図1は、上扉9の開放されたパチンコ遊技機の外観を示す。図2は、遊技部品としての可変入賞部品30および遊技盤21の部品取付部分の外観を示す。図2では、可変入賞部品30と遊技盤21との図の縮尺が異なり、可変入賞部品30が遊技盤21よりも拡大して表現されている。図3は、図2のA−A線に沿って切断した可変入賞部品30の遊技盤21に取り付けられた断面を示す。図4は、図2のB−B線に沿って切断した可変入賞部品30の遊技盤21に取り付けられた断面を示す。図5は、右側の羽ユニット34と昇降駆動機構35および開閉駆動機構46の外観を示す。図6は、始動口29と可変入賞部品30と制御装置90との関係を示す。図7は、固定的データとしての固定的特典データ96を示す。図8乃至図10は、択一的データとしての択一的特典データ97;98:99を示す。図11は、制御処理の流れを示す。図12は、パチンコ遊技機の制御系統を示す。本明細書における「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図1の状態にパチンコ遊技機を置いて矢印Sで示す前方から見た場合に特定される方向である。
図1を参照し、パチンコ遊技機について説明する。パチンコ遊技機の遊技機枠1は、固定枠2を備える。固定枠2は、遊技店の遊技機設置構造体に取り付けられるものであって、固定枠2が前面から見られた場合、縦長な四角形の前後方向に貫通する空間を囲む形状である。固定枠2の前部には、可動枠3が開閉可能に設けられる。可動枠3は、左側に位置するヒンジ4を中心とし、固定枠2の前部で前方に開かれかつ後方に閉じられるように、片開き可能である。可動枠3には、発射駆動装置5、発射口6、タンク7、施錠装置8、制御装置90(図6参照)、電源供給装置107(図12参照)、球払出装置112(図12参照)などが設けられる。
図1に戻り、可動枠3の前上部には、上扉9が開閉可能に設けられる。上扉9は、左側に位置する図外のヒンジを中心とし、可動枠3の前部で前方に開かれかつ後方に閉じられるように、片開き可能である。上扉9には、窓10およびパネルユニット11が設けられる。窓10は、上扉9に前後方向への貫通孔として設けられる。パネルユニット11は、2枚のパネル12の周縁部を支持枠13で縁取りするように支持した構造である。2枚のパネル12は、透明なガラスなどのような光を透過する性質の有る材料から構成される。パネルユニット11は、上扉9の後部に開閉可能に取り付けられる。パネルユニット11は、左側に位置するヒンジ14を中心とし、上扉9の後部で後方に開かれかつ前方に閉じられるように、片開き可能である。パネルユニット11が閉じられてロック機構15で上扉9に開閉不能に支持された場合、パネル12が窓10を塞ぐ。
可動枠3の前下部には、下扉16が開閉可能に設けられる。下扉16は、左側に位置する図外のヒンジを中心とし、可動枠3の前部で前方に開かれかつ後方に閉じられるように、片開き可能である。下扉16には、受皿17および発射操作装置18が下扉16の前面から前方に突出して設けられる。受皿17には、払出口19が設けられる。可動枠3の内部には、遊技盤21が交換可能に装着される。遊技盤21の前面におけるガイドレール22で囲まれた遊技領域23には、発射通路24、戻り防止弁25、跳ね返し体26、アウト口27、一般入賞口28、始動口29、可変入賞部品30などが設けられる。遊技盤21が可動枠3に装着された場合、発射口6と発射通路24とが対応する。上扉9および下扉16が閉じられて可動枠3に開閉不能に支持されると、遊技領域23が遊技機枠1の前方から窓10およびパネル12を経由して視認可能になる。上扉9と下扉16とが一体に構成されてもよい。
電源供給装置107の電源スイッチが投入され、制御装置90が電力供給によって起動すると、可変入賞部品30における羽片44が閉じたまま、羽ユニット34が上下移動を繰り返す。そして、遊技者が受皿17にパチンコ球と呼ばれる遊技球を入れ、遊技者が発射操作装置18のハンドルを右回りに操作すると、発射駆動装置5が発射操作装置18の操作量に応じた発射力で駆動し、発射駆動装置5が受皿17から遊技機枠1の内部に取り込まれた遊技球を1個ずつ発射する。この発射された遊技球は、発射口6および発射通路24を経由し戻り防止弁25を押し開ける。発射通路24から遊技領域23の側に移動する遊技球が戻り防止弁25から離れることによって、戻り防止弁25は自身の弾性によって復元して発射通路24を閉じる。そして、遊技球が遊技領域23の上部に到達する。遊技領域23に到達した遊技球の勢いが強いことから、遊技球が跳ね返し体26に衝突すると、跳ね返し体26が衝突した遊技球を遊技領域23の上部中央の側に跳ね返す。
遊技領域23の上部に到達した遊技球は、遊技領域23を流下する過程において、一般入賞口28、始動口29、可変入賞部品30などに衝突して、流れる方向を変えながら、一般入賞口28や始動口29のいずれか1つに入って遊技盤21の後側に排出される。一般入賞口28や始動口29に入らないで、遊技領域23の最下部に到達した遊技球は、アウト口27から遊技盤21の後側に排出される。一般入賞口28や始動口29のいずれか1つに遊技球が1個入賞するごとに、球払出装置112がタンク7に貯蔵された遊技球を賞球として払い出す。その賞球は、払出口19から受皿17に排出されて貯蔵される。
また、可変入賞部品30の羽片44が閉じたまま、羽ユニット34が矢印Yで示すように上下移動を繰り返している状態において、遊技球が始動口29に入ると、その遊技球が始動口29に入ったタイミングで羽ユニット34の上下移動つまり昇降駆動が停止し、羽片44が開閉する。例えば、羽ユニット34が高い位置に存在している最中に遊技球が始動口29に入ると、羽ユニット34は高い位置で昇降駆動を停止する(羽ユニット34の昇降停止位置は高い位置である)。羽ユニット34が中間の位置に存在している最中に遊技球が始動口29に入ると、羽ユニット34は中間の位置で昇降駆動を停止する(羽ユニット34の昇降停止位置は中間の位置である)。羽ユニット34が低い位置に存在している最中に遊技球が始動口29に入ると、羽ユニット34は低い位置で昇降駆動を停止する(羽ユニット34の昇降停止位置は低い位置である)。
つまり、遊技球が始動口29に入る都度、羽ユニット34の昇降停止位置は異なる。換言するならば、遊技球が始動口29に入るたびに、羽片44が例えば高い位置あるいは中間の位置あるいは低い位置で開閉するように、羽片44が遊技領域23に対し上下方向に異なる位置で開閉するので、遊技者が開放中の羽片44を狙うように発射操作装置18を操作することに対する技術介入性が向上するという利点がある。
