JP3564123B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルを用いて画像を表示する液晶表示装置に関し、特に液晶表示パネルの光学応答特性を改善することが可能な液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近来、パーソナルコンピュータやテレビ受信機などの軽量化、薄形化によってディスプレイ装置も軽量化、薄形化が要求されており、このような要求に従って陰極線管(CRT)の代わりに液晶表示装置(LCD)のようなフラットパネル型ディスプレイが開発されている。
【0003】
LCDは二つの基板の間に注入されている異方性誘電率を有する液晶層に電界を印加し、この電界の強さを調節して基板を透過する光の量を調節することによって所望の画像信号を得る表示装置である。このようなLCDは携帯の簡便なフラットパネル型ディスプレイのうちの代表的なものであり、この中でも薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング素子として用いたTFT LCDが主に用いられている。
【0004】
最近は、LCDがコンピュータのディスプレイ装置だけでなく、テレビ受信機のディスプレイ装置として広く用いられるため、動画像を具現する必要が増加してきた。しかしながら、従来のLCDは応答速度が遅いために動画像を具現するのは難しいという短所があった。
【0005】
このような液晶の応答速度の問題を改善するために、1フレーム前の入力画像信号と現フレームの入力画像信号の組み合わせに応じて、予め決められた現フレームの入力画像信号に対する階調電圧より高い(オーバーシュートされた)駆動電圧或いはより低い(アンダーシュートされた)駆動電圧を液晶表示パネルに供給する液晶駆動方法が知られている。以下、本願明細書においては、この駆動方式をオーバーシュート(OS)駆動と定義する。
【0006】
従来のオーバーシュート駆動回路の概略構成を図11に示す。すなわち、これから表示するN番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ1に保存されたN−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data)とを強調変換部2に読み出し、両データの階調遷移パターンとN番目のフレームの入力画像データとを、OSテーブルメモリ(ROM)3に保存されている付加電圧データ一覧表と照合し、照合して見つけ出した印加電圧データ(強調変換パラメータ)に基づいて、N番目のフレームの画像表示に要する書込階調信号(強調変換信号)を決定し、液晶表示パネル4に印加する。ここでは、強調変換部2とOSテーブルメモリ3とにより書込階調決定手段を構成している。
【0007】
ここで、上述のOSテーブルメモリ3に格納されている印加電圧データ(強調変換パラメータ)は、液晶表示パネル4の光学応答特性の実測値から予め得られるものであり、例えば表示信号レベル数すなわち表示データ数が8ビットの256階調である場合、図12に示すように、256の全ての階調に対する印加電圧データを持っていても良いし、例えば64階調毎の5つの代表階調、或いは32階調毎の9つの代表階調についての実測値のみを記憶しておき、その他の印加電圧データについては、上記実測値から線形補完等の演算で求めるようにしても良い。
【0008】
一般的に液晶表示パネルにおいては、ある中間調から別の中間調に変更させる時間は長く、中間調を1フレーム期間(例えば60Hzのプログレッシブスキャンの場合は16.7msec)内に表示することができず、残像が発生するだけでなく、中間調を正しく表示することができないという課題があったが、上述のオーバーシュート駆動回路を用いることにより、図13に示すように、目標の中間調を短時間で表示することが可能となる。
【0009】
さらに、液晶の応答速度は温度依存性が非常に大きいことが知られており、液晶パネルの温度が変化しても、これに対応して表示品位を損なうことなく常に階調変化の応答速度を最適な状態に制御する液晶パネル駆動装置が、例えば特開平4−318516号公報に記載されている。
【0010】
これは、表示用デジタル画像データを1フレーム分記憶するRAMと、液晶パネルの温度を検知する温度センサと、上記デジタル画像データと上記RAMから1フレーム遅れて読出される画像データとを比較し、今回の画像データが1フレーム前の画像データに比して変化した際に今回の画像データを該変化方向に上記温度センサの検知温度に応じて強調変換するデータ変換回路とを備え、このデータ変換回路から出力される画像データに基づいて上記液晶パネルを表示駆動するものである。
【0011】
すなわち、温度センサが検知する液晶パネルの温度を例えば3段階の値Th,Tm,Tl(Th>Tm>Tl)とし、これに対応してA/D変換器がデータ変換回路に出力するモード信号をMh,Mm,Mlとして、また、データ変換回路のROMには、今回の画像データと1フレーム遅れた画像データとを指定アドレスとする画像データのテーブルをモード信号の数「3」だけ予め記憶設定しておくことで、入力されるモード信号に応じたテーブルが選択され、そのテーブル中の今回の画像データと1フレーム遅れた画像データを指定アドレスとするアドレス位置に書込まれている画像データを読出し、液晶パネルの駆動回路に出力する。
【0012】
次に、直下型バックライト方式の液晶表示装置の背面から見た概略構成例を図14に示す。図14において、4は液晶表示パネル、11は液晶表示パネル4を背面から照射するための蛍光ランプ、12は蛍光ランプ11を点灯駆動するためのインバータトランス、13は電源ユニット、14は映像処理回路基板、15は音声処理回路基板、16は温度センサーである。
【0013】
ここで、液晶表示パネル4の応答速度特性に大きな影響を及ぼす発熱作用をもつのは、インバータトランス12、電源ユニット13である。一方、温度センサー16は、その本来の目的から液晶表示パネル4内に設けることが望ましいが、これは困難であるため、回路基板などの他部材に取り付ける必要がある。
【0014】
そこで、各構成部材11〜15を例えば図14に示すような配置とした場合、インバータトランス12、電源ユニット13の発熱作用の影響を最も受け難い音声処理回路基板15に温度センサー16を取り付けて、この温度センサー16の検出出力を、映像処理回路基板14に設けられたオーバーシュート駆動回路で利用することになる。
