以下、本発明の第1実施形態を、図1乃至図6とともに詳細に説明するが、上記従来例と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図1は本実施形態の液晶表示装置における要部概略構成を示すブロック図、図2は本実施形態の液晶表示装置における温度センサーの液晶表示パネルに対する配置(相対位置関係)例を示す説明図、図3は本実施形態の液晶表示装置における検出温度と強調変換パラメータとの関係を示す説明図である。
また、図4は本実施形態の液晶表示装置において用いるOSテーブルメモリのテーブル内容例を示す概略説明図、図5は本実施形態の液晶表示装置における制御CPUの概略構成を示す機能ブロック図、図6は本実施形態の液晶表示装置における検出温度の度数分布例を示すヒストグラムである。
本実施形態の液晶表示装置は、図1に示すように、液晶表示パネル4を例えば4つの画面領域に均等分割した各々の分割領域A〜Dに対向する位置に、各分割領域A〜Dのパネル温度を検出する4つの温度センサー16a〜16dを設けている。
ここで、温度センサー16a〜16dは、図2(a)に示すように、液晶表示パネル4の四隅部分に対向する位置に設けても良いが、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dにおける平均的な温度を検出するためには、図2(b)に示すように、各分割領域A〜Dの中央部分に対向する位置に設ける方が望ましい。尚、液晶表示パネル4の領域分割数は4に限らず、均等または不均等な任意のM個(M≧2)の領域に分割して、それぞれの分割領域に対応するM個の温度センサーを設けて構成しても良いことは言うまでもない。
また、書込階調決定手段として、液晶表示パネル4の各温度範囲に対応した強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2がそれぞれ格納された複数のOSテーブルメモリ(ROM)3a〜3cと、該OSテーブルメモリ(ROM)3a〜3cのいずれかを参照して、フレームメモリ1に格納されている1フレーム前の画像信号(Previous Data)と現フレームの画像信号(Current Data)との組み合わせ(階調遷移)から対応する強調変換パラメータを読み出し、入力画像信号に対して液晶表示パネル4の光学応答特性を補償する強調変換信号を決定するための強調変換部22とを備えている。
尚、本実施形態においては、説明を簡略化するため、図3に示すように、液晶表示パネル4の検出温度が第1の閾値温度Threash 0より低い場合に用いる強調変換パラメータLEVEL 0が格納されたOSテーブルメモリ(ROM)3aと、液晶表示パネル4の検出温度が第1の閾値温度Threash 0と第2の閾値温度Threash 1との間にある場合に用いる強調変換パラメータLEVEL 1が格納されたOSテーブルメモリ(ROM)3bと、液晶表示パネル4の検出温度が第2の閾値温度Threash 1より高い場合に用いる強調変換パラメータLEVEL 2が格納されたOSテーブルメモリ(ROM)3cとの3種類のROMを設け、これらを切り替えて参照することにより、オーバーシュート駆動を行うものについて説明するが、4以上の予め定められた温度範囲のそれぞれに対応した4種類以上のROMを設けて構成しても良いことは言うまでもない。
また、図4に示したものは、表示信号レベル数すなわち表示データ数が8ビットの256階調である場合において、32階調毎の代表階調遷移パターンについての強調変換パラメータ(実測値)を9×9のマトリクス状に記憶し、代表階調以外の階調を持つ画像信号に対しては、該強調変換パラメータ(実測値)を用いて補間演算することで強調変換信号(書込階調信号)を求める構成としているが、これに限られないことは明らかである。
さらに、本実施形態においては、上記温度センサー16a〜16dで検出された液晶表示パネル4の複数領域A〜Dにおける温度データに基づいて、上記OSテーブルメモリ3a〜3cを適宜切り替え選択するための制御CPU17を備えている。
この制御CPU17は、図5に示すように、各温度センサー16a〜16dにより検出された温度データa〜dに対して所定の演算を施す演算部17aと、該演算部17aによる演算出力データと予め定められた閾値温度データThreash 0,Threash 1とを比較判別する閾値判別部17bと、該閾値判別部17bによる比較結果に応じて、OSテーブルメモリ(ROM)3a〜3cのいずれかを選択し、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する制御信号出力部17cとを有している。
ここで、例えば装置内の検出温度が不安定であったり、ノイズの影響を受けるなどして、演算部17aによる演算出力が激しく変動(乱昇降)する場合であっても、これに追従してOSテーブルメモリ3a〜3cが頻繁に切り替わり、ちらつきの発生などの画質劣化が発生するのを防止するため、上述の強調変換パラメータの切替動作にヒステリシスを持たせるようにしても良い。
例えば、検出温度の上昇時と下降時とで閾値温度データを±α(調節感度=2α)する、或いは、固定の閾値温度より上昇又は下降した検出温度が所定回数以上連続して取得された場合に、該検出温度に対応した強調変換パラメータを切替選択するための切替制御信号を出力するなどによって、OSテーブルメモリ3a〜3cの切替制御を安定的に行うことが可能となる。
上記のように構成してなる液晶表示装置においては、温度センサー16a〜16dのそれぞれで検出された検出温度データa〜dに基づいて、画面(フレーム)単位で強調変換パラメータを切り替えるための単一の切替制御信号が生成され、この切替制御信号に応じて、OSテーブルメモリ(ROM)3a〜3cのいずれかが切替選択される。
そして、選択されたOSテーブルメモリ(ROM)3a〜3cのいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を読み出し、この強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を用いて、線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力階調信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
