JP5024839B2 - 電磁ブレーキの制御装置および同装置を搭載した荷役車両 - Google Patents
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Description
これにつき、図5に示す従来の電磁ブレーキ装置の制御要領の一例につき示すブロック図を基に説明する。
しかしながら、ステップS4’を経た後ステップS5’に達する手前の時点で、前のループのステップS8’の時点とは異なり何らかの事象でブレーキペダルが「踏まれた」(=ON)場合、ステップS5’からステップS6’に達し得る状態となる。
前記走行モータの出力軸に近接して備えられた軸回転数検出手段と、
前記軸回転数検出手段への入力カウント値に基づいて前記車両速度のほか車両動作量を算出可能なコントロールユニットと、
を備えた荷役車両に搭載され、ブレーキペダルを踏み込むと制動状態より解放される電磁ブレーキの制御装置であって、
前記電磁ブレーキの制動条件を、前記荷役車両の前記車両速度≠0のときに適用され得る第1の電磁ブレーキ制動条件と、前記荷役車両の前記車両速度=0のときに適用され得る第2の電磁ブレーキ制動条件とからなるものとし、
前記第1の電磁ブレーキ制動条件を、前記ブレーキペダルが踏み込まれている否かのほか、前記車両速度が予め定めた規定値を超えるものか否かの結果により前記電磁ブレーキを前記制動状態とするか解放状態とするか制御するものとし、さらに、
前記第2の電磁ブレーキ制動条件を、前記ブレーキペダルが踏み込まれている否かのほか、前記車両動作量が予め定めた規定値を超えるものか否かの結果により前記電磁ブレーキを前記制動状態とするか前記解放状態とするか制御するもの、
としたことを特徴とするものである。
前記車両速度≠0状態であるときを表す電磁ブレーキモード0と、
車両停止かつ前記ブレーキペダルが踏み込まれている状態であるときを表す電磁ブレーキモード1と、
車両停止かつ前記ブレーキペダルが放されており、かつ電磁ブレーキ解放状態であるときを表す電磁ブレーキモード2と、
からなる3モードへの属否を判定し続けることを通じて行なわれるようになっており、
前記電磁ブレーキモード0にあるときに前記第1の電磁ブレーキ制動条件が適用され、
前記電磁ブレーキモード2にあるときに前記第2の電磁ブレーキ制動条件が適用される。
また、(4)前記電磁ブレーキは、無励磁状態において機械的制動が働き、励磁状態において機械的制動が解除される無励磁動作型電磁ブレーキであることが好ましい。
図1は、電磁ブレーキの制御装置を搭載したフォークリフトの一例につき示す図である。図2は、本発明に係る電磁ブレーキの制御装置が搭載されたフォークリフトの操作系統の一例を示すブロック図である。
図1および図2に示すとおり、本実施形態に係るフォークリフト1の基本構造自体は公知のいわゆるリーチタイプのフォークリフトと同様であり、ベースとなる車台8上に、フォーク3がある側を前方として、後方へかけて順に、マスト2、バッテリ収納部9、機器収納部10およびその上方に設けられた操作パネル5、そして運転台4を備えてなるものである。フォーク3はマスト2に設けられている。機器収納部10にはコントロールユニットCが収容されており、後述する走行モータMと電磁ブレーキEとを制御できるようになっている。
したがって、コントロールユニットCには、走行モータMと電磁ブレーキEとが接続されていることに加えて、アクセルレバーAおよびディレクショナルレバーDからの信号のほか、上記ブレーキペダルBのON/OFF信号および軸回転数検出手段Sからの出力信号も入力される構成となっている(図2参照)。
本実施形態において、軸回転数検出手段Sには走行モータMのベアリングセンサ又は走行モータMの出力軸に取り付けられたエンコーダが用いられる。上記ベアリングセンサ又はエンコーダへの入力カウント値は、電磁ブレーキEの制御(車両速度或いは車両動作量の演算)に用いられるほか、フォークリフト1の最高速度を制限する制御にも用いられる。なお、車両速度或いは車両動作量の演算自体は、上記カウント値が入力されたコントロールユニットCにより行われる。
