JP4919466B2 - 定着装置、画像形成装置及びこれらに用いられるトナー - Google Patents
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Description
しかし、加熱ローラ表面とトナー像とが溶融状態、加圧下で接触するために、トナー像の一部が定着ローラ表面に付着・転移し、次の記録媒体にこれが再転移し、記録媒体を汚す、いわゆるオフセット現象が生ずる。このオフセット現象は、定着速度、定着温度の影響を強く受ける。
一般に、定着速度が遅い場合は、加熱ローラの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナーを定着させるために加熱ローラからトナーに与える熱量を、定着速度に依らずほぼ一定にするためである。
この電子写真方式の画像形成、特にカラー画像形成では、記録媒体上のトナーは複数のトナーが重なり合ったトナー層を形成しているために、特に定着速度が速く、加熱ローラの表面温度が高い場合には、加熱ローラに接触するトナー層と記録媒体に接触している最下層のトナー層との温度差が大きくなる。この場合、最上層のトナーに対して高い温度の加熱ローラが接触するために、ホットオフセット現象を起こしやすい。逆に、このホットオフセット現象を防止するために加熱ローラの温度を低く設定すると、最下層のトナーが十分に溶融しないために、記録媒体にトナーが定着しないまま加熱ローラに付着するコールドオフセットという現象が生ずる。
また、トナーに関しても、定着速度が速い場合には、定着速度が遅い場合に比較して、定着温度付近における溶融粘度の低いトナーが用いられる。しかし、加熱ローラの表面温度を下げ、定着圧力を下げることにより、ホットオフセットと巻き付きジャムを防止しつつトナー像を定着させているが、このような溶融粘度の低いトナーを定着速度の低い定着装置、画像形成装置に用いると、ホットオフセットが発生しやすくなるという問題がある。
ところが、近年、定着速度が早い場合から遅い場合まで適用できる定着温度領域の広く、かつ、耐オフセット性に優れたトナーが要望されている。
また、特許文献2及び3では、ビニル系共重合体の分子量を規定しながら、ポリエチレン等の離型剤を入れ込んで定着性、耐オフセット性の両立を図ることが開示されている。また、特許文献4では、低粘度樹脂、と高粘度樹脂、の組み合わせで低温定着とホットオフセットを改善した技術が開示されている。
その他に、特許文献5ないし8では、結着樹脂、の分子量分布を広げ、相反する保存性と定着性とホットオフセットのバランスを図る技術が開示されている。
この種の定着装置では、記録媒体上のトナーが加熱ローラに付着する、いわゆるオフセットと呼ばれる現象を生ずることがある。このようなオフセットを生ずると、オフセットしたトナーが加圧ローラにも付着し、それら加熱ローラおよび加圧ローラから記録媒体に逆転写して記録媒体を汚すことが知られている。このようなオフセットを防止すべく、従来の定着装置では、例えば加熱ローラの表面にフッ素コ−トなどを施していた。しかし、環境条件や記録媒体の種類などによって、オフセットを完全に防止することは難しく、やはり逆転写を生ずる問題があった。
そこで、従来の定着装置では、加熱ローラや加圧ローラに接触してクリーニングローラ等のクリーニング部材を設け、加熱ローラや加圧ローラに付着したトナーを除去するものがある。すなわち、表面離型性を向上した加熱ローラや加圧ローラに対して無垢の金属材料でつくったクリーニング部材を押し当てることにより、表面離型性の差からトナーを除去するものがあった。
このような画像形成装置にあっては、加熱ローラの熱容量が小さいため、定着時における記録媒体への熱移動、加熱ローラに接触する部材への熱移動、加熱ローラまわりの風の流れなどの影響を受けやすく、加熱ローラの温度分布が幅方向で不均一となりやすい問題があった。そして、加熱ローラの全領域にわたり温度分布を均一にすることは、スペ−ス的およびコスト的に不可能であった。
加熱ローラの温度分布が幅方向で不均一となると、定着性能が不安定となるとともに、オフセットが発生しやすく、また熱劣化により加熱ローラの寿命が短くなりやすいなどの問題を生ずる。特に、特許文献9及び特許文献11では、重合法により製造した重合トナーを用いる場合には、クリーニング部材に付着堆積したトナー塊が再溶融して記録媒体に逆転写するという問題があった。これは、粉砕法により製造した粉砕トナーを用いる場合には、貯蔵弾性率が高い溶けにくいトナーがクリーニング部材に付着するが、重合法により製造した重合トナーを用いる場合には、貯蔵弾性率が低い普通のトナーがクリーニング部材に付着するからである。
したがって、例えば、特許文献12では、このような逆転写の問題を解決すべく、従来の定着装置の中には、加熱ローラの温度分布を幅方向で均一とするため、風を当てて加熱ローラの非通紙領域の温度の上がり過ぎを防止するものが開示されている。
また、例えば、特許文献13に記載されるように、クリーニングローラに沿って通風孔を設けてクリーニングローラの回転とともに定着装置内の空気を循環し、クリーニングローラの温度上昇を防ぐものがある。
さらに、本発明は、定着効率を下げることなく、クリーニング部材に付着したトナーが逆転写することがない定着装置、画像形成装置及びこれに用いられるトナーを提供することを課題とする。
さらに、本発明は、高濃度、かつ、高精細の画像が得られる定着装置、画像形成装置及びこれに用いられるトナーを提供することを課題とする。
つまり、前記クリーニング部材は、少なくともトナーの結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質を含むコーティング層を有するものであるが、第1群の本発明は、該反応性物質によるトナー用樹脂の熔融混合時の流出温度変化に着目したものであり、第2群の本発明は、該反応性物質のトナー用樹脂の反応性に着目したものと解することができる。
(2)「少なくとも結着樹脂と着色剤とを有するトナーを、熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置において、前記定着装置は、複数のローラに張架された定着手段と加圧手段と、少なくともこれら一方をクリーニングするクリーニング部材とを有し、このクリーニング部材は、少なくともトナーの結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質とコーティング用樹脂を含むコーティング層を有し、該反応性物質とトナー用樹脂を混合したものの溶融混練物の1/2流出温度をTa、該トナー用樹脂の溶融混練物の1/2流出温度をTa’、該反応性物質と該コーティング用樹脂を混合したものの溶融混練物の1/2流出温度をTb、該コーティング用樹脂の溶融混練物の1/2流出温度をTb’としたとき、Tb−Tb’≦Ta−Ta’であることを特徴とする定着装置」;
(3)「前記コーティング層は、該反応性物質とコーティング用樹脂を混合したものの溶融混練物の1/2流出温度(Tb)、該コーティング用樹脂の溶融混練物の1/2流出温度(Tb’)が、0<Tb−Tb’≦30となることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の定着装置」により解決される。
(5)「少なくとも結着樹脂と着色剤とを有するトナーを、熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置において、前記定着装置は、複数のローラに張架された定着手段と加圧手段と、少なくともこれら一方をクリーニングするクリーニング部材とを有し、このクリーニング部材は、少なくともトナーの結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質とコーティング用樹脂を含むコーティング層を有し、該反応性物質は該コーティング樹脂よりも該トナーの結着樹脂との反応性が高いことを特徴とする定着装置」により解決される。
