JP5024055B2 - 蓄電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、キャパシタに電力を蓄え、必要な時に放電する蓄電装置に関するものである。
近年、環境への配慮から駆動の全てあるいは一部をモータで行う、いわゆる電気自動車やハイブリッド自動車が普及しつつある。
これらの自動車(以下、車両という)はモータの電力がバッテリから供給されているが、バッテリは急速かつ大電流充放電による特性変化や劣化が起こるため、特に急加速時にモータへ供給する電流を制限している。そのため十分な加速が得られない場合があった。
そこで、急速充放電が可能なキャパシタをバッテリと併用した車両が考案されている。これにより、急加速時にバッテリに加えキャパシタの電力もモータに供給されるため、バッテリのみの場合より急峻な加速が可能となる。
モータを駆動できるだけの電圧をキャパシタで得るには、必要電圧が約750Vであるとすると、1個当たりの定格電圧が2.5Vのキャパシタを用いた場合、300個を直列に接続する必要がある。また、必要な容量を得るために並列接続を組み合わせることもある。
しかし、キャパシタにはバラツキがあり、キャパシタに印加される電圧がばらつくので、それを考慮せず充電を行うと、キャパシタの劣化が進行し、寿命が短くなる可能性がある。
そこで、多数のキャパシタの劣化進行度のバラツキを低減し、長寿命化する蓄電装置が例えば特許文献1に提案されている。このような蓄電装置を図5のブロック回路図に示す。
直列接続された複数のキャパシタ101のそれぞれの両端には、スイッチ102を介してバランス電圧調整手段103が接続されている。スイッチ102は3端子構成を有し、外部から切替ができるものを用いている。各キャパシタ101の両端には、スイッチ102、電流検出手段104、定電圧源105の直列回路も接続されている。スイッチ102、バランス電圧調整手段103、および電流検出手段104は制御部109に接続されている。なお、直列接続された複数のキャパシタ101は充放電回路を介して車両のモータ、発電機、バッテリ、負荷等に接続されているが、図5ではこれらを省略している。
バランス電圧調整手段103は次の構成を有する。まず、キャパシタ101の両端にはスイッチ102を介してバランススイッチ111とバランス抵抗113の直列回路が接続されている。さらに、前記直列回路の両端には2個の直列接続された分圧抵抗115も接続されている。2個の分圧抵抗115の接続点はコンパレータ117の一方の入力に接続されている。また、コンパレータ117の他方の入力にはデジタルポテンショメータ119が接続されている。デジタルポテンショメータ119は基準電源121と制御部109に接続されているので、制御部109の指示に従って任意の基準電圧を出力することができる。コンパレータ117の出力はバランススイッチ111に接続され、そのオンオフを制御する。
次に、このような蓄電装置の動作について説明する。まず、制御部109は複数のスイッチ102を、図5に示すようにバランス電圧調整手段103が選択されるように制御し、各キャパシタ101を充電する。充電が完了すれば、制御部109は複数のスイッチ102を電流検出手段104側に同時に切り替える。これにより、各キャパシタ101、スイッチ102、電流検出手段104、および定電圧源105からなる閉回路がそれぞれ形成される。この閉回路にはキャパシタ101の劣化進行に伴う絶縁抵抗値Rzの低下に応じた漏れ電流LCが流れるので、これを電流検出手段104でそれぞれ検出する。すなわち、漏れ電流LCが大きいキャパシタ101ほど劣化が進行していることになるので、劣化を遅らせるためにキャパシタ101の両端電圧を下げるようバランス電圧を決定する。また、漏れ電流LCが小さいキャパシタ101は相対的に劣化進行が遅いので、キャパシタ101の両端電圧を上げるようバランス電圧を決定する。
このように制御することにより、各キャパシタ101の劣化進行度のバラツキ幅が小さくなるようにバランス電圧が調整されるので、劣化が進んだキャパシタ101の劣化進行を遅延させられるとともに、全キャパシタがほぼ同時期に動作限界に達する。その結果、蓄電装置の長寿命化が得られる。
特開2007−124883号公報
上記の蓄電装置によると、確かに長寿命化が得られるのであるが、そのためには漏れ電流LCの検出用に、キャパシタ101にそれぞれ電流検出手段104や定電圧源105を接続する必要があり、回路構成、および動作が複雑化するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡単な構成、動作で、かつ高精度にキャパシタの長寿命化を図ることが可能な蓄電装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の蓄電装置は、直列に接続された複数のキャパシタと、複数の前記キャパシタのそれぞれに接続されたバランス電圧調整手段と、前記バランス電圧調整手段に接続された制御回路からなり、前記制御回路は、使用終了時であり、かつ前記キャパシタの非充放電時において、前記バランス電圧調整手段により前記キャパシタの使用終了時両端電圧(V1i、i=1〜n、nは前記キャパシタの個数)を測定し、次回の起動時であり、かつ前記キャパシタの非充放電時において、前記バランス電圧調整手段により前記キャパシタの起動時両端電圧(V2i)を測定し、前記使用終了時両端電圧(V1i)と前記起動時両端電圧(V2i)の差の絶対値(ΔVi)をそれぞれ求めるとともに前記使用終了時両端電圧(V1i)を測定する際の1点目時間(t1)と、前記起動時両端電圧(V2i)を測定する際の2点目時間(t2)を測定し、前記2点目時間(t2)から前記1点目時間(t1)を差し引くことにより時間差(Δt)を求め、前記絶対値(ΔVi)を前記時間差(Δt)で除して得られる傾き(ΔVi/Δt)、および前記バランス電圧(Vr)における、あらかじめ求めた相関関係から、前記各キャパシタに対する前記バランス電圧(Vri)をそれぞれ求め、前記バランス電圧調整手段により、キャパシタ両端電圧(Vi)が前記バランス電圧(Vri)になるように制御するようにしたものである。
