JP6082938B2 - 3次元メタマテリアル - Google Patents

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Description

本発明は、所定形状及び所定構造を有して周期的に配置された複数の単位セルからなり、実効媒質としてのパラメータを任意に設定可能な人工構造物である3次元メタマテリアルに関し、特に、3次元右手/左手系複合メタマテリアルに関する。
メタマテリアルの先行技術として、例えば、特許文献1〜6の発明がある。
メタマテリアルの構造は、マイクロ波回路、そのコンポーネント及びアンテナ、並びに平板スーパーレンズ、近接場光(光の波長よりも小さな構造の情報を持った光)を増幅して波長以下の分解能を実現する近傍界イメージング、クローキング技術等のような光学デバイス及びそのコンポーネントへのアプリケーション用に研究されてきている。メタマテリアルは、実効媒質としてのパラメータを任意に設定することにより、電磁波を伝搬することにも、電磁波を阻止することにも使用可能である。さらに、通常の媒質が正の実効誘電率及び正の実効透磁率を有するのに対して(右手系媒質)、メタマテリアルには、負の実効誘電率及び負の実効透磁率を有する左手系媒質として機能するものがある。
メタマテリアルが「右手系」であるとは、当該メタマテリアルを電磁波が伝搬するとき、電磁波の電界ベクトル、磁界ベクトル、及び波数ベクトルが右手系の関係を有する場合をいう。右手系メタマテリアルを伝搬する電磁波は、電磁波の伝送電力の方向(群速度の向き)と位相面の流れの向き(位相速度の向き)とが同方向であるフォワード波(前進波)になる。
また、メタマテリアルが「左手系」であるとは、当該メタマテリアルを電磁波が伝搬するとき、電磁波の電界ベクトル、磁界ベクトル、及び波数ベクトルが左手系の関係を有する場合をいう。左手系メタマテリアルを伝搬する電磁波は、電磁波の伝送電力の方向と位相面の流れの向きとが逆方向であるバックワード波(後進波)になる。
メタマテリアルを例えばマイクロ波回路又はアンテナ装置に応用する場合、その大部分は、1次元又は2次元の左手系メタマテリアル構造に基づいている。最近では、スプリットリング共振器と細線との組み合わせ、伝送線路ネットワーク、及び誘電体球を用いる異方性/等方性の左手系構造も提案されている。
メタマテリアルの構成方法はいくつか提案されているが、代表例として、共振型メタマテリアルと伝送線路(非共振)型メタマテリアルの2つが挙げられる。
前者の共振型メタマテリアルは、外部電磁界の磁界及び電界成分に応答する磁気的及び電気的共振器の組み合わせからなり、代表的には、金属ストリップからなるスプリットリング共振器と細線とを組み合わせたものを含む。この構造は、金属構造と光波又は電磁波との強い共鳴相互作用を利用するので、共振を利用しないものと比較して、少ない構造体や小さなボリュームで大きな光学特性又は電磁波特性の変化を得ることができるという特長がある。しかし、実効誘電率あるいは実効透磁率が反共振特性を示すので、共振周波数付近において損失の影響が非常に大きくなる。つまり、共振器のQ値がその特性に大きく影響を及ぼし、また、その共振周波数において光波又は電磁波が強く吸収されたり、特性が変化する周波数帯域が共振周波数付近に制限されるといった欠点を持つ。
一方、後者の伝送線路型メタマテリアルは、一般的な電磁波の伝搬形態が伝送線路モデルで記述できることを用いて構造物が構成されている。フォワード波伝搬を許す従来の一次元右手系メタマテリアル構造は、直列枝に誘導性素子が挿入され、並列枝(シャント枝)に容量性素子が挿入された梯子型構造を有するのに対して、一次元左手系メタマテリアル構造は、実効誘電率及び実効透磁率の値を負にするために、直列枝に容量性素子が挿入され、並列枝に誘導性素子が挿入された構造を有する。この伝送線路型メタマテリアルの多くは、実効誘電率及び透磁率において反共振特性を示さないので、上記の共振型メタマテリアルに比べて低損失となる特長がある。伝送線路型メタマテリアルにおいては、動作周波数帯域により、右手系メタマテリアル、左手系メタマテリアル、誘電率及び透磁率のどちらか一方が負で他方が正となるシングルネガティブメタマテリアル、実効誘電率あるいは透磁率が零のメタマテリアルとして動作することから、右手/左手系複合メタマテリアルと呼ばれる。
右手/左手系複合メタマテリアルの実効誘電率及び実効透磁率が零の値を有する周波数は、一般に異なる。その場合、隣接する実効誘電率が零になる周波数と実効透磁率が零になる周波数の間の帯域は、実効誘電率及び実効透磁率のどちらか一方のみが負の値を有し、他方が正の値を有する。この帯域では電磁波の伝搬条件が満たされず、禁止帯になる。右手/左手系複合メタマテリアルは、この禁止帯の下側の帯域では実効誘電率及び実効透磁率がともに負であるので左手系メタマテリアルとして動作し、上側の帯域ではともに正の値となり右手系メタマテリアルとして動作する。実効誘電率と実効透磁率が零となる周波数が一致する場合には禁止帯が形成されず、左手系伝送帯域と右手系伝送帯域が連続的に接続される。このようなメタマテリアルを平衡型右手/左手系複合メタマテリアルと呼び、そうでないものを非平衡型右手/左手系複合メタマテリアルと呼ぶ。平衡型右手/左手系複合メタマテリアルは、禁止帯を生じないばかりでなく、位相定数が零となる周波数においても群速度が零とならず、効率良い電力伝送が可能であるという特長を持つ。
特開2006−114489号公報 特開2008−244683号公報 特開2008−252293号公報 特表2008−503776号公報 特表2008−507733号公報 国際公開WO2010/140655A1のパンフレット
先行技術において、1次元構造のメタマテリアルや2次元構造のメタマテリアルを3次元に拡張することによって3次元メタマテリアルを形成した場合、すべての方向で等方的な伝搬特性(分散曲線又はブロッホインピーダンスなど)を実現することは困難であった。
