以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る無線LANコンバータを備えたIPv6ネットワークシステムの概略図である。
図1において、有線ネットワーク2Aおよび有線ネットワーク2Bは、一つの有線/無線ネットワーク1を形成している。ここで、図11に示すものと同じものには、同じ符号を付している。
図1において、有線ネットワーク2Aは、WDSをサポートしていない無線LANアクセスポイント3と、LAN7Aを介して無線LANアクセスポイント3に接続するIPv6ホスト5AおよびIPv6ルータ6Aと、を有する。また、有線ネットワーク2Bは、無線LANアクセスポイント3にステーションモードで接続する無線LANコンバータ4と、LAN7B1を介して無線LANコンバータ4に接続するIPv6ホスト5B3、IPv6ルータ6B1、およびIPv6ルータ6B2と、LAN7B2を介してIPv6ルータ6B1に接続するIPv6ホスト5B1と、LAN7B3を介してIPv6ルータ6B2に接続するIPv6ホスト5B2と、を有する。
無線LANコンバータ4は、中継するMACフレームのMACアドレスの載せ替えを行う。具体的には、LAN7B1から受信したMACフレームの送信元MACアドレスを自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変更し、このMACフレームを無線送信する。また、無線LANから受信したMACフレームの宛先MACアドレスを、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレスに対応するMACアドレスに変更し、このMACフレームをLAN7B1に送信する。
図2は、無線LANコンバータ4の概略構成図である。
図示するように、無線LANコンバータ4は、WLANインターフェース部41と、LANインターフェース部42と、アドレス記憶部43と、上り中継部44と、下り中継部45と、ホストアドレス登録部46と、ルータアドレス登録部47と、リダイレクトアドレス登録部48と、を有する。
WLANインターフェース部41は、無線LANのインターフェース制御機能を有し、無線LANから受信したMACフレームを下り中継部45に渡すと共に、上り中継部44から受け取ったMACフレームを無線LANに送信する。
LANインターフェース部42は、LANのインターフェース制御機能を有し、LAN7B1から受信したMACフレームを上り中継部44に渡すと共に、下り中継部45から受け取ったMACフレームをLAN7B1に送信する。
アドレス記憶部43には、有線ネットワーク2Bに属する通信装置(IPv6ホスト5B1〜5B3、IPv6ルータ6B1〜6B2)のMACアドレスおよびIPアドレスが互いに対応付けられて記憶される。図示するように、アドレス記憶部43は、ホストアドレス記憶部431と、ルータアドレス記憶部432と、を有する。
ホストアドレス記憶部431には、有線ネットワーク2Bに属する通信装置5B1〜5B3、6B1〜6B2のMACアドレスおよびIPアドレスが互いに対応付けられて登録される。ここで、IPv6ホスト5B1とIPv6ホスト5B2には、IPv6ホスト5B1のIPアドレスとIPv6ルータ6B1のMACアドレス、IPv6ホスト5B2のIPv6アドレスとIPv6ルータ6B2のMACアドレスとが記憶される。
図3(A)は、ホストアドレス記憶部431の登録内容例を模式的に表した図である。
図示するように、ホストアドレス記憶部431には、有線ネットワーク2Bに属する通信装置単位でレコード4310が登録される。レコード4310は、MACアドレスを登録するフィールド4311と、IPアドレスを登録するフィールド4312と、このレコード4310が登録もしくは更新された日時を登録するフィールド4313と、を有する。一方、ルータアドレス記憶部432には、有線ネットワーク2Bに属する通信装置5B1〜5B3、6B1〜6B2のうち、ルータ(IPv6ルータ6B1、6B2)のMACアドレスおよびIPアドレスが互いに対応付けられて登録される。図3(B)は、ルータアドレス記憶部432の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、ルータアドレス記憶部432には、有線ネットワーク2Bに属するルータ単位でレコード4320が登録される。レコード4320は、MACアドレスを登録するフィールド4321と、IPアドレスを登録するフィールド4322と、このレコード4320が登録もしくは更新された日時を登録するフィールド4323と、を有する。
上り中継部44は、LANインターフェース部42から受信したMACフレームの送信元MACアドレスを、自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変換し、このMACフレームをWLANインターフェース部41に中継する。
また、上り中継部44は、ルータ通知メッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームをLANインターフェース部42から受信した場合に、このルータ通知メッセージで指定されているソースリンクレイヤアドレスを、自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変換する。
また、上り中継部44は、ターゲットリンクレイヤアドレス(Target Link Layer Address)が指定されたリダイレクト(Redirect)メッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームをLANインターフェース部42から受信した場合に、このリダイレクトメッセージからターゲットリンクレイヤアドレスのオプションを削除する。