そして、遊技領域23を流下する上記と異なる遊技球が開放中の羽片44に拾われると、当該羽片44が遊技球を可変入賞部品30の囲い部32の外部から開口部33および取入口43を経由させて囲い部32の内部に誘導する。囲い部32の内部に入った遊技球が特定入賞口61に入賞すると、羽片44が上記よりも多く開閉する大当たり遊技が開始し、遊技者に有利な遊技状態になる。特定入賞口61が可変入賞部品30の内部に設けられたので、遊技領域23から開放中の羽片44を経由する特定入賞口61への球経路が変化するという利点がある。
図2を参照し、可変入賞部品30について説明する。可変入賞部品30は、センター役物とも呼ばれ、部品本体31、囲い部32、開口部33、羽ユニット34、昇降駆動機構35を備える。部品本体31は、光の透過しない合成樹脂により構成され、容器36およびフランジ37を備える。容器36は、前方に開放した箱形である。フランジ37は、容器36の開口周縁から横方向に突出し、容器36の開口周縁を一周する突起として構成される。フランジ37には、取付孔38が設けられる。
そして、フランジ37よりも後方に設けられた構成要素、具体的には、容器36、昇降駆動機構35、画像表示器50などが遊技盤21に形成された部品逃げ孔39に前方から挿入され、フランジ37が部品逃げ孔39を塞ぎ、木ねじなどの固定具40がフランジ37の前方から取付孔38を経由して遊技盤21に締結されることによって、可変入賞部品30が図3および図4に示すように遊技盤21に取り付けられる。昇降駆動機構35については、図3乃至図5で詳述する。回転振分機構52の内部構造については、図3で詳述する。画像表示器50の周囲の構造については、図4で詳述する。
図2に戻り、囲い部32は、部品本体31に設けられて遊技領域23の一部を区画する構成であって、具体的には、フランジ37よりも前方に突出し、容器36の開口周縁で囲まれる内部空間を容器36と協同で区分する。よって、部品本体31が遊技盤21に取り付けられた場合、囲い部32が遊技盤21よりも前方に突出し、遊技領域23を流下する遊技球が内部空間に入ないように、囲い部32が遊技領域23を流下する遊技球の内部空間への侵入を阻止する。開口部33は、囲い部32の左右の縦片部に、左右方向に貫通し、遊技球の通過可能な縦長に設けられる。囲い部32の左右の縦片部には、羽ユニット34が個別に設けられる。左右の羽ユニット34は、左右の昇降駆動機構35で個別に矢印Yで示すように上下移動される。つまり、左側の羽ユニット34および左側の昇降駆動機構35からなる一組の構成要素と右側の羽ユニット34および右側の昇降駆動機構35とからなる一組の構成要素が互いに独立して動く構成であるので、遊技者が左側の羽ユニット34における開放中の羽片44と右側の羽ユニット34における開放中の羽片44とを狙う難易度が一層変化する。
羽ユニット34は、昇降体42、取入口43、羽片44、羽軸45、開閉駆動機構46を個別に備える。昇降体42は、開口部33を塞いだまま昇降駆動機構35で上下移動する。取入口43は、昇降体42の開口部33と対応する部分に設けられ、開口部33よりも縦方向の寸法が小さくかつ遊技球の通過可能な大きさに形成される。羽片44は、昇降体42に設けられ、羽軸45を中心として取入口43を開閉する。そして、羽片44が開放した場合、羽片44の上端部側が開口部33よりも外側に斜め上方に突出し、遊技領域23を流下する遊技球が羽片44に拾われた場合、羽片44が遊技球を囲い部32の外部である遊技領域23から開口部33および取入口43を経由させて囲い部32の内部である内部空間に誘導する。羽片44や開閉駆動機構46については、図3乃至図5で詳述する。
図2において、囲い部32の左右の縦片部の前縁部には、縦ガイド48が個別に設けられる。縦ガイド48には、昇降体42の前縁部が個別に上下移動可能に嵌め込まれる。これよって、縦ガイド48が、昇降体42を上下方向に直線的に移動するように誘導する。羽片44よりも後方には、縦壁49が設けられる。縦壁49は、容器40に固定され、取入口43から囲い部32の内部に取り込まれた遊技球をそれよりも後方に行かないようにする仕切りである。縦壁49の後方には、画像表示器50が配置される。縦壁49よりも下部前方には、誘導盤51が配置される。誘導盤51は、容器40に固定的に設けられ、取入口43から囲い部32の内部に取り込まれた遊技球を前方から後方に流下させつつ中央部に誘導し、中央部から下方における回転振分機構52の入口55に落下させる。
回転振分機構52は、囲い部32および容器40で囲まれた内部空間の底部に設けられ、隔壁53、収容室54、入口55、回転盤56、盤軸57、外れ口58、有効口59、外れ連絡口60、特定入賞口61を備える。そして、回転盤56が隔壁53の中央における収容室54の内部で上下方向に延びる盤軸57を中心として盤軸57の周方向に回転することによって、隔壁53の後部の入口55における遊技球が外れ口58または有効口59のいずれか1つに取り込まれる。
つまり、入口55に存在中の遊技球が外れ口58または有効口59のいずれかに分けられる。外れ口58は、回転盤56の周縁部に設けられ、回転盤56の直径方向外側と上下面とに開口する窪みを構成する。よって、外れ口58が回転盤56の回転で収容室54の底部における外れ連絡口60と合うのに伴い、外れ口58における遊技球は外れ連絡口60に取り込まれる。
有効口59は、回転盤56の周縁部に設けられ、回転盤56の直径方向外側と上面とに開口し、回転盤56の下面で閉じられた窪みを構成する。よって、有効口59が回転盤56の回転で外れ連絡口60の真上に配置されも、有効口59における遊技球は外れ連絡口60に取り込まれることがない。そして、有効口59が回転盤56の回転で隔壁53の前部の特定入賞口61と合うのに伴い、有効口59における遊技球は特定入賞口61に取り込まれる。
図3を参照し、可変入賞部品30の内部構造について説明する。羽片44は、羽軸45に固定される。羽軸45は、前後一対の軸受部63に回転可能に支持される。軸受部63は昇降体42に設けられる。昇降体42と羽片44と羽軸45および軸受部63の上下移動を阻害しないように、誘導盤51が容器63に設置される。例えば、昇降駆動機構35のナット79が平歯車83に接触しても、昇降体42と羽片44と羽軸45および軸受部63が誘導盤51よりも上方に位置し誘導盤51に接触しない。昇降体42には、開閉駆動機構46が設けられる。開閉駆動機構46は、羽片44を開閉駆動するものであって、電磁ソレノイド64を駆動源として備える。電磁ソレノイド64は、昇降体42の縦壁49よりも後方に突出した延設部65に取り付けられる。電磁ソレノイド64の出力部材であるプランジャ66は、レバー67の一端部に連結される。レバー67の他端部は、羽軸40に固定される。プランジャ66とレバー67との連結部分については、図5で詳述する。