本願発明者は、特許文献6において3次元メタマテリアルを提案した。この3次元メタマテリアルは、所定の間隔で並置された複数個の誘電体及びホスト媒質を含む誘電体層を、それぞれ複数の孔を有する1対の導電メッシュ板により挟設することにより、複数の誘電体に対応する複数個の誘電体共振器を含む機能層を形成し、当該機能層を複数個積層して構成してなるメタマテリアルにおいて、複数の孔の軸と複数個の誘電体共振器の軸とがそれぞれ互いに同軸となるように配置され、電磁波を各機能層において積層面に対して垂直な伝搬方向に伝搬させて、積層面に対して垂直な伝搬方向に対して左手系メタマテリアルとして動作させることを特徴とする。特許文献6の3次元メタマテリアルによれば、小さい伝搬損失を有しかつ製作が極めて容易であって、電磁波を各機能層において積層面に対して垂直な伝搬方向に伝搬させて、上記積層面に対して垂直な伝搬方向に対して左手系メタマテリアルとして動作させることができる。
しかしながら、特許文献6の3次元メタマテリアルは、電磁波が積層面の方向と同じ偏波方向を有する場合にのみ、等方的な伝搬特性を示す。電磁波の伝搬方向及び偏波方向が一義的に決まっているときには特許文献6の3次元メタマテリアルは有効であるが、一義的に決まっていないときには有効でない場合もある。従って、電磁波の伝搬方向及び偏波方向に依存しない、すなわち、等方的な伝搬特性を有する3次元メタマテリアルが必要とされる。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、電磁波の伝搬方向及び偏波方向に依存しない、すなわち、等方的な伝搬特性を容易に実現可能な3次元メタマテリアルを提供することにある。
本発明に係る3次元メタマテリアルは、
3次元的に周期的に配置された複数の単位セルを含む3次元メタマテリアルにおいて、
上記各単位セルは、上記単位セルの中央に配置された誘電体共振器と、上記誘電体共振器を包囲するように配置された複数の棒状導体と、上記誘電体共振器及び上記棒状導体を支持するホスト媒質とを備え、
上記各単位セルにおいて、上記複数の棒状導体は、第1の方向に配置された少なくとも1つの第1の棒状導体と、上記第1の方向とは異なる第2の方向に配置された少なくとも1つの第2の棒状導体と、上記第1及び第2の方向によって張られる面に対して所定角度を有する第3の方向に配置された少なくとも1つの第3の棒状導体とを含み、
上記複数の単位セルを3次元的に周期的に配置することにより構成される上記3次元メタマテリアルにおいて、上記第1の棒状導体は互いに平行にかつ周期的に配置され、上記第2の棒状導体は互いに平行にかつ周期的に配置され、上記第3の棒状導体は互いに平行にかつ周期的に配置された3次元メタマテリアルにおいて、
上記ホスト媒質は空洞を備えた第1の基板、及び上記第1の基板を挟む第2の基板から成り、上記第1の基板または/および上記第2の基板には上記第1の棒状導体または/および第2の棒状導体が形成されており、
上記誘電体共振器が上記第1の基板の上記空洞に配置され、上記第2の基板で挟まれた単位形態で形成され、もしくは、上記単位形態が2層以上積層された状態で形成される上記第3の棒状導体を有することを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記3次元メタマテリアルに入射する所定周波数の電磁波に対して上記3次元メタマテリアルの実効誘電率及び実効透磁率がともに負となるように、上記単位セルの形状及び寸法と、上記誘電体共振器の形状、寸法、及び比誘電率と、上記棒状導体の太さと、上記第1、第2、及び第3の棒状導体を周期的に配置する間隔と、上記ホスト媒質の比誘電率とが設定されたことを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、
上記各単位セルは、上記複数の棒状導体によって形成される導波路を備え、上記各単位セルは所定のカットオフ周波数を有し、上記各単位セルは、上記3次元メタマテリアルに入射する上記カットオフ周波数よりも低い周波数の電磁波に対して上記3次元メタマテリアルの実効誘電率が負となるように構成され、
上記誘電体共振器は、上記誘電体共振器に入射する所定周波数の電磁波により、磁気双極子モーメントと類似した電磁界分布の共振形態で励起し、上記電磁波に対して上記3次元メタマテリアルの実効透磁率が負となるように構成されることを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記各単位セルは立方体であり、上記第1、第2、及び第3の方向は互いに直交することを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記誘電体共振器は球形状を有することを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記誘電体共振器は円柱形状もしくは多角柱形状を有することを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記誘電体共振器は立方体形状、多面体形状もしくは菱面体形状を有することを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記棒状導体は矩形の断面形状を有することを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記棒状導体は円形の断面形状を有することを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記第1、第2、及び第3の棒状導体は互いに交差することを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記第1、第2、及び第3の棒状導体のうちの少なくとも1つの棒状導体は他の棒状導体と交差しないことを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記第1、第2、及び第3の棒状導体は互いに電気的に接続することを特徴とする。
上記3次元メタマテリアルにおいて、上記第1、第2、及び第3の棒状導体のうちの少なくとも1つの棒状導体は他の棒状導体と電気的に接続しないことを特徴とする。
本発明に係る3次元メタマテリアルによれば、電磁波の伝搬方向及び偏波方向に依存しない、すなわち、等方的な伝搬特性を容易に実現可能な3次元メタマテリアルを提供することができる。