【0015】
【特許文献1】
特開平4−365094号公報
【0016】
【特許文献2】
特開平4−318516号公報
【0017】
【特許文献3】
特開2002−318516号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の液晶表示装置においては、図15(a)に示す通常設置状態(スタンド設置状態)においてインバータトランス12、電源ユニット13等の他部材による発熱作用を最も受けにくい場所に温度センサー16を設けているが、例えば図15(b)に示すような上下反転設置状態(天井吊下げ状態)や、図15(c)に示すような90度回転設置状態(画面縦横切替状態)とした場合、熱気流の経路が変わるため、温度センサー16は他部材による発熱作用の影響を大きく受けることとなり、液晶表示パネル4の温度を正確に検出することができなくなる。
【0019】
その結果、液晶表示パネル4の温度に対応した正しい印加電圧データ(強調変換信号)を液晶表示パネル4に供給することができなくなり、過小の印加電圧データ(強調変換信号)が液晶表示パネル4に供給されて、黒尾引きが発生したり、過大な印加電圧データ(強調変換信号)が液晶表示パネル4に供給されて、画素の白点化が発生するなど、表示画像の画質を著しく劣化させてしまうという問題があった。
【0020】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装置の設置状態によって、オーバーシュート駆動を停止させたり、オーバーシュート駆動の強調度合いを可変することにより、適切な書込階調信号(強調変換信号)を液晶表示パネルに供給して、当該装置を如何なる設置状態で使用した場合であっても、表示画像の画質劣化を防止することが可能な液晶表示装置を提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、液晶表示パネルを用いて、画像を表示する液晶表示装置であって、入力画像信号を強調変換することにより、前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号を求める書込階調決定手段と、当該装置の設置状態を検知する設置状態検知手段とを備え、前記書込階調決定手段は、前記検知された当該装置の設置状態に基づいて、前記強調変換信号と前記入力画像信号とのいずれか一方を選択的に切り換え、前記液晶表示パネルに供給することを特徴とする。
【0022】
本願の第2の発明は、前記書込階調決定手段が、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための強調変換パラメータを記憶した変換テーブルメモリと、前記強調変換パラメータを用いて求められた強調変換信号から前記入力画像信号を減算する減算器と、当該装置の設置状態に基づいて切換制御される重み係数を、前記減算器の出力信号に積算する乗算器と、前記乗算器の出力信号を、前記入力画像信号に加算することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する加算器とを有することを特徴とする。
【0023】
本願の第3の発明は、前記書込階調決定手段が、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための強調変換パラメータを記憶した変換テーブルメモリと、前記入力画像信号をそのまま出力するための無変換パラメータを記憶した無変換テーブルメモリと、当該装置の設置状態に基づいて、前記変換テーブルメモリと前記無変換テーブルメモリとを選択的に切り換える切換部と、前記切換部により切り換えられた変換テーブルメモリまたは無変換テーブルメモリを参照することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する書込階調決定部とを有することを特徴とする。
【0024】
本願の第4の発明は、前記書込階調決定手段が、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、前記入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための強調変換パラメータと、前記入力画像信号をそのまま出力するための無変換パラメータとを記憶したテーブルメモリと、当該装置の設置状態に基づいて、前記強調変換パラメータが記憶された参照テーブル領域と、前記無変換パラメータが記憶された参照テーブル領域とを選択的に切り換える切換部と、前記切換部により切り換えられた前記テーブルメモリの参照テーブル領域を参照することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する書込階調決定部とを有することを特徴とする。
【0025】
本願の第5の発明は、液晶表示パネルを用いて、画像を表示する液晶表示装置であって、入力画像信号を強調変換することにより、前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号を求める書込階調決定手段と、当該装置の設置状態を検知する設置状態検知手段とを備え、前記書込階調決定手段は、前記検知された当該装置の設置状態に基づいて、前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号を可変し、前記液晶表示パネルに供給することを特徴とする。
【0026】
本願の第6の発明は、前記書込階調決定手段が、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための強調変換パラメータを記憶した変換テーブルメモリと、前記強調変換パラメータを用いて求められた強調変換信号から前記入力画像信号を減算する減算器と、当該装置の設置状態に基づいて可変制御される重み係数を、前記減算器の出力信号に積算する乗算器と、前記乗算器の出力信号を、前記入力画像信号に加算することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する加算器とを有することを特徴とする。
【0027】
本願の第7の発明は、前記書込階調決定手段が、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための異なる強調変換パラメータを記憶した複数の変換テーブルメモリと、当該装置の設置状態に基づいて、前記複数の変換テーブルメモリのうちの一つを選択的に切り換える切換部と、前記切換部により切り換えられた変換テーブルメモリを参照することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する書込階調決定部とを有することを特徴とする。
