の構成の一例を示す斜視図である。受音部7は、音響信号が入射する開口部144と音響信号が伝搬する音響媒体22とを有する。受音部7は、さらに、例えば、光線3に対して透明な一対の透明支持板145およびフレーム状の支持部146を有し、一対の透明支持板145とその間に挟まれた支持部146とによって形成される空間33に音響媒体22が充填されている。また、空間33には、音響媒体22の上面22aによって一面が規定される音響導波路34が設けられており、開口部144とつながっている。
受音部7において、開口部144が、音響信号10(平面波)の波長に比べて小さすぎない(例えば、開口部を規定する矩形の縦および横の長さが音響信号10(平面波)の波長の0.1倍以上)場合、開口部104から音響導波路106を伝搬する音響信号10は、その伝搬に伴って、上面22aから音響媒体22に入射し、音響媒体22を平面波21として伝搬する。したがって、平面波21の波長よりも十分小さい光束断面径(例えば、波長の0.5倍以下)を有する光線3を用いることによって、音響媒体22中の光線3が照射する全領域で、粗密波の伝搬方向(粗密波を生じさせる応力ベクトル)は、一定である。これにより、以下において詳細に説明するように、音響媒体22における遅相軸および進相軸が一定となり、音響信号10を正しく検出することが可能となる。
なお、図2に示す受音部7では、音響信号10の波長が短くなるほど、音響媒体22中を進む粗密進行波21の平面度が高まり、粗密波の伝搬方向11a(応力ベクトル方向)が正確に定まる。したがって、超音波(周波数20kHz以上の音響信号)受信用途として好適に機能する。
音響媒体22は、空気よりも小さい音速を有していてもよい。具体的には、音響媒体22の音速は、空気の音速である340m/secより小さくてもよい。一般に、音速の小さい材料は密度も比較的小さいため、空気などの環境流体と音響媒体22との境界における反射が小さく(音響インピーダンスが小さい)なり、比較的高い効率で音響信号を音響媒体22に取り込むことができる。
音響媒体22はナノ多孔体であってもよい。例えば、音響媒体22は無機酸化合物または有機高分子の乾燥ゲルである。例えば、特許文献2に開示されたシリカ乾燥ゲルを好適に用いることができる。ナノ多孔体は、直径数nmから数10nmのシリカ粒子が無秩序に3次元的に結合した構造を備えている。また、シリカ乾燥ゲル中の音速は、概ね50m/sec以上150m/sec以下であり、上で述べたように空気中の音速も小さい。シリカ乾燥ゲルの密度は、概ね50kg/m3以上200kg/m3以下である。
また、音響媒体22に音響信号が伝搬することによって複屈折性を発現するためには、ナノ多孔体のポアソン比は0.5より小さいくてもよい。通常、固体物質のポアソン比は、0.5より小さい。ナノ多孔体のポアソン比は0.2程度である。
図3は受音部7の他の構成例を示す斜視図である。受音部7は、一対の透明支持板145とフレーム状の支持部146と、音響媒体22とを含む。一対の透明支持板145とその間に挟まれた支持部146とによって、空間33が形成されている。支持部146には空間33と外部とをつなぐ開口部144が設けられており、開口部144から音響信号10が入射する。
空間33には、未充填領域32を残して、音響媒体22が充填されている。未充填領域32は、外部と同じ環境媒体(例えば空気)で満たされている。音響信号10は、開口部144を介して外部から未充填領域32に入射し、音響媒体22へ伝搬する。光線3は、一方の透明支持板145から入射して、音響媒体22を透過し、他方の透明支持板145から出射する。
未充填領域32の大きさ、つまり縦、横および高さは、音響信号10の波長に比べ、十分に小さくてもよい。例えば、縦、横および高さは、音響媒体22内での音響信号10の波長の0.5倍未満であってもよい。これにより、音響信号10の音圧は、開口部144を介して、音響媒体22の環境媒体との界面に対して垂直かつ均一に作用する。したがって、音響媒体22は一定方向から均一な圧力を受けることになり、音響媒体22全域にわたって概ね均一に、界面に対して垂直な方向に応力ベクトルを持った応力が生成される。音響媒体22の未充填領域32との界面が透明支持板145および支持部146に対して移動可能なように音響媒体22が保持されることにより、音圧の作用の均一性を高めることができる。図3に示す受音部7は、特に、音響信号が可聴音(周波数20kHz未満の音響信号)である場合に好適に用いられる。
楕円偏光生成部6は、第1の偏光子5と第2の偏光子8との間で、第1の偏光子5を透過した直線偏光光に、偏光方向とそれぞれ異なる直交する2方向において、互いに異なる位相シフトを与える。これにより、直線偏光光を楕円偏光に変換する。楕円偏光生成部6は音響信号10の検出感度をさらに高めるために用いられる。楕円偏光生成部6の構成およびその機能は、検出系2を説明した後に、詳述する。
光検出器9は、第2の偏光子8を透過した光線3の強度を電気信号に変換する。検出光学系2が音響信号10に応じて電気信号を出力するために、光検出器9の応答特性は、音響信号10の周波数よりも高速であってもよい。これにより、音響信号10の時間波形の正確な電気信号への変換が実現する。
また、光検出器9に対して、入射光の強度に対する出力電気信号強度の線形性を実現することは、光マイクロホン1の受音特性の低歪性、および後段の信号処理回路への負荷が低減されるため好ましい。
<検出光学系2による音響信号の検出原理>
次に、検出光学系2が音響信号10を検出する原理を説明する。図4は、受音部7において、光線3が音響媒体22を透過する様子を模式的に示している。圧力42は、受音部7を伝搬する音響信号による圧力を示す。図4は、図1に示した検出光学系2において、楕円偏光生成部6がない場合を示している。また、説明を簡単にするため、図4における光線3は単色光であると仮定する。
