JP5026861B2 - 染毛剤 - Google Patents

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Description

本発明は染毛剤に関し、より詳しくは、銀塩及び下記式(I)で表される化合物又はその塩を同時にあるいは別々に含み、優れた染毛性及び染毛堅牢性を有し、毛に与える損傷が少ない染毛剤に関する。
従来、酸化染料を用いた染毛剤が広く知られている。この染毛剤はパラフェニレンジアミンや2,5−ジアミノトルエンなどの酸化染料中間体とアンモニアなどのアルカリとを含有する第1液、及び過酸化水素などの酸化剤を含有する第2液からなる。酸化染料を用いた染毛剤は、酸化染料中間体が毛髪内部まで浸透し、酸化重合することにより毛髪を染めることから染毛力が高く、染毛状態の堅牢性に優れ、シャンプーやリンス、あるいは光による退色が少ないことが知られている。また、過酸化水素水を併用することにより脱色と染毛とを同時に行なうことも可能であり、種々の色調に染毛できるという特徴もある。
しかしながら、酸化染料を用いた染毛剤では染毛処理において用いられるアンモニアなどのアルカリや酸化剤により毛髪の損傷が生じるという問題があり、その損傷によって光沢感や潤いに乏しく、手触りが不自然な毛髪になるという問題があった。アルカリとしてアンモニアを用いた場合には、染毛時に不快臭がするという問題もあった。さらに、酸化染料を用いた染毛剤は種々の色調に染毛できるとはいえ、その色調は鮮やかなものではない。
鮮やかな色調に染毛するための染毛剤として直接染料が提案されている。直接染料は毛髪を鮮やかに染毛できる特徴があるものの、一般にシャンプーやリンス、あるいは光に対して染毛状態の堅牢性が低く、色落ちや色のくすみなどの問題がある。また、直接染料を用いた染毛剤では、染料の毛髪への浸透性を高めるためにアンモニアなどのアルカリを用いることが必要になるが、染毛時の不快臭や染毛処理による毛髪の損傷が生じるという問題がある。さらに、酸化染料を用いた場合と同様に、染毛後の毛髪の光沢感、潤い、手触りが不自然になるという問題があった。
一方、銀塩を用いた染毛剤が知られている(特許文献1〜6)。この染毛剤は銀塩の感光性を利用しており、銀塩を毛髪に塗布した後、自然光や人工の光により銀塩を還元して発色させることにより染毛するが、発色に時間がかかり、発色濃度が低いという問題がある。また、銀塩と還元剤とを用いる染毛剤も知られている(特許文献7〜10)。この染毛剤では発色は速やかに生じるものの、発色濃度が低く、染毛濃度の再現性が低いなどの問題がある。さらに、銀イオンの毛髪への浸透性を高めるためにアンモニアなどのアルカリを用いる場合には、染毛時の不快臭や染毛処理による毛髪の損傷が生じるという問題があり、染毛後の毛髪の光沢感、潤い、手触りが不自然になるという問題もあった。また銀塩が皮膚や衣服に付着した場合、着色汚染を引き起こすという問題があった。
特開2005−60354号公報 特開2005−53889号公報 特開2004−99502号公報 特開2002−348221号公報 ドイツ国特許DE2714753号 国際公開WO2006/011228 特公平7−116016号公報 特開平4−187625号公報 特開昭48−18438号公報 ドイツ国特許DE2806603号 特許第3759120号
本発明の課題は上記の問題を解決した染毛剤を提供することにある。より具体的には、染毛性及び染毛再現性に優れており、シャンプー、リンス、又は光などに対して染毛状態の堅牢性が高く、しかも毛に与える損傷が少なく、皮膚や衣服への着色汚染のない染毛剤を提供することが本発明の課題である。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、カルボン酸銀及びスルホン酸銀からなる群から選ばれる銀塩と一般式(I)で表わされる化合物又はその塩とを組み合わせることにより、染毛性及び染毛再現性に優れ、染毛状態の堅牢性が高く、毛に与える損傷が少なく、皮膚や衣服への着色汚染のない染毛剤を提供できることを見出した。本発明は上記の知見に基づいて完成された。
すなわち、本発明により、染毛剤であって、
(a) カルボン酸銀及びスルホン酸銀からなる群から選ばれる1又は2以上の銀塩、及び
(b)下記の一般式(I):
Figure 0005026861
(式中、X1はアミノ基又は水酸基を示し;X2はアミノ基又は水酸基を示し;R3はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、及びスルホ基からなる群から選ばれる基を示し、(R3)mはm個(mは0〜4の整数を示す)のR3がベンゼン環上に存在することを示し、2以上のR3がベンゼン環上に存在する場合にはそれらのR3は同一でも異なっていてもよく;X1、X2、及びm個のR3から選ばれるいずれか2つの基が結合して環を形成していてもよく;ただし、X1及びX2はベンゼン環に対してパラ位又はオルト位に存在する)で表わされる化合物又はその塩
を同時に又は別々に含む染毛剤が提供される。
上記発明の好ましい態様によれば、上記成分(b)の化合物又はその塩が下記の一般式(II):
Figure 0005026861
(式中、X2、R3、及びmは上記定義と同義であり;X2及びm個のR3から選ばれるいずれか2つの基が結合して環を形成していてもよく;ただし、ベンゼン環上のNH2及びX2はベンゼン環に対してパラ位又はオルト位に存在する)で表される化合物又はその塩である上記の染毛剤;上記成分(b)の化合物又はその塩が下記の一般式(III):
Figure 0005026861
(式中、R3及びmは上記定義と同義であり;R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し;及びm個のR3から選ばれるいずれか2つの基が結合して環を形成していてもよい)で表される化合物又はその塩である上記の染毛剤;上記成分(a)の銀塩が下記の一般式(IV):R1-(COOAg)n(式中、R1はn価の有機基を示し;nは1から3の整数を示す)で表されるカルボン酸銀塩及び下記の一般式(V):R2-(SO3Ag)n(式中、R2はn価の有機基を示し、nは1から3の整数を示す)で表されるスルホン酸銀塩からなる群から選ばれる銀塩である上記の染毛剤;並びに(a)の銀塩が酢酸銀、プロピオン酸銀、及び乳酸銀からなる群から選ばれる1又は2以上の銀塩である上記の染毛剤が提供される。
上記の染毛剤の好ましい態様として、上記成分(a)の銀塩を含む液状のA液、及び上記成分(b)の化合物又はその塩を含む液状のB液の組み合わせを含む染毛剤が提供され、さらに好ましい態様として上記A液を充填した容器及び上記B液を充填した容器を含むキットの形態の染毛剤が提供される。さらに好ましい態様によれば、上記A液における銀塩の含有量が銀の質量として0.01質量%から10質量%である上記染毛剤;上記B液における一般式(I)で表される化合物又はその塩の含有量が0.1質量%から10質量%である上記染毛剤;A液及び/又はB液のpHが8以下である上記染毛剤が提供される。
さらに別の観点からは、本発明により、染毛方法であって、上記成分(a)の銀塩及び上記成分(b)の化合物又はその塩を同時に又は別々に含む染毛剤を毛、好ましくはヒトの毛髪に適用する工程を含む方法が提供される。この発明の好ましい態様によれば、用時に上記成分(a)の銀塩を含むA液と上記成分(b)の化合物又はその塩を含むB液とを混合して毛に適用する工程を含む方法;上記A液を毛に適用した後に上記B液を適用する工程を含む方法;及び上記B液を毛に適用した後に上記A液を適用する工程を含む方法が提供される。さらに好ましい態様によれば、上記B液が上記の化合物又はその塩以外の1以上の還元剤を含む方法が提供される。
本発明の染毛剤は染毛性及び染毛再現性に優れており、シャンプー、リンス、又は光などに対して染毛状態の堅牢性が高く、毛に与える損傷が少なく、皮膚や衣服への着色汚染のないという特徴がある。また、本発明の染毛剤の特に好ましい実施態様においては、上記の特徴に加えて、不快臭がなく、しかも染毛後の手触り感の劣化が少ないという特徴を有する。