本発明の実施形態に係る3次元メタマテリアル20の構造を示す斜視図である。 図1の3次元メタマテリアル20を構成する単位セル10の構造を示す斜視図である。 図2の単位セル10の中心を通る水平方向の断面図である。 本発明の実施形態の第1の変形例に係る3次元メタマテリアル20を構成する単位セル11の構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態の第2の変形例に係る3次元メタマテリアル20を構成する単位セル12の構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態の第3の変形例に係る3次元メタマテリアル21の構造を示す斜視図である。 図6の3次元メタマテリアル21を構成する単位セル13の構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態の第4の変形例に係る3次元メタマテリアル22の構造を示す分解斜視図である。 図8の基板層31の構造を示す斜視図である。 図9のA−A’線における断面図である。 図8の基板層32の構造を示す斜視図である。 図11のB−B’線における断面図である。 図8の基板層31−1,32−1,31−2,32−2,31−3を含む3次元メタマテリアル22の構造を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る3次元メタマテリアルの分散曲線を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る3次元メタマテリアルの分散曲線を示すグラフである。 本発明の実施例3に係る3次元メタマテリアルの分散曲線を示すグラフである。 本発明の実施形態の3次元メタマテリアルに係る波数領域の表現を説明するための図である。 本発明の実施例4に係る3次元メタマテリアル10の構成を示す斜視図である。 図18及び図21の3次元メタマテリアル10,12において定義した方向を示す斜視図である。 図18の3次元メタマテリアル10の分散曲線を示すグラフである。 本発明の実施例5に係る3次元メタマテリアル12の構成を示す斜視図である。 図21の3次元メタマテリアル12の分散曲線を示すグラフである。 本発明の実施例6に係る、3次元メタマテリアルにおいて互いに直交する3方向に沿って置かれた棒状導体6同士が直接接触せず、微小な間隙が存在する場合の分散特性を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
図1は、本発明の実施形態に係る3次元メタマテリアル20の構造を示す斜視図である。図2は、図1の3次元メタマテリアル20を構成する単位セル10の構造を示す斜視図である。図1の3次元メタマテリアル20は、図2の単位セル10を3次元的に周期的に配置して構成される。各単位セル10は、好ましくは、辺の長さLx=Ly=Lzを有する立方体である。各単位セル10は、単位セル10の中央に配置された誘電体共振器1と、誘電体共振器1を包囲するように配置された複数の棒状導体3xa〜3xd,3ya〜3yd,3za〜3zd(以下、総称して符号「3」により示す)と、誘電体共振器1及び棒状導体3を支持するホスト媒質2とを備える。誘電体共振器1は、例えば半径R1の球形状を有し、さらに、ホスト媒質2の比誘電率よりもずっと高い比誘電率を有する(例えば、ホスト媒質2の比誘電率1〜10に対して、誘電体共振器1の比誘電率15〜110など)。各単位セル10において、棒状導体3は、x方向に沿って配置された棒状導体3xa〜3xdと、y方向に沿って配置された棒状導体3ya〜3ydと、z方向に沿って配置された棒状導体3za〜3zdとを含む。複数の単位セル10を3次元的に周期的に配置することにより構成される3次元メタマテリアル20において、複数のx方向の棒状導体が互いに平行にかつ周期的に配置され、複数のy方向の棒状導体もまた互いに平行にかつ周期的に配置され、複数のz方向の棒状導体もまた互いに平行にかつ周期的に配置される。例えば、z方向に沿って配置された棒状導体(3za〜3zdなど)は、x方向に長さLx毎に周期的に配置され、y方向に長さLy毎に周期的に配置され、さらに、他の方向(例えば棒状導体3za及び3zdを含む面に沿った方向など)でも所定長さ毎に周期的に配置される。
3次元メタマテリアル20は、3次元方向でほぼ等方的な左手系メタマテリアルとして動作させるために、負の実効誘電率を持つ単位セル10内に誘電体共振器1が挿入されている。これにより、3次元メタマテリアル20は、所定周波数の電磁波に対して、その実効誘電率及び実効透磁率がともに負となるように構成される。以下に、その構成原理について説明する。
図3は、図2の単位セル10の中心を通る水平方向(xy面に平行な面に沿った方向)の断面図である。図3では、中央の単位セル10と、それに隣接する単位セルの一部とを示す。棒状導体3のそれぞれ(図3には、z方向の棒状導体3za〜3zdのみを示す)は、例えば、辺の長さL2を有する正方形の断面形状を有するものとする。棒状導体3za〜3zdは、x方向に間隔L1を有して周期的に配置され、y方向に間隔L3を有して周期的に配置される。ただし、前述のように単位セル10が立方体であるとき、L1=L3である。単位セル10は、例えばx方向に沿って、導体で包囲された長さL2の区間と、導体で包囲されていない長さL1の区間とが交互に配置された導波路として構成される。この導波路における導体で包囲された区間の実効誘電率は、TEモードのカットオフ周波数より低い周波数領域において負になる。従って、この導波路は、カットオフ周波数より低い周波数を有する電磁波であって、例えば+x方向に向かう電磁波が入射波として到来するとき、導体で包囲された区間では負の実効誘電率ε2<0を有し、導体で包囲されていない区間では正の実効誘電率ε1>0を有するように構成される。このとき、3次元メタマテリアル20は、その全体としては、正、零又は負の所定値の実効誘電率を有する。同様に、単位セル10は、y方向及びz方向に沿って、導体で包囲された区間と、導体で包囲されていない区間とが交互に配置された導波路として構成される。これらの導波路は、カットオフ周波数より低い周波数を有する電磁波であって、y方向又はz方向に向かう電磁波が入射波として到来するとき、導体で包囲された区間では負の実効誘電率を有し、導体で包囲されていない区間では正の実効誘電率を有するように構成される。これらのときも、3次元メタマテリアル20は、その全体としては、正、零又は負の所定値の実効誘電率を有する。
