JP2004099502A - 染毛料 - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡便に染毛できるようにする。
【解決手段】流動パラフィンにポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E・O),ポリオキシエチレンステアリルエーテル(5E・O),モノステアリン酸ソルビタンなどの乳化剤(界面活性剤)を用い、プロピレングリコール,メチルパラベン,精製水など水溶成分に乳化し、また、ホウ酸によりサラシミツロウを加水分解し、これらを混ぜ合わせて乳状液とし、これに、乳酸銀水溶液を加える。
【解決手段】流動パラフィンにポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E・O),ポリオキシエチレンステアリルエーテル(5E・O),モノステアリン酸ソルビタンなどの乳化剤(界面活性剤)を用い、プロピレングリコール,メチルパラベン,精製水など水溶成分に乳化し、また、ホウ酸によりサラシミツロウを加水分解し、これらを混ぜ合わせて乳状液とし、これに、乳酸銀水溶液を加える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容易に染毛ができる染毛料に関する。
【0002】
【従来の技術】
頭髪を染めるものとして、まず、カラースプレーやカラースティックなどと称される一時的に着色する一時染毛料がある。また、ヘアマニキュア,カラーリンス,カラートリートメントといわれる毛髪のタンパク質と酸性染料とのイオン結合を利用した半永久染毛料や、ヘアカラー,ヘアダイ,白髪染めに代表される酸化染毛剤などがある。最近では、染めた色の高い耐久性などにより、酸化染毛剤が好まれる傾向にある。
【0003】
この酸化染毛剤は、例えば、パラフェニレンジアミンやトルエン−2.5−ジアミンなどの酸化染料に、アンモニアなどのアルカリ剤を加えた第1液と、過酸化水素などの酸化剤からなる第2液とから構成されている。使用にあたっては、毛髪を染めようとする直前に上記2つの液を混合し、混合した液を毛髪に塗布する。酸化染毛剤による染毛では、毛髪中に浸透した酸化染料が、加えられた酸化剤により酸化重合し、酸化重合により不溶性色素が生成され、生成された不溶性色素が毛髪中に定着することにより、毛髪に染色が行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−175830号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した酸化染毛剤は、使用直前に2液を混合する必要があるため、手間がかかり、またアンモニア臭があるなどの問題があった。また、ジアミン系物質やこの重合体などからなる酸化染料は、発ガン性や肝臓障害、また、胎児への影響など、人体の健康面への影響や、アルカリや酸化反応などによる毛髪の傷みなどが指摘されている。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より簡便に染毛できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る染毛料は、水分を有する基質材料と、この基質材料に混合された水溶性の銀塩とから構成されたものである。
この染毛料は、紫外線の照射などにより還元されて金属銀を析出する銀塩が、水溶液の状態で含まれている。
【0008】
上記染毛料において、基質材料は、例えば、水溶性成分に油成分が乳化された乳状液であり、また、所定の分散媒体中に高分子材料が分散したゲルであればよく、また、基質材料は、水溶液であってもよい。
また、上記染毛料において、銀塩は、乳酸銀,硝酸銀,フッ化銀のいずれかであればよく、また、銀塩は、銀の錯イオンであってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の染毛剤は、乳液状とした基質材料に、水溶性の銀塩である乳酸銀を溶解させたものである。
以下、本実施の形態の染毛剤について、より詳細に説明する。
本実施の形態の染毛剤は、以下のAに示す各成分にBに示す各成分を加えて乳液を作製し、これに乳酸銀水溶液を加えて製造したものである。
【0010】
A)
サラシミツロウ 2.5kg
流動パラフィン(355秒) 40.0kg
ホ゜リオキシエチレンステアリルエーテル(20E・O) 1.5kg
ホ゜リオキシエチレンステアリルエーテル( 5E・O) 3.5kg
モノステアリン酸ソルビタン 1.3kg
自己乳化型モノステアリン酸ク゛リセリン 0.5kg
【0011】
B)
ホウ酸 0.3kg
プロピレングリコール 3.0kg
メチルパラベン 0.5kg
精製水 47.4kg
【0012】
これらの混合においては、まず、上記Aの各成分を混合し(混合成分A)、これを80℃に加熱し、同様に、上記Bの各成分を混合し(混合成分B)、これを80℃に加熱し、混合成分Aに混合成分Bを少量ずつ添加しながらこれらを激しく攪拌した。混合成分Aに混合成分Bを全て加えて混ぜ合わせた後、この混合体の温度を徐々に低下させて45℃とし、これに乳酸銀水溶液を徐々に加えた。乳酸銀水溶液は、1.5kgの乳酸銀を5kgの水に溶解した水溶液であり、この水溶液作製や上述した乳酸銀水溶液の添加は、ほぼ光が遮断された環境で行い、乳酸銀が還元されて金属銀が析出しないようにした。