本発明に用いられる一般式(I)、(II)、(III)で表わされる化合物について説明する。
X1及びX2はアミノ基又は水酸基を示す。該アミノ基は1個又は2個の置換基を有していてもよく、2個の置換基を有する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよい。好ましい置換基としては、例えばアルキル基、アリール基、アシル基、カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基が挙げられる。特に好ましくはアルキル基、アリール基である。好ましいアルキル基としては、総炭素数が1から12個の直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基、より好ましいアルキル基として総炭素数が1から6個の直鎖状又は分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。該アルキル基は水酸基やアミノ基などの置換基を1又は2以上有していてもよく、好ましくは水酸基を1個有していてもよい。より具体的には、該アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、又はヒドロキシブチル基などを挙げることができ、特に好ましいアルキル基として、メチル基、エチル基、又はヒドロキシエチル基を挙げることができる。該アリール基としては総炭素数が6から12個の単環性又は縮合多環性アリール基を挙げることができ、総炭素数が6から10個のアリール基が特に好ましい。該アリール基はアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基などの置換基を1又は2個以上有していてもよい。より具体的には、該アリール基としてフェニル基、4-メチルフェニル基、4-クロロフェニル基、4-アミノフェニル基などが好ましく、フェニル基又は4-アミノフェニル基が特に好ましい。アシル基としては総炭素数が1から12個のアシル基が好ましく、総炭素数が1から7個のアシル基が特に好ましい。該アシル基としてはアリールカルボニル基又はアルカノイル基のいずれであってもよく、水酸基やアミノ基などの置換基を1又は2個以上有していてもよい。より具体的には、該アシル基としてホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、4-ヒドロキシベンゾイル基、又は4-アミノベンゾイル基が好ましく、アセチル基が特に好ましい。該カルバモイル基としては総炭素数が1から12個のカルバモイル基が好ましく、総炭素数が1から7個のカルバモイル基がより好ましい。該カルバモイル基はアルキル基などの置換基を1又は2個以上有していてもよい。より具体的には該カルバモイル基として無置換のカルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、ピロリジノカルボニル基、又はモルホリノカルボニル基が好ましく、無置換のカルバモイル基、N-メチルカルバモイル基が特に好ましい。該アルコキシカルボニル基としては総炭素数が2から12個のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素数1から7のアルコキシカルボニル基が特に好ましい。該アルコキシカルボニル基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。より具体的には該アルコキシカルボニル基としてメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、又はブトキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基が特に好ましい。
R3はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基を表わす。R3で表わされるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。R3で表わされるアルキル基としては、総炭素数が1から12個の直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基、より好ましくは総炭素数が1から6個の直鎖状、分枝鎖状、又は環状アルキル基を挙げることができる。該アルキル基は水酸基やアミノ基などの置換基を1又は2以上有していてもよく、好ましくは水酸基を1個有していてもよい。より具体的には、該アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、又はシクロヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基が特に好ましい。R3で表わされるアリール基としては、総炭素数が6から12個の単環性又は縮合多環性アリール基を挙げることができ、総炭素数が6から10個のアリール基が特に好ましい。該アリール基はアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基などの置換基を1又は2個以上有していてもよい。より具体的には、該アリール基としてフェニル基、4-メチルフェニル基、4-クロロフェニル基、4-アミノフェニル基が好ましく、フェニル基、4-アミノフェニル基が特に好ましい。R3で表わされるアミノ基は、1個又は2個の置換基を有していてもよい。好ましい置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基が挙げら、具体的には上記X1及びX2が示すアミノ基が置換基を有する場合に説明した置換基と同様である。R3で表わされるアルコキシ基としては、総炭素数が1から12個の直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基が好ましく、総炭素数が1から6個の直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基が特に好ましい。該アルコキシキは水酸基などの置換基を1又は2個以上有していてもよい。該アルコキシキとして、より具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、又はヒドロキシプロピルオキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、又はヒドロキシエトキシ基が特に好ましい。R3で表わされるアルコキシカルボニル基としては、総炭素数が2から12個のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素数が2から6個のアルコキシカルボニル基が特に好ましい。該アルコキシカルボニル基のアルコキシ部分は水酸基などの置換基を1又は2個以上有していてもよい。該アルコキシカルボニル基としては、より具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヒドロキシエトキシカルボニル基、又はヒドロキシプロピルオキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、又はヒドロキシエトキシカルボニル基が特に好ましい。
mは0〜4の整数を表わす。mが0の場合にはR3で表される基がベンゼン環上に存在しないことを意味している。mが2以上の場合にはR3で表される2以上の基は同一でも異なっていてもよい。1個又は2個以上のR3がベンゼン環上に存在する場合、R3の置換位置はベンゼン環上において存在可能な位置であれば特に限定されない。mは0から2の整数が特に好ましい。
X1、X2、及び1又は2以上のR3から選ばれるいずれか2個の基が結合して環を形成していてもよい。mが2以上の整数のときは2個のR3同士が結合して環を形成してもよい。形成される環としては5員又は6員の環が好ましく、形成される環は飽和、部分飽和、又は芳香族のいずれであってもよく、飽和または部分飽和であることが好ましいい。形成される環として、より具体的にはデヒドロピロリジン環、デヒドロピペリジン環、ベンゼン環、シクロヘキサジエン環、又はシクロヘキセン環などが挙げられ、デヒドロピペリジン環、ベンゼン環が特に好ましい。