つまり具体的には、本発明の(6)「前記コーティング層は、クリーニング部材を形成する芯金に接触している内側部分の反応性物質とコーティング用樹脂との比率Dcore(反応性物質/コーティング用樹脂)と、外側部分の反応性物質とコーティング用樹脂との比率Dsurface(反応性物質/コーティング用樹脂)とが、比率Dcore>比率Dsurfaceの関係を満足することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか又は前記第(4)項若しくは第(5)項に記載の定着装置」;
(7)「前記コーティング層は、少なくとも、クリーニング部材を形成する芯金に接触している第1コーティング層、外側に位置する第2コーティング層を含み、該第1コーティング層の反応性物質含有率が、該第2コーティング層の反応性物質含有率以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか又は前記第(4)項若しくは第(5)項のいずれか又は前記第(6)項に記載の定着装置」;
(8)「前記第1コーティング層は、反応性物質とコーティング用樹脂とが、反応性物質:コーティング用樹脂=30〜70:70〜30(wt%)の範囲にあることを特徴とする前記第(7)項に記載の定着装置」;
(9)「前記第1コーティング層中の反応性物質含有率(α)と第2コーティング層中の反応性物質含有率(β)との比(α/β)が、1ないし200の範囲にあることを特徴とする前記第(7)項又は第(8)項に記載の定着装置」;
(10)「前記反応性物質は、金属化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の定着装置」;
(11)「前記金属化合物が、サリチル酸金属化合物であることを特徴とする前記第(10)項に記載の定着装置」;
(12)「前記コーティング用樹脂は、反応性物質と反応する官能基を末端に有するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか又は前記第(4)項若しくは第(5)項のいずれか又は前記第(6)項乃至第(11)項のいずれかに記載の定着装置」;
(13)「前記官能基は、カルボン酸であることを特徴とする前記第(12)項に記載の定着装置」;
(14)「前記コーティング用樹脂は、スチレンアクリル樹脂であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか又は前記第(4)項若しくは第(5)項のいずれか又は前記第(6)項乃至第(13)項のいずれかに記載の定着装置」;
(15)「前記コーティング用樹脂は、ポリオール樹脂であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか又は前記第(4)項若しくは第(5)項のいずれか又は前記第(6)項乃至第(13)項のいずれかに記載の定着装置」;
(16)「前記定着装置は、クリーニング部材を押圧する押圧部材を備えるものでることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか又は前記第(4)項若しくは第(5)項のいずれか又は前記第(6)項乃至第(14)項のいずれかに記載の定着装置」;
(17)「前記クリーニング部材は、直径5〜20mmのローラ形状を有するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項のいずれかに記載の定着装置」;
(18)「前記第1コーティング層は、単位表面積(10mm×π×300mm)当り0.05〜1.0gの範囲にあることを特徴とする前記第(7)項乃至第(17)項のいずれかに記載の定着装置」;
(19)「前記第2コーティング層は、単位表面積(10mm×π×300mm)当り10g以内にあることを特徴とする前記第(7)項乃至第(18)項のいずれかに記載の定着装置」;
(20)「前記押圧部材が、バネ材であり、1〜3mmの範囲で可動することを特徴とする前記第(16)項に記載の定着装置」;
(21)「前記定着装置は、コーティング層の反応性物質の含有率が1wt%以上の範囲内で使用されるものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(20)項のいずれかに記載の定着装置」、
(22)「前記定着装置は、離型剤を含むトナーを用いるものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(21)項のいずれかに記載の定着装置」;
(23)「前記定着装置は、荷電制御剤を含むトナーを用いるものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(22)項のいずれかに記載の定着装置」;
(24)「前記定着装置は、平均円形度が0.94以上のトナー粒子のトナーを用いるものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(23)項のいずれかに記載の定着装置」;
(25)「前記定着装置は、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナー粒子のトナーを用いるものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(24)項のいずれかに記載の定着装置」、
(26)「前記定着装置は、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナー粒子のトナーを用いるものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(25)項のいずれかに記載の定着装置」;
(27)「前記定着装置は、紡錘形状で、かつ、前記紡錘形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあるトナー粒子のトナーを用いるものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(26)項のいずれかに記載の定着装置」;
(28)「前記定着装置は、略球形状で、かつ、前記略球形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあるトナー粒子のトナーを用いるものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(25)項のいずれかに記載の定着装置」;
(29)「前記定着装置は、少なくとも、活性水素基含有化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤を含むトナー原料組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させてなるトナー原料組成物有機溶媒液を、水系媒体中に液滴状に分散させ、該活性水素基含有化合物の存在下に該活性水素基と反応可能な部位を有する重合体を伸長及び/又は架橋反応させて得たトナーを用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(28)項のいずれかに記載の定着装置」により、好適裡に解決される。
(31)「前記画像形成装置は、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリーニング装置から選択される一以上の装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカートリッジを備えることを特徴とする前記第(30)項に記載の画像形成装置」;
(32)「少なくとも、結着樹脂と着色剤を有するトナーであって、定着装置による熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着されるトナーにおいて、前記トナーは、前記第(1)項乃至第(31)項のいずれかに記載の定着装置に用いられるものであることを特徴とするトナー」によって解決される。