【0028】
本願の第8の発明は、前記書込階調決定手段が、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための異なる強調変換パラメータを複数の参照テーブル領域毎に記憶したテーブルメモリと、当該装置の設置状態に基づいて、前記複数の参照テーブル領域のうちの一つを選択的に切り換える切換部と、前記切換部により切り換えられた前記テーブルメモリの参照テーブル領域を参照することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する書込階調決定部とを有することを特徴とする。
【0029】
本願の第9の発明は、前記設置状態検知手段が、前記液晶表示パネルの上下反転状態を検知する上下反転センサーであることを特徴とする。
【0030】
本願の第10の発明は、前記設置状態検知手段が、前記液晶表示パネルの面内回転状態を検知する面内回転センサーであることを特徴とする。
【0031】
すなわち、本発明の液晶表示装置によれば、当該装置の設置状態(スタンド設置状態、天井吊下げ状態、画面縦横切替状態)に基づいて、強調変換信号と入力画像信号とを選択的に切り換え、これを書込階調信号として液晶表示パネルへ供給することができるため、当該装置をどのような設置状態で使用した場合であっても、適切な表示画像を得ることが可能となる。
【0032】
また、本発明の液晶表示装置によれば、当該装置の設置状態(スタンド設置状態、天井吊下げ状態、画面縦横切替状態)に基づいて、入力画像信号の強調度合いを可変することにより、液晶表示パネルへ供給する書込階調信号を求めることができるため、当該装置をどのような設置状態で使用した場合であっても、適切な表示画像を得ることが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を、図1及び図2とともに詳細に説明するが、上記従来例と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図1は本実施形態の液晶表示装置における要部概略構成を示すブロック図、図2は本実施形態の液晶表示装置に用いるOSテーブルメモリのテーブル内容を示す概略説明図である。
【0034】
本実施形態の液晶表示装置においては、図1に示すように、書込階調決定手段として、液晶表示パネル4の各温度範囲に対応した強調変換パラメータLEVEL 0,LEVEL 1が格納されたOSテーブルメモリ(ROM)3a、3bと、該OSテーブルメモリ(ROM)3a、3bのいずれかを参照して、フレームメモリ1に格納されている1フレーム前の画像信号(Previous Data)と現フレームの画像信号(Current Data)との組み合わせ(階調遷移)から対応する強調変換パラメータを読み出し、入力画像信号に対して液晶表示パネル4の光学応答特性を補償する強調変換信号を決定するための強調変換部22と、当該装置の設置状態に基づき、前記強調変換信号と前記入力画像信号とを選択的に切り換え、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号として出力する切換スイッチ19とを備えている。
【0035】
尚、本実施形態においては、説明を簡略化するため、OSテーブルメモリ(ROM)として、図2に示すように、温度センサー16による検出温度が所定の閾値温度より低い場合に用いる強調変換パラメータLEVEL 0が格納されたOSテーブルメモリ3aと、温度センサー16による検出温度が所定の閾値温度より高い場合に用いる強調変換パラメータLEVEL 1が格納されたOSテーブルメモリ3bとの2種類のROMを設け、両者を切り替えて参照することにより、オーバーシュート駆動を行うものについて説明するが、3以上の予め定められた温度範囲のそれぞれに対応した3種類以上のROMを設けて構成しても良いことは言うまでもない。
【0036】
また、図2に示したものは、表示信号レベル数すなわち表示データ数が8ビットの256階調である場合において、32階調毎の代表階調遷移パターンについての強調変換パラメータ(実測値)を9×9のマトリクス状に記憶し、代表階調以外の階調を持つ画像信号に対しては、該強調変換パラメータ(実測値)を用いて補間演算することで強調変換信号を求める構成としているが、これに限られないことは明らかである。
【0037】
さらに、液晶表示パネル4の温度を検出するための温度センサー16は、その目的からなるべく液晶表示パネル4そのものの温度を検出することが可能に設けられるのが望ましく、1個のみならず複数個をそれぞれ装置内の異なる位置に設けても良い。
【0038】
そしてまた、本実施形態においては、温度センサー16で検出された液晶表示パネル4の温度に基づいて、上記OSテーブルメモリ3a、3bを適宜切り換え選択する制御CPU17を備えている。さらに、当該装置の設置状態を検知する手段として、液晶表示パネル4の上下反転状態を検知する上下反転センサー18a、及び液晶表示パネル4の面内回転状態を検知する面内回転センサー18bを備えており、制御CPU17はこれらセンサー18a、18bの検知信号を解析して、各処理部を制御する。
【0039】
尚、上下反転センサー18aは図14(a)に示した通常設置状態(スタンド設置状態)と図14(b)に示した上下反転設置状態(天井吊下げ状態)との状態変化を検出するものであり、面内回転センサー18bは、図14(a)に示した通常設置状態(スタンド設置状態)と図14(c)に示した90度回転設置状態(画面縦横切替状態)との状態変化を検出するものである。
【0040】
これらセンサー18a、18bは、それぞれ重力スイッチなどにより構成することができ、或いはジャイロセンサーなどの方位センサーを共用して構成しても良い。
【0041】
ここで、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号として、前記強調変換部22による強調変換信号と入力画像信号とのいずれか一方を選択的に切り換え出力する切換スイッチ19は、センサー18a、18bによる装置設置状態の検知結果に基づいて、制御CPU17により切り換え制御される。
【0042】
