JP2006353044A - 電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一つのアクセルペダルで操作が行われる電動車両において、モータの回生制御を適切に行うことができるようにする。
【解決手段】 制御装置は、前後進選択手段及び回転検出手段からの出力に基づいて、走行用モータを制御する制御モードを前進モード、後進モード、及び中立モードのうちの何れかに設定する設定部と、操作検出手段及び回転検出手段からの出力に基づいて、設定された制御モードで走行用モータを制御する制御部とを備える。
設定部は、前後進選択手段において前進又は後進が選択されているときには、現在設定されている制御モードが上記モードのうちの何れであるかの判断に基づいて制御モードを設定し、前後進選択手段において前進、後進共に選択されていないときには、走行用モータの回転数に基づいて現在の走行状態が前進走行中、後進走行中、及び停車中のうちの何れであるかを判断し、その判断結果に基づいて制御モードを設定する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、バッテリフォークリフトのような電動車両における走行用モータの制御に関する。
従来、バッテリを搭載した電動車両においては、走行中にモータの回生制御を行うことによって、エネルギーの回収を行うと共にブレーキへの負担を軽減することが行われている。このような回生制御としては、特許文献1に示すように、例えば前進から後進へというように進行方向を反転させたときに行うものや、アクセルをオフしたときに行うものがあり、又、特許文献2に示すように、降坂の際に行うものがある。
ところで、産業車両には、例えば特許文献3に示すように、一つのアクセルペダルで前進と後進とを操作するようになされたものがあり、このような技術により、運転者は簡単に前進と後進とを切り換えて車両を走行させることができるようになっている。
特開平8−33115号公報 特開2001−139295号公報 特開2004−123334号公報
上記の特許文献3に記載されているような、アクセルペダルで前進と後進とを操作する車両においてバッテリを使用している場合、モータの回生制御を行うことができれば稼働時間の向上などの効果を得ることができる。しかし、一つのアクセルペダルで操作が行われるので、非操作を含めたアクセルペダルの操作状況を踏まえてモータを制御することが必要となる。言い換えると、アクセルペダルの非操作状態であってもモータの制御が行われるようにしなければ、回生制御による効果が十分に得られないことになる。
そこで本発明は、一つのアクセルペダルで操作が行われる電動車両において、モータの回生制御を適切に行うことができるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、車輪と機械的に連結して設けられた走行用モータを、アクセルペダルの足踏み操作に応じて制御して走行する電動車両において、上記アクセルペダルに、踏込み操作量を検出する操作検出手段と、足踏み操作で当該車両の前進又は後進を選択する前後進選択手段とを備えると共に、上記車輪又は上記走行用モータの回転数を検出する回転検出手段と、上記操作検出手段、上記前後進選択手段、及び上記回転検出手段からの出力に基づいて上記走行用モータを制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記前後進選択手段及び上記回転検出手段からの出力に基づいて、上記走行用モータを制御する制御モードを前進モード、後進モード、及び中立モードのうちの何れかに設定する設定部と、上記操作検出手段及び上記回転検出手段からの出力に基づいて、上記設定部で設定された制御モードで上記走行用モータを制御する制御部とを備えており、上記設定部は、上記前後進選択手段において前進又は後進が選択されているときには、現在設定されている制御モードが上記モードのうちの何れであるかを判断し、その判断結果に基づいて制御モードを設定し、上記前後進選択手段において前進、後進共に選択されていないときには、上記回転数に基づいて現在の走行状態が前進走行中、後進走行中、及び停車中のうちの何れであるかを判断し、その判断結果に基づいて制御モードを設定することを特徴とする構成としている。
このような本発明によれば、アクセルペダルに設けられた前後進選択手段において前進又は後進が選択されているときはもちろん、前進、後進共に選択されていないときであっても設定部において前進モード、後進モード、及び中立モードの何れかが制御モードとして設定されるので、制御部は常にこの制御モードに従って走行用モータを制御することができる。つまり、こうして設定された制御モードで走行用モータを回生制御することができるようになるので、前進、後進が選択されているか否かにかかわらず、前進走行中でも後進走行中でも回生制御を行って、エネルギーの回収を行うと共にブレーキへの負担を軽減することができるようになる。