また、本発明のトナーでは、現像性・転写性に優れ、高品位の画像が得ることができる。
本発明の定着装置(25)は、図1に示すように、定着手段の一つである定着ローラ(251)には、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金(251a)外周に、加圧手段の一つである加圧ローラ(252)とニップを形成するために、例えば発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴム等の耐熱弾性材料で環状に成型加工された弾性層(251b)を備える。弾性層(251b)の表層には、記録紙及びトナーの離型性を良くするために離型層(251c)を設ける。離型層(251c)には、耐熱性があり表面エネルギーの小さい材料が使用され、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの高分子樹脂が、耐熱性チューブとして使用される。定着ローラ(251)の芯金(251a)中には定着ローラ(251)の温度上昇を加速させるためのハロゲンヒータ等の熱源が配設される。
加圧ローラ(252)は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金(252a)の外周にフッ素系ゴム、シリコーンゴム等の耐熱弾性材料からなる弾性層(252b)を適度な厚みで備え、定着ローラ(251)と同様に、表層にフッ素系樹脂等からなる離型層(252c)を備える。また、加圧ローラ(252)は、定着ローラ(251)に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層(252b)を弾性変形させることにより定着ローラ(251)との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
定着ローラ(261)、加圧ローラ(262)は、図2に示す定着装置(26)の定着ローラ(261)、加圧ローラ(262)とほぼ同様に、金属製の芯金(261a)、(262a)の外周に、耐熱弾性材料からなる弾性層(261b)、(262b)を備える。弾性層(261b)、(262b)の厚みは適宜調整される。また、弾性層(261b)、(262b)の表層には、記録紙及びトナーの離型性を良くするために、フッ素系樹脂等からなる離型層(261c)、(262c)を設ける。芯金(261a)、(262a)内部には、それぞれハロゲンヒータが配置されている。また、加圧ローラ(263)は、定着ベルト(264)を挟んで定着ローラ(261)に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層を変形させることにより定着ローラ(261)との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
定着ベルト(264)は、基体には、耐熱性樹脂や金属から形成された無端状のベルト状基体が用いられる。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、金属ベルトの材質としては、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。耐熱性樹脂と重層を形成しても良く、特に、ポリイミド樹脂にニッケルを電鋳したベルトが、強度と弾性を有し、耐久性があるので好ましい。厚さは100μm以下の薄肉のものが望ましい。定着ベルト(264)は、記録紙、トナーと加圧接触するため、高離型性シリコーンゴム等からなる弾性層と摩擦係数が小さいフッ素系樹脂で耐熱離型層を有する構成になっている。
加熱ローラ(263)は、掛け回されている定着ベルト(264)を張架して、さらに、加熱するための部材である。このため、加熱ローラ(263)の内部に、ハロゲンランプ、ニクロム線等の熱源が設けられている。また、加熱ローラ(263)は、アルミ、炭素鋼、ステンレス鋼等の中空金属円筒の薄肉ローラであるが、熱伝導性が良好な厚さ1〜4mmのアルミニウム製円筒を用いることで、軸方向での温度分布を小さくすることができる。さらに、加熱ローラ(263)の表面には、定着ベルト(264)との摩耗を防止するために、アルマイト処理の表面処理(図示せず)が施されている。
定着ベルト(264)を挟んで加熱ローラ(263)の外周面には、熱電対、サーミスタ等からなり、定着ベルト(264)外周面の温度を検知する温度センサ(268)が配置されている。温度センサからの検知信号に応じて図示しない温度制御装置により加熱ローラ(263)等の内部におけるヒータの動作を制御する。
また、トナーの一部は、定着ローラ(251)から温度の低い加圧ローラ(252)に移行するものがある。この加圧ローラ(252)に移行したトナーは、加圧ローラ(252)が回転して記録紙に再度接触すると、この残留したナ−が記録紙の裏面に付着して画像を汚すことがある。これを防止するために、加圧ローラ(252)に加圧ローラ用クリーニングローラ(以下、単に「クリーニングローラ」と記す。)(257)が設けられる。このクリーニングローラ(257)には、定着ローラ(251)から移行したトナーが回収される。しかし、このクリーニングローラ(257)に回収されたトナーが、定着装置(25)の作動時に熱を受けて再溶融し、クリーニングローラ(257)からのトナーが溶け出して加圧ローラ(252)に移行し、ニップ部で記録紙の裏面を汚すことがある。とくに、トナーの結着樹脂中の高分子量成分よりは低分子量成分が加熱により容易に粘弾性がかわるために、オフセットが生じやすく、また、再溶融して溶け出しやすい。
図3は、クリーニングローラの層構成を示す断面図である。本発明の定着装置(25)では、コーティング層(257b’)は反応性物質のみからなる場合と、反応性物質と少なくとも結着樹脂とからなる場合が考えられるが、しかし、反応性物質のみからなる前者の場合は反応性物質だけでは機械的ストレスに対して、脆く使用初期の段階で芯金からの剥がれが生じる場合がある。そこで、反応性物質の層において、初期の剥がれを防止するために、少なくとも結着樹脂を含む状態で溶剤等に溶解して、コーティングすることでバインダー効果を持たせることができ、上記の課題を解決するために後者がより好ましい。
またコーティング用樹脂において、使用樹脂の種類により溶け出し防止の効果に大小があることが確認された。
さらに、この第2コーティング層(257c)表面には、回収されたトナーが付着して、この第2コーティング層(257c)と一体化して次第に大きくなっていく。したがって、第2コーティング層(257c)は反応性物質の含有量が一定でなくともよく、比(α/β)の1ないし200の範囲内で傾斜していてもよい。とくに、次々に供給されるトナーの結着樹脂と第2コーティング層(257c)の樹脂の境界は、長い間の使用によって、次第に不明確になり、一体化する。したがって、この第2コーティング層(257c)は大きくなっていく層であり、この新たに付着したトナーの樹脂にも反応性物質は拡散してゆき、さらに、回収されたトナーに反応性物質が供給され弾性率が大きくなってゆき、トナーの溶け出しを防止する。しかし、比(α/β)が200を越えると、回収されたトナーへの反応性物質の供給する速度・量が少なくなり、溶け出しを防止することができなくなる。また、この第2コーティング層(257c)が大きくなっても、コーティング層全体で、反応性物質の含有率が1wt%以上で使用する。1wt%未満では回収されたトナーを架橋して弾性率を大きくすることができなくなり、トナーの溶け出しを防止することが困難になる。
また、第2コーティング層(257c)は、10g以内にする。第2コーティング層(257c)が10gを越えると、第2コーティング層(257c)の層厚が大きくなり、第1コーティング層(257b)からの反応性物質の拡散に時間が必要になり、トナーの溶け出しを防止することができない。