すなわち、通常設置状態(スタンド設置状態)での使用時においては、温度センサー16で検出された検出温度に応じて、OSテーブルメモリ3a、3bのいずれかを切替選択するとともに、該選択されたOSテーブルメモリ3a、3bを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0043】
そして、当該装置の設置状態が、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)或いは90度回転設置状態(画面縦横切替状態)に変化された場合、装置筐体内の熱気流の経路が変化して、温度センサー16は液晶表示パネル4の温度を正確に検出することができなくなる。その結果、適切な強調変換パラメータを読み出すことができず、過大或いは過小の強調変換信号を液晶表示パネル4に供給することとなるので、白点の発生や黒尾引きの発生等による表示画像の劣化が生じる。
【0044】
従って、本実施形態では、このような装置の設置状態に変化があった場合、これを上下反転センサー18a又は面内回転センサー18bにて検知し、制御CPU17が切換スイッチ19を切り換え制御することにより、強調変換が施されない入力画像信号をそのまま書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。このように、装置の設置状態に変化があった場合、自動的にオーバーシュート駆動を停止することにより、オーバーシュート駆動の弊害をキャンセルして、表示画像の画質劣化を防止することが可能となる。
【0045】
尚、上述した第1実施形態においては、強調変換部22とOSテーブルメモリ(ROM)3a,3bとで書込階調決定手段を構成しているが、OSテーブルメモリ(ROM)を設ける代わりに、例えば遷移前の階調と遷移後の階調とを変数とする2次元関数f(pre,cur)により、液晶表示パネル4の光学応答特性を補償する強調変換信号(書込階調信号)を求める構成としても良い。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態について、図3とともに詳細に説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図3は本実施形態の液晶表示装置における書込階調決定手段を示すブロック図である。
【0047】
本実施形態の液晶表示装置は、図3に示すように、書込階調決定手段として、例えばOSテーブルメモリ(ROM)3から読み出した強調変換パラメータに基づいて強調変換信号を求める強調変換部2と、該強調変換部2で求めた強調変換信号から入力画像信号を減算する減算器20と、該減算器20の出力信号に重み係数kを積算する乗算器21と、この乗算器21の出力信号を入力画像信号に加算することによって、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号を得る加算器23とを設けて構成しており、制御CPU17からの制御信号に基づいて、上記重み係数kの値を切換制御することにより、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号を可変制御するようにしている。
【0048】
すなわち、通常設置状態(スタンド設置状態)での使用時においては、温度センサー16による検出温度に応じて、制御CPU17が乗算器21の重み係数をk=1±αに可変制御することにより、液晶表示パネル4の温度に応じた適切な強調変換を入力画像信号に対して施すことが可能である。
【0049】
さらに、装置の設置状態が、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)に変化された場合、これが上下反転センサー18aにて検知され、制御CPU17が重み係数をk=0とすることにより、入力画像信号に強調変換を施さずにそのまま液晶表示パネル4に供給することが可能となる。
【0050】
或いは、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)においては、他部材の発熱作用の影響を受けて、温度センサー16による検知温度が実際の液晶表示パネル4の温度よりも高くなることが予め分かっている場合、重み係数をk=1±α−βに可変制御することにより、他部材の発熱作用の影響を排除して、実際の液晶表示パネル4の温度に応じた適切な書込階調信号を液晶表示パネル4に供給することが可能となる。
【0051】
また、90度回転設置状態(画面縦横切替状態)に変化された場合、これが面内回転センサー18bにて検知され、制御CPU17が重み係数をk=0とすることにより、入力画像信号に強調変換を施さずにそのまま液晶表示パネル4に供給することが可能となる。
【0052】
或いは、90度回転設置状態(画面縦横切替状態)においては、他部材の発熱作用の影響を受けて、温度センサー16による検知温度が実際の液晶表示パネル4の温度よりも高くなることが予め分かっている場合、重み係数をk=1±α−βに可変制御することにより、他部材の発熱作用の影響を排除して、実際の液晶表示パネル4の温度に応じた適切な書込階調信号を液晶表示パネル4に供給することが可能となる。
【0053】
以上のように、装置の設置状態に変化があった場合、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号として、入力画像信号をそのまま出力する、或いは強調変換信号の強調度合いを可変して出力することにより、自動的にオーバーシュート駆動の弊害をキャンセルして、表示画像の画質劣化を防止することが可能となる。
【0054】
次に、本発明の第3実施形態について、図4及び図5とともに詳細に説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図4は本実施形態の液晶表示装置における要部概略構成を示すブロック図、図5は本実施形態の液晶表示装置に用いる無変換テーブルメモリのテーブル内容を示す概略説明図である。
【0055】
本実施形態の液晶表示装置は、図4に示すように、上記第1実施形態のものと比べて、書込階調決定手段に無変換パラメータを記憶した無変換テーブルメモリ(ROM)3cを追加して設け、切換スイッチ19を廃止して構成している。すなわち、テーブルメモリ(ROM)3a〜3cのいずれかを参照することにより、強調変換部(書込階調決定部)32は液晶表示パネル4に供給する書込階調信号を決定する。
【0056】