本実施例に係る電磁ブレーキEは、いわゆる無励磁作動型電磁ブレーキと言われるもので、無励磁状態において機械的制動が働き、励磁状態において機械的制動が解除されるものである(特許文献1参照)。
したがって本実施形態の電磁ブレーキEは、ブレーキペダルBが放された(=OFF)状態では無励磁状態とされて制動状態となる一方、ブレーキペダルBが踏み込まれた(=ON)の状態では励磁状態とされて解放状態となる。
次に、上記構成からなる本実施形態に係る電磁ブレーキの制御装置の制御要領につき、図2−5に基づき説明する。図3及び図4は、本発明による電磁ブレーキの制御装置の制御要領の一実施形態を示すブロック図である。図5の従来の電磁ブレーキ装置の制御要領につき示すブロック図と対比しても分かる通り、本実施形態では車両停止時に適用される制動条件(=第2の電磁ブレーキ制動条件)が新たに追加されている。すなわち本実施形態では、電磁ブレーキEの制動条件は上記車両停止時に適用される制動条件と、車両走行時に適用される制動条件(=第1の電磁ブレーキ制動条件。従来の制動条件に相当する(図5参照))、からなっている。
車両停止時に適用される制動条件では、車両走行時に適用される制動条件と異なり、「ブレーキペダルの動作+車両速度」をみることから「ブレーキペダルの動作+車両動作量」をみることへと制動条件が変更されている点が注目すべき点である。
なお、図3及び図4に示す本実施形態に係る電磁ブレーキの制御装置の制御自体は、図5に示す従来の電磁ブレーキ装置の制御と同様、本実施形態に係る電磁ブレーキの制御装置が備えられている車両の電源が入っている間中はずっと、最も上流のステップS0から下流のステップS7、そして又最も上流のステップS0へと繰返される性格のものである。
したがって、フォークリフト1が静止している状態から単に電源を投入してフォークリフトを起動しただけのときにあっては、「車両停止+ブレーキペダルOFF」であると同時に電磁ブレーキEの状態は「制動」の状態となっている。この状態にあるときはどのモードにも属さず(判定vii)、繰り返しループの先頭に戻って(ステップS7、ステップS0)車両が停止状態から脱するか、或いはブレーキペダルON状態となるかを待って別の判断がなされる。
次に、上記起動直後、ブレーキペダルBを踏むことにより電磁ブレーキEを解放すると同時に、アクセルレバーAおよびディレクショナルレバーDを操作することによりフォークリフト1を前進又は後進させるときについて説明する。このときは、当然電磁ブレーキEによる制動が行なわれることはない。
判定iv或いはvに関しては、車両速度≠0として制御の流れがステップS3に進んでから、ステップS4において電磁ブレーキEの状態が「制動」か「解放」であるかが確認されるところ、ステップS4の時点ではブレーキペダルBが「踏まれる」(=ON)ことにより電磁ブレーキEが「解放」されてフォークリフト1が前後進しているので一旦ステップS8に進むものと判断された後に、何らかの事情で運転者Uがブレーキペダルを放してしまいブレーキペダル=OFFとされたとき、ステップS8からステップS9へ進む判断がなされる。ステップS9では、そのときの車両速度が判断対象とされ、車両速度が例えば規定値として予め定めた1km/h以下であればステップS10に進めて電磁ブレーキを制動状態にさせ(判定iv)、その後、制御の流れは繰り返しループの繰り返し点ステップS7に進められる。
なお、判定ivとは異なりS9において車両速度が上記規定値を超えるものと判断された場合に電磁ブレーキ制動が行われないのは、そもそも車両速度が上記規定値を超える場合の制動については電磁ブレーキEではなくアクセルレバーAを操作することによる回生制動やアクセルレバーAとディレクショナルレバーDとを併用することによるプラギングを使用すべきであるという、電磁ブレーキEの基本的性格或いは用途を考慮した意図に起因している。