下り中継部45は、WLANインターフェース部41から受信したMACフレームの宛先MACアドレスを、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレスに対応付けられてアドレス記憶部43に記憶されているMACアドレスに変換し、このMACフレームをLANインターフェース部42に中継する。具体的には、WLANインターフェース部41から受信したMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレスに対応付けられたMACアドレスがホストアドレス記憶部431に記憶されている場合に、このMACフレームの宛先MACアドレスをこのMACアドレスに変換する。該当するMACアドレスがホストアドレス記憶部431に記憶されていない場合は、このMACフレームの宛先MACアドレスを、ルータアドレス記憶部432に記憶されているMACアドレスに変換する。
また、下り中継部45は、ターゲットリンクレイヤアドレスが指定されたリダイレクトメッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームをWLANインターフェース部41から受信した場合に、このターゲットリンクレイヤアドレスが自無線LANコンバータ4のMACアドレスであるならば、このリダイレクトメッセージからターゲットリンクレイヤアドレスのオプションを削除する。
ホストアドレス登録部46は、LANインターフェース部42が受信したMACフレームに格納されているIPv6パケットの送信元IPアドレス毎に、このMACフレームの送信元MACアドレスを、この送信元IPアドレスに対応付けて、ホストアドレス記憶部431に登録する。
ルータアドレス記憶部432は、LANインターフェース部42が、ルータ通知メッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームを受信した場合に、このルータ通知メッセージで指定されているソースリンクレイヤアドレスを、このIPv6パケットの送信元IPアドレスに対応付けて、ルータアドレス記憶部432に登録する。
リダイレクトアドレス登録部48は、LANインターフェース部42が、ターゲットリンクレイヤアドレスが指定されたリダイレクトメッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームを受信した場合に、このターゲットリンクレイヤアドレスを、このリダイレクトメッセージで指定されている宛先IPアドレスに対応付けてホストアドレス記憶部431に登録する。
次に、無線LANコンバータ4の動作について説明する。
図4は、無線LANコンバータ4の動作を説明するためのフロー図である。
無線LANコンバータ4は、LANインターフェース部42によってLAN7B1からMACフレームを受信すると(S101でYES)、後述する上り中継処理を行う(S102)。また、WLANインターフェース部41によって無線LANからMACフレームを受信すると(S103でYES)、後述する下り中継処理を行う(S104)。
また、ホストアドレス登録部46は、ホストアドレス記憶部431を参照し、フィールド4313に登録されている日時から現在日時までの経過時間が所定時間(例えば10分)を超えているレコード4310を検索する。そして、検索したレコード4310をホストアドレス記憶部431から削除する(S105)。
また、ルータアドレス登録部47は、ルータアドレス記憶部432を参照し、フィールド4323に登録されている日時から現在日時までの経過時間が所定時間(例えば60分)を超えているレコード4320を検索する。そして、検索したレコード4320をルータアドレス記憶部432から削除する(S106)。
図5は、図4の上り中継処理(S102)を説明するためのフロー図である。
先ず、LANインターフェース部42は、LAN7B1から受信したMACフレームを上り中継部44に渡す。ホストアドレス登録部46は、LANインターフェース部42から上り中継部44に渡されたMACフレームのヘッダから送信元MACアドレスを取得すると共に、このMACフレームに格納されているIPv6パケットのヘッダから送信元IPアドレスを取得する(S1021)。
次に、ホストアドレス登録部46は、取得した送信元IPアドレスをキーにして、ホストアドレス記憶部431からレコード4310を検索し(S1022)、この送信元IPアドレスがフィールド4312に登録されているレコード4310がホストアドレス記憶部431に存在するか否かを調べる(S1023)。
この送信元IPアドレスがフィールド4312に登録されているレコード4310がホストアドレス記憶部431に存在しない場合(S1023でNO)、ホストアドレス登録部46は、ホストアドレス記憶部431に新たなレコード4310を追加する。そして、このレコード4310のフィールド4311に、S1021で取得した送信元MACアドレスを登録し、フィールド4312に、S1021で取得した送信元IPアドレスを登録し、そして、フィールド4313に現在日時を登録する(S1024)。
一方、この送信元IPアドレスがフィールド4312に登録されているレコード4310がホストアドレス記憶部431に存在する場合(S1023でYES)、ホストアドレス登録部46は、このレコード4310のフィールド4311に登録されているMACアドレスを、S1021で取得した送信元MACアドレスに更新すると共に、このレコード4310のフィールド4313に登録されている日時を現在日時に更新する(S1025)。
このようにしてホストアドレス記憶部431への新規レコードの追加または既存レコードの更新が完了すると、ルータアドレス登録部47は、LANインターフェース部42から上り中継部44に渡されたMACフレームが、ルータ通知メッセージを含むIPv6パケットを格納しているか否かを調べる(S1026)。該当IPv6パケットを格納している場合は(S1026でYES)、後述するルータアドレス登録処理を行う(S1027)。
また、リダイレクトアドレス登録部48は、LANインターフェース部42から上り中継部44に渡されたMACフレームが、ターゲットリンクレイヤアドレスが指定されたリダイレクトメッセージを含むIPv6パケットを格納しているか否かを調べる(S1028)。格納している場合は(S1028でYES)、後述するリダイレクトアドレス登録処理を行う(S1029)。