ここでは、テーブルメモリ(ROM)3a〜3cと、このテーブルメモリ(ROM)3a〜3cを制御CPU17からの制御信号に基づき切り換え参照して、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号を求める強調変換部(書込階調決定部)32とにより書込階調決定手段を構成している。
【0057】
無変換テーブルメモリ(ROM)3cは、図5に示すように、入力画像信号を強調変換することなくそのまま出力するための無変換パラメータが記憶されており、この無変換テーブルメモリ3cが選択された場合は、入力画像信号がそのままスルー出力される構成となっている。また、変換テーブルメモリ3a,3bと無変換テーブルメモリ3cとは、当該装置の設置状態に基づき選択的に切り換えられて参照される。
【0058】
すなわち、通常設置状態(スタンド設置状態)での使用時においては、温度センサー16による検出温度に応じて、OSテーブルメモリ3a、3bのいずれかが選択され、強調変換部32は選択されたOSテーブルメモリ3a、3bのいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0059】
一方、当該装置の設置状態が、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)或いは90度回転設置状態(画面縦横切替状態)に変化された場合、装置筐体内の熱気流の経路が変化して、温度センサー16は液晶表示パネル4の温度を正確に検出することができなくなる。その結果、適切な強調変換パラメータを読み出すことができず、過大或いは過小の強調変換信号を液晶表示パネル4に供給することとなるので、白点の発生や黒尾引きの発生等による表示画像の劣化が生じる。
【0060】
従って、本実施形態では、このような装置の設置状態に変化があった場合、これを上下反転センサー18a又は面内回転センサー18bにて検知し、制御CPU17がOSテーブルメモリ3a、3bから無変換テーブルメモリ3cに切り換え制御することにより、強調変換部32は無変換テーブルメモリ3cを参照して無変換パラメータを読み出し、入力画像信号を強調変換せずにそのまま(スルー出力して)、書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0061】
このように、装置の設置状態に変化があった場合、自動的にオーバーシュート駆動を停止して、オーバーシュート駆動の弊害をキャンセルすることができるので、不所望な白点の発生や黒尾引きの発生等による表示画像の画質劣化が生じるのを防止することが可能となる。
【0062】
次に、本発明の第4実施形態について、図6及び図7とともに詳細に説明するが、上述した第3実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図6は本実施形態の液晶表示装置における要部概略構成を示すブロック図、図7は本実施形態の液晶表示装置において各状態時に参照する強調変換パラメータレベルを示す説明図である。
【0063】
本実施形態の液晶表示装置は、上述した第3実施形態のように無変換テーブルメモリ(ROM)3cを設けるのではなく、図6に示すように、通常設置状態(スタンド設置状態)で参照される低温時、高温時用の強調変換テーブルメモリ(ROM)3a、3bに加えて、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)時に参照される低温時、高温時用の強調変換テーブルメモリ(ROM)3d、3e、及び90度回転設置状態(画面縦横切替状態)時に参照される低温時、高温時用の強調変換テーブルメモリ(ROM)3f、3gを備えて構成している。
【0064】
ここでは、OSテーブルメモリ(ROM)3a、3b、3d〜3gと、このOSテーブルメモリ(ROM)3a、3b、3d〜3gを制御CPU17からの制御信号に基づき切り換え参照して、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号を求める強調変換部(書込階調決定部)42とにより書込階調決定手段を構成している。また、図7に示すように、OSテーブルメモリ(ROM)3d〜3gの各々には、当該装置の設置状態毎における液晶表示パネル4の各温度範囲に対応した強調変換パラメータLEVEL 2〜LEVEL 5が格納されている。
【0065】
すなわち、通常設置状態(スタンド設置状態)での使用時においては、温度センサー16による検出温度に応じて、OSテーブルメモリ(ROM)3a、3bのいずれかが選択され、強調変換部42は選択された強調変換テーブルメモリ(ROM)3a、3bのいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0066】
一方、当該装置の設置状態が、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)に変化された場合は、これを上下反転センサー18aにより検出し、制御CPU17が温度センサー16による検出温度に応じてOSテーブルメモリ(ROM)3d、3eのいずれかを選択制御する。強調変換部42は選択された強調変換テーブルメモリ(ROM)3d、3eのいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0067】
また、当該装置の装置の設置状態が、90度回転設置状態(画面縦横切替状態)に変化された場合は、これを面内回転センサー18bにより検出し、制御CPU17が温度センサー16による検出温度に応じてOSテーブルメモリ(ROM)3f、3gのいずれかを選択制御する。強調変換部42は選択された強調変換テーブルメモリ(ROM)3f、3gのいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0068】
このように、各設置状態毎に異なる最適な強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 5を格納した複数の強調変換テーブルメモリ(ROM)3a、3b、3d〜3gを設け、当該装置の設置状態に応じて、前記複数の強調変換テーブルメモリ3a、3b、3d〜3gを切り換えて参照することにより、各々の設置状態に最適な強調変換が施された強調変換信号を、書込階調信号として液晶表示パネル4に供給することが可能となるので、当該装置の設置状態に起因するオーバーシュート駆動の弊害を自動的にキャンセルして、表示画像の画質劣化を防止することが可能となる。