また、本発明の蓄電装置は、直列に接続された複数のキャパシタと、複数の前記キャパシタのそれぞれに接続されたバランス電圧調整手段と、前記バランス電圧調整手段に接続された制御回路からなり、前記制御回路は、使用終了時であり、かつ前記キャパシタの非充放電時において、前記バランス電圧調整手段により前記キャパシタの使用終了時両端電圧(V1i、i=1〜n、nは前記キャパシタの個数)を測定し、次回の起動時であり、かつ前記キャパシタの非充放電時において、前記バランス電圧調整手段により前記キャパシタの起動時両端電圧(V2i)を測定し、前記使用終了時両端電圧(V1i)と前記起動時両端電圧(V2i)の差の絶対値(ΔVi)をそれぞれ求め、前記各絶対値(ΔVi)の最小値(ΔVmin)を求め、前記各絶対値(ΔVi)と前記最小値(ΔVmin)の比(Δi)、および前記バランス電圧(Vr)における、あらかじめ求めた相関関係から、前記各キャパシタに対する前記バランス電圧(Vri)をそれぞれ求め、前記バランス電圧調整手段により、キャパシタ両端電圧(Vi)が前記バランス電圧(Vri)になるように制御するようにしたものである。
本発明の蓄電装置によれば、使用終了時で、かつキャパシタの非充放電時に、使用終了時両端電圧V1iを測定するとともに、次回の起動時で、かつキャパシタの非充放電時に起動時両端電圧V2iを測定し、これらの差の絶対値ΔViを求め、それによりバランス電圧Vriを決定する。ゆえに、絶対値ΔViに各キャパシタの容量値Ciと絶縁抵抗値Rziの影響が反映されるので、劣化によるこれらの値の変化を加味したバランス電圧Vriを決定することができる。従って、従来に比べキャパシタ101にそれぞれ電流検出手段104や定電圧源105等を接続して漏れ電流LCを測定する必要がなくなり、極めて簡単な構成、動作とすることができる上、容量値Cの影響も加味しているので高精度にキャパシタの長寿命化を図ることができるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態では蓄電装置をハイブリッド自動車に適用した場合について述べる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における蓄電装置のブロック回路図である。図2は、本発明の実施の形態1における蓄電装置の時間t1、t2におけるキャパシタ両端電圧の変化図である。図3は、本発明の実施の形態1における蓄電装置の各キャパシタのバランス電圧を求めるフローチャートである。なお、図1において、太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。
図1において、キャパシタ11は複数個が直列に接続されている。本実施の形態1では、キャパシタ11として大容量の電気二重層キャパシタを用いた。なお、キャパシタ11は必要な電力仕様に応じて直並列接続としてもよい。この場合は、並列接続部分のキャパシタを1個のキャパシタ11として取り扱うことにより、図1と等価回路になる。従って、各キャパシタ11は1個でもよいし、複数個を並列接続したものでもよいものとして、以下説明する。なお、図1に示す蓄電装置における直列接続されたキャパシタ11の最両端を、他の蓄電装置の最両端と接続する構成としてもよい。このような直並列接続の場合は、キャパシタ11のそれぞれに後述するバランス電圧調整手段13が接続される構成となる。
各キャパシタ11の両端には、それぞれバランス電圧調整手段13が接続されている。さらに、バランス電圧調整手段13には制御回路15が接続されているので、制御回路15によりバランス電圧調整手段13の動作が制御されている。なお、制御回路15は、従来の図5に示したデジタルポテンショメータ119や基準電源121等の機能を有する複数の周辺回路と、それらを制御するマイクロコンピュータから構成されている。また、制御回路15は車両用制御回路(図示せず)との間でデータ信号dataによりデータを交信する機能も有している。
次に、バランス電圧調整手段13の構成について説明する。まず、キャパシタ11の両端にはバランススイッチ17とバランス抵抗19の直列回路が接続されている。バランススイッチ17は外部からオンオフ制御ができる構成を有し、例えばFETやトランジスタが適用できる。さらに、キャパシタ11の両端には2個の分圧抵抗21の直列回路も接続されている。2個の分圧抵抗21の接続点は制御回路15、およびコンパレータ23の一方の入力に接続されている。これにより、制御回路15はキャパシタ11の両端電圧Vi(i=1〜n、nは直列接続されたキャパシタ11の個数)を読み込むことができる。また、図1に示す一番上のキャパシタ11における正極は、直列接続されたキャパシタ11の全電圧Vcと等しいので、全電圧Vcも一番上のバランス電圧調整手段13を介して制御回路15により読み込めるように配線されている。