このように、省スペースも考慮して小型の画像形成装置においては、最適なコーティン
グ量がある。
Tb−Tb’>Ta−Ta’の場合、つまり反応性物質と混合した際コーティング用樹脂の方が溶融混練物の1/2流出温度の変化量がトナー用樹脂のそれより大きい場合、コーティング用樹脂と反応性物質の反応性がクリーニングローラ(257)に回収されるトナー樹脂より大きくなり、コーティング層でコーティング用樹脂と反応性物質が架橋等の反応で硬化し、回収されたトナーに供給される反応性物質が少なくなり、クリーニングローラ(257)からのトナー溶け出しを防止できなくなる。このためTb−Tb’≦Ta−Ta’となるように樹脂を選択する必要がある。
Tb−Tb’≦Ta−Ta’の場合、トナー用樹脂との反応性がコーティング用樹脂より大きいので、回収されたトナーに拡散されやすく、架橋等の反応で弾性率を上げることができ、トナー溶け出しを防止できる。
またコーティング層は、反応性物質とコーティング用樹脂を混合したものの溶融混練物の1/2流出温度(Tb)、該コーティング用樹脂の溶融混練物の1/2流出温度(Tb’)が、0≦Tb−Tb’≦30となるコーティング層が配置されていること好ましい。
Tb−Tb’>30(℃)の場合、コーティング用樹脂と反応性物質の反応性が大きく、コーティング層でコーティング用樹脂と反応性物質が架橋等の反応で硬化し、回収されたトナーに拡散し難い。このため0≦Tb−Tb’≦30となるコーティング層が配置されていること好ましい。
これら第1群及び第2群の本発明において、溶融混練はラボプラストミル(東洋精機社製30C−150、ミキサータイプR60)を用いて、コーティング用樹脂及び反応性物質を溶融混練した。溶融混練条件は、サンプル量45g、130℃で15分間行い、そのときの回転速度は50rpmとした。溶融混練物を卓上ミキサーで粉砕したものを成型機でサンプル量1.0g、直径10mmの円筒形状にペレット化した。
高架式フローテスター(CFT−500)(島津製作所製)を用いて、ダイスの細孔の
径1mm、加圧20kg/cm2、昇温速度3℃/min、測定開始温度50℃、終了温度200℃の条件でペレット化した試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を1/2流出温度とした。
また、これに用いる溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ポリ(メタ)アクリレートの場合はメチルエチルケトン、アルコール類等が挙げられ、具体例としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等が挙げられる。好ましくはアルコール類が挙げられる。
これらの反応性物質、コーティング用樹脂を溶媒中で混合して溶解させて、コーティング層を形成する。コーティング方法としては、ローラ、へら、ブラシで直接塗布する方法、または、エアースプレー等で吹き付けて塗布する方法があるが、特に、塗布方法には限定されない。
反応性物質が30wt%未満、コーティング用樹脂が70wt%を越えると、反応性物質の量が少なくクリーニングローラ(257)に回収されたトナーと反応する量が少なくなり、粘弾性を大きくすることが困難な場合がある。反応する量をコーティング層の膜厚を厚くして補うこともできるが、その分クリーニングローラ(257)が回収できるトナーの量が少なくなるために画像形成装置の小型化には不利である。また、反応性物質が70wt%を越えると、コーティング用樹脂が30wt%未満では、反応する反応性物質の量が増え、コーティング用樹脂の割合が少なくなることから、コーティング層の結着力が弱くなり、外力に対してもろくなり、割れが生じやすくなる。
また、この押圧部材を可動にして、クリーニングローラ(257)に回収されるトナー量を多くなって、クリーニングローラ(257)の直径が大きくなっても、一定の圧力でクリーニングローラ(257)を加圧ローラ(252)等に押圧させることができる。
粉砕法の一例としては、まず、前述した樹脂、着色剤としての顔料または染料、電荷制御剤、離型剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、混合機により無機微粒子を外添して、混合しトナーとする。また、重合法の一例を示す。少なくとも、活性水素基を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーを用いることが好ましい。
荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。
帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。また、これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。
本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)に接続し、測定した。
図4は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
トナーの形状係数SF−1が100に近い値であれば、トナーの形状は球形に近くなり、トナーとトナー、あるいはトナーと感光体との接触が点接触になるため、トナー同士の付着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、形状係数SF−1の値が180より大きくなると、不定形になるため、現像性、転写性が低下するので好ましくない。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)・・・式(2)
SF−2の値が100に近いほどトナー表面の凹凸は少なく滑らかになる。クリーニング性の向上のためには、表面に適度に凹凸を有することがよいが、形状係数SF−2が180より大きくなると、凹凸が顕著になるため、画像上にトナーが散るなどして画像品位を低下させるので好ましくない。
なお、形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
図5は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図において、紡錘形状、又は略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)((b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)((c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができ、高転写率で、画像に忠実な転写であることから高品位な画像を得ることができる。また、磁性キャリアとの混合性がよいことで、帯電量分布を狭くすることができ、高精度の画像再現が可能である。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:
GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
試料の前処理:トナーをテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15wt%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調整 :トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁を良く洗う。この液を前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行いOH価を求める(JISK0070−1966に準ずる。)。