音響媒体22に入射する直前の光線3は、第1の偏光子5(図4に不図示)を透過している。したがって、光線3は直線偏光光41である。ここでは、圧力42の応力ベクトルに対して、第1の偏光子5の光学軸100が45°の角度をなすように、第1の偏光子5を配置している。したがって、直線偏光光41の偏光面は圧力42の応力ベクトルに対して45°の角度をなしている。
上述したように音響媒体22を音響信号10が伝搬する場合、音響信号は縦波であるため、音響媒体中に時間的に変動する音響媒体の粗密分布、つまり、屈折率分布が生成する。音響媒体の粗密は音響信号10の伝搬方向に生じ、伝搬方向と垂直な方向には生じない。このため、図4に示すように、圧力42の応力ベクトルに平行な方向を遅相軸43とし、圧力42の応力ベクトルに垂直な方向を進相軸44と規定する。
直線偏光光41は、遅相軸43に平行な電界ベクトルを持つ遅相軸成分46と、進相軸44に平行な電界ベクトルを持つ進相軸成分45とのベクトル和として表現される。音響媒体22に入射する前において、進相軸成分45と遅相軸成分46は、同一周波数であり、かつ、同相な(位相差のない)正弦波である。
音響媒体22に音響信号10が伝搬しておらず、圧力42が印加されていない場合、音響媒体22は、光学的に等方性の媒体である。このため、直線偏光光41の進相軸成分45と遅相軸成分46の各々が感受する屈折率は等しい。音響媒体22の通過後においても、進相軸成分45と遅相軸成分46とは互いに同相であり、進相軸成分45と遅相軸成分46とを合成して得られる透過光47は、直線偏光光41と同一方向に偏光面を持った直線偏光光となる。
本実施形態では、第2の偏光子8(図4に不図示)の光学軸101は、第1の偏光子5の光学軸100と直交している。説明を簡単にするため、図4の説明では、第2の偏光子8の光学軸101と第1の偏光子5の光学軸100のなす角度は90°であるとする。このとき、第1の偏光子5の光学軸と同じ方向に偏光面を有する透過光47は、第2の偏光子8により遮光され、光検出器9(図4に不図示)からの電気信号の出力は理想的にはゼロとなる。
次に、音響媒体22に音響信号10が伝搬し、圧力42が印加されている場合を説明する。図4に示すように、音響媒体22に音響信号10が伝搬することにより、遅相軸43と平行な方向に圧力42が印加されると、圧力42により音響媒体22は圧縮される。音響媒体22は、主に遅相軸43方向に大きく収縮する。
例えば、音響媒体22のポアソン比が約0.2程度の場合、音響媒体22において、進相軸44方向の伸縮量よりも遅相軸43方向の伸縮量の方が大きい。遅相軸43方向に正の応力が音響媒体22に加えられた場合、進相軸44方向に伸びることによって、遅相軸43方向への縮圧は緩和されるが、遅相軸43方向と進相軸44方向の伸縮量は異なる。このため、音響媒体22の遅相軸43方向の密度が、進相軸44方向の密度より大きくなる。この密度の違いにより、音響媒体22の遅相軸43方向の屈折率が、進相軸44方向の屈折率より大きくなる。
したがって、音響信号10の伝搬する音響媒体22において、直線偏光光41の進相軸44方向の進相軸成分45と、遅相軸43方向の遅相軸成分46とは、感受する屈折率が異なる。その結果、音響媒体22に入射する直前の進相軸成分45と遅相軸成分46とは同相であるが、音響媒体22通過後、遅相軸成分46は、進相軸成分45よりも位相が遅れ、進相軸成分45と遅相軸成分46とは同相でなくなる。
図4に示すように、透過光47の偏光面は、音響媒体22を透過直後の進相軸成分45と遅相軸成分46とのベクトル和より得られる。透過光47の進相軸成分45と遅相軸成分46とは同相ではなくなるため、透過光47は楕円偏光光となる。透過光47の偏光面は、光線3の周波数に同期して偏光面が回転する。
透過光47が楕円偏光光であるため、透過光47のうち、第2の偏光子8の光学軸101(図1)と平行な方向に偏光面を有する直交偏光光成分48は、第2の偏光子8を透過し、光検出器9に到達する。これにより、検出された直交偏光光成分48による電気信号が光検出器9から出力される。
音響媒体22における、進相軸44方向の屈折率と遅相軸43方向の屈折率との差は、圧力42の大きさ、つまり音響信号10の振幅に依存する。また、これらの屈折率差は、音響信号10の時間変化に応じて変化する。したがって、光検出器9から出力される電気信号は音響信号10に対応している。
このように、第1の偏光子5を透過させることによって、所定の方向に偏光面を有する直線偏光の光線3を生成し、光線3を検出すべき音響信号10が伝搬する音響媒体22に、音響信号10の伝搬経路を横切るように透過させる。その後、音響媒体22を透過した光線3を第1の偏光子5とは異なる向きに光学軸が配置された第2の偏光子8を透過させ、光検出器9で検出することによって、音響信号10を検出し、光検出器9から電気信号として出力することができる。
上述した音響媒体22に音響信号10が伝搬することにより生じる圧力42によって、音響媒体22の変形量は、印加される圧力42の大きさに対して線形に変化する。また、音響媒体22の屈折率は圧力42の印加に対して線形に変化するため、第2の偏光子を透過した直交偏光光成分48の振幅(直交偏光光成分48のベクトルの大きさ)も圧力42に対して線形に変化する。
光検出器9は、光の強度に比例した振幅を有する電気信号を出力するため、圧力42の大きさの2乗に比例した振幅の電気信号が光検出器9から出力される。音響信号10により音響媒体22中に生成される圧力42は、大気圧に比べて極めて微弱である。例えば、1気圧は101325Paであるのに対して、1Paの圧力変動は約94dB SPL(Sound Pressure Level)の音響信号に相当する。
