JP5027106B2 - 日本脳炎ウイルス抗原 - Google Patents
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Clinical Virology 13: 166-172, 1985 Annu. Rev. Microbiol. 44: 649-88, 1990 Virology 44(1): 108-24, 1971 J. Virol. 14(3): 631-9, 1974 J. Gen. Virol. 70 (Pt 8): 2037-49, 1989 Acta Virol. 26(5): 312-20, 1982 Clinical Virology 13: 135-143, 1985"Japanese encephalitis vaccine" in Minimum requirements for biological products, Association of Biologicals Manufactures of Japan ed., pp. 99-101, 1993 Appl. Environ. Microbiol. 39: 54-7, 1980 Vaccine. 9(12): 865-7, 1991 BIKEN J. 11: 25-39, 1968 Vaccine. 18: 26-32, 2000 Lancet. 337(8748): 1044, 1991 Intervirology. 44(2-3): 176-97, 2001 J. Virol. 75(5): 2204-12, 2001 Bull. World Health Organ. 65(3): 303-8, 1987
(a)日本脳炎ウイルスのゲノムRNAから調製されたcDNAを提供し、該cDNAはprMタンパク質をコードするcDNA断片及びEタンパク質をコードするcDNA断片をこの順序で包含し、
(b)β−アクチンプロモーターを含む複製可能な発現ベクターに該cDNAを発現可能に組み込んでなる複製可能な組換えDNAを構築し、
(c)該複製可能な組換えDNAで動物細胞を形質転換して形質転換細胞を形成せしめ、
(d)該形質転換細胞を親細胞から選別し、
(e)該形質転換細胞を培地中で培養し、該形質転換細胞に該cDNAを発現させてウイルス様粒子を培地中に放出させ、そして
(f)培地から該ウイルス様粒子を単離する。
「従来技術」の項で説明したように、日本脳炎ウイルスのEタンパク質はウイルス粒子の受容体結合や膜融合を担い、多くの抗原防御エピトープを有しており、分子集合して粒子構造を形成した時に初めて免疫原性を発揮する。成熟したウイルス粒子においては、粒子表面にEタンパク質とMタンパク質とが結合した形で存在し、この時の立体配置を取ったEタンパク質が細胞障害を引き起こすことが知られている。一方、細胞内の未成熟のウイルス粒子においては、Eタンパク質はMタンパク質のグリコシル化前駆体であるprMタンパク質とへテロダイマーを構成している。このような未成熟ウイルス粒子の感染性、赤血球凝集(HA)活性、融合活性などのウイルス生物活性は低い。細胞内に存在する酵素フリンによってprMタンパク質が切断されてMタンパク質に成熟し、Eタンパク質の配置転換が起こると(即ち、ウイルス粒子が成熟すると)、ウイルス生物活性が発揮されると考えられている。
精製した本発明の抗原を、等張の塩類溶液、緩衝液、組織培養液などの溶媒、例えばPBS(phosphate buffer saline)に浮遊し、ワクチン原液を調製する。必要であれば、ワクチン抗原を常用の固定化剤で固定することにより、その立体構造を固定化することもできる。固定化剤としては、例えば、ホルマリン、フェノール、グルタルジアルデヒド、β−プロピオラクトン等があげられる。固定化剤は、ワクチン原液を調製する前に抗原に添加するか、又はワクチン原液に添加することができる。
