JP5024034B2 - 自動車用ボディ構造体 - Google Patents

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Description

本発明は自動車用ドア等の自動車のボディを構成する構造体として好適な自動車用ボディ構造体に関するものである。
自動車の燃費向上を図るうえで自動車の軽量化は有効な手段である。自動車を軽量化すれば、自動車を作動させるために必要なエネルギーを少なくできるからである。自動車を軽量化する手法としては、材料の軽量化、各部品の小型・軽量化、機能向上による部品点数の削減等がある。
この点、例えば、特許文献1には、自動車ボディを構成する構造体を軽量化する技術が提案されている。この自動車用ボディ構造体では、インナパネルとアウタパネルとの間に鉄パイプが配置されるとともに、その鉄パイプの上下の乗員保護域に緩衝材が配置されている。緩衝材は、ハニカム構造体とその両面に貼着された面材とからなる。この自動車用ボディ構造体では、緩衝材の一部をハニカム構造体により構成することで軽量化が図られている。また、自動車用ボディ構造体に衝撃が加わった場合には緩衝材が変形することでその衝撃が吸収される。
特開2004−255906号公報
ところが、上記特許文献1に記載された技術では、自動車用ボディ構造体を軽くし、自動車の軽量化ひいては燃費向上を図ることができるものの、その軽量化に伴い、走行音、風切り音等の車外の騒音が同自動車用ボディ構造体に伝播して車内に侵入しやすくなる問題が新たに生ずる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、軽量化を図りつつ車外から伝播して車内に侵入しようとする伝播音を減衰することのできる自動車用ボディ構造体を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも主要部が合成樹脂製のハニカム構造体により形成され、そのハニカム構造体が、隔壁により互いに区画されて筒状をなす多数のセルからなるハニカム部と、前記ハニカム部を両側から挟み込んで各セルを封止する一対の封止板部とを備える自動車用ボディ構造体であって、前記両封止板部の一方が車外側に位置し、他方が車内側に位置するように前記ハニカム構造体を配設するとともに、前記車外側の封止板部に、同封止板部の外部と前記ハニカム部における少なくとも一部の前記セルとを連通させる連通孔部を設けることにより、前記連通孔部を、前記ハニカム構造体に車外側から伝播する伝播音を低減するための共鳴管として機能させ、かつ前記セルの内部空間を、前記伝播音を低減するための共鳴室として機能させ、前記連通孔部の設けられた前記封止板部の車外側には、自身の車外側の面を意匠面とするアウタパネルが配設され、前記アウタパネルと前記連通孔部を有する前記封止板部との間の複数箇所には、支持柱部が介在され、該支持柱部により前記アウタパネルと前記封止板部との間が所定距離離間していることを要旨とする。
なお、ハニカム構造体を構成するセルは一般には六角筒状をなすものをさすが、ここでは、六角形以外の多角形の筒状をなすものであったり円筒状であったりしてもよい。
上記の構成によれば、自動車用ボディ構造体は、その少なくとも主要部を構成するハニカム構造体が合成樹脂によって形成されていること、そのハニカム構造体がハニカム部及び一対の封止板部を備えていることから軽量となる。
また、上記自動車用ボディ構造体に対し、走行音、風切り音等、車外で発生する所定の周波数特性を有する伝播音が伝播した場合、ハニカム構造体における車外側の封止板部の連通孔部が共鳴管として機能し、セルの内部空間が共鳴室として機能する。そのため、上記伝播音のうち、セルの内部空間(共鳴室)の内容積と、連通孔部(共鳴管)の断面積及び長さとによって決定される所定周波数成分が、上記連通孔部及びセルの内部空間の共鳴作用によって低減される。その結果、車外から伝播して車内に侵入しようとする伝播音が減衰される。