したがって、音響信号10に対する感度を高めるためには、圧力42の変化量ΔPに対する電気信号Sの変化量ΔSを大きくすることが好ましい。しかし、上述したように、圧力42が印加されない状態では、音響媒体22を透過した透過光47は直線偏光光41と同じ偏光面を有するため、理想的には、第2の偏光子8を透過する光はゼロとなる。つまり、電気信号SはP2に比例するのでP=0においてはΔS/ΔP=0である。上述したように音響信号10による圧力42の変化ΔPは微弱であるため、光検出器9から出力される電気信号も小さいことが分かる。そのため、圧力ゼロ(P=0)近傍におけるΔS/ΔPを大きくし、より高感度な光マイクロホンを実現するために、本実施形態の光マイクロホン1の検出光学系2は、楕円偏光生成部6をさらに備えることが好ましい。
楕円偏光生成部6は、第1の偏光子5を通過後の直線偏光光を弱い楕円偏光光に変換する。ここで、「弱い楕円偏光光」とは、光線3の進行方向に対して直交する2つの偏光方向における振幅比が大きい楕円で示される楕円偏光光をいう。この振幅比は、音響信号の音圧に対する受信感度の線形性など、光マイクロホン1に求められる性能に依存する。
図1および図4を参照しながら、検出光学系2が楕円偏光生成部6を備える場合の光マイクロホンの動作を説明する。第1の偏光子5を透過した光線3が楕円偏光生成部6を透過することにより、光線3は、直線偏光光41に比べ低強度の直交偏光成分が含まれる。この直交偏光成分は、第1の偏光子5の光学軸100と直交する方向に平行であり、第2の偏光子8の光学軸101と平行である。したがって、音響信号10による圧力42が印加されていない状況においても、音響媒体22から出射した光線3は、微弱な直交偏光光48を含み、光検出器9は電気信号を出力する。
直線偏光光41を弱い楕円偏光光に変換することによって、微弱な圧力印加時においても高い検出感度が得られる。楕円偏光生成部6の挿入により、圧力Pがゼロ(P=0)近傍において、電気信号Sは(P+c1)2+c2に比例する(c1、c2は圧力Pに依存しない正定数である)。したがって、P=0において、ΔS/ΔP≠0となり、圧力がゼロとなる(P=0)近傍においても、大きな電気信号出力の変化量ΔSを得ることができる。つまり、楕円偏光生成部6により、光マイクロホン1は、音響信号10に対して高い感度を有する。
以下、楕円偏光生成部6の具体的な構成を説明する。図5に示す検出光学系2は、楕円偏光生成部6として波長板51を備える。波長板51は、第1の偏光子5と受音部7との間に配置されている。波長板51は、第1の偏光子5の光学軸100と非平行かつ、非垂直な光学軸102を有する。ここで、「非平行」とは、両光学軸の成す角が0°あるいは180°でないことを意味し、「非垂直」とは、両光学軸の成す角が90°あるいは270°でないことを意味する。
波長板51としては、1/8波長板、1/4波長板、1/2波長板などを用いることができる。あるいは、光学的異方性(複屈折性)を有する光学結晶や液晶などを用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、これらの中から選ばれる2つ以上を組み合わせて楕円偏光生成部6として用いてもよい。ただし、透過光47の進相軸成分45および遅相軸成分46の位相差が透過光波長の整数倍にならないことが好ましい。
図6は、検出光学系2の他の構成例を示している。図6に示す検出光学系2では、波長板51は、受音部7と第2の偏光子8との間に配置されている。波長板51は、上述した図5に示す波長板51と同じ機能を有している。図6に示す検出光学系2を用いても、上述したように圧力がゼロとなる(P=0)近傍において、大きな電気信号出力の変化量ΔSを得ることができる。よって、楕円偏光生成部6により、光マイクロホン1は、音響信号10に対して高い感度を有する。
また、上述したように、楕円偏光生成部6は、第1の偏光子5と第2の偏光子8との間で、第1の偏光子5を透過した直線偏光光に、偏光方向とそれぞれ異なる直交する2方向において、互いに異なる位相差を与え、直線偏光光を楕円偏光に変換する機能を有する。このような機能は、複屈折性を有する物質に、第1の偏光子5を透過した直線偏光光を透過させることによって実現する。受音部7の音響媒体22は、圧力を加えることによって複屈折性を示すので、楕円偏光生成部6の機能を受音部7において実現してもよい。
具体的には、図7に示すように、受音部7の音響媒体22が塑性変形をおこすように一方向から強い圧力を加える(加圧)。例えば、音響媒体22として密度250kg/m3のシリカ乾燥ゲルを用いる場合、4.1×102gf/cm2以上の圧力を一方向から音響媒体22に加えると、音響媒体22は塑性変形する。このため、圧力の解放後においても、音響媒体22中に残留応力が生じ、音響信号10が伝搬していない状態でも残留応力のベクトル方向の屈折率がこれと垂直な方向に比べて大きくなる。音響媒体22は、音響信号10が伝搬しない状態で光学的異方性を有し、楕円偏光生成部6の上述した機能を発現する。より具体的には、音響信号による圧力42がゼロ(圧力P=0)となる近傍において、光検出器9から出力される電気信号Sは、(P+P0)2+c2(P0、c2は音響媒体22中の残留応力基づく圧力Pに依存しない正定数)に比例するようになる。
また、常に音響媒体22が光学異方性を示すように、音響媒体22に圧力を加えることによって楕円偏光生成部6の機能を実現してもよい。図8に示す受音部7は一対の透明支持板145と、フレーム状の支持部146と音響媒体22とを含む。一対の透明支持板145とその間に挟まれた支持部146とによって空間33が形成されている。音響信号10が効率よく、かつ、面146aの全体から均一に音響媒体22に入射するように、面146aの全体に複数の開口144が設けられている。例えば、面146aは、メッシュ構造を有している。音響媒体22は面146aに接して設けられている。