また、各単位セル10は、その導波路とそれ以外の部分とを含む単位セル10の全体構造に依存する実効値としてのカットオフ周波数(単位セル10全体のカットオフ周波数)を有する。3次元メタマテリアル20は、単位セル10全体のカットオフ周波数より高い周波数を有する電磁波が入射波として到来するとき、零又は正の実効誘電率を有する。
さらに、誘電体共振器1は、磁気双極子モーメントと類似した電磁界分布の共振形態を有する。ここで、「磁気双極子モーメントと類似した電磁界分布」とは、誘電体共振器1の内部において、ある軸に対して垂直な面内で、電気力線が閉じた同心状の渦を形成し、さらに、磁力線が誘電体共振器1の中心付近ではほぼその軸に沿った方向を向き、かつ、磁力線が誘電体共振器1の外部にも広がって閉曲線を形成している状態のことをいう。一般に磁力線はソレノイダルである(必ず閉じている)ので、この場合、磁力線は誘電体共振器1の外部に大きく広がった分布をなす。誘電体共振器1の内部では磁気エネルギーに比べて電気的エネルギーの方がより多く蓄えられる一方、誘電体共振器1の外部では、電界により蓄えられるエネルギーよりも磁界により蓄えられるエネルギーの方が大きくなり、誘電体共振器1と外部の電磁界との結合は磁気結合が支配的となる。
3次元メタマテリアル20が等方的な伝搬特性を有するためには、磁気双極子モーメントと類似した電磁界分布を有する誘電体共振器1の共振形態のうちで、x方向に対称軸を有する第1の共振形態と、y方向に対称軸を有する第2の共振形態と、z方向に対称軸を有する第3の共振形態とがいずれも、ほぼ同じ共振周波数を有する(すなわち、異なる3つの共振モードをほぼ縮退させる)ことが必要である。この共振周波数付近の周波数を有する電磁波が誘電体共振器1に到来すると、電磁波の伝搬方向に関係なく、誘電体共振器1は共振状態もしくはそれに近い電磁界分布を有する状態となる。また、その共振時における誘電体共振器1内外の電磁界分布は、電磁波の伝搬方向ベクトルの成分に応じて、ほぼ縮退した3つの共振モードのいずれかあるいはそれらの組み合わせ(線形和)として表される。球形状の誘電体共振器1の場合、誘電体共振器1の誘電率がホスト媒質2の誘電率に比べて充分大きいという条件のもとで、境界で磁気壁(磁界の接線成分が零)を仮定して共振モードが近似的に計算される。このように簡単化されたモデルにおいて、誘電体共振器1の電磁界分布はTE011共振モードとして表される。
3次元メタマテリアル20を右手/左手系複合メタマテリアルとして動作させるためには、所定周波数を有する電磁波が誘電体共振器1に到来するとき、電磁波の磁界ベクトルが、誘電体共振器1において、磁気双極子モーメントと類似した電磁界分布の共振状態を励起させる必要がある。その結果、単位セル10の内部において、電磁波の周波数に応じて、正、零又は負の実効透磁率を実現する。このとき、3次元メタマテリアル20は、その全体として、正、零又は負の所定値の実効透磁率を有する。
所定周波数の電磁波に対して3次元メタマテリアル20の実効誘電率及び実効透磁率がともに負となるように、単位セル10の形状及び寸法と、誘電体共振器1の形状、寸法、及び比誘電率と、棒状導体3の太さと、棒状導体3を周期的に配置する間隔と、ホスト媒質2の比誘電率とが決定される。このとき、3次元メタマテリアル20は、電磁波の伝搬方向及び偏波方向に依存しない、すなわち、等方的な伝搬特性を有する左手系メタマテリアルとして構成される。
また、3次元メタマテリアル20は、動作周波数により、右手系メタマテリアル、左手系メタマテリアル、誘電率及び透磁率のどちらか一方が負で他方が正となるシングルネガティブメタマテリアル、実効誘電率あるいは透磁率が零のメタマテリアルとして動作する右手/左手系複合メタマテリアルとして構成されてもよい。
また、3次元メタマテリアル20の実効誘電率が零となる周波数と実効透磁率が零となる周波数とは一般に異なるが、これらの周波数を一致させることにより、3次元メタマテリアル20を平衡型右手/左手系複合メタマテリアルとして構成してもよい。
誘電体共振器1は、単一の誘電体材料から構成されてもよく、又は複数の誘電体材料の組み合わせから構成されてもよい。
誘電体共振器1は、当該誘電体共振器1を含む単位セル10に隣接する単位セル10の誘電体共振器1に接していなくてもよく、接していてもよい。
ホスト媒質2は、例えば、誘電体共振器1の比誘電率よりもずっと低い比誘電率を有する誘電体にて単位セル10を充填することによって構成される。また、ホスト媒質2として、単位セル10の内部の少なくとも一部を空気により充填してもよく、又は、空気及び誘電体の組み合わせ、もしくは、複数の誘電体の組み合わせにより、単位セル10の内部を充填してもよい。
図1及び図2では立方体の単位セル10を示したが、単位セルの形状は立方体に限定されない。複数の単位セルを3次元的に周期的に配置して3次元メタマテリアルを構成できるのであれば、直方体、角柱(六角柱など)、正四面体などの任意の形状の単位セル、又は複数の種類の単位セルの組み合わせを用いることができる。各単位セルにおいて、複数の棒状導体は、少なくとも3つの方向に沿って配置される。すなわち、各単位セルにおいて、複数の棒状導体は、第1の方向に配置された少なくとも1つの第1の棒状導体と、第1の方向とは異なる第2の方向に配置された少なくとも1つの第2の棒状導体と、第1及び第2の方向によって張られる面に対して所定角度を有する第3の方向に配置された少なくとも1つの第3の棒状導体とを含む。複数の単位セルを3次元的に周期的に配置することにより構成される3次元メタマテリアルにおいて、第1の棒状導体は互いに平行にかつ周期的に配置され、第2の棒状導体は互いに平行にかつ周期的に配置され、第3の棒状導体は互いに平行にかつ周期的に配置される。このように構成された3次元メタマテリアルにおいて、電磁波の伝搬方向及び偏波方向に依存しない、すなわち、等方的な伝搬特性を容易に実現することができる。ただし、等方的な伝搬特性のためには、単位セルは、方向によって寸法などが異なる直方体などの形状よりも、立方体などの対称な形状を有するほうが好ましい。