次に、本実施形態では、発熱部材の配置位置や当該装置の設置状態などにより液晶表示パネル4に発生する面内温度分布に対応して、適切な強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を選択可能とするために、温度センサー16a〜16dにより検出された温度データa〜dに対し、制御CPU17の演算部17aで以下のような演算を施すことによって、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を求めている。
(1)平均値
温度センサー16a〜16dによる検出温度データa〜dの平均値を求め、これを閾値温度データThreash 0,Threash 1と比較判別することによって、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する。このように、検出温度データa〜dの平均値を用いて、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御を行うことにより、液晶表示パネル4に局所的な著しい温度分布が発生している場合であっても、画面全体に対して適切な強調変換パラメータを選択することが可能となる。
(2)最大値
温度センサー16a〜16dによる検出温度データa〜dの最大値を求め、これを閾値温度データThreash 0,Threash 1と比較判別することによって、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する。このように、検出温度データa〜dの最大値を用いて、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御を行うことにより、液晶表示パネル4に局所的な低温部分が発生している場合であっても、過大な強調変換パラメータを選択することによる白点化(ノーマリーブラックモードの場合)などの発生を防止することが可能となる。
(3)最小値
温度センサー16a〜16dによる検出温度データa〜dの最小値を求め、これを閾値温度データThreash 0,Threash 1と比較判別することによって、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する。このように、検出温度データa〜dの最小値を用いて、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御を行うことにより、液晶表示パネル4に局所的な高温部分が発生している場合であっても、過小な強調変換パラメータを選択することによる黒尾引き(ノーマリーブラックモードの場合)などの発生を防止することが可能となる。
(4)ヒストグラム(多数決)
温度センサー16a〜16dによる検出温度データa〜dの閾値温度データThreash 0,Threash 1に対する頻度分布(ヒストグラム)を求め、最も頻度が高いすなわち最大度数の温度データに基づいて、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する。例えば図6に示すように、検出温度データa〜dが第1の閾値温度Threash 0と第2の閾値温度Threash 1との間に最も多く分布している場合、多数決の原理を利用して、強調変換パラメータLEVEL 1を選択すべく切替制御信号を出力する。
このように、検出温度データa〜dのヒストグラムを求め、最大度数の温度データを用いて、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御を行うことにより、最も多くの画面領域で検出された温度に対応した切替制御信号を生成することができるため、液晶表示パネル4に局所的な温度分布が発生している場合であっても、より多くの画面領域において最適な強調変換パラメータを選択することが可能となる。
(5)加重平均値
温度センサー16a〜16dによる検出温度データa〜dのそれぞれに所定の重み係数l〜oを乗算した上で総和(a×l+b×m+c×n+d×o)を算出し、これを重み係数の和(l+m+n+o)で除算することによって加重平均値を求め、これを閾値温度データThreash 0,Threash 1と比較判別することによって、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する。
このように、検出温度データa〜dの加重平均値を用いて、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御を行うことにより、液晶表示パネル4に局所的な温度分布が発生している場合であっても、所望の画面領域に対応した適切な強調変換パラメータを選択することが可能となる。
ここで、上述の重み係数l〜oは、入力画像信号の特徴量や当該装置の設置状態などの各種条件に応じて可変設定されるようにしても良いし、また、ユーザが任意に設定できるように構成しても良い。さらに、注目画像は画面中央部分に表示されるという前提において、画面中央における検出温度データに対する重み係数を他より大きくするようにしても良い。
(6)選択抽出
温度センサー16a〜16dによる検出温度データa〜dから所定の温度センサーによる検出温度データのみを選択して抽出し、これを閾値温度データThreash 0,Threash 1と比較判別することによって、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する。
このように、検出温度データa〜dのうちの一部データのみを用いて、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御を行うことにより、液晶表示パネル4に局所的な温度分布が発生している場合であっても、所望の画面領域に対応した適切な強調変換パラメータを選択することが可能となる。