尚、上記前後進選択手段は、当該車両の走行方向として前進を指示する前進選択部と、後進を指示する後進選択部とを備えており、上記前進操作部、後進操作部共に、上記アクセルペダルの踏込み方向と同方向へ足踏み操作することにより走行方向を指示する信号を上記制御手段へ出力するものとすることができ、こうすることで、前後進選択手段の各選択部と、アクセルペダルとを容易に同時操作できるようになり、操作性が向上する。
本発明において、上記設定部は、上記前後進選択手段において前進が選択され、現在設定されている制御モードが後進モードでない場合、並びに上記前後進選択手段において前進、後進共に選択されず、前進走行中である場合には、制御モードを前進モードに設定し、上記前後進選択手段において後進が選択され、現在設定されている制御モードが前進モードでない場合、並びに上記前後進選択手段において前進、後進共に選択されず、後進走行中である場合には、制御モードを後進モードに設定し、上記の何れの場合にも該当しない場合には制御モードを中立モードに設定することを特徴とする構成とすることができる。
このようにすれば、前進モード、後進モード、及び中立モードをそれぞれ操作の状況及び走行の状況に適当な条件で設定することができ、又、確実に何れかの制御モードを設定することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、前後進選択手段において前進、後進共に選択されていないときであっても前進モード、後進モード、及び中立モードが設定され、こうして設定された制御モードで走行用モータが制御される。従って、前進、後進が選択されているか否かにかかわらず回生制御を行って、エネルギーの回収を行うと共にブレーキへの負担を軽減することができるようになる。
以下、本発明を電動車両の一種であるバッテリフォークリフトに適用した実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、この実施例に係るバッテリフォークリフトは、車体1の前部にマスト装置2が設けられており、このマスト装置2に左右一対でフォーク3が昇降可能に設けられている。又、車体1の後部にはカウンタウエイト4が設けられ、車体1の前後中央部には図示しないバッテリが内蔵されている。車体1の前方下部には駆動輪としての左右一対の前輪5が設けられると共に、車体1の後方下部には操舵輪としての左右一対の後輪6が設けられており、このバッテリフォークリフトはこれら四輪にて走行する。尚、各前輪5には図示しないブレーキが装着されており、ブレーキペダルを操作することで各ブレーキが作動し、各前輪5に制動がかけられる。
更に、図1に示すように、車体1の前後中央部には、運転者が前方を向いて着座する運転席7が設けられ、この運転席7と対向する位置に、ステアリングハンドル8や荷役操作レバー、ブレーキペダルが設けられている。荷役操作レバーの下方位置に設けられたフロア9には、アクセルペダル10が一つ設けられ、運転席7に着座した運転者がこのアクセルペダル10を足踏み操作できるようになされている。
図2に示すように、アクセルペダル10は、フロア9上に後端部(運転席7側の端部)を支点として上下に揺動可能に設けられており、アクセルペダル10の裏側にはロッド11の一端側が連結されている。ロッド11の他端側にはレバー12が連結され、このレバー12はフロア9の下面にブラケットを介して取り付けられた角度検出センサ13の検出軸に固定されている。これにより、アクセルペダル10の揺動がロッド11を介してレバー12に伝えられ、このときのレバー12の回転角度が角度検出センサ13により検出される。つまり、レバー12の回転角度がアクセルペダル10の揺動量に対応し、こうして検出された回転角度は、アクセル信号として後述する制御装置20へ伝えられる。このような角度検出センサ13が、本発明の操作検出手段に相当する。
又、アクセルペダル10の表側には操作パッド14が設けられており、運転者は操作パッド14を踏みながらアクセルペダル10を下方へ揺動するよう踏み込むことで操作を行う。この操作パッド14は、走行方向を指示するための前進スイッチ15及び後進スイッチ16を備えており、図3に示すように運転席7の運転者から見て左側に前進スイッチ15を、右側に後進スイッチ16を備えている。前進スイッチ15、後進スイッチ16は何れも押込み操作によりONとなり、操作を止めるとOFFとなるスイッチであり、そのON/OFF信号が制御装置20へ伝えられる。このような操作パッド14が、本発明の前後進選択手段に相当する。
尚、レバー12は、スプリング17を介してフロア9に連結されており、このスプリング17の弾性復元力によりレバー12が元の位置(角度)に戻され、アクセルペダル10が上方へ揺動するよう付勢されている。そのため、運転者がアクセルペダル10から足を離すと、アクセルペダル10は元の状態に戻され、その状態で保持される。