そして、ハニカム構造体における車外側の封止板部には連通孔部が設けられていることから、仮にこの封止板部の外側の面を意匠面とすると、意匠面上に連通孔部が存在することとなり外観を損なう。しかし、請求項2に記載の発明では、封止板部の車外側にさらにアウタパネルが配されていて、その車外側の面が意匠面とされている。このアウタパネルが上記封止板部の連通孔部を隠し、自動車用ボディ構造体の車外側からは連通孔部が見えないようにする。そのため、自動車用ボディ構造体の外観は専らアウタパネルの車外側の面によって決定され、連通孔部に起因する外観の低下がアウタパネルによって抑制される。
さらに、アウタパネル及び封止板部間の複数箇所に支持柱部が介在されることで、同アウタパネルがハニカム構造体の封止板部から車外側へ離間させられる。アウタパネルと封止板部との間の空間は、アウタパネルが車内側へ撓むのを許容する。従って、自動車用ボディ構造体に対し車外側からの衝撃等により荷重が加わった場合、アウタパネルの支持柱部以外の箇所が車内側へ一旦撓む。そして、この荷重が除かれると、アウタパネルは自身の弾性復元力によって、撓む前の状態に戻ろうとする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記アウタパネルは可撓性を有する合成樹脂板により構成されていることを要旨とする。
アウタパネルを、可撓性を有する合成樹脂板によって形成することで、アウタパネルは荷重が加わった場合にはその荷重に応じて確実に撓む一方、荷重が除かれた場合には自己の弾性復元力により元の状態に確実に戻る。そのほか、アウタパネルが合成樹脂により形成されることで、自動車用ボディ構造体のさらなる軽量化が図られる。
本発明によれば、少なくとも主要部を合成樹脂製のハニカム構造体により構成し、さらに車外側の封止板部に、共鳴管として機能する連通孔部を設け、セルの内部空間を共鳴室として機能させるようにしたため、軽量化を図りつつ車外から伝播して車内に侵入しようとする伝播音を減衰することができる。
以下、本発明の自動車用ボディ構造体を自動車のフロントドアに具体化した一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
図5及び図6において二点鎖線で示すように、自動車のボディ11において、前席(運転席、助手席)の側方近傍には、乗員の昇降口となる開口12が設けられている。本実施形態のフロントドア20は、その周縁部において開口12の周縁部に接近及び離間されることで、同開口12を開閉するためのものである。
フロントドア20は、その主要部をなすドア本体部21と、同ドア本体部21の上側に設けられたフロントガラスFGと、ドア本体部21の上側に隣接して設けられてフロントガラスFGの周囲を囲む窓枠部33とを備えて構成されている。ドア本体部21は、その前端部に設けられたドアヒンジ51により、上記開口12の前端縁13の近傍に開閉可能に支持されている。
ドア本体部21の主要部をなす車外側部分は、繊維強化樹脂からなる第1ドア構成体22によって構成されている。第1ドア構成体22は射出成形法によって成形されている。繊維強化樹脂は、PP、PA、PET等の合成樹脂を母材とし、これに繊維長の比較的短い炭素繊維、ガラス繊維等の繊維を強化材として含有した複合材料である。この繊維長は、射出成形法による第1ドア構成体22の成形に支障を及ぼさないことを条件に設定されており、50μm〜2000μmであることが望ましい。
第1ドア構成体22の略全体はハニカム構造体23によって形成されている。図3、図7及び図10(A)の少なくとも1つに示すように、ハニカム構造体23は、ハニカム部24と一対の封止板部27,28とからなる。ハニカム部24は、隔壁25により互いに区画された六角筒状をなす多数のセル26からなる。多数のセル26は平行に隣合って接合されていて、ハニカム部24は全体として蜂巣状をなしている。各セル26の開口端における一辺の長さL1は50mm程度に設定されている。セル26の内部は所定内容積を有する空間となっている。封止板部27,28は、セル26の高さ方向(図7の左右方向)についてハニカム部24の両側に位置して各セル26を封止している。本実施形態では、ハニカム部24と車内側の封止板部28とが一体に成形されている。車外側の封止板部27は、ハニカム部24とは別に成形され、その成形後にハニカム部24に対し溶着、接着等の手段によって接合されている。
