JP5024728B2 - レボルバ装置及びレボルバ装置を備えた顕微鏡 - Google Patents

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Description

この発明はレボルバ装置及びレボルバ装置を備えた顕微鏡に関する。
従来、アームに装着されるレボルバ本体と、このレボルバ本体に回転可能に装着されるレボルバ回転部材とで構成されるレボルバ装置を備えている顕微鏡がある。通常、レボルバ回転部材には倍率の異なる複数の対物レンズが装着される。
レボルバ装置は、複数の対物レンズの中から選択された対物レンズを正確に観察光軸上に配置するための位置決め機構としてクリック機構を備えている。
このクリック機構は、レボルバ回転部材に設けられ、複数の対物レンズにそれぞれ対応する複数のクリック溝と、レボルバ本体に一端が固定された板ばねを介して設けられ、クリック溝に係合可能なベアリングを板ばねの他端に備える。レボルバ回転部材を回転させると、板ばねで付勢されたベアリングが各々の対物レンズに対応するクリック溝に係合する。
特開2006−276192号公報
しかし、実際には、ねじりモーメントによるねじれが板ばねに生じることがある。
板ばねがねじれると、板ばねの一端が固定されているレボルバ本体とクリック溝が形成されているレボルバ回転部材との回転方向の位置関係がくずれ、レボルバ回転部材に装着した対物レンズの光軸とレボルバ本体側の光軸とがずれるため、対物レンズの位置決め精度が悪化し、所定の性能が得られなくなる等の問題が生じる。
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は高い位置決め精度を有するレボルバ装置及びレボルバ装置を備えた顕微鏡を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、レボルバ本体と、このレボルバ本体に対して軸回転可能であるとともに、複数の光学素子を装着可能なレボルバ回転部材と、このレボルバ回転部材及び前記レボルバ本体の一方の周方向へ形成されるクリック溝と、前記レボルバ回転部材及び前記レボルバ本体の他方に設けられ、前記クリック溝に係合するベアリングと、このベアリングを前記クリック溝に付勢する平板の板ばねとを備え、前記ベアリングは、前記ベアリングの中心と前記板ばねのベアリング側端部の片方の面とが同一平面上に位置するように前記板ばねに配置されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のレボルバ装置において、前記ベアリングは軸回転し、前記周方向へ転動するものであり、前記ベアリングの中心は前記軸回転の回転軸であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のレボルバ装置において、前記平板の板ばねは開口を有し、前記開口に前記ベアリングが装着されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載のレボルバ装置を備えていることを特徴とする顕微鏡である。
この発明によれば、高い位置決め精度を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態に係るレボルバ装置を備える顕微鏡の側面図である。
顕微鏡MSは、アーム1と、アーム1の上部に取り付けられた接眼レンズ2を有する鏡筒3と、アーム1の下面に取り付けられ、複数の対物レンズ(光学素子)4を有するレボルバ装置10と、アーム1を支持する支持部5に沿って上下動するステージ6とを備えている。
レボルバ装置10はアーム1の下面に対して着脱可能である。
図2はこの発明の一実施形態に係るレボルバ装置の断面図、図3(a)は図2のA矢視図、図3(b)は板ばねの平面図である。
図2、図3(a)は円筒形の転動体であるベアリング23がクリック溝36に落ち込んだ状態を示している。
レボルバ装置10は顕微鏡本体に固定されたレボルバ本体20とレボルバ本体20に対して軸回転するレボルバ回転部材30とを備える。
クリック機構の一部を構成する板ばね(付勢手段)21はほぼ三角形の平板であり、その一端の基端部に2つの孔21aが形成されている(図3(b)参照)。レボルバ本体20には、板ばね21の一端の基端部が2つの孔21aを介してそれぞれ挿入されたビス22で取り付けられている(図3(a)参照)。板ばね21の他端のベアリング側端部にはベアリング23が回転可能に支持されている。クリック溝36にベアリング23を落ち込ませることで対物レンズ4の位置決めが行われる。なお、板ばね21は平板状のものに限られない。
ベアリング23としては、例えばラジアル玉軸受やラジアルコロ軸受が用いられる。なお、高い回転精度が要求される場合には静圧軸受けを採用すればよい。また、ころがり軸受に代えて円筒形焼結含油軸受等のすべり軸受を用いることもできる。なお、ベアリング23の直径は5mm程度である。
クリック溝36はレボルバ回転部材30の周縁部39の上面に周方向へ等間隔で形成されている。クリック溝36の数はレボルバ回転部材30に装着可能な対物レンズ4の数と同じ(この実施形態の場合は5)である。
また、レボルバ本体20の中央部には下方へ突出する筒部25が形成され、この筒部25に形成されたねじ穴27にレボルバ回転部材30の回転中心となる皿ねじ31が螺着されている。この皿ねじ31の座面にはテーパ面31aが形成されている。
レボルバ回転部材30の中心部には皿ねじ31の頭部を収容可能な中心穴32が形成されており、テーパ面31aと中心穴32の内周面との間にはベアリングボール33が転動可能に配置されている。
また、レボルバ本体20の周縁部に形成された段差部26と、レボルバ回転部材30の周縁部39の内周面35との間にはベアリングボール34が転動可能に配置されている。
この構成によって、レボルバ回転部材30はレボルバ本体20に対して回転可能に支持される。