コンパレータ23の他方の入力は、制御回路15と接続されている。これにより、制御回路15から発せられるバランス電圧Vriがコンパレータ23に入力されることになる。また、コンパレータ23の出力はバランススイッチ17に接続されている。従って、コンパレータ23の出力によりバランススイッチ17のオンオフが制御される。
キャパシタ11の近傍には温度センサ25が配されている。温度センサ25は温度に対する抵抗値変化が大きいサーミスタを用いた。温度センサ25の出力は制御回路15に接続されている。従って、制御回路15は温度センサ25が検出した温度Tを読み込むことができる。
直列接続されたキャパシタ11の最両端である正極端子27と負極端子29には、充放電回路を介して車両のモータ、発電機、バッテリ、負荷等に接続されているが、図1ではこれらを省略している。
次に、このような構成を有する蓄電装置の動作について、図2、図3を用いて説明する。なお、図2において、横軸は時間t、縦軸はキャパシタ両端電圧Viをそれぞれ示す。また、ハイブリッド自動車の場合、キャパシタ11は前記したように数100個程度が直列接続される構成となるが、以下の説明ではわかりやすくするために、キャパシタ11が4個直列であるとする。従って、キャパシタ11の個数nは4になり、添字iの範囲は1〜4となる。
まず、図2において、時間t1で車両の使用を終了し、イグニションスイッチ(図示せず)がオフになったとする。制御回路15は、イグニションスイッチのオフ信号を車両用制御回路からデータ信号dataとして受信することにより、車両の使用終了を認識する。この時、車両を制動して停車させる際に発生した回生電力がキャパシタ11に充電されているので、各キャパシタ11の使用終了時両端電圧V1i(i=1〜4)は高い状態である。但し、図2に示すように、使用終了時両端電圧V11〜V14は各キャパシタ11の特性バラツキや劣化進行バラツキにより、ばらついた状態である。時間t1の時点では、使用終了時であり、かつキャパシタ11の非充放電時であるので、制御回路15は現在の各キャパシタ11の使用終了時両端電圧V1i(i=1〜4)をバランス電圧調整手段13より順次読み込み、制御回路15に内蔵されたメモリに記憶する。同時に、時間t1も1点目時間t1としてメモリに記憶する。これにより、1点目時間t1が測定されたことになる。
その後、車両の非使用時において、キャパシタ11はそれぞれの絶縁抵抗値Rziに応じて自己放電を起こし、キャパシタ両端電圧Viは経時的に低下していく。この時、絶縁抵抗値Rzはキャパシタ11が劣化するほど小さくなり、容量値Cも小さくなる。ここで、自己放電時における任意のキャパシタ11(添字をiとする)の両端電圧Viは、任意の時間におけるキャパシタ両端電圧Voiの状態から、キャパシタ両端電圧Viを求めるまでに時間tが経過したとすると、Vi=Voi/exp(t/(Rzi・Ci))で表される。前記したように、劣化が進行するほど絶縁抵抗値Rziと容量値Ciは小さくなるので、exp(t/(Rzi・Ci))の項は大きくなる。ゆえに、キャパシタ両端電圧Viは小さくなることがわかる。よって、キャパシタ両端電圧Viは、任意の時間におけるキャパシタ両端電圧Voiに対して劣化が進行するほど小さくなるので、キャパシタ両端電圧Viの経時的な変化による傾き|Voi−Vi|/tは大きくなることがわかる。従って、図2の太矢印の傾きの絶対値(|Voi−Vi|/tに相当)が大きい添字i=1のキャパシタ11は、最も劣化が進行していることになる。なお、キャパシタ両端電圧Viの具体的な経時変化の詳細は図2では省略している。
その後、時間t2において、次回の車両起動を行ったとする。制御回路15は車両用制御回路からイグニションスイッチがオンになったことで車両起動を認識する。なお、車両の起動は、イグニションスイッチがオンになることで制御回路15に駆動電圧が印加されるので、それにより認識するようにしてもよい。
車両の起動直後は車両が停止した状態であるので、回生電力は発生せず、キャパシタ11が充電されることはない。このような、次回の起動時であり、かつキャパシタ11の非充放電時において、制御回路15は、キャパシタ11の起動時両端電圧V2i(i=1〜4)を、バランス電圧調整手段13により測定してメモリに記憶するとともに、時間t2も2点目時間t2として記憶する。これにより、2点目時間t2が測定されたことになる。
以上の説明より、時間t1、および時間t2はいずれもキャパシタ11への充放電を行っていない非充放電時であるので、安定したキャパシタ両端電圧V1i、V2iを測定することができる。ここで、非充放電時とは、充放電回路(図示せず)によるキャパシタ11への充放電を積極的に行っていない状態として定義する。従って、完全にキャパシタ11に電流が流れていない場合だけでなく、充放電回路を動作させていなくてもキャパシタ11に僅かな漏れ電流が流れる等の場合は非充放電時に含む。
なお、キャパシタ両端電圧Viは温度により変化する特性を有する。そこで、制御回路15は、あらかじめ求めたキャパシタ両端電圧Viの温度依存性を記憶しておき、それにより温度センサ25から得られる温度Tに応じて、使用終了時両端電圧V1iと起動時両端電圧V2iを補正している。