【0013】
なお、上述の組み合わせでは、流動パラフィンは油成分であり、これらにポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E・O),ポリオキシエチレンステアリルエーテル(5E・O),モノステアリン酸ソルビタンなどの乳化剤(界面活性剤)を用い、プロピレングリコール,メチルパラベン,精製水など水溶成分に乳化している。また、ホウ酸によりサラシミツロウを加水分解している。これらを混ぜ合わせて乳状液とし、基質材料としてO/W型のヘアクリームを作製した。基質材料を乳状液とすることで、頭髪にたいして塗布しやすいものとした。また、上記基質材料は、水溶性を備えているので、水溶性の銀塩を溶解させることが可能となる。
【0014】
上述したことにより製造した本実施の形態の染毛料を頭髪に塗布し、通常の生活環境において日光に晒して1日放置した後、洗髪したところ、頭髪はカッパーブラウンに染色された状態となっていた。この後、毎日洗髪して20日経た後でも、頭髪の染色状態に変化は確認されなかった。このように、本実施の形態の染毛料によれば、これを塗布して放置するだけで、染毛することができる。従って、使用直前に2液を混合するなどの必要がないなど、簡便に染毛ができる。またアンモニア臭もく、人体の健康面への影響や、アルカリや酸化反応などによる毛髪の傷みなどもない。
【0015】
ここで、上述したように水溶性の銀塩が混合された本発明の染毛料における染毛作用について説明する。
本発明の染毛料は、例えば、乳酸銀,硝酸銀,フッ化銀,またはチオ硫酸ナトリウム水溶液にハロゲン化銀を加えてできる銀の錯イオンなどの水溶性銀塩を、ヘアクリームなどの水分を有する基質材料に混合したものである。
【0016】
このような染毛料を毛髪に塗布し、この状態で毛髪を日光(紫外線)に晒すと、染毛料中の銀塩が光により還元されて金属銀が析出し、析出した金属銀が毛髪に付着する。このように金属銀が析出して毛髪に付着することで、毛髪が染毛される。析出して毛髪に付着した金属銀の一部は、毛髪中のイオウと反応して黒色の硫化銀に変化することも予想される。
【0017】
本発明の染毛料は、毛髪を染色するもととなる銀を、水溶性の銀塩として混合してあり、水溶性の銀塩の状態で頭髪に塗布するものとした。この結果、本発明の染毛料によれば、毛髪内部にまで銀が浸透しやすい状態となっており、毛髪表面に着色する場合に比較し、色が定着しやすいものとなっている。また、ジアミンや鉛などを含むことが無く、毛髪などに損傷を与えることもない。
【0018】
上述した本発明の染毛料によれば、染毛料が塗布された段階の毛髪は、染色された状態とはなっていないが、染毛料中の銀塩が還元された金属銀として析出した段階で、毛髪が染色された状態となる。本発明の染毛料では、染毛料の水素イオン濃度(pH)により染色状態の色調を変化させることができる。例えば、上記染毛料をアルカリ性にすると、染色された毛髪の色には赤みが増加し、上記染毛料を酸性にすると、染色された毛髪の色には黒みが増加する。
【0019】
<実施の形態2>
つぎに、本発明の他の実施の形態について説明する。
本実施の形態の染毛剤は、所定の分散媒体中に高分子材料が分散しているゲルとした基質材料に、水溶性の銀塩である硝酸銀を溶解させたものである。
以下、本実施の形態の染毛剤について、より詳細に説明する。
本実施の形態の染毛剤は、以下のCに示す各成分を混合することでゲルを作製し、これに硝酸銀水溶液を加えて製造したものである。
【0020】
C)
カルボキシビニルポリマー 0.5kg
ホ゜リヒ゛ニルヒ゜ロリト゛ン誘導体四級アンモニウム塩 0.5kg
トリイソプロパノールアミン 0.8kg
エタノール 14.0kg
ホ゜リオキシエチレンラウリルエーテル(23E・O) 0.8kg
エチルパラベン 0.5kg
精製水 82.9kg
【0021】
これらの混合においては、まず、80メッシュの篩を通し、精製水の中にカルボキシビニルポリマーを少量ずつ加え、攪拌しながら溶解させる。カルボキシビニルポリマーを溶解させた後、攪拌しながら他の成分を加え、透明なゲルを得る。得られたゲルに、攪拌しながら硝酸銀水溶液を少量ずつ加え、わずかに褐色に着色した透明ゲルを得る。硝酸銀水溶液は、1.0kgの硝酸銀を3kgの水に溶解したものである。
【0022】
上述したことにより製造した本実施の形態の染毛料を頭髪に塗布し、通常の生活環境において2日放置し、洗髪したところ、頭髪はアッシュブラウンに染色された状態となっていた。この後、毎日洗髪して30日経た後でも、頭髪の染色状態に変化は確認されなかった。このように、本実施の形態の染毛料によれば、これを塗布して放置するだけで、染毛することができる。従って、使用直前に2液を混合するなどの必要がないなど、簡便に染毛ができる。またアンモニア臭もく、人体の健康面への影響や、アルカリや酸化反応などによる毛髪の傷みなどもない。
【0023】