ここで、温度センサー16a〜16dのうち、いずれの温度センサーによる検出温度データを選択抽出するかは、入力画像信号の特徴量や当該装置の設置状態などの各種条件に応じて切換設定されるようにしても良いし、また、ユーザが任意に設定できるように構成しても良い。
また、入力画像信号の特徴量や当該装置の設置状態などの各種条件に応じて、或いは、ユーザによる入力指示に基づいて、上述の(1)〜(6)の演算手法を適宜切り換えて選択するようにしたり、適宜組み合わせることで、強調変換パラメータの切替制御信号を求めるようにしても良いことは言うまでもない。
以上のとおり、本実施形態の液晶表示装置においては、液晶表示パネル4の複数の面内位置における温度を検出する温度センサー16a〜16dを設け、これら温度センサー16a〜16dによる検出温度データに対して所定の演算を施すことにより、各温度範囲に対応した複数の強調変換パラメータを切替選択するための切替制御信号を生成しているので、液晶表示パネル4に温度分布が発生している場合であっても、常に適切な強調変換パラメータを選択することが可能となり、白点の発生や黒尾引きの発生等を抑制して、表示画像の画質劣化を防止することができる。
尚、上述した第1実施形態においては、強調変換部2とOSテーブルメモリ(ROM)3a〜3cとで書込階調決定手段を構成しているが、OSテーブルメモリ(ROM)を設ける代わりに、例えば遷移前の階調と遷移後の階調とを変数とする2次元関数f(pre,cur)により、液晶表示パネル4の光学応答特性を補償する強調変換信号(書込階調信号)を求める構成としても良い。
次に、本発明の第2実施形態について、図7及び図8とともに詳細に説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図7は本実施形態の液晶表示装置における温度センサーの液晶表示パネルに対する配置(相対位置関係)例を示す説明図、図8は本実施形態の液晶表示装置における制御CPUの概略構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態の液晶表示装置においては、4つの温度センサー16e〜16hを、図7に示すように、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dの境界部分に対向する位置に設け、各分割領域A〜Dに近接する位置にある2つの温度センサー16e〜16hによる温度検出データe〜hを平均化演算することによって、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dの温度を検出する構成としている。
すなわち、本実施形態の制御CPU27は、図8に示すように、各温度センサー16e〜16hにより検出された温度データe〜hから、液晶表示パネル4の分割領域Aにおける温度データとして、温度センサー16e,16gによる温度検出データe,gの平均値を、液晶表示パネル4の分割領域Bにおける温度データとして、温度センサー16e,16fによる温度検出データe,fの平均値を、液晶表示パネル4の分割領域Cにおける温度データとして、温度センサー16g,16hによる温度検出データg,hの平均値を、液晶表示パネル4の分割領域Dにおける温度データとして、温度センサー16f,16hによる温度検出データf,hの平均値をそれぞれ演算して出力する演算部27dを有している。
また、上記演算部27dより出力された温度データに対して所定の演算を施す演算部27aと、該演算部27aによる演算出力データと予め定められた閾値温度データThreash 0,Threash 1とを比較判別する閾値判別部27bと、該閾値判別部27bによる比較結果に応じて、OSテーブルメモリ(ROM)3a〜3cのいずれかを選択し、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する制御信号出力部27cとを有している。
このように、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dに近接した2箇所のセンサー出力温度を平均値演算し、各分割領域A〜Dの温度を検出することによって、上記第1実施形態と同数の温度センサーにより、精度の高い各分割領域A〜Dの温度検出が可能となる。
そして、この各分割領域A〜Dにおける検出温度データに対して上記第1実施形態で述べたような各種演算を施すことで、各温度範囲に対応した複数の強調変換パラメータを切替選択するための切替制御信号を生成しているので、液晶表示パネル4に温度分布が発生している場合であっても、常に適切な強調変換パラメータを選択することが可能となり、白点の発生や黒尾引きの発生等を抑制して、表示画像の画質劣化を防止することができる。
尚、本実施形態においては、液晶表示パネル4の領域分割数と同数の温度センサー16e〜16hを設けているが、温度センサー16の数を増やす程、各分割領域A〜Dの温度検出精度を高くすることができ、適当な位置に温度センサーを追加して設けても良いことは言うまでもない。また、各温度センサーによる検出温度の単純平均に限らず、例えば予め定められた重み係数を用いて各温度センサーによる検出温度に対して加重平均演算を施すことで、液晶表示パネル4の各分割領域の温度を検出するようにしても良い。
さらに、上述した実施形態においては、温度センサー16e〜16hにより検出された温度データe〜hから、演算部27dにて各分割領域A〜Dに対応した4つの代表温度データを演算検出し、演算部27aに出力しているが、温度データe〜hを加えた8つの検出温度データを演算部27aに出力し、該演算部27aで所定の演算を施すようにしても良い。
次に、本発明の第3実施形態について、図9乃至図11とともに詳細に説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図9は本実施形態の液晶表示装置における温度センサーの液晶表示パネルに対する配置(相対位置関係)例を示す説明図、図10は本実施形態の液晶表示装置における制御CPUの概略構成を示す機能ブロック図、図11は温度センサーによる検出温度及び液晶表示パネル面の温度と電源投入後の経過時間との関係例を示す説明図である。