具体的には、基準温度To(例えば25℃)において、キャパシタ11を既知電圧まで充電した状態で温度Tを変えた時のキャパシタ両端電圧Viの温度依存特性を求める。これを、既知電圧がキャパシタ11の定格電圧(例えば2.5V)まで既定の電圧幅(例えば0.1V)毎に求める。すなわち、基準温度To(25℃)でキャパシタ11を0.1Vまで充電した状態で温度Tを変えた時のキャパシタ両端電圧Viの温度依存特性を求め、次に25℃で0.2Vまで充電して温度依存特性を求め、次に25℃で0.3Vまで充電して温度依存特性を求め、というようにして、定格電圧(2.5V)まで繰り返し温度依存特性を求める。こうして得られた複数の温度依存特性を制御回路15のメモリにあらかじめ記憶しておく。
次に、温度Tと任意のキャパシタ両端電圧Viが得られれば、複数の温度依存特性の中から、温度Tにおけるキャパシタ両端電圧Viを有する温度依存特性を選択する。次に、基準温度Toにおけるキャパシタ両端電圧Viを、選択した温度依存特性から求める。こうして求めたキャパシタ両端電圧Viが温度補正後の値となる。
これにより、図2の時間t1とt2で互いに温度が異なっても、基準温度Toにおけるキャパシタ両端電圧Viに補正されるので、図3で説明するバランス電圧Vriの計算精度を向上することができる。ゆえに、各キャパシタ11の劣化進行の低減(詳細は後述)を高精度に行えるので、温度補正を行うことでキャパシタ11の長寿命化に寄与できる。
ここで、起動時両端電圧V21〜V24の大小関係は、使用終了時両端電圧V11〜V14の大小関係と同じであるとは限らない。すなわち、各キャパシタ11の特性や劣化進行におけるバラツキに応じて大小関係が逆転する場合がある。具体的には、図2において、時間t1で最大の使用終了時両端電圧V11を有するキャパシタ11は、時間t2では最小の起動時両端電圧V21となり、時間t1で最小の使用終了時両端電圧V14を有するキャパシタ11は、時間t2では最大の起動時両端電圧V24となっている。これは、前記したようにキャパシタ11の劣化進行に伴う絶縁抵抗値Rz、および容量値Cの低下により、傾きVi/tが大きくなるためである。すなわち、添字i=1のキャパシタ11は最も劣化が進行しており、添字i=4のキャパシタ11は最も劣化が進行していないことがわかる。従って、本実施の形態1では、1点目時間t1における使用終了時両端電圧V1iと、2点目時間t2における起動時両端電圧V2iから得られる図2の太矢印の傾きが、絶縁抵抗値Rzと容量値Cを反映した値となることに着目し、前記傾きを基に各キャパシタ11のバランス電圧Vriを決定するようにしている。
次に、具体的なバランス電圧Vriの決定方法について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、制御回路15はメインルーチンから各種サブルーチンを実行することにより蓄電装置全体の動作を制御しているので、図3のフローチャートはサブルーチンの形態で示した。
上記した1点目時間t1、2点目時間t2、使用終了時両端電圧V1i、および起動時両端電圧V2iの値が揃った時間t2の時点で、制御回路15は図3のサブルーチンを実行する。これにより、まず制御回路15に内蔵した変数メモリiに1を代入する(ステップ番号S11)。ここで、変数メモリiは添字iと同等の意味を有すると定義し、以下、添字iと呼ぶ。また、S11において、i=1と記載しているが、これは右辺の値を左辺の変数に代入するという意味であると以下定義する。従って、S11では右辺の値である数値の1を、左辺の変数である添字iに代入することになる。
次に、制御回路15は使用終了時両端電圧V1iと起動時両端電圧V2iの差の絶対値ΔViを、ΔVi=|V2i−V1i|より求める(S13)。次に、2点目時間t2から1点目時間t1を差し引くことにより時間差Δtを求める(S14)。すなわち、Δt=t2−t1により時間差Δtを求めている。
次に、制御回路15は、まず絶対値ΔViを時間差Δtで除して得られる傾きΔVi/Δtを求める。なお、ΔViは図2におけるΔV1〜ΔV4に相当し、傾きΔVi/Δtは図2における太矢印の傾きに相当する。次に、得られた傾きΔVi/Δtと、バランス電圧Vrにおける、あらかじめ求めた相関関係から、各キャパシタ11に対するバランス電圧Vriをそれぞれ求める(S15)。ここで、バランス電圧Vrとは、キャパシタ11の劣化程度に応じて決定される値である。すなわち、例えばキャパシタ11の新品時の定格電圧を2.5Vとした場合、新品時のバランス電圧Vrは2.5Vに設定されるが、劣化が進行すると、キャパシタ11の印加電圧を低減することにより劣化進行を遅らせるために、バランス電圧Vriを下げるように制御する。従って、劣化進行に伴う傾きΔVi/Δtの増大に応じてバランス電圧Vrを2.5Vより小さい値とする。この傾きΔVi/Δtとバランス電圧Vrの相関関係は非線形となる。この理由は次の通りである。
前記したように、キャパシタ11の劣化が進行すると絶縁抵抗値Rzや容量値Cが小さくなるのであるが、その程度は劣化進行度に対して一義的に決定できる簡易な関数で表すことができない。すなわち、例えば絶縁抵抗値Rzについては、キャパシタ11が新品の状態からある程度劣化が進行して絶縁抵抗値Rzが小さくなっても劣化はそれほど進行しない。しかし、さらに絶縁抵抗値Rzが小さくなると急激に劣化が進行し、その後緩やかな劣化進行となる傾向がある。このような特性に加え、傾きΔVi/Δtには劣化に伴う容量値Cの変化も加味されるので、傾きΔVi/Δtと、劣化進行度を表すバランス電圧Vr(劣化進行とともに小さくなる)の相関関係は一義的に決定できない。これは、キャパシタ11の内部構造や形状等によっても異なる。そこで、あらかじめ実験的に両者の相関関係を求めて制御回路15のメモリに記憶している。