R4及びR5が示すアルキル基としては、総炭素数が1から12個の直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基、より好ましくは総炭素数が1から6個の直鎖状または分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。該アルキル基は水酸基やアミノ基などの置換基を1又は2以上有していてもよく、好ましくは水酸基を1個有していてもよい。より具体的には、該アルキル基として総メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、又はヒドロキシブチル基が好ましく、メチル基、エチル基、又はヒドロキシエチル基が特に好ましい。R4及R5、及び1又は2以上のR3から選ばれるいずれか2個の基が結合して環を形成していてもよい。形成される環として、より具体的にはピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、ヘキサメチレンイミン環などが挙げられる。
一般式(I)で表わされる化合物又はその塩としては、例えば、パラフェニレンジアミン類、オルトフェニレンジアミン類、パラアミノフェノール類、オルトアミノフェノール類、ハイドロキノン類、及びカテコール類からなる群から選ばれる化合物、又はこれらの塩類が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、又は酢酸塩等が挙げられる。これらのうちパラフェニレンジアミン類が特に好ましい。
一般式(I)に包含される化合物又はその塩の具体例として、例えば、パラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、2-クロロ-パラフェニレンジアミン、N-(2-メトキシエチル)-パラフェニレンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラフェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルアミン、N-フェニル-パラフェニレンジアミン、2,2,3-トリメチル-1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-6-イルアミン、1,3-ビス(N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)アミノ)-2-プロパノール、オルトフェニレンジアミン、4-メチル-オルトフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、3-メチル-4-アミノフェノール、オルトアミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-アセトアミドフェノール、2,4-ジアミノフェノール、ハイドロキノン、2-メチルハイドロキノン、2-スルホハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、没食子酸、3,4-ジアミノ安息香酸、5-アミノサリチル酸、又はこれらの塩が挙げられるが、本発明において成分(b)として用いられる化合物又はその塩はこれらに限定されることはない。また、これらの化合物又はその塩以外にもハロゲン化銀写真感光材料用の現像薬(例えば、4-[N-エチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-メチルアニリン、4-[N-エチル-N-(2-メタンスルホンアミドエチル)アミノ]-2-メチルアニリン、4-(N,N-ジエチルアミノ)-2-メチルアニリン、N,N-ジメチル-パラフェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラフェニレンジアミン等)を用いてもよい。
本発明に用いられる銀塩としては、カルボン酸銀及びスルホン酸銀からなる群から選ばれる銀塩を用いることができ、カルボン酸銀としては上記一般式(IV)で表わされるカルボン酸銀塩が好ましく、スルホン酸銀としては上記一般式(V)で表わされるスルホン酸銀が好ましい。また、カルボン酸銀塩及び/又はスルホン酸銀塩とその他の水溶性銀塩を組み合わせて用いてもよい。その他の水溶性銀塩としては、硝酸銀、又は硫酸銀が挙げられる。塩化銀や臭化銀のようなハロゲン化銀は実質的に水溶性でないため本発明の染毛剤の銀塩として用いることは好ましくなく、これらはハロゲンイオンを含むことから環境に対して影響を及ぼす可能性があるので好ましいものではない。銀アンモン錯体はアンモニアを含むので毛の損傷を引き起こすので好ましくない。
本発明に用いられる銀塩は、銀としての水への溶解度が0.01質量%以上の銀塩が好ましく、該溶解度が0.3質量%以上の銀塩が特に好ましい。本発明の染毛剤の成分(a)を液状形態で調製する場合には、A液中に用いる銀の量は、銀として0.03質量%〜20質量%が好ましく、0.03質量%〜10質量%が特に好ましい。本発明の染毛剤では、A液中の銀塩の濃度を変化させることにより、染毛後の毛の色調を変化させることができる。
一般式(IV)で表されるカルボン酸銀において、R1で表わされるn価の有機基としては、総炭素数が1から20個の有機基が好ましく、さらに好ましくは、総炭素数が1から6個の有機基が好ましく、特に好ましくは総炭素数が2から4個の有機基を用いることができる。nは1〜3が好ましく、nが1又は2であることが特に好ましい。R1で表わされるn価の有機基は脂肪族有機基又は芳香族有機基のいずれであってもよく、好ましくは脂肪族有機基を用いることができる。R1で表わされるn価の有機基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アミド基、カルバモイル基、カルバモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、カルバモイルオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、又はスルホ基などが挙げられ、特に好ましい置換基としては、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、カルバモイル基、アルキルスルファニル基、アルキルスルホニル基、又はスルホ基が挙げられる。
一般式(IV)で表わされるカルボン酸銀を構成する脂肪族カルボン酸として、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、トリフルオロ酢酸、ベヘン酸、乳酸、グリコール酸、レブリン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グリシン、α-アラニン、β-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンフェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン、システイン、シスチン、メチオニン、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、マンデル酸、又はニコチン酸、ピログルタミン酸などが挙げられ、これらのうち酢酸、プロピオン酸、乳酸、グリコール酸、ピログルタミン酸、又はプロリンが特に好ましい。また、一般式(IV)で表されるカルボン酸銀を構成する芳香族カルボン酸として、例えば、安息香酸、サリチル酸、4-ヒドロキシ安息香酸、4-アミノ安息香酸、アントラニル酸、4-アミノ-2-ヒドロキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、又はオルトスルホ安息香酸が好ましい。