図3に戻り、容器40の下部には、回転振分機構52のモータ69、外れ通路70、特定通路71が設けられる。モータ69の出力軸は、盤軸57に連結される。盤軸57と回転盤56とは互いに結合される。よって、回転盤56は、モータ69によって回転駆動される。外れ通路70は、外れ連絡口60から排出される遊技球を遊技盤21よりも後方に誘導して排出する。外れ通路70には、外れ検知器72が設けられる。外れ検知器72は、遊技球が外れ通路70を通過したことを検出する。特定通路71は、特定入賞口61から排出される遊技球を遊技盤21よりも後方に誘導して排出する。特定通路71には、特定検知器73が設けられる。特定検知器73は、遊技球が特定通路71を通過したことを検出する。
可変入賞部品30の後部に設けられる昇降駆動機構35について説明する。昇降駆動機構35は、ステップモータ75を備える。ステップモータ75が容器36の外面に取り付けられ、ステップモータ75のモータ軸のような出力軸76が部品本体31の後方外部で上方に向けられる。出力軸76には、ねじ機構77が連結される。ねじ機構77は、ねじ棒78とこれに装着されるナット79とより構成される。ねじ棒78は、丸棒に雄ねじを備える。ねじ棒78は、上下一対の軸受部80に回転可能に支持される。上方の軸受部80は、容器36の上部から後方に延長され突出壁81に設けられる。下方の軸受部80は、容器36の下部に設けられる。ナット79は、筒体に雌ねじを備え、昇降体42の後部に固定される。出力軸76とねじ棒78とには、互い噛み合う平歯車82;83が個別に固定される。
よって、昇降体42が縦ガイド48とねじ機構77とで回転しないように支持された状態であり、出力軸76が一方向に回転するのに伴い、その動力が平歯車82;83からねじ棒78に伝わり、ねじ棒78が上下に延びる軸心を中心として一方向に回転すると、ナット79とともに昇降体42が上方に移動し、または、出力軸76が他方向に回転するのに伴い、その動力が平歯車82;83からねじ棒78に伝わり、ねじ棒78が上下に延びる軸心を中心として他方向に回転すると、ナット79とともに昇降体42が下方に移動する。つまり、昇降駆動機構35が昇降体42を上下移動させる。図3の符号Pは、遊技球を示す。遊技球Pは、誘導盤51から入口55に向けて落下する状態である。
図4を参照し、縦壁49の構造について説明する。縦壁49は、光の透過しない合成樹脂により構成される。縦壁49の左右には、逃げ孔84が設けられる。逃げ孔84には、昇降体42の後部と羽軸40の後部とが上下移動可能に挿入される。縦壁49の中央部には、透視孔85が設けられる。透視孔85は、透明板86で塞がれる。透明板86の周縁部は、縦壁49に固定される。よって、取入口43から囲い部32の内部に取り込まれた遊技球は、縦壁49や透明板86に受け止められ、画像表示器50の表示画面に衝突しない。画像表示器50の表示画面に表示された遊技演出用の画像は、パネル12の前方から透視孔85および透明板86を通して視認可能になる。昇降駆動機構35および開閉駆動機構46がフランジ37および後壁49よりも後側に設けられたので、遊技盤23に取り付けられた可変入賞部品30が前側から見られた場合、昇降駆動機構35および開閉駆動機構46がフランジ37および後壁49で目隠しされるという利点がある。
図5を参照し、開閉駆動機構46におけるプランジャ66とレバー67との連結構造について説明する。レバー67の一端部には長孔87が形成され、長孔87にはピン88が移動可能に挿入され、ピン88のレバー67よりも外側に突出した両端部がプランジャ66に装着されることによって、プランジャ66の直進運動とレバー67の回転運動とを阻害しないように、プランジャ66とレバー67とが互いに連結される。よって、例えば、電力が電磁ソレノイド46に供給されておらず、図外のコイルスプリングなどのばねによってプランジャ66が電磁ソレノイド64から突出する方向に付勢され、羽片44が実線で示すように取入口43を閉鎖する。
その状態において、電力が電磁ソレノイド64に供給されると、電磁ソレノイド64がばねのばね力に抗してプランジャ66を磁力で電磁ソレノイド64の方向に吸引し、それに伴い、レバー67と羽軸40とが一緒に回転し、羽軸40の回転に伴い羽片44が仮想線で示すように羽軸40を中心として開口部33の側に開いて取入口43を開放する。開放された羽片44の上端部側は開口部33よりも外部に突出し、羽片44が遊技領域23を流下する遊技球を拾えるようになる。
図6を参照し、パチンコ遊技について説明する。制御装置90が電力供給によって起動して昇降駆動機構35を駆動し、羽ユニット34が上下移動(昇降駆動と同義語)している最中において、遊技領域23を流下する遊技球が始動口29に入り、始動検知器91が始動口29に遊技球の入ったことを検知した信号(以下、始動検知信号と称する)を制御装置90に出力すると、制御装置90が上記昇降駆動機構35の駆動を停止しかつ開閉駆動機構46を駆動する。これによって、上記羽ユニット34の上下移動が停止しかつ羽片44が例えば1回または数回開閉駆動される。その状態において、遊技領域23を流下する上記と異なる遊技球が開放中の羽片44に拾われて囲い部32の内部に誘導され、当該遊技球が特定入賞口61に入賞し、特定検知器73が特定入賞口61に遊技球の入賞したことを検知した信号(以下、特定検知信号と称する)を制御装置90に出力した場合、制御装置90が大当たり遊技などに基づき開閉駆動機構46を制御または開閉駆動機構46および昇降駆動機構35を制御する。
制御装置90のROMには、大当たりデータ92、開放維持時間データ93、停止位置検知データ94、特典遊技データ95が、制御装置90のCPUを動作させる知識データとして記録されている。大当たりデータ92は、大当たり遊技を行うためのラウンド回数や開閉回数および入球個数とそれぞれの数値との関係を規定したデータベースに相当する。開放維持時間データ93は、開放維持時間を通常にしたり長くしたりするための乱数値と通常や長いとの関係を規定したデータベースに相当する。開放維持時間が通常とは、羽片45が大当たり遊技中に開放維持される時間と同じ時間だけ開放されることである。開放維持時間が長いとは、羽片45が大当たり遊技中に開放維持されるよりも長い時間だけ開放されることである。
停止位置検知データ94は、始動検知信号が制御装置90に入力したタイミングで羽ユニット34の昇降停止位置を検知するためのステップ数と高中低との関係を規定したデータベースに相当する。ステップ数は、昇降駆動機構35のステップモータ75(図5参照)を制御する数値であって、例えば、ステップモータ75の1回転が12ステップとし、羽ユニット34が下降限度位置に停止した状態からステップモータ75が9回転すると、羽ユニット34が上昇限度位置に到達すると仮定し、ステップモータ75の0回転の始まりから3回転の終わりまでの「0ステップ乃至36ステップ」までを「低」とし、ステップモータ75の4回転の始まりから6回転の終わりまでの「ステップ37乃至72ステップ」までを「中」とし、ステップモータ75の7回転の始まりから9回転の終わりまでの「ステップ73乃至ステップ108」までを「高」とした。
