JP5017654B2 - 3次元左手系メタマテリアル - Google Patents
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Description
本発明は電磁波を伝播させるための人工的な媒質(メタマテリアル)に関し、詳しくは、3次元の電磁波伝播媒質として機能し、媒質の等価的な誘電率と透磁率の両者が負となる3次元左手系メタマテリアルに関するものである。
金属、誘電体、磁性体、超伝導体などの小片(単位構造体)を、波長に対して十分短い間隔(波長の10分の1程度以下)で並べることで自然にはない性質を持った媒質を人工的に構成することができる。この媒質を自然にある媒質のカテゴリに比べてより大きいカテゴリに属する媒質と言う意味でメタマテリアル(metamaterials)と呼んでいる。メタマテリアルの性質は、単位構造体の形状、材質およびそれらの配置により様々に変化する。
中でも、等価的な誘電率εと透磁率μとが同時に負となるメタマテリアルは、その電界と磁界と波数ベクトルが左手系をなすことから「左手系媒質(LHM:Left-Handed Materials)」と名付けられた。この左手系媒質を本明細書においては左手系メタマテリアルと呼ぶ。これに対して、等価的な誘電率εと透磁率μとが同時に正となる通常の媒質は「右手系媒質(RHM:Right-Handed Materials)」と呼ばれる。これら誘電率ε、透磁率μと媒質との関係領域は、図1に示すように、誘電率εの正負および透磁率μの正負に応じた第1象限〜第4象限の媒質に分類できる。右手系媒質は第1象限の媒質であり、左手系媒質は第3象限の媒質である。
特に、左手系メタマテリアルは、波の群速度(エネルギーの伝播する速度)と位相速度(位相の進む速度)の符号が逆転している波(バックワード波と呼ばれる)の存在や、また、非伝播領域で指数関数的に減衰する波であるエバネセント波の増幅、等の特異な性質を持つものである。そして、左手系メタマテリアルによるバックワード波を伝送する線路を人工的に構成することができる。このことは、下記の非特許文献1、非特許文献2にも記載されているように公知である。
この左手系媒質構成の概念に基づき、金属パターンからなる単位セルを周期的に並べてバックワード波を伝播させる線路が提案されている。これまで、その伝送特性が理論的に取り扱われ、この線路が左手系伝送帯域を持つこと、左手系伝送帯域と右手系伝送帯域との間にバンドギャップが生じること、そのバンドギャップ幅は単位セル中のリアクタンスによりコントロールすることができること等が理論的に明らかになっている。これらに関しては、下記の非特許文献3に記載されている。
D. R. Smith, W. J. Padilla, D. C.Vier, S. C. Nemat-Nasser, and S. Schultz, "Composite medium with simultaneouslynegative permeability and permittivity," Phys. Rev. Lett., vol. 84, no. 18,pp.4184-4187, May 2000 C. Caloz, and T. Itoh, "Applicationof the transmission line theory of left-handed (LH) materials to therealization of a microstrip LH line", IEEE-APS Int'l Symp. Digest, vol. 2, pp.412-415, June 2002 Atsushi Sanada, Chritophe Calozand Tatsuo Itoh,"Characteristics of the Composite Right/Left-HandedTransmission Lines," IEEE Microwave and Wireless Component Letters, Vol.14,No.2, pp. 68-70, February 2004