一般式(V)で表されるスルホン酸銀において、R2で表わされるn価の有機基は、総炭素数が1から20個の有機基が好ましく、さらに好ましくは、総炭素数が1から7個の有機基が好ましく、特に好ましくは総炭素数が1から4個の有機基が好ましい。nは1〜3が好ましく、nが1又は2であることが特に好ましい。R2で表わされるn価の有機基は脂肪族有機基又は芳香族有機基のいずれであってもよく、好ましくは脂肪族有機基を用いることができる。R2で表わされるn価の有機基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、アリール基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アミド基、カルバモイル基、カルバモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、カルバモイルオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、又はスルホ基などが挙げられ、特に好ましい置換基としては、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、カルバモイル基、アルキルスルファニル基、アルキルスルホニル基、又はスルホ基などが挙げられる。
一般式(V)で表わされるスルホン酸銀を構成する脂肪族スルホン酸として、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、タウリン、ヒドロキシエタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、又は1,4-ブタンジスルホン酸が好ましく、メタンスルホン酸又はエタンスルホン酸が特に好ましい。
一般式(V)で表わされるスルホン酸銀を構成する芳香族スルホン酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、オルタニル酸、メタニル酸、スルファニル酸、オルトスルホ安息香酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸などが好ましい。
本発明の染毛剤の成分(b)には一般式(I)で表される化合物又はその塩のほか、その他の還元剤を配合してもよい。還元剤としては、例えばレダクトン類が挙げられる。レダクトン類は、エチレンジオールの隣にカルボニル基を有する化合物(R"-C(OH)=C(OH)-COR"')及びそれらの類縁体の総称であり、エンジオール型、エナミノール型、エンジアミン型、チオールエノール型、及びエナミン−チオール型のレダクトン類が一般に知られている。本発明の染毛剤の成分(b)としては、水溶性銀塩を還元できるものであれば任意のレダクトン類を用いることができる。レダクトン類には、典型的にはアスコルビン酸やレダクトン酸などが包含され、例えば、米国特許第2,688,549号、特開昭62-237443号後方などに記載されたレダクトン類などを例示することができる。これらのレダクトン類の合成法もよく知られており、例えば野村男次、大村浩久共著「レダクトンの化学」(内田老鶴圃新社1969年)に記載されている。
レダクトン類として好ましい化合物は、下記の一般式(VI):
Figure 0005026861
(式中、Rは水素原子又は水酸基を示し、pは1〜4の整数を示す)で表わされるレダクトン類である。レダクトン類としてはアスコルビン酸が特に好ましい。アスコルビン酸としては、D-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸、又はこれらの混合物を用いることができるが、L-アスコルビン酸が天然物であることから価格面及び安全性の点から特に好ましい。レダクトン類はリチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩などのアルカリ金属塩、あるいはアンモニウム等塩等の形でも使用できる。
その他の還元剤として2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ヒドロキシピリミジン、4,5-ジアミノ-1-(4’-クロロベンジル)ピラゾール等を用いてもよい。
本発明の染毛剤の成分(b)にはカプラーを配合してもよい。カプラーとしては、例えばメタフェニレンジアミン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、ジフェニルアミン、2-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチルアミノ)アニソール、2,4-ジアミノ-5-メチルフェネトール、2,4-ジアミノ-5-(2-ヒドロキシエトキシ)トルエン、2,4-ジメトキシ-1,3-ジアミノベンゼン、2,6-ビス(2-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、2,4-ジアミノ-5-フルオロトルエン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、メタアミノフェノール、2-メチル-5-アミノフェノール、2-メチル-5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2,4-ジクロロ-3-アミノフェノール、2-クロロ-3-アミノ-6-メチルフェノール、2-メチル-4-クロロ-5-アミノフェノール、N-シクロペンチル-メタアミノフェノール、2-メチル-4-メトキシ-5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2-メチル-4-フルオロ-5-アミノフェノール、レゾルシン、フロログルシン、2-メチルレゾルシン、4-クロロレゾルシン、1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、2-イソプロピル-5-メチルフェノール、4-ヒドロキシインドール、5-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、7-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,4-メチレンジオキシフェノール、2-ブロモ-4,5-メチレンジオキシフェノール、3,4-メチレンジオキシアニリン、1-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-メチルアミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジン等、又はそれらの塩が挙げられる。これらのカプラーは2種以上を組み合わせて用いてもよい。カプラーの含有量は特に限定されないが、染毛剤の用時の全質量に対して0.01〜20重量%、特に0.5〜10重量%が好ましい。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)には界面活性剤を配合することができる。界面活性剤の具体例としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が挙げられ、これらの界面活性剤を2種以上組み合わせて用いてもよい。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルピリジニウム等の4級アンモニウム塩類が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリエチレンオキシド類、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル類、ポリエチレンオキシドジエーテル類、ポリエチレンオキシドモノアルケニルエーテル類、ポリエチレンオキシドモノフェニルエーテル類、ポリプロピレンオキシド類、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル類、ポリプロピレンオキシドジアルキルエーテル類、ポリエチレンオキシド脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、グリセリンモノエーテル類(モノステアリルグリセリルエーテル、モノセチルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルエーテル等)、ソルビタン脂肪酸エステル類が挙げられる。