図4は、本発明の実施形態の第1の変形例に係る3次元メタマテリアル20を構成する単位セル11の構造を示す斜視図である。図1及び図2の単位セル10は、球形状の誘電体共振器1を備えていたが、他の形状の誘電体共振器を備えてもよい。図4の単位セル11は、半径R2及び高さH1の円柱形状の誘電体共振器4を備える。円柱形状の誘電体共振器4の場合、(1)TE01δ共振モード及びその共振周波数の近傍において、円柱の対称軸に平行な磁気双極子モーメントと類似した電磁界分布をなし、(2)HE11δ共振モード及びその共振周波数の近傍において、円柱の側面に垂直な方向に磁気双極子モーメントと類似した電磁界分布をなす。この場合、円柱の側面に垂直な方向の決め方は自由度が2であるので、ここでは2つの共振状態が縮退しているとみなす。上記(1)及び(2)の共振周波数が同じである場合、異なる3方向に対称軸をそれぞれ有する3つの磁気双極子モーメントと類似した電磁界分布を、同じ周波数で実現することが可能となる。誘電体共振器4のTE01δモード及びHE11δモードの共振周波数がほぼ同じ周波数で縮退するように、誘電体共振器4の直径(半径R2×2)及び高さH1がほぼ同じ長さに決められる。
図5は、本発明の実施形態の第2の変形例に係る3次元メタマテリアル20を構成する単位セル12の構造を示す斜視図である。図5の単位セル12は、長さLcの辺を有する立方体形状の誘電体共振器5を備える。
図4の誘電体共振器4又は図5の誘電体共振器5を用いた3次元メタマテリアルにおいても、電磁波の伝搬方向及び偏波方向に依存しない、すなわち、等方的な伝搬特性を容易に実現することができる。
誘電体共振器の形状は、球形状、円柱形状、及び立方体形状に限定されず、回転楕円体、多角柱、多面体、菱面体などの任意の形状、又は複数の種類の形状の組み合わせを用いることができる。
1つの単位セルに注目するとき、非対称な形状を有する誘電体共振器を用いると等方的な伝搬特性が損なわれる。そのような誘電体共振器を用いる場合であっても、複数の単位セルにおいて誘電体共振器をさまざまな異なる方向を向けて配置することで、平均的には等方的な伝搬特性を実現することができる。また、1つの単位セルに注目するとき、誘電体共振器を単位セルの中央に配置しなければ等方的な伝搬特性が損なわれる。誘電体共振器を単位セルの中央に配置しない場合であっても、複数の単位セルにおいて誘電体共振器をさまざまな異なる位置に配置することで、平均的には等方的な伝搬特性を実現することができる。
図6は、本発明の実施形態の第3の変形例に係る3次元メタマテリアル21の構造を示す斜視図である。図7は、図6の3次元メタマテリアル21を構成する単位セル13の構造を示す斜視図である。図1及び図2では、x方向、y方向、及びz方向の棒状導体3が互いに交差するように示しているが、これらの棒状導体3のうちの少なくとも1つの方向の棒状導体が他の方向の棒状導体と交差していなくてもよい。また、図1及び図2では、棒状導体3は矩形の断面形状を有していたが、他の断面形状を有していてもよい。本変形例の単位セル13は、直径L4の円形の断面形状を有し、互いに交差しない棒状導体6x,6ya,6yb,6za〜6zd(以下、総称して符号「6」により示す)を備える。
各単位セル13は、単位セル13の中央に配置された誘電体共振器1と、誘電体共振器1を包囲するように配置された複数の棒状導体6と、誘電体共振器1及び棒状導体6を支持するホスト媒質2とを備える。各単位セル13において、棒状導体6は、x方向に沿って配置された棒状導体6xと、y方向に沿って配置された棒状導体6ya,6ybと、z方向に沿って配置された棒状導体6za〜6zdとを含む。複数の単位セル13を3次元的に周期的に配置することにより構成される3次元メタマテリアル21において、複数のx方向の棒状導体が互いに平行にかつ周期的に配置され、複数のy方向の棒状導体もまた互いに平行にかつ周期的に配置され、複数のz方向の棒状導体もまた互いに平行にかつ周期的に配置される。
なお、x方向、y方向、及びz方向の棒状導体6は、互いに電気的に接続されていてもよく、接続されていなくてもよい。
次いで、図8〜図13を参照して、本発明の実施形態に係る3次元メタマテリアルの製造方法の一例について説明する。
図8は、本発明の実施形態の第4の変形例に係る3次元メタマテリアル22の構造を示す分解斜視図である。3次元メタマテリアル22は、積層された複数の基板層31−1,32−1,31−2,32−2,31−3,…,31−Nを含む。後述するように、一部の基板層32−1,32−2,…,32−(N−1)(以下、総称して符号「32」により示す)は、誘電体共振器1をそれぞれ収容する複数の空洞を有し、残りの基板層31−1,31−2,31−3,…,31−N(以下、総称して符号「31」により示す)は、それぞれ基板層32を間に挟んで誘電体共振器1を基板層32の空洞に固定する。また、図2の棒状導体3は、各基板層31,32の少なくとも一方の面に形成されたパターン導体として形成されるか、又は各基板層31,32を貫通するスルーホール導体として形成される。基板層31,32の個数は、必要な特性を考慮して任意に選択することができる。図8の3次元メタマテリアル22は、N個の基板層31とN−1個の基板層32とから構成されている。
図9は、図8の基板層31の構造を示す斜視図である。図10は、図9のA−A’線における断面図である。基板層31の母材は、エポキシ、ポリイミドなどの半硬化樹脂からなる誘電体基板41で形成され、誘電体基板41の少なくとも一方の面(図9及び図10では+z側の面)には、x方向に沿って延在する複数のパターン導体42x(図2のx方向の棒状導体3xa〜3xdに対応する)と、y方向に沿って延在する複数のパターン導体42y(図2のy方向の棒状導体3ya〜3ydに対応する)とからなる格子状の平面電極がパターン形成される。さらに、パターン導体42x,42yが交差する位置(格子点)においてそれぞれ、レーザー法やパンチング法を用いて、誘電体基板41を貫通するスルーホール導体43(図2のz方向の棒状導体3za〜3zdに対応する)を設けるための穴が形成される。