次に、上り中継部44は、LANインターフェース部42から渡されたMACフレームの送信元MACアドレスを、自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変換し、このMACフレームをWLANインターフェース部41に中継する(S1030)。これを受けて、WLANインターフェース部41は、上り中継部44から受け取ったMACフレームを無線LANに送信する(S1031)。
図6(A)は、図5のルータアドレス登録処理(S1027)を説明するためのフロー図である。
ルータアドレス登録部47は、LANインターフェース部42から上り中継部44に渡されたMACフレームに格納されているIPv6パケットのヘッダから送信元IPアドレスを取得すると共に、このIPv6パケットに格納されているルータ通知メッセージのオプションからソースリンクレイヤアドレスを取得する(S10271)。
次に、ルータアドレス登録部47は、取得した送信元IPアドレスをキーにして、ルータアドレス記憶部432からレコード4320を検索し(S10272)、この送信元IPアドレスがフィールド4322に登録されているレコード4320がルータアドレス記憶部432に存在するか否かを調べる(S10273)。
この送信元IPアドレスがフィールド4322に登録されているレコード4320がルータアドレス記憶部432に存在しない場合(S10273でNO)、ルータアドレス登録部47は、ルータアドレス記憶部432に新たなレコード4320を追加する。そして、このレコード4320のフィールド4321に、S10271で取得したソースリンクレイヤアドレスを登録し、フィールド4322に、S10271で取得した送信元IPアドレスを登録し、そして、フィールド4323に現在日時を登録する(S10274)。
一方、この送信元IPアドレスがフィールド4322に登録されているレコード4320がルータアドレス記憶部432に存在する場合(S10273でYES)、ルータアドレス登録部47は、このレコード4320のフィールド4321に登録されているMACアドレスを、S10271で取得したソースリンクレイヤアドレスに更新すると共に、このレコード4320のフィールド4323に登録されている日時を現在日時に更新する(S10275)。
それから、上り中継部44は、LANインターフェース部42から渡されたMACフレームに格納されているIPv6パケットに含まれているルータ通知メッセージのソースリンクレイヤアドレスを、自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変換する(S10276)。
図6(B)は、図5のリダイレクトアドレス登録処理(S1029)を説明するためのフロー図である。
リダイレクトアドレス登録部48は、LANインターフェース部42から上り中継部44に渡されたMACフレームに格納されているIPv6パケットに含まれているリダイレクトメッセージから宛先IPアドレスを取得すると共に、このリダイレクトメッセージのオプションからターゲットリンクレイヤアドレスを取得する(S10291)。
次に、リダイレクトアドレス登録部48は、取得した宛先IPアドレスをキーにしてホストアドレス記憶部431からレコード4310を検索し(S10292)、この宛先IPアドレスがフィールド4312に登録されているレコード4310がホストアドレス記憶部431に存在するか否かを調べる(S10293)。
この宛先IPアドレスがフィールド4312に登録されているレコード4310がホストアドレス記憶部431に存在しない場合(S10293でNO)、リダイレクトアドレス登録部48は、ホストアドレス記憶部431に新たなレコード4310を追加する。そして、このレコード4310のフィールド4311に、S10291で取得したターゲットリンクレイヤアドレスを登録し、フィールド4312に、S10291で取得した宛先IPアドレスを登録し、そして、フィールド4313に現在日時を登録する(S10294)。
一方、この宛先IPアドレスがフィールド4312に登録されているレコード4310がホストアドレス記憶部431に存在する場合(S10293でYES)、リダイレクトアドレス登録部48は、このレコード4310のフィールド4311に登録されているMACアドレスを、S10291で取得したターゲットリンクレイヤアドレスに更新すると共に、このレコード4310のフィールド4313に登録されている日時を現在日時に更新する(S10295)。
それから、上り中継部44は、LANインターフェース部42から渡されたMACフレームに格納されているIPv6パケットに含まれるリダイレクトメッセージのターゲットリンクレイヤアドレスのオプションを削除する(S10296)。
図7は、図4の下り中継処理(S104)を説明するためのフロー図である。
先ず、WLANインターフェース部41は、無線LANから受信したMACフレームを下り中継部45に渡す。これを受けて、下り中継部45は、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレスをキーにして、ホストアドレス記憶部431からレコード4310を検索し(S1041)、この宛先IPアドレスがフィールド4312に登録されているレコード4310がホストアドレス記憶部431に存在するか否かを調べる(S1042)。
この宛先IPアドレスがフィールド4312に登録されているレコード4310がホストアドレス記憶部431に存在する場合(S1042でYES)、下り中継部45は、このMACフレームの宛先MACアドレスを、このレコード4310のフィールド4311に登録されているMACアドレスに変更する(S1043)。
一方、この宛先IPアドレスがフィールド4312に登録されているレコード4310がホストアドレス記憶部431に存在しない場合(S1042でNO)、下り中継部45は、ルータアドレス記憶部432にレコード4320が登録されているか否かを調べる(S1044)。レコード4320が登録されていない場合は(S1044でNO)、S1049に進む。レコード4320が登録されている場合は(S1044でYES)、このMACフレームの宛先MACアドレスを、このレコード4320のフィールド4321に登録されているMACアドレスに変更する(S1045)。