測定装置 :電位差自動滴定装置 DL-53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極 :DG113−SC (メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度 :23℃
測定条件は以下のとおりである。
トナーの粒径は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100μmで測定した。体積平均粒径および個数平均粒径は上記粒度測定器により求めた。(Dv/Dn)は上記の値より自動的に算出した。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用した測定方法に関して以下に説明する。
トナー、トナー粒子及び外添剤のフロー式粒子像分析装置による測定は、例えば、東亜医用電子社(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz,50W/10cm3 の条件で1分間分散処理を行い、さらに、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、0.06−400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
ポリエステル樹脂中に酸、アルコールのモノマーユニットに含まれる官能基とエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。
例えば、ポリエステル末端をエステル結合以外のもので反応させたもの。具体的には末端に酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、活性水素化合物とさらに反応させ末端を変性したり伸長反応させたものも含まれる。さらに、活性水素基が複数存在する化合物であればポリエステル末端同士を結合させたものも含まれる(ウレア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエステルなど)。また、ポリエステル主鎖中に二重結合などの反応性基を導入し、そこからラジカル重合を起こして側鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したり二重結合同士を橋かけしたものも含まれる(スチレン変性、アクリル変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたり末端のカルボキシル基や水酸基と反応させたもの。例えば末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリコーン樹脂と共重合させたものも含まれる(シリコーン変性ポリエステルなど)以下具体的に説明する。
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸200部およびフマール酸70部、ジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてスチレン200部、過酸化ベンゾイル1部、ジメチルアニリン0.5部を加えと2時間反応を行い、酢酸エチルを蒸留除去し、重量平均分子量92000のポリスチレングラフト変性ポリエステル(1)を得た。
ウレア変性されたポリエステル(i)としては、例えばイソシアネ−ト基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネ−ト基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオ−ル(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネ−ト(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、および(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネ−ト基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、THF不溶分を1〜25%含むポリエステル樹脂を使用することでホットオフセット向上につながる。また、一成分現像装置内部で長期間の攪拌により、現像ローラとトナー供給ローラ、層厚規制ブレードや摩擦帯電ブレードなどとによる接触ストレスによりさらにトナーが粉砕され、極微粒子が発生したり、流動化剤がトナー表面に埋め込まれるために画像品質が低下といった問題に対して効果をもたらす。また、THF不溶分はカラートナーにおいてはホットオフセットには効果があるものの光沢性やOHPの透明性については確実にマイナスであるが離型幅を広げるなどには1〜10%内で効果を発揮するケースもある。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、例えばウレア結合やウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜20000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は好ましくは10〜30である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらに定着性が良好になる傾向がある。但し、酸価が30を超えると特に高温高湿環境下で使用の場合には、トナーの帯電量が低下し、画像上での地汚れなどの問題が発生する場合がある。
外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
また、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パ−マネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(水系媒体中でのトナーの製造法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
水系媒体中でプレポリマー(A)、及び未変性ポリエステル(ii)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にプレポリマー(A)、及び未変性ポリエステル(ii)を含むトナー原料組成物を有機溶媒に溶解または分散してなるトナー原料組成物有機溶媒液を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)、及び未変性ポリエステル(ii)と他のトナー原料である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめこれらトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
プレポリマー(A)、及び未変性ポリエステル(ii)を含むトナー原料組成物有機溶媒液100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー原料組成物有機溶媒液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、樹脂微粒子と共に分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャ−プになるとともに分散が安定である点で好ましい。
プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステルを合成する工程は水系媒体中でトナー原料組成物有機溶媒液を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させることが特に好ましい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエ−テル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長及び/又は架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