バランス電圧Vriが求められれば、次に制御回路15は添字iに1を加え、添字iの内容を更新する(S17)。その後、更新した添字iがキャパシタ11の個数n(ここではn=4)に1を加えた値と等しいか否かを判断する(S19)。もし、添字iがn+1でなければ(S19のNo)、まだ全てのキャパシタ11のバランス電圧Vriが決まっていないので、S13に戻り、それ以降の動作を繰り返す。
一方、添字iがn+1と等しければ(S19のYes)、全てのキャパシタ11に対するバランス電圧Vriを決定できたので、次に制御回路15は添字iに1を代入し(S21)、バランス電圧Vriを更新する(S23)。
ここで、バランス電圧Vriの更新方法を説明する。各キャパシタ11の最終的なバランス電圧VriはS15で求めたバランス電圧Vriの比に応じて決定される。具体的には、図2のように添字i=4のキャパシタ11が新品に近い状態であるとすると、バランス電圧Vr4=2.5Vとなる。次に、添字i=2、3のキャパシタ11はいずれも若干劣化が進行しているとして、バランス電圧Vr2=Vr3=2.45Vであったとする。最後に、添字i=1のキャパシタ11は最も劣化が進行しているとして、バランス電圧Vr1=2.4Vであったとする。従って、添字i=1〜4の各キャパシタ11の両端電圧比が2.4:2.45:2.45:2.5になるように調整することになる。
ここで、全キャパシタ11の満充電電圧Vfは各キャパシタ11の定格電圧(2.5V)のキャパシタ直列個数倍(本実施の形態1では4個)である10Vとなるので、満充電電圧Vfが10Vになり、かつ添字i=1〜4の各キャパシタ11の両端電圧比が2.4:2.45:2.45:2.5になるようにバランス電圧Vriを決定する。すなわち、各キャパシタ11のバランス電圧Vriを、それらの和で求められるバランス電圧和ΣVriで除し、全キャパシタ11の満充電電圧Vfを乗じることで、各キャパシタ11のバランス電圧Vriを更新できる。これを数式で表すと、Vri=Vf・Vri/ΣVriとなる。ここで、Σの範囲は1からn(本実施の形態1ではn=4)である。
この数式に基いて、上記数値を代入して各キャパシタ11の最終的なバランス電圧Vr1〜Vr4を計算すると、Vr1≒2.45V、Vr2=Vr3=2.5V、Vr4≒2.55Vとなる。これにより、劣化が進行したキャパシタ11ほど両端電圧が小さくなり、劣化進行を遅らせることができる。また、劣化が進行していない添字i=4のキャパシタ11に対しては、定格電圧より僅かに大きなバランス電圧Vr4となっているが、これにより、このキャパシタ11には満充電時に約2.55Vの電圧が印加され、相対的に劣化を進ませることになる。ゆえに、このようにしてバランス電圧Vriを決定することで、全てのキャパシタ11の劣化進行を揃えることができる。その結果、任意の1個のキャパシタ11のみが劣化限界に達して蓄電装置全体が使えなくなる可能性を低減でき、蓄電装置の長寿命化も図れる。
ここで、図3に戻り、S23でバランス電圧Vriが更新されれば、次に制御回路15は、バランス電圧Vriと劣化限界値Vgを比較する(S25)。ここで、劣化限界値Vgとは、キャパシタ11がこれ以上使用できない限界状態まで劣化した時のバランス電圧Vriの値であり、これもあらかじめ実験的に求めてある。従って、もしバランス電圧Vriが劣化限界値Vg以下になれば(S25のYes)、これ以上蓄電装置を使用できないので、制御回路15は蓄電装置の劣化信号をdata信号として車両用制御回路に送信する(S27)。これを受け、車両用制御回路は運転者に蓄電装置の劣化を警告し、修理を促すと同時に、蓄電装置の充電を中止する。これにより、劣化した蓄電装置を使い続けることがなくなるので、高信頼性が得られる。その後、制御回路15は図3のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
一方、バランス電圧Vriが劣化限界値Vgより大きければ(S25のNo)、蓄電装置を継続して使用できるので、次に制御回路15は添字iに1を加え、添字iの内容を更新する(S29)。その後、更新した添字iがキャパシタ11の個数nに1を加えた値と等しいか否かを判断する(S31)。もし、添字iがn+1でなければ(S31のNo)、まだ全てのキャパシタ11のバランス電圧Vriが決まっていないので、S23に戻り、それ以降の動作を繰り返す。
一方、添字iがn+1と等しければ(S31のYes)、全てのキャパシタ11に対するバランス電圧Vriを決定できたので、図3のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
以上に説明した図3のフローチャートによるサブルーチンの動作をまとめると、次のようになる。
制御回路15は、使用終了時両端電圧V1iと起動時両端電圧V2iの差の絶対値ΔViを求めるとともに、使用終了時両端電圧V1iを測定する際の1点目時間t1と、起動時両端電圧V2iを測定する際の2点目時間t2を測定し、2点目時間t2から1点目時間t1を差し引くことにより時間差Δtを求め、絶対値ΔViを時間差Δtで除して得られる傾きΔVi/Δt、およびバランス電圧Vrにおける、あらかじめ求めた相関関係から、各キャパシタ11に対するバランス電圧Vriをそれぞれ求め、各キャパシタ11のバランス電圧Vriを、それらの和で求められるバランス電圧和ΣVriで除し、全キャパシタ11の満充電電圧Vfを乗じることで、各キャパシタ11のバランス電圧Vriをそれぞれ更新することにより決定している。
