JP5018429B2 - 台車シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

この発明は、パンチプレスやレーザ加工機等の板材加工機で素材板材から板材部品を切り取る加工を行い、板材部品を台車に載せて後工程に搬送する板材加工設備に用いられ、台車単位化し、かつ後工程を考慮した加工スケジュールの作成および表示を行う台車シミュレーション装置に関する。
パンチプレスやレーザ加工機等の板材加工機において、素材板材から板材部品を切り取る加工を行い、その切り取った板材部品を、板材搬送装置によりパレット上に搬出して、各後工程へ搬送する板材加工設備がある。板材加工機による板材部品の加工は、素材板材からの板材部品の歩留り等の効率を考慮したネスティング(板取り)を行い、そのネスティング単位で加工する。パレット上に積載した板材部品は、その後、後工程毎に再度仕分けしている。
なお、後工程別にネスティングオーダを作成して、後工程別にパレットに積載することや、納期別にネスティングオーダを作成して、後工程別にパレットに積載することも提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2000−158301号公報
上記従来の単にネスティングの歩留り等の効率を考慮した加工の場合、パレット上に積載した板材部品を、後工程別に再度仕分けする作業が必要で、この仕分け作業に手間が掛かる。納期別にネスティングオーダを作成して加工する場合も、後工程別に仕分けする作業が必要で、その仕分け作業に手間が掛かる。後工程別にネスティングオーダを作成して加工する場合は、後工程別に仕分ることは不要であるが、後工程の加工能力等により、後工程を待つ仕掛かり品となる板材部品が多数枚発生し、その仕掛かり品の保管場所に広い場所が必要となる。また、複数種類ある各後工程の加工能力の違い等で、板材部品の供給の待ち状態となる後工程が生じ、板材加工設備の全体としての加工の効率が低下する。
この発明の目的は、切り取り加工された板材部品の後工程別の再仕分けを不要とでき、かつ各後工程の加工能力に応じたバランスの取れた板材部品の供給が行える加工スケジュールが作成でき、また板材加工機から後工程へ搬送する仕分けの形態が作業者に容易に把握できるようにした台車シミュレーション装置を提供することである。
この発明の他の目的は、加工スケジュールと上記仕分けの形態を、板材加工機の近傍の作業者に対して分かり易く示すことである。
この発明のさらに他の目的は、納期や後工程等の種々異なる板材部品を、各後工程に対してバランスの良い負荷となるように供給できる加工スケジュールの作成が、簡単な処理で適切に行えるようにすることである。
この発明の台車シミュレーション装置は、板材加工機(3)により素材板材(W)から板材部品(w)を切り取る加工を行い、その切り取った板材部品(w)を、板材搬送装置(4)により後工程別の複数の台車(5)に順次搬出し、これら複数の台車(5)で板材部品(w)を各後工程(6)へ搬送する板材加工設備(1)に用いられる台車シミュレーション装置であって、
前記板材加工機(3)により加工する生産指示単位分の板材部品(w)の識別情報、形状・寸法、納期、および後工程種類の情報を定めた情報である生産指示情報(F1)を読み込む生産指示情報読み込み手段(34)と、
この手段で読み込まれた生産指示情報(F1)に含まれる板材部品(w)を、設定規則(R)に従い、後工程毎の台車(5)の単位に分け、かつ設定加工時間毎の加工数量となる複数台の台車分の生産単位にまとめた各単位スケジュール(Sch)を生成する生産スケジュール生成手段(35)と、
前記各単位スケジュール(Sch)に含まれる各台車(5)の後工程別の台車種類、およびその各台車に載せる板材部品(w)の識別情報を示す表示である単位スケジュール内容表示(G)の情報(FG)を出力する単位スケジュール内容表示出力手段(36)とを備えることを特徴とする。なお、この明細書で言う「台車」とは、板材が置かれる板材載置部を有し、搬送可能な物であれば良く、車輪を有するパレットや、車輪を有しないパレット等を含む。
