JP5024913B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、課題(3)に対しては、無機微粒子をトナー中に内添させると、定着時に無機微粒子が定着ローラ、定着ベルトの表面を傷つけその表面荒さを大きくするため光沢ムラ発生の原因となる。
さらに、重合法トナーにおいても、重合反応に寄与する成分として窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステルを含有させることが必須の重合法で製造されるトナーにおいては、窒素原子を含む官能基部位が正帯電性を有するため、結晶性ポリエステルを含有させたときと同様に、窒素原子を含む官能基部位に由来する(2)の課題を有する。
また、定着ベルトは耐熱性の樹脂または金属からなる基体、耐熱性のゴムまたはエラストマーからなる弾性層、フッ素樹脂からなる離型層からなる3層構成のものが提案されている。
(1)熱及び圧力によってトナー画像を記録媒体上に定着させる定着部を有する画像形成装置であって、前記トナー画像を形成するトナーが、少なくとも結着樹脂に実質上相互に非相溶性の結晶性を有するポリエステル樹脂(結晶性ポリエステル)と非結晶性樹脂とを含有したものであり、前記定着部が、定着回転体と加圧回転体を有し、該定着回転体および/または該加圧回転体がベルト状であり、定着回転体がその外周表面に、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/60以上のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)からなる表面層を形成させたものであることを特徴とする画像形成装置。
(2)前記定着回転体がベルト状であることを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)が、メルトフローレイト(MFR)(JISK 7210、372℃、5kgf荷重)が3(g/10分)以下のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)と、MFRが7(g/10分)以上のPFAの混合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記定着回転体の表面層は、少なくともMFRが3(g/10分)以下のPFAと、MFRが7(g/10分)以上のPFAを混合したディスパージョンをコーティングした後に焼成してなり、前記ディスパージョンは、
MFRが3(g/10分)以下のPFAの平均粒子径
>MFRが7(g/10分)以上のPFAの平均粒子径
の関係を満たすことを特徴とする(1)〜(3)の何れか一項に記載の画像形成装置。
(5)前記トナー画像を形成するトナーの、結着樹脂における結晶性を有するポリエステル樹脂(結晶性ポリエステル)の含有率が1〜50重量%であり、かつ結晶性ポリエステルの1/2流出温度T(F1/2)が80〜130℃であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の画像形成装置。
(6)前記トナー画像を形成するトナーの、内添された無機微粒子の含有量がトナー100重量部に対して0.1〜5重量部であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一項に記載の画像形成装置において、画像形成装置。
(7)前記トナー画像を形成するトナーの、内添された無機微粒子がモンモリロナイトもしくはその変性物、シリカ、酸化チタン、アルミナのいずれかであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項に記載の画像形成装置。
(8)前記トナーが、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有する非結晶性ポリエステルプレポリマー、非結晶性ポリエステル、結晶性ポリエステル、着色剤、離型剤、無機微粒子とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか一項に記載の画像形成装置。
(9)前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の画像形成装置に用いるプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体となり、着脱可能に搭載されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
図1には、この発明の実施例に係る画像形成装置として、4連タンデム方式のフルカラープリンタの構成を概略で示した。
このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像をそれぞれ対応した感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk(像担持体)の表面上に形成するための電子写真方式の4組の画像形成部10Y、10M、10C、10Bk(像形成手段)を備えている。
各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkは、搬送ベルト20にそれぞれ転接配置され、用紙(記録材)は搬送ベルト20の表面に静電的に吸着される。