本実施形態の液晶表示装置においては、単一の温度センサー16iを、図9に示すように、液晶表示パネル4の中央部分に対向する位置に設け、該温度センサー16iによる温度検出データiに対して予め決められた所定の値を加減算する等の演算を施すことにより、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dの温度を検出する構成としている。
すなわち、本実施形態の制御CPU37は、図10に示すように、温度センサー16iにより検出された温度データiから、液晶表示パネル4の分割領域Aにおける温度データとして、温度センサー16iによる温度検出データiに所定値taを加算したものを、液晶表示パネル4の分割領域Bにおける温度データとして、温度センサー16iによる温度検出データiに所定値tbを加算したものを、液晶表示パネル4の分割領域Cにおける温度データとして、温度センサー16iによる温度検出データiに所定値tcを加算したものを、液晶表示パネル4の分割領域Dにおける温度データとして、温度センサー16iによる温度検出データiに所定値tdを加算したものをそれぞれ演算して出力する演算部37dを有している。
また、上記演算部37dより出力された温度データに対して所定の演算を施す演算部37aと、該演算部37aによる演算出力データと予め定められた閾値温度データThreash 0,Threash 1とを比較判別する閾値判別部37bと、該閾値判別部37bによる比較結果に応じて、OSテーブルメモリ(ROM)3a〜3cのいずれかを選択し、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する制御信号出力部37cとを有している。
このように、任意の位置に設けられた単一のセンサー出力温度に所定の演算(加減算)を施し、各分割領域A〜Dの温度を検出することによって、温度センサーの数を抑制しつつ、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dの温度検出が可能となる。
そして、この各分割領域A〜Dにおける検出温度データに対して上記第1実施形態で述べたような各種演算を施すことで、各温度範囲に対応した複数の強調変換パラメータを切替選択するための切替制御信号を生成しているので、液晶表示パネル4に温度分布が発生している場合であっても、常に適切な強調変換パラメータを選択することが可能となり、白点の発生や黒尾引きの発生等を抑制して、表示画像の画質劣化を防止することができる。
ここで、例えば図11に示すように、温度センサー16iによる検出温度の上昇カーブと、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dにおける実際の温度の上昇カーブとは異なっており、電源投入後の経過時間に伴って、温度センサー16iによる検出温度と、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dにおける実際の温度との格差が変化する。この温度格差は、電源投入後、ある時間(図11の例では約40分)が経過するまでは、経過時間に伴って大きくなる。
従って、当該装置の電源投入後の経過時間をカウントし、この電源投入後の経過時間に応じて、温度検出データiに施す演算量ta〜tdをそれぞれ独立して可変する(電源投入当初はta〜td=0とする)ことにより、常に適切な強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御を行うことが可能となり、高画質の画像表示を実現することができる。
但し、これは電源投入時における温度センサー16iの検出温度と液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dにおける実際の温度とが一致していることを前提としている。例えば長時間視聴した装置を一旦電源オフした後、すぐにまた電源オンした場合などは、温度センサー16iの検出温度に含まれる、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dにおける実際の温度との格差を正しく補正することができず、最適な強調変換パラメータを切替選択することができない可能性もある。
このため、直前の電源停止時刻或いは電源停止後経過時間、及び該電源停止時の演算量ta〜tdを記憶しておき、これらを用いて電源投入時における温度センサー16iの検出温度と液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dにおける実際の温度との差を推測することにより、適切な演算量ta〜tdを用いて、温度センサー16iの検出温度データiに演算処理を施すようにしても良い。
また、周囲温度(装置外温度)を検出する温度センサーを別途設け、温度センサー16iによる装置内の検出温度と周囲温度(装置外温度)とに応じて演算量ta〜tdを決定し、温度センサー16iによる温度検出データiに対して加減算することにより、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dにおける温度を検出する構成としても良い。
すなわち、当該装置外の周囲温度毎に、温度センサー16iの装置内検出温度に対する、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dにおける実際の温度(実測値)を予めパターン(相関データ)化しておくことで、温度センサー16iにより検出された温度データiに含まれる、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Dにおける実際の温度に対する差を推定することができ、この温度差を補正する演算を行うことにより、常に適切な強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御を行うことが可能となり、高画質の画像表示を実現することができる。
尚、上記実施形態においては、単一の温度センサー16iを設けたものについて説明したが、必要最小限の適当な位置に温度センサーを追加して設けても良いことは言うまでもない。この場合、複数の温度センサーによる温度検出データのそれぞれに対して、予め決められた所定の値を加減算することで、各分割領域A〜Dの温度検出精度を高めることができる。