96穴のイムノプレート(米国、CoasterR製)上に、日本脳炎ウイルスに高い中和活性を持つ抗Eタンパク質モノクローナル抗体(Group-8, Clone 503, IgG)(J. Immunol. 141(10): 3606-10, 1988;東京都神経科学総合研究所 保井孝太郎博士より分与)(以下、屡々、「503モノクローナル抗体」と称する)の1μg/ml溶液を各ウェルに50μlずつアプライし、4℃で一晩インキュベートすることで抗体を固相化した。プレートをPBS−T(8.0gのNaCl、0.2gのKCl、2.88gのNa2HPO4/12H2O、0.2gのKH2PO4、0.5mlのTween 20を蒸留水に溶解して得た、終容量1リットルの溶液)で4回洗浄し、1回の洗浄は約8秒間行った。洗浄後に、50μl/ウエルの希釈抗原をアプライし、37℃で1時間インキュベートした。希釈抗原としては、標準抗原としても使用する(財)阪大微生物病研究会より分与を受けた精製不活化ウイルス抗原(TJP**012)をPBS−Tで2倍に段階希釈したものを用いた。希釈倍率は、標準抗原希釈液で作成した検量線の直線領域に相当する倍率を用いた。
サンプルに等量の10%(w/v)TCA溶液を加えて混合後、氷中で10分インキュベートした。4℃、12,000rpmの条件で20分遠心し、上澄み液を取り除いた。残った沈殿に5%(w/v)のTCA溶液を加えて洗浄し、4℃、12,000rpmの条件で10分遠心して沈殿を回収した。この沈殿を0.1NのNaOHで可溶化し、タンパク質の定量に用いた。定量には、BCA Protein Assay(米国、Pierce Chemical Company製)の発色系を用いた。マイクロプレート中でサンプル12.5μlと希釈試薬液100μlを混合し、37℃中で30分インキュベートした。プレートリーダーを用いて波長570nmで吸光度を測定した。
サンプルの電気泳動を12%SDS−ポリアクリルアミドゲルで行った。各サンプルを等量のサンプルバッファー[0.5M Tris−HCl(pH6.8)、4% SDS、14mM 2−メルカプトエタノールを含む溶液]と混合し、100℃で10分加熱して、サンプル中のタンパク質を変性させて泳動用の検体を得た。得られた検体を10μl/レーンでゲルにアプライした。濃縮ゲル中では10mA、分離ゲル中では20mAの定電流で泳動バッファー[25mM Tris−HCl(pH8.8)、192mM グリシン、0.1% SDS]を用いて電気泳動を行った。標準抗原には、現行日本脳炎ワクチンに使用されている不活化精製抗原を用い、分子量マーカーにはPrestained SDS-PAGE Standards, low range(米国、BIO-RAD Laboratories製)を用いた。タンパク質はSYPROR Orange Protein gel stain (米国、Molecular Probes社製)を用いて蛍光染色した。具体的には、SYPROR Orange Protein gel stainを7.5%酢酸溶液で5,000倍に希釈した染色液にゲルを浸漬し、40分室温でインキュベートした。蛍光の検出にはイメージアナライザー LAS-1000(日本国、富士フィルム社製)を用いた。
上述のようにSDS−PAGEを行ったゲルから泳動分離したタンパク質をpolyvinylidene difluoride(PVDF)膜に転写した。転写は、25mM Tris−HCl(pH8.8)、192mM グリシン−20% メタノールを含むバッファー中、氷冷下で、180mAの定電流を1時間通電することで行った。PVDF膜は、室温で10分間メタノールによる前処理を施したImmobilonTM(米国、Millipore社製)を用いた。転写後の膜を2%スキムミルク−PBSでブロッキングした後、1次抗体として用いるウサギ抗−日本脳炎ウイルス(北京株)ポリクローナル抗体をPBS−Tで100倍希釈した溶液に浸し、室温で1時間振盪した。非特異吸着抗体をPBS−0.05% Tween 20で洗浄除去後、Alkaline phosphatase標識抗-ウサギIgG抗体(ALI 3405)(米国、BioSource Interna-tional社製)をPBS−Tで5,000倍〜10,000倍に希釈した溶液に浸漬し、さらに1時間室温で振盪した。発色基質系には、BCIP/NBT Phosphatase Substrate(3-Component system)(米国、Kirkegaard & Perry Laboratories, Inc.製)を用いた。