4組の画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、略同じ構造を有する。よって、ここでは用紙の搬送方向最上流側に配設されたイエロー用の画像形成部10Yについて代表して説明し、他の色用の画像形成部10M、10C、10Bkについては同一符号を付して詳細な説明を省略する。
搬送ベルト20の図中左側には、後に詳述する本発明の実施の形態に係る定着部である定着装置40が配設されている。搬送ベルト20によって搬送された用紙は、搬送ベルト20から連続して定着装置40を通って延びた搬送路を搬送され、定着装置40を通過する。
定着装置40は、搬送された用紙、すなわちその表面上に各色のトナー像が転写された状態の用紙を加熱および加圧する。そして、各色のトナー像を溶融して用紙に浸透させて定着させる。また、定着装置40の搬送経路下流側に排紙ローラを介して排紙する。
定着装置40は、用紙搬送経路を上下に挟む位置関係で配設された定着ローラ41、および加圧ローラ42を有する。定着ローラ41は、金属製の芯金の外周に耐熱性のスポンジゴム層を形成してなる。用紙は、トナー像が転写された表面を上にした姿勢で搬送路を一定速度で搬送される。用紙は、その表面が定着ローラ41に対向し、裏面が加圧ローラに対向する姿勢で搬送される。本実施の形態では、加圧ローラ42をバネ43によって図中上方に加圧、加圧ローラ42を定着ローラ41に向けて押圧するようにしたが、両者の間に押圧力を生じるため、定着ローラ41を加圧ローラ42に向けて押圧するようにしても良い。
このようにして定着ローラ41と加熱ローラ44に張架された定着ベルト45は、搬送路を搬送される用紙の表面にその外周面を接触した状態で無端走行される。加圧ローラ42の外周面は、搬送される用紙Pの裏面に接触する。つまり、搬送される用紙は、定着ベルト45の外周面と加圧ローラ42の外周面との間のニップを通過されて加圧される。
サーミスタ49は、その検知端が定着ベルト45の外周面に接触するように配設されている。加熱ローラ44に巻き掛けられた部分で定着ベルト45の外周面にサーミスタ49を接触させることで、両者の間の接触状態を安定させ、温度検知のばらつきを防止するようにした。
ポリイミド等耐熱性の樹脂からなる円筒上のエンドレスフィルム基体451の外周に、プライマーを介してシリコーンゴムからなる弾性層452、さらにその外周にプライマーを介してフッ素樹脂からなる離型層(表面層)453を積層した構成となっている。
基体451には、耐熱性と機械的強度が要求される。基体フィルム451として、例えば、NiやSUS等の金属を採用しても良い。
弾性層452は、トナーおよび用紙に対して熱と圧力を均一に与えることができ、安定した定着性能を発揮でき、且つ断熱性に優れた材料によって形成されれば良く、シリコーンゴムに限らない。
同様にパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合比が大きいほうが良好な表面の平滑性が得られるが、同様にPFAの結晶化が抑制されることにより、結晶サイズの影響が表面の平滑性に影響しにくいためである。
MFRが3g/10分以下PFAの平均粒子径
>MFRが7g/10分以上のPFAの平均粒子径
とすることでより平滑な表面を得ることができる。
尚、本発明において、上記粒子径測定は、堀場製作所LB500を用いて測定温度25℃にて、分散媒体である純水でディスパージョン重量に対して50倍となるように希釈した資料について測定した。
結晶性を有するポリエステル樹脂はガラス転移温度(Tg)において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙などの記録媒体への定着機能を発現する。一方、通常トナー用樹脂として用いられる非晶性樹脂は、Tgから徐々に溶融粘度が低下し、Tgと定着機能を発現するほど溶融粘度が低下する温度(たとえば1/2流出温度(以下軟化温度とも言う)T(F1/2))との間には数10℃の差がある。したがって、非晶性樹脂のみを用いたトナーを低温定着にするためには、樹脂Tgを低くしたり、分子量を低くするなどして、T(F1/2)を下げる必要があるが、副作用として耐熱保存性や耐ホットオフセット性が不十分になりやすい。
そこで、結晶性を有するポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを組み合わせることにより、非晶性樹脂だけではできなかった、耐熱保存性や耐ホットオフセット性の悪化を伴なわない溶融粘度の低下による低温定着化を達成できる。
記録媒体である紙繊維に浸透し、かつトナーが融解して紙上で十分に広がりを持ち高い画像濃度を得ると同時に、耐熱保存性に優れたトナーとするための結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、低温定着性への効果を発現するために、結着樹脂全体量に対して1重量%以上必要である。この量が多くなると低温定着化への効果が大きいが、多すぎると結晶性を有する樹脂が耐ホットオフセット性が悪化する。したがって、多くても50重量%以下であることが好ましい。より好ましくは40重量%以下である。