一方、空間33の面146aと反対側には、音響媒体22が充填されておらず、気体が大気圧以上の圧力で満たされた与圧部81が設けられている。これにより、音響媒体22は所定の静的圧力で、面146aに押しつけられる。与圧部81において、大気圧以上の圧力で満たされた気体の代わりにばね等を設け、音響媒体22を支持部146の面146aに押し当ててもよい。このような構造の受音部7を用いても、音響信号が伝搬していない状態において、静的圧力と平行な方向の屈折率がこれと垂直な方向に比べて大きくなる。このため音響媒体22は、音響信号が伝搬しない状態で光学的異方性を有し、楕円偏光生成部6の上述した機能を発現する。
<検出光学系の実験結果>
次に、検出光学系2を用いて音響信号を検出した実験結果を説明する。図9は、光マイクロホン1の原理の確認に使用した構成を模式的に示している。図9に示す光マイクロホン1において、光源4には、He−Neレーザー(シグマ光機製、型番:05−LHR−111)を用いた。波長板51には、1/4波長板(Edmund Optics製、型番:43700−K)を用いた。光検出器9には、フォトダイオード(浜松ホトニクス製、型番:C10508)を用いた。第1の偏光子5および第2の偏光子8には、Meadowlark optics製(型番:UPM−050−VIS)の偏光子を用いた。音響媒体22には、50m/sの音速を有し、厚さ5mm、大きさ10mm×10mmのブロック状のシリカ乾燥ゲルを用いた。音響媒体22への静圧93の印加は機械的に行ない、デジタルフォースゲージで印加圧力を測定した。
図10に、波長板51を挿入していない場合における光検出器9からの出力電気信号の大きさを示す。この電気信号の大きさは、音響媒体22へ加えた圧力に対応する。図10の横軸は音響媒体22へ加えた圧力Pであり、縦軸は光検出器9からの出力電気信号の大きさSである。
図10より、電気信号の大きさSは、圧力Pの2乗に比例していることが分かる。また、圧力P=0近傍において、圧力変化ΔPに対する電気信号の大きさの変化量ΔS/ΔPが小さくなっている。つまり、音響信号の音圧に相当するP=1Pa近傍においては、低感度であることが分かる。
これに対し、P=600Pa以上の範囲では、ΔS/ΔPはほぼ一定の値2.962mV/Paを示している。図10に、ΔS/ΔPが2.962mV/Paの直線を示している。
図11は、波長板51の挿入した場合の光検出器9からの出力電気信号の大きさを示す。図10と同様に、この電気信号の大きさは、音響媒体22へ加えた圧力に対応する。図11の横軸は音響媒体22へ加えた圧力Pであり、縦軸は光検出器9からの出力電気信号の大きさSである。波長板51の光学軸は、光源4側から見て、第1の偏光子5の光学軸に対して、回転角δ=3°で反時計回りに回転させている。
図11から分かるように、圧力P=0近傍におけるΔS/ΔPはゼロではない。また、圧力範囲の全体(0Pa以上1000Pa以下)において、圧力Pと出力電気信号の大きさSとの線形性がほぼ保たれている。
なお、図11に示すグラフにおいて、検出感度ΔS/ΔPは0.056mV/Paであるのに対して、図10に示すグラフのP=600Paにおける検出感度は2.962mV/Paであり、その値が異なっている。これは図10と図11の計測において、光検出器9に内蔵されている増幅器の増幅率が異なるためである。図11の測定と図10に示す測定における測定条件を増幅率を換算することによってそろえた場合、図11に示す検出感度ΔS/ΔPは2.8mV/Paとなる。この値は、図10に示すグラフのP=600Paにおける検出感度と一致する。
図12は、図9に示す波長板51の光学軸の回転角度δを0度から0.5°の間で0.1°単位で変化させた場合における圧力Pと光検出器の出力Sとの関係を計算によって求めたグラフである。図12において、横軸および縦軸は、測定値ではなく、任意単位で示している。
波長板51の光学軸の回転角度δが0度である場合、波長板51の光学軸は第1の偏光子5の光学軸と一致する。このため、波長板51の挿入にかかわらず、第1の偏光子5を透過した直線偏光光は、楕円偏光光には変換されず、図10に示す測定結果と同様の圧力Pと光検出器の出力Sとの関係を示す。具体的には、電気信号の出力の大きさSは、原点を通る圧力Pの二次関数になっている(S∝P2)。
これに対し、δが0より大きくなると、波長板51によって、第1の偏光子5を透過した直線偏光光が楕円偏光光に変換される。この楕円偏光光の直交する2つの偏光方向は、第2の偏光子8の光学軸と非平行かつ非垂直であるため、楕円偏光光が、圧力Pの印加される音響媒体22を透過することによって、偏光状態がどのように変換されても、第2の偏光子8の光学軸と平行な成分が生じる。このため、圧力Pに関わらず光検出器9から電気信号の出力Sが得られるようになる。
図12に示すように、δが大きくなるにつれて、二次関数の原点は圧力Pに対して負の方向へ、かつ、出力Sの正の方向へ移動する(S=(P+c1)2+c2、c1、c2は圧力Pに依存しない定数))。その結果、圧力Pのゼロ近傍において、出力Sは大きくなる。また、P=0近傍における検出感度ΔS/ΔP(傾き)が大きくなり、かつ、その線形性が高まる。このため、マイクとしての特性も向上する。図10、図11および図12から、波長板51の光学軸の回転角度δによって、P=0近傍における出力値Sの大きさ、検出感度ΔS/ΔPおよびその線形性を調節し得ることが分かる。つまり、波長板51を用いることによって、検出光学系2の検出感度を高めることが可能であり、また、検出特性を任意に設定することができる。
<信号処理部17>