図1及び図2の少なくとも一方に示すように、第1ドア構成体22の下端部及び後端部には、内部を中空状とした筒状枠部29が設けられている。この筒状枠部29については、ハニカム構造体23によって構成されていない。筒状枠部29の複数箇所には、後述するドアトリム取付け用のクリップ(図示略)を係止するための係止孔31が設けられている。
また、ドア本体部21の上記第1ドア構成体22よりも車内側の部分(以下「車内側部分32」という)と、その上側の窓枠部33とは、上記第1ドア構成体22と同様の繊維強化樹脂からなる第2ドア構成体34によって構成されている。この第2ドア構成体34もまた射出成形法によって成形されている。窓枠部33は、フロントガラスFGの周縁に沿って幅狭に形成されている。
第2ドア構成体34における上記車内側部分32は、第1ドア構成体22とともにドア本体部21の強度を高める機能を有するほか、第1ドア構成体22よりも車内側の機能部品が締結される箇所として機能する。第1ドア構成体22の車内側近傍の領域R(図1参照)では、第2ドア構成体34の車内側部分32の少なくとも一部は、その領域Rの中央部分を経由し、かつ同領域Rの外縁部のうち前後方向に相対向する部分の近傍に至る箇所に設けられている。
この条件を満たす形態として、本実施形態では、車内側部分32が略四角枠状に形成されている。より詳しくは、車内側部分32は、上記領域Rのうち外縁部の前後方向に相対向する部分には一対の柱部(前柱部35、後柱部36)を有する。前後両柱部35,36は略上下方向に延びており、それらの各上端部は、第1ドア構成体22の上端部に位置している。そのほか、車内側部分32は、上記領域Rのうちの外縁部である、前柱部35の上端部と後柱部36の上端部との間に架け渡された上架橋部37を有する。さらに、車内側部分32は、上記領域Rのうち中央部分及びその周辺部分(外縁部を除く)には、前柱部35と後柱部36と間に架け渡された下架橋部38のみを有している。これらの前後両柱部35,36及び上下両架橋部37,38は、上記窓枠部33よりも幅広に形成されている。
図4〜図7の少なくとも1つに示すように、第2ドア構成体34(車内側部分32及び窓枠部33)の略全体はハニカム構造体41によって形成されている。ハニカム構造体41は、上記第1ドア構成体22におけるハニカム構造体23と同様の構成、すなわちハニカム部42及び一対の封止板部46,47からなる。ハニカム部42は、隔壁43により互いに区画された六角筒状の多数のセル44,45からなる。
ただし、車内側部分32と窓枠部33とでは、各セル44,45の大きさが異なっている。図10(B)に示すように、車内側部分32におけるセル44の一辺の長さL2は、第1ドア構成体22におけるセル26の一辺の長さL1よりも短い25mm程度に設定されている。これは、一辺を短くしてセル44を小さくすることで、幅のさほど広くない車内側部分32(前後両柱部35,36及び上下両架橋部37,38)において、その幅方向にセル44を少なくとも複数並べて設けて同車内側部分32の強度を確保するためである。
また、図10(C)に示すように、窓枠部33におけるセル45の一辺の長さL3は、上記車内側部分32におけるセル44の一辺の長さL2よりもさらに短い15mm程度に設定されている。これは、一辺を短くしてセル45を小さくすることで、幅の狭い窓枠部33において、その幅方向にセル45を少なくとも複数並べて設けて同窓枠部33の強度を確保するためである。