その後は、制御回路15から各バランス電圧調整手段13に対して、それぞれ決定したバランス電圧Vriを出力するので、各バランス電圧調整手段13は、接続されたキャパシタ11の両端電圧Viがバランス電圧Vriになるようにバランススイッチ17を制御する。すなわち、車両使用時における制動に伴う回生電力を各キャパシタ11に充電することにより、キャパシタ両端電圧Viがバランス電圧Vriより大きくなれば、コンパレータ23はバランススイッチ17をオンにする。これにより、キャパシタ11がバランス抵抗19により放電され、キャパシタ両端電圧Viは低下する。その後、キャパシタ両端電圧Viがバランス電圧Vriとほぼ等しくなれば、コンパレータ23はバランススイッチ17をオフにする。これにより、キャパシタ11の放電が停止し、そのキャパシタ両端電圧Viは目標であるバランス電圧Vriとなる。このような動作により、各キャパシタ11の劣化進行を揃えることができ、長寿命化が図れる。
なお、本実施の形態1によれば、車両の起動毎にバランス電圧Vriが更新されるので、各キャパシタ11の劣化進行にバラツキがあっても、それに応じたバランス電圧Vriに更新でき、劣化進行を揃える精度が向上する。
以上の構成、動作により、使用終了時で、かつキャパシタ11の非充放電時に、使用終了時両端電圧V1iを測定するとともに、次回の起動時で、かつキャパシタ11の非充放電時に起動時両端電圧V2iを測定し、これらの差の絶対値ΔViを求め、それによりバランス電圧Vriを決定するので、極めて簡単な構成、動作とすることができる上、各キャパシタ11の絶縁抵抗値Rzと容量値Cの影響も加味しているので高精度にキャパシタ11の長寿命化を図ることができる蓄電装置を実現できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における蓄電装置の各キャパシタのバランス電圧を求めるフローチャートである。なお、本実施の形態2における蓄電装置の構成は図1と同じであるので、構成の説明を省略する。すなわち、本実施の形態2の特徴は動作部分であるので、動作について以下に詳細を説明する。
まず、車両の使用終了時であり、かつキャパシタ11の非充放電時に、キャパシタ11の使用終了時両端電圧V1iを測定し、次回の車両起動時であり、かつキャパシタ11の非充放電時に、キャパシタ11の起動時両端電圧V2iを測定する動作は実施の形態1と同じである。但し、本実施の形態2では1点目時間t1と2点目時間t2を求める必要はないので、その分、実施の形態1より簡易な制御となる。なお、使用終了時両端電圧V1iと起動時両端電圧V2iは、実施の形態1と同様に温度Tによる補正が行われている。
この状態で、制御回路15は図4のサブルーチンを実行する。なお、図4において図3と同じ動作については同じステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
まず、制御回路15は、添字iに1を代入し(S51)、次に使用終了時両端電圧V1iと起動時両端電圧V2iの差の絶対値ΔViを、ΔVi=|V2i−V1i|より求める(S53)。次に添字iに1を加えて更新し(S55)、添字iがキャパシタ11の個数nに1を加えた値に至ったか否かを判断する(S57)。もし、添字iがn+1と等しくなければ(S57のNo)、S53に戻り、次のキャパシタ11の絶対値ΔViを求める動作を繰り返す。
添字iがn+1と等しくなれば(S57のYes)、制御回路15は得られた複数の絶対値ΔViの中から最小値ΔVminを求める(S59)。これは、図2の場合であればΔV4が最小値ΔVminとなる。次に、制御回路15は再び添字iに1を代入し(S61)、各絶対値ΔViと最小値ΔVminの比Δiを、Δi=ΔVi/ΔVminより求める(S63)。こうして求めた比Δiは絶対値ΔViが最小値ΔVminに対してどれだけ大きいかを示す値であるので、比Δiは1以上の数値となる。なお、比Δiは絶対値ΔViから求められるので、実施の形態1と同様に各キャパシタ11の絶縁抵抗値Rziと容量値Ciを反映した値となる。また、最小値ΔVminに相当するキャパシタ11に対しては、キャパシタ両端電圧ΔVi(図2ではΔV4)が最小値ΔVminと等しいので、Δi=1となる。
従って、比Δiが1のものは図2よりも明らかなように傾きが最小のものに相当するので、劣化進行が最も遅いことになる。その他のキャパシタ11については比Δiが大きいほど劣化が進行していることになり、図2においては、添字i=1のキャパシタ11が最も劣化進行していることがわかる。ゆえに、比Δiが各キャパシタ11の劣化進行の指標となる。そこで、次に比Δiとバランス電圧Vrの相関関係から添字iのキャパシタ11のバランス電圧Vriを求める(S65)。ここで、実施の形態1で説明したように、バランス電圧Vriは劣化が進行しているものほど小さい値になるようにしているので、制御回路15はあらかじめ実験的に求めた比Δiとバランス電圧Vrの相関関係をメモリに記憶しておき、S63で求めた比Δiに応じたバランス電圧Vriを求めるようにしている。なお、比Δiとバランス電圧Vrの相関関係も一義的に決定できず、かつキャパシタ11の内部構造や形状等によって異なるので、データ表としてメモリに記憶している。
次に制御回路15は添字iに1を加え、添字iの内容を更新する(S67)。その後、更新した添字iがキャパシタ11の個数nに1を加えた値と等しいか否かを判断する(S69)。もし、添字iがn+1でなければ(S69のNo)、まだ全てのキャパシタ11のバランス電圧Vriが求まっていないので、S63に戻り、それ以降の動作を繰り返す。