この構成によると、生産指示情報(F1)が読み込まれると、生産スケジュール生成手段(35)は、生産指示情報(F1)に含まれる板材部品(w)を、設定規則(R)に従い、後工程毎の台車(5)の単位に分け、かつ設定加工時間毎の加工数量となる複数台の台車分の生産単位にまとめた各単位スケジュール(Sch)を生成する。これら各単位スケジュール(Sch)に含まれる各台車(5)の後工程別の台車種類、およびその各台車に載せる板材部品(w)の識別情報を示す表示である単位スケジュール内容表示(G)の情報(FG)は、単位スケジュール内容表示出力手段(36)により出力される。
このように、各単位スケジュール(Sch)は、板材部品(w)を後工程毎の台車(5)の単位に分けるため、板材加工機(3)で加工されて台車(5)に搬出された板材部品(w)は、後に再度の仕分けを行うことなく後工程(6)に供給することができる。また、各単位スケジュール(Sch)は、設定加工時間毎の加工数量となる複数台の台車分の生産単位にまとめた加工のスケジュールとしたため、各後工程の加工能力に応じたバランスの取れた板材部品(w)の供給が行える。そのため、板材加工設備(1)の全体としての生産性が向上する。
また、各単位スケジュール(Sch)の内容の表示として、その単位スケジュール(Sch)に含まれる各台車(5)の後工程別の台車種類、およびその各台車(5)に載せる板材部品(w)の識別情報を示す単位スケジュール内容表示(G)を生成し、出力するため、作業者に見えるように適宜の表示装置(9)に表示することで、作業者は、板材加工機(3)から後工程(6)へ搬送する台車(5)の後工程別の種類や、その各台車(5)に載せられた板材部品(w)等の仕分けの形態が容易に把握できる。
この発明において、前記板材加工機(3)の数値制御用の加工プログラム(10)を生成する自動プログラミング装置(2)を構成したコンピュータに、前記生産指示情報読み込み手段(34)、生産スケジュール生成手段(35)、および単位スケジュール内容表示出力手段(36)が設けられ、前記単位スケジュール内容表示出力手段(36)は、前記板材加工機(3)の近傍に設置されて画像を表示する表示装置(9)の画面に、前記単位スケジュール内容表示(G)を画像で表示させるものとしても良い。
この構成の場合、板材加工機(3)の近傍の表示装置(9)の画面に前記単位スケジュール内容表示(G)が表示されるため、各単位スケジュール(Sch)と台車(5)への仕分けの形態が、板材加工機(3)の近傍で作業する作業者に対して、一層分かり易いものとなる。また、加工プログラム(10)を生成する自動プログラミング装置(2)にこの台車シミュレーション装置を構成するため、自動プログラミング装置(2)の各機能が兼用でき、構成が簡素となる。
この発明において、前記生産スケジュール生成手段(35)は、前記単位スケジュール(Sch)を仮生成する仮生成部(37)と、この仮生成した単位スケジュール(Sch)の評価値を所定算出基準に従って算出する評価値算出部(38)と、この算出された評価値の大きさを評価して基準値に満たない場合は前記仮生成部(37)に単位スケジュール(Sch)を再度生成させ、基準値を充足する場合は前記仮生成の単位スケジュール(Sch)を本決まりの単位スケジュール(Sch)とする評価部(39)とを含むものとしても良い。上記基準値は、一定の値に限らず、例えば繰り返し仮生成される単位スケジュール(Sch)の評価値の最良値を順次更新して記憶しておき、適宜定める設定繰り返し回数だけ繰り返した中の最良値としても良い。
このように、評価値を算出して評価するため、納期や後工程等の種々異なる板材部品(w)を、各後工程(6)に対してバランスの良い負荷となるように供給できる加工スケジュール(単位スケジュール(Sch)の集まり)の作成を、簡単な処理で適切に行うことができる。
この発明の台車シミュレーション装置は、板材加工機により素材板材から板材部品を切り取る加工を行い、その切り取った板材部品を、板材搬送装置により後工程別の複数の台車に順次搬出し、これら複数の台車で板材部品を各後工程へ搬送する板材加工設備に用いられる台車シミュレーション装置であって、前記板材加工機により加工する生産指示単位分の板材部品の識別情報、形状・寸法、納期、および後工程種類の情報を定めた情報である生産指示情報を読み込む生産指示情報読み込み手段と、この手段で読み込まれた生産指示情報に含まれる板材部品を、設定規則に従い、後工程毎の台車の単位に分け、かつ設定加工時間毎の加工数量となる複数台の台車分の生産単位にまとめた各単位スケジュールを生成する生産スケジュール生成手段と、前記各単位スケジュールに含まれる各台車の後工程別の台車種類、およびその各台車に載せる板材部品の識別情報を示す表示である単位スケジュール内容表示の情報を出力する単位スケジュール内容表示出力手段とを備えるため、切り取り加工後における板材部品の後工程別の再仕分けを不要とでき、かつ各後工程の加工能力に応じたバランスの取れた板材部品の供給が行える加工スケジュールが作成でき、また板材加工機から後工程へ搬送する台車の後工程別の種類や、その各台車に載せられた板材部品等の仕分けの形態が、作業者に容易に把握できる。