(1)トナーのDSC1回目の昇温による吸熱ピーク測定により相分離構造の形成の有無を確認できる。DSC吸熱ピーク測定において、少なくとも非結晶性樹脂B、離型剤及び結晶性ポリエステル樹脂Aにそれぞれ帰属される3つの吸熱ピーク(A)、(B)、(C)が存在し、樹脂Bに帰属される吸熱ピーク(A)が40〜70℃の範囲にピークトップを有するものであり、離型剤に帰属される吸熱ピーク(B)が70〜90℃の範囲にピークトップを有するものであり、ポリエステル樹脂Aに帰属される吸熱ピーク(C)が80〜130℃の範囲にピークトップを有するものである。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
《測定条件》
荷重:30kg/cm2、昇温速度:3.0℃/min、ダイ口径:0.50mm、
ダイ長さ:1.0mm
試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP−E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。
これをSE−70形固体用電極(安藤電気(株)製))にセットし、そして上記電極間に1kHzの交流を印加したときのLogRをTR−10C型誘電体損測定器、WBG−9発振器、BDA−9平衡点検出器(いずれも安藤電気(株)製)から構成される測定器によって測定し、これによりトナーの体積固有抵抗値LogRをもとめた。RATIOは1x10-9である。測定環境は室温25℃湿度50%である。
本発明で用いる結晶性を有するポリエステル樹脂Aは、その分子主鎖中に下記一般式(1)で表されるエステル結合を含有する結晶性脂肪族ポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
−OOC−R−COO−(CH2)n− (1)
前記式中、Rは直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸残基を示し、炭素数2〜20、好ましくは2〜4の直鎖状不飽和脂肪族基である。nは2〜20、好ましくは2〜6の整数である。
一般式(1)の構造の存在は固体C13−NMRにより確認することが出来る。
前記一般式(1)において、(CH2)nは直鎖状脂肪族2価アルコール残基を示す。この場合の直鎖状脂肪族2価アルコール残基の具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状脂肪族2価アルコールから誘導されたものを示すことができる。ポリエステル樹脂Aは、その酸成分として、直鎖状不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いたことから、芳香族ジカルボン酸を用いた場合に比べて結晶構造を形成し易いという作用効果を示す。
必要に応じて添加される多価アルコールを例示すると、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ポリエチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、グリセリン等が挙げられる。
粉末X線回折測定は、スライドガラス上に粉体サンプルを載せ理学電機RINT1100を用い、管球をCu、管電圧−電流を50kV−30mAの条件で広角ゴニオメーターを用いて測定した。
結晶性を有するポリエステル樹脂Aと併用する結着樹脂は非晶性(非結晶性)樹脂Bであり、これには従来公知の樹脂がすべて使用可能である。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などがある。これら中でも芳香族化合物を成分として含有するスチレン系樹脂やポリエステル樹脂が好ましい。特に好ましいものはポリエステル樹脂である。
これらの樹脂は単独使用に限らず、2種以上併用することも可能である。
結晶性ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bの酸成分が炭素間の不飽和二重結合を有する場合には、トナー製造における溶融混練工程において結晶性ポリエステル樹脂Aの炭素間の不飽和二重結合と非結晶性ポリエステル樹脂Bの炭素間の不飽和二重結合とが相互作用を生じ、結晶性ポリエステル樹脂Aおよび非結晶性ポリエステル樹脂Bが微分散されて混合される。これは両樹脂のドメインの界面で部分的に可塑化が生じているためである。
ポリエステル樹脂Bについての前記分子量分布は、横軸をlog(M:分子量)とし、縦軸を重量%とする分子量分布図に基づくものである。本発明で用いるポリエステル樹脂Bの場合、この分子量分布図において、2.5〜4.5(重量%)の範囲に分子量ピークを有することが好ましい。
樹脂のTHF試料溶液は、樹脂濃度0.5重量%のTHF溶液を室温にてボールミルで24時間攪拌後、東洋濾紙(株)製0.2μm穴径メンブランフィルターにてろ過して作成したものである。測定機としてWaters製GPC−150C、カラムとしてShodex KF801〜807を用いることが出来る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressure Chemical Co.或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
本発明においてトナーに使用される離型剤としては公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。その理由は本発明のトナー結着樹脂に対してこれらのワックスは適度に微分散するため後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。これらワックス類は1種又は2種以上を併用して用いることができる。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワックス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