レボルバ回転部材30には複数の対物レンズ4を装着するための複数の装着孔37が周方向へ等間隔で形成されている。
図4はレボルバ回転部材30の外周側からクリック溝を見た際のクリック機構の拡大図、図5はレボルバ装置の部分断面図である。
図4はベアリング23がクリック溝36に落ち込んだ状態を示し、図5はベアリング23がレボルバ回転部材30の周縁部39の上面を転動している状態を示している。
レボルバ回転部材30の周縁部39の上面に形成されたクリック溝36はV溝36AとこのV溝36Aに連なる2つの斜面部36Bとで構成されている。なお、V溝36A、斜面部36Bの表面は平面であってもなだらかに湾曲する曲面であってもよい。
ベアリング23の中心孔に装着されたほぼ円柱状の支持部材24の端部は半円柱状に形成されている。支持部材24は平面24aとこの平面24aに直交する平面24bとを有する(図5参照)。板ばね21のベアリング側端部の下面が平面24aに溶接されている。その結果、ベアリング23の中心軸(中心)Oと板ばね21のベアリング側端部の下面とは同一仮想平面上に位置する。
図2、4、5に基いてレボルバ装置10の動作を説明する。
皿ねじ31を中心としてレボルバ回転部材30を回転させると、ベアリング23は回転軸を中心にレボルバ回転部材30の周縁部39の上面を板ばね21に付勢されながら相対的に転動する(図5参照)。
周縁部39の上面を転動するベアリング23はクリック溝36の斜面部36Bを経てV溝36Aに落ち込む(図2、4参照)。
V溝36Aに落ち込んだベアリング23は板ばね21の付勢力によってV溝36Aに押し付けられる。
板ばね21はベアリング23とV溝36Aとの2つの接点を通して反力を受ける。このとき、ベアリング23の中心軸Oと板ばね21のベアリング側端部の下面とは同一仮想平面上に位置するので、ベアリング23の中心軸Oと板ばね21のベアリング側端部の下面との間隔α(図4参照)は従来例(公報の図6参照)のそれより小さく、板ばね21が受けるねじれモーメントは従来例より小さくなる。
その結果、板ばね21に生じるねじれも小さくなり、レボルバ本体20とレボルバ回転部材30との周方向の位置ずれが小さくなるので、対物レンズ4の光軸はレボルバ本体20の光軸上に配置される。
この実施形態によれば、高い位置決め精度を得ることができ、所定の性能を得ることができる。
(削除)
また、上記実施形態では、レボルバ回転部材30にクリック溝36を、レボルバ本体20に板ばね21を介してベアリング23をそれぞれ設けたが、レボルバ回転部材30に付勢手段として板ばね21を介してベアリングを、レボルバ本体20にクリック溝をそれぞれ設け、ベアリングをクリック溝に落ち込ませるようにしてもよい。
更に、上記実施形態は手動タイプのレボルバ装置にも、電動タイプのレボルバ装置にも適用可能である。
図6はこの発明の一実施形態の変形例に係るレボルバ装置に用いられる板ばねの平面図である。
板ばね(付勢手段)121はほぼ三角形であり、その反ベアリング側端部に2つの孔121aが形成されている。レボルバ本体20には、板ばね121のベアリング側端部が2つの孔121aにそれぞれ挿入されたビス22で取り付けられる(図3参照)。ベアリング23は、板ばね121のベアリング側端部に形成された矩形の孔(開口)25に支持部材124を介して回転可能に支持されている。ベアリング23の中心孔に挿入された支持部材124の両端が板ばね121に溶接されている。クリック溝36にベアリング23を落ち込ませることで対物レンズ4の位置決めが行われる。
この変形例によれば、上記実施形態と同様の効果を奏するとともに、ベアリング23の支持部材124の両端が板ばね121に溶接されているので、上記実施形態の板ばね21(ベアリング23の支持部材24の一端だけが板ばね21に溶接されている)よりねじれに強くなり、上記実施形態より位置決め精度を高めることができる。
(削除)
図1はこの発明の一実施形態に係るレボルバ装置を備える顕微鏡の側面図である。 図2はこの発明の一実施形態に係るレボルバ装置の断面図である。 図3(a)は図2のA矢視図、図3(b)は板ばねの平面図である。 図4はクリック機構の拡大図である。 図5はレボルバ装置の部分断面図である。 図6はこの発明の一実施形態の変形例に係るレボルバ装置に用いられる板ばねの平面図である。
4:対物レンズ(光学素子)、10:レボルバ装置、20:レボルバ本体、21,121:板ばね(付勢手段)、23:ベアリング、24,124:支持部材、25:孔(開口)、30:レボルバ回転部材、36:クリック溝、MS:顕微鏡。

Claims (4)

  1. レボルバ本体と、
    このレボルバ本体に対して軸回転可能であるとともに、複数の光学素子を装着可能なレボルバ回転部材と、
    このレボルバ回転部材及び前記レボルバ本体の一方の周方向へ形成されるクリック溝と、
    前記レボルバ回転部材及び前記レボルバ本体の他方に設けられ、前記クリック溝に係合するベアリングと、
    このベアリングを前記クリック溝に付勢する平板の板ばねとを備え、
    前記ベアリングは、前記ベアリングの中心と前記板ばねのベアリング側端部の片方の面とが同一平面上に位置するように前記板ばねに配置されていることを特徴とするレボルバ装置。
  2. 前記ベアリングは軸回転し、前記周方向へ転動するものであり、前記ベアリングの中心は前記軸回転の回転軸であることを特徴とする請求項1記載のレボルバ装置。
  3. 前記平板の板ばねは開口を有し、前記開口に前記ベアリングが装着されることを特徴とする請求項1記載のレボルバ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のレボルバ装置を備えていることを特徴とする顕微鏡。
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