前記板材加工機の数値制御に用いられる加工プログラムを生成する自動プログラミング装置を構成したコンピュータに、前記生産指示情報読み込み手段、生産スケジュール生成手段、および単位スケジュール内容表示出力手段が設けられ、前記単位スケジュール内容表示出力手段は、前記板材加工機の近傍に設置されて画像を表示する表示装置の画面に、前記単位スケジュール内容表示を画像で表示させるものとした場合は、加工スケジュールと上記仕分けの形態を、板材加工機の近傍の作業者により分かり易く示すことができる。
前記生産スケジュール生成手段が、前記単位スケジュールを仮生成する仮生成部と、この仮生成した単位スケジュールの評価値を所定算出基準に従って算出する評価値算出部と、この算出された評価値の大きさを評価して基準値に満たない場合は前記仮生成部に単位スケジュールを再度生成させ、基準値を充足する場合は前記仮生成の単位スケジュールを本決まりの単位スケジュールとする評価部とを含む場合は、納期や後工程等の種々異なる板材部品を、各後工程に対してバランスの良い負荷となるように供給できる加工スケジュールの作成を、簡単な処理で適切に行うことができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図6と共に説明する。この台車シミュレーション装置は、次の構成の板材加工設備1に適用され、その自動プログラミング装置2の一部を構成する。
板材加工設備1は、板材加工機3により鋼板等の素材板材Wから複数枚の板材部品wを切り取る加工を行い、その切り取った板材部品wを、板材搬送装置4により後工程別の複数の台車5に順次搬出し、これら複数の台車5で板材部品wを各後工程6(61 〜63 )へ搬送する設備である。複数の台車5は、板材加工機3に対する所定の搬出エリアE1に入れ替えて配置され、その搬出エリアE1で板材搬送装置4から板材部品wが載置される。なお、この明細書で言う「後工程」は、後工程の加工を行う装置のことである。図示の例では、後工程6(61 〜63 )として、1台の曲げ加工装置(61 )と、2台のボール盤(ボール盤A,ボール盤B)(62 ,63 )がある。
板材加工機3は、板材部品wを切り取る加工が可能なものであれば良いが、さらに、板材部品wの内部に孔等の加工を行うものであっても良い。板材加工機3は、コンピュータ式の制御装置7により自動運転される。制御装置7には操作盤8が付設され、この操作盤8に、画像を表示可能な液晶ディスプレイ等の表示装置9が設けられている。操作盤8は、制御装置7の操作の他に、板材加工機3の手動運転等の操作が可能なものである。制御装置7は、数値制御装置およびプログラマブルコントローラ等からなり、加工プログラム10を解読して実行する。上記自動プログラミング装置2は、この加工プログラム10を生成する装置である。板材搬送装置4は、搬送制御プログラムを解読して実行するコンピュータ式の搬送制御装置11(図5)により制御される。
図5と共に、板材加工設備1の具体例を説明する。板材加工機3は、パンチプレスまたはレーザ加工機等からなる。板材加工機3は、加工を施す加工ヘッド部12、およびテーブル13上の素材板材Wを加工ヘッド部12に対して前後(Y方向),左右(X方向)に送る板材送り機構14を備える。
板材搬送装置4は、板材加工機1のテーブル5上に対して、各板材部品wの搬出、および素材板材Wの搬入を行う装置である。板材搬送装置4は、レール15上を前後移動する前後移動台16に、左右方向に延びる架設レール17を設け、この架設レール17に走行体18を走行自在に設置したものである。走行体18は、素材板材Wや板材部品wを吸着して把持する板材保持部19を有している。板材保持部19は、複数の真空吸着パッド等により構成される。板材搬送装置4は、2本のレール7間の載置エリアE2に設置されて複数のパレットを有する板材ストッカ(図示せず)と、載置エリアE2の側方となる前記搬出エリアE1に位置させた台車5とに、板材部品wを振り分けて搬出可能である。この実施形態は、台車5に搬出する場合に適用される。
