JP2005266746A - 定着装置、画像形成装置及びこれらに用いられるトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置25において、定着ロ−ラ251と加圧ロ−ラ252と、これらのいずれかのロ−ラをクリ−ニングするクリ−ニングロ−ラ257とを有し、かつ、このクリーニングローラ257に結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質がコーティングされている。
【選択図】 図1
Description
しかし、加熱ロ−ラ表面とトナ−像とが溶融状態、加圧下で接触するために、トナ−像の一部が定着ロ−ラ表面に付着・転移し、次の記録媒体にこれが再転移し、記録媒体を汚す、いわゆるオフセット現象が生ずる。このオフセット現象は、定着速度、定着温度の影響を強く受ける。
一般に、定着速度が早い場合は、加熱ロ−ラの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナ−を定着させるために加熱ロ−ラからトナ−に与える熱量を、定着速度に依らずほぼ一定にするためである。
この電子写真方式の画像形成、特にカラー画像形成では、記録媒体上のトナ−は複数のトナ−が重なり合ったトナ−層を形成しているために、特に定着速度が速く、加熱ロ−ラの表面温度が高い場合には、加熱ロ−ラに接触するトナ−層と記録媒体に接触している最下層のトナ−層との温度差が大きくなる。この場合、最上層のトナ−に対して高い温度の加熱ロ−ラが接触するために、ホットオフセット現象を起こしやすい。逆に、このホットオフセット現象を防止するために、加熱ロ−ラの温度を低く設定すると、最下層のトナ−が十分に溶融しないために、記録媒体にトナ−が定着しないまま加熱ロ−ラに付着するコ−ルドオフセットという現象が生ずる。
また、トナ−に関しても、定着速度が速い場合には、定着速度が遅い場合に比較して、定着温度付近における溶融粘度の低いトナ−が用いられる。しかし、加熱ロ−ラの表面温度を下げ、定着圧力を下げることにより、ホットオフセットと巻き付きジャムを防止しつつトナ−像を定着させているが、このような溶融粘度の低いトナ−を定着速度の低い定着装置、画像形成装置に用いると、ホットオフセットが発生しやすくなるという問題がある。
ところが、近年、定着速度が早い場合から遅い場合まで適用できる定着温度領域の広く、かつ、耐オフセット性に優れたトナ−が要望されている。
トナ−の定着性、耐オフセット性を両立させるために、トナ−として今日まで結着樹脂を中心に検討されてきた。特許文献1では、トナ−用樹脂のゲルパ−ミュ−ションクロマトグラフィ−(GPC)により測定されたクロマトグラフで、分子量103〜7×104の領域、105〜2×106の領域にそれぞれ少なくとも1つ以上の極大値を持つような樹脂の分子量分布が開示されている。
また、特許文献2及び3では、ビニ−ル系共重合体の分子量を規定しながら、ポリエチレン等の離型剤を入れ込んで定着性、耐オフセット性の両立を図ることが開示されている。また、特許文献4では、低粘度樹脂と高粘度樹脂の組み合わせで低温定着とホットオフセットを改善した技術が開示されている。
その他に、特許文献5ないし8では、結着樹脂の分子量分布を広げ、相反する保存性と定着性とホットオフセットのバランスを図る技術が開示されている。
この種の定着装置では、記録媒体上のトナ−が加熱ロ−ラに付着する、いわゆるオフセットと呼ばれる現象を生ずることがある。このようなオフセットを生ずると、オフセットしたトナ−が加圧ロ−ラにも付着し、それら加熱ロ−ラおよび加圧ロ−ラから記録媒体に逆転写して記録媒体を汚すことが知られている。このようなオフセットを防止すべく、従来の定着装置では、例えば加熱ロ−ラの表面にフッ素コ−トなどを施していた。しかし、環境条件や記録媒体の種類などによって、オフセットを完全に防止することは難しく、やはり逆転写を生ずる問題があった。
そこで、従来の定着装置では、加熱ロ−ラや加圧ロ−ラに接触してクリ−ニングロ−ラ等のクリ−ニング部材を設け、加熱ロ−ラや加圧ロ−ラに付着したトナ−を除去するものがある。すなわち、表面離型性を向上した加熱ロ−ラや加圧ロ−ラに対して無垢の金属材料でつくったクリ−ニング部材を押し当てることにより、表面離型性の差からトナ−を除去するものがあった。
このような画像形成装置にあっては、加熱ロ−ラの熱容量が小さいため、定着時における記録媒体への熱移動、加熱ロ−ラに接触する部材への熱移動、加熱ロ−ラまわりの風の流れなどの影響を受けやすく、加熱ロ−ラの温度分布が幅方向で不均一となりやすい問題があった。そして、加熱ロ−ラの全領域にわたり温度分布を均一にすることは、スペ−ス的およびコスト的に不可能であった。
加熱ロ−ラの温度分布が幅方向で不均一となると、定着性能が不安定となるとともに、オフセットが発生しやすく、また熱劣化により加熱ロ−ラの寿命が短くなりやすいなどの問題を生ずる。特に、特許文献9及び特許文献11では、重合法により製造した重合トナ−を用いる場合には、クリ−ニング部材に付着堆積したトナ−塊が再溶融して記録媒体に逆転写するという問題があった。これは、粉砕法により製造した粉砕トナ−を用いる場合には、貯蔵弾性率が高い溶けにくいトナ−がクリ−ニング部材に付着するが、重合法により製造した重合トナ−を用いる場合には、貯蔵弾性率が低い普通のトナ−がクリ−ニング部材に付着するからである。
したがって、例えば、特許文献12では、このような逆転写の問題を解決すべく、従来の定着装置の中には、加熱ロ−ラの温度分布を幅方向で均一とするため、風を当てて加熱ロ−ラの非通紙領域の温度の上がり過ぎを防止するものが開示されている。
また、例えば、特許文献13に記載されるように、クリ−ニングロ−ラに沿って通風孔を設けてクリ−ニングロ−ラの回転とともに定着装置内の空気を循環し、クリ−ニングロ−ラの温度上昇を防ぐものがある。
さらに、本発明は、定着効率を下げることなく、クリ−ニング部材に付着したトナ−が逆転写することがない定着装置、画像形成装置及びこれに用いられるトナーを提供することを課題とする。
さらに、本発明は、高濃度、かつ、高精細の画像が得られる定着装置、画像形成装置及びこれに用いられるトナーを提供することを課題とする。
1.本発明の定着装置は、少なくとも、結着樹脂と着色剤とを有するトナ−を、熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置において、定着手段と加圧手段と、これらのいずれかをクリ−ニングするクリーニング部材とを有し、かつ、このクリーニング部材に結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質がコーティングされていることを特徴とする。
2.本発明の定着装置は、少なくとも、結着樹脂と着色剤とを有するトナ−を、熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置において、複数のロ−ラに張架された定着手段と加圧手段と、これらのいずれかをクリ−ニングするクリーニング部材とを有し、かつ、このクリーニング部材に結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質がコーティングされていることを特徴とする。
