JP5018543B2 - 内燃機関の二次空気供給装置 - Google Patents
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Description
電磁開閉弁と一方向弁の両方が開故障した場合の排気の逆流は、エアフローメータにて検出可能であるが、電磁開閉弁が開故障し、一方向弁が正常な場合でも、排気通路内が負圧(減速運転時やアイドル運転時などに排気の脈動で生じる)の場合、排気通路に新気を取込むため、流れを生じて、エアフローメータに出力を生じる。
本発明は、このような実状に鑑み、電磁開閉弁と一方向弁の両方の開故障による排気の逆流を正しく検知できるようにすることを目的とする。
図1は本発明の一実施形態を示す車両用内燃機関の二次空気供給装置の構成図である。
内燃機関1は、この例ではV型6気筒エンジンであり、図2に各気筒の燃焼室回りの縦断面図を示す。
ここで、排気通路の触媒上流、特に排気の高温部であるシリンダヘッド内の各気筒の排気ポート8へ二次空気を供給すべく、バンク毎にシリンダヘッドを気筒列方向に貫通する二次空気ギャラリ10が設けられ、この二次空気ギャラリ10から分岐して各気筒の排気ポート8へ開口する二次空気吐出通路(吐出口)11が設けられる。尚、ここでは二次空気を排気ポート8に供給しているが、排気通路の触媒上流であればよく、また、気筒毎、気筒グループ(バンク)毎、全気筒共通のいずれでもよい。
エアポンプ12の吸入側は、上流側から、エアクリーナ13、ホース14、熱線式エアフローメータ15、ホース16の順で構成されている。エアフローメータ15は熱線式の空気流量計であり、二次空気供給装置の故障診断用である。
二次空気バルブ22は、常閉の電磁開閉弁(カット弁)30と、一方向弁(リード弁)36とを直列に配置してなる。
次に、かかる二次空気供給装置を用いた二次空気供給制御、及び、二次空気供給装置の故障診断について、図4(及び図5)のフローチャートにより、図6のタイムチャートを参照しつつ、説明する。尚、以下の説明では、電磁開閉弁30を「カット弁」と称し、一方向弁36を「リード弁」と称する。
カット弁30を閉じた後は、エアポンプ12をON状態に保持したまま、S12で、所定時間(例えば2秒)の時間待ちを行い、この間、S9で、エアフローメータ15の出力電圧VAFMが所定の閾値(例えば2V)以上か否か、すなわち、エアフローメータ15により検出される空気流量が所定の閾値以上(空気流量大)か否かを判定する。すなわち、エアポンプ12=ON、カット弁30=OFFの条件での、空気流量が所定の閾値以上か否かを判定する。図6のタイムチャートの「第1の故障診断」の部分である。この判定は、所定時間における平均値によって行う。そして、この判定で、閾値以上の場合は、S10へ進んで、「カット弁開故障」とみなし、故障判定回数値Cを1アップする(C=C+1)。同時に警告灯を点灯させる等して、警告する。更に、S11へ進んで、故障バンクを特定する。
比較の結果、左>右の場合、すなわち、左バンクのA/Fセンサ出力の平均値の方が大きい場合は、左バンクの方が二次空気の流入によりリーン化していると考えられるので、S53へ進んで、左バンクの故障(左バンクのカット弁の開故障)と判定する。
S14では、「カット弁開故障」の故障判定回数値Cが2以上か否かを判定し、2未満であれば、S1へ戻り、2以上であれば、S18へ進む。
S15では、エアフローメータ15の出力電圧VAFMが所定の閾値(例えば2V)以上か否か、すなわち、エアフローメータ15により検出される空気流量が所定の閾値以上(空気流量大)か否かを判定する。すなわち、エアポンプ12=OFF、カット弁30=OFFの条件での、空気流量が所定の閾値以上か否かを判定する。図6のタイムチャートの「第2の故障診断」の部分である。
所定の閾値以上の場合は、S16へ進んで、「カット弁開故障」とみなす。同時に警告灯を点灯させる等して、警告する。また、S17へ進んで、故障バンクを特定する。
S15→S16、S17でカット弁30の開故障と判定された場合は、S18へ進む。