本発明のカラートナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。
例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキが挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を使用することができる。
本発明のカラートナーは必要に応じ荷電制御剤をトナー中に含有させることができる。
例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料、例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Bas ic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など及びこれらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
本発明では、結晶性ポリエステル樹脂が低抵抗であり電荷保持部位が少ないことに由来するトナーの低帯電量、結晶性ポリエステルの粉砕性が悪いことに由来するトナーの低粉砕性を解決するため、トナーに無機微粒子を内添してもよい。
本発明に用いられる内添用の無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、けい砂、モンモリロナイト、もしくはその有機変性物(クレイトンAPAなど、)、クレー、雲母、けい灰石、珪藻土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化珪素、などをあげることができ、特にシリカ、アルミナ、酸化チタンが好ましい。
また、無機微粒子は疎水化処理剤により表面処理されたものを使用しても良い。疎水化処理剤としてはたとえばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などが好ましい表面処理剤として挙げられる。また、シリコーンオイルを疎水化処理剤として用いても十分な効果が得られる。
本発明に用いられる無機微粒子の誘電率の測定は該無機微粒子を電極が取り付けられた内径18mmの円筒状セルにいれ、セル内の無機微粒子を厚さ0.65mm、直径18mmの円盤状に押し固めた状態でTR−10C型誘電体損測定装置(安藤電気(株)製)にて測定する。尚、周波数は1KHz、RATIOは11×10-9である。
これらの無機微粒子は単独、もしくは二種類以上併用しても良い。
本発明においては、トナーに無機微粒子を外添することができる。外添用の無機微粒子は内添用の無機微粒子と同様のものを用いることができる。
近年の高画質化への要求を鑑み、600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの重量平均粒径(D4)は3〜8μmが好ましく、より好ましくは4〜7μmである。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。
重量平均粒径(D4)が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。
重量平均粒径(D4)が8μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.30である。
(D4/D1)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
本発明のトナーの製造法は溶融混練−粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。
溶融混練−粉砕法においては、その製造工程では、
(1)結着樹脂と該無機微粒子とを溶融混錬する工程
(2)溶融混錬されたトナー組成物を粉砕する工程
(3)第二の無機微粒子を外添する工程
(4)所定の粒径を得る分級工程
を有し、前記(3)外添工程の後に(4)分級工程を行うことが、粒子の流動性を高め分級精度、収率を高める上で好ましい。また、分級工程で複製する微紛を(1)の原料としてサイド混練することがコストの面で好ましい。
ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
1)着色剤、結晶性ポリエステル、非結晶性ポリエステル、窒素原子を含む官能基、例えばイソシアネート基を有する非結晶性ポリエステルプレポリマー、離型剤、無機微粒子を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
本発明の画像形成装置に好適に用いられる上記重合法により得られるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有する非結晶性ポリエステルプレポリマー、非結晶性ポリエステル、結晶性ポリエステル、着色剤、離型剤、無機微粒子とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
非結晶性ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
重合法においてトナーを製造する場合に無機微粒子を内添することによる機能は、帯電性能を向上させるだけでなく、トナー表面に凹凸を形成させることでありそのメカニズムは下記のとおりである。
トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させるトナー製造方法においては、乳化時にトナー材料液中の無機微粒子が有機溶媒と水系溶媒の界面に移動し、乳化分散体(反応物)の表面形状に集まる。次に、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥する工程において、表面に存在する無機微粒子が反応物表面に凸凹を形成する。従って、無機微粒子量を0.1〜5重量部の範囲で制御し、形状を変化させることが出来、無機微粒子量が多いほど表面に存在する無機微粒子量が増加し、トナー帯電量が負に大きくなるとともに表面の凸凹大きくなり異形化する。
<結晶性ポリエステルA1〜A3の製造>
ポリエステルA1〜A3は表1に示した組成物(酸成分、アルコール成分)と組成物総量の0.1重量%のハイドロキノンを、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量5Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し160℃に保って5時間、続いて200℃で1時間反応させたのち、8.3kPaにて1時間反応させ各ポリエステルを得た。
固体C13−NMR(日本電子製のFT−NMR SYSTEM JNM−α400)を用い、観測核C13、基準物質アダマンタン、積算回数8192回、パルス系列CPMAS、IRMOD:IRLEV、観測周波数100.4MHz、OBSET:134500Hz、POINT:4096、PD:7.0sec、SPIN6088Hzの条件で行い、分子構造推定はソフトウエアとしてChem Draw Pro Ver.4.5を用いて行った。
(a)フーリエ変換赤外線分光光度(FT−IR)透過法にて試料を測定し、標準スペクトル比較から構造を推定する。
測定機 :Nicolet Magna 850
測定範囲:4000〜400cm-1
標準試料:KBr
(b)熱分解ガスクロマトグラム質量分析計による熱分解性生物の構造推定
測定機 :島津製作所 GC−17A、島津 CR−4A
熱分解温度:日本分析工業 JHB−3S
熱分解温度:試料加熱温度×時間を590℃×4秒
カラム :DB−5(JアンドW Co.)L=30m、I.D=0.25mm、
Film=0.25mm
カラム温度:50℃(保持時間1分)から10℃/分で300℃まで昇温
インジェクション温度:320℃
キャリアガス圧力:90kPr(保持時間2分)から2kPa/分で150kPa
まで昇圧
検出器 :FID
ポリエステルB−H1およびB−L1は表5に示した組成物(酸成分、アルコール成分)を、温度計、攪拌器、コンデンサーを備えた容量5Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、組成物総量の0.1重量%のジブチルスズオキシドを加えて昇温し、温度を220℃に保って8時間反応させたのち、8.3kPaにて所定の軟化点に達するまで反応させ各ポリエステルを得た。
表3に成分を示し、表4に物性値を示す。
なお、表3に示したBPA/EOは、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示し、BPA/POは、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示す。
<トナーの製造例1>
結晶性ポリエステル樹脂A1 10部
非結晶性ポリエステル樹脂B−H1 65部
非結晶性ポリエステル樹脂B−L1 20部
サリチル酸Zr塩(保土ヶ谷化学TN−105) 1部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃) 5部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10部
疎水性シリカC1(平均一次粒径10nm) 1部
製造例1トナー風力分級微紛 15部
次にこの混練物をホソカワミクロン社製APパルペライザーを用いて粒経1mm以下に粗粉砕し、続いて日本ニューマチック工業製IDS−2を用いて微粉砕したのち、得られた微粉砕物と疎水性シリカC1を微粉砕物100部に対して1.0部ヘンシェルミキサーで添加混合したのち、この混合物を風力分級機アルピネ社製132MPで分級処理して重量平均粒径(D4)6.0μmのトナー母体を得た、上記処方のトナー風力分級微紛はこのとき分離回収される微紛である。得られたトナー母体100部と疎水性シリカC1を0.5部と酸化チタンD1(平均一次粒径21nm)0.5部をヘンシェルミキサーで添加混合し、最終的なトナーとした。
得られたトナーのX線回折パターン測定により、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂の相分離構造の形成の有無を調べたところ、結晶性ポリエステル樹脂に帰属される回折ピークが少なくとも19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に存在し、相分離構造を形成していることが確認できた。