3.また、本発明の定着装置は、さらに、クリーニング部材が表面にコーティング用樹脂と反応性物質との混合体がコーティングされていることを特徴とする。
4. また、本発明の定着装置は、さらに、前記クリーニング部材は、コーティング用樹脂がトナーの結着樹脂と同じ成分を有することを特徴とする。
5.また、本発明の定着装置は、さらに、クリーニング部材にコーティングされる混合体のコーティング用樹脂が、5〜80wt%の範囲にあることを特徴とする。
6.また、本発明の定着装置は、さらに、前記反応性物質は、金属化合物であることを特徴とする。
7.また、本発明の定着装置は、さらに、前記クリーニング部材は、表面の十点平均粗さRzが3〜50μmの範囲にあることを特徴とする。
8. また、本発明の定着装置は、さらに、クリーニング部材を冷却する送風装置を備えることを特徴とする。
10.また、本発明の定着装置は、さらに、前記トナーは、荷電制御剤を含むことを特徴とする。
11.また、本発明の定着装置は、さらに、前記トナ−は、平均円形度が0.94以上であることを特徴とする。
12.また、本発明の定着装置は、さらに、前記トナ−は、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤とを有機溶媒中にそれぞれを溶解又は分散させたトナ−組成物を、水系媒体中に分散させて伸長及び/又は架橋反応させたことを特徴とする。
13.また、本発明の定着装置は、さらに、前記トナ−は、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
14.また、本発明の定着装置は、さらに、前記トナ−は、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする定着装置。
15.また、本発明の定着装置は、さらに、前記トナ−は、紡錘形状で、かつ、前記紡錘形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
17.また、本発明の画像形成装置は、さらに、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリ−ニング装置から選択される一以上の装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカ−トリッジを備えることを特徴とする。
19.また、本発明のトナーは、さらに、離型剤を含むことを特徴とする。
20.また、本発明のトナーは、さらに、荷電制御剤を含むことを特徴とする。
21.また、本発明のトナーは、さらに、平均円形度が0.94以上であることを特徴とする。
22.また、本発明のトナーは、さらに、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、
体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
23.また、本発明のトナーは、さらに、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
24.また、本発明のトナーは、さらに、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤とを有機溶媒中にそれぞれを溶解又は分散させたトナ−組成物を、水系媒体中に分散させて伸長及び/又は架橋反応させたことを特徴とする。
25.また、本発明のトナーは、さらに、紡錘形状で、かつ、前記紡錘形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
また、本発明のトナーでは、現像性・転写性に優れ、高品位の画像が得ることができる。
図1は、本発明の定着装置の一実施形態として加熱・加圧ローラを備える構成を示す概略図である。
本発明の定着装置25は、図1に示すように、定着手段である定着ローラ251は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金の外周に、加圧手段である加圧ローラ252とニップを形成するために、例えば発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴム等の耐熱弾性材料で環状に成型加工された弾性層を備える。弾性層の表層には、転写紙及びトナーの離型性を良くするために離型層を設ける。離型層には、耐熱性があり表面エネルギーの小さい材料が使用され、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの高分子樹脂からなる耐熱性チューブとして使用される。定着ローラ251の芯金中には定着ローラ251の温度上昇を加速させるためのハロゲンヒータ等の熱源が配設される。
加圧ローラ252は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金の外周にフッ素系ゴム、シリコーンゴム等の耐熱弾性材料からなる弾性層を適度な厚みで備え、定着ローラ251と同様に、表層にフッ素系樹脂等からなる離型層を備える。また、加圧ローラ252は、定着ローラ251に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層を弾性変形させることにより定着ローラ251との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
定着ローラ261、加圧ローラ262は、図2に示す定着装置26の定着ローラ261、加圧ローラ262とほぼ同様にして、金属製の芯金の外周に、耐熱弾性材料からなる弾性層を備える。弾性層の厚みは適宜調整される。また、弾性層の表層には、転写紙及びトナーの離型性を良くするために、フッ素系樹脂等からなる離型層を設ける。芯金内部には、それぞれハロゲンヒータが配置されている。また、加圧ローラ263は、定着ベルト264を挟んで定着ローラ261に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層を変形させることにより定着ローラ261との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
定着ベルト264は、基体には、耐熱性樹脂や、金属から形成された無端状のベルト状基体が用いられる。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、金属ベルトの材質としては、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。樹脂と重層を形成しても良く、特に、ポリイミド樹脂にニッケルを電鋳したベルトが強度と弾性を有し、耐久性があるので好ましい。厚さは100μm以下の薄肉のものが望ましい。定着ベルト264は、転写紙、トナーと加圧接触するため、高離型性シリコーンゴム等からなる弾性層と摩擦係数が小さいフッ素系樹脂で耐熱離型層を有する構成になっている。