特典遊技データ95は、ラウンド回数や開閉回数および入球個数とそれぞれの数値との関係を規定し、特典遊技を行うためのデータベースに相当し、図7に示す固定的特典データ96または図8乃至図10に示す択一的特典データ97乃至99により構成される。図7の固定的特典データ96は、羽ユニット昇降停止位置の「高」や「中」および「低」とラウンド回数や開閉回数および入球個数とそれぞれの数値との関係を規定したデータベースに相当する。図8の択一的特典データ97は、羽ユニット昇降停止位置が「高」の場合に対応し、乱数値とラウンド回数や開閉回数および入球個数とそれぞれの数値との関係を規定したデータベースに相当する。図9の択一的特典データ98は、羽ユニット昇降停止位置が「中」の場合に対応し、乱数値とラウンド回数や開閉回数および入球個数とそれぞれの数値との関係を規定したデータベースに相当する。図10の択一的特典データ99は、羽ユニット昇降停止位置が「低」の場合に対応し、乱数値とラウンド回数や開閉回数および入球個数とそれぞれの数値との関係を規定したデータベースに相当する。
図11を参照し、パチンコ遊技に関する制御処理の流れについて説明する。開閉駆動機構46、昇降駆動機構35、羽ユニット34、羽片44、特定検知器73、制御装置90、始動検知器91、大当たりデータ92、開放維持時間データ93、停止位置検知データ94、特典データ95は、図6参照。球払出装置112は、図12参照。
パチンコ遊技機における図外の電源スイッチが投入され、制御装置90が電力供給によって起動すると、図11のフローチャートの処理が始まり、ステップ1101において、制御装置90が開閉駆動機構46を停止したまま昇降駆動機構35を駆動することによって、羽片44が閉じたまま、羽ユニット34が上下移動つまり昇降駆動され、ステップ1102に進む。ステップ1102では、始動検知か否かが判断される。ステップ1102の処理中に、制御装置90が始動検知器91から始動検知信号の入力したことを検出しなければ、ステップ1102がNOになり、制御処理の1サイクルを終わる。ステップ1102の処理中に、制御装置90が始動検知器91から始動検知信号の入力したことを検出すると、ステップ1102がYESになり、ステップ1103に進む。
ステップ1103では、制御装置90が乱数値抽選を行う。具体的には、制御装置90に内蔵されたCPUが電力供給によって起動してROMのコンピュータプログラムの実行に伴って抽選用カウンタのカウント動作を開始させる。抽選用カウンタは、最小値「0」から数値を1ずつカウントアップしていき、最大値をカウントアップした後は最小値に戻る、巡回タイプである。最大値は、図6の開放維持時間データ96における乱数値の最大値や図8乃至図10の択一的特典データにおける乱数値の最大値と同じ値になっている。そして、制御装置90が始動検知信号の入力したタイミングで抽選用カウンタの1つのカウント値を乱数値として取得してRAMに記録し、ステップ1104に進む。
ステップ1104では、制御装置90が昇降駆動機構35を停止するとともに開閉駆動機構46を駆動することによって、羽ユニット34の昇降駆動が停止し、羽片44が開閉駆動する。制御装置90は、羽ユニット34の昇降駆動が停止したときのステップモータ75のステップ数を停止位置検知データ96に照合し、停止位置検知データ96から抽出された羽ユニット34の昇降停止位置をRAMに記録する。例えば、羽ユニット34の昇降駆動が停止したときのステップモータ75のステップ数が「0乃至36」の範囲であると、羽ユニット34の昇降停止位置は「低」と検知されてRAMに記録される。羽ユニット34の昇降駆動が停止したときのステップモータ75のステップ数が「37乃至72」の範囲であると、羽ユニット34の昇降停止位置は「中」と検知されてRAMに記録される。羽ユニット34の昇降駆動が停止したときのステップモータ75のステップ数が「73乃至108」の範囲であると、羽ユニット34の昇降停止位置は「高」と検知されてRAMに記録される。その後、ステップ1105に進む。
ステップ1105では、特定入賞か否かが判断される。ステップ1105の処理中に、制御装置90が特定検知器73から特定検知信号の入力したことを検出しなければ、ステップ1105がNOになり、制御処理の1サイクルを終わる。ステップ1105の処理中に、制御装置90が特定検知器73から特定検知信号の入力したことを検出すると、ステップ1105がYESになり、ステップ1106に進む。ステップ1106では、制御装置90が、大当たり遊技を実行する。
ステップ1106の大当たり遊技には、次のイ項およびロ項の2通りが考えられる。イ項は、羽ユニット34が昇降停止したまま羽片44が開閉駆動する場合であって、制御装置90が大当たりデータ92に基づき開閉駆動機構46を制御する遊技形態である。ロ項は、羽ユニット34が昇降駆動しかつ羽片44が開閉駆動する場合であって、制御装置90が大当たりデータ92に基づき開閉駆動機構46および昇降駆動機構35を制御する遊技形態である。
イ項の場合は、制御装置90は、大当たりデータ92のラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値に基づき、開閉駆動機構46を制御する。ロ項の場合、制御装置90は、大当たりデータ92のラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値に基づき、開閉駆動機構46および昇降駆動機構35を制御する。大当たり遊技の場合、制御装置90が羽片44の開閉回数および可変入賞部品30への入球個数を計算し、その計算した開閉回数が大当たりデータ92の開閉回数として設定された数値「10」に到達するかまたは上記計算した入球個数が大当たりデータ92の入球個数として設定された数値「10」に到達するかのいずれか1つが成立したら羽片44を閉じて1ラウンドを終了し、羽片44の開閉を再開し、大当たりデータ92のラウンド回数として設定された数値「5」まで繰り返される。
なお、羽片44の開閉回数が大当たりデータ92の開閉回数として設定された数値「10」に到達する以前または大当たりデータ92の入球個数として設定された数値「10」に到達する以前において、遊技球が特定入賞口61に入り、特定検知器73から特定検知信号が制御装置90に入力した時点において、1ラウンドを終了するようにしてもよい。制御装置90が可変入賞部品30への入球個数を計算する場合、外れ球検知器72からの外れ検知信号や特定検知器73からの特定検知信号の入力されるごとに可変入賞部品30への入球個数を計算する。制御装置90は、外れ検知信号や特定検知信号が入力されるのに対応し、球払出装置112を制御する。これによって、球払出装置112が賞球を払い出す。