図6は、台車5の具体例を示す。台車5は、台車本体20にキャスタ21を設けたものであり、立掛け載置部22と、上段載置部23と、下段載置部24との3種類の載置部を有している。下段載置部24は、台車本体20に対して引出しおよび収納自在な可動棚として設けられている。上記各載置部22〜24には、板材部品wが、種類や大きさに応じて振り分けて載置される。どの載置部22〜24に板材部品wを載置するかは、図5の搬送制御装置11の制御プログラムにより定める。なお、同図の台車5は一例であり、台車5は、一つの載置部のみを有するものであっても良い。
図1において、自動プログラミング装置2は、上記加工プログラム10を生成する自動プログラミング部31と、加工スケジュールを生成する後述の各手段とを備えている。自動プログラミング部31は、板取り部32と実行NCデータ化部33とを有する。板取り部32は、素材板材Wに対して、板材部品wのネスティングを設定規則に従って行う手段であり、ネスティングオーダとして入力された板材部品wの枚数分のネスティングをまとめて行う。入力されるネスティングオーダには、各板材部品wの形状のデータが含まれる。ネスティングは、素材板材Wの形状に対して、板材部品wの形状を配置する処理である板取りのことである。上記設定規則としては、歩留りを最小とする規則や、素材板材Wのどの箇所からどの方向に板材部品wを並べるか等の規則がある。実行NCデータ化部33は、板取り部32で生成されたネスティング結果データを、制御装置7で実行可能な形式のNC(数値制御)データである加工プログラム10に変換する手段である。板材加工機3がパンチプレスの場合は、実行NCデータ化部33は、ネスティング結果データに対して、板材部品wの周囲形状のどの箇所にどのパンチ工具を配置するかを定める工具配置手段(図示せず)と、その工具配置結果を実行可能な形式の加工プログラム10に変換する手段とを有する。
この実施形態では、上記構成の自動プログラミング部31を有する自動プログラミング装置2を構成するコンピュータに、台車シミュレーション装置の各構成要素となる生産指示情報読み込み手段34、生産スケジュール生成手段35、および単位スケジュール内容表示出力手段36を設けている。
生産指示情報読み込み手段34は、生産指示情報F1を、自動プログラミング装置2に対する外部、または自動プログラミング装置2内の記憶手段から、加工スケジュールを生成する情報として読み込む手段である。
生産指示情報F1は、板材部品wを生産する一つの纏まりとなる生産指示単位分の生産指示の情報であって、例えば、今日1日で加工する分や、あるいは半日分など、ある程度長い時間(例えば半日分以上)分の生産指示の情報である。生産指示情報F1には、生産する各板材部品wの識別情報、形状・寸法、納期、後工程種類、およびその他の適宜の情報が含まれる。上記その他適宜の情報は、例えば、板厚、材質があり、また複数の板材部品wを一組として生産する場合におけるその組とその組に含まれる板材部品wの識別情報等である。板材部品wの識別情報は、板材部品wの1枚毎を識別する情報に限らず、同じ形状・寸法(板厚,材質も同じ)の板材部品wに対して共通して付される情報であっても良い。
この実施形態では、生産指示情報F1は、今日1日で加工する板材部品wの生産指示の情報としている。なお、図1では、生産指示情報F1として、部品1〜部品15のみを図示したが、実際にはさらに多く含んでおり、一般的には数十ないし数百枚になる。
生産スケジュール生成手段35は、生産指示情報読み込み手段34で読み込まれた生産指示情報F1に含まれる板材部品wを、設定規則Rに従い、後工程6(61 〜63 )毎の台車の単位に分け、かつ設定加工時間毎の加工数量となる複数台の台車分の生産単位にまとめた各単位スケジュールSchを生成する。上記「設定加工時間」は、例えば、1〜3時間程度の範囲で適宜設定される時間であり、この実施形態では、2時間としている。
生産スケジュール生成手段35は、図3に概念図で示すように、生産指示情報F1に含まれる板材部品wを、まず後工程の単位に分け、これを台車単位化して、例えば、2時間単位で纏める。これをクール化と称することとする。この纏められた一つの内容が、単位スケジュールSchである。