D. R. Smith, W. J. Padilla, D. C.Vier, S. C. Nemat-Nasser, and S. Schultz, "Composite medium with simultaneouslynegative permeability and permittivity," Phys. Rev. Lett., vol. 84, no. 18,pp.4184-4187, May 2000 C. Caloz, and T. Itoh, "Applicationof the transmission line theory of left-handed (LH) materials to therealization of a microstrip LH line", IEEE-APS Int'l Symp. Digest, vol. 2, pp.412-415, June 2002 Atsushi Sanada, Chritophe Calozand Tatsuo Itoh,"Characteristics of the Composite Right/Left-HandedTransmission Lines," IEEE Microwave and Wireless Component Letters, Vol.14,No.2, pp. 68-70, February 2004
左手系メタマテリアルは、その構成上から共振型と非共振型に大別できる。最初に作成された左手系メタマテリアルはワイヤ共振器とスプリットリング共振器とを組み合わせた共振型のものである。この左手系メタマテリアルはワイヤ共振器とスプリットリング共振器とをx,y,z軸の直交3軸方向に配列することで3次元化が可能である。この左手系メタマテリアルは、ワイヤ共振器人工誘電体の実効的な誘電率およびスプリットリング共振器人工磁性体の実効的な透磁率が、共振周波数の近傍でともに負になる領域を使用するものである。このため、左手系媒質として機能する周波数帯域幅が狭いという欠点がある。さらに、共振周波数の近傍周波数を使用するため損失が大きくなるという欠点がある。
これに対して、非共振型の左手系メタマテリアルは、通常の媒質における伝送線路の分布定数インダクタンス(L)、分布定数キャパシタンス(C)を逆に配置した伝送線路の特性に基づいている。このような分布定数LCを逆転させた伝送線路においては、前述のバックワード波が伝送され、左手系メタマテリアルとしての性質を持つのである。非共振型の左手系メタマテリアルは、共振型と比較すると、左手系媒質として機能する周波数帯域幅が広く、損失が小さくなるという特徴がある。
非共振型の左手系メタマテリアルとしては、集中定数LC素子(チップインダクタ、チップコンデンサ等)を使用した伝送回路や、伝送路に周期的な構造を配置した分布定数型の媒質があった。しかし、集中定数LC素子を使用したものは動作周波数に上限(素子の自己共振周波数以下でのみ動作可能)があるという問題点があり、数GHz以上で動作する左手系メタマテリアルは実現困難であった。また、集中定数LC素子を多数使用するため製作が困難であり、製造コストも高くなる。
いずれにしても、非共振型の左手系メタマテリアルは、1次元または2次元の電磁波伝播媒質として機能するものに限られていた。これらの1次元または2次元の非共振型左手系メタマテリアルは接地導体を必要とするため、これらと同様の発想からなる3次元非共振型左手系メタマテリアルは構成が複雑になりこれまで実現されていない。
そこで、本発明は、簡単な構成で3次元の電磁波伝播媒質として機能し、媒質の等価的な誘電率と透磁率の両者が同時に負の値となる、全く新たな構成による3次元左手系メタマテリアルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の3次元左手系メタマテリアルは、立方体の単位格子を3次元空間の互いに直交する3方向に繰り返し配置した構造の3次元左手系メタマテリアルであって、導体からなり、前記単位格子の各頂点を中心とする位置に配置された第1粒子体と、導体からなり、前記単位格子の各面の中心である面心点を中心とする位置に配置された第2粒子体と、導体からなり、前記第1粒子体と前記単位格子の中心点とを連結する第1連結部と、導体からなり、前記第2粒子体と前記中心点とを連結する第2連結部とを有するものである。
また、上記の3次元左手系メタマテリアルにおいて、前記第1粒子体および前記第2粒子体は球体であることが好ましい。
また、上記の3次元左手系メタマテリアルにおいて、前記第1粒子体および前記第2粒子体の球の半径は、前記単位格子の1辺の寸法の0.20〜0.30倍であることが好ましい。