培養したVero細胞(10%FBS−MEMで培養したもの)にウイルス液検体を接種し、CO2インキュベーター中で90分インキュベートした。15分毎にプレートを揺すり、細胞にウイルスを均等に吸着させた。検体液を除去した細胞上に2%メチルセルロースと2%FBSを含むMEMを重層し、CO2インキュベーター中で3日間培養した。プラーク形成の有無を倒立顕微鏡下で確認後、培養4日目に10%ホルマリン溶液で細胞を1時間処理し、ウイルスの不活化と細胞の固定を行った。冷水中でホルマリンとメチルセルロースを洗浄除去し、0.038%のメチレンブルーで染色した。ウイルスに感染して変性・壊死した細胞群は染色されないので、プラークとして測定される。
血清を段階希釈し、等量の日本脳炎ウイルス検体と混合した。37℃で90分間インキュベートして、日本脳炎ウイルス検体中のウイルスを抗体で処理した(即ち、中和反応を行った)。中和反応後の日本脳炎ウイルス検体に残存する感染性ウイルスの数をプラーク法で測定した。中和抗体価は、抗体非処理の日本脳炎ウイルスを感染させたプレートにおける、各ウェルの平均プラーク数を100%とし、プラーク数を50%に減少させるのに必要な最大の血清希釈倍率とした。
(1)日本脳炎ウイルス RNAの調製
日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis virus)(以下、屡々“JEV”と略す)は、阪大微生物病研究会で日本脳炎ウイルスワクチンとして製造された精製JEVを用いた。
上記(1)の方法を繰り返し、合計で900μlの精製JEVからRNAを回収し、cDNAの合成に用いた。
5'-GGGAGCCCTCTCAAAGCTTCTGCC-3' (配列番号1)
5'-CCCCGCTCTTTGGAGGCACATTGC-3' (配列番号2)
5'-CCCATCTTCCCTATACCCTTTCGC-3' (配列番号3)
をプローブとしたコロニーハイブリダイゼーション法によってスクリーニングした。陽性を示したコロニーの大腸菌を培養し、プラスミドDNAを抽出した。抽出したプラスミドDNAを適当な制限酵素で処理し、アガロース電気泳動でプラスミドに組み込まれていたDNAのサイズを調べた。目的の大きさのクローニングされたDNAの塩基配列を、配列番号1〜3のオリゴヌクレオチドをプローブに用いたサザンハイブリダイゼーションで確認した。
上記で得たJ12cDNAをpCAGGS発現ベクター(Gene 108: 193-199 1991)のXho Iサイトに挿入し、組み換えプラスミドpCAGJ12を得た。得られたpCAGJ12からCMV−IE、β−アクチンプロモーター、イントロン及びJ12cDNAを含む断片を回収し、pEFBOSbsr[pSV2bsr(日本国、科研製薬製)のbsr部位をFE−BOSプロモーターを有するプラスミドに挿入したもの;M. Tatsumiより分与]の制御領域の替わりに挿入し、ブラストサイジン耐性を有する組換えDNA pCAGJ12bsrを得た。得られたpCAGJ12bsrを図1に示す。
RK13細胞(ATCC No.CCL−37)を36〜37℃において、10% ウシ胎仔血清(fetal bovine serum,FBS)添加イーグル最少培地(minimal essential medium,MEM)で単層になるまで培養し、FuGENE6(フランス国、Roche Diagnostic Co.製)を用いてpCAGJ12bsrで形質転換した。細胞を2日間培養し(途中で1回培地交換を行い)、次に培養液を除き、0.2%トリプシンを含むPBS(―)を培養液の約1/10量加えて処理した。次にピペッティングにより細胞を剥離・分散させて浮遊させ、10μg/mlのブラストサイジン(blasticidin)(日本国、科研製薬製)を含む培地で元の培養液量の6倍に希釈し、φ10のプレートにおいて10日間培養することでブラストサイジン耐性株を選択した。培地交換は、4日目と7日目に行った。10日目には、23株のブラストサイジン耐性株を選択して、培地0.5mlを含む24穴のプレートに移して培養した。培地は、上記と同じブラストサイジン含有MEMを用いた。24穴のプレートでの培養開始から4日目には0.5mlの新しい培地を加え、更に2日〜5日間培養した。各細胞株について、培養液の一部をサンプリングし、培地に抗原が含まれるか否かをELISA法で確認した。