そして、1ラウンドが終了するごとに、制御装置90がラウンド回数を計算してステップ1107に進む。ステップ1107では、大当たり終了か否かが判断される。ステップ1107の処理中に、制御装置90が計算したラウンド回数が大当たりデータ92のラウンド回数として設定された数値「5」に到達しなければ、ステップ1107がNOになり、ステップ1106に戻る。ステップ1107の処理中に、制御装置90が計算したラウンド回数が大当たりデータ92のラウンド回数として設定された数値「5」に到達すると、ステップ1107がYESになり、ステップ1108に進む。
ステップ1108では、羽ユニット34の昇降停止位置に応じた特典遊技を実行する。羽ユニット34の昇降停止位置としては、ステップ1104でRAMに記録された「低」、「中」、「高」のいずれか1つが羽ユニット34の昇降停止位置として用いられる。ステップ1108での特典遊技には、次のハ項乃至へ項の3通りが考えられる。
ハ項は、図7の固定的特典データ96だけが用いられる場合である。制御装置90は、固定的特典データ96からステップ1104で記録した羽ユニット34の昇降停止位置に対応するラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値を抽出し、抽出したラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値に基づき、開閉駆動機構46を制御または開閉駆動機構46および昇降駆動機構35を制御する。例えば、羽ユニット34の昇降停止位置が高位置の場合は、図7の固定的特典データ96における「高」欄に対応するラウンド回数「8」、開閉回数「5」、入球個数「10」基づき、開閉駆動機構46が制御または開閉駆動機構46および昇降駆動機構35が制御される。羽ユニット34の昇降停止位置が中位置の場合は、図7の固定的特典データ96における「中」欄に対応するラウンド回数「6」、開閉回数「7」、入球個数「9」基づき、開閉駆動機構46が制御または開閉駆動機構46および昇降駆動機構35が制御される。羽ユニット34の昇降停止位置が低位置の場合は、図7の固定的特典データ96における「低」欄に対応するラウンド回数「4」、開閉回数「10」、入球個数「7」基づき、開閉駆動機構46が制御または開閉駆動機構46および昇降駆動機構35が制御される。
ニ項は、図6の開放維持時間データ93と図7の固定的特典データ96とが用いられる場合である。制御装置90は、開放維持時間データ93からステップ1103で記録した乱数値に対応する「通常」または「長い」を抽出するとともに、固定的特典データ96からステップ1104で記録した羽ユニット34の昇降停止位置に対応するラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値を抽出し、抽出した「通常」または「長い」やラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値に基づき、開閉駆動機構46を制御または開閉駆動機構46および昇降駆動機構35を制御する。例えば、開放維持時間データ93から「通常」が抽出された場合は、上記ハ項と同じになる。開放維持時間データ93から「長い」が選出された場合は、開閉駆動機構46による羽片44の開放中の時間が「通常」よりも長くなり、遊技球が遊技領域23から可変入賞部品30の内部に取り込まれる可能性が高く、遊技者に有利な遊技状態になる。
ホ項は、図8乃至図10の択一的特典データ97乃至99だけが用いられる場合であって、固定的特典データ96を用いるよりも、遊技者に与える特別の待遇に変化を持たせることができるという利点がある。制御装置90は、択一的特典データ97乃至99の中からステップ1104で記録した羽ユニット34の昇降停止位置に対応する1つの択一的特典データを選出し、選出した択一的特典データからステップ1103で記録した乱数値に対応するラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値を抽出し、抽出したラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値に基づき、開閉駆動機構46を制御または開閉駆動機構46および昇降駆動機構35を制御する。例えば、羽ユニット34の昇降停止位置が高位置の場合は、図8の択一的特典データ97が用いられる。羽ユニット34の昇降停止位置が中位置の場合は、図9の択一的特典データ98が用いられる。羽ユニット34の昇降停止位置が低位置の場合は、図10の択一的特典データ99が用いられる。
へ項は、図6の開放維持時間データ93と図8乃至図10の択一的特典データ97乃至99とが用いられる場合であって、固定的特典データ96を用いるよりも、遊技者に与える特別の待遇に変化を持たせることができるという利点がある。制御装置90は、開放維持時間データ93からステップ1103で記録した乱数値に対応する「通常」または「長い」のいずれか1つを抽出するとともに、択一的特典データ97乃至99の中からステップ1104で記録した羽ユニット34の昇降停止位置に対応する1つの択一的特典データを選出し、選出された択一的特典データからステップ1103で記録した乱数値に対応するラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値を抽出し、抽出したラウンド回数、開閉回数、入球個数を示す数値に基づき、開閉駆動機構46を制御または開閉駆動機構46および昇降駆動機構35を制御する。例えば、開放維持時間データ93から「通常」が抽出された場合は、上記ホ項と同じになる。開放維持時間データ93から「長い」が選出された場合は、開閉駆動機構46による羽片44の開放中の時間が「通常」よりも長くなり、遊技球が遊技領域23から可変入賞部品30の内部に取り込まれる可能性が高く、遊技者に有利な遊技状態になる。
そして、特典遊技の1ラウンドが終了するごとに、制御装置90がラウンド回数を計算してステップ1109に進む。ステップ1109では、特典遊技終了か否かが判断される。ステップ1109の処理中に、制御装置90が計算したラウンド回数が択一的特典データ97乃至99のうちの選択された1つの択一的特典データのラウンド回数として設定された数値に到達しなければ、ステップ1109がNOになり、ステップ1108に戻る。ステップ1109の処理中に、制御装置90が計算したラウンド回数が択一的特典データ97乃至99のうちの選択された1つの択一的特典データのラウンド回数として設定された数値に到達すると、ステップ1109がYESになり、制御処理の1サイクルを終わった後、はじめに戻る。
図11の制御処理において、特典遊技を設けずに、大当たり遊技だけの場合でもよい。その場合、図11からステップ1103、ステップ1108、ステップ1109を除去し、図6の制御装置90から開放維持時間データ93や停止位置検知データ94および特典遊技データ95を除去した、簡素な形態になる。