本発明は、以上のように構成されているので、以下のような効果を奏する。
本発明によれば、3次元の電磁波伝播媒質として機能し、媒質の等価的な誘電率と透磁率の両者が同時に負の値となる3次元左手系メタマテリアルを実現することができる。その3次元左手系メタマテリアルを利用してスーパーレンズやスーパーレンズを使用したレンズアンテナや、分散特性を利用したカプラや共振器などの種々の応用機器・デバイスを実現することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図2は、本発明のメタマテリアル6の構成を示す斜視図である。図2では、メタマテリアル6の全体構成を示すために、細部および内部の構成は正確に表示されていない。メタマテリアル6は、立方体形状の単位格子5を3次元空間の互いに直交する3方向(xyz軸方向)に繰り返し密着配置した構造となっている。
単位格子5は立方体形状であり、8個の頂点51と6個の面を有する。各面の中心点を面心点52とする。単位格子5の立方体の中心を中心点50とする。これらの各点に関しては図4、図5も参照されたい。単位格子5の8個の頂点51の位置にはそれらの頂点51を中心とする第1粒子体1がそれぞれ配置されている。また、単位格子5の6個の面心点52の位置にはそれらの面心点52を中心とする第2粒子体2がそれぞれ配置されている。これらの第1粒子体1および第2粒子体2は、第1連結部3および第2連結部4によって中心点50に連結されている。第1粒子体1および第2粒子体2、第1連結部3および第2連結部4は、それぞれ導体(典型的には金属)からなるものである。
なお、図2では、メタマテリアル6表面での第1粒子体1および第2粒子体2の配置を明示するために、メタマテリアル6内部の第1粒子体1および第2粒子体2と第1連結部3および第2連結部4の表示を省略している。ただし、図示した1つの単位格子5に関しては、メタマテリアル6内部の第1粒子体1および第2粒子体2と第1連結部3および第2連結部4も表示している。
なお、図2では、第1粒子体1は白色の球体で示され、第2粒子体2はハッチングを付した球体で示されている。符号を付していないものも白色の球体は第1粒子体1であり、ハッチングを付した球体は第2粒子体2である。また、図2では、3×3×3=27個の単位格子5を配列した状態が表示されているが、実際のメタマテリアルではさらに多数の単位格子5が配列される。
図3は、単位格子5における第1粒子体1および第2粒子体2の配置を模式的に示す図である。なお、図3では、第1粒子体1および第2粒子体2の配置と接続状態を明示するために、第1粒子体1および第2粒子体2の大きさを実際よりも小さく表示している。また、この図でも第1粒子体1が白色の球体で示され、第2粒子体2はハッチングを付した球体で示されている。
図示のように、第1粒子体1は単位格子5の各頂点51を中心とするように配置されており、第2粒子体2は単位格子5の各面心点52を中心とするように配置されている。これらの第1粒子体1および第2粒子体2は、結晶構造で言うところの面心立方格子構造と同じ配置となっている。
また、それぞれの第1粒子体1(8個)は第1連結部3によって単位格子5の中心点50に連結されており、それぞれの第2粒子体2(6個)は第2連結部4によって単位格子5の中心点50に連結されている。ここで、第1連結部3および第2連結部4は導体からなる棒状の構造体である。図3では、両者の区別を明瞭にするために、第1連結部3を黒色で表示し、第2連結部4をハッチングを付した表示としている。実際には、両者は同一の材料(導体)からなるものでよい。
第1粒子体1および第2粒子体2の全ては、第1連結部3および第2連結部4によって単位格子5の中心点50と連結されるので、電気的にも中心点50と接続されることになる。また、単位格子5はxyz軸方向に繰り返し密着配置されているので、各頂点51においては8個の単位格子5が互いに接することになる。したがって、第1粒子体1は周囲の8個の単位格子5のそれぞれの中心点50に連結されている。また、各面心点52においては2個の単位格子5が互いに接することになり、第2粒子体2は隣接する2個の単位格子5のそれぞれの中心点50に連結されている。
これらの連結により、メタマテリアル6における全ての第1粒子体1および第2粒子体2は互いに電気的に接続されている。すなわち、メタマテリアル6は全体が1つの導体からなるものである。このため、導体同士を絶縁するための構成が必須ではなくなり、構造を簡素化することができる。また、メタマテリアル6の構造が面心立方格子構造であるため、機械的強度も大きい。