ここで、ルータアドレス記憶部432にレコード4320が複数登録されている場合、このMACフレームを複製して、各レコード4320に一つのMACフレームを対応させる。そして、各MACフレームの宛先MACアドレスを、それぞれに対応するレコード4320のフィールド4321に登録されているMACアドレスに変更する。また、以下に説明する処理S1046〜S1049を、各MACフレームに対して行う。
次に、S1046において、下り中継部45は、WLANインターフェース部41から受け取ったMACフレームが、ターゲットリンクレイヤアドレスが指定されたリダイレクトメッセージを含むIPv6パケットを格納しているか否かを調べる。そして、該当するIPv6パケットを格納している場合は(S1046でYES)、そのターゲットリンクレイヤアドレスが自無線LANコンバータ4のMACアドレスと一致するか否かをさらに調べる(S1047)。両アドレスが一致する場合は(S1047でYES)、そのリダイレクトメッセージからターゲットリンクレイヤアドレスのオプションを削除する(S1048)。
さて、下り中継部45は、以上の処理が終了したならば、このMACフレームをLANインターフェース部42に中継する。これを受けて、LANインターフェース部42は、下り中継部45から受け取ったMACフレームをLAN7B1に送信する(S1049)。
次に、図1に示すIPv6ネットワークシステムの動作例を説明する。
図8は、図1に示すIPv6ネットワークシステムにおいて、有線ネットワーク2AのIPv6ホスト5Aが、他の有線ネットワーク2BのIPv6ホスト5B1に通信データを送信する場合の動作を説明するためのシーケンス図である。ここでは、無線LANコンバータ4のホストアドレス記憶部431およびルータアドレス記憶部432の何れにもレコードが登録されていないものとして説明する。
IPv6ホスト5Aは、有線/無線ネットワーク1に属するIPv6ルータを検索するために、ルータ要請メッセージをマルチキャスト送信する(S201)。このルータ要請メッセージのソースリンクレイヤアドレス(SLLA)にはIPv6ホスト5AのMACアドレスが設定され、このルータ要請メッセージを格納するIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)、宛先IPアドレス(D−I)には、それぞれIPv6ホスト5AのIPアドレス、マルチキャストアドレスが設定される。そして、このIPv6パケットを格納するMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)、宛先MACアドレス(D−M)には、それぞれIPv6ホスト5AのMACアドレス、マルチキャストアドレスが設定される。
このMACフレームは、無線LANアクセスポイント3を介して無線LANコンバータ4に伝送される(S202)。無線LANコンバータ4は、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレス(D−I)がホストアドレス記憶部431に登録されておらず、かつ、ルータアドレス記憶部432にレコード423が登録されていないことを確認し、このMACフレームを、その宛先MACアドレスを変更することなくLAN7B1に送信する。そして、このMACフレームは、IPv6ルータ6B1に到達する(S203)。
次に、IPv6ルータ6B1は、ルータ要請メッセージを受信すると、これに対する応答として、ルータ通知メッセージをマルチキャスト送信する(S204)。このルータ通知メッセージのソースリンクレイヤアドレス(SSLA)にはIPv6ルータ6B1のMACアドレスが設定され、このルータ通知メッセージを格納するIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)、宛先IPアドレス(D−I)には、それぞれIPv6ルータ6B1のIPアドレス、マルチキャストアドレスが設定される。そして、このIPv6パケットを格納するMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)、宛先MACアドレス(D−M)には、それぞれIPv6ルータ6B1のMACアドレス、マルチキャストアドレスが設定される。
このMACフレームは、LAN7B1を介して無線LANコンバータ4に伝送される。無線LANコンバータ4は、このMACフレームの送信元MACアドレスおよびこのMACフレームに格納されているIPv6パケットの送信元IPアドレスを含む新規レコード4310をホストアドレス記憶部431に登録する。また、無線LANコンバータ4は、このIPv6パケットに格納されているルータ通知メッセージで指定されているソースリンクレイヤアドレスおよびこのIPv6パケットの送信元IPアドレスを含む新規レコード4320をルータアドレス記憶部432に登録する。また、無線LANコンバータ4は、このルータ通知メッセージで指定されているソースリンクレイヤアドレスおよびこのMACフレームの送信元MACアドレスを、自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変更して、このMACフレームを無線LANに送信する(S205)。このMACフレームは、無線LANアクセスポイント3を介して、IPv6ホスト5Aに到達する(S206)。
以上により、IPv6ホスト5Aは、無線LANコンバータ4のMACアドレスをIPv6ルータ6B1のMACアドレスとして認識する。
次に、IPv6ホスト5Aは、IPv6ホスト5B1宛ての通信データを送信する。この通信データを格納するIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)、宛先IPアドレス(D−I)には、それぞれIPv6ホスト5AのIPアドレス、IPv6ホスト5B1のIPアドレスが設定される。そして、このIPv6パケットを格納するMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)、宛先MACアドレス(D−M)には、それぞれIPv6ホスト5AのMACアドレス、無線LANコンバータ4のMACアドレスが設定される。