一つの単位スケジュールSchには、一般的には、複数台の台車5と、その各台車5に載せる各板材部品wの情報とが含まれる。例えば、図1の表示装置9の画面例に示すように、第1の単位スケジュールSch(1)には、1台の曲げ加工装置行きの台車5と、各ボール盤A,B行きの2台の台車5があり、曲げ加工装置行きの台車5には、部品1,部品2,部品3の識別情報で示す3枚の板材部品wを載せるものとされる。また、ボール盤A行きの台車5には、部品7,部品8,部品9の3枚の板材部品wが載せられ、ボール盤B行きの台車5には部品12,部品13の2枚の板材部品wが載せられるものとされる。
各単位スケジュールSchは、一つの板取りオーダであり、自動プログラミング部31の板取り部32に入力される。板取り部32は、この単位スケジュールSch毎に、素材板材Wに対する板材部品wのネスティングを行う。
単位スケジュール内容表示出力手段36は、生産スケジュール生成手段35で生成された各単位スケジュールSchに含まれる各台車5の後工程別の台車種類(例えば、曲げ行き台車、ボール盤A行き台車等の区別)、およびその各台車5に載せる板材部品wの識別情報(図示の例では、「部品1」,「部品2」,…等)を示す表示である単位スケジュール内容表示Gの情報FGを出力する手段である。この出力された情報FGは、板材加工機3の近傍に設置された操作盤8の表示装置9に入力され、この表示装置9の画面に、上記単位スケジュール内容表示Gが画像で表示される。
生産スケジュール生成手段35の具体例を説明する。上記設定規則Rは、例えば、納期の近い板材部品wを早い単位スケジュールSchに含ませる規則や、各後工程6(61 〜63 )の加工能力に応じて板材部品wの枚数を制限する規則、および特急品を優先させる規則等である。上記設定規則Rを具体化した手段として、この実施形態では、仮生成部37、評価値算出部38、評価部39、出力部40、および条件変更部41を設けている。仮生成部37は、設定最低条件を満足する範囲で、単位スケジュールSchを仮生成する手段である。
評価値算出部38は、上記の仮生成された単位スケジュールSchの評価値を所定算出基準に従って算出する手段である。評価部39は、その算出された評価値の大きさを評価して基準値に満たない場合は前記仮生成部37に単位スケジュールSchを再度生成させ、基準値を充足する場合は前記仮生成の単位スケジュールSchを本決まりの単位スケジュールSchとする。上記基準値は、一定の値に限らず、例えば繰り返し仮生成される単位スケジュールSchの評価値の最良値を順次更新して記憶しておき、適宜定める設定繰り返し回数だけ繰り返した中の最良値、または仮生成可能な全ての単位スケジュールSchの中の最良値を基準値としても良い。出力部40は、評価部39で定めた本決まりの単位スケジュールSchを出力する手段である。条件変更部41は、単位スケジュールSchを生成するための納期や進捗状況等の条件の変更の有無を判断し、仮生成部37に対して条件変更の有無に応じ、同じ条件のままで再度単位スケジュールSchを再生成させるか条件を変えて再生成させるかを定める手段である。
生産スケジュール生成手段35の上記各部37〜41、および生産指示情報読み込み手段34により、図2に流れ図で示す処理が行われる。同図に従い、この台車シミュレーション装置の処理を説明する。
図2のステップS1に示すように、まず、生産指示情報F1を、生産指示情報読み込み手段34で読み込む。生産指示情報F1は、図1と共に前述したように、例えば今日1日に加工する板材部品wの情報である。
生産スケジュール生成手段35は、仮生成部37により、生産指示情報F1につき、含まれる各板材部品wを図3のように後工程別に分け、この後工程別に分けられた板材部品wにつき、各種の条件に従って、何番目の単位スケジュールSchに含ませても良いか、またある複数の板材部品wにつき同じ台車5に載せる必要があるか否か等の最低条件を満たすように区分する。この後工程別に分け、最低条件を満たすように区分する処理が、ステップS2の「台車ネスティング条件で絞り込む」という処理である。