図7及び図8の少なくとも一方に示すように、封止板部46,47は、セル44,45の高さ方向(図7及び図8の左右方向)についてハニカム部42の両側に位置して各セル44(45)を封止している。本実施形態では、ハニカム部42と一方(車内側)の封止板部47とが一体に成形されている。他方(車外側)の封止板部46はハニカム部42とは別に成形されている。そして、車外側の封止板部46がハニカム部42に溶着、接着等の手段によって接合されている。
上記第1ドア構成体22及び第2ドア構成体34(車内側部分32)は、それらのハニカム構造体23,41の隣接する封止板部28,46において、接着、溶着等の手段によって相互に接合されている(図7参照)。
上述したドアヒンジ51は、図1及び図2の少なくとも一方に示すように、第1ドア構成体22よりも車内側に位置する上記機能部品の1つである。ドアヒンジ51は、上下一対のヒンジ本体52,53と、上下方向に延びて上下両ヒンジ本体52,53を連結する連結部54とを備えて構成されている。連結部54は、図5、図6及び図8の少なくとも1つに示すように、その上下両端部においてボルト55及びナット56により車内側部分32に締結されている。上下両ヒンジ本体52,53は連結部54から前方へ突出しており、上述したようにボディ11において開口12の前端縁13近傍に開閉(回動)可能に支持されている。連結部54には、上述した第1ドア構成体22の筒状枠部29と同様の係止孔57が設けられている(図1参照)。
上記車内側部分32よりも車内側には、図5及び図6において二点鎖線で示すように、合成樹脂製のドアトリム58が配置されている。このドアトリム58も、第1ドア構成体22よりも車内側に位置する上記機能部品の1つである。ドアトリム58の車内側の面は意匠面を構成している。ここでは、ドアトリム58にはアームレスト59が一体に成形されている。ドアトリム58は、複数のクリップ(図示略)が上記複数箇所の係止孔31,57に係止されることにより、上記筒状枠部29に取付けられるとともに、ドアヒンジ51の連結部54を介して第2ドア構成体34に締結されている。
図1及び図2に示すように、第1ドア構成体22の車内側近傍には、繊維強化樹脂からなるインパクトビーム62が配置されている。ここで用いられる繊維強化樹脂は、上記第1ドア構成体22及び第2ドア構成体34における繊維強化樹脂中の繊維よりも繊維長の長い炭素繊維、ガラス繊維等の繊維が含有されて強化された合成樹脂である。インパクトビーム62は略前後方向に延びる板状体からなり、その前端が第1ドア構成体22の前端部に位置し、同インパクトビーム62の後端が第1ドア構成体22の後端部に位置している。インパクトビーム62は第1ドア構成体22及び第2ドア構成体34とは異なる成形方法、例えば圧縮成形、押し出し成形等によって形成される。こうしたインパクトビーム62は、第1ドア構成体22の車内側の面に対し接着、溶着等によって固定されている。
上記の構成に加え、本実施形態では、図7〜図9の少なくとも1つに示すように、第1ドア構成体22における車外側の封止板部27に、同封止板部27の外部とハニカム部24における各セル26とを連通させる連通孔部63が設けられている。この連通孔部63はハニカム部24における全てのセル26について設けられており、その開口面積はセル26の開放端の面積よりも小さく設定されている。そして、この構成により、各連通孔部63を、ハニカム構造体23ひいてはフロントドア20に車外側から伝播して車内に侵入しようとする伝播音を低減するための共鳴管として機能させるようにしている。また、各セル26の内部空間64を、上記伝播音を低減するための共鳴室として機能させるようにしている。