本実施形態の光マイクロホン1は上述した検出光学系2を備えることにより、簡単な構成で、高い検出感度で音響信号を検出することができる。例えば、約3mV/Paの検出感度が得られる。しかし、実際のマイクロホンとして使用する場合、さらに高い検出感度が求められることがある。このために本実施形態の光マイクロホン1は信号処理部17を備える。
図1に示すように、光マイクロホン1の信号処理部17は、第1の増幅器13と、直流成分除去部15と、第2の増幅器14と、イコライザ16とを備えている。
第1の増幅器13は、光検出器9から出力される電気信号の増幅を行う。光検出器9からの出力直後の電気信号を第1の増幅器13により信号増幅することによって、信号処理部17全体としての雑音指数の低減を図る。第1の増幅器13として、低雑音アンプを用いることが望ましい。
また、第1の増幅器13の増幅率は、光マイクロホン1の受音できる音圧の最大値の音響信号10が入力したときに、第1の増幅器13で増幅された光検出器9の出力電気信号の大きさが、少なくとも第1の増幅器13の飽和出力電圧以下になるように設定してもよい。例えば、線形性を十分に確保するためには、増幅率を第1の増幅器13の1dB利得圧縮点以下になるように設定してもよい。
光マイクロホン1がマイクロホンとして機能するために、音響信号10に対して受信信号12は線形性を満たしていることが好ましい。また、第1の増幅器13の増幅率の条件は、受信信号12が音響信号10に対し線形性を満たすように決定されることが好ましい。この条件を満足する最も高い増幅率を設定すると、信号処理部17全体としての雑音指数を最も低減できる。
直流成分除去部15は、第1の増幅器13から出力された電気信号から、時間的に変動しない信号成分(以下、「DC成分」と略称する)を除去する。図11に示すように、第1の増幅器13から出力された電気信号は、音響信号10の入力がなくても(圧力がゼロ)一定の大きさの直流成分(DC成分)を含む。この直流成分を除去することによって、第2の増幅器14で高い増幅率の設定が可能となる。その結果、検出光学系2のみでは実現することができない程度に、高い音響検出感度を実現することができる。
第1の増幅器13と同様に、第2の増幅器14の増幅率は、第2の増幅器14に入力される信号の最大値と、第2の増幅器14の飽和出力電圧の値とにより決定される。したがって、直流成分除去部15によって、音響信号10に依存しない信号成分を除去し、より小さな信号を第2の増幅器14に入力したほうが、より高い増幅率を設定できる。直流成分除去部15には、光マイクロホン1の受音周波数帯域の最低周波数以下の電気信号を除去する高域通過フィルタ、または、光マイクロホン1の受音周波数帯域の電気信号を通過する帯域通過フィルタを用いることができる。
図13に、直流成分除去部15として低域通過フィルタ121を用い、第2の増幅器として差動増幅器122を用いた信号処理部17の構成を示す。第1の増幅器13から出力された電気信号は2つに分割され、一方は、低域通過フィルタ121を通過させることによって、電気信号からDC成分を抽出する。低域通過フィルタ121の通過帯域は、光マイクロホン1の受音周波数帯域の最低周波数以下にする。分割された他方の電気信号と、抽出されたDC成分との差動電圧を差動増幅器122により増幅する。これにより、差動増幅器122から出力される電気信号にはDC成分が除去されている。
図14に、直流成分除去部15として帯域阻止フィルタ131を用い、第2の増幅器として差動増幅器122を用いた信号処理部17の構成を示す。第1の増幅器13から出力された電気信号は2つに分割され、一方は、帯域阻止フィルタ131を通過させることによって、電気信号からDC成分を抽出する。帯域阻止フィルタ131の阻止帯域は、光マイクロホン1の受音周波数帯域を包含するよう設定する。分割された他方の電気信号と、抽出されたDC成分との差動電圧を差動増幅器122により増幅する。これにより、差動増幅器122から出力される電気信号にはDC成分が除去されている。この構成によれば、DC成分の除去以外に、高い周波数を持つノイズ成分も効果的に除去することができる。
イコライザ16は、検出光学系2、光検出器9、および信号処理部17中の他の構成要素により発生する信号歪を補正する。検出光学系2から出力される電気信号は、音響信号強度の2乗に比例する。また、他の構成要素は固有の歪を持っている。また、イコライザ16は、光マイクロホン1がユーザーの望む音響特性を有すよう、受音された音響信号をイコライジング(音色の加工)する。これにより、所望の音響特性を有する受信信号12を得ることができる。
上記実施形態では、信号処理部17はアナログ回路によって構成されていたが、信号処理部17をデジタル回路で構成してもよい。図15は、信号処理部17’をデジタル回路で構成した光マイクロホン1の構成を示している。図15に示す光マイクロホン1において、信号処理部17は、A/Dコンバータ151およびデジタル回路152を含む。光検出器9からの出力は、A/Dコンバータ151によってデジタル信号に変換される。デジタルの電気信号は、デジタル回路152に入力さる。デジタル回路152は、上述のアナログの信号処理部17と同等の処理をデジタルの電気信号を用いて行う。これにより、デジタルの受信信号12が生成する。デジタル回路152は、CPUなどの演算回路を含むマイクロコンピュータなどによって構成してもよい。
本実施形態の光マイクロホン1によれば、音響信号は、光の干渉ではなく、光の複屈折による光の偏光面の回転によって検出される。このため、小型化が可能であり、かつ、周囲環境変動に対して影響を受け難い高感度な光マイクロホンを実現することができる。また、第1の偏光子と第2の偏光子との間において、検出に用いる直線偏光光を楕円偏光光に変換することによってさらに高感度で音響信号を検出することができ、検出感度の線形性も高められる。