加熱ローラ263は、掛け回されている定着ベルト264を張架して、さらに、加熱するための部材である。このため、加熱ローラ263の内部に、ハロゲンランプ、ニクロム線等の熱源が設けられている。また、加熱ローラ263は、アルミ、炭素鋼、ステンレス鋼等の中空金属円筒の薄肉ローラであるが、熱伝導性が良好な厚さ1〜4mmのアルミニウム製円筒を用いることで、軸方向での温度分布を小さくすることができる。さらに、加熱ローラ263の表面には、定着ベルト264との摩耗を防止するために、アルマイト処理の表面処理が施されている。
定着ベルト264を挟んで加熱ローラ263の外周面には、熱電対、サーミスタ等からなり、定着ベルト264外周面の温度を検知する温度センサ265が配置されている。温度センサからの検知信号に応じて図示しない温度制御装置により加熱ローラ263等の内部におけるヒータの動作を制御する。
また、トナーの一部は、定着ローラ251から温度の低い加圧ローラ252に移行するものがある。この加圧ローラ252に移行したトナ−は、加圧ローラ252が回転して記録紙に再度接触すると、この残留したナ−が記録紙の裏面に付着して画像を汚すことがある。これを防止するために、加圧ローラ252に加圧ローラ用クリーニングローラ(以下、単に「クリーニングローラ」と記す。)257が設けられる。このクリーニングローラ257には、定着ローラ251から移行したトナ−が回収される。しかし、このクリーニングローラ257に回収されたトナ−が、定着装置25の作動時に熱を受けて再溶融し、クリーニングローラ257からのトナーの溶け出して加圧ローラ252に移行し、ニップ部で記録紙の裏面を汚すことがある。とくに、トナーの結着樹脂中の高分子量成分よりは低分子量成分が加熱により容易に粘弾性がかわるために、オフセットが生じやすく、また、再溶融して溶け出しやすい。
この粘弾性を大きくする物質には、金属化合物が挙げら、具体的には、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩又は亜鉛、クロム、鉄、ジルコニウム等の金属錯体、その他に、シリコン、ジルコニウム、アルミニウムから選ばれるキレ−ト化合物又はこれらの金属アルコレート等を挙げることができる。これらをクリーニングローラ257にコーティングすることで、クリーニングローラ257に転移して回収されたトナーを架橋して粘弾性を大きくすることで、クリーニングローラ257からの再溶融を防止して、記録紙等を汚すのを防ぐことができる。
また、これに用いる溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ポリ(メタ)アクリレートの場合はメチルエチルケトン、アルコール類等が挙げられ、具体例としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等が挙げられる。好ましくはアルコール類が挙げられる。
これらの反応性物質、コーティング用樹脂を溶媒中で混合して溶解させて、コーティング層を形成する。コーティング方法としては、ローラ、へら、ブラシで直接塗布する方法、または、エアースプレー等で吹き付けて塗布する方法があるが、特に、塗布方法には限定されない。これによって、溶け出し防止のための反応性物質をクリーニングローラ257にコートする上で、トナーと反応させて逆転写に対する熱的余裕度を向上させ、さらに、コーティング用樹脂と反応性物質との混合体をコートすることでコーティング用樹脂成分がバインダーの役目を果たし、クリーニングローラ257との接着強度を確保し、表層のはがれを防止する効果がある。
また、樹脂の重量比が高くなると被覆層中の架橋剤の密度が低くなり、回収トナーとの架橋反応が次第に不十分となって、溶け出しに対する効果が低くなってしまう。本発明では、樹脂重量比として80%以下の混合比であれば実使用上、問題の無い溶け出し温度T1以上を確保することができた。ここで単体機による溶け出し評価とはクリーニングローラ257にある一定量のオフセットトナーを固着させ、単体機に装着して回転駆動させて温度を上げていった時の溶け出し時の温度を測定する簡易評価方法である。なお、樹脂重量比100%とは架橋剤の無い状態である。したがって、コーティング用樹脂と反応性物質の含有される重量比の範囲は5%〜80%であることが好ましい。
また、このクリーニングローラ257の棒状ローラ257aの中空の内部にヒートパイプ257bを設ける。図5は、ヒートパイプを設けたクリーニングローラの構造を示す概略図である。トナーの加圧ローラ252からの溶け出しは、転写紙等が通過した後の記録紙が通過した部分と記録紙が通過しなかった部分との温度差が大きくなることで、クリーニングローラ257に回収されたトナーが影響を受けることで生ずる。そこで、クリーニングローラ257の軸方向の温度差を、ヒートパイプ257bで軽減することでトナーの溶け出しを軽減することができる。
図6は、クリーニングローラを冷却する送風装置の構成を示す概略図である。送風装置80で外気を吹き付けてクリーニングローラ257を冷却するので、定着に用いる加熱ローラ251や加圧ローラ252に直接外気を当ててそれらの熱を奪うことなく、定着効率を下げることがない。特に、加熱ローラ251ではなく加圧ローラ252に付着したトナーを除去するクリーニングローラ257を冷却するので、一層加熱ローラ251の熱を奪うことなく、定着効率を下げるおそれをなくすことができる。これによって、外気を取り入れてクリーニングローラ257を有効に冷却することで、溶け出しに対する余裕度を向上させる効果がある。送風装置80にシロッコファン81を用いる。そして、そのシロッコファン81を定着ケース70の一端部側に設置し、そのシロッコファン81で0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れ、その外気をダクト82で案内して転写紙の搬送方向と直交する方向に送風し、クリーニングローラ74に吹き付けてそれを冷却する。これにより、定着ローラ251の熱が加圧ローラ32を介してクリーニングローラ257に伝わることがあったとしても、送風装置80によりクリーニングローラ257を冷却するので、クリーニングローラ257上のトナーが溶融することを防ぎ、トナーが溶融して加圧ローラ252に逆転写し、転写紙をトナーで汚すことを防止することができる。
定着を行うため、定着ローラ251は、150℃位まで暖める。すると、加圧ローラ252は130℃位まで上昇し、クリーニングローラ257は120℃ほどとなる。クリーニングローラ257が100℃を越えると、逆転写を生ずるおそれがある。そこで、送風装置80でクリーニングローラ257を冷却することにより、クリーニングローラ257を90℃位にまで下げる。
とくに、重合トナーは、同一樹脂で粉砕法により製造したトナーに比べ、トナー粒子ごとの構成物質が均一に分散されていて粒子サイズ、形状が一定であるために、後述するクリーニング部材に付着したトナーの貯蔵弾性率が低くなり、クリーニング部材から付着トナーが溶け出す温度も低くなる。しかし、このような重合トナーを用いる場合においても、逆転写を有効に防止することができる。
また、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れクリーニングローラ257に吹き付けて冷却するので、0.1m3/min未満の風量で冷却不足となったり、1.0m3/minを越える風量で冷却し過ぎたりすることなく、クリーニングローラ257を有効に冷却することができる。そして、加圧ローラ252に付着したトナーを除去するクリーニングローラ257を備えるので、安定した定着を可能としつつ逆転写を防止することができる。
荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。
帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。また、これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。トナ−の平均粒径及び粒度分布は、コ−ルタ−カウンタ−TA−II、コ−ルタ−マルチサイザ−II(いずれもコ−ルタ−社製)を用いて測定することができる。本発明においてはコ−ルタ−カウンタ−TA−II型を用い個数分布、体積分布を出力するインタ−フェイス(日科技研製)及びPC9801パ−ソナルコンピュ−タ−(NEC製)に接続し、測定した。
図7は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナ−の形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナ−形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナ−を2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
トナ−の形状係数SF−1が100に近い値であれば、トナ−の形状は球形に近くなり、トナ−とトナ−、あるいはトナ−と感光体との接触が点接触になるため、トナ−同士の付着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナ−と感光体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、形状係数SF−1の値が180より大きくなると、不定形になるため、現像性、転写性が低下するので好ましくない。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)・・・式(2)
SF−2の値が100に近いほどトナ−表面の凹凸は少なく滑らかになる。クリ−ニング性の向上のためには、表面に適度に凹凸を有することがよいが、形状係数SF−2が180より大きくなると、凹凸が顕著になるため、画像上にトナ−が散るなどして画像品位を低下させるので好ましくない。
なお、形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナ−の写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
ポリエステル樹脂中に酸、アルコ−ルのモノマ−ユニットに含まれる官能基とエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。
例えば、ポリエステル末端をエステル結合以外のもので反応させたもの。具体的には末端に酸基、水酸基と反応するイソシアネ−ト基などの官能基を導入し、活性水素化合物とさらに反応させ末端を変性したり伸長反応させたものも含まれる。さらに、活性水素基が複数存在する化合物であればポリエステル末端同士を結合させたものも含まれる(ウレア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエステルなど)。また、ポリエステル主鎖中に二重結合などの反応性基を導入し、そこからラジカル重合を起こして側鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したり二重結合同士を橋かけしたものも含まれる(スチレン変性、アクリル変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたり末端のカルボキシル基や水酸基と反応させたもの。例えば末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリコ−ン樹脂と共重合させたものも含まれる(シリコ−ン変性ポリエステルなど)以下具体的に説明する。
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノ−ルAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸200部およびフマ−ル酸70部、ジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてスチレン200部、過酸化ベンゾイル1部、ジメチルアニリン0.5部を加えと2時間反応を行い、酢酸エチルを蒸留除去し、重量平均分子量92000のポリスチレングラフト変性ポリエステル(1)を得た。
ウレア変性されたポリエステル(i)としては、例えばイソシアネ−ト基を有するポリエステルプレポリマ−(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネ−ト基を有するポリエステルプレポリマ−(A)としては、ポリオ−ル(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネ−ト(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコ−ル性水酸基およびフェノ−ル性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコ−ル性水酸基である。
ポリオ−ル(1)としては、ジオ−ル(1−1)および3価以上のポリオ−ル(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオ−ル(1−1)としては、アルキレングリコ−ル(エチレングリコ−ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,3−プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ルなど);アルキレンエ−テルグリコ−ル(ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレンエ−テルグリコ−ルなど);脂環式ジオ−ル(1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、水素添加ビスフェノ−ルAなど);ビスフェノ−ル類(ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルF、ビスフェノ−ルSなど);上記脂環式ジオ−ルのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノ−ル類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコ−ルおよびビスフェノ−ル類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノ−ル類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコ−ルとの併用である。