トナーの製造例1で結晶性ポリエステル樹脂A1 10部を結晶性ポリエステル樹脂A2 40部に変更し、疎水性シリカC1 1部を疎水性シリカC2(平均一次粒径400nm)5部に変更し、製造例1トナー風力分級微紛15部を製造例2トナー風力分級微紛15部に変更し、分級処理して得るトナー母体のD4を6.1μmとした以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。
得られたトナーのX線回折パターン測定により、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂の相分離構造の形成の有無を調べたところ、結晶性ポリエステル樹脂に帰属される回折
ピークが少なくとも19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に存在し、相分離構造を形成していることが確認できた。
トナーの製造例1で結晶性ポリエステル樹脂A1 10部を結晶性ポリエステル樹脂A3 20部に変更し、疎水性シリカC1 1部を疎水性シリカC3(平均一次粒径20nm)3部に変更し、製造例1トナー風力分級微紛15部を製造例3トナー風力分級微紛15部に変更し、分級処理して得るトナー母体のD4を6.1μmとした以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。
得られたトナーのX線回折パターン測定により、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂の相分離構造の形成の有無を調べたところ、結晶性ポリエステル樹脂に帰属される回折ピークが少なくとも19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に存在し、相分離構造を形成していることが確認できた。
トナーの製造例1で結晶性ポリエステル樹脂A1 10部を0部に変更し、非結晶性ポリエステル樹脂B−L1 20部を30部に変更し、疎水性シリカC1 1部を疎水性シリカC3(平均一次粒径20nm)3部に変更し、製造例1トナー風力分級微紛15部を製造例4トナー風力分級微紛15部に変更し、分級処理して得るトナー母体のD4を6.1μmとした以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。
トナーの製造例1で結晶性ポリエステル樹脂A1 10部を結晶性ポリエステル樹脂A3 20部に変更し、疎水性シリカC1 1部を0部に変更し、製造例1トナー風力分級微紛15部を製造例5トナー風力分級微紛15部に変更し、分級処理して得るトナー母体のD4を6.1μmとした以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。
得られたトナーのX線回折パターン測定により、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂の相分離構造の形成の有無を調べたところ、結晶性ポリエステル樹脂に帰属される回折ピークが少なくとも19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に存在し、相分離構造を形成していることが確認できた。
トナーの製造例1で結晶性ポリエステル樹脂A1 10部を結晶性ポリエステル樹脂A2 40部に変更し、疎水性シリカC1 1部を有機変性モンモリロナイト(クレイトンAPA粉砕物、平均一次粒径1000nm)5部に変更し、製造例1トナー風力分級微紛15部を製造例6トナー風力分級微紛15部に変更し、分級処理して得るトナー母体のD4を6.1μmとした以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。
得られたトナーのX線回折パターン測定により、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂の相分離構造の形成の有無を調べたところ、結晶性ポリエステル樹脂に帰属される回折ピークが少なくとも19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に存在し、相分離構造を形成していることが確認できた。
(変性ポリエステルの製造)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸256部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていないポリエステル(1)を得た。得られたポリエステル(1)は重量平均分子量4,000、酸価10KOHmg/g、ガラス転移点50℃であった。
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物800部、イソフタル酸180部、テレフタル酸60部、およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で23℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行いイソシアネート基含有プレポリマー(1)を得た。
攪拌棒および温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いケチミン化合物(1)を得た。