図4は、メタマテリアル6を上方(z軸+側)から見た拡大平面図である。1つの単位格子5を中心に拡大表示している。単位格子5を二点鎖線で表示しており、単位格子5の頂点51、面心点52、中心点50も表示している。単位格子5は立方体である。また、ここでは単位格子5内部の構成を明示するために、単位格子5の上面の面心点にある第2粒子体2は表示を省略している。第1粒子体1は第1連結部3によって単位格子5の中心点50に連結されており、第2粒子体2は第2連結部4によって単位格子5の中心点50に連結されている。
図5も、メタマテリアル6を上方(z軸+側)から見た拡大平面図であり、単位格子5の上面にある第1粒子体1および第2粒子体2のみを表示したものである。上面の各頂点51にはそれぞれ第1粒子体1が配置されており、面心点52には第2粒子体2が配置されている。図5の第1粒子体1および第2粒子体2の配置は、上面だけでなく単位格子5の6個の面の全てにおいて当てはまる。
なお、第1連結部3および第2連結部4は、ここでは断面形状が正方形の四角柱としているが、円柱や多角柱などの他の形状でもよい。また、第1粒子体1および第2粒子体2の形状も、ここでは球形としているが、立方体や他の多面体形状としてもよく、平面や曲面によって囲まれた任意形状の粒子体とすることができる。
単位格子5の1辺の長さを寸法Pとすると、寸法Pは単位格子5の配列ピッチでもある。第1粒子体1および第2粒子体2の球の半径を寸法rとすると、寸法rは0.25Pとしている。すなわち、第1粒子体1および第2粒子体2の球の直径(2r)は0.5Pである。また、第1連結部3の断面の正方形の1辺の寸法は0.1Pとし、第2連結部4の断面の正方形の1辺の寸法は0.122Pとしている。なお、ここでは第1連結部3の断面寸法と第2連結部4の断面寸法とを異なるようにしているが、両者の断面寸法は同じであってもよい。
図5に示すように、単位格子5の1つの面に配置された第1粒子体1および第2粒子体2はその面上では接触しないように構成されている。したがって、第1粒子体1および第2粒子体2の半径rは、r<√2・P/4=0.3536Pの条件を満足する必要がある。ただし、この条件式では2の平方根を√2と表記している。実際には、寸法rは0.2P〜0.3Pの範囲が好ましい。
以上のようなメタマテリアル6は、隣接する第1粒子体1および第2粒子体2の間にキャパシタンスを持ち、かつ、第1連結部3および第2連結部4によるインダクタンスを持つ。このようなキャパシタンスとインダクタンスにより、どのようにしてメタマテリアル6の左手系特性が生じるのかの明確な説明はまだできていない。しかし、後述の電磁界シミュレーション結果に示すように、このメタマテリアル6は特定の周波数領域で左手系媒質の特性を示す。
このようなメタマテリアル6の各部の寸法の実例を示すと、単位格子5の1辺の寸法P:10.0mm、第1粒子体1および第2粒子体2の球の半径r:2.5mm、第1連結部3の断面の正方形の1辺の寸法:1.0mm、第2連結部4の断面の正方形の1辺の寸法:1.22mmとする。このような寸法・配置のメタマテリアル6は、後述のように14.54〜14.71GHz付近で左手系媒質の特性を示す。なお、この寸法例は一例であり、他の任意の寸法とすることができる。メタマテリアルの寸法・配置を変更すれば、左手系媒質の特性を示す周波数も変化する。
図6に、上記の寸法・配置によるメタマテリアル6の分散特性を示す。これは図3〜図5に示すような単位格子5においてx,y,z軸方向に周期境界条件を与えて計算した有限要素法による電磁界シミュレーション結果である。黒点が最も低次の伝播モードを表し、白抜きの点がその次に周波数の低い第2次モードを表している。
x軸方向の波数をkx、y軸方向の波数をky、z軸方向の波数をkzとすると、伝搬定数βは、β=(kx 2+ky 2+kz 2)1/2である。図6の横軸のΓ、X、MおよびRはそれぞれ波数(kx,ky,kz)空間上の高対称点すなわち点Γ(0,0,0)、点X(π/P,0,0)、点M(π/P,π/P,0)、点R(π/P,π/P,π/P)である。ただし、πは円周率、Pは単位格子5の配列ピッチである。