伸長及び/又は架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは5〜50℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、
所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
図6は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態の構成を示す概略図である。図中、符号(100)は複写装置本体、(200)はそれを載せる給紙テーブル、(300)は複写装置本体(100)上に取り付けるスキャナ、(400)はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体(100)には、潜像担持体としての感光体(40)の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段(18)を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置(20)が備えられている。タンデム型画像形成装置(20)の上部には、画像情報に基づいて感光体(40)をレーザ光により露光し潜像を形成する露光装置(21)が設けられている。また、タンデム型画像形成装置(20)の各感光体(40)と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト(10)が設けられている。中間転写ベルト(10)を介して感光体(40)と相対する位置には、感光体(40)上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト(10)に転写する一次転写手段(62)が配置されている。
また、中間転写ベルト(10)の下方には、中間転写ベルト(10)上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル(200)より搬送されてくる記録紙に一括転写する二次転写装置(22)が配置されている。二次転写装置(22)は、2つのローラ(23)間に、無端ベルトである二次転写ベルト(24)を掛け渡して構成され、中間転写ベルト(10)を介して支持ローラ(16)に押し当てて配置し、中間転写ベルト(10)上のトナー像を記録紙に転写する。二次転写装置(22)の脇には、記録紙上の画像を定着する定着装置(25)が設けられている。定着装置(25)は、無端ベルトである定着ベルト(264)に加圧ローラ(262)を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置(22)は、画像転写後の記録紙をこの定着装置(25)へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置(22)として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置(22)および定着装置(25)の下に、上述したタンデム画像形成装置(20)と平行に、記録紙の両面に画像を記録すべく記録紙を反転する反転装置(28)を備える。
初めに、原稿自動搬送装置(400)の原稿台(30)上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス(32)上へと移動して後、他方コンタクトガラス(32)上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ(300)を駆動し、第1走行体(33)および第2走行体(34)を走行する。そして、第1走行体(33)で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体(34)に向け、第2走行体(34)のミラーで反射して結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)に入れ、原稿内容を読み取る。
または、給紙ローラ(50)を回転して手差しトレイ(51)上のシートを繰り出し、分離ローラ(52)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。
そして、中間転写体(10)上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転し、中間転写体(10)と2次転写手段(22)との間にシートを送り込み、2次転写手段(22)で転写してシート上にカラー画像を記録する。
[変性ポリエステル系樹脂(A−1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物358部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物381部、イソフタル酸200部、テレフタル酸127部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応させて水酸基価25、酸価0.9のポリエステルプレポリマーを得た。更に80℃まで冷却し、酢酸エチル364部とイソホロンジイソシアネート98部を加えて110℃で2時間反応を行いMw12,000、NCO含量1.29%の変性ポリエステル系樹脂(A−1)の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)を得た。
[アミンのブロック化物(B)の合成]
撹拌棒及び温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いアミンのブロック化物(B)を得た。
[低分子量ポリエステルの合成]
冷却管、攪拌機及び窒素導入官についた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、さらに、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部入れ、180℃、常圧下で1.8時間反応し、[低分子量ポリエステル1]をえた。[低分子量ポリエステル1]は、Mn2,500、Mw6,700、ピーク分子量は5,000、Tg43℃、酸価25であった。
[カーボンブラックマスターバッチ樹脂の合成]
水1,200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、製造例3で得た低分子量ポリエステル樹脂1,200部を加え、加圧ニーダーで混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、カーボンブラックマスターバッチ樹脂を得た。
ビーカー内にカーボンブラックマスターバッチ樹脂100部と、ビーズミルで平均粒経が0.5μmになるまで湿式分散したカルナバワックスの酢酸エチル溶液(ワックス濃度10%)50部、および酢酸エチル70部を加え均一に分散するまで攪拌した。さらに、変性ポリエステル系樹脂(A−1)の酢酸エチル溶液20部、アミンのブロック化物(B)1.2部を混合して、固形分濃度50%の樹脂と着色剤の調整液(1)を得た。このビーカーに水560部、ポリメタクリル酸メチル微粒子分散水溶液(花王社製:PB−200H)を固形分換算で3.6部、及びドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12,000rpmで25℃で1分間混合し、乳化分散液(X)を得た。
この乳化分散液(X)100部をヘリカルリボン型3段攪拌翼付きのステンレス製コルベンに移し、回転数60rpmで攪拌しながら、減圧下(10kPa)で25℃、6時間の条件で乳化液中の濃度が8%となるまで酢酸エチルを脱溶剤して乳化分散液(Y−1)を得た。