また、本実施形態の光マイクロホン1において、受音部と電気回路とは完全に電気的に分離している。このため電気的ノイズの高い環境下においても雑音に強い音響センサー等として好適に用いられる。また、機械的・光学的共振現象を利用しないため、音響信号の振幅・位相両方に対し広い受信帯域を持つ。よって広帯域で変調された音響信号用の受音器、録音用マイクロホン、ならびに、計測用基準マイクロホン等にも好適に用いられる。
なお、本実施形態では、図1、図5および図6を用いた説明において、音響信号10および静圧93の印加により音響媒体22に生成される応力ベクトルの向きに対し、第1の偏光子5の光学軸は、45°の角度を成していた。しかし、音響媒体22に生成される応力ベクトルの向きと第1の偏光子5の光学軸が平行でない限り、音響信号を検出することが可能であり、第1の偏光子5の光学軸の角度は、上記実施形態に限定されない。また、上記実施形態において、検出光学系2の各構成要素は間隙を設けて配置されていた。しかし、上述の説明から明らかなように、光マイクロホン1の動作原理上、構成要素間の間隙は必須のものではなく、全ての構成要素、あるいは、一部構成要素を接触させて配置しても良い。そのような配置は、光マイクロホン1をさらに小型化するのに有効である。
また、特許文献3は、一対の偏光子の間に設けられた光ファイバを電動機や配管に配置し、電動機の振動によって光ファイバ内を透過する光に生じた偏波変動を検出することにより、電動機や配管の異常信号を検知する異常振動検知装置を開示している。この装置によれば、光ファイバが配置された広い領域における正常時の固有振動とは異なる数百kHz程度の以上の異常振動を検出することができる。しかし、このような広い領域全体からの振動には、振動の位相情報が欠落しているため、この装置を音響波を検出するためのマイクロホンとして機能させることはできない。これに対し、本実施形態のマイクロホンでは、音響媒体22中の光線が通過する点における、音圧による音響媒体22の屈折率変化を検出するため、位相情報を検出することが可能であり、音響信号を検出するマイクロホンとして好適に機能する。本実施形態の光マイクロホンは、この点で、特許文献3に開示された異常振動検知装置とは、全く異なる。
(第2の実施形態)
図16は、本発明の光マイクロホンの第1の実施形態の構成を示している。光マイクロホン1’は検出光学系2’と信号処理系17とを備える。第1の実施形態と同様、検出光学系2’によって、光マイクロホン1’の周囲の環境を伝搬する音響信号を検出して、電気信号を生成し、信号処理系によって電気信号に信号処理を施し、受信信号12を生成する。図16において、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付している。本実施形態では、楕円偏光生成部6として1/4波長板92を用いる。
光マイクロホン1’において、第1の偏光子5、第2の偏光子8および楕円偏光生成部6として用いる1/4波長板92の光学軸の相対角度は第1の実施形態の光マイクロホン1の第1の偏光子5、第2の偏光子8および楕円偏光生成部6と異なっている。第1の実施形態では、第1の偏光子5の光学軸と第2の偏光子8の光学軸とは互いに直交しており、波長板の光学軸を第1の偏光子5の光学軸から回転させることによって、第1の偏光子5を透過した直線偏光光を楕円偏光光に変換していた。これに対し、本実施形態では、楕円偏光生成部6の光学軸、つまり、1/4波長板92の光学軸は、第2の偏光子8の光学軸に対して直交あるいは、平行に配置されている。また、第1の偏光子5の光学軸を、第2の偏光子8の光学軸と直交する方向から回転させることによって、1/4波長板92通過後の楕円偏光光の楕円偏光化の程度を調整する。ここで、楕円偏光生成部6の光学軸と第2の偏光子8の光学軸とが直交するとは、第1の実施形態で説明したように、式(1)の関係を満たす角度Φをなしている場合をいう。
図16に示す光マイクロホン1’において、第1の偏光子5の光学軸と、第2の偏光子8における光学軸の直交する方向とのなす角度をγとし、第1の実施形態と同様、受音部7の音響媒体22に静圧を印加した場合に光検出器9で検出される電気信号の大きさを計算によって求め、角度γを0〜0.5°の範囲で0.1°単位で変化させ、圧力Pと出力Sとの関係を調べた。結果を図17に示す。図17において、横軸および縦軸は、任意単位で示している。
図16および図17に示すように、第1の偏光子5の光学軸と、第2の偏光子8における光学軸の直交する方向とのなす角度γが0°である場合、第1の偏光子5の光学軸および1/4波長板92の光学軸は、第2の偏光子8の光学軸と直交する。このため、第1の偏光子5を透過した直線偏光光は、1/4波長板92の光学軸と一致した偏光面を有し、直線偏光光のまま、1/4波長板92を透過する。1/4波長板92を透過した直線偏光光の偏光面と第2の偏光子8の光学軸とは直交しているため、音響信号10の伝搬によって受音部7に光学的異方性が発現していなければ、つまり、受音部7に静圧が印加されていなければ、検出器9で検出される電気信号の大きさはゼロとなる。
角度γを0°より大きくした場合、第1の偏光子5を透過した直線偏光光の偏光面は、1/4波長板92の光学軸と非平行であるため、楕円偏光光に変換される。このため、受音部7に静圧が印加されていない状態でも、楕円偏光光は、第2の偏光子8の光学軸と平行な偏光成分を含むことにより、検出器9で検出される電気信号の大きさはゼロより大きくなる。しかし、1/4波長板92の光学軸は、第2の偏光子8の光学軸に対して直交となるように配置されている。このため、この楕円偏光光は、第2の偏光子8の光学軸に対して、平行および垂直な2つの偏光方向を有する。その結果、受音部7から受ける偏光状態の変化によって、楕円偏光光の第2の偏光子8の光学軸と平行な偏光成分はゼロとなり得る。これらのことから、本実施形態によれば、検出器9で検出される電気信号の大きさSは、(P+c1’)2(c1’は圧力Pに依存しない正定数)に比例する。