これらの中でもポリエチレンオキシド類、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル類、ポリエチレンオキシドジエーテル類、ポリエチレンオキシドモノアルケニルエーテル類、ポリエチレンオキシドモノフェニルエーテル類、ポリプロピレンオキシド類、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル類、ポリプロピレンオキシドジアルキルエーテル類が好ましく、ポリエチレンオキシド類、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル類、ポリエチレンオキシドジエーテル類、ポリエチレンオキシドモノアルケニルエーテル類、ポリプロピレンオキシド類、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル類が特に好ましい。
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの界面活性剤は染毛剤の用時の全質量に対して0.5〜55質量%、望ましくは2〜50質量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)、好ましくは液状形態のA液及び/又はB液には油性成分を配合することもできる。油性成分としては染毛剤の性能を低下させず、染毛剤中に溶解又は分散できるものであればその種類は限定されない。油性成分を配合することにより、染毛後の毛の損傷を抑制することができ、つやや潤いを持たせることが可能である。油性成分としては、例えばシリコーン類、炭化水素、油脂、ロウ類、又は高級脂肪酸等が挙げられる。
シリコーン誘導体としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、又はポリグリセリン変性シリコーン(例えば特開平10-316540号公報、特開2006-69893号公報に記載されているもの)等が挙げられる。
炭化水素としては、例えばスクワラン類、α−オレフィンオリゴマー類、パラフィン類、イソパラフィン類、又はワセリン等が挙げられる。
油脂としては、例えばオリーブ油、ツバキ油、茶実油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、又はナタネ油等が挙げられる。
ロウ類としては、例えばミツロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、又はラノリン等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、又はリノール酸等が挙げられる。
これらの油性成分は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。油性成分の配合量は特に限定されないが、例えば染毛剤の用時の全質量に対して好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.05〜2質量%である。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)、好ましくは液状形態のA液及び/又はB液にはアルコールを添加することができる。アルコールとしては染毛剤の性能を低下させず、染毛剤中に溶解又は分散できるものであればその種類は特に限定されない。アルコールとしては、例えばセタノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、又はヘキサデカノールが挙げられる。これらのアルコールを単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。アルコールの配合量は特に限定されないが、例えば染毛剤の用時の全質量に対して好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.05〜2質量%である。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)には高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては染毛剤の性能を低下させず、染毛剤中に溶解又は分散できるものであればその種類は特に限定されない。高分子化合物としては、例えばカチオン性高分子化合物、両性高分子化合物、アニオン性高分子化合物、又は非イオン性高分子化合物が挙げられる。
カチオン性高分子化合物としては、例えばカチオン化セルロース(例えば、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル)ヒドロキシエチルセルロース)、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体(例えば特公昭58-35640号公報、特公昭60-46158号公報、特開昭58-53996号公報に記載された誘導体)、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩が挙げられる。
アニオン性高分子化合物としては、例えばアクリル酸又はメタクリル酸とその他ビニルモノマーとの共重合高分子、又はカルボキシメチルセルロースが挙げられる。
非イオン性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、寒天、デンプン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリエチレングリコール、又はポリプロピレングリコールが挙げられる。
その他、有用な高分子化合物としては、例えばアラビアガム、カラギーナン、ガラクタン、クインスシードガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、カードラン、ジェランガム、サクシノグルカン、ゼラチン、タマリンドガム、カゼイン等の天然高分子化合物が挙げられる。
これらの高分子化合物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。高分子化合物の配合量は特に限定されないが、例えば染毛剤の用時の全質量に対して0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%である。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)には増粘剤を配合することができる。増粘剤としては、例えばアルギン酸ナトリウム、アラビアガム、架橋されているアクリル酸ポリマー、セルロース誘導体、キサンタンガム、又はベントナイトなどを挙げることができる。これらの増粘剤は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。増粘剤の配合量は特に限定されないが、例えば染毛剤の用時の全質量に対して0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.2質量%〜3質量%が特に好ましい。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)には色調を整える目的で公知の直接染料を添加することができる。公知の直接染料としては、例えば黒色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、青色403号、青色404号、紫色201号、紫色401号、赤色102号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、橙色201号、橙色203号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401号、橙色402号、橙色403号、黄色201号、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色206号、黄色207号、黄色401号、黄色402号、又は黄色403号などが挙げられる。