また、上述した実施形態においては、温度センサー16iにより検出された温度データiから、演算部37dにて各分割領域A〜Dに対応した4つの代表温度データを演算検出し、演算部37aに出力しているが、温度データiを加えた5つの検出温度データを演算部37aに出力し、該演算部37aで所定の演算を施すようにしても良い。
次に、本発明の第4実施形態について、図12とともに詳細に説明するが、上述した第1〜第3実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図12は本実施形態の液晶表示装置における温度センサーの液晶表示パネルに対する配置(相対位置関係)例を示す説明図である。
本実施形態の液晶表示装置においては、図12に示すように、液晶表示パネル4を不均等な領域A〜Fに6分割し、液晶表示パネル4の分割領域A,Eの境界部分に対向する位置に温度センサー16jを設けるとともに、液晶表示パネル4の分割領域Dの中央部分に対向する位置に温度センサー16kを設け、該温度センサー16j,16kによる温度検出データj,kに対して所定の演算を施すことにより、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Fの温度を検出する構成としている。
すなわち、液晶表示パネル4の分割領域Aにおける温度データとしては、温度センサー16jによる温度検出データjに所定値taを加算したものを、液晶表示パネル4の分割領域Bにおける温度データとしては、温度センサー16kによる温度検出データkに所定値tbを加算したものを、液晶表示パネル4の分割領域Cにおける温度データとしては、温度検出データjと温度検出データkとの平均値を、液晶表示パネル4の分割領域Dにおける温度データとしては、温度検出データkをそのまま、液晶表示パネル4の分割領域Eにおける温度データとしては、温度検出データjに所定値teを加算したものを、液晶表示パネル4の分割領域Fにおける温度データとしては、温度検出データKに所定値tfを加算したものをそれぞれ演算して出力する。
そして、上記演算出力された各分割領域A〜Fに対応する温度検出データに対して上記第1実施形態で述べたような各種演算を施した上で、予め定められた閾値温度データThreash 0,Threash 1とを比較判別し、この比較結果に応じて、OSテーブルメモリ(ROM)3a〜3cのいずれかを選択し、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を切り替えるための切替制御信号を生成する。
このように、液晶表示パネル4を任意の領域A〜Fに分割するとともに、任意の位置に設けられた1以上のセンサー出力温度に所定の演算を施することによって、液晶表示パネル4の各分割領域A〜Fの温度を効率良く且つ高精度に検出することができる。
また、この各分割領域A〜Fにおける検出温度データに対して上記第1実施形態で述べたような各種演算を施すことで、各温度範囲に対応した複数の強調変換パラメータを切替選択するための切替制御信号を生成しているので、液晶表示パネル4に温度分布が発生している場合であっても、常に適切な強調変換パラメータを選択することが可能となり、白点の発生や黒尾引きの発生等を抑制して、表示画像の画質劣化を防止することができる。
次に、本発明の第5実施形態について、図13及び図14とともに詳細に説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図13は本実施形態の液晶表示装置における要部概略構成を示すブロック図、図14は本実施形態の液晶表示装置において用いるOSテーブルメモリのテーブル内容を示す概略説明図である。
本実施形態の液晶表示装置は、図13に示すように、OSテーブルメモリとして単一のROM3dを備えており、このROM3dを参照することで、強調変換部32は入力画像信号に対して強調変換を施して、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号(強調変換信号)を決定する構成としている。ここでは、OSテーブルメモリ(ROM)3dと、このOSテーブルメモリ(ROM)3d内の参照テーブル領域を制御CPU17からの制御信号に基づき切り替え参照して、書込階調信号を求める強調変換部32とにより書込階調決定手段を構成している。
このOSテーブルメモリ(ROM)3dには、図14に示すように、第1の閾値温度Threash 0以下で用いる強調変換パラメータLEVEL 0、第1の閾値温度Threash 0と第2の閾値温度Threash 1との間で用いる強調変換パラメータLEVEL 1、第2の閾値温度Threash 1以上で用いる強調変換パラメータLEVEL 2がそれぞれ個別のテーブル領域に格納されている。
そして、これらの強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2が記憶された各々の参照テーブル領域は、温度センサー16a〜16dにより検出された検出温度を基に求められた切替制御信号に応じて選択的に切り替えられて参照される。すなわち、制御CPU17からの切替制御信号に基づいて、OSテーブルメモリ(ROM)3dの参照するテーブル領域を切替選択するとともに、入力画像信号の1フレーム期間前後の階調遷移に応じて、選択されたテーブル領域の対応するアドレスを参照することにより、ここでは3種類の強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を選択的に切り替えて読み出すことが可能となっている。
尚、本実施形態においても、4以上の予め定められた温度範囲のそれぞれに対応した4種類以上の強調変換パラメータを各参照テーブル領域に格納する構成としても良いことは言うまでもない。
上記のように構成してなる液晶表示装置においては、複数の温度センサー16a〜16dのそれぞれで検出された検出温度データに対して所定の演算を施した上で、予め定められた閾値温度データThreash 0,Threash 1と比較することによって、OSテーブルメモリ(ROM)3dにおける参照テーブル領域のいずれかを切替選択するための切替制御信号を生成している。