さらに、上記封止板部27の車外側には、可撓性を有する合成樹脂板によって構成されたアウタパネル65が、ドア本体部21の一部として配設されている。このアウタパネル65の車外側の面(外面65A)はドア本体部21の意匠面を構成している。アウタパネル65と封止板部27との間の複数箇所には支持柱部66が介在されている。これらの支持柱部66はアウタパネル65に設けられてもよいし、その逆に封止板部27に設けられてもよい。本実施形態では、上記支持柱部66は、アウタパネル65の車内側の面上の複数箇所から車内側へ向けて突設されている。そして、アウタパネル65は、上記複数箇所の支持柱部66が封止板部27に当接させられた状態でハニカム構造体23に固定されている。このようにアウタパネル65と封止板部27との間の複数箇所に支持柱部66が介在されることで、同アウタパネル65が上記封止板部27から車外側へ所定距離離間させられている。
上記のように構成されたフロントドア20は、以下の理由により軽量なものとなる。
(i)ドア本体部21の車外側部分を構成する第1ドア構成体22の略全体が合成樹脂によって形成されていること。
(ii)車内側部分32及び窓枠部33を構成する第2ドア構成体34の略全体が合成樹脂によって形成されていること。
(iii )アウタパネル65の全体が合成樹脂によって形成されていること。
(iv)第1ドア構成体22の略全体及び第2ドア構成体34の略全体が、それぞれハニカム構造体23,41により形成されていること。同ハニカム構造体23,41が、六角筒状をなす多数のセル26,44,45からなるハニカム部24,42と、同ハニカム部24,42をその両側から挟み込んで各セル26,44,45を封止する一対の封止板部27,28,46,47により構成されていること。
各セル26,44,45を六角筒状とすることで、それらの内部空間64の容積が採り得る最大となり、隔壁25,43の材料が少なくてすむ。このことは、ハニカム構造体23,41がより軽くなることに繋がる。
(v)第2ドア構成体34が、第1ドア構成体22の車内側近傍の領域Rのうち、外縁部の前後に相対向する部分には一対の柱部(前後両柱部35,36)を有し、同領域Rのうち中央部分及びその周辺部分(外縁部を除く)については、前後両柱部35,36間に架け渡された長尺状の下架橋部38を有するにすぎないこと。
そのため、第2ドア構成体34が上記領域Rの略全体にわたって設けられている場合よりも、フロントドア20が軽くなる。
ところで、上記フロントドア20には、自動車の走行音、風切り音等、車外で発生する所定の周波数特性を有する伝播音が伝播する。しかし、ハニカム構造体23における車外側の封止板部27の連通孔部63が共鳴管として機能し、セル26の内部空間64が共鳴室として機能する。すなわち、ハニカム構造体23がヘルムホルツの共鳴箱として機能する。そのため、連通孔部63及びセル26は、上記伝播音のうち、セル26の内部空間64(共鳴室)の内容積と、連通孔部63(共鳴管)の断面積及び長さとによって決定される所定周波数成分(共鳴周波数)と共鳴し、その共鳴周波数での音圧レベルが低減される。フロントドア20を通じて車内へ侵入しようとする伝播音が減衰される。
ここで、ハニカム構造体23における車外側の封止板部27には上記のようにして連通孔部63が設けられていることから、仮にこの封止板部27の外側の面(外面27A)を意匠面とすると、意匠面上に連通孔部63が存在することとなり外観を損なう。各連通孔部63は小径であるものの、個々の連通孔部63の外観低下に及ぼす影響は小さい。しかし、連通孔部63はセル26毎に設けられていて、封止板部27に多数存在している。そのため、これらの連通孔部63に起因するフロントドア20の外観低下に及ぼす影響度合いは無視できなくなる。
しかし、本実施形態では、封止板部27の車外側にさらにアウタパネル65が配されていて、その車外側の面(外面65A)が意匠面とされている。このアウタパネル65が上記封止板部27の連通孔部63を隠し、フロントドア20の車外側からは連通孔部63が見えないようにしている。そのため、このアウタパネル65により、連通孔部63に起因する外観の低下が補償される。
また、支持柱部66が介在されることでアウタパネル65と封止板部27との間に生ずる空間は、同アウタパネル65が車内側へ撓むのを許容する。従って、フロントドア20に対し、車外側から軽い衝撃等による比較的小さな荷重が加わった場合、例えば、ショッピングカート等がフロントドア20に車外側から軽く当てられた場合には、アウタパネル65の支持柱部66以外の箇所が車内側へ一旦撓む。