なお、上述した実施の形態では、銀塩として乳酸銀,硝酸銀を用いる事例について説明したが、これらに限るものではなく、フッ化銀あるいは銀の錯イオンなどの他の形態の水溶性の銀塩を用いるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、基質材料として、乳状液やゲルなどを用いるようにしたが、これに限るものではなく、所定の香料などが溶解した水溶液を基質材料として用いてもよく。基質材料として乳状液を用いた場合、一般にヘアクリームと称されるものとなり、基質材料としてゲルを用いた場合、一般にヘアジェルと称されるものとなる。また、基質材料として水溶液を用いた場合、ヘアローションと称されるものとなり、基質材料に粘度の高い乳化物を用いた場合、ヘアワックスと称されるものとなる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、染毛料に、紫外線の照射などにより還元されて金属銀を析出する銀塩が、水溶性の状態で含まれているようにしたので、上記染毛料を頭髪に塗布するだけで染毛が可能となっている。このように、本発明によれば、使用直前に2液を混合するなどの必要がないなど、簡便に染毛ができる。またアンモニア臭もく、人体の健康面への影響や、アルカリや酸化反応などによる毛髪の傷みなどもない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、容易に染毛ができる染毛料に関する。
【0002】
【従来の技術】
頭髪を染めるものとして、まず、カラースプレーやカラースティックなどと称される一時的に着色する一時染毛料がある。また、ヘアマニキュア,カラーリンス,カラートリートメントといわれる毛髪のタンパク質と酸性染料とのイオン結合を利用した半永久染毛料や、ヘアカラー,ヘアダイ,白髪染めに代表される酸化染毛剤などがある。最近では、染めた色の高い耐久性などにより、酸化染毛剤が好まれる傾向にある。
【0003】
この酸化染毛剤は、例えば、パラフェニレンジアミンやトルエン−2.5−ジアミンなどの酸化染料に、アンモニアなどのアルカリ剤を加えた第1液と、過酸化水素などの酸化剤からなる第2液とから構成されている。使用にあたっては、毛髪を染めようとする直前に上記2つの液を混合し、混合した液を毛髪に塗布する。酸化染毛剤による染毛では、毛髪中に浸透した酸化染料が、加えられた酸化剤により酸化重合し、酸化重合により不溶性色素が生成され、生成された不溶性色素が毛髪中に定着することにより、毛髪に染色が行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−175830号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した酸化染毛剤は、使用直前に2液を混合する必要があるため、手間がかかり、またアンモニア臭があるなどの問題があった。また、ジアミン系物質やこの重合体などからなる酸化染料は、発ガン性や肝臓障害、また、胎児への影響など、人体の健康面への影響や、アルカリや酸化反応などによる毛髪の傷みなどが指摘されている。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より簡便に染毛できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る染毛料は、水分を有する基質材料と、この基質材料に混合された水溶性の銀塩とから構成されたものである。
この染毛料は、紫外線の照射などにより還元されて金属銀を析出する銀塩が、水溶液の状態で含まれている。
【0008】
上記染毛料において、基質材料は、例えば、水溶性成分に油成分が乳化された乳状液であり、また、所定の分散媒体中に高分子材料が分散したゲルであればよく、また、基質材料は、水溶液であってもよい。
また、上記染毛料において、銀塩は、乳酸銀,硝酸銀,フッ化銀のいずれかであればよく、また、銀塩は、銀の錯イオンであってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の染毛剤は、乳液状とした基質材料に、水溶性の銀塩である乳酸銀を溶解させたものである。
以下、本実施の形態の染毛剤について、より詳細に説明する。
本実施の形態の染毛剤は、以下のAに示す各成分にBに示す各成分を加えて乳液を作製し、これに乳酸銀水溶液を加えて製造したものである。
【0010】
A)
サラシミツロウ 2.5kg
流動パラフィン(355秒) 40.0kg
ホ゜リオキシエチレンステアリルエーテル(20E・O) 1.5kg
ホ゜リオキシエチレンステアリルエーテル( 5E・O) 3.5kg
モノステアリン酸ソルビタン 1.3kg
自己乳化型モノステアリン酸ク゛リセリン 0.5kg
【0011】
B)
ホウ酸 0.3kg
プロピレングリコール 3.0kg
メチルパラベン 0.5kg
精製水 47.4kg
【0012】
これらの混合においては、まず、上記Aの各成分を混合し(混合成分A)、これを80℃に加熱し、同様に、上記Bの各成分を混合し(混合成分B)、これを80℃に加熱し、混合成分Aに混合成分Bを少量ずつ添加しながらこれらを激しく攪拌した。混合成分Aに混合成分Bを全て加えて混ぜ合わせた後、この混合体の温度を徐々に低下させて45℃とし、これに乳酸銀水溶液を徐々に加えた。乳酸銀水溶液は、1.5kgの乳酸銀を5kgの水に溶解した水溶液であり、この水溶液作製や上述した乳酸銀水溶液の添加は、ほぼ光が遮断された環境で行い、乳酸銀が還元されて金属銀が析出しないようにした。