このMACフレームは、無線LANアクセスポイント3に到達する(S207)。ここで、このMACフレームの宛先MACアドレス(D−M)は、無線LANアクセスポイント3にステーションとして登録されている無線LANコンバータ4のMACアドレスである。このため、無線LANアクセスポイント3は、このMACフレームを無線送信する。そして、無線LANコンバータ4は、このMACフレームを受信する(S208)。
次に、無線LANコンバータ4は、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレス(D−I)がホストアドレス記憶部431に登録されていないことを確認し、このMACフレームを、その宛先MACアドレス(D−M)をルータアドレス記憶部432に登録されているIPv6ルータ6B1のMACアドレスに変更してLAN7B1に送信する。そして、このMACフレームは、IPv6ルータ6B1に到達する(S209)。
IPv6ルータ6B1は、NDP(Neighbor Discovery Protocol)に従い、LAN7B1から受信したMACフレームの宛先MACアドレス(D−M)を、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレス(D−I)に対応するMACアドレス、すなわちIPv6ホスト5B1のMACアドレスに変更する。そして、LAN7B2に送信する。このMACフレームは、LAN7B2を介して、IPv6ホスト5B1に到達する(S210)。
以上のようにして、IPv6ホスト5A、5B1間の通信が正常に行われる。
図9は、図1に示すIPv6ネットワークシステムにおいて、有線ネットワーク2AのIPv6ホスト5Aが、他の有線ネットワーク2BのIPv6ホスト5B2に通信データを送信する場合の動作を説明するためのシーケンス図である。ここでは、IPv6ホスト5Aが、IPv6ルータ6B1のMACアドレスとして無線LANコンバータ4のMACアドレスを認識しており、且つ無線LANコンバータ4のホストアドレス記憶部431およびルータアドレス記憶部432には、IPv6ルータ6B1のMACアドレスおよびIPアドレスを含むレコードのみが、それぞれに登録されているものとして説明する。
IPv6ホスト5Aは、IPv6ホスト5B2宛ての通信データを送信する。この通信データを格納するIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)、宛先IPアドレス(D−I)には、それぞれIPv6ホスト5AのIPアドレス、IPv6ホスト5B2のIPアドレスが設定される。そして、このIPv6パケットを格納するMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)、宛先MACアドレス(D−M)には、それぞれIPv6ホスト5AのMACアドレス、無線LANコンバータ4のMACアドレスが設定される。
このMACフレームは、無線LANアクセスポイント3に到達する(S301)。ここで、このMACフレームの宛先MACアドレス(D−M)は、無線LANアクセスポイント3にステーションとして登録されている無線LANコンバータ4のMACアドレスである。このため、無線LANアクセスポイント3は、このMACフレームを無線送信する。そして、無線LANコンバータ4は、このMACフレームを受信する(S302)。
次に、無線LANコンバータ4は、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレス(D−I)が、ホストアドレス記憶部431に登録されていないことを確認し、このMACフレームの宛先MACアドレス(D−M)を、ルータアドレス記憶部432に登録されているIPv6ルータ6B1のMACアドレスに変更する。そして、無線LANコンバータ4は、このMACフレームをLAN7B1に送信する。そして、このMACフレームは、IPv6ルータ6B1に到達する(S303)。
IPv6ルータ6B1は、IPv6ホスト5B2に通信データを送信するにはIPv6ルータ6B2に通信データを送信しなければならないことを知らせるために、リダイレクトメッセージをIPv6ホスト5Aに送信する(S304)。このリダイレクトメッセージのターゲットアドレス(T−A)、宛先IPアドレス(D−A)、ターゲットリンクレイヤアドレス(TLLA:Target Link Layer Address)にはそれぞれIPv6ルータ6B2のIPアドレス、IPv6ホスト5B2のIPアドレス、IPv6ルータ6B2のMACアドレスが設定され、このリダイレクトメッセージを格納するIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)、宛先IPアドレス(D−I)には、それぞれIPv6ルータ6B1のIPアドレス、IPv6ホスト5AのIPアドレスが設定される。そして、このIPv6パケットを格納するMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)、宛先MACアドレス(D−M)には、それぞれIPv6ルータ6B1のMACアドレス、IPv6ホスト5AのMACアドレスが設定される。
このMACフレームは、LAN7B1を介して無線LANコンバータ4に伝送される。無線LANコンバータ4は、ホストアドレス記憶部431に登録されている、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)を含むレコード4310を更新する。また、無線LANコンバータ4は、このMACフレームに格納されているIPv6パケットに含まれているリダイレクトメッセージで指定されている宛先IPアドレス(D−A)およびターゲットリンクレイヤアドレス(TLLA)を含むレコード4310をホストアドレス記憶部431に登録する。
また、無線LANコンバータ4は、このリダイレクトメッセージで指定されているターゲットリンクレイヤアドレスのオプションを削除すると共に、このMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)を自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変更して、このMACフレームを無線LANに送信する(S305)。このMACフレームは、無線LANアクセスポイント3を介して、IPv6ホスト5Aに到達する(S306)。