【0069】
尚、上記実施形態においては、当該装置の設置状態毎に各温度範囲に対応する強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 5を個別に設けているが、ある設置状態Aにおける検出温度T〜T時と、他の設置状態Bにおける検出温度T〜T時とで、同じ強調変換パラメータを用いて強調変換処理を行うようにしても良い。このように、異なる使用条件下において用いる強調変換パラメータを共通化することにより、テーブルメモリ(ROM)の容量の増加を抑制することが可能となる。
【0070】
次に、本発明の第5実施形態について、図8及び図9とともに詳細に説明するが、上述した第3実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図8は本実施形態の液晶表示装置における要部概略構成を示すブロック図、図9は本実施形態の液晶表示装置に用いるテーブルメモリのテーブル内容を示す概略説明図である。
【0071】
本実施形態の液晶表示装置は、図8に示すように、テーブルメモリとして単一のROM3hを備えており、このテーブルメモリ(ROM)3hを参照することにより、強調変換部(書込階調決定部)52は液晶表示パネル4に供給する書込階調信号を決定する構成としている。ここでは、テーブルメモリ(ROM)3hと、このテーブルメモリ(ROM)3h内のテーブル領域を制御CPU17からの制御信号に基づき切り換え参照して、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号を求める強調変換部(書込階調決定部)52とにより書込階調決定手段を構成している。
【0072】
このテーブルメモリ(ROM)3hには、図9に示すように、低温用の強調変換パラメータLEVEL 0、高温用の強調変換パラメータLEVEL 1、無変換パラメータのそれぞれが個別のテーブル領域に格納されており、この強調変換パラメータLEVEL 0,LEVEL 1が記憶された変換テーブル領域と、無変換パラメータが記憶された無変換テーブル領域とは、当該装置の設置状態に基づき選択的に切り換えられて参照される。
【0073】
すなわち、温度センサー16、上下反転センサー18a及び面内回転センサー18bの検出出力に応じて制御CPU17より出力される制御信号に基づき、テーブルメモリ(ROM)3h内の参照テーブル領域を切り換え制御するとともに、入力画像信号の1フレーム期間前後の階調遷移に応じて、各テーブル領域の対応するアドレスを参照することにより、強調変換パラメータLEVEL 0,LEVEL 1、無変換パラメータを選択的に切り換えて読み出すことが可能となっている。
【0074】
従って、通常設置状態(スタンド設置状態)での使用時においては、温度センサー16による検出温度によって、テーブルメモリ(ROM)3hの強調変換パラメータLEVEL 0,LEVEL 1が格納されている変換テーブル領域のいずれかが選択され、強調変換部52は選択された変換テーブル領域のいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0075】
また、当該装置の設置状態が、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)或いは90度回転設置状態(画面縦横切替状態)に変化された場合、これを上下反転センサー18a又は面内回転センサー18bにて検知し、制御CPU17がテーブルメモリ(ROM)3hの無変換テーブル領域を選択制御することにより、強調変換部52は無変換テーブル領域を参照して無変換パラメータを読み出し、これを用いて入力画像信号を強調変換せずにそのまま(スルー出力して)、書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0076】
このように、装置の設置状態に変化があった場合、自動的にオーバーシュート駆動を停止することができるので、オーバーシュート駆動の弊害をキャンセルして、不所望な白点の発生や黒尾引きの発生等による表示画像の画質劣化が生じるのを防止することが可能となる。
【0077】
次に、本発明の第6実施形態について、図10とともに詳細に説明するが、上述した第5実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図10は本実施形態の液晶表示装置に用いるテーブルメモリのテーブル内容を示す概略説明図である。
【0078】
本実施形態の液晶表示装置は、上記第5実施形態において、無変換テーブル領域を有するテーブルメモリ(ROM)3hに代えて、各設置状態毎に異なる最適な強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 5を格納した複数の参照テーブル領域を有するテーブルメモリ(ROM)3iを備えて構成している。ここでは、テーブルメモリ(ROM)3iと、このテーブルメモリ(ROM)3i内のテーブル領域を制御CPU17からの制御信号に基づき切り換え参照して、液晶表示パネル4に供給する書込階調信号を求める強調変換部(書込階調決定部)とにより書込階調決定手段を構成している。
【0079】
このテーブルメモリ(ROM)3iには、図10に示すように、通常設置状態(スタンド設置状態)時に用いる低温用、高温用の強調変換パラメータLEVEL 0、LEVEL 1、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)時に用いる低温用、高温用の強調変換パラメータLEVEL 2、LEVEL 3、90度回転設置状態(画面縦横切替え状態)時に用いる低温用、高温用の強調変換パラメータLEVEL 4、LEVEL 5のそれぞれが個別のテーブル領域に格納されており、これら強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 5が記憶されたテーブル領域が、当該装置の設置状態に基づき選択的に切り換えられて参照される。
【0080】
すなわち、通常設置状態(スタンド設置状態)での使用時においては、温度センサー16による検出温度によって、テーブルメモリ3iの強調変換パラメータLEVEL 0、LEVEL 1が格納された変換テーブル領域のいずれかが選択されて、強調変換部は選択された変換テーブル領域のいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0081】