図11は、図8の基板層32の構造を示す斜視図である。図12は、図11のB−B’線における断面図である。基板層32の母材は、エポキシ、ポリイミドなどの半硬化樹脂からなる誘電体基板51で形成され、誘電体基板51の少なくとも一方の面(図11及び図12では+z側の面)には、x方向に沿って延在する複数のパターン導体52x(図2のx方向の棒状導体3xa〜3xdに対応する)と、y方向に沿って延在する複数のパターン導体52y(図2のy方向の棒状導体3ya〜3ydに対応する)とからなる格子状の平面電極がパターン形成される。さらに、パターン導体52x,52yが交差する位置(格子点)においてそれぞれ、レーザー法やパンチング法を用いて、誘電体基板51を貫通するスルーホール導体53(図2のz方向の棒状導体3za〜3zdに対応する)を設けるための穴が形成される。さらに、誘電体基板51上においてパターン導体52x,52yによって包囲される領域はそれぞれ、レーザー法やパンチング法を用いて誘電体基板51を貫通する空洞54が形成される。空洞54内にそれぞれ、誘電体共振器1が設けられる。
基板層32の誘電体基板51には、スルーホール導体53を設けるための穴と、空洞54の穴が形成される。スルーホール導体53を設けるための穴の直径は誘電体共振器1の直径よりも小さく形成され、空洞54の穴は誘電体共振器1の直径よりも大きく形成される。従って、(ある基板層32における空洞54の個数よりも十分多い)複数の誘電体共振器1を誘電体基板51上に配置して誘電体共振器1をスキージで掃引すれば、誘電体共振器1を空洞54に装填することができる。このとき、スルーホール導体53の直径は空洞54よりも小さいので、誘電体共振器1はスルーホール導体53には入らない。スルーホール導体53の直径が空洞54よりも大きい場合には、LSI実装において半田ボールを回路基板上へ設置する際に使用される吸引法の装置を使用すれば、同様にして誘電体共振器1を空洞54のみに装填することができる。
図13は、図8の基板層31−1,32−1,31−2,32−2,31−3を含む3次元メタマテリアル22の構造を示す断面図である。基板層32−1,32−2の空洞54に誘電体共振器1を装填した後、スルーホール導体43,53を設けるための穴(図13の点線)の位置を合わせて図13に示すように基板層31−1,32−1,31−2,32−2,31−3を積み重ね、全体をz方向に圧縮する。基板層31,32は、前述のように半硬化状態にあるので、圧縮により全体として一体化する。次に、スルーホール導体43,53を設けるための穴に導電性樹脂材料をスキージなどで挿入して、全体に80〜180°C程度の熱を加えることで、最終的に硬化する。また、基板層32−1,32−2の空洞54に誘電体共振器1を装填した後、スルーホール導体43,53を設けるための穴(図13の点線)の位置を合わせて図13に示すように基板層31−1,32−1,31−2,32−2,31−3を積み重ね、次に、スルーホール導体43,53を設けるための穴に導電性樹脂材料をスキージなどで挿入して、全体をz方向に加熱圧縮してもよい。この製造方法の例によれば、各誘電体共振器1は、図2の棒状導体3によって包囲されるのと同様に、基板層31のパターン導体42x,42y及びスルーホール導体43と、基板層32のパターン導体52x,52y及びスルーホール導体53とによって包囲され、各誘電体共振器1、パターン導体42x,42y,52x,52y、及びスルーホール導体43,53は、誘電体基板41,51によって支持される。従って、この製造方法の例によれば、図1の3次元メタマテリアル20等と同様に誘電体共振器1をそれぞれ含む複数の単位セルを3次元的に周期的に配置して構成された3次元メタマテリアル22を製造することができる。
各誘電体基板41,51の両面にパターン導体を形成してもよい。また、以上の説明では、スルーホール導体43,53を設けるための穴に導電性樹脂材料をスキージなどで挿入することによりスルーホール導体43,53を形成したが、メッキ工法を用いてスルーホール導体43,53を設けるための穴に導電性の柱を形成してもよい。
以上に説明した実施形態の3次元メタマテリアルが3次元方向で等方的な左手系メタマテリアルとして動作することを数値計算により確認した。以下、図14〜図16を参照して、そのシミュレーション結果について説明する。
図14は、本発明の実施例1に係る3次元メタマテリアルの分散曲線を示すグラフである。実施例1では、図1〜図3に示す3次元メタマテリアル20についてシミュレーションを行った。使用したパラメータは、誘電体共振器1の半径R1=3.8mm、誘電体共振器1の比誘電率εDR=110、ホスト媒質の比誘電率ε=1、単位セル10(立方体形状)の辺の長さL=Lx=Ly=Lz=9.0mm、棒状導体3の断面(正方形)の辺の長さL2=0.5mmであった。
図17は、本発明の実施形態の3次元メタマテリアルに係る波数領域の表現を説明するための図である。空間座標(x,y,z)をフーリエ変換した波数領域(空間周波数領域)では、その各点は、成分βx,βy,βzを有する波数ベクトルβ=(βx,βy,βz)により表される。さらに、3次元メタマテリアルの構造が周期性を持つ場合、伝搬特性を表す分散曲線は波数領域においても周期性をもち、第1ブリルアン領域と呼ばれる波数領域内の部分領域を用いて全体領域が表現される。この波数領域の原点(βx,βy,βz)=(0,0,0)を「Γ」点と呼ぶ。電磁波が図1等のx軸方向に伝搬する場合、波数ベクトルはβx成分のみをもち、その方向のブリルアン領域の境界点(π/L,0,0)を「X」と表す。同様に、電磁波が図1等の(x,y,z)=(1,1,0)方向に伝搬する場合、波数ベクトルの成分はβx=βyかつβz=0の関係を有し、その方向のブリルアン領域の境界点(π/L,π/L,0)を「M」と表す。さらに、電磁波が図1等の(x,y,z)=(1,1,1)方向に伝搬する場合、波数ベクトルの成分はβx=βy=βzの関係を有し、その方向のブリルアン領域の境界点(π/L,π/L,π/L)を「R」と表す。
図14において、「Γ−X」は、図1等に示すxyz座標において、電磁波の伝搬方向が原点から点(1,0,0)に向かうとき(+x方向)の分散曲線を示し、「Γ−M」は、原点から点(1,1,0)に向かうときの分散曲線を示し、「Γ−R」は、原点から点(1,1,1)に向かうときの分散曲線を示す。電磁波の伝搬方向が「Γ−X」であるとき、伝搬特性は偏波方向に依存しない。電磁波の伝搬方向が「Γ−M」であるとき、水平偏波(xy面に平行な偏波方向)の分散曲線と、垂直偏波(xy面に垂直な偏波方向)の分散曲線を求めた。電磁波の伝搬方向が「Γ−R」であるとき、伝搬特性は偏波方向に依存しない。