以上により、IPv6ホスト5Aは、IPv6ホスト5B2の最適な次ホップであるIPv6ルータ6B2のIPアドレスを取得する。そして、IPv6ホスト5Aは、NDPを利用することにより、IPv6ルータ6B2のMACアドレスを取得する。この際、IPv6ホスト5Aは、無線LANコンバータ4のMACアドレスをIPv6ルータ6B2のMACアドレスとして認識する(図8のS201〜S206参照)。
次に、IPv6ホスト5Aは、IPv6ホスト5B2宛ての通信データを送信する。この通信データを格納するIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)、宛先IPアドレス(D−I)には、それぞれIPv6ホスト5AのIPアドレス、IPv6ホスト5B2のIPアドレスが設定される。そして、このIPv6パケットを格納するMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)、宛先MACアドレス(D−M)には、それぞれIPv6ホスト5AのMACアドレス、無線LANコンバータ4のMACアドレスが設定される。
このMACフレームは、無線LANアクセスポイント3に到達する(S307)。ここで、このMACフレームの宛先MACアドレスは、無線LANアクセスポイント3にステーションとして登録されている無線LANコンバータ4のMACアドレスである。このため、無線LANアクセスポイント3は、このMACフレームを無線送信する。そして、無線LANコンバータ4は、このMACフレームを受信する(S308)。
次に、無線LANコンバータ4は、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレス(D−I)がホストアドレス記憶部431に登録されていることを確認し、このMACフレームの宛先MACアドレス(D−M)を、この宛先IPアドレスと同じレコード4310に登録されているMACアドレス(IPv6ルータ6B2のMACアドレス)に変更する。そして、このMACフレームをLAN7B1に送信する。そして、このMACフレームは、IPv6ルータ6B2に到達する(S309)。
IPv6ルータ6B2は、NDPに従い、LAN7B1から受信したMACフレームの宛先MACアドレスを、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレスに対応するMACアドレス、すなわちIPv6ホスト5B2のMACアドレスに変更して、LAN7B3に送信する。このMACフレームは、LAN7B3を介して、IPv6ホスト5B2に到達する。
以上のようにして、IPv6ホスト5A、5B2間の通信が正常に行われる。
図10は、図1に示すIPv6ネットワークシステムにおいて、有線ネットワーク2BのIPv6ホスト5B3が、同じ有線ネットワーク2AのIPv6ホスト5B1に通信データを送信する場合の動作を説明するためのシーケンス図である。ここでは、IPv6ホスト5B3がIPv6ルータ6AのMACアドレスを認識し、その他のIPv6ルータ6B1、6B2のMACアドレスは認識していないものとして説明する。
IPv6ホスト5B3は、IPv6ホスト5B1宛ての通信データを送信する。この通信データを格納するIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)、宛先IPアドレス(D−I)には、それぞれIPv6ホスト5B3のIPアドレス、IPv6ホスト5B1のIPアドレスが設定される。そして、このIPv6パケットを格納するMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)、宛先MACアドレス(D−M)には、それぞれIPv6ホスト5B3のMACアドレス、IPv6ルータ6AのMACアドレスが設定される。
このMACフレームは、無線LANコンバータ4に到達する(S401)。無線LANコンバータ4は、このMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)およびこのMACフレームが格納したIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)を含むレコード4310をホストアドレス記憶部431に登録する。また、無線LANコンバータ4は、このMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)を自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変更し、このMACフレームを無線送信する(S402)。このMACフレームは、無線LANアクセスポイント3を介してIPv6ルータ6Aに到達する(S403)。
IPv6ルータ6Aは、IPv6ホスト5B1に通信データを送信するにはIPv6ルータ6B1に通信データを送信しなければならないことを知らせるために、リダイレクトメッセージをIPv6ホスト5B3に送信する。このリダイレクトメッセージのターゲットアドレス(T−A)、宛先IPアドレス(D−A)、ターゲットリンクレイヤアドレス(TLLA)には、それぞれIPv6ルータ6B1のIPアドレス、IPv6ホスト5B1のIPアドレス、無線LANコンバータ4のMACアドレスが設定され、このリダイレクトメッセージを格納するIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)、宛先IPアドレス(D−I)には、それぞれIPv6ルータ6AのIPアドレス、IPv6ホスト5B3のIPアドレスが設定される。そして、このIPv6パケットを格納するMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)、宛先MACアドレス(D−M)には、それぞれIPv6ルータ6AのMACアドレス、無線LANコンバータ4のMACアドレスが設定される。ここで、リダイレクトメッセージのターゲットリンクレイヤアドレス(TLLA)、MACフレームの宛先MACアドレス(D−M)に無線LANコンバータ4のMACアドレスが設定される理由は、IPv6ルータ6Aが、無線LANコンバータ4のMACアドレスを、IPv6ルータ6B1のMACアドレス、IPv6ホスト5B3のMACアドレスとして認識しているためである。