ビーカー内に前記のプレポリマー(1)14.3部、ポリエステル(1)45部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、結晶性ポリエステル樹脂A2 10部、離型剤であるパラフィンWAX(融点70℃)8部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、有機変性モンモリロナイト(クレイトンAPA粉砕物、平均一次粒径1000nm、)3.5部、を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで5分攪拌した。ビーズミルで30分間20℃で分散した。これをトナー材料溶液(1)とする。次に、ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、均一に溶解した。ついでTK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液(1)及びケチミン化合物(1)2.7部を加えウレア反応させた。粒径及び粒径分布を光学顕微鏡で観察しながら粒径が大きい場合は攪拌回転数を14000にあげさらに5分行う。小さい場合は攪拌を10000rpmに変更し再度実験する。その後減圧下1.0時間かけ溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、表面に凹凸のある形状でD4が6.1μmの母体粒子を得た。得られたトナー母体100部にと疎水性シリカC1を0.5部と酸化チタンD1(平均一次粒径21nm)0.5部をヘンシェルミキサーで添加混合し、製造例7のトナーを得た。
得られたトナーのX線回折パターン測定により、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂の相分離構造の形成の有無を調べたところ、結晶性ポリエステル樹脂に帰属される回折ピークが少なくとも19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に存在し、相分離構造を形成していることが確認できた。
有機変性モンモリロナイト(クレイトンAPA粉砕物、平均一次粒径1000nm)3.5部を0部に変更した以外はトナーの製造例7と同様にしてトナー製造例8のトナーを得た。
(i)芯材:Cu−Znフェライト粒子(体積平均径:45μm) 5000部
(ii)コート材
トルエン 450部
シリコーン樹脂SR2400
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%) 450部
アミノシランSH6020
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製) 10部
カーボンブラック 10部
次いで、得られたキャリアを電気炉で250℃で2時間焼成を行い、製造例のキャリア粒子(3kOe印加時の飽和磁化65emu/g、3kOe印加時の残留磁化0emu/g、比抵抗3.2×108Ω・cm、体積平均径45μm)を得た。
上記製造例1〜8のトナー2.5部と、上記製造例のキャリア97.5部をターブラミキサーで混合し、トナー製造例1〜8に対応する各トナーに対応する現像剤(1)〜(8)を得た。
本実施例の定着ベルト(図3、45)は以下のようにして作製した。
ポリイミドからなる厚さ90μmの円筒状のエンドレスフィルム基体の外周に、プライマー(東レ・ダウコーニングシリコーン社製DY39−067)をスプレーコートにて厚さ4μmで成膜し、室温乾燥した。その後、2液付加型液状シリコーンゴム(東レ・ダウコーニングシリコーン社製DY35−2083)を2液混合後に、トルエンにて適量希釈し、スプレーコートにて厚さ200μmで塗布、120℃10分硬化後、さらに200℃4時間2次硬化して弾性層を形成した。
ついでプライマー(三井・デュポンフロロケミカル社製PR−990CL)を4μm厚でスプレーコートした後、150℃30分乾燥した。
その後、表5の内容で、一般のPFAよりもパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合比の高いPFA(表中、PFA分子鎖中の酸素:炭素原子数で示し、酸素の比率が高いほどパーフルオロアルキルビニルエーテル比が高い)と一般の汎用PFA、またMFRの異なる(MFRが小さいほど流動性は悪い)PFAで等量混合してディスパージョンを調合した。
A:三井・デュポンフロロケミカル社製 950HP Plus
B:三井・デュポンフロロケミカル社製 945HP Plus
C:三井・デュポンフロロケミカル社製 940HP Plus
D:三井・デュポンフロロケミカル社製 350−J
E:三井・デュポンフロロケミカル社製 340−J
MFRはJIS−K7210 372℃、5kgf荷重での測定値である。
上記現像剤製造例で得られた現像剤(1)〜(8)、及び定着ベルト製造例1〜7を用い、図1に示すような定着装置を有する画像形成装置を用い、以下のように評価した。
<評価方法>
低温定着性:
低温定着性評価では図2の定着装置に製造例1〜7の定着ベルトを組み込み、定着ベルトの温度を5℃ずつ変化させ、マクベス濃度計による画像濃度が1.2となるようなコピー画像を得た。
各温度のコピー画像を、砂消しゴムを装着したクロックメーターにより10回擦り、その前後の画像濃度を測定し、下記式にて定着率を求めた。
定着率(%)
=(砂消しゴム10回擦り後の画像濃度)/(擦る前の画像濃度)×100
定着率70%を達成する温度を、定着下限温度とした。