図12を参照し、パチンコ遊技機の制御系統について説明する。図6の制御装置90が、主制御装置101、図柄制御装置102、ランプ制御装置103、音声制御装置104、払出制御装置105、発射制御装置106に分かれる。主制御装置101、図柄制御装置102、ランプ制御装置103、音声制御装置104、払出制御装置105は、CPU,ROM、RAMからなるコンピュータによる制御処理を行う。電源供給装置107は、図外の交流電源から供給されたAC24ボルトをパチンコ遊技機に使用する電圧の直流に変換し、変換した直流や必要な交流を主制御装置101、図柄制御装置102、ランプ制御装置103、音声制御装置104、払出制御装置105、発射制御装置106に供給する。主制御装置101、図柄制御装置102、ランプ制御装置103、音声制御装置104、払出制御装置105、発射制御装置106は、電源供給装置107から供給されたDC5ボルトの電力によって起動する。店管理装置108は、パチンコ遊技機が設置される遊技店の店営業を管理するホールコンピュータと呼ばれる管理装置であって、店管理装置108の設置される場所の商用電源から変換された直流の電力で起動する。球貸制御装置109は、パチンコ遊技機の横に併設されるCRユニット110に内蔵されており、図外の商用電源から供給されるAC100を直流に変換して起動する。
主制御装置101、図柄制御装置102、ランプ制御装置103、音声制御装置104、払出制御装置105、発射制御装置106、店管理装置108、球貸制御装置109が起動した後、プリペードカード111がCRユニット110のカード挿入口に差し込まれると、CRユニット110のカード読取機構がプリペード111に磁気的に記録された有価情報を読み取って球貸制御装置109に出力する。その後、遊技者が図1の受皿17の前面に設けられた図外の球貸操作釦を操作すると、図外の球貸スイッチが球貸信号を出力する。この出力された球貸信号が払出制御装置105を経由して球貸制御装置109に入力されると、球貸制御装置109が球貸信号に応じた有価情報に基づき上記プリペード111から読み取った有価情報を減算し、その減算信号に基づきCRユニット110のカード書換機構を制御し、カード書換機構が上記CRユニット110のカード挿入口に差し込まれたにプリペードカード111の有価情報を書き換えるとともに、球貸信号に応じた貸球払出信号を払出制御装置105に出力する。これによって、払出制御装置105が球払出装置112を制御し、球払出装置112が図1のタンク7に貯蔵された遊技球を貸球として払い出す。その貸球は、図1の払出口19から受皿17に排出されて貯蔵される。
主制御装置101のROMには、図6の大当たりデータ92、開放維持時間データ93
停止位置検知データ94、特典遊技データ95が記録されている。そして、主制御装置101は、起動した状態において、特定検知器72、始動検知器91、一般入賞検知器113、払出検知器114、エラー検知器115などの各種の検知器からの検知信号が入力されると、それらの入力した信号に対応した制御処理を実行し、その実行結果としての制御信号を図柄制御装置102、ランプ制御装置103、音声制御装置104、払出制御装置105、店管理装置110に出力し、かつ、可変入賞部品駆動源116を制御する。可変入賞部品駆動源116は、図3における昇降駆動機構35のステップモータ75や開閉駆動機構46の電磁ソレノイド64の総称である。始動検知器91からの始動検知信号、外れ検知器72から外れ検知信号、特定検知器73からの特定検知信号が主制御装置101に入力されるのに伴い、主制御装置101が図11のフローチャートに従って可変入賞部品駆動源116を制御する。
外れ検知器72が外れ検知信号を主制御装置101に出力したり、特定検知器73が特定検知信号を主制御装置101に出力したり、一般入賞検知器113が図1の遊技領域を流下する遊技球の一般入賞口28に入賞したことを検知した信号(以下、一般検知信号と称する)を主制御装置101に出力したりするごとに、主制御装置101が賞球払出信号を払出制御装置105に出力する。これによって、払出制御装置105が球払出装置112を制御し、球払出装置112が図1のタンク7に貯蔵された遊技球を賞球として払い出す。その賞球は、図1の払出口19から受皿17に排出されて貯蔵される。払出検知器114が球払出装置112によって賞球または貸球としての遊技球の1個ずつ払い出されたことを検知した信号(以下、払出検知信号と称する)を主制御装置101に出力すると、主制御装置101が入力した払出検知信号に対応して払出個数を計算し、計算した払出個数が主制御装置101のROMに記録された設定払出数に到達すると、主制御装置101が払出停止信号を払出制御装置105に出力し、払出制御装置105が球払出装置112の駆動を停止する。
エラー検知器115は、図1の上扉9の開放されたことを検知する扉開放検知器、磁気を検知する磁気検知器、振動を検知する信号検知器などの総称であって、上扉9の開放されたことを検知した場合、磁気を検知した場合、振動を検知した場合などのうちのいずれか1つを検知した信号(以下、エラー検知信号と称する)を主制御装置101に出力すると、主制御装置101がエラー処理を実行してそれ以降の制御処理を中止しかつエラー報知信号を払出制御装置105や店管理装置108に出力する。これによって、払出制御装置105が球払出装置112の制御を中止し、店管理装置108が遊技機設置設備に付設されたエラー報知器を駆動し、エラー報知器が店員にエラー報知を行う。
図柄制御装置102は、主制御装置101から入力した演出用信号によってVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)117を制御し、VDP117が画像表示器50を駆動する。これよって、画像表示器50が表示画面に遊技演出用の画像を表示する。ランプ制御装置103は、主制御装置101から入力した演出用信号によって盤面関係電飾118や枠扉関係電飾119を駆動する。これによって、盤面関係電飾118や枠扉関係電飾119が光による遊技演出を行う。音声制御装置104は、主制御装置101から入力した演出用信号によってサウンドプロセッサやスピーカなどの音声発生装置120を駆動する。これによって、音声発生装置120が音声による遊技演出を行う。
発射制御装置106は、図柄制御装置102、ランプ制御装置103、音声制御装置104、払出制御装置105、店管理装置108、球貸制御装置109などから独立している。遊技者が発射停止釦121を操作していないことから、図外の発射停止スイッチが発射停止信号を発射制御装置106に出力していない場合、発射制御装置106は発射操作装置18から入力した操作量に応じた発射力で発射駆動装置5を駆動する。これによって、発射駆動装置5が図1の受皿17から遊技機枠1の内部に取り込まれた遊技球を1個ずつ発射する。