このMACフレームは、LAN7Aを介して無線LANアクセスポイント3に到達する(S404)。ここで、このMACフレームの宛先MACアドレス(D−M)は、無線LANアクセスポイント3にステーションとして登録されている無線LANコンバータ4のMACアドレスである。このため、無線LANアクセスポイント3は、このMACフレームを無線送信する。そして、無線LANコンバータ4は、このMACフレームを受信する(S405)。
無線LANコンバータ4は、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレス(D−I)がホストアドレス記憶部431に登録されていることを確認し、このMACフレームの宛先MACアドレス(D−M)を、この宛先IPアドレスと同じレコード4310に含まれているMACアドレス(IPv6ホスト5B3のMACアドレス)に変更する。また、このMACフレームに格納されているIPv6パケットが、自無線LANコンバータ4のMACアドレスをターゲットリンクレイヤアドレスにオプション設定しているので、このオプションを削除する。それから、このMACフレームをLAN7B1に送信する。そして、このMACフレームは、IPv6ホスト5B3に到達する(S406)。
以上により、IPv6ホスト5B3は、IPv6ホスト5B1の最適な次ホップであるIPv6ルータ6B1のIPアドレスを取得する。そして、IPv6ホスト5B3は、NDPを利用することにより、IPv6ルータ6B1のMACアドレスを取得する。
次に、IPv6ホスト5B3は、IPv6ホスト5B1宛ての通信データを送信する。この通信データを格納するIPv6パケットの送信元IPアドレス(S−I)、宛先IPアドレス(D−I)には、それぞれIPv6ホスト5B3のIPアドレス、IPv6ホスト5B1のIPアドレスが設定され、そして、このIPv6パケットを格納するMACフレームの送信元MACアドレス(S−M)、宛先MACアドレス(D−M)には、それぞれIPv6ホスト5B3のMACアドレス、IPv6ルータ6B1のMACアドレスが設定される。
このMACフレームは、LAN7B1を介してIPv6ルータ6B1に到達する(S407)。IPv6ルータ6B1は、NDPに従い、LAN7B1から受信したMACフレームの宛先MACアドレス(D−M)を、このMACフレームに格納されているIPv6パケットの宛先IPアドレス(D−I)に対応するMACアドレス、すなわちIPv6ホスト5B1のMACアドレスに変更する。そして、このMACフレームをLAN7B2に送信する。これにより、このMACフレームは、LAN7B3を介して、IPv6ホスト5B1に到達する。
以上のようにして、IPv6ホスト5B3、5B1間の通信が正常に行われる。
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
本実施の形態では、無線LANコンバータ4でMACアドレスの載せ替えを行う。具体的には、無線LANコンバータ4は、自有線ネットワーク2Bから受信したMACフレームの送信元MACアドレスを自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変更して無線送信する。また、無線受信したMACフレームを、その宛先MACアドレスを、このMACフレームに格納されているIPパケットの宛先IPアドレスに対応するMACアドレスに変更してから有線ネットワーク2Bに送信する。したがって、有線ネットワーク2Aから有線ネットワーク2Bに送信される全てのMACフレームの宛先アドレスは、無線LANアクセスポイント3が配下のステーションとして登録している無線LANコンバータ4のMACアドレスとなる。
このため、本実施の形態によれば、無線LANアクセスポイント3と、この無線LANアクセスポイント3にステーションモードで接続する無線LANコンバータ4とを用いて、2つの有線ネットワーク2A、2Bを接続して一つの有線/無線ネットワーク1にするネットワークシステムにおいて、無線LANコンバータ4側の有線ネットワーク2BにIPv6ルータ6B1、6B2が存在する場合でも、IPv6ホスト5A、5B1〜5B3間の通信を正常に行うことができる。
また、本実施の形態では、有線ネットワーク2Bに属する通信装置(IPv6ホスト5B1〜5B3、IPv6ルータ6B1〜6B2)のMACアドレスおよびIPアドレスを含むレコード4310が記憶されるホストアドレス記憶部431と、有線ネットワーク2Bに属するIPv6ルータ6B1〜6B2のMACアドレスおよびIPアドレスを含むレコード4320が記憶されるルータアドレス記憶部432と、を有する。そして、下り中継部45は、無線LANから受信したMACフレームに格納されているIPパケットの宛先IPアドレスに対応付けられたMACアドレスがホストアドレス記憶部431に記憶されている場合に、有線ネットワーク2Bへの送信前に、このMACフレームの宛先MACアドレスを、ホストアドレス記憶部431に記憶されているMACアドレスに変換し、該当するMACアドレスがホストアドレス記憶部431に記憶されていない場合に、有線ネットワーク2Bへの送信前に、このMACフレームの宛先MACアドレスを、ルータアドレス記憶部432に記憶されているMACアドレスに変換する。
このため、本実施の形態によれば、有線ネットワーク2Bに属するIPv6ホストであって、無線LANコンバータ4が認識していないIPv6ホスト(ホストアドレス記憶部431にレコード4310が登録されていないIPv6ホスト)をMACフレームの宛先とする場合でも、そのMACフレームを有線ネットワーク2Aから有線ネットワーク2Bに中継することができる。
また、本実施の形態では、有線ネットワーク2Bから受信したMACフレームに格納されているIPv6パケットの送信元IPアドレス毎に、このMACフレームの送信元MACアドレスおよびこの送信元IPアドレスを含むレコード4310をホストアドレス記憶部431に登録するホストアドレス登録部46を有する。