Γ−X区間はβをkx=0→π/Pかつky=kz=0なる関係で変化させた区間を、X−M区間はβをkx=π/P,ky=0→π/P,kz=0なる関係で変化させた区間を示す。また、M−R区間はβをkx=ky=π/P,kz=0→π/Pなる関係で変化させた区間を、およびR−Γ区間はβをkx=ky=kz,kx=π/P→0なる関係で変化させた区間をそれぞれ示す。
また図6の縦軸は周波数fである。この分散曲線のΓ−X区間およびR−Γ区間中の任意の点において、点Γから引いた直線の傾きに2πを乗じたもの2πf/β(=ω/β;ωは角周波数)は位相速度(vp)を示し、またこの点における接線の傾きに2πを乗じたもの2π∂f/∂β(=∂ω/∂β)は群速度(vg)を示す。
黒点の最低次モードに着目すると、本分散曲線のΓ−X区間およびR−Γ区間において、βの絶対値が増加するに従って周波数が低くなる領域がある。このような領域では群速度と位相速度との符号が異なるバックワード波が伝播することが分かる。これは、この領域でメタマテリアル6が左手系媒質の特性となっていることを示すものである。すなわち、メタマテリアル6は14.54〜14.71GHz付近で左手系媒質の特性を示す。
以上のメタマテリアル6において、前述のように、第1連結部3および第2連結部4の形状は、四角柱だけでなく円柱や多角柱などの他の形状でもよい。また、第1連結部3および第2連結部4の太さ(断面寸法)は小さくするほど左手系媒質として動作する周波数が低下し、メタマテリアル6がより均質媒質として機能することが分かっている。
なお、単位格子5は直交3軸(xyz軸)方向に等間隔で周期的に配置されていることが望ましい。しかし、単位格子5の位置および内部構造各部の寸法が厳密に正確な周期性を持っていなくとも、左手系メタマテリアルとしての特性を示し、ある程度の範囲での位置ずれおよび寸法誤差は許容される。
以上のような、3次元左手系メタマテリアルの応用例としては、媒質が負の屈折率となることを利用したレンズがある。この負屈折率レンズは結像した像の分解能が波源の大きさ以下となり、いわゆるスーパーレンズとして動作する。スーパーレンズとは、分解能が波の回折限界(波長程度)を超えて高くなるレンズである。通常の右手系媒質によるレンズでは、結像の分解能は波の回折限界によって波源の波長よりも大きくなってしまう。3次元左手系メタマテリアルの応用例としては、さらに、上記のスーパーレンズによる短波長領域での高分解能フォトリソグラフィや、負屈折率を利用したビーム走査アンテナ、分散特性を利用したカプラや共振器など種々のデバイスが考えられる。
本発明によれば、3次元の電磁波伝播媒質として機能し、媒質の等価的な誘電率と透磁率の両者が同時に負の値となる3次元左手系メタマテリアルを実現することができる。また、その3次元左手系メタマテリアルを利用してスーパーレンズやスーパーレンズによる高分解能フォトリソグラフィや、分散特性を利用したカプラや共振器などの種々の応用機器・デバイスを実現することができる。
1 第1粒子体
2 第2粒子体
3 第1連結部
4 第2連結部
5 単位格子
6 メタマテリアル
50 中心点
51 頂点
52 面心点
2 第2粒子体
3 第1連結部
4 第2連結部
5 単位格子
6 メタマテリアル
50 中心点
51 頂点
52 面心点
Claims (3)
- 立方体の単位格子(5)を3次元空間の互いに直交する3方向に繰り返し配置した構造の3次元左手系メタマテリアルであって、
導体からなり、前記単位格子(5)の各頂点(51)を中心とする位置に配置された第1粒子体(1)と、
導体からなり、前記単位格子(5)の各面の中心である面心点(52)を中心とする位置に配置された第2粒子体(2)と、
導体からなり、前記第1粒子体(1)と前記単位格子(5)の中心点(50)とを連結する第1連結部(3)と、
導体からなり、前記第2粒子体(2)と前記中心点(50)とを連結する第2連結部(4)とを有する3次元左手系メタマテリアル。 - 請求項1に記載した3次元左手系メタマテリアルであって、
前記第1粒子体(1)および前記第2粒子体(2)は球体である3次元左手系メタマテリアル。 - 請求項2に記載した3次元左手系メタマテリアルであって、
前記第1粒子体(1)および前記第2粒子体(2)の球の半径は、前記単位格子(5)の1辺の寸法の0.20〜0.30倍である3次元左手系メタマテリアル。
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