このように発射制御装置106が発射駆動装置5を駆動している状態において、遊技者が発射停止釦121を操作し続けると、発射停止スイッチが発射停止信号を発射制御装置106に出力し続け、発射制御装置106が上記発射駆動装置5の駆動を停止する。これよって、上記発射駆動装置5による遊技球の発射が停止される。そして、遊技者が発射停止釦121の操作を中止すると、発射停止スイッチが発射停止信号を発射制御装置106に出力しなくなり、上記発射制御装置106による発射操作装置18の操作に対応した発射駆動装置5の駆動が再開される。図12において、各制御装置に供給なるブロックにおける各制御装置は、図柄制御装置102、ランプ制御装置103、音声制御装置104、払出制御装置105、発射制御装置106のことである。
図13および図14は、発明を実施するための異なる第1の形態を示す。図13および図14では、可変入賞部品30の内部の構造が、最良の形態と異なる。図13および図14において、囲い部32の内部の上部には上側構造体123が設けられる。上側構造体123は、固定的な棚124(以下、固定棚124と称する)と有効口125と外れ口126とを備える。固定棚124は、羽ユニット34が上側の停止位置に停止した場合における開放中の羽片44によって囲い部32の内部に誘導された遊技球を受け取れる位置に設置される。有効口125は、遊技球が固定棚124の上を移動する過程で有効として落下されるように、固定棚124に上下方向への貫通孔として設けられる。外れ口126は、遊技球が固定棚124の上を移動する過程で外れとして容器34の後側つまり遊技盤21の後側に排出されるように、固定棚124と容器34の後壁とにわたり設けられる。よって、上側構造体123は、羽ユニット34が上側の停止位置に停止した場合における開放中の羽片44によって囲い部32の内部に誘導された遊技球が固定棚124の上を前方から後方に移動する過程で有効口125から有効として落下されるのと外れ口125から外れとして遊技盤21の後側に排出されるのといずれかに分けられる構成である。
囲い部32の内部の下部には、下側構造体127が設けられる。下側構造体127は、固定的な棚128(以下、固定棚128と称する)と有効口129とを備える。固定棚128は、上側構造体123から有効として落下された遊技球を受け取れる位置、および、羽ユニット34が下側の停止位置に停止した場合における開放中の羽片44によって囲い部32の内部に誘導された遊技球を受け取れる位置に設置される。有効口129は、遊技球が固定棚128の上を移動する過程で有効として落下されるように、固定棚128に上下方向への貫通孔として設けられる。よって、下側構造体127は、上側構造体123から有効として落下された遊技球が、または、羽ユニット34が下側の停止位置に停止した場合における開放中の羽片44によって囲い部32の内部に誘導された遊技球が固定棚128の上を前方から後方に移動する過程で有効口129から有効として特定入賞口61の側に落下されて特定入賞口61に入賞する構成である。
囲い部32の内部には、突起130が固定棚124と固定棚128との間に設けられる。そして、有効口125から落下した遊技球が突起130に衝突することによって有効口129を外れた位置で固定棚128に受け止められる。
図13において、羽ユニット34が上側の停止位置に停止し、遊技領域23を流下する遊技球が開放中の羽片44に拾われると、当該羽片44が遊技球を可変入賞部品30の囲い部32の外部から開口部33および取入口43を経由させて囲い部32の内部に誘導する。この囲い部32の内部に誘導された遊技球は、矢印X1で示すように、固定棚124の上を横方向に揺れながら前方から後方に移動する過程において、有効口125または外れ口126のいずれかに取り込まれる。外れ口126に取り込まれた遊技球は、遊技盤21の後側に排出される。有効口125に取り込まれた遊技球は、有効口125から落下して突起130に衝突し、矢印X2で示すように、左右に分かれて有効口129を外れた位置で固定棚128に受け止められる。固定棚128に受け止められた遊技球は、固定棚128の上を横方向に揺れながら前方から後方に移動して有効口129に取り込まれる。有効口129に取り込まれた遊技球は、矢印X3で示すように、有効口129から落下して特定入賞口61に取り込まれる。
図14において、羽ユニット34が下側の停止位置に停止し、遊技領域23を流下する遊技球が開放中の羽片44に拾われると、当該羽片44が遊技球を可変入賞部品30の囲い部32の外部から開口部33および取入口43を経由させて囲い部32の内部に誘導する。この囲い部32の内部に誘導された遊技球は、矢印X4で示すように、固定棚128の上を横方向に揺れながら前方から後方に移動して有効口129に取り込まれる。有効口129に取り込まれた遊技球は、矢印X5で示すように、有効口129から落下して特定入賞口61に取り込まれる。
異なる第1の形態によれば、図13に示すように遊技領域23を流下する遊技球が高い位置で開放した羽片44で拾われて上側構造体123に誘導されるよりも、図14に示すように遊技領域23を流下する遊技球が低い位置で開放した羽片44で拾われて下側構造体12に誘導される方が、特定入賞口61に入賞させることができる可能性が高くなるという利点がある。しかも、上側構造体123が遊技球を有効と外れとに分けるのに、動力を使用しない簡単な構造であるという利点がある。
図13および図14に示すように、上側検知器131、外れ検知器132、下側検知器133が設けられ、上側検知器131が上側構造体123で遊技球が有効として分けられたことを検知した信号(以下、上側検知信号と称する)を制御装置90に出力し、外れ検知器132が上側構造体123で遊技球が外れとして分けられたことを検知した信号(以下、外れ信号と称する)を制御装置90に出力し、下側検知器133が下側構造体127で遊技球が有効として落下されることを検知した信号(以下、下側検知信号と称する)を制御装置90に出力し、制御装置90が上側検知信号または下側検知信号に応じた特典遊技に基づき開閉駆動機構46を制御してもよい。
図13および図14には図示をしないが、固定棚128が固定棚124に類似する形状に形成され、有効口129と図外の外れ口が固定棚128に設けられることによって、下側構造体124が遊技球を有効と外れと分ける機能を有してもよい。上記固定棚128に設けられる図外の外れ口は取り込まれた遊技球を容器34の後側つまり遊技盤21の後側に排出するようになっている。
図13および図14には図示をしないが、固定棚128には有効口129だけが設けられ、特定入賞口61を図外の駆動機構によって横方向または前後方向に移動可能とし、有効口129から落下する遊技球が特定入賞口61に入賞する場合と入賞しない場合とが発生するようにしてもよい。この場合、容器34の下部に図外の外れ口を設け、当該外れ口が特定入賞口61に入賞しなかった遊技球を容器34から遊技盤21の後側に排出することは必要である。