【0013】
なお、上述の組み合わせでは、流動パラフィンは油成分であり、これらにポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E・O),ポリオキシエチレンステアリルエーテル(5E・O),モノステアリン酸ソルビタンなどの乳化剤(界面活性剤)を用い、プロピレングリコール,メチルパラベン,精製水など水溶成分に乳化している。また、ホウ酸によりサラシミツロウを加水分解している。これらを混ぜ合わせて乳状液とし、基質材料としてO/W型のヘアクリームを作製した。基質材料を乳状液とすることで、頭髪にたいして塗布しやすいものとした。また、上記基質材料は、水溶性を備えているので、水溶性の銀塩を溶解させることが可能となる。
【0014】
上述したことにより製造した本実施の形態の染毛料を頭髪に塗布し、通常の生活環境において日光に晒して1日放置した後、洗髪したところ、頭髪はカッパーブラウンに染色された状態となっていた。この後、毎日洗髪して20日経た後でも、頭髪の染色状態に変化は確認されなかった。このように、本実施の形態の染毛料によれば、これを塗布して放置するだけで、染毛することができる。従って、使用直前に2液を混合するなどの必要がないなど、簡便に染毛ができる。またアンモニア臭もく、人体の健康面への影響や、アルカリや酸化反応などによる毛髪の傷みなどもない。
【0015】
ここで、上述したように水溶性の銀塩が混合された本発明の染毛料における染毛作用について説明する。
本発明の染毛料は、例えば、乳酸銀,硝酸銀,フッ化銀,またはチオ硫酸ナトリウム水溶液にハロゲン化銀を加えてできる銀の錯イオンなどの水溶性銀塩を、ヘアクリームなどの水分を有する基質材料に混合したものである。
【0016】
このような染毛料を毛髪に塗布し、この状態で毛髪を日光(紫外線)に晒すと、染毛料中の銀塩が光により還元されて金属銀が析出し、析出した金属銀が毛髪に付着する。このように金属銀が析出して毛髪に付着することで、毛髪が染毛される。析出して毛髪に付着した金属銀の一部は、毛髪中のイオウと反応して黒色の硫化銀に変化することも予想される。
【0017】
本発明の染毛料は、毛髪を染色するもととなる銀を、水溶性の銀塩として混合してあり、水溶性の銀塩の状態で頭髪に塗布するものとした。この結果、本発明の染毛料によれば、毛髪内部にまで銀が浸透しやすい状態となっており、毛髪表面に着色する場合に比較し、色が定着しやすいものとなっている。また、ジアミンや鉛などを含むことが無く、毛髪などに損傷を与えることもない。
【0018】
上述した本発明の染毛料によれば、染毛料が塗布された段階の毛髪は、染色された状態とはなっていないが、染毛料中の銀塩が還元された金属銀として析出した段階で、毛髪が染色された状態となる。本発明の染毛料では、染毛料の水素イオン濃度(pH)により染色状態の色調を変化させることができる。例えば、上記染毛料をアルカリ性にすると、染色された毛髪の色には赤みが増加し、上記染毛料を酸性にすると、染色された毛髪の色には黒みが増加する。
【0019】
<実施の形態2>
つぎに、本発明の他の実施の形態について説明する。
本実施の形態の染毛剤は、所定の分散媒体中に高分子材料が分散しているゲルとした基質材料に、水溶性の銀塩である硝酸銀を溶解させたものである。
以下、本実施の形態の染毛剤について、より詳細に説明する。
本実施の形態の染毛剤は、以下のCに示す各成分を混合することでゲルを作製し、これに硝酸銀水溶液を加えて製造したものである。
【0020】
C)
カルボキシビニルポリマー 0.5kg
ホ゜リヒ゛ニルヒ゜ロリト゛ン誘導体四級アンモニウム塩 0.5kg
トリイソプロパノールアミン 0.8kg
エタノール 14.0kg
ホ゜リオキシエチレンラウリルエーテル(23E・O) 0.8kg
エチルパラベン 0.5kg
精製水 82.9kg
【0021】
これらの混合においては、まず、80メッシュの篩を通し、精製水の中にカルボキシビニルポリマーを少量ずつ加え、攪拌しながら溶解させる。カルボキシビニルポリマーを溶解させた後、攪拌しながら他の成分を加え、透明なゲルを得る。得られたゲルに、攪拌しながら硝酸銀水溶液を少量ずつ加え、わずかに褐色に着色した透明ゲルを得る。硝酸銀水溶液は、1.0kgの硝酸銀を3kgの水に溶解したものである。
【0022】
上述したことにより製造した本実施の形態の染毛料を頭髪に塗布し、通常の生活環境において2日放置し、洗髪したところ、頭髪はアッシュブラウンに染色された状態となっていた。この後、毎日洗髪して30日経た後でも、頭髪の染色状態に変化は確認されなかった。このように、本実施の形態の染毛料によれば、これを塗布して放置するだけで、染毛することができる。従って、使用直前に2液を混合するなどの必要がないなど、簡便に染毛ができる。またアンモニア臭もく、人体の健康面への影響や、アルカリや酸化反応などによる毛髪の傷みなどもない。
【0023】