一方、添字iがn+1と等しければ(S69のYes)、全てのキャパシタ11に対するバランス電圧Vriが求まったので、次のS21以降の動作を行って各キャパシタ11のバランス電圧Vriを更新する。この動作は図3のS21以降と同じであるので、詳細な説明を省略する。
以上に説明した図4のフローチャートによるサブルーチンの動作をまとめると、次のようになる。
制御回路15は、各絶対値ΔViの最小値ΔVminを求め、各絶対値ΔViと最小値ΔVminの比Δi、およびバランス電圧Vrにおける、あらかじめ求めた相関関係から、各キャパシタ11に対するバランス電圧Vriをそれぞれ求め、各キャパシタ11のバランス電圧Vriを、それらの和で求められるバランス電圧和ΣVriで除し、全キャパシタ11の満充電電圧Vfを乗じることで、各キャパシタ11のバランス電圧Vriをそれぞれ更新することにより決定している。
バランス電圧Vriが決まれば、その後の車両制動における回生電力の充電時に各キャパシタ11の両端電圧Viがバランス電圧Vriになるようにバランス電圧調整手段13により調整される。この動作の詳細も実施の形態1と同じである。従って、本実施の形態2においても、各キャパシタ11の劣化進行を高精度に揃えることができ、蓄電装置の長寿命化を図ることが可能となる。
以上の構成、動作により、使用終了時で、かつキャパシタ11の非充放電時に、使用終了時両端電圧V1iを測定するとともに、次回の起動時で、かつキャパシタ11の非充放電時に起動時両端電圧V2iを測定し、これらの差の絶対値ΔViを求め、その最小値ΔVminとの比Δiによりバランス電圧Vriを決定するので、実施の形態1に比べ1点目時間t1と2点目時間t2の測定が不要となり、さらに簡単な動作でキャパシタ11の長寿命化を図ることが可能な蓄電装置を実現できる。
なお、実施の形態1、2ではキャパシタ11の近傍に温度センサ25を配する構成としたが、これは、例えば蓄電装置を非常用補助電源に用いる場合のように、温度Tがあまり変化しない時には、キャパシタ両端電圧Viの温度Tに対する補正をしなくてもよいことになる。従って、この場合は温度センサ25を用いなくてもよい。
また、実施の形態1、2において、制御回路15は全電圧Vcが満充電電圧Vfになるようにバランス電圧Vriの値を更新して最終決定しているが、これは、全電圧Vcが蓄電装置に接続された負荷の許容入力電圧の範囲に入っていれば、更新動作を行わなくてもよい。具体的には、実施の形態1で説明したように、添字i=1のキャパシタ11のバランス電圧Vr1が2.5V、添字i=2、3のキャパシタ11のバランス電圧Vr2、Vr3が2.45V、添字i=4のキャパシタ11のバランス電圧Vr4が2.4Vであったとすると、これらの和ΣVri(=Vc)は9.8Vとなる。この値は満充電電圧Vf(=10V)より低い値であるが、負荷への供給電圧が9.8Vまで低下しても問題ない場合は、バランス電圧Vriの更新を行う必要がなくなる。
また、実施の形態1、2において、制御回路15は劣化信号をバランス電圧Vriが劣化限界値Vg以下になれば出力するようにしているが、これは絶対値ΔViが劣化上限値ΔVg以上になれば出力するようにしてもよい。ここで、劣化上限値ΔVgは、これ以上蓄電装置を使用できない限界時の絶対値ΔViのことであり、あらかじめ求めて制御回路15のメモリに記憶しておけばよい。なお、絶対値ΔViは前記したようにキャパシタ11が劣化するに従って大きくなるので、バランス電圧Vriが劣化限界値Vg以下になれば劣化と判断するのとは逆に、絶対値ΔViが劣化上限値ΔVg以上になれば劣化と判断することになる。これにより、蓄電装置の劣化を少しでも早い段階で判断することができる。また、これら2つの判断を両方行い、少なくともいずれかの条件が成立すれば劣化信号を出力するようにしてもよい。これにより、二重に劣化判断を行うので、劣化判断精度が向上する。
また、実施の形態1、2において、劣化限界値Vgや劣化上限値ΔVgを2段階に設定してもよい。この場合、例えば1段階目では車両用制御回路が運転者に警告を発するとともに、充電電流を制限する制御を行う。2段階目に至ると、警告とともに蓄電装置への充電を中止するように制御する。これにより、劣化した蓄電装置を使い続ける可能性を大きく低減することが可能となる。
また、実施の形態1、2において、キャパシタ11の使用終了時両端電圧V1iは、車両の使用終了時であり、かつキャパシタ11の非充放電時にそのまま測定しているが、これは、使用終了時にキャパシタ11の全電圧Vcが既定放電電圧Vdに至るまで放電した後、キャパシタ11を非充放電状態として使用終了時両端電圧V1iを測定するようにしてもよい。ここで、既定放電電圧Vdはキャパシタ11の劣化進行に対する影響が小さい電圧(例えば満充電電圧Vfの半分)としてあらかじめ決定しておく。また、キャパシタ11の全電圧Vcを放電するには、例えばバランス電圧Vriを半分にしてバランススイッチ17をオンにするように制御することで行ってもよいし、充放電回路(図示せず)により行ってもよい。
このように全電圧Vcが既定放電電圧Vdに至るように放電制御することで、各キャパシタ11が車両の非使用時に定格電圧近傍の電圧で印加され続ける状態を避けることができ、キャパシタ11の劣化進行を低減することができる。但し、この場合は実施の形態1、2に比べ使用終了時両端電圧V1iが小さくなるので、絶対値ΔViも小さくなる。従って、既定放電電圧Vdをあまり下げすぎるとキャパシタ11の劣化進行に対する影響は低減できても、バランス電圧Vriの精度が悪化するので、既定放電電圧Vdはキャパシタ11の劣化進行を低減できる上限電圧として満充電電圧Vfの半分程度が望ましい。