この乳化分散液(Y−1)に、カルボキシメチルセルロース(セロゲンHH、第一工業製薬社製)1.9部を添加し増粘したのち(増粘を開始する時間は乳化分散液調整後10時間)、回転数300rpmで攪拌してシェアを与えながら、減圧下(10kPa)で乳化液中の酢酸エチル濃度が3%となるまで酢酸エチルを脱溶剤し、さらに回転数を60rpmに落として、引き続き酢酸エチル濃度が1%となるまで脱溶剤した。増粘後の乳化液の粘度は6,000mPa・sであった。
この乳化液100部を遠心分離し、回収したケーキに更に水60部を加えて遠心分離して固液分離する工程を5回繰り返した後、35℃で48時間乾燥してトナー母体粒子(1)を得た。
さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、周速を15m/secとして30秒混合、1分間休止を5サイクル行い、ブラックトナーを得た。
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100部
トルエン 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
カーボンブラック 10部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調整した。このコート層形成液を流動床型コーティング装置を用いて、粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面にコーティングして磁性キャリアAを得た。
クリーニング部材より剥離された試料の一切片をエポキシ樹脂の包埋後、コーティング層の断面を作製し、Pt−Pdコートを実施する。X線マイクロ分析法(EPMA)にて反応性物質と付着物で形成される断面での含有元素によるマッピングを行う。
実施例1、実施例2、実施例3についてFe元素でのマッピング例を図7〜9に示す。
このときの第2コーティング層の付着量はいずれも8gである。
定着ローラとして(株)リコー製複写機imagio NEO451を用いて、これにリコー製のマイリサイクル100W紙をセットし複写テストを行った。クリーニングローラは、アルミニウム製で直径10mm、粗さRzは10μmである。このクリーニングローラ表面には、粘弾性を大きくする反応物質として、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)を酢酸エチルに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、乾燥重量分として0.07gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
実施例1において、クリーニングローラ表面には、粘弾性を大きくする反応物質として反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)とコーティング用樹脂として、製造例3の[低分子量ポリエステル1]を酢酸エチルに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、反応性物質の乾燥重量分として0.07g、コーティング用樹脂の乾燥重量分として0.07gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
実施例1において、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)とコーティング用樹脂として、スチレン・ブチルアクリレート共重合物(日本カーバイド工業社製 ニカライトX:スチレン:ブチルアクリレート=3/1(重量比)、Tg61℃、重量平均分子量約80万)を酢酸エチルに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、反応性物質の乾燥重量分として0.07g、コーティング用樹脂の乾燥重量分として0.07gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
[ポリオール樹脂の合成]
攪拌装置、温度計、窒素導入口、冷却管付きセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)385.4g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2700)86.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物191.0g、ビスフェノールF274.5g、p−クミルフェノール70.1g、キシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.1839g加え、更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させた。これにより分子量500以下の含有量2.5%、分子量ピーク8200、Tg58℃、酸価0.0KOHmg/g、フローテスターによる見かけ粘度103Pa・s温度109℃のポリオール樹脂1を得た。
クリーニングローラに粘弾性を大きくする反応性物質を塗布しなかった以外は、実施例1と同様である。
この画像形成装置で、定着画像へクリーニングローラからの溶融トナーの逆転移による溶け出しホットオフセットの有無を目視評価した。専用チャート(6%面積率)のA4を印刷して連続100K枚ランニングした。溶け出し画像が観察されなかったものを「○」、75〜100K枚で確認されたものを「△」、75K枚で確認されたものを「×」として評価した。
この画像形成装置で、クリーニングローラ芯金から、反応性物質が初期に剥がれるかの有無を目視評価した。目視により剥がれが発生しても、定着画像に汚れが発生しないうちはランニングを継続した。
表1に実施例、比較例の結果を示す。
定着ローラとして(株)リコー製複写機imagio NEO451を用いて、これにリコー製のマイリサイクル100W紙をセットし複写テストを行った。クリーニングローラは、アルミニウム製で直径10mm、粗さRzは10μmである。このクリーニングローラ表面には、粘弾性を大きくする反応物質として、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)をトルエンに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、乾燥重量分として0.07gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
実施例5において、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)とコーティング用樹脂として、製造例3の[低分子量ポリエステル1]をトルエンに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、反応性物質の乾燥重量分として0.07g、コーティング用樹脂の乾燥重量分として0.02gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
粘弾性を大きくする反応性物質について、反応性物質とコーティング用樹脂を混合したものの溶融混練物の1/2流出温度をTb、コーティング用樹脂の溶融混練物の1/2流出温度をTb’としたときのラボプラストミルの溶融混練条件を以下に詳細に示す。
溶融混練はラボプラストミル(東洋精機社製30C−150、ミキサータイプR60)を用いて、トナー樹脂あるいはコーティング用樹脂、及びトナー樹脂あるいはコーティング用樹脂と反応性物質の混合物を溶融混練した。溶融混練条件は、サンプル量45g、130℃で15分間行い、そのときの回転速度は50rpmとした。溶融混練物を卓上ミキサーで粉砕したものを成型機でサンプル量1.0g、直径10mmの円筒形状にペレット化した。