96穴のマイクロプレートを用い、細胞株#10と#20をそれぞれ0.2細胞/100μlになるように培地で希釈し、それを各ウエルに100μlずつ分注して培養した。培養開始から4日目に新しい培地100μlを加え、培養開始から8日、12日及び15日目には培地の半分を新しい培地に交換した。培養開始から12日〜20日目には、増殖した細胞から順次24穴のプレートに移して培養スケールを拡大し、細胞株#10については20クローン、細胞株#20については27クローン(J12#20.01〜J12#20.27)を得た。これらのクローンは、培養開始から17日〜29日にかけて、φ6のプレート、次いで75cm2のフラスコに培養スケールを拡大した。培養スケールの拡大は上述の方法で行い、培養した細胞は−80℃で凍結保存した。途中で培養液の抗原価をELISA法で確認した。細胞株#20のクローンであるJ12#20.14が最も高いELISA価を示したので、このクローンを2回目のクローニングに付した。
10%FBS−MEMで36代まで継代し、凍結保存したJ12#26細胞を以下の実験に用いた。凍結保存した細胞を解凍し、36〜37℃において、10%FBS−MEMで培養した。以下、馴化に用いた培地には5μg/mlのブラストサイジンを添加した。添加血清濃度を5%、2.5%、1.25%と1/2ずつ順次減少させた培地を用いて細胞を継代することで、J12#26細胞を無血清培地に馴化させた。具体的には、1代〜8代を5%FBS−MEMで培養し、9代〜16代を2.5%FBS−MEMで培養し、17代〜18代を1.25%FBS−MEMで培養し、19代〜20代を1.25%FBS−VP−SFM[VP−SFM(米国、Gibco BRL製)に1.25%のFBSを添加したもの]で培養した。次に血清を含まないVP−SFMでJ12#26細胞を継代し、無血清培地馴化抗原発現株であるJ12#26SF細胞を得た。
J12#26SF細胞の抗原産生量を確認するために、VP−SFMで継代し、その培養上清の抗原価をELISA法で測定した。対照として、非馴化細胞(10% FBS−MEMで継代したJ12#26細胞)の培養上清の抗原価も同様に測定した。結果を図2及び図3に示す。
J12#26SF細胞の発現する抗原がHA活性を示すことを確認するために、HA価とELISA価を測定し、その経時変化について検討した。
HA価の測定には、ガチョウ赤血球を用いた。ガチョウ血液に、血液とACD(acid-citrate-dextrose)の割合が10:1.5となるようにACDを加えた。そこに2.5容量のDGV(dextrose-gelatin-veronal)を加えて混合し、得られた混合物を1,000rpmで15分遠心分離した。上清を廃棄し、残った沈渣に上記と同量のDGVを加えて縣濁し、再度遠心分離を行った。この操作を計4回繰り返して沈渣を得た。得られた沈渣を生理食塩水に縣濁して8%赤血球浮遊液を得た。
J12#26SF細胞(38代継代)の培養上清とJEV感染Vero細胞の培養上清は、PBS−Tを用いて2倍に段階希釈し、それぞれをサンプルとした。ELISA価は、503モノクローナル抗体を用いて測定した。ELISA価の基準として、精製不活化ウイルス抗原であるTJP**012も同様に測定し、TJP**012のELISA価を100としてサンプルのELISA価を換算した。また、78代継代したJ12#26SF細胞の培養上清についても、同様にELISA価を測定した。JEV感染Vero細胞のHA価及びELISA価を表1及び図4に示し、J12#26SF細胞のウイルス粒子のHA価及びELISA価を表2及び図5に示す。
J12#26SF細胞を、直径15cmの培養ディッシュを用いて、無血清培地中で72時間大量培養した。抗原精製用無血清培地としては、VP−SFMに5μg/mlのブラストサイジンを添加して用いた。
J12#26抗原がEタンパク質のみならず、Mタンパク質も包含することを確認するために、Eタンパク質に相当する53kDaのバンドの下流に存在するタンパク質のN末端のアミノ酸配列を解析した。
J12#26抗原の形状を電子顕微鏡で観察した。精製したJ12#26抗原を遠心濃縮し、前固定なしでネガティブ染色した。染色したウイルス様粒子を電子顕微鏡下で観察した。電子顕微鏡写真を図9に示す。