図14の分散曲線は固有値計算から得られた。βは3次元メタマテリアルの位相定数を表す(なお、位相定数βは波数ベクトルβの成分に対応する)。図14によれば、分散特性がΓ点近傍で等方的であることがわかる。また、左手系モードの分散曲線は約3.8〜4.2GHzにわたり、約400MHzの帯域幅で動作することがわかった。
図15は、本発明の実施例2に係る3次元メタマテリアルの分散曲線を示すグラフである。実施例2では、単位セル10(立方体形状)の辺の長さL=11.0mm、棒状導体3の断面(正方形)の辺の長さL2=0.4mm、ホスト媒質の比誘電率ε=2.2を使用し、他のパラメータは実施例1で使用したものと同じであった。図15によれば、平衡型右手/左手系複合メタマテリアルの分散特性が得られた。
図16は、本発明の実施例3に係る3次元メタマテリアルの分散曲線を示すグラフである。実施例3では、図6及び図7に示す3次元メタマテリアル21についてシミュレーションを行った。使用したパラメータは、誘電体共振器1の半径R1=3.8mm、誘電体共振器1の比誘電率εDR=110、ホスト媒質の比誘電率ε=2.2、単位セル10(立方体形状)の辺の長さL=11.0mm、棒状導体6の断面(円形)の直径L4=0.5mmであった。図6の3次元メタマテリアル21では、図7に示すように、誘電体共振器1をすべての棒状導体6から等距離となるように配置することができない。誘電体共振器1と棒状導体6との距離の差異によって共振周波数が変動するので、位相定数β=0を満たす周波数がモードにより相違する。図16は、「Γ−X」の分散曲線であって、互いに直交した偏波方向を有する2つのモード(偏波A及び偏波B)に係る分散曲線を示す。図16によれば、x方向、y方向、及びz方向の棒状導体6が互いに交差していなくても、交差している場合(図15)から伝搬特性がそれほど変化しないことがわかる。
本発明の3次元メタマテリアルは、実施例1〜3に示したように数GHzのオーダーの周波数で動作するだけでなく、数MHzの周波数、又は数THzの周波数で動作するように構成することも可能である。
図18は本発明の実施例4に係る3次元メタマテリアル10(図2)の構成を示す斜視図であり、図19は図18及び後述する図21の3次元メタマテリアル10,12において定義した方向を示す斜視図である。また、図20は図18の3次元メタマテリアル10の分散曲線を示すグラフである。構造パラメータを適切に調節することにより、図20に示すように、右手系モードと左手系モードとの間にバンドギャップのない平衡型のCRLH伝送特性が得られ、さらに等方的な伝搬特性を示す左手系伝送帯域が約250MHz程度と広帯域化されている。なお、計算に用いたパラメータは、R1=3.8mm、εDR=110、L=8.32mm、t=0.6mm、ε=2.2である。また、2種類のΓ−Mの曲線のうち、破線は偏波方向がz方向を向いている場合で、実線は偏波方向がxy面に平行な場合である。
図21は本発明の実施例5に係る3次元メタマテリアル12(図5)の構成を示す斜視図である。また、図22は図21の3次元メタマテリアル12の分散曲線を示すグラフである。なお、各方向は図19と同様に定義する。図22から明らかなように、構造パラメータを適切に調節することで、右手系モードと左手系モードの間にバンドギャップの無い平衡型のCRLH構造が設計できている。なお、数値計算に用いた構造パラメータは、Lc=6mm、εDR=110、L=8.45mm、t=0.8mm、ε=2.2である。2種類のΓ−Mの曲線のうち、実線は偏波方向がz方向を向いている場合で、破線は偏波方向がxy面に平行な場合である。
図23は本発明の実施例6に係る、3次元メタマテリアルにおいて互いに直交する3方向に沿って置かれた棒状導体6同士が直接接触せず、微小な間隙が存在する場合の分散特性を示すグラフである。ここで、棒状導体6と棒状導体6の間に50μmの間隙があると仮定した。図23からわかるように、間隙を与えない場合との大きな違いは、間隙を与えることにより新たなモードが発生し、元々存在していた右手左/手系モードと位相定数の大きい領域で結合した形となっている点である。しかしながら、正規化位相定数βL/πが0となる周波数の近傍においては、従来通り右手系モードRHと左手系モードLHが存在し(図23の101、102参照)、CRLH特性を示すことがわかった。なお、数値計算に用いた構造パラメータは、球形誘電体共振器1の半径R1=3.8mm、εDR=110、L=11.0mm、L2/2=0.5mm、ε=2.2である。
以上詳述したように、本発明に係る3次元メタマテリアルによれば、電磁波の伝搬方向及び偏波方向に依存しない、すなわち、等方的な伝搬特性を容易に実現することができる。
本発明に係る3次元メタマテリアルは、マイクロ波回路、そのコンポーネント及びアンテナ(広角ビーム走査アンテナ、微小アンテナ、など)、平板スーパーレンズ、負屈折平板レンズ、波長以下の分解能を有する近傍界イメージング、クローキング技術等のような光学的デバイス及びそのコンポーネントへ応用することができる。
本発明の応用例としては、クローキング(隠れ蓑)技術による電波障害の解決がある。都市では、高層ビルディングの建築により電波が乱反射されて、映像機器や通信機器などの信号伝搬誤差が多くなるという問題が多発している。対象物(高層ビルディング)をメタマテリアルにより包囲して、その中の電磁波の透過特性を最適化することで、電磁波に対象物を迂回させ、乱反射を少なくして、電波環境を改善する(電波クローキング)。
また、左手系と右手系の遷移領域である阻止域を使い、電磁波の阻止や減衰に使う例もある。この効果は、複数の無線システムやデジタル回路を厳しい実装条件で搭載している携帯電話機への応用において有効である。例えば現在の携帯電話機では、電話用に800MHz帯、1500MHz帯、及び2GHz帯が使用され、GPS用には1.57GHzが使用され、ワンセグTV用には470〜710MHz帯が使用され、また電子マネー等のアプリケーションをサポートするために13.56MHz帯が使用され、それぞれの周波数帯に対応する複数のアンテナが携帯電話機の筐体の狭い空間内に配置されている。小さな筐体の中では、アンテナ間の電磁波干渉に起因して通信性能が劣化する。また、これらのアンテナの近くの回路からのクロック信号の不要輻射が雑音としてアンテナで受信され、通信品質を低下させる要因ともなる。このような厳しい実装条件下で、それぞれの周波数毎に電磁波をコントロールし、互いの干渉を減少させるためにメタマテリアルを使用することが有効である。