そして、このOSテーブルメモリ3dの選択された参照テーブル領域のいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を読み出し、この強調変換パラメータを用いて、線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
従って、上述の第1実施形態と同様、液晶表示パネル4に温度分布が発生している場合であっても、常に適切な強調変換パラメータを選択することが可能となり、これによって、液晶表示パネル4の光学応答特性を適切に補償し、白点の発生や黒尾引きの発生等を抑制して、表示画像の画質劣化を防止することができる。
次に、本発明の第6実施形態について、図15とともに詳細に説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図15は本実施形態の液晶表示装置における書込階調決定手段を示すブロック図である。
本実施形態の液晶表示装置は、図15に示すように、書込階調決定手段として、例えばOSテーブルメモリ(ROM)3から読み出した強調変換パラメータに基づいて強調変換信号を求める強調変換部2と、該強調変換部2で求めた強調変換信号から入力画像信号を減算する減算器20と、該減算器20の出力信号に重み係数kを積算する乗算器21と、この乗算器21の出力信号を入力画像信号に加算することにより、書込階調信号を得る加算器22とを設けた構成とし、制御CPU17からの制御信号に基づいて、上記重み係数kの値を切替制御することにより、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号を可変制御するようにしている。
上記のように構成してなる液晶表示装置においては、温度センサー16a〜16dの検出温度データに対して、制御CPU17が所定の演算を施した上で、予め定められた閾値温度データThreash 0,Threash 1と比較することによって、乗算器21の重み係数kを切替選択するための切替制御信号を生成している。この切替制御信号に基づいて乗算器21の重み係数をk=1±αに可変制御することにより、適切な強調変換処理を入力画像信号に施すことが可能となり、液晶表示パネル4の光学応答特性を適切に補償し、白点の発生や黒尾引きの発生等を抑制して、表示画像の画質劣化を防止することができる。
次に、本発明の第7実施形態について、図16とともに詳細に説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図16は本実施形態の液晶表示装置における要部概略構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態の液晶表示装置は、図16に示すように、入力画像信号の特徴量として、1フレーム期間前後の画像信号から入力画像信号の動き量を検出する動き検出部24を設け、この動き検出結果に基づいて、制御CPU17の演算部17aにおける演算処理を可変制御する構成としている。
すなわち、静止画像やあまり動きのない画像に対しては、液晶表示パネル4の温度に拘わらず、該液晶表示パネル4の光学応答特性による残像や尾引きなどの画質劣化が生じないため、動き検出部24で所定以上の動き量が検出された入力画像信号に対して最適な強調変換処理が行なわれるよう、大きな動きを有する画像が表示される画面領域に対応した温度データのみを選択抽出する、或いは重み付けして加重平均を求めることによって、適切な強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を選択するための切替制御信号を生成する。
例えば16:9のワイドアスペクトを有する動画像を4:3の液晶表示パネルに表示する際、原画像を液晶表示パネル画面の中央部に表示するとともに、液晶表示パネルの上下端部に黒表示を行う(非映像部分に黒信号を書き込む)が、この場合、液晶表示パネルの画面中央部における映像表示領域(動画像表示領域)に対応した検出温度データのみを用いて強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御信号を生成し、上下端部の黒表示領域(静止画像表示領域)に対応した検出温度データは参照しないように選択(抽出)制御する。
同様に、液晶表示パネルの画面中央部における映像表示領域(動画像表示領域)に対応した検出温度データに対する重み係数を大きくするとともに、上下端部の黒表示領域(静止画像表示領域)に対応した検出温度データに対する重み係数を小さくして、加重平均演算を行うことことにより、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御信号を生成するようにしても良い。
以上のように、本実施形態の液晶表示装置によれば、動きがある映像表示部分(画面領域)における検出温度データを用いて、適切な強調変換パラメータを切替選択し、これを用いて入力画像信号に対する強調変換を行っているので、画面全体でより確実に残像や尾引きの発生を抑制することが可能となる。
尚、本実施形態においては、入力画像信号の特徴量の一例として、入力画像信号の動き量を用いたものについて説明したが、例えば入力画像信号に含まれるノイズ量やエッジ量、階調遷移パターンなどの表示画面領域毎の特徴に基づいて、1又は複数の適切な画面領域に対する検出温度データのみを選択抽出する、或いは重み付けすることにより、適切な強調変換パラメータを選択する構成としても良いことは言うまでもない。
また、入力画像信号の特徴量の検出結果に基づき、上述した第1の実施形態における(1)〜(6)の演算アルゴリズムを適宜切換選択するようにしたり、適宜組み合わせて制御信号を求めることで、より適切な強調変換パラメータを切替選択するように構成しても良い。
次に、本発明の第8実施形態について、図17とともに詳細に説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図17は本実施形態の液晶表示装置における要部概略構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態の液晶表示装置は、図17に示すように、当該装置の設置状態を検知する手段として、液晶表示パネル4の上下反転状態を検知する上下反転センサー25、及び液晶表示パネル4の面内回転状態を検知する面内回転センサー26を設け、これらによる検出結果に基づいて、制御CPU17の演算部17aにおける演算処理を可変制御する構成としている。