定着下限温度を低いものから○、△、×の3ランクに区分することにより評価した。
なお、定着ローラーには、オイルを塗布しない条件で評価を行ない、転写紙はリコーフルカラーPPC用紙タイプ6000<70Wを用いた。
耐屈曲性は図2の定着装置に製造例1〜7の定着ベルトを組み込み、300,000枚の出力後に離型層のクラックのないものを○、異常画像にならないレベルの軽微なクラックのあるものを△、異常画像になるレベルのクラックが出たものを×で評価した。
耐摩耗性はを図2の定着装置に製造例1〜7の定着ベルトを組み込み、300,000枚の出力後にサーミスタの接触部分に異常画像のないものを○、異常画像にならないレベルの軽微な磨耗のあるものを△、異常画像になるレベルで摩耗したものを×で評価した。
光沢ムラは定着ベルトの表面平滑性を反映する指標である。図2の定着装置に製造例1〜7の定着ベルトを組み込み、定着画像を出力し、光沢ムラのないものを○、軽微な光沢ムラの出ているものを△、光沢ムラが顕著なものを×で評価した。
また、転写材上のトナー画像のチリ、静電オフセットについては、図2の定着装置に製造例1〜7の定着ベルトを組み込み、10℃15%RHの低温低湿環境において画像を出力し、出力画像を目視で確認することで評価した。チリ、オフセットのないものを「○」とし、チリ、オフセットが確認されたものを「×」とした。
2Y、2M、2C、2Bk 帯電装置
3Y、3M、3C、3Bk 露光装置
4Y、4M、4C、4Bk 現像装置
5Y、5M、5C、5Bk 転写ローラ
6Y、6M、6C、6Bk クリーナ
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成部
20 搬送ベルト
30 給紙機構
40 定着装置
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
43、48 バネ
44 加熱ローラ
45 定着ベルト
46 ハロゲンランプ
47 テンションローラ
49 サーミスタ
451 基体
452 弾性層
453 離型層(表面層)
Claims (9)
- 熱及び圧力によってトナー画像を記録媒体上に定着させる定着部を有する画像形成装置であって、前記トナー画像を形成するトナーが、少なくとも結着樹脂に実質上相互に非相溶性の結晶性を有するポリエステル樹脂(結晶性ポリエステル)と非結晶性樹脂とを含有したものであり、前記定着部が、定着回転体と加圧回転体を有し、該定着回転体および/または該加圧回転体がベルト状であり、定着回転体がその外周表面に、分子鎖中の酸素原子数/炭素原子数の比率が1/60以上のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)からなる表面層を形成させたものであることを特徴とする画像形成装置。
- 前記定着回転体がベルト状であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)が、メルトフローレイト(MFR)(JISK 7210、372℃、5kgf荷重)が3(g/10分)以下のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)と、MFRが7(g/10分)以上のPFAの混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記定着回転体の表面層は、少なくともMFRが3(g/10分)以下のPFAと、MFRが7(g/10分)以上のPFAを混合したディスパージョンをコーティングした後に焼成してなり、前記ディスパージョンは、
MFRが3(g/10分)以下のPFAの平均粒子径
>MFRが7(g/10分)以上のPFAの平均粒子径
の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記トナー画像を形成するトナーの、結着樹脂における結晶性を有するポリエステル樹脂(結晶性ポリエステル)の含有率が1〜50重量%であり、かつ結晶性ポリエステルの1/2流出温度T(F1/2)が80〜130℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー画像を形成するトナーの、内添された無機微粒子の含有量がトナー100重量部に対して0.1〜5重量部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー画像を形成するトナーの、内添された無機微粒子がモンモリロナイトもしくはその変性物、シリカ、酸化チタン、アルミナのいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記トナーが、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有する非結晶性ポリエステルプレポリマー、非結晶性ポリエステル、結晶性ポリエステル、着色剤、離型剤、無機微粒子とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置に用いるプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体となり、着脱可能に搭載されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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