図17に示すように、角度γが大きくなるにつれて、楕円偏光光に含まれる第2の偏光子8の光学軸と平行な偏光成分が大きくなり、(P+c1’)2で表されるように二次関数の頂点は出力Sの正方向へ移動する。その結果、圧力Pがゼロ近傍においても、大きな出力Sが得られる。
図12のグラフと図17のグラフを比較することにより分かるように、第1の実施形態では、楕円偏光化による出力Sと圧力Pの関係は、(P+c1)2+c2(c1、c2はPに依らない定数)で示されるが、第2の実施形態では、(P+c1’)2で示される。このことより、たとえ両実施形態においてP=0におけるΔS/ΔPが同じであったとしても、第2の実施の形態のほうがP=0における出力Sは小さい。増幅器13の増幅率は、増幅器13の飽和出力電圧により決定されるので、P=0における出力Sが小さい本実施の形態では、より高い増幅率の設定が可能となる。このように、本実施の形態はより高感度な光マイクロホンを実現することができる。
本実施形態の検出光学系2’において、1/4波長板92は、第1の偏光子5と受音部7との間に設けられていた。しかし、図18に示すように、1/4波長板92を受音部7と第2の光学子8との間に設けても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、1/4波長板を用いたが、1/8波長板、1/2波長板や、他の光学的異方性(ただし、透過光の直交した偏光成分光線間の位相差が透過光波長の整数倍にならないもの)を持った光学素子、液晶、光学的異方性を有する光学結晶などを用いてもよい。
また、本実施形態では、音響信号10および静圧93の印加により音響媒体22に生成される応力ベクトルの向きに対し、第2の偏光子8の光学軸は、45°の角度を成していた。しかし、音響媒体22に生成される応力ベクトルの向きと第2の偏光子8の光学軸が平行でない限り、音響信号を検出することが可能であり、第2の偏光子8の光学軸の角度は、本実施形態に限定されない。また、本実施形態において、検出光学系2’の各構成要素は間隙を設けて配置されていた。しかし、上述の説明から明らかなように、光マイクロホン1の動作原理上、構成要素間の間隙は必須のものではなく、全ての構成要素、あるいは、一部構成要素を接触させて配置しても良い。そのような配置は、光マイクロホン1’をさらに小型化するのに有効である。
(第3の実施形態)
図19(a)から(d)は、本発明による光マイクロホンの第3の実施形態を示している。これらの実施形態において、信号処理部は示されていないが、第1および第2の実施形態で説明した信号処理部を含んでいる。第1および第2の実施形態では、検出光学系2、2’はいずれも、構成要素が光線3に沿って一列に配置されていた。しかし、検出光学系2、2’における各構成要素は一列に配置されていなくてもよい。本実施形態では、反射光を用いて検出光学系の光路を形成している。
図19(a)に示す光マイクロホンは、光源4、第1の偏光子5、楕円偏光生成部6、第2の偏光子8、光検出器9、受音部7、ビームスプリッタ201および鏡202を備えている。
光源から出射した光線3は、第1の偏光子5および楕円偏光生成部6を透過し、ビームスプリッタ201に入射する。ビームスプリッタ201をそのまま透過した光線3は、受音部7において音響信号による偏光面の回転を受けた後、鏡202で反射し、再び受音部7に入射する。ここで、光線3は、再度、音響信号による偏光面の回転を受けた後、ビームスプリッタ201に入射し、ハーフミラーによって進行方向が変えられ、第2の偏光子8を透過し、光検出器9に入射する。
本実施形態によれば、光線3は、受音部7を2度透過する。このため、2倍の厚さを有する音響媒体22を透過させる光マイクロホンと等価な検出感度を実現できる。鏡202で光線3の光路長を折り返すことによって、検出光学系2の小型化を図ることも可能である。したがって本実施形態によれば、小型であり、かつ高い検出感度を有する光マイクロホンを実現することができる。また、図19(a)に示す構成をとる場合、受音部7を光マイクロホン端部に配置することが可能となる。このため、光マイクロホンの音響特性も向上せることができる。
図19(b)に示す形態は、楕円偏光生成部6がビームスプリッタ201と受音部7との間に配置されている点で図19(a)に示す形態と異なっている。図19(c)に示す形態は、楕円偏光生成部6が受音部7と鏡202との間に配置されている点で図19(a)に示す形態と異なっている。図19(d)に示す形態は、楕円偏光生成部6がビームスプリッタ201と第2の偏光子8との間に配置されている点で図19(a)に示す形態と異なっている。これらいずれの形態であって、図19(a)に示す形態と同様の効果を得ることができる。
また、図19(a)から(d)に示す形態では検出光学系2の各構成要素が間隙を設けて配置されている。しかし、全ての構成要素、あるいは、一部構成要素を接触させて配置しても良い。そのような配置は、光マイクロホンをさらに小型化するのに有効である。
なお、上記第1から第3の実施形態では、信号処理部17は、音響信号に対応した周波数特性および信号強度を有する電気信号を出力していた。しかし、信号処理部17は、光線3の強度に対応する音響信号10の圧力を求め、求めた圧力を示す電気信号を出力してもよい。上述の通り、第2の偏光子8を透過した光線3の強度は音響信号の圧力に対応している。このため、例えば、音響媒体22を音響信号が伝搬していない場合の光線3の強度を基準とした光線3の強度の増加量と、音響信号の圧力との関係をあらかじめ測定によって求めておき、求めた関係を信号処理部17に記憶させる。これにより、信号処理部17は、記憶している関係を用いて、光検出器9から受け取る電気信号を、音響信号10の圧力を示す電気信号に変換し出力することができる。また、実測によらず計算値や所定の関係式等の所定の規則を信号処理部17が記憶していてもよい。