ここで、上下反転センサー25は、図24(a)に示した通常設置状態(スタンド設置状態)と図24(b)に示した上下反転設置状態(天井吊下げ状態)との状態変化を検出するものであり、面内回転センサー26は、図24(a)に示した通常設置状態(スタンド設置状態)と図24(c)に示した90度回転設置状態(画面縦横切替状態)との状態変化を検出するものである。これらセンサー25、26は、それぞれ重力スイッチなどにより構成したり、或いはジャイロセンサーなどの方位センサーを共用して構成しても良い。
すなわち、装置の設置状態が、通常設置状態(スタンド設置状態)から、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)或いは90度回転設置状態(画面縦横切替状態)に変化された場合、装置筐体内の熱気流の経路が変化して、液晶表示パネル4の温度分布も変化することとなる。その結果、適切な強調変換パラメータを読み出すことができず、不適切な強調変換信号を液晶表示パネル4に供給してしまい、残像や尾引きなどの画質劣化を招来する可能性がある。
そこで、本実施形態の液晶表示装置においては、当該装置の設置状態に応じて、局所的な発熱部材等の影響を極力排除すべく、予め定められた所定の画面領域に対応した温度データのみを選択抽出する、或いは重み付けして加重平均を求めることによって、適切な強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を選択するための切替制御信号を生成する。
すなわち、各装置設置状態によって、液晶表示パネル4の局所的な発熱部材等の影響を受けない画面領域に対応した検出温度データのみを用いて強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御信号を生成し、液晶表示パネル4の局所的な発熱部材等の影響を受ける画面領域に対応した検出温度データは参照しないように選択(抽出)制御する。
或いは、各装置設置状態によって、液晶表示パネル4の局所的な発熱部材等の影響を受けない画面領域に対応した検出温度データに対する重み係数を大きくするとともに、液晶表示パネル4の局所的な発熱部材等の影響を受ける画面領域に対応した検出温度データに対する重み係数を小さくして、加重平均演算を行なうことで、強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2の切替制御信号を生成するように構成している。
以上のように、本実施形態の液晶表示装置によれば、当該装置の設置状態により発生する液晶表示パネルの温度分布に対応して、各画面領域における検出温度データに予め決められた所定の演算を施すことで、適切な強調変換パラメータを切替選択し、これを用いて入力画像信号に対する強調変換を行っているので、画面全体でより確実に残像や尾引きの発生を抑制することが可能となる。
尚、本実施形態においても、当該装置の設置状態の検出結果に基づき、上述した第1の実施形態における(1)〜(6)の演算アルゴリズムを適宜切換選択するようにしたり、適宜組み合わせて制御信号を求めることで、より適切な強調変換パラメータを切替選択するように構成しても良い。
次に、本発明の第9実施形態について、図18とともに詳細に説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図18は本実施形態の液晶表示装置における要部概略構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態の液晶表示装置は、図18に示すように、図示しないリモートコントローラ(リモコン)を用いてユーザが指示入力した操作命令に対応したリモコン信号を受信するリモコン受光部28を設け、このリモコン受光部28で受信したユーザ指示内容に基づいて、制御CPU17の演算部17aにおける演算処理を可変制御する構成としている。
すなわち、液晶表示パネル4の表示画面のうち、特にユーザが注目する画像が表示される画面領域において、該液晶表示パネル4の光学応答特性による残像や尾引きなどの画質劣化を抑制するために、この注目画像が表示される画面領域をユーザが指定することで、指定された画面領域に対応した温度データのみを選択抽出する、或いは重み付けして加重平均を求めることによって、適切な強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 2を選択するための切替制御信号を生成する。
また、液晶表示パネル4の一部画面領域に、例えばエアコンの吹き出し風が直接当たったり、日だまりの直射日光が当たるような環境においては、これらの影響を極力排除すべく適当な画面領域をユーザが指定することで、所定の画面領域に対応した温度データのみを選択抽出する、或いは重み付けして加重平均を求めることも可能である。
以上のように、本実施形態の液晶表示装置によれば、ユーザによる入力指示に応じた所定の画面領域における検出温度データを用いて、適切な強調変換パラメータを切替選択し、これを用いて入力画像信号に対する強調変換を行っているので、ユーザにとって残像や尾引きが抑制された高画質の画像表示を実現することができる。
尚、本実施形態においても、ユーザによる指示入力の検出結果に基づき、上述した第1の実施形態における(1)〜(6)の演算アルゴリズムを適宜切換選択するようにしたり、適宜組み合わせて制御信号を求めることで、より適切な強調変換パラメータを切替選択するように構成しても良い。また、リモコン28を用いてユーザ指示入力を行うものに限らず、装置本体に設けられた操作パネル部を用いてユーザ指示入力を行うようにしても良いことは言うまでもない。