図15および図16は、発明を実施するための異なる第2の形態を示す。図15において、遊技盤21の遊技領域23には、始動口29、遊技部品としての飾り部品135、特定入賞口136、アタッカまたは大入賞口と呼ばれる可変入賞部品137などが設けられたことが、最良の形態および異なる第1の形態と異なる。飾り部品135は、図1の可変入賞部品30に類似するものであって、センター飾りと呼ばれ、大まかには、部品本体31、囲い部32、開口部33、羽ユニット34、昇降駆動機構35、中央落下口138、端落下口139を備える。可変入賞部品137には、開閉体140が下縁部に設けられた図外の横方向の羽軸を中心として前後方向に開閉可能に設けられる。そして、開閉体40が図示のように垂直状に閉じることによって取入口141を閉鎖する。その状態から開閉体140が前方に前傾状に開くことによって取入口141を開放する。
図16において、中央検知器143、端検知器144、特定検知器145、可変入賞開閉駆動機構146が新設される。中央検知器143は、遊技球が中央落下口148に入ったことを検出した信号(以下、中央検知信号と称する)を制御装置90に出力する。端検知器144は、遊技球が端落下口149に入ったことを検出した信号(以下、端検知信号と称する)を制御装置90に出力する。特定検知器145は、遊技球が特定入賞口136に入ったことを検出した信号(以下、特定検知信号と称する)を制御装置90に出力する。可変入賞開閉駆動機構146は、制御装置90からの出力信号によって図15の開閉体140を開閉駆動する。
異なる第2の形態によれば、図15において、飾り部品135における羽片44が閉じたまま、羽ユニット34が上下移動を繰り返している状態において、遊技領域23を流下する遊技球が始動口29のいずれか1つに入ると、その遊技球が始動口29に入ったタイミングで羽ユニット34の上下移動つまり昇降駆動が停止し、羽片44が開閉する。つまり、遊技球が始動口29に入るたびに、羽片44が例えば高い位置あるいは中間の位置あるいは低い位置で開閉するように、羽片44が上下方向に異なる位置で開閉する。そして、遊技領域23を流下する上記と異なる遊技球が開放中の羽片44に拾われると、当該羽片44が遊技球を飾り部品135の囲い部32の外部から開口部33および取入口43を経由させて囲い部32の内部に誘導する。囲い部32の内部に入った遊技球が中央落下口138または端落下口139から遊技領域23に排出される。遊技領域23に排出された遊技球が特定入賞口130に入賞すると、可変入賞部品137の開閉体140が開閉する大当たり遊技が開始し、遊技者に有利な遊技状態になる。
図16において、羽片44が取入口43を閉じたまま、羽ユニット34が上下移動を繰り返している状態において、遊技領域23を流下する遊技球が始動口29のいずれか1つに入り、始動検知器91のいずれか1が始動検知信号を制御装置90に出力すると、制御装置90が始動検知信号の入力したタイミングで昇降駆動機構35の駆動を停止しかつ閉駆動機構46を駆動することによって、羽ユニット34の昇降駆動が停止し、羽片44が開閉する。そして、遊技領域23を流下する上記と異なる遊技球が開放中の羽片44に拾われた後に中央落下口138または端落下口139から遊技領域23に排出されて特定入賞口130に入賞すると、特定検知器145が特定検知信号を制御装置90に出力し、制御装置90が大当たりデータ92による大当たり遊技処理を開始して可変入賞開閉駆動機構146を駆動する。これによって、図15の開閉体140が開閉する大当たり遊技が開始し、遊技者に有利な遊技状態になる。大当たり遊技の終了後、制御装置90が開放維持時間データ93や特典遊技データ95または停止位置検知データ94による特典遊技処理を行ってもよい。
1は遊技機枠、2は固定枠、3は可動枠、4はヒンジ、5は発射駆動装置、6は発射口、7はタンク、8は施錠装置、9は上扉、10は窓、11はパネルユニット、12はパネル、13は支持枠、14はヒンジ、15はロック機構、16は下扉、17は受皿、18は発射操作装置、19は払出口、20は欠番、21は遊技盤、22はガイドレール、23は遊技領域、24は発射通路、25は戻り防止弁、26は跳ね返し体、27はアウト口、28は一般入賞口、29は始動口、30は可変入賞部品、31は部品本体、32は囲い部、33は開口部、34は羽ユニット、35は昇降駆動機構、36は容器、37はフランジ、38は取付孔、39は部品逃げ孔、40は固定具、41は欠番、42は昇降体、43は取入口、44は羽片、45は羽軸、46は開閉駆動機構、47は欠番、48は縦ガイド、49は縦壁、50は画像表示器、51は誘導盤、52は回転振分機構、53は隔壁、54は収容室、55は入口、56は回転盤、57は盤軸、58は外れ口、59は有効口、60は外れ連絡口、61は特定入賞口、62は欠番、63は軸受部、64は電磁ソレノイド、65は延設部、66はプランジャ、67はレバー、68は欠番、69はモータ、70は外れ通路、71は特定通路、72は外れ検知器、73は特定検知器、74は欠番、75はステップモータ、76は出力軸、77はねじ機構、78はねじ棒、79はナット、80は軸受部、81は突出壁、82は平歯車、83は平歯車、84は逃げ孔、85は透視孔、87は長孔、88はピン、89は欠番、90は制御装置、91は始動検知器、92は大当たりデータ、93は開放維持時間データ、94は停止位置検知データ、95は特典遊技データ、96は固定的特典データ、97乃至99は択一的特典データ、100は欠番、101は主制御装置、102は図柄制御装置、103はランプ制御装置、104は音声制御装置、105は払出制御装置、106は発射制御装置、107は電源供給装置、108は店管理装置、109は球貸制御装置、110はCRユニット、111はプリペードカード、112は球払出装置、113は一般入賞検知器、114は払出検知器、115はエラー検知器、116は可変入賞部品駆動源、117はVDP、118は盤面関係電飾、119は枠扉関係電飾、120は音声発生装置、121は発射停止釦、122は欠番、123は上側構造体、124は固定棚、125は有効口、126は外れ口、127は下側構造体、128は固定棚、129は有効口、130は突起、131は上側検知器、132は外れ検知器、133は下側検知器、134は欠番、135は飾り部品、136は特定入賞口、137は可変入賞部品、138は中央落下口、139は端落下口、140は開閉体、141は取入口、142は欠番、143は中央検知器、144は端検知器、145は特定検知器、146は可変入賞開閉駆動機構、147乃至150は欠番、151は可変入賞装置、152は囲い部、153は入賞口、154は羽片、155は上段入賞口、156は下段入賞口、157は可変入賞装置、158は囲い部、159は入賞口、160は羽片、161は入賞口、162は入賞口、163は羽片、164は羽片、165は遊技部品、166は案内孔、167は羽片。