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)にはインドール類やインドリン類等に代表される自動酸化型染料、あるいはニトロ染料や分散染料等の公知の直接染料を添加することもできる。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)には、さらにその他の物質を添加することができる。その他の物質としては染毛剤の性能を低下させず、染毛剤中に溶解又は分散できるものであればその種類は特に限定されない。その他の物質としては、例えばコラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ベンジルオキシエタノール、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、パラベン、又は紫外線吸収剤等が挙げられる。
染毛剤のpHは適切に調整することができる。染毛性の観点から成分(a)及び成分(b)を混合した後、好ましくはA液及びB液を混合した後の液状組成物のpHが2〜11の範囲であることが好ましく、5〜11の範囲であることが特に好ましい。毛の損傷を抑制する観点から、上記液状組成物のpHは10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましく、5〜8の範囲であることが特に好ましい。本発明の染毛剤においてA液のpHは保存安定性の観点から3〜8が好ましく、5〜8の範囲が特に好ましい。本発明の染毛剤においてB液のpHは5〜10が好ましく、5〜9の範囲がさらに好ましく、5〜8の範囲が特に好ましい。染毛剤のpHは無調整でもよいが、適宜のpH調節剤を用いて調節することも好ましい。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)のpHの調節に用いるpH調節剤として、適宜の酸を用いることができる。より具体的には、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、ピロリドンカルボン酸、レブリン酸、フマル酸、コハク酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、マンデル酸、アスパラギン酸、アジピン酸、ニコチン酸等の有機酸、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。これらのうち、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、フマル酸、コハク酸、酪酸、吉草酸、マレイン酸、マンデル酸、アスパラギン酸、又はアジピン酸等の有機酸を用いることが好ましい。これらの酸の塩類(ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)をpH調節剤として用いてもよい。A液の安定性及び毛の損傷抑制の観点からpH調節剤として有機酸を用いることが好ましい。
また、本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)のpHの調節に用いるpH調節剤として、適宜の塩基を用いてもよい。より具体的には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、グアニジン等の有機塩基が挙げられる。これらの塩基の塩(塩酸塩や硫酸塩等)をpH調節剤として用いてもよい。
pH調整剤の含有量は特に限定されないが、例えば染毛剤の用時の全質量に対して0.01質量%から20質量%が好ましく、さらに0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜5質量%が特に好ましい。
本発明の染毛剤の成分(a)、好ましくはA液には、銀塩の安定性を付与するために安定剤を添加してもよい。安定剤としては、例えば硫黄が挙げられる。硫黄の添加量は特に限定されないが、例えば成分(a)の全質量に対して0.01重量%〜1重量%が好ましい。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)には、必要に応じ香料を添加することができる。
本発明の染毛剤は、人または動物の毛、例えば毛髪や体毛、動物の体毛などの染毛のために使用することができ、好ましくはヒトの毛髪の染毛や犬又は猫などのペットの体毛の染毛、特に好ましくはヒトの毛髪の染毛に使用することができる。
本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)は、例えばそれぞれの成分を別々に含む形態、例えばそれぞれの成分を乾燥状態の固形物として別包装形態で提供することができ、あるいは成分(a)及び成分(b)を同時に含む形態、例えば乾燥状態の混合物として提供することもできる。このように本発明の染毛剤を乾燥状態の固形物として提供する場合には、例えば水やエタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、へキシレングリコール、エチルカルビトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はこれらの混合物に成分(a)及び成分(b)、又はそれらの混合物を用時溶解又は懸濁して染毛剤として用いることができる。
また、本発明の染毛剤の成分(a)及び成分(b)を別々に含む液状形態、又はそれらの混合物を含む液状形態で提供することもできる。本明細書において「A液」とは成分(a)を含む液状物を意味しており、「B液」とは成分(b)を含む液状物を意味している。本明細書において「液状形態」とは固体又は気体以外の状態を意味するが、例えば、溶液状、懸濁液状、乳液状、クリーム状、フォーム状、ゲル状、又はペースト状などを例示することができる。液状形態の染毛剤を提供するための溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、水、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、へキシレングリコール、エチルカルビトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを用いることができる。これらの溶媒を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。水を単独で用いるか、又は水と上記有機溶媒との混合物を用いることが好ましい。これらの形態のうち好ましいのは溶液状形態であり、成分(a)及び成分(b)をそれぞれ別の溶液形態として異なる容器に充填した形態で提供することが特に好ましい。もっとも、本発明の染毛剤は染毛を行うために好適な任意の形態として調製することができ、例えば本発明の染毛剤の成分(a)及び/又は成分(b)、あるいはそれらの混合物を推進剤とともエアロゾル容器内に加圧下で封入した形態などで提供することもできる。