また、実施の形態1、2においてキャパシタ11には電気二重層キャパシタを用いたが、これは電気化学キャパシタ等の他のキャパシタでもよい。
また、実施の形態1、2において蓄電装置をハイブリッド自動車に適用した場合について述べたが、それらに限らず、車両の回生システムや、アイドリングストップ、電動パワーステアリング、車両制動システム、電動過給器等の各システムにおける車両用補助電源等にも適用可能である。さらに、車両用以外の非常用補助電源等の、キャパシタ11を複数直列に接続し充放電を行うものであれば適用できる。
本発明にかかる蓄電装置は極めて簡単な構成、動作で高精度にキャパシタの長寿命化を図ることができるため、特にキャパシタに電力を蓄え、必要な時に放電する車両用の蓄電装置等として有用である。
本発明の実施の形態1における蓄電装置のブロック回路図 本発明の実施の形態1における蓄電装置の時間t1、t2におけるキャパシタ両端電圧の変化図 本発明の実施の形態1における蓄電装置の各キャパシタのバランス電圧を求めるフローチャート 本発明の実施の形態2における蓄電装置の各キャパシタのバランス電圧を求めるフローチャート 従来の蓄電装置のブロック回路図
符号の説明
11 キャパシタ
13 バランス電圧調整手段
15 制御回路
25 温度センサ

Claims (6)

  1. 直列に接続された複数のキャパシタと、
    複数の前記キャパシタのそれぞれに接続されたバランス電圧調整手段と、
    前記バランス電圧調整手段に接続された制御回路からなり、
    前記制御回路は、使用終了時であり、かつ前記キャパシタの非充放電時において、前記バランス電圧調整手段により前記キャパシタの使用終了時両端電圧(V1i、i=1〜n、nは前記キャパシタの個数)を測定し、
    次回の起動時であり、かつ前記キャパシタの非充放電時において、前記バランス電圧調整手段により前記キャパシタの起動時両端電圧(V2i)を測定し、
    前記使用終了時両端電圧(V1i)と前記起動時両端電圧(V2i)の差の絶対値(ΔVi)をそれぞれ求めるとともに
    前記使用終了時両端電圧(V1i)を測定する際の1点目時間(t1)と、
    前記起動時両端電圧(V2i)を測定する際の2点目時間(t2)を測定し、
    前記2点目時間(t2)から前記1点目時間(t1)を差し引くことにより時間差(Δt)を求め、
    前記絶対値(ΔVi)を前記時間差(Δt)で除して得られる傾き(ΔVi/Δt)、および前記バランス電圧(Vr)における、あらかじめ求めた相関関係から、前記各キャパシタに対する前記バランス電圧(Vri)をそれぞれ求め、
    前記バランス電圧調整手段により、キャパシタ両端電圧(Vi)が前記バランス電圧(Vri)になるように制御するようにした蓄電装置。
  2. 直列に接続された複数のキャパシタと、
    複数の前記キャパシタのそれぞれに接続されたバランス電圧調整手段と、
    前記バランス電圧調整手段に接続された制御回路からなり、
    前記制御回路は、使用終了時であり、かつ前記キャパシタの非充放電時において、前記バランス電圧調整手段により前記キャパシタの使用終了時両端電圧(V1i、i=1〜n、nは前記キャパシタの個数)を測定し、
    次回の起動時であり、かつ前記キャパシタの非充放電時において、前記バランス電圧調整手段により前記キャパシタの起動時両端電圧(V2i)を測定し、
    前記使用終了時両端電圧(V1i)と前記起動時両端電圧(V2i)の差の絶対値(ΔVi)をそれぞれ求め、
    前記各絶対値(ΔVi)の最小値(ΔVmin)を求め、
    前記各絶対値(ΔVi)と前記最小値(ΔVmin)の比(Δi)、および前記バランス電圧(Vr)における、あらかじめ求めた相関関係から、前記各キャパシタに対する前記バランス電圧(Vri)をそれぞれ求め、
    前記バランス電圧調整手段により、キャパシタ両端電圧(Vi)が前記バランス電圧(Vri)になるように制御するようにした蓄電装置。
  3. 前記制御回路は、前記各キャパシタの前記バランス電圧(Vri)を、それらの和で求められるバランス電圧和(ΣVri)で除し、前記全キャパシタの満充電電圧(Vf)を乗じた値を、前記各キャパシタの前記バランス電圧(Vri)として、それぞれ更新するようにした請求項、またはに記載の蓄電装置。
  4. 前記キャパシタに温度センサを配するとともに、前記温度センサの出力が前記制御回路に接続された構成を有し、
    前記制御回路は、あらかじめ求めた前記キャパシタ両端電圧(Vi)の温度依存性により、前記温度センサから得られる温度(T)に応じて、前記使用終了時両端電圧(V1i)と前記起動時両端電圧(V2i)を補正するようにした請求項1、または2に記載の蓄電装置。
  5. 前記制御回路は、前記バランス電圧(Vri)が劣化限界値(Vg)以下になるか、あるいは前記絶対値(ΔVi)が劣化上限値(ΔVg)以上になるか、の少なくともいずれかの場合に、劣化信号を出力するようにした請求項1、または2に記載の蓄電装置。
  6. 前記制御回路は、使用終了時に前記キャパシタの全電圧(Vc)が既定放電電圧(Vd)に至るまで放電した後、前記キャパシタを非充放電状態とするようにした請求項1、または2に記載の蓄電装置。
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