なお、判定iiによる電磁ブレーキEの制動状態は、(繰り返しループの先頭ステップS0に戻って)車両が走行状態から脱するか(ステップS2:車両速度=0)、或いはブレーキペダルON状態となって電磁ブレーキEの状態が「解放」となる(ステップS4:電磁ブレーキEの状態=「解放」、或いはタイミングによりステップS5:ブレーキペダル=ON)まで、維持される。すなわち、この判定iiについては、(繰り返しループの先頭ステップS0に戻って)車両が走行状態から脱するか(ステップS2:車両速度=0)、或いはブレーキペダルON状態となって電磁ブレーキEの状態が「解放」となる(ステップS4:電磁ブレーキEの状態=「解放」、或いはタイミングによりステップS5:ブレーキペダル=ON)のを待って別の判断がなされる。
引き続き、上記起動直後の判定vii状態から、ある時点でブレーキペダルBを踏むことにより電磁ブレーキEを解放したときの制御の流れにつき説明する。
図3及び図4に基づき制御の流れを見ると、判定viiの後、ステップS7からステップS0に戻ったとしてステップS0から順に、ステップS1では電磁ブレーキモードは≠2なのでステップS2に進み、そして、フォークリフト1が未だ静止しているとすればステップS2では車両速度=0なのでステップS11に進み、ここで電磁ブレーキEの状態が「制動」か「解放」であるかが確認される。
つまり、ステップS11の時点において、ブレーキペダルBが「踏まれる」(=ON)ことにより電磁ブレーキEが「解放」されているか否かによって、ステップS11から先の制御の流れが変わることとなる。
しかしながら、ステップS11を過ぎてからステップS12に至るまでの間にブレーキペダルBが「踏まれる」(=ON)状態となった場合には、制御の流れはステップS12からステップS13へと達し、ステップS13で電磁ブレーキEが「解放」される。ステップS13に至った時点で電磁ブレーキモード=1(車両停止+ブレーキペダルON)とされる(判定vi)。
ステップS16に至り、電磁ブレーキモード=2(車両停止+ブレーキペダルOFF+電磁ブレーキ解放)とする判定ixがなされると、ステップS7から繰り返しループの先頭ステップS0に戻った後、次のステップS1において電磁ブレーキモード=2と判断され、これ以降の制御は、本発明において追加された「車両停止時に適用される電磁ブレーキ制動条件」に基づき行われる。
電磁ブレーキモード=2のとき、電磁ブレーキEによる制動条件は、車両走行時に適用される制動条件である、「ブレーキペダルの動作+車両速度」をみることから、「ブレーキペダルの動作+車両動作量」をみることへと変更される。
これより、車両停止時に適用される電磁ブレーキ制動条件によって導かれる判定x−xiiにつき、順次説明する。
つまり、ステップS17の時点において、ブレーキペダルBが「踏まれている」(=ON)か否かによって、ステップS17から先の制御の流れが変わることとなる。
ステップS19では、そのときの車両動作量が判断対象とされ、車両動作量が例えば規定値として予め定めた距離を超えていればステップS20に進めて電磁ブレーキを制動状態にさせ(判定xii)、その後、制御の流れは繰り返しループの繰り返し点ステップS7に進められる。
なお、判定xi又はxiiとされた場合、電磁ブレーキモード=2が解除され得るのは、その後繰り返しループの先頭ステップS0に戻ってからステップS17に達する手前の時点でブレーキペダルBが「踏まれる」(=ON)状態となって制御の流れがステップS17からステップS18に達し、ステップS18で電磁ブレーキモード=2が解除され電磁ブレーキモード=1とされる(判定x)場合に限られる。
a)車両動作量が規定値以下に止まっていれば、ブレーキペダルBがOFFであるにもかかわらず電磁ブレーキEを制動状態にすることなく、そのままにして次のループに行くようにする(判定xi)制御がなされる一方、
b)坂道等により車両が移動してしまうような状況が生じた際には、車両動作量が規定値を超えたときに初めてブレーキペダルB=OFFであることに連動して電磁ブレーキEが制動状態となるよう、制御されるのである(判定xii)。
なお上記の通り、一旦電磁ブレーキモード=2と判断された場合には(判定ix)、次のループ以降でブレーキペダルBがONと判断されれば、車両停止時の電磁ブレーキ動作条件である電磁ブレーキモード=2を脱けて電磁ブレーキモード=1に戻る(判定x)。