本発明の染毛剤を用いて染毛を行う場合、成分(a)及び成分(b)の適用順序は特に限定されず、任意の順序で適用することができる。例えば、液状のA液及びB液を用いて染毛を行う場合、A液を毛に適用した後にB液を適用してもよく、又は染毛剤B液を毛に適用後にA液を適用してもよい。あるいは、使用直前に染剤組成物A液とB液とを混合して得られた混合物を適用してもよい。これらのうち、A液を適用した後にB液を適用する方法、あるいは使用直前に染剤組成物A液とB液とを混合して適用する方法が好ましい。A液を適用した後にB液を適用する方法が特に好ましい。A液を適用した後、しばらく放置した後にB液を適用し、さらにしばらく放置してもよい。放置時間は特に限定されないが、例えば0〜30分が好ましく、5〜20分が特に好ましい。同様に、染毛剤B液を適用した後にしばらく放置してからA液を適用し、さらにしばらく放置してもよい。放置時間は特に限定されないが、例えば0〜30分が好ましく、5〜20分が特に好ましい。染毛処理は例えば0℃〜40℃程度の温度で行うことができる。A液及びB液の使用量は特に限定されないが、両者の容量比として3/1〜1/3の範囲が好ましい。A液及び/又はB液、あるいはそれらの混合物の適用方法は特に限定されず、毛に該液剤を塗布するか、あるいは毛を該液剤中に浸漬するなどの任意の方法を採用することができる。本発明の染毛剤を用いた染毛方法においては、染毛後、シャンプー及び/又はリンスを用いて処理することができる。その後、必要に応じて乾燥することが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例により限定されることはない。
例1
乳酸銀・0.5水和物0.106gを量り取り、イオン交換水を加えて12.0gとし、撹拌溶解して染毛剤のA液を得た(銀として0.46質量%)。A液のpHは7であった。パラフェニレンジアミン0.559gとプロピレングリコール0.38gを量り取り、イオン交換水を加えて60.0gとし、撹拌溶解して染毛剤のB液を得た(パラフェニレンジアミン濃度0.93質量%)。B液のpHは9.18であった。白色ヤギ毛に上記で得たA液を塗布した後、30℃で20分間放置した。このヤギ毛に、上記で得たB液を塗布した後、30℃で20分間放置し、温水で洗浄し、ドライヤーを用いて乾燥した。染毛後のヤギ毛を色彩色差計(CR-400 コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて染毛濃度(△E)を測定した。また、手触りによって染毛後のヤギ毛の損傷を評価した。
例2
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりに酢酸銀0.088gを用いた以外は例1と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%。)。
例3
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりにメタンスルホン酸銀0.104gを用いた以外は例1と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%)。
例4
パラフェニレンジアミン0.559gの代わりにオルトフェニレンジアミン0.557gを用いた以外は例1と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(パラフェニレンジアミン濃度0.93質量%)。B液のpHは8.33であった。
例5
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりに酢酸銀0.088gを、パラフェニレンジアミン0.559gの代わりにオルトフェニレンジアミン0.557gを用いた以外は例1と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%)。
例6
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりにメタンスルホン酸銀0.104gを、パラフェニレンジアミン0.559gの代わりにオルトフェニレンジアミン0.557gを用いた以外は例1と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%)。
例7
乳酸銀・0.5水和物0.106gを量り取り、イオン交換水を加えて12.0gとし、撹拌溶解して染毛剤のA液を得た(銀として0.46質量%)。A液のpHは7であった。2-スルホハイドロキノンカリウム塩0.589gを量り取り、1N 水酸化ナトリウム水溶液1.1mLを加え、さらにイオン交換水を加えて30.0gとし、撹拌溶解して染毛剤のB液を得た。B液のpHは9.53であった。白色ヤギ毛に上記で得たA液を塗布した後、30℃で20分間放置した。このヤギ毛に、上記で得たB液を塗布した後、30℃で20分間放置し、40℃の流水で洗浄し、ドライヤーを用いて乾燥した。染毛後のヤギ毛を色彩色差計(CR-400 コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて染毛濃度(△E)を測定した。また、手触りによって、染毛後のヤギ毛の損傷を評価した。
例8
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりに酢酸銀0.088gを用いた以外は例7と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%)。
例9
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりにメタンスルホン酸銀0.104gを用いた以外は例7と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%)。
比較例1
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりに塩化銀0.075gを用いた以外は例1と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%)。ただし、このとき塩化銀は殆ど溶解しなかった。
比較例2
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりに硝酸銀0.88gと28%アンモニア水0.55mLを用いた以外は例1と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%。A液のpHは10であった。A液中では銀アンモン錯塩が生成していた。B液のpHは9.47であった。)。染毛に際し、A液を塗布するときに不快臭がした。
比較例3
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりに塩化銀0.075gを、パラフェニレンジアミン0.559gの代わりにオルトフェニレンジアミン0.557gを用いた以外は例1と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%)。ただし、このとき、塩化銀は殆ど溶解しなかった。
比較例4
乳酸銀・0.5水和物0.106gの代わりに硝酸銀0.88gと28%アンモニア水0.55mLを、パラフェニレンジアミン0.559gの代わりにオルトフェニレンジアミン0.557gを用いた以外は例1と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った(A液の濃度は銀として0.46質量%。)。染毛に際し、A液を塗布するときに不快臭がした。
評価結果を以下の表1に示す。これらの結果から、本発明の染毛剤は、高い染毛性を有しており、本発明の染毛剤を用いた場合には毛の損傷も小さいことが分かる。これに対して、実質的に水溶性でないハロゲン化銀を用いた場合には染毛ができず、また、銀アンモン錯塩を用いた場合には染毛時に不快臭が発生し、さらに毛の損傷が起きることが分かった。なお、表中のHQ-SKは2-スルホハイドロキノンカリウム塩を表わす。
Figure 0005026861
例10
乳酸銀・0.5水和物0.013gを量り取り、イオン交換水を加えて12.0gとし、撹拌溶解して染毛剤のA液を得た。パラフェニレンジアミン1.282gを量り取り、イオン交換水を加えて52.0gとし、撹拌溶解して本発明の染毛剤B液を得た。白色ヤギ毛に上記で得たA液を塗布した後、30℃で20分間放置した。このヤギ毛に、上記で得たB液を塗布した後、30℃で20分間放置し、温水で洗浄し、ドライヤーを用いて乾燥した。染毛後のヤギ毛を色彩色差計(CR-400 コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて染毛濃度(△E)を測定した。また、手触りと櫛どおりによって染毛後のヤギ毛の損傷を評価した。