以上のとおり、本発明の液晶表示装置は、液晶表示パネルを用いて、画像を表示する液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルの複数領域の各々における温度を検出するための温度検出手段と、前記液晶表示パネルの複数領域における検出温度データに対して所定の演算を施すことにより、制御信号を生成する制御手段と、前記制御手段により生成された制御信号と、入力画像信号の1垂直表示期間前後における階調遷移の組み合わせとに応じて、入力画像信号の強調変換を行うことにより、前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号を求める書込階調決定手段とを備えている。
また、前記書込階調決定手段が、入力画像信号の1垂直表示期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための、予め定められた複数の温度範囲毎に異なる強調変換パラメータを記憶した複数の変換テーブルメモリと、前記制御手段により生成された制御信号に基づいて、前記複数の変換テーブルメモリのうちの一つを選択的に切換える切換部とを有し、前記切換部により切換えられた変換テーブルメモリを参照することにより読み出された強調変換パラメータを用いて、前記入力画像信号に対する強調変換信号を求め、書込階調信号として前記液晶表示パネルに供給するように構成してもよい。
さらに、前記書込階調決定手段が、入力画像信号の1垂直表示期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための、予め定められた複数の温度範囲毎に異なる強調変換パラメータを複数の参照テーブル領域毎に記憶したテーブルメモリと、前記制御手段により生成された制御信号に基づいて、前記複数の参照テーブル領域のうちの一つを選択的に切換える切換部とを有し、前記切換部により切換えられた前記テーブルメモリの参照テーブル領域を参照することにより読み出された強調変換パラメータを用いて、前記入力画像信号に対する強調変換信号を求め、書込階調信号として前記液晶表示パネルに供給するように構成してもよい。
そしてまた、前記書込階調決定手段が、入力画像信号の1垂直表示期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための強調変換パラメータを記憶した変換テーブルメモリと、前記強調変換パラメータを用いて求められた強調変換信号から前記入力画像信号を減算する減算器と、前記制御手段により生成された制御信号に基づいて可変制御される重み係数kを、前記減算器の出力信号に積算する乗算器と、前記乗算器の出力信号を、前記入力画像信号に加算する加算器とを有し、前記加算器の出力信号を、書込階調信号として前記液晶表示パネルに供給する構成としてもよい。
また、前記制御手段が、前記複数の温度検出手段による検出温度データの平均値と所定の閾値温度データとを比較することによって、前記制御信号を生成する構成としてもよい。
さらに、前記制御手段が、前記複数の温度検出手段による検出温度データの最大値と所定の閾値温度データとを比較することによって、前記制御信号を生成する構成としてもよい。
そしてまた、前記制御手段が、前記複数の温度検出手段による検出温度データの最小値と所定の閾値温度データとを比較することによって、前記制御信号を生成する構成としてもよい。
また、前記制御手段が、前記複数の温度検出手段による検出温度データの最大度数データと所定の閾値温度データとを比較することによって、前記制御信号を生成する構成としてもよい。
さらに、前記制御手段が、前記複数の温度検出手段による検出温度データの加重平均値と所定の閾値温度データとを比較することによって、前記制御信号を生成する構成としてもよい。
また、前記入力画像信号の特徴量を検出する特徴量検出手段を設け、前記制御手段が、前記特徴量検出手段により検出された特徴量に基づいて、前記複数の温度検出手段による検出温度データの加重平均値を求める構成としてもよい。
さらに、当該装置の設置状態を検出する設置状態検出手段を設け、前記制御手段が、前記設置状態検出手段により検出された設置状態に基づいて、前記複数の温度検出手段による検出温度データの加重平均値を求める構成としてもよい。
そしてまた、ユーザによる指示入力を検出するユーザ指示検出手段を設け、前記制御手段が、前記ユーザ指示検出手段により検出されたユーザ指示に基づいて、前記複数の温度検出手段による検出温度データの加重平均値を求める構成としてもよい。
また、前記制御手段が、前記複数の温度検出手段による検出温度データから抽出した所定の温度検出手段による検出温度データと所定の閾値温度データとを比較することによって、前記制御信号を生成する構成としてもよい。
さらに、前記入力画像信号の特徴量を検出する特徴量検出手段を設け、前記制御手段が、前記特徴量検出手段により検出された特徴量に基づいて、前記複数の温度検出手段による検出温度データから、所定の温度検出手段による検出温度データのみを抽出する構成としてもよい。
そしてまた、当該装置の設置状態を検出する設置状態検出手段を設け、前記制御手段が、前記設置状態検出手段により検出された設置状態に基づいて、前記複数の温度検出手段による検出温度データから、所定の温度検出手段による検出温度データのみを抽出する構成としてもよい。
また、ユーザによる指示入力を検出するユーザ指示検出手段を設け、前記制御手段が、前記ユーザ指示検出手段により検出されたユーザ指示に基づいて、前記複数の温度検出手段による検出温度データから、所定の温度検出手段による検出温度データのみを抽出する構成としてもよい。
さらに、前記温度検出手段が、任意の数の温度センサーによる検出温度に所定の演算を施すことによって、前記液晶表示パネルの複数領域の各々における温度を求める構成としてもよい。
そしてまた、前記温度検出手段が、当該装置の電源投入後の経過時間に応じて、前記温度センサーによる検出温度に施す演算を可変する構成としてもよい。
また、前記温度検出手段が、当該装置内外の温度に応じて、前記温度センサーによる検出温度に施す演算を可変する構成としてもよい。
そして、本発明の液晶表示装置は、上記のような構成としているので、液晶表示パネルの面内温度分布が発生する状態においても、入力画像信号に対し適切な強調変換処理を施すことができるので、表示画像の画質劣化を抑制することが可能となる。