上記各種の条件は、例えば、納期、後工程の区別、板厚、進捗状況(現在の板材加工機3の加工スケジュール消化の進捗状況や各後工程6の進捗状況)、負荷(その板材部品wの加工に要する時間)、板材部品wの寸法、板材部品wの組の情報等である。これらの条件は、生産指示情報F1から直接に得られ、または生産指示情報F1を適宜のデータベースと照合することで得られる情報であるが、生産指示情報F1から得られない情報、例えば進捗状況については、生産スケジュール生成手段35に設定部(図示せず)を設けておいて、自動でまたは手動入力で適宜設定する。
このように、絞り込みを行った後、その絞り込むまれた範囲(すなわち最低条件を充足する範囲)で、後工程毎の台車5の単位に分け、かつ設定加工時間毎の加工数量となる複数台の台車分の生産単位にまとめた単位スケジュールSchを仮に生成する(ステップS3)。図1の仮生成部37は、このステップS2,S3の処理を行う。
評価値算出部38は、このように仮生成された単位スケジュールSchにつき、適宜設定された所定算出基準に従って評価値を算出する(ステップS4)。上記の所定算出基準は、例えば、納期や後工程等の別に、各板材部品wに付す数値(例えば、加算する数値である1、0.5等の値や、係数として乗算する数値である1.2等の値)を定めた基準である。評価値の算出は、このように定められた評価値を加算したり乗算することなどで行う。
評価部39は、このように算出された評価値の大きさを評価して(ステップS5)、すなわち基準値と比較して、基準値に満たない場合は仮生成部37に単位スケジュールSchを再度生成させ、基準値を充足する場合はその単位スケジュールSchを本決まりの単位スケジュールとする。なお、評価部39は、個々の単位スケジュールSch毎に行っても良く、また生産指示情報F1に対応する全ての単位スケジュールSchにつきまとめて行うようにしても良い。
再度生成させる場合に、条件変更部41は、条件変更の有無を確認し、条件変更がない場合は、台車ネスティングのステップS3に戻って、単に仮生成の単位スケジュールSchを再度作成する。再作成の単位スケジュールSchは、前の単位スケジュールSchとは別の内容とする。
条件変更部41において、条件変更する場合(例えば、特急の板材部品wの発生や、進捗状況の変化などがある場合)は、ステップS2の台車ネスティング条件での絞り込みに戻って、その絞り込み処理をやり直した後、台車ネスティングのステップS3で、仮生成の単位スケジュールSchを再度作成する。
このように再作成した単位スケジュールSchにつき、評価値算出部38で評価値を算出し(ステップS4)、その算出した評価値を評価する(ステップS5)。基準値を充足する場合はその単位スケジュールSchを本決まりの単位スケジュールSchとして出力する(ステップS6)。単位スケジュールSchは、板取りのネスティングオーダであり、出力部40は、自動プログラミング部31の板取り部32に単位スケジュールSchをネスティングオーダとして出力すると共に、単位スケジュール内容表示出力手段36に出力する。
単位スケジュール内容表示出力手段36は、表示装置9の画面に、図1や図3の右上部分に示すように、スケジュール内容表示Gを出力する。
この台車シミュレーション装置によると、このように、各単位スケジュールSchは、板材部品wを後工程毎の台車5の単位に分けるため、板材加工機3で加工されて台車5に搬出された板材部品wは、後に再度の仕分けを行うことなく後工程6に供給することができる。また、各単位スケジュールSchは、設定加工時間毎の加工数量となる複数台の台車分の生産単位にまとめた加工のスケジュールとしたため、各後工程6の加工能力に応じたバランスの取れた板材部品wの供給が行える。そのため、板材加工設備1の全体としての生産性が向上する。
また、各単位スケジュールSchの内容の表示として、その単位スケジュールSchに含まれる各台車5の後工程別の台車種類、およびその各台車5に載せる板材部品wの識別情報を示す単位スケジュール内容表示Gを生成し、出力するため、作業者に見えるように適宜の表示装置9に表示することで、作業者は、板材加工機3から後工程6へ搬送する台車5の後工程別の種類や、その各台車5に載せられた板材部品w等の仕分けの形態が容易に把握できる。