4週齢雌ddYマウスを1群10匹に分け、PBSで希釈した精製J12#26抗原をマウス一匹に付き、総タンパク量で300ngを腹腔投与免疫した。免疫は1週間おきに2回繰り返した。対照群には5匹のPBS(−)接種群および現行ワクチン接種群をおいた。2回目の投与から7日目に半数のマウスから、14日目には残りマウスから無菌的に心臓全採血を行い、血液を37℃中に1時間放置して凝固させた。血餅を取り除いた後、4℃、5,000rpmで10分遠心し、血清を分離した。血清を回収し、56℃で30分血清の非働化を行った。5匹のマウスそれぞれの血清から50μlの非働化済み血清をプールして、中和抗体価の測定に用いた。結果は表5に示した。
実施例6と同様に、4週齢雌ddYマウスを1群10匹に分け、PBSで希釈した日本脳炎ウイルス抗原を腹腔投与免疫した。日本脳炎ウイルス抗原には、PBSで希釈したJ12#26抗原を用い、一匹につき抗原量(ELISAで求めた量)で300ngを投与した。対照群にはPBS(−)接種群および現行ワクチン接種群をおいた。免疫したマウスが6週齢になった時点で、2×106PFUの日本脳炎ウイルス[(財)阪大微生物病研究会から分与を受けた日本脳炎ワクチン生産用の種ウイルス株(北京−1株、JWS−P−4)]を腹腔内接種した。腹腔内接種と同時に、マウスに20μlのPBSを脳内注射し、血液脳関門を破壊した。接種後21日間にわたり、マウスの生存または死亡を調査し、生存率(%)を算出した。結果を表6に示した。
J12#26抗原及び組織培養日本脳炎ウイルス精製抗原(BM3)をそれぞれタンパク質量が1.0μg/mlとなるように、炭酸緩衝液(pH9.6)で希釈し、固相化抗原とした。抗原をELISA用プレートに100μl/ウエルずつ分注し、4℃で一晩放置して抗原を固相化した。PBS−Tでウエルを洗浄し、1%FBSを含むPBSを200μl/ウエルずつ分注し、37℃で2時間ブロッキングした。PBS−Tでウエルを洗浄し、200倍に希釈したヒトの血清を各ウエルに100μl加え、37℃で60分インキュベートした。ヒト血清には、日本脳炎ウイルス北京株に対する中和抗体価が陰性の血清2検体(S1とS2)と陽性の血清2検体(S3とS4)を用いた。
配列番号2は、Virology, 161: 497-510, 1987に記載された、日本脳炎ウイルスのヌクレオチド配列に基づく合成プローブである。
配列番号3は、Virology, 161: 497-510, 1987に記載された、日本脳炎ウイルスのヌクレオチド配列に基づく合成プローブである。
Claims (5)
- 日本脳炎ウイルス様粒子を包含してなる日本脳炎ウイルス抗原であって、該ウイルス様粒子は、平均直径が25nmの球形粒子であって、日本脳炎ウイルスのMタンパク質及びEタンパク質を包含するが、該粒子中にはRNAを含有していないタンパク質集合体であり、且つ赤血球凝集活性を示し、更に該ウイルス様粒子は、以下の工程からなる方法によって得られたものであることを特徴とする、日本脳炎ウイルス抗原。
(a)日本脳炎ウイルスのゲノムRNAから調製されたcDNAを提供し、該cDNAはprMタンパク質をコードするcDNA断片及びEタンパク質をコードするcDNA断片をこの順序で包含し、
(b)β−アクチンプロモーターを含む複製可能な発現ベクターに該cDNAを発現可能に組み込んでなる複製可能な組換えDNAを構築し、
(c)該複製可能な組換えDNAでRK13細胞を形質転換して形質転換細胞を形成せしめ、
(d)該形質転換細胞を親細胞から選別し、
(e)該形質転換細胞を培地中で培養し、該形質転換細胞に該cDNAを発現させてウイルス様粒子を培地中に放出させ、そして
(f)培地から該ウイルス様粒子を単離する。 - 該cDNAが、配列表の配列番号4の塩基配列であることを特徴とする、請求項1に記載の日本脳炎ウイルス抗原。
- 該培地が、無血清培地であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の日本脳炎ウイルス抗原。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の日本脳炎ウイルス抗原を、有効成分として免疫を奏する量含有してなる日本脳炎ワクチン。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の日本脳炎ウイルス抗原を、有効成分として含有する診断剤。
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