また、当該装置の設置状態が、上下反転設置状態(天井吊下げ状態)に変化された場合、これを上下反転センサー18aにて検知し、制御CPU17が温度センサー16による検出温度に応じてテーブルメモリ3iの強調変換パラメータLEVEL 2、LEVEL 3が格納された変換テーブル領域のいずれかを選択制御する。強調変換部は選択された変換テーブル領域のいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0082】
さらに、当該装置の設置状態が、90度回転設置状態(画面縦横切替状態)に変化された場合、これを面内回転センサー18bにて検知し、制御CPU17が温度センサー16による検出温度に応じてテーブルメモリ3iの強調変換パラメータLEVEL 4、LEVEL 5が格納された変換テーブル領域のいずれかを選択制御する。強調変換部は選択された変換テーブル領域のいずれかを参照して、入力画像信号の1フレーム期間前後における階調遷移の組み合わせに対応する強調変換パラメータのいずれかを読み出し、この強調変換パラメータを用いて線形補間等の演算を行うことにより、すべての階調遷移パターンにおいて入力画像信号に対する強調変換信号を求め、これを書込階調信号として液晶表示パネル4に供給する。
【0083】
以上のように、各設置状態毎に異なる最適な強調パラメータLEVEL 0〜LEVEL 5を格納した複数の参照テーブル領域を単一のテーブルメモリ内に設け、当該装置の設置状態に応じて、前記複数のテーブル領域を切り換えて参照することにより、各々の設置状態に最適な強調変換が施された強調変換信号を、書込階調信号として液晶表示パネル4に供給することが可能となるので、当該装置の設置状態に起因するオーバーシュート駆動の弊害を自動的にキャンセルして、表示画像の画質劣化を防止することが可能となる。
【0084】
尚、上記実施形態においては、当該装置の設置状態毎に各温度範囲に対応する強調変換パラメータLEVEL 0〜LEVEL 5を個別に設けているが、ある設置状態Aにおける温度T〜T検出時と、他の設置状態Bにおける温度T〜T検出時とで、同じ強調変換パラメータを用いて強調変換処理を行うようにしても良い。このように、異なる使用条件下において用いる強調変換パラメータを共通化することにより、テーブルメモリ(ROM)の容量の増加を抑制することが可能となる。
【0085】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置は、上記のような構成としているので、当該装置の設置状態に応じて、オーバーシュート駆動を停止させたり、オーバーシュート駆動の強調度合いを可変することができ、常に適切な書込階調信号を液晶表示パネルに供給することが可能となる。従って、如何なる設置状態で使用した場合であっても、表示画像の画質劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の第1実施形態における要部概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の液晶表示装置の第1実施形態に用いるOSテーブルメモリのテーブル内容を示す概略説明図である。
【図3】本発明の液晶表示装置の第2実施形態における書込階調手段の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の液晶表示装置の第3実施形態における要部概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の液晶表示装置の第3実施形態に用いる無変換テーブルメモリのテーブル内容を示す概略説明図である。
【図6】本発明の液晶表示装置の第4実施形態における要部概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の液晶表示装置の第4実施形態において各状態時に参照する強調変換パラメータレベルを示す説明図である。
【図8】本発明の液晶表示装置の第5実施形態における要部概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の液晶表示装置の第5実施形態に用いるテーブルメモリのテーブル内容を示す概略説明図である。
【図10】本発明の液晶表示装置の第6実施形態に用いるテーブルメモリのテーブル内容を示す概略説明図である。
【図11】従来の液晶表示装置におけるオーバーシュート駆動回路の概略構成を示すブロック図である。
【図12】オーバーシュート駆動回路に用いるOSテーブルメモリにおけるテーブル内容の一例を示す概略説明図である。
【図13】液晶に加える電圧と液晶の応答との関係を示す説明図である。
【図14】直下型バックライト方式の液晶表示装置の背面から見た概略構成例を示す説明図である。
【図15】液晶表示装置の(a)通常設置状態、(b)上下反転設置状態、(c)90度回転設置状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 フレームメモリ
2、22、32、42、52 強調変換部
3a 低温用変換テーブルメモリ
3b 高温用変換テーブルメモリ
3c 無変換テーブルメモリ
3d 低温用変換テーブルメモリ
3e 高温用変換テーブルメモリ
3f 低温用変換テーブルメモリ
3g 高温用変換テーブルメモリ
3h テーブルメモリ
3i テーブルメモリ
4 液晶表示パネル
16 温度センサー
17 制御CPU
18a 上下反転センサー
18b 面内回転センサー
19 切換スイッチ
20 減算器
21 乗算器
23 加算器

Claims (10)

  1. 液晶表示パネルを用いて、画像を表示する液晶表示装置であって、
    力画像信号を強調変換することにより、前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号を求める書込階調決定手段と、
    当該装置の設置状態を検知する設置状態検知手段とを備え、
    前記書込階調決定手段は、前記検知された当該装置の設置状態に基づいて、前記強調変換信号と前記入力画像信号とのいずれか一方を選択的に切り換え、前記液晶表示パネルに供給することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記請求項1に記載の液晶表示装置において、