3価以上のポリオ−ル(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコ−ル(グリセリン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ル、ソルビト−ルなど);3価以上のフェノ−ル類(トリスフェノ−ルPA、フェノ−ルノボラック、クレゾ−ルノボラックなど);上記3価以上のポリフェノ−ル類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリオ−ル(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネ−ト(3)としては、脂肪族ポリイソシアネ−ト(テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエ−トなど);脂環式ポリイソシアネ−ト(イソホロンジイソシアネ−ト、シクロヘキシルメタンジイソシアネ−トなど);芳香族ジイソシアネ−ト(トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−トなど);芳香脂肪族ジイソシアネ−ト(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネ−トなど);イソシアヌレ−ト類;前記ポリイソシアネ−トをフェノ−ル誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコ−ル(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコ−ル(B3)としては、エタノ−ルアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネ−ト基を有するプレポリマ−(A)中のイソシアネ−ト基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、THF不溶分を1〜25%含むポリエステル樹脂を使用することでホットオフセット向上につながる。また、一成分現像装置内部で長期間の攪拌により、現像ロ−ラとトナ−供給ロ−ラ、層厚規制ブレ−ドや摩擦帯電ブレ−ドなどとによる接触ストレスによりさらにトナ−が粉砕され、極微粒子が発生したり、流動化剤がトナ−表面に埋め込まれるために画像品質が低下といった問題に対して効果をもたらす。また、THF不溶分はカラ−トナ−においてはホットオフセットには効果があるものの光沢性やOHPの透明性については確実にマイナスであるが離型幅を広げるなどには1〜10%内で効果を発揮するケ−スもある。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)をトナ−バインダ−成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラ−装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオ−ル(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、例えばウレア結合やウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピ−ク分子量は、通常1000〜20000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は好ましくは10〜30である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらに定着性が良好になる傾向がある。但し、酸価が30を超えると特に高温高湿環境下で使用の場合には、トナ−の帯電量が低下し、画像上での地汚れなどの問題が発生する場合がある。
外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
また、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カ−ボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフト−ルイエロ−S、ハンザイエロ−(10G、5G、G)、カドミュウムイエロ−、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロ−、オイルイエロ−、ハンザイエロ−(GR、A、RN、R)、ピグメントイエロ−L、ベンジジンイエロ−(G、GR)、パ−マネントイエロ−(NCG)、バルカンファストイエロ−(5G、R)、タ−トラジンレ−キ、キノリンイエロ−レ−キ、アンスラザンイエロ−BGL、イソインドリノンイエロ−、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマ−キュリレッド、アンチモン朱、パ−マネントレッド4R、パラレッド、ファイセ−レッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソ−ルファストスカ−レットG、ブリリアントファストスカ−レット、ブリリアントカ−ンミンBS、パ−マネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカ−レットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカ−レットG、リソ−ルルビンGX、パ−マネントレッドF5R、ブリリアントカ−ミン6B、ポグメントスカ−レット3B、ボルド−5B、トルイジンマル−ン、パ−マネントボルド−F2K、ヘリオボルド−BL、ボルド−10B、ボンマル−ンライト、ボンマル−ンメジアム、エオシンレ−キ、ロ−ダミンレ−キB、ロ−ダミンレ−キY、アリザリンレ−キ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマル−ン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロ−ムバ−ミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブル−、セルリアンブル−、アルカリブル−レ−キ、ピ−コックブル−レ−キ、ビクトリアブル−レ−キ、無金属フタロシアニンブル−、フタロシアニンブル−、ファストスカイブル−、インダンスレンブル−(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブル−、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレ−キ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリ−ン、ジンクグリ−ン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリ−ン、ピグメントグリ−ンB、ナフト−ルグリ−ンB、グリ−ンゴ−ルド、アシッドグリ−ンレ−キ、マラカイトグリ−ンレ−キ、フタロシアニングリ−ン、アントラキノングリ−ン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナ−に対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本マスタ−バッチはマスタ−バッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスタ−バッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペ−ストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケ−キをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロ−ルミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(水系媒体中でのトナ−の製造法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコ−ル(メタノ−ル、イソプロパノ−ル、エチレングリコ−ルなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
水系媒体中でプレポリマ−(A)、及び未変性ポリエステル(ii)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にプレポリマ−(A)、及び未変性ポリエステル(ii)からなるトナ−原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマ−(A)、及び未変性ポリエステル(ii)と他のトナ−組成物である(以下トナ−原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスタ−バッチ、離型剤、荷電制御剤などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナ−原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナ−原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
プレポリマ−(A)、及び未変性ポリエステル(ii)を含むトナ−組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナ−組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナ−粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、樹脂微粒子と共に分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャ−プになるとともに分散が安定である点で好ましい。
プレポリマ−(A)からウレア変性ポリエステルを合成する工程は水系媒体中でトナ−組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナ−表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
商品名としては、サ−フロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラ−ドFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS一101、DS−l02、(タイキン工莱社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F一113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF一102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(ト−ケムプロダクツ社製)、フタ−ジェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させることが特に好ましい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマ−ル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β一ヒドロキシエチル、メタクリル酸β一ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β一ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ一ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2一ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコ−ルモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコ−ルモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロ−ルメタクリルアミドなど、ビニルアルコ−ルまたはビニルアルコ−ルとのエ一テル類、例えばビニルメチルエ−テル、ビニルエチルエ−テル、ビニルプロピルエ−テルなど、またはビニルアルコ−ルとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロ−ル化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾ−ル、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマ−または共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエ−テル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−スなどのセルロ−ス類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナ−粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長及び/又は架橋反応後、洗浄除去するほうがトナ−の帯電面から好ましい。
伸長及び/又は架橋反応時間は、プレポリマ−(A)の有するイソシアネ−ト基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは5〜50℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレ−ト、ジオクチルチンラウレ−トなどが挙げられる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンタ−、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニュ−マチック社製)を改造して、粉砕エア−圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