反応性物質とトナー用樹脂を混合したものの、および反応性物質とコーティング用樹脂を混合したものの溶融混練物の測定においては、トナー用樹脂またはコーティング用樹脂100重量部に対して、反応性物質を10重量部の割合で混合したものについて、サンプル量45gとして、同様にラボプラストミルで溶融混練した。
実施例8において、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)とコーティング用樹脂として、製造例3の[低分子量ポリエステル1]をトルエンに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、反応性物質の乾燥重量分として0.07g、コーティング用樹脂の乾燥重量分として0.07gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
実施例5において、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)とコーティング用樹脂として、スチレン・ブチルアクリレート共重合物(日本カーバイド工業社製 ニカライトX:スチレン:ブチルアクリレート=3/1(重量比)、Tg61℃、重量平均分子量約80万)をトルエンに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、反応性物質の乾燥重量分として0.07g、コーティング用樹脂の乾燥重量分として0.07gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
クリーニングローラに粘弾性を大きくする反応性物質を塗布しなかった以外は、実施例5と同様にした。
この画像形成装置で、定着画像へクリーニングローラからの溶融トナーの逆転移による溶け出しホットオフセットの有無を目視評価した。専用チャート(6%面積率)のA4を両面印刷して連続ランニングした。溶け出しホットオフセットが観察されなかったものを「○」、確認されたものを「△」、紙が巻き付きジャムしたものを「×」として評価した。
この画像形成装置で、クリーニングローラ芯金から、反応性物質が初期に剥がれるかの有無を目視評価した。目視により剥がれが発生しても、定着画像に汚れが発生しないうちはランニングを継続した。
実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、比較例2の結果を表2に示す。
また、実施例5及び6では、剥がれが生じたが定着画像に汚れは生じなかった。実施例7では、剥がれが生じなかった。実施例8では、剥がれが生じず、さらに200,000枚まで「○」であった。比較例2では、反応性物質塗布しなかったので評価しなかった。
25 定着装置
251 定着ローラ
251a 芯金
251b 弾性層
251c 離型層
252 加圧ローラ
252a 芯金
252b 弾性層
252c 離型層
255 塗布ローラ
256 クリーニングローラ
257 クリーニングローラ
258 温度センサ
259 供給ローラ
260 成形体
(図2について)
26 定着装置
261 定着ローラ
261a 芯金
261b 弾性層
261c 離型層252 加圧ローラ
262 加圧ローラ
262a 芯金
262b 弾性層
262c 離型層252 加圧ローラ
263 加熱ローラ
264 定着ベルト
265 塗布ローラ
266 定着ローラクリーングローラ
267 加圧ローラクリーングローラ
268 温度センサ
269 供給ローラ
270 成形体
(図3について)
257 クリーニングローラ
257a 芯金
257b’ コーティング層
257b 第1コーティング層
257c 第2コーティング層
(図6について)
10 中間転写体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング手段
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光手段
22 2次転写手段
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着手段
264 定着ベルト
262 加圧ローラ
28 シート反転手段
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
62 1次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (11)
- 少なくとも結着樹脂と着色剤とを有するトナーを、熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置において、前記定着装置は、定着手段と加圧手段と、少なくともこれら一方をクリーニングするクリーニング部材とを有し、このクリーニング部材は、少なくともトナーの結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質とコーティング用樹脂を含むコーティング層を有し、前記コーティング用樹脂は、反応性物質と反応する官能基を末端に有するものであって、該反応性物質とトナー用樹脂を混合したものの溶融混練物の1/2流出温度をTa(℃)、該トナー用樹脂の溶融混練物の1/2流出温度をTa’、該反応性物質と該コーティング用樹脂を混合したものの溶融混練物の1/2流出温度をTb、該コーティング用樹脂の溶融混練物の1/2流出温度をTb’としたとき、Tb−Tb’≦Ta−Ta’であることを特徴とする定着装置。
- 前記定着装置は、複数のローラに張架された定着手段と加圧手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記コーティング層は、該反応性物質とコーティング用樹脂を混合したものの溶融混練物の1/2流出温度(Tb)、該コーティング用樹脂の溶融混練物の1/2流出温度(Tb’)が、0<Tb−Tb’≦30となることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
- 前記反応性物質が前記コーティング樹脂よりもトナーの結着樹脂との反応性が高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記反応性物質は、金属化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記金属化合物が、サリチル酸金属化合物であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記コーティング用樹脂末端の官能基が、カルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記コーティング用樹脂は、スチレンアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記コーティング用樹脂は、ポリオール樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置。
- 潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、請求項1乃至9のいずれかに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 前記画像形成装置は、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリーニング装置から選択される一以上の装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカートリッジを備えることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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