図1に示すように、フロア9の下方位置には走行用モータ18が設けられ、この走行用モータ18が図示しないドライブ装置を介して左右の前輪5と連結されている。ここで走行用モータ18と両前輪5とは、走行用モータ18が正転すると両前輪5が前進方向へ回転し、走行用モータ18が逆転すると両前輪5が後進方向へ回転するように連結されている。又、走行用モータ18には、このモータの回転数を検出する回転数検出センサ19が付設されており、回転数検出センサ19からの検出信号は制御装置20へ伝えられる。尚、回転数検出センサ19は、走行用モータ18の正転中の回転数を正の値、逆転中の回転数を負の値として制御装置20へ伝える。
又、図1に示すように、カウンタウエイト4に内包されるようにして走行用モータ18を制御する制御装置20が設けられている。この制御装置20は、走行用モータ18及びバッテリと電気的に結ばれており、後述する力行制御時にはバッテリから走行用モータ18へ電力が供給されるようにし、回生制御時には走行用モータ18からバッテリへ回収されるようにする。尚、制御装置20は、他の機器(例えば荷役用モータなど)の制御も行うが、ここではその説明を省略する。
図4に示すように、制御装置20は、演算装置21と、スイッチング装置22とを備えている。演算装置21は、角度検出センサ13、前進スイッチ15、及び後進スイッチ16と接続されると共に回転数検出センサ19と接続されており、各センサ、スイッチからの信号に従ってスイッチング装置22を作動させる。スイッチング装置22は、図示しないバッテリと、走行用モータ18とにそれぞれ接続されており、スイッチング装置22が作動することで、バッテリと走行用モータ18とが電気的に導通され、バッテリ、走行用モータ18間での電力の授受がなされる。
さて、演算装置21は、図5に示すように、先ずアクセル信号の取込を行い(S1)、続いてスイッチ信号の取込(S2)、モータ回転数の取込(S3)を行う。そして、これらの信号をもとに制御モードの設定を行う(S4)。
S4における制御モード設定において、演算装置21は、図6に示すように、先ず前進・後進スイッチのON/OFF判定を行う(S4−1)。つまり、前進スイッチ15、後進スイッチ16が足踏み操作されONであるか、或いは操作されずOFFであるかをそれぞれのスイッチ信号から判定する。次に、演算装置21は、走行用モータ18の回転数から走行状態の判定を行う(S4−2)。つまり、モータ回転数が正の値であれば前進走行中、負の値であれば後進走行中、0であれば停車中と判定する。
続いて、演算装置21は、前進スイッチ15のみONで、現在の制御モードが後進モードでないかを判定し(S4−3)、この判定結果がYESであれば、制御モードを前進モードに設定する(S4−4)。S4−3においてNOであれば、演算装置21は、前進・後進スイッチ共OFFで、前進走行中であるかを判定し(S4−5)、この判定結果がYESであれば、制御モードを前進モードに設定する(S4−4)。S4−5においてNOであれば、演算装置21は、後進スイッチ16のみONで、現在の前進モードでないかを判定し(S4−6)、この判定結果がYESであれば、制御モードを後進モードに設定する(S4−7)。S4−6においてNOであれば、演算装置21は、前進・後進スイッチ共OFFで、後進走行中であるかを判定し(S4−8)、この判定結果がYESであれば、制御モードを後進モードに設定する(S4−7)。S4−8においてNOであれば、演算装置21は、制御モードを中立モードに設定する(S4−9)。
こうして制御モードが前進モード、後進モード、又は中立モードに設定されれば、演算装置21は制御モード設定を終える。このような制御モードの設定処理が、本発明の制御手段における設定部に相当する。
演算装置21は、制御モード設定(S4)を終えると、図5に示すように、アクセル信号があるか否か、つまりアクセルペダル10が足踏み操作されているか否かを判定する(S5)。アクセル信号があり、アクセルペダル10が踏み込まれている場合には、演算装置21は設定されている制御モードで力行制御処理を行う(S6)。つまり、演算装置21は、アクセル信号から目標走行速度を求めると共にモータ回転数から実走行速度を求め、目標走行速度と実走行速度とが一致するようにスイッチング装置22を作動させ、走行用モータ18を回転させる。このとき、制御モードが前進モードに設定されていれば走行用モータ18を正転させ、後進モードに設定されていれば逆転させる。
一方、S5において、アクセル信号がなく、運転者がアクセルペダル10から足を離している場合には、演算装置21は、設定されている制御モードが中立モードであるか否かを判定する(S7)。ここでの判定がNOであれば、演算装置21は、アクセルOFF回生制御処理を行う(S8)。すなわち、演算装置21は、前進モードに設定されていれば、前進方向へ走行速度が0となるよう、走行用モータ18が逆転するようにスイッチング装置22を作動させる。又、後進モードに設定されていれば、演算装置21は、後進方向へ走行速度が0となるよう、走行用モータ18が正転するようにスイッチング装置22を作動させる。更に、演算装置21は、降坂抑速回生制御処理を行う(S9)。すなわち、前進モードに設定されていれば、演算装置21は、前進方向へ走行速度が増加しないよう、走行用モータ18が逆転するようにスイッチング装置22を作動させる。又、後進モードに設定されていれば、演算装置21は、後進方向へ走行速度が増加しないよう、走行用モータ18が正転するようにスイッチング装置22を作動させる。