図9は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態の構成を示す概略図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト254に加圧ローラ252を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
[変性ポリエステル系樹脂(A−1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物358部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物381部、イソフタル酸200部、テレフタル酸127部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応させて水酸基価25、酸価0.9のポリエステルプレポリマーを得た。更に80℃まで冷却し、酢酸エチル364部とイソホロンジイソシアネート98部を加えて110℃で2時間反応を行いMw12,000、NCO含量1.29%の変性ポリエステル系樹脂(A−1)の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)を得た。
[アミンのブロック化物(B)の合成]
撹拌棒及び温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いアミンのブロック化物(B)を得た。
[低分子量ポリエステルの合成]
冷却管、攪拌機及び窒素導入官についた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、さらに、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部入れ、180℃、常圧下で1.8時間反応し、[低分子量ポリエステル1]をえた。[低分子量ポリエステル1]は、Mn2,500、Mw6,700、ピーク分子量は5,000、Tg43℃、酸価25であった。
[カーボンブラックマスターバッチ樹脂の合成]
水1,200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、製造例3で得た低分子量ポリエステル樹脂1,200部を加え、加圧ニーダーで混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、カーボンブラックマスターバッチ樹脂を得た。
ビーカー内にカーボンブラックマスターバッチ樹脂100部と、ビーズミルで平均粒経が0.5μmになるまで湿式分散したカルナバワックスの酢酸エチル溶液(ワックス濃度10%)50部、および酢酸エチル70部を加え均一に分散するまで攪拌した。さらに、変性ポリエステル系樹脂(A−1)の酢酸エチル溶液20部、アミンのブロック化物(B)1.2部を混合して、固形分濃度50%の樹脂と着色剤の調整液(1)を得た。このビーカーに水560部、ポリメタクリル酸メチル微粒子分散水溶液(花王社製:PB−200H)を固形分換算で3.6部、及びドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12,000rpmで25℃で1分間混合し、乳化分散液(X)を得た。
この乳化分散液(X)100部をヘリカルリボン型3段攪拌翼付きのステンレス製コルベンに移し、回転数60rpmで攪拌しながら、減圧下(10kPa)で25℃、6時間の条件で乳化液中の濃度が8%となるまで酢酸エチルを脱溶剤して乳化分散液(Y−1)を得た。
この乳化分散液(Y−1)に、カルボキシメチルセルロース(セロゲンHH、第一工業製薬社製)1.9部を添加し増粘したのち(増粘を開始する時間は乳化分散液調整後10時間)、回転数300rpmで攪拌してシェアを与えながら、減圧下(10kPa)で乳化液中の酢酸エチル濃度が3%となるまで酢酸エチルを脱溶剤し、さらに回転数を60rpmに落として、引き続き酢酸エチル濃度が1%となるまで脱溶剤した。増粘後の乳化液の粘度は6,000mPa・sであった。
この乳化液100部を遠心分離し、回収したケーキに更に水60部を加えて遠心分離して固液分離する工程を5回繰り返した後、35℃で48時間乾燥してトナー母体粒子(1)を得た。
さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、周速を15m/secとして30秒混合、1分間休止を5サイクル行い、ブラックトナーを得た。
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100部
トルエン 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
カーボンブラック 10部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調整した。このコート層形成液を流動床型コーティング装置を用いて、粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面にコーティングして磁性キャリアAを得た。
定着ローラとして(株)リコー製複写機imagio NEO451を用いて、これにリコー製のマイリサイクル100W紙をセットし複写テストを行った。クリーニングローラは、アルミニウム製で直径10mm、粗さRzは10μmである。このクリーニングローラ表面には、粘弾性を大きくする反応物質として、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)をトルエンに溶解した後、長手方向に焼く300mmのクリーニングローラ1本当たり、乾燥重量分として0.07gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
(ホットオフセット評価)
この画像形成装置で、定着画像へクリーニングローラからの溶融トナーの逆転委による溶け出しホットオフセットの有無を目視評価した。専用チャート(6%面積率)のA4を両面印刷して連続ランニングした。溶け出しホットオフセットが観察されなかったものを「○」、確認されたものを「△」、紙が巻き付きジャムしたものを「×」として評価した。
<比較例1>
クリーニングローラに粘弾性を大きくする反応物質を塗布しなかった以外は、実施例1と同様にした。
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
251 定着ローラ
252 加圧ローラ
255 塗布ローラ
256 定着ローラクリーニングローラ
257 加圧ローラクリーニングローラ
258 温度センサ
26 (定着ベルトを有する)定着装置
261 定着ローラ
262 加圧ローラ
263 加熱ローラ
264 定着ベルト
265 塗布ローラ
266 定着ローラクリーニングローラ
267 加圧ローラクリーニングローラ
268 温度センサ
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
80 送風装置
81 シロッコファン
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
Claims (25)