なお、上述した実施の形態では、銀塩として乳酸銀,硝酸銀を用いる事例について説明したが、これらに限るものではなく、フッ化銀あるいは銀の錯イオンなどの他の形態の水溶性の銀塩を用いるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、基質材料として、乳状液やゲルなどを用いるようにしたが、これに限るものではなく、所定の香料などが溶解した水溶液を基質材料として用いてもよく。基質材料として乳状液を用いた場合、一般にヘアクリームと称されるものとなり、基質材料としてゲルを用いた場合、一般にヘアジェルと称されるものとなる。また、基質材料として水溶液を用いた場合、ヘアローションと称されるものとなり、基質材料に粘度の高い乳化物を用いた場合、ヘアワックスと称されるものとなる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、染毛料に、紫外線の照射などにより還元されて金属銀を析出する銀塩が、水溶性の状態で含まれているようにしたので、上記染毛料を頭髪に塗布するだけで染毛が可能となっている。このように、本発明によれば、使用直前に2液を混合するなどの必要がないなど、簡便に染毛ができる。またアンモニア臭もく、人体の健康面への影響や、アルカリや酸化反応などによる毛髪の傷みなどもない。
Claims (6)
- 水分を有する基質材料と、
この基質材料に混合された水溶性の銀塩と
から構成されたことを特徴とする染毛料。 - 請求項1記載の染毛料において、
前記基質材料は、水溶性成分に油成分が乳化された乳状液であることを特徴とする染毛料。 - 請求項1記載の染毛料において、
前記基質材料は、所定の分散媒体中に高分子材料が分散したゲルであることを特徴とする染毛料。 - 請求項1記載の染毛料において、
前記基質材料は、水溶液であることを特徴とする染毛料。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の染毛料において、
前記銀塩は、乳酸銀,硝酸銀,フッ化銀のいずれかであることを特徴とする染毛料。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の染毛料において、
前記銀塩は、銀の錯イオンである
ことを特徴とする染毛料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002262568A JP2004099502A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | 染毛料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002262568A JP2004099502A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | 染毛料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004099502A true JP2004099502A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32262581
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002262568A Pending JP2004099502A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | 染毛料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004099502A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006011228A1 (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-02 | Tsutomu Kawata | 染毛料及びその製造方法 |
EP1889601A2 (en) * | 2006-07-28 | 2008-02-20 | FUJIFILM Corporation | Hair dye |
EP1889603A2 (en) * | 2006-07-28 | 2008-02-20 | FUJIFILM Corporation | Hair dye |
JP2010155783A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-15 | Cosmetics Roorando Kk | 染毛料 |
JP4542621B1 (ja) * | 2009-05-25 | 2010-09-15 | 力 川田 | 感光性染毛料及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-09-09 JP JP2002262568A patent/JP2004099502A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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