1,4,5…誘電体共振器、
2…ホスト媒質、
3,3xa〜3xd,3ya〜3yd,3za〜3zd,6x,6ya,6yb,6za〜6zd…棒状導体、
10〜13…単位セル、
20〜22…3次元メタマテリアル、
31,32,31−1,32−1,…,31−N…基板層、
41,51…誘電体基板、
42x,42y,52x,52y…パターン導体、
43,53…スルーホール導体、
54…空洞。

Claims (13)

  1. 3次元的に周期的に配置された複数の単位セルを含む3次元メタマテリアルにおいて、
    上記各単位セルは、上記単位セルの中央に配置された誘電体共振器と、上記誘電体共振器を包囲するように配置された複数の棒状導体と、上記誘電体共振器及び上記棒状導体を支持するホスト媒質とを備え、
    上記各単位セルにおいて、上記複数の棒状導体は、第1の方向に配置された少なくとも1つの第1の棒状導体と、上記第1の方向とは異なる第2の方向に配置された少なくとも1つの第2の棒状導体と、上記第1及び第2の方向によって張られる面に対して所定角度を有する第3の方向に配置された少なくとも1つの第3の棒状導体とを含み、
    上記複数の単位セルを3次元的に周期的に配置することにより構成される上記3次元メタマテリアルにおいて、上記第1の棒状導体は互いに平行にかつ周期的に配置され、上記第2の棒状導体は互いに平行にかつ周期的に配置され、上記第3の棒状導体は互いに平行にかつ周期的に配置された3次元メタマテリアルにおいて、
    上記3次元マテリアルは、空洞を有する第1の基板と、上記第1の基板を挟む第2の基板と、上記誘電体共振器とを備え、
    上記第1の基板及び上記第2の基板は上記ホスト媒質を構成し、
    上記第1の棒状導体、上記第2の棒状導体及び上記第3の棒状導体は上記誘電体共振器を包囲するように形成され、
    上記第1の棒状導体及び上記第2の棒状導体は、
    (1)上記第1の基板の片面と上記第2の基板の片面にそれぞれ形成されているか、あるいは
    (2)上記第1の基板の両面に形成されているか、あるいは
    (3)上記第2の基板の両面に形成されているか
    のいずれかであり、
    上記第3の棒状導体は上記第1の基板と上記第2の基板を貫通するように形成され、
    上記誘電体共振器は上記第1の基板の上記空洞に配置され、
    上記第1の基板を上記第2の基板で挟むことで単位形態を形成し、
    上記3次元メタマテリアルは、上記単位形態を2層以上積層した状態で形成されることを特徴とする3次元メタマテリアル。
  2. 上記3次元メタマテリアルに入射する所定周波数の電磁波に対して上記3次元メタマテリアルの実効誘電率及び実効透磁率がともに負となるように、上記単位セルの形状及び寸法と、上記誘電体共振器の形状、寸法、及び比誘電率と、上記棒状導体の太さと、上記第1、第2、及び第3の棒状導体を周期的に配置する間隔と、上記ホスト媒質の比誘電率とが設定されたことを特徴とする請求項1記載の3次元メタマテリアル。
  3. 上記各単位セルは、上記複数の棒状導体によって形成される導波路を備え、上記各単位セルは所定のカットオフ周波数を有し、上記各単位セルは、上記3次元メタマテリアルに入射する上記カットオフ周波数よりも低い周波数の電磁波に対して上記3次元メタマテリアルの実効誘電率が負となるように構成され、
    上記誘電体共振器は、上記誘電体共振器に入射する所定周波数の電磁波により、磁気双極子モーメントと類似した電磁界分布の共振形態で励起し、上記電磁波に対して上記3次元メタマテリアルの実効透磁率が負となるように構成されることを特徴とする請求項2記載の3次元メタマテリアル。
  4. 上記各単位セルは立方体であり、上記第1、第2、及び第3の方向は互いに直交することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
  5. 上記誘電体共振器は球形状を有することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
  6. 上記誘電体共振器は円柱形状もしくは多角柱形状を有することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
  7. 上記誘電体共振器は立方体形状、多面体形状もしくは菱面体形状を有することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
  8. 上記棒状導体は矩形の断面形状を有することを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
  9. 上記棒状導体は円形の断面形状を有することを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
  10. 上記第1、第2、及び第3の棒状導体は互いに交差することを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
  11. 上記第1、第2、及び第3の棒状導体のうちの少なくとも1つの棒状導体は他の棒状導体と交差しないことを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
  12. 上記第1、第2、及び第3の棒状導体は互いに電気的に接続することを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
  13. 上記第1、第2、及び第3の棒状導体のうちの少なくとも1つの棒状導体は他の棒状導体と電気的に接続しないことを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
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