本願に開示された光マイクロホンは、小型、かつ、受音部と電気回路が完全に電気的に分離しているため、電気的にノイズの高い環境化での音響センサー等として有用である。また、本願に開示された光マイクロホンは機械的・光学的共振現象を利用していないため、音響信号の振幅・位相両方に関して、ともに広い受信帯域を持つので、広帯域に変調された音響信号用の受音器、録音用マイクロホン、ならびに、計測用基準マイクロホン等の用途にも応用できる。
1、1’ 光マイクロホン
2 検出光学系
3 光線
4 光源
5 第1の偏光子
6 楕円偏光生成部
7 受音部
8 第2の偏光子
9 光検出器
10 音響信号
11 応力集中
12 受信信号
13 第1の増幅器
14 第2の増幅器
15 直流成分除去部
16 イコライザ
17 信号処理回路
21 粗密進行波
22 ナノ多孔体
32 密閉領域
41 直線偏光光
42、82 圧力
43 遅相軸
44 進相軸
45 第1の直線偏光光
46 第2の直線偏光光
47 透過光
48 直交偏光光
51 波長板
92 1/4波長板
93 静圧
121 低域通過フィルタ
122 差動増幅器
131 帯域阻止フィルタ
141 従来の光マイクロホン
142 ナノ多孔体
143 ベース部
144 開口部
145 透明支持板
147 レーザー光
148 レーザードップラー振動計
149 音響信号
151 A/Dコンバータ
152 デジタル回路
201 ビームスプリッタ
202 鏡
1410 受信機構部
1411 反射面
1412 粗密波

Claims (15)

  1. 光源と、
    前記光源から出射した光のうち、直線偏光光を透過する第1の偏光子と、
    前記第1の偏光子と異なる偏光面を持つ直線偏光光を透過する第2の偏光子と、
    開口部と、空気より小さい音速を有し、前記開口部から入射した音響信号が伝搬する音響媒体とを有する受音部であって、前記第1の偏光子を透過した前記直線偏光光が、前記音響信号の伝搬する経路を横切って前記音響媒体を透過し、前記第2の偏光子に入射するように配置された受音部と、
    前記第2の偏光子を透過した光の強度を電気信号に変換する光検出器と、
    を備え、
    前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との間で、前記第1の偏光子を透過した前記直線偏光光に、偏光方向とそれぞれ異なる直交する2方向において、異なる位相シフトを与えられる光マイクロホン。
  2. 前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との間に配置され、前記直線偏光光を楕円偏光光に変換する楕円偏光生成部をさらに備え、
    前記楕円偏光生成部により、前記直線偏光光に、前記直交する2方向における異なる位相シフトが与えられる請求項1に記載の光マイクロホン。
  3. 前記楕円偏光生成部は波長板、液晶および光学的異方性を有する光学結晶の少なくとも1つを含む請求項2に記載の光マイクロホン。
  4. 前記楕円偏光生成部は、前記第1の偏光子と前記受音部との間に位置する請求項2または3のいずれかに記載の光マイクロホン。
  5. 前記楕円偏光生成部は、前記第2の偏光子と前記受音部との間に位置する請求項2または3のいずれかに記載の光マイクロホン。
  6. 前記音響媒体は光学的異方性を有し、前記光学的異方性によって、前記直線偏光光に、前記直交する2方向における異なる位相シフトが与えられる請求項1に記載の光マイクロホン。
  7. 前記光学的異方性は、前記音響媒体の残留応力により生成される請求項6に記載の光マイクロホン。
  8. 前記受音部は、前記音響媒体に静的圧力を与える与圧部をさらに有し、前記静的圧力によって前記光学的異方性が生成される請求項6に記載の光マイクロホン。
  9. 前記第1の偏光子の光学軸と前記第2の偏光子の光学軸とは互いに直交している請求項1から8のいずれかに記載の光マイクロホン。
  10. 前記楕円偏光生成部の光学軸と前記第2の偏光子の光学軸は互いに直交している請求項2から5のいずれかに記載の光マイクロホン。
  11. 前記光検出器が変換した電気信号を増幅する信号処理部をさらに備える請求項1から10のいずれかに記載の光マイクロホン。
  12. 前記信号処理部は、前記光検出器から出力される前記電気信号から、直流成分を除去する直流成分除去部を含む請求項11に記載の光マイクロホン。
  13. 前記信号処理部は差動増幅器をさらに含み、
    前記差動増幅器は、前記光検出器から出力される前記電気信号と前記直流成分除去部の出力との差分を増幅し、出力する請求項12に記載の光マイクロホン。
  14. 前記音響媒体は、シリカ乾燥ゲルである請求項1から13のいずれかに記載の光マイクロホン。
  15. 所定の方向に偏光面を有する直線偏光の光を生成する工程と、
    前記光を、検出すべき音響信号が伝搬する音響媒体において、前記音響信号の伝搬経路を横切るように透過させる工程と、
    前記音響媒体を透過した前記光を前記偏光面の方向とは異なる方向に光学軸を有する偏光子に透過させる工程と、
    前記光に対して、前記偏光面の方向とはそれぞれ異なる直交する2方向において、異なる位相シフトを与える工程と、
    前記偏光子を透過した前記光を光検出器で検出する工程と
    を包含する音響信号の検出方法。
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