- 少なくとも、結着樹脂と着色剤とを有するトナ−を、熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置において、
前記定着装置は、定着手段と加圧手段と、これらのいずれかをクリ−ニングするクリーニング部材とを有し、かつ、このクリーニング部材に結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質がコーティングされている
ことを特徴とする定着装置。 - 少なくとも、結着樹脂と着色剤とを有するトナ−を、熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置において、
前記定着装置は、複数のロ−ラに張架された定着手段と加圧手段と、これらのいずれかをクリ−ニングするクリーニング部材とを有し、かつ、このクリーニング部材に結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質がコーティングされている
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1又は2に記載の定着装置において、
前記定着装置は、クリーニング部材が表面にコーティング用樹脂と反応性物質との混合体がコーティングされている
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項3に記載の定着装置において、
前記クリーニング部材は、コーティング用樹脂がトナーの結着樹脂と同じ成分を有する
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項3又は4に記載の定着装置において、
前記定着装置は、クリーニング部材にコーティングされる混合体のコーティング用樹脂が、5〜80wt%の範囲にある
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の定着装置において、
前記反応性物質は、金属化合物である
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の定着装置において、
前記クリーニング部材は、表面の十点平均粗さRzが3〜50μmの範囲にある
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の定着装置において、
前記定着装置は、クリーニング部材を冷却する送風装置を備える
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の定着装置において、
前記トナーは、離型剤を含む
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載の定着装置において、
前記トナーは、荷電制御剤を含む
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし10のいずれかに記載の定着装置において、
前記トナ−は、平均円形度が0.94以上である
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし11のいずれかに記載の定着装置において、
前記トナ−は、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤とを有機溶媒中にそれぞれを溶解又は分散させたトナ−組成物を、水系媒体中に分散させて伸長及び/又は架橋反応させた
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし12のいずれかに記載の定着装置において、
前記トナ−は、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、
体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし13のいずれかに記載の定着装置において、
前記トナ−は、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし14のいずれかに記載の定着装置において、
前記トナ−は、紡錘形状で、かつ、
前記紡錘形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある
ことを特徴とする定着装置。 - 潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、像担持体上の未転写の残留トナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項1ないし15に記載の定着装置を用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項16に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、像担持体と、少なくとも帯電装置、現像装置、クリ−ニング装置から選択される一以上の装置とを一体に支持し、着脱可能なプロセスカ−トリッジを備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 少なくとも、結着樹脂と着色剤を有するトナ−であって、定着手段による熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着されるトナ−において、
前記トナーは、請求項1ないし8のいずれかに記載の定着装置に用いられる
ことを特徴とするトナー。 - 請求項18に記載のトナーにおいて、
前記トナーは、離型剤を含む
ことを特徴とするトナー。 - 請求項18又は19に記載のトナーにおいて、
前記トナーは、荷電制御剤を含む
ことを特徴とするトナー。 - 請求項18ないし20のいずれかに記載のトナ−において、
前記トナ−は、平均円形度が0.94以上である
ことを特徴とするトナ−。 - 請求項18ないし21のいずれかに記載のトナ−において、
前記トナ−は、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、
体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とするトナ−。 - 請求項18ないし22のいずれかに記載のトナ−において、
前記トナ−は、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とするトナ−。 - 請求項18ないし23のいずれかに記載のトナ−において、
前記トナ−は、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤とを有機溶媒中にそれぞれを溶解又は分散させたトナ−組成物を、水系媒体中に分散させて伸長及び/又は架橋反応させた
ことを特徴とするトナ−。 - 請求項18ないし24のいずれかに記載のトナ−において、
前記トナ−は、紡錘形状で、かつ、
前記紡錘形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある
ことを特徴とするトナ−。
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