これは次の原理による。二次空気通路の二次空気バルブ22上流への排気の逆流を生じると、逆流した排気が冷却されることで、排気中の水分が凝縮する。特に排気ポート8から熱線式エアフローメータ15までには距離があり、その間に排気ガス温度が低下して、排気凝縮水を生じ、排気凝縮水が熱線式エアフローメータ15に付着する。そして、排気凝縮水がエアフローメータ15の熱線に付着すると、熱線が過冷却されることから、ブリッジ回路における平衡電流が急増することで、出力電圧が瞬間的に増大する(スパイク電圧を生じる)。よって、この出力電圧の異常上昇を検知することで、排気凝縮水を検知し、排気の逆流を検知することができる。
2 燃焼室
3 吸気ポート
4 吸気弁
5 燃料噴射弁
6 点火プラグ
7 排気弁
8 排気ポート
9 排気マニホールド
10 二次空気ギャラリ(ヘッド内通路)
11 二次空気吐出通路(吐出口)
12 エアポンプ
13 エアクリーナ
15 熱線式エアフローメータ
22 二次空気バルブ
23 パイプ
25 ECU
26 電源
27、28 スイッチング素子
30 電磁開閉弁(カット弁)
31 弁体
32 アーマチャ
33 スプリング
34 電磁コイル
35 弁シート部
36 一方向弁(リード弁)
37 ベース板
Claims (4)
- 排気通路の排気浄化触媒上流に接続される二次空気通路に、二次空気供給用のエアポンプを備え、更にエアポンプと排気通路への二次空気吐出口との間に、常閉の電磁開閉弁と一方向弁とを直列に配置してなる二次空気バルブを備える内燃機関の二次空気供給装置において、
二次空気通路の二次空気バルブ上流側にて、排気凝縮水の有無を検知することにより、電磁開閉弁と一方向弁の両方の開故障による二次空気通路への排気の逆流を検知する逆流検知手段を設け、
前記二次空気通路に空気流量検出用の熱線式エアフローメータを備え、
前記逆流検知手段は、前記エアフローメータの熱線への排気凝縮水の付着によって熱線が過冷却されることによる前記エアフローメータの出力の異常上昇を検知することによって、排気凝縮水を検知するように構成し、
前記電磁開閉弁に閉指令を与えた状態での、前記エアフローメータにより検出される空気流量に基づいて、前記電磁開閉弁の開故障を診断する故障診断手段を備え、
前記故障診断手段により、前記電磁開閉弁の開故障と診断されたときに、前記逆流検知手段の検知結果に基づいて、前記一方向弁の開故障を診断することを特徴とする内燃機関の二次空気供給装置。 - 前記故障検出手段として、前記エアポンプを作動させて、前記電磁開閉弁に閉指令を与えた状態での、前記エアフローメータにより検出される空気流量に基づいて、前記電磁開閉弁の開故障を診断する第1の故障診断手段と、前記エアポンプを停止させて、前記電磁開閉弁に閉指令を与えた状態での、前記エアフローメータにより検出される空気流量に基づいて、前記電磁開閉弁の開故障を診断する第2の故障診断手段と、を備え、
前記第1及び第2の故障診断手段のいずれか一方により、前記電磁開閉弁の開故障と診断されたときに、前記逆流検知手段の検知結果に基づいて、前記一方向弁の開故障を診断することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の二次空気供給装置。 - 前記第1及び第2の故障診断手段は、前記エアフローメータの出力電圧をそれぞれ所定の閾値と比較して診断を行い、
前記逆流検知手段は、前記エアフローメータの出力電圧を、前記第1及び第2の故障診断手段での前記閾値より大きい別の閾値と比較して排気凝縮水の有無を検知することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の二次空気供給装置。 - 前記逆流検知手段により排気の逆流が検知されたときに、車両の運転を制限するフェイルセーフ制御手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の二次空気供給装置。
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