そして、上記ショッピングカートがフロントドア20から離される等して上記の荷重が除かれると、アウタパネル65は自身の弾性復元力によって、撓む前の状態に復元する。
これに対し、車外側からフロントドア20のドア本体部21に対し、比較的大きな衝撃等により、アウタパネル65をその最大弾性変形量よりも大きく弾性変形させるような大きな荷重が加わった場合には、その荷重は第1ドア構成体22及び第2ドア構成体34に伝わる。この際、フロントドア20のドア本体部21は以下の理由により高い強度を発揮する。
(I)第1ドア構成体22の略全体及び第2ドア構成体34の略全体が、ハニカム部24,42とその両側の一対の封止板部27,28(46,47)とからなるハニカム構造体23,41によって構成されていること。
フロントドア20に車外側から衝撃等による荷重が加わってハニカム構造体23,41に伝わった場合、封止板部27,28(46,47)自体は曲げ応力に対しさほど強くないが、ハニカム部24,42の各セル26,44は伸縮しにくい。すなわち、ハニカム構造体23,41は、封止板部27,28(46,47)に加わってそれらを曲げようとする力を、ハニカム部24,42を伸縮させる力に変えることによって高い強度を発揮する。結果として、ハニカム構造体23,41は剛性が高く変形しにくい。
(II)第1ドア構成体22の車内側に第2ドア構成体34の車内側部分32が重ねられた状態で配置されていて、セル26,44の高さが実質的に高くなっていること。
一般に、ハニカム構造体23,41ではセル26,44の高さが高くなるに従い強度が高くなる傾向にあることから、上記のようにセル26,44の実質的な高さが高くなることで、ドア本体部21の強度が第1ドア構成体22単独の場合よりも高くなる。
(III )第1ドア構成体22のハニカム部24と第2ドア構成体34のハニカム部42との間に2枚の封止板部28,46が介在することで、封止板部28,46の実質的な厚みが2倍になり、両ハニカム部24,42間に1枚の封止板部(封止板部28,46の一方のみ)が介在する場合よりもドア本体部21の強度が高くなる。
(IV)両ハニカム構造体23,41の接合手段が接着である場合には、接合部分(隣合う2枚の封止板部28,46間)に接着剤層が介在すること。この接着剤層もまたドア本体部21の強度を高めるのに寄与する。
(V)ともに合成樹脂からなる第1ドア構成体22内及び第2ドア構成体34内にそれぞれ強化繊維が混入されていること。
上記(I)〜(V)のように強度が高められているため、上記の比較的大きな荷重は、第1ドア構成体22及び第2ドア構成体34によって確実に受け止められる。
特に、第2ドア構成体34における車内側部分32が、前後両柱部35,36及び上下両架橋部37,38によって四角枠状に形成されている。第1ドア構成体22の車内側近傍の領域Rのうち外縁部については、同外縁部の前後に相対向する部分に上記前後両柱部35,36が位置している。すなわち、前後両柱部35,36は自動車のボディ11における開口12の周縁部の車外側近傍に位置している。また、第1ドア構成体22の車内側近傍の領域Rのうち上縁部と、中央部分及びその周辺部分とについては、前後両柱部35,36間に長尺状の上下両架橋部37,38が架け渡されている。そのため、上記のようにドア本体部21に荷重が加わると、その荷重は、第2ドア構成体34の車内側部分32では、長尺状の上下両架橋部37,38、及び前後両柱部35,36の順に伝達される。そして、この荷重は、前後両柱部35,36の車内側に位置する剛性の高いボディ11によって受け止められる。
そのほか、ハニカム構造体23,41では、万が一多くのセル26,44,45のうちの一部が壊れたとしてもその破壊力が他のセル26,44,45に及びにくい。そのため、第1ドア構成体22の一部又は第2ドア構成体34の一部にたとえ傷が入ったとしても、第1ドア構成体22の他の部分や第2ドア構成体34の他の部分が破壊されることは起こりにくい。