    前記書込階調決定手段は、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための強調変換パラメータを記憶した変換テーブルメモリと、
    前記強調変換パラメータを用いて求められた強調変換信号から前記入力画像信号を減算する減算器と、
    当該装置の設置状態に基づいて切換制御される重み係数を、前記減算器の出力信号に積算する乗算器と、
    前記乗算器の出力信号を、前記入力画像信号に加算することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する加算器とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  3. 前記請求項1に記載の液晶表示装置において、
    前記書込階調決定手段は、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための強調変換パラメータを記憶した変換テーブルメモリと、
    前記入力画像信号をそのまま出力するための無変換パラメータを記憶した無変換テーブルメモリと、
    当該装置の設置状態に基づいて、前記変換テーブルメモリと前記無変換テーブルメモリとを選択的に切り換える切換部と、
    前記切換部により切り換えられた変換テーブルメモリまたは無変換テーブルメモリを参照することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する書込階調決定部とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  4. 前記請求項1に記載の液晶表示装置において、
    前記書込階調決定手段は、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、前記入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための強調変換パラメータと、前記入力画像信号をそのまま出力するための無変換パラメータとを記憶したテーブルメモリと、
    当該装置の設置状態に基づいて、前記強調変換パラメータが記憶された参照テーブル領域と、前記無変換パラメータが記憶された参照テーブル領域とを選択的に切り換える切換部と、
    前記切換部により切り換えられた前記テーブルメモリの参照テーブル領域を参照することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する書込階調決定部とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  5. 液晶表示パネルを用いて、画像を表示する液晶表示装置であって、
    力画像信号を強調変換することにより、前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号を求める書込階調決定手段と、
    当該装置の設置状態を検知する設置状態検知手段とを備え、
    前記書込階調決定手段は、前記検知された当該装置の設置状態に基づいて、前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号を可変し、前記液晶表示パネルに供給することを特徴とする液晶表示装置。
  6. 前記請求項5に記載の液晶表示装置において、
    前記書込階調決定手段は、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための強調変換パラメータを記憶した変換テーブルメモリと、
    前記強調変換パラメータを用いて求められた強調変換信号から前記入力画像信号を減算する減算器と、
    当該装置の設置状態に基づいて可変制御される重み係数を、前記減算器の出力信号に積算する乗算器と、
    前記乗算器の出力信号を、前記入力画像信号に加算することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する加算器とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  7. 前記請求項5に記載の液晶表示装置において、
    前記書込階調決定手段は、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための異なる強調変換パラメータを記憶した複数の変換テーブルメモリと、
    当該装置の設置状態に基づいて、前記複数の変換テーブルメモリのうちの一つを選択的に切り換える切換部と、
    前記切換部により切り換えられた変換テーブルメモリを参照することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する書込階調決定部とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  8. 前記請求項5に記載の液晶表示装置において、
    前記書込階調決定手段は、入力画像信号の1垂直期間前後における階調遷移の組み合わせに応じて、該入力画像信号を前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する強調変換信号に変換するための異なる強調変換パラメータを複数の参照テーブル領域毎に記憶したテーブルメモリと、
    当該装置の設置状態に基づいて、前記複数の参照テーブル領域のうちの一つを選択的に切り換える切換部と、
    前記切換部により切り換えられた前記テーブルメモリの参照テーブル領域を参照することによって、前記液晶表示パネルに供給する書込階調信号を決定する書込階調決定部とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  9. 前記請求項1乃至8のいずれかに記載の液晶表示装置において、
    前記設置状態検知手段は、前記液晶表示パネルの上下反転状態を検知する上下反転センサーであることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 前記請求項1乃至8のいずれかに記載の液晶表示装置において、
    前記設置状態検知手段は、前記液晶表示パネルの面内回転状態を検知する面内回転センサーであることを特徴とする液晶表示装置。
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