このため、本実施の形態によれば、有線ネットワーク2Bに属する通信装置5B1〜5B3、6B1〜6B2のMACアドレスおよびIPアドレスを含むレコード4310を自動でホストアドレス記憶部431に登録することができる。
また、本実施の形態では、有線ネットワーク2Bからルータ通知メッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームを受信した場合に、このルータ通知メッセージで指定されているソースリンクレイヤアドレスおよびこのIPv6パケットの送信元IPアドレスを含むレコード4320をルータアドレス記憶部432に登録するルータアドレス登録部47を有する。また、上り中継部44は、ルータ通知メッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームを有線ネットワーク2Bから受信した場合に、このルータ通知メッセージで指定されているソースリンクレイヤアドレスを、自無線LANコンバータ4のMACアドレスに変更する。
このため、本実施の形態によれば、有線ネットワーク2Bに属するIPv6ルータ6B1、6B2のMACアドレスおよびIPアドレスを含むレコード4320を自動でルータアドレス記憶部432に登録することができる。また、有線ネットワーク2Aに属する通信装置5A、6Aに対しては、無線LANコンバータ4のMACアドレスを、有線ネットワーク2Bに属するIPv6ルータ5A、6AのMACアドレスとして認識させることができるので、有線ネットワーク2Bに属するIPv6ルータ5A、6A宛のMACフレームを、無線LANアクセスポイント3に中継させることができる。
また、本実施の形態では、ターゲットリンクレイヤアドレスが指定されたリダイレクトメッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームを有線ネットワーク2Bから受信した場合に、このターゲットリンクレイヤアドレスおよびこのリダイレクトメッセージで指定されている宛先IPアドレスを含むレコード4310をホストアドレス記憶部431に登録するリダイレクトアドレス登録部48を有する。また、上り中継部44は、ターゲットリンクレイヤアドレスが指定されたリダイレクトメッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームを有線ネットワーク2Bから受信した場合に、このリダイレクトメッセージからターゲットリンクレイヤアドレスのオプションを削除する。また、下り中継部45は、ターゲットリンクレイヤアドレスが指定されたリダイレクトメッセージを含むIPv6パケットを格納したMACフレームを無線LANから受信した場合に、このターゲットリンクレイヤアドレスが自無線LANコンバータ4のMACアドレスであるならば、このリダイレクトメッセージからターゲットリンクレイヤアドレスのオプションを削除する。
このため、本実施の形態によれば、有線ネットワーク2Bに属するIPv6ホスト5B1〜5B3のIPアドレスと、このIPv6ホスト5B1〜5B3の次ホップとなるIPv6ルータ6B1、6B2のMACアドレスとを含むレコード4310を、自動でホストアドレス記憶部431に登録することができる。また、無線LANアクセスポイント3にステーションとして登録されていないIPv6ルータのMACアドレスを、有線ネットワーク2Bに属するIPv6ホスト5B1〜5B3の次ホップとなるIPv6ルータ6B1、6B2のMACアドレスとして、有線ネットワーク2Aに属するIPv6ホスト5Aに通知してしまう事態を防止することができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態では、IP層にIPv6を用いた場合を例とり説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明は、IP層に現在最も普及しているIPv4(Internet Protocol Version 4)を用いることも可能である。但し、IPv4のルータ通知メッセージには、ソースリンクレイヤアドレスオプションに相当する情報が存在しない。そこで、ルータ通知メッセージを含むIPv4パケットを格納したMACフレームを有線ネットワーク2Bから受信した場合に、ルータアドレス登録部47が、このMACフレームの送信元MACアドレスと、このルータ通知メッセージで指定されているルータアドレス(IPアドレス)とを含むレコード4320をルータアドレス記憶部432に登録するようにする。
また、IPv4のリダイレクトメッセージには、ターゲットリンクレイヤオプションに相当する情報が存在しない。そこで、リダイレクトメッセージを含むIPv4パケットを格納したMACフレームを有線ネットワーク2Bから受信した場合に、リダイレクトアドレス登録部48が、ARP(Address Resolution Protocol)により(自無線LANコンバータ4が備えるARPテーブルから、もしくはARPリクエストにより)、このIPv4パケットの宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを取得し、取得したMACアドレスおよびこのIPv4パケットの宛先IPアドレスを含むレコード4310をホストアドレス記憶部431に登録するようにする。
また、上記の実施の形態において、図2に示す無線LANコンバータ4の構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実行されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)、PC(Personal Computer)などの計算機によりソフトウエア的に実行されるものでもよい。
1:有線/無線ネットワーク、2A〜2B:有線ネットワーク、3:無線LANアクセスポイント、4:無線LANコンバータ、5A、5B1〜5B3:IPv6ホスト、6A、6B1〜6B2:IPv6ルータ、7A、7B1〜7B3:LAN、41:WLANインターフェース部、42:LANインターフェース部、43:アドレス記憶部、44:上り中継部、45:下り中継部、46:ホストアドレス登録部、47:ルータアドレス登録部、48:リダイレクトアドレス登録部、431:ホストアドレス記憶部、432:ルータアドレス記憶部