さらに、繊維強化樹脂によって形成されて、第1ドア構成体22の車内側に接着されたインパクトビーム62には、長い繊維が含有されている。このことから、インパクトビーム62は、第1ドア構成体22中の繊維と同程度の長さを有する繊維が含有された繊維強化樹脂によって形成された場合よりも高い剛性を発揮する。そのため、インパクトビーム62は車外側から荷重が加わっても変形しにくい。第1ドア構成体22が破損するような大きな荷重がフロントドア20に対し加わっても、インパクトビーム62は破損せず、その荷重を受け止める。フロントドア20に当って荷重を加えるものがインパクトビーム62よりも車内側へ侵入しようとする現象を抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)フロントドア20の主要部である第1ドア構成体22の大部分を合成樹脂製のハニカム構造体23によって形成している(図5及び図6参照)。そのため、フロントドア20の軽量化を図り、このフロントドア20を採用した自動車の重量を低減し、燃費向上を図ることができる。
(2)フロントドア20において、封止板部27が車外側に位置し、封止板部28が車内側に位置するようにハニカム構造体23を配設するとともに、車外側の封止板部27には、同封止板部27の外部とハニカム部24におけるセル26とを連通させる連通孔部63を設けている(図7〜図9参照)。そのため、連通孔部63及びセル26の内部空間64を、ヘルムホルツの共鳴箱における共鳴管(連通孔部63)及び共鳴室(内部空間64)としてそれぞれ機能させることで、それらの共鳴作用によって、車外側からフロントドア20に伝播する伝播音の所定周波数成分を低減することができる。このようにして、車外からフロントドア20に伝播して車内に侵入しようとする伝播音を減衰することができる。
これに伴い、伝播音の車内への侵入を抑制するために、フロントドア20に対し防音材や吸音材を貼る等の対策を別途講じなくてもすむ。
(3)セル26毎に連通孔部63を設けているため、各セル26の内部空間64を共鳴室として機能させることができ、伝播音の車内への侵入を抑制する大きな効果を得ることができる。
(4)封止板部27の車外側にアウタパネル65を配設し、その外面65Aをフロントドア20の意匠面としている(図9参照)。そのため、アウタパネル65によって封止板部27の連通孔部63を隠し、フロントドア20の車外側からは連通孔部63が見えないようにし、連通孔部63に起因するフロントドア20の外観低下を抑制することができる。
(5)アウタパネル65及び封止板部27間の複数箇所に支持柱部66を介在させることにより、同アウタパネル65が車内側へ撓むのを許容する空間をアウタパネル65と封止板部27との間に設けている(図9参照)。そのため、車外側からフロントドア20に対し軽い衝撃等による比較的小さな荷重が加わっても、アウタパネル65を一旦撓ませた後に、そのアウタパネル65の弾性復元力によって元の状態に復元させることができる。上記荷重によりアウタパネル65が凹んだままの状態となる不具合を解消することができる。アウタパネル65の凹んだ箇所を別途修理する必要はない。
(6)上記(4),(5)におけるアウタパネル65を、可撓性を有する合成樹脂板によって形成している。そのため、フロントドア20に車外側から荷重が加わった場合にはアウタパネル65のみを確実に撓ませ、荷重が除かれたときには一旦撓んだ上記アウタパネル65を元の状態に確実に戻させることができるほか、フロントドア20のさらなる軽量化を図ることができる効果もある。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
(a)図11に示すように、封止板部27の車内側の面からセル26の内部空間64内へ突出し、かつ両端の開放された筒状部67を設け、その筒状部67の内部を、封止板部27の外部とセル26の内部空間64とを連通させる連通孔部63としてもよい。このようにすれば、共鳴管(連通孔部63)の長さを確保しやすくなる。