また、従来対策の様なこともせずに済むので、車両発進時における走行フィーリングが低下するようなこともない。
本発明については、上記一実施形態の説明を以て詳細に開示したが。本発明は上記一実施形態記載の厚生に限定されず、種々変形実施することが可能である。
例えば、本発明の電磁ブレーキ制御が適用される車両は、いわゆるリーチタイプのフォークリフトに限定されず、カウンタウェイトタイプのフォークリフトでも構わない。
この他、本発明の電磁ブレーキ制御が適用される車両は、フォークリフトでなくとも例えばローリフトトラック等、走行モータによる回生制動と電磁ブレーキが併設される荷役車両であればどのようなものであっても構わない。
ほかにも、リミットスイッチに代えて磁気センサや光センサ等の各種検出手段を適用してブレーキペダルBが踏み込まれているか否かの検出を行う構成として構わない。
B ブレーキペダル
C コントロールユニット
D ディレクショナルレバー
E 電磁ブレーキ装置
M 走行モータ
S ベアリングセンサ又はエンコーダ
U 運転者
1 フォークリフト
2 マスト
3 フォーク
4 運転台
5 操作パネル
6 駆動輪
7 従動輪
8 車台
9 バッテリ収納部
10 機器収納部
12 表示装置
13 ステアリングハンドル
Claims (5)
- アクセルレバーの操作に応じ力行制御と回生制御とを切り替え、荷役車両の車両速度を制御可能な走行モータと、
前記走行モータの出力軸に近接して備えられた軸回転数検出手段と、
前記軸回転数検出手段への入力カウント値に基づいて前記車両速度および車両動作量を算出可能なコントロールユニットと、
を備えた荷役車両に搭載され、ブレーキペダルを踏み込むと制動状態より解放される電磁ブレーキの制御装置であって、
前記電磁ブレーキの制動条件を、前記荷役車両の前記車両速度≠0のときに適用され得る第1の電磁ブレーキ制動条件と、前記荷役車両の前記車両速度=0のときに適用され得る第2の電磁ブレーキ制動条件とからなるものとし、
前記第1の電磁ブレーキ制動条件を、前記ブレーキペダルが踏み込まれている否かのほか、前記車両速度が予め定めた規定値を超えるものか否かの結果により前記電磁ブレーキを前記制動状態とするか解放状態とするか制御するものとし、さらに、
前記第2の電磁ブレーキ制動条件を、前記ブレーキペダルが踏み込まれている否かのほか、前記車両動作量が予め定めた規定値を超えるものか否かの結果により前記電磁ブレーキを前記制動状態とするか前記解放状態とするか制御するもの、
としたことを特徴とする電磁ブレーキの制御装置。 - さらに、前記電磁ブレーキの制御は、
前記車両速度≠0状態であるときを表す電磁ブレーキモード0と、
車両停止かつ前記ブレーキペダルが踏み込まれている状態であるときを表す電磁ブレーキモード1と、
車両停止かつ前記ブレーキペダルが放されており、かつ電磁ブレーキ解放状態であるときを表す電磁ブレーキモード2と、
からなる3モードへの属否を判定し続けることを通じて行なわれるようになっており、
前記電磁ブレーキモード0にあるときに前記第1の電磁ブレーキ制動条件が適用され、
前記電磁ブレーキモード2にあるときに前記第2の電磁ブレーキ制動条件が適用される、ことを特徴とする請求項1に記載の電磁ブレーキの制御装置。 - 前記軸回転数検出手段が、前記走行モータのベアリングセンサ又は前記走行モータの前記出力軸に取り付けられたエンコーダであることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁ブレーキの制御装置。
- 前記電磁ブレーキが、無励磁状態において機械的制動が働き、励磁状態において機械的制動が解除される無励磁動作型電磁ブレーキであることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の電磁ブレーキの制御装置。
- 請求項1−4のいずれか1項に記載の電磁ブレーキの制御装置を搭載したことを特徴とする荷役車両。
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