板材加工機3の近傍の表示装置9の画面に前記単位スケジュール内容表示Gを表示させる場合は、各単位スケジュールSchと台車5への仕分けの形態が、板材加工機3の近傍で作業する作業者に対して、一層分かり易いものとなる。また、この実施形態は、加工プログラム10を生成する自動プログラミング装置2に、この台車シミュレーション装置を構成するため、自動プログラミング装置2の各機能が兼用でき、構成が簡素となる。
また、この実施形態では、上記のように評価値を算出して評価するため、納期や後工程等の種々異なる板材部品wを、各後工程6に対してバランスの良い負荷となるように供給できる加工スケジュール(単位スケジュール(Sch)の集まり)の作成を、簡単な処理で適切に行うことができる。
また、特急に加工する板材部品wの必要が生じた場合に、表示装置9の画面に表示される単位スケジュール内容表示Gを見ることで、早い単位スケジュールSchに割り込んで含ませる台車5やその台車5に載せる板材部品wへの組替処理が容易に行える。図4は割込みによる組替処理の概念を示す。この割込みによる組替処理は、人手による入力で行うようにしても、自動で行うようにしても良いが、割込処理の自動化については、説明を省略する。
この発明の一実施形態に係る台車シミュレーション装置およびその対象となる板材加工設備の概念構成を示すブロック図である。 同台車シミュレーション装置の処理の流れ図である。 同台車シミュレーション装置の処理の概念を示す説明図である。 同台車シミュレーション装置の処理の概念を示す他の説明図である。 板材加工設備の一例を示す斜視図である。 台車の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1…板材加工設備
2…自動プログラミング装置
3…板材加工機
4…板材搬送装置
5…台車
6,61 〜63 …後工程
7…制御装置
8…操作盤
9…表示装置
10…加工プログラム
11…搬送制御装置
31…自動プログラミング部
34…生産指示情報読み込み手段
35…生産スケジュール生成手段
36…単位スケジュール内容表示出力手段
37…仮生成部
38…評価値算出部
39…評価部
40…出力部
E1…搬出エリア
F1…生産指示情報
FG…情報
G…単位スケジュール内容表示
R…設定規則
Sch…単位スケジュール
W…素材板材
w…板材部品

Claims (3)

  1. 板材加工機により素材板材から板材部品を切り取る加工を行い、その切り取った板材部品を、板材搬送装置によって後工程別の複数の台車に順次搬出し、これら複数の台車で板材部品を各後工程へ搬送する板材加工設備に用いられる台車シミュレーション装置であって、
    前記板材加工機により加工する板材部品の生産指示単位分の識別情報、形状・寸法、納期、および後工程種類の情報を定めた情報である生産指示情報を読み込む生産指示情報読み込み手段と、
    この手段で読み込まれた生産指示情報に含まれる板材部品を、設定規則に従い、後工程毎の台車の単位に分け、かつ設定加工時間毎の加工数量となる複数台の台車分の生産単位にまとめた各単位スケジュールを生成する生産スケジュール生成手段と、
    前記各単位スケジュールに含まれる各台車の後工程別の台車種類、およびその各台車に載せる板材部品の識別情報を示す表示である単位スケジュール内容表示の情報を出力する単位スケジュール内容表示出力手段とを備える、
    ことを特徴とする台車シミュレーション装置。
  2. 前記板材加工機の数値制御用の加工プログラムを生成する自動プログラミング装置を構成したコンピュータに、前記生産指示情報読み込み手段、生産スケジュール生成手段、および単位スケジュール内容表示出力手段が設けられ、前記単位スケジュール内容表示出力手段は、前記板材加工機の近傍に設置されて画像を表示する表示装置の画面に、前記単位スケジュール内容表示を画像で表示させるものとした請求項1記載の台車シミュレーション装置。
  3. 前記生産スケジュール生成手段は、前記単位スケジュールを仮生成する仮生成部と、この仮生成した単位スケジュールの評価値を所定算出基準に従って算出する評価値算出部と、この算出された評価値の大きさを評価して基準値に満たない場合は前記仮生成部に単位スケジュールを再度生成させ、基準値を充足する場合は前記仮生成の単位スケジュールを本決まりの単位スケジュールとする評価部とを含む請求項1または請求項2記載の台車シミュレーション装置。
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