尚、設定されている制御モードが中立モードであり、S7においての判定がYESであれば、走行中ではなく、又、運転者に走行の意思がないとみなせるので、演算装置21は、走行用モータ18を回転させることなく処理を終える。図5に示すS5以下における処理が、本発明の制御手段における制御部に相当する。
このような実施例によれば、前進スイッチ15又は後進スイッチ16が操作され、操作パッド14において走行方向として前進又は後進が選択されているときはもちろん、両スイッチ共に操作されておらず前進、後進共に選択されていないときであっても、前進モード、後進モード、及び中立モードの何れかが制御モードとして設定され、常にこの制御モードで走行用モータ18が制御される。この制御は、力行制御だけでなく、アクセルOFF回生制御や降坂抑速回生制御といった制御であるので、これらの回生制御によりエネルギーの回収を行うと共にブレーキへの負担を軽減することができる。
又、上記のように前進モード、後進モード、及び中立モードをそれぞれ適切な条件で設定するので、制御モードの設定を比較的簡素に、しかも確実に行うことができ、これに続く制御をスムーズに行うことができる。もちろん、操作パッド14をアクセルペダル10に設けているので、前進スイッチ15又は後進スイッチ16とアクセルペダル10とを容易に同時操作することができ、運転者は前進と後進とを簡単に切り換えてこのバッテリフォークリフトを走行させることができる。
尚、上記の実施例では、走行用モータ18に回転数検出センサ19を付設し、この回転数検出センサ19で検出されるモータ回転数に基づいて制御を行っているが、これに代えて、前輪5やドライブ装置に回転数検出センサを付設してその回転数を検出し、こうして検出される回転数から現在の走行状態を判断したり、走行速度を求めたりすることも可能である。
本発明の実施例に係るバッテリフォークリフトの側面図である。 本発明の実施例の側面図である。 図2におけるA矢視図である。 本発明の実施例のシステム図である。 本発明の実施例の制御フロー図である。 本発明の実施例の制御フロー図である。
符号の説明
1 車体
5 前輪
9 フロア
10 アクセルペダル
13 角度検出センサ
14 操作パッド
15 前進スイッチ
16 後進スイッチ
18 走行用モータ
19 回転数検出センサ
20 制御装置
21 演算装置
22 スイッチング装置

Claims (2)

  1. 車輪と機械的に連結して設けられた走行用モータを、アクセルペダルの足踏み操作に応じて制御して走行する電動車両において、
    上記アクセルペダルに、踏込み操作量を検出する操作検出手段と、足踏み操作で当該車両の前進又は後進を選択する前後進選択手段とを備えると共に、上記車輪又は上記走行用モータの回転数を検出する回転検出手段と、上記操作検出手段、上記前後進選択手段、及び上記回転検出手段からの出力に基づいて上記走行用モータを制御する制御手段とを備え、
    上記制御手段は、上記前後進選択手段及び上記回転検出手段からの出力に基づいて、上記走行用モータを制御する制御モードを前進モード、後進モード、及び中立モードのうちの何れかに設定する設定部と、上記操作検出手段及び上記回転検出手段からの出力に基づいて、上記設定部で設定された制御モードで上記走行用モータを制御する制御部とを備えており、
    上記設定部は、上記前後進選択手段において前進又は後進が選択されているときには、現在設定されている制御モードが上記モードのうちの何れであるかを判断し、その判断結果に基づいて制御モードを設定し、上記前後進選択手段において前進、後進共に選択されていないときには、上記回転数に基づいて現在の走行状態が前進走行中、後進走行中、及び停車中のうちの何れであるかを判断し、その判断結果に基づいて制御モードを設定することを特徴とする電動車両。
  2. 上記設定部は、
    上記前後進選択手段において前進が選択され、現在設定されている制御モードが後進モードでない場合、並びに上記前後進選択手段において前進、後進共に選択されず、前進走行中である場合には、制御モードを前進モードに設定し、
    上記前後進選択手段において後進が選択され、現在設定されている制御モードが前進モードでない場合、並びに上記前後進選択手段において前進、後進共に選択されず、後進走行中である場合には、制御モードを後進モードに設定し、
    上記の何れの場合にも該当しない場合には制御モードを中立モードに設定することを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
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