例11
乳酸銀・0.5水和物0.013gの代わりに乳酸銀・0.5水和物0.06gを用いた以外は例10と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った。
例12
乳酸銀・0.5水和物0.013gの代わりに乳酸銀・0.5水和物0.108gを用いた以外は例10と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った。
例13
乳酸銀・0.5水和物0.013gの代わりに乳酸銀・0.5水和物0.380gを用いた以外は例10と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛して評価を行った。
評価結果を以下に示す。本発明の染毛剤において、銀塩濃度を調整することにより、灰色から黒色の色調、種々の濃度が表現できることがわかる。
Figure 0005026861
例14
硝酸銀0.0878gおよびグリコール酸ナトリウム0.0517gを量り取り、これにイオン交換水を加えて12.0gにした。撹拌溶解し、本発明の染毛剤組成物A液を得た(銀として0.46質量%)。パラフェニレンジアミン0.559gとプロピレングリコール0.38gを量り取り、イオン交換水を加えて60.0gとし、撹拌溶解して染毛剤のB液を得た(パラフェニレンジアミン濃度0.93質量%)。B液のpHは9.18であった。白色ヤギ毛に上記で得たA液を塗布した後、20分間放置した。このヤギ毛に、上記で得たB液を塗布した後、20分間放置し、温水で洗浄し、ドライヤーを用いて乾燥した。染毛後のヤギ毛を色彩色差計(CR-400 コニカミノルタセンシング(株)製)を用いて染毛濃度(△E)を測定した。
例15
硝酸銀0.4276gおよびプロリン0.2883gの混合物を量り取り、これにイオン交換水を加えて25.0gにした。撹拌溶解し、本発明の染毛剤組成物A液を得た(銀として1.08質量%)。白色ヤギ毛に上記で得たA液を塗布した後、20分間放置した。このヤギ毛に、例14で得た染毛剤B液を塗布した後、20分間放置し、温水で洗浄し、ドライヤーを用いて乾燥した。染毛後のヤギ毛を色彩色差計(CR-400 コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて染毛濃度(△E)を測定した。
例16
硝酸銀0.4276gとプロリン0.2883gの混合物の代わりに、硝酸銀0.4279gとDL-ピログルタミン酸0.3237g、水酸化ナトリウム0.1014gの混合物を用いた以外は、実施例15と同様の操作を行ない、ヤギ毛を染毛し、評価した(A液の濃度は銀として1.08質量%)。
結果を以下の表3に示す。本発明のグリコール酸銀、プロリン銀塩、ピログルタミン酸銀塩を用いた染毛剤は高い染毛濃度が得られることがわかった。
Figure 0005026861
例17
剃毛したラットの皮膚に、例1で得た染毛剤のA液を0.5mL乗せた。これを室内蛍光灯下に10分放置し、その濃度を目視で確認した。その結果、茶色く発色したことを確認した。その後、石鹸を用いて洗浄した。茶色の着色はほぼなくなった。
例18
例1で得た染毛剤のA液の代わりに、例2で得た染毛剤のA液を用いた以外は例17と同様の操作を行なった。蛍光灯下10分の放置で若干、茶色く発色していることを確認した。石鹸洗浄後、茶色の着色はなくなった。
比較例5
硝酸銀0.161gを量り取り、イオン交換水を加えて22.0gとし、撹拌溶解して染毛剤のA液を得た(銀として0.46質量%)。例1で得た染毛剤のA液の代わりに、上記A液を用いた以外は例17と同様の操作を行なった。蛍光灯下10分の放置で黒く発色していることを確認した。石鹸洗浄後も着色は落ちなかった。
比較例6
硫酸銀0.148gを量り取り、イオン交換水を加えて22.0gとし、撹拌溶解して染毛剤のA液を得た(銀として0.46質量%)。例1で得た染毛剤のA液の代わりに、上記A液を用いた以外は例17と同様の操作を行なった。蛍光灯下10分の放置で茶色く発色していることを確認した。石鹸洗浄後も着色は落ちなかった。
以上の結果より、本発明の染毛剤は毛に対し高い染毛性を有しているが皮膚への染着性が低いことがわかる。これに対して、硫酸銀、硝酸銀を用いた場合には、皮膚への染着性が大きく、着色汚染を引き起こすことが分かった。

Claims (11)

  1. 染毛剤であって、
    (a)カルボン酸銀及びスルホン酸銀からなる群から選ばれる1又は2以上の銀塩、及び
    (b)下記の一般式(I):
    Figure 0005026861
    (式中、X1はアミノ基又は水酸基を示し;X2はアミノ基又は水酸基を示し;R3はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、及びスルホ基からなる群から選ばれる基を示し、(R3)mはm個(mは0〜4の整数を示す)のR3がベンゼン環上に存在することを示し、2以上のR3がベンゼン環上に存在する場合にはそれらのR3は同一でも異なっていてもよく;X1、X2、及びm個のR3から選ばれるいずれか2つの基が結合して環を形成していてもよく;ただし、X1及びX2はベンゼン環に対してパラ位又はオルト位に存在する)で表わされる化合物又はその塩
    を同時に又は別々に含む染毛剤(但し、染毛剤はアンモニアを含まない)
  2. 上記成分(b)の化合物又はその塩が下記の一般式(II):
    Figure 0005026861
    (式中、X2、R3、及びmは上記定義と同義であり;X2及びm個のR3から選ばれるいずれか2つの基が結合して環を形成していてもよく;ただし、ベンゼン環上のNH2及びX2はベンゼン環に対してパラ位又はオルト位に存在する)で表される化合物又はその塩である請求項1に記載の染毛剤。
  3. 上記成分(b)の化合物又はその塩が下記の一般式(III):
    Figure 0005026861
    (式中、R3及びmは上記定義と同義であり;R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し;及びm個のR3から選ばれるいずれか2つの基が結合して環を形成していてもよい)で表される化合物又はその塩である請求項1に記載の染毛剤。
  4. 上記成分(a)の銀塩が下記の一般式(IV):R1-(COOAg)n(式中、R1はn価の有機基を示し;nは1から3の整数を示す)で表されるカルボン酸銀塩及び下記の一般式(V):R2-(SO3Ag)n(式中、R2はn価の有機基を示し、nは1から3の整数を示す)で表されるスルホン酸銀塩からなる群から選ばれる銀塩である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の染毛剤。
  5. 上記成分(a)の銀塩が酢酸銀、プロピオン酸銀、及び乳酸銀からなる群から選ばれる1又は2以上の銀塩である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の染毛剤。
  6. 上記成分(a)の銀塩を含むA液、及び上記成分(b)の化合物又はその塩を含むB液の2液からなる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の染毛剤。
  7. 上記A液における銀塩の含有量が銀の質量としてA液全質量に対して0.01質量%から10質量%である請求項6に記載の染毛剤。
  8. 上記B液における一般式(I)で表される化合物又はその塩の含有量がB液全質量に対して0.1質量%から10質量%である請求項6又は7に記載の染毛剤。
  9. 上記A液及び/又はB液のpHが5〜8の範囲である請求項6ないし8のいずれか1項に記載の染毛剤。
  10. 染毛方法であって、請求項1に記載の染毛剤を毛に適用する工程を含む方法。
  11. 上記成分(a)を含むA液を毛に適用した後に上記成分(b)を含むB液を該毛に適用する工程を含む請求項10に記載の方法。
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