(b)連通孔部63は必ずしも全てのセル26について設けられなくてもよい。ハニカム部24における少なくとも一部のセル26について連通孔部63が設けられれば、伝播音の減衰効果は得られる。
(c)上記フロントドア20において、第1ドア構成体22と第2ドア構成体34とが一体に設けられてもよい。要は、フロントドア20の少なくとも主要部が合成樹脂製のハニカム構造体23によって形成されていればよい。
(d)インパクトビーム62は繊維強化樹脂に代えて金属(鋼板)によって形成されてもよい。
(e)一対の封止板部27,28(46,47)について、ハニカム部24(42)に対し一体成形されるものと接合されるものとの関係を、上記実施形態とは逆にしてもよい。
(f)本発明は、上述した自動車のフロントドア20以外にも、リヤドア、バックドア等の自動車用ドアにも適用可能である。また、本発明は、上記自動車用ドア以外の自動車用ボディ構造体にも適用可能である。
その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
(A)請求項1〜4のいずれか1つに記載の自動車用ボディ構造体において、前記連通孔部は前記ハニカム部における全ての前記セルについてセル毎に設けられている。
上記の構成によれば、各セルの内部空間を共鳴室として機能させることができ、車内への伝播音の侵入を抑制する大きな効果を得ることができる。
本発明を具体化した一実施形態において、ドアトリムの取り外されたフロントドアを車内側から見た状態を示す正面図。 図1のフロントドアを車内側の斜め前方から見た状態を示す斜視図。 同実施形態のフロントドアにおいて第1ドア構成体の内部構造を示す正面図。 同実施形態のフロントドアにおいて第2ドア構成体の内部構造を示す正面図。 図1のA−A線に沿った断面構造を示す断面図。 図1のB−B線に沿った断面構造を示す断面図。 図5におけるX部を拡大して示す部分断面図。 図5におけるY部を拡大して示す部分断面図。 図6におけるZ部を拡大して示す部分断面図。 (A)〜(C)はハニカム構造体におけるセルを示す部分正面図。 図9に対応する図であり、連通孔部の別の実施形態を示す部分断面図。
符号の説明
22…第1ドア構成体、23…ハニカム構造体、24…ハニカム部、25…隔壁、26…セル、27,28…封止板部、63…連通孔部、64…内部空間、65…アウタパネル、65A…外面、66…支持柱部。

Claims (2)

  1. 少なくとも主要部が合成樹脂製のハニカム構造体により形成され、そのハニカム構造体が、隔壁により互いに区画されて筒状をなす多数のセルからなるハニカム部と、前記ハニカム部を両側から挟み込んで各セルを封止する一対の封止板部とを備える自動車用ボディ構造体であって、
    前記両封止板部の一方が車外側に位置し、他方が車内側に位置するように前記ハニカム構造体を配設するとともに、前記車外側の封止板部に、同封止板部の外部と前記ハニカム部における少なくとも一部の前記セルとを連通させる連通孔部を設けることにより、前記連通孔部を、前記ハニカム構造体に車外側から伝播する伝播音を低減するための共鳴管として機能させ、かつ前記セルの内部空間を、前記伝播音を低減するための共鳴室として機能させ
    前記連通孔部の設けられた前記封止板部の車外側には、自身の車外側の面を意匠面とするアウタパネルが配設され、
    前記アウタパネルと前記連通孔部を有する前記封止板部との間の複数箇所には、支持柱部が介在され、該支持柱部により前記アウタパネルと前記封止板部との間が所定距離離間している
    ことを特徴とする自動車用ボディ構造体。
  2. 前記アウタパネルは可撓性を有する合成樹脂板により構成されている請求項に記載の自動車用ボディ構造体。
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