JP5017200B2 - 入力デバイス - Google Patents
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Description
タッチパネルとしては、例えば、抵抗膜式タッチパネルが知られている。抵抗膜式タッチパネルにおいては、透明基材の片面に透明電極が形成された固定電極シートおよび可動電極シートが、透明電極同士が対向するように配置されている。電極シートの透明電極としては、インジウムドープの酸化錫の膜(以下、ITO膜という。)が広く使用されてきた。
透明基材の片面にITO膜が形成されたシート(以下、ITO膜形成シートという。)は可撓性が低く、固定しやすいため、画像表示装置側の固定電極シートとしては好適である。しかし、タッチパネルの入力者側の可動電極シートとして用いる場合には、繰り返し撓ませた際の耐久性が低いという問題を有していた。
そこで、タッチパネルの入力者側の可動電極シートとして、透明基材の片面に、π共役系導電性高分子を含む透明電極が形成された可撓性を有するシート(以下、導電性高分子膜形成シートという。)を用いることがある。
ところが、画像表示装置側の固定電極シートとしてITO膜形成シートを用い、タッチパネルの入力者側の可動電極シートとして導電性高分子膜形成シートを用いた場合、すなわち異導体同士を接続する場合には、接触抵抗が大きく、入力感度の低下や座標入力時間の遅れ等の問題が生じることがあった。
これらの問題を解決するために、特許文献1では、π共役系導電性高分子を含む透明電極に金属イオンを添加することが提案されている。
また、タッチパネル用の電極シートにおいては、透明性に優れて、画像表示装置の画像の視認性が高いことが求められる。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、画像表示装置上に設置した際に画像表示装置の画像の視認性に優れると共に動作不良が防止された入力デバイスを提供することを目的とする。
すなわち、本発明の入力デバイスは、第1の透明電極と、第1の透明電極に対向するように配置された透明導電性金属酸化物製の第2の透明電極とを備え、第1の透明電極が押圧された際に第2の透明電極に接触する入力デバイスにおいて、
前記第1の透明電極は、π共役系導電性高分子とポリアニオンと平均粒子径が1〜50nmの金属ナノ粒子とを含有し、
金属ナノ粒子を形成する金属が、銀、金、ニッケル、銅、白金、パラジウム、インジウムよりなる群から選ばれる1種以上の金属またはそれらの合金であり、
金属ナノ粒子の含有量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンとの合計を100質量%とした際の0.01質量%以上5質量%未満であることを特徴とする。
図1に、本実施形態例の入力デバイスを示す。本実施形態例の入力デバイス1は、入力者側に配置された可動電極シート10と、可動電極シート10に対向するように画像表示装置側に配置された固定電極シート20と、これらの間に設けられた透明なドットスペーサ30とを備える抵抗膜式タッチパネルである。
可動電極シート10は、第1の透明基材11と、第1の透明基材11の片面に設けられた膜状の第1の透明電極12とを備えている。
固定電極シート20は、第2の透明基材21と、第2の透明基材21の片面に設けられた膜状の第2の透明電極22とを備えている。
第1の透明電極12と第2の透明電極22とは、互いに対向するように配置されて、第1の透明電極12が押圧された際に第2の透明電極22に接触するようになっている。
(第1の透明基材)
可動電極シート10を構成する第1の透明基材11としては、例えば、単層または2層以上の透明樹脂フィルム、ガラス板、フィルムとガラス板との積層体が挙げられるが、可撓性を有することから、透明樹脂フィルムが好ましい。
透明樹脂フィルムを構成する透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。
第1の透明電極12は、π共役系導電性高分子とポリアニオンと金属ナノ粒子とを含有するものである。
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されず、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性、バインダ樹脂への相溶性を得ることができるが、導電性及び相溶性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
ポリアニオンとしては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルであって、アニオン基を有する構成単位のみからなるポリマー、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーが挙げられる。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和二重結合(ビニル基)が1個含まれる構成単位からなる高分子である。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドを例示できる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等を例示できる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。ヒドロキシ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。アミノ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。フェノール基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる一種以上の構成単位を含む重合体を例示できる。
また、このアニオン基は、隣接して又は一定間隔をあけてポリアニオンの主鎖に配置されていることが好ましい。
π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計の含有量は0.05〜5.0質量%であり、0.1〜4.0質量%であることが好ましい。π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計の含有量が0.05質量%未満であると、充分な導電性が得られないことがあり、5.0質量%を超えると、均一な第1の透明電極12が得られないことがある。
金属ナノ粒子とは、平均粒子径が1〜50nmの金属粒子のことである。平均粒子径が1nm未満の金属ナノ粒子は調製が困難であり、50nmを超えると、第1の透明電極12を形成する際に用いる導電性高分子溶液中でコロイド状態を保つことが困難になる。
本発明において金属ナノ粒子を形成する金属は、銀、金、ニッケル、銅、白金、パラジウム、インジウムよりなる群から選ばれる1種以上の金属またはそれらの合金である。前記以外の金属または合金では、コロイド粒子を形成させることが困難である。
金属ナノ粒子に用いることができる合金としては、例えば、還元剤が溶解している水溶液に、2種類以上の金属塩の水溶液を同時に添加することにより得た合金などが挙げられる。金属塩としては、銀、金、ニッケル、銅、白金、パラジウム、インジウムなどの塩化物、硝酸塩または金属錯化合物を用いることができる。
これら合金は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1の透明電極12は、成膜性の向上の点から、アクリル重合体を含有することが好ましい。ここで、アクリル重合体とは、下記(a)の単量体および(b)の単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体を重合して得た重合体である。
(b)アリル基、ビニルエーテル基、メタクリル基、アクリル基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基から選ばれる1種と、ヒドロキシ基とを有するアクリル単量体(以下、単量体(b)という。)。
(a−1):グリシジル基と、アリル基、ビニルエーテル基、メタクリル基、アクリル基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基から選ばれる1種とを有するアクリル単量体。
(a−2):グリシジル基を2つ以上有するアクリル単量体。
(a−3):グリシジル基を1つ有するアクリル単量体であって、単量体(a−1)以外の単量体。
グリシジル基とアリル基を有する単量体として、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、アリルフェノールグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジル基とヒドロキシ基とを有する単量体として、1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジル基とヒドロキシ基とアリル基とを有する単量体として、3−アリル−1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
なお、グリシジル基とヒドロキシ基とを有する単量体、グリシジル基とヒドロキシ基とアリル基とを有する単量体は単量体(b)でもある。
ヒドロキシ基とアクリル(メタクリル)基を有する単量体として、2−ヒドロキシエチルアクリレート(メタクリレート)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(メタクリレート)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(メタクリレート)、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、ジペンタエリストリトールモノヒドロキシペンタアクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基とアクリルアミド(メタクリルアミド)基を有する単量体として、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドが挙げられる。
さらに、単量体(a−1)においては、ポリアニオンの残存アニオン基と、単量体(a−1)のグリシジル基とが結合した後、単量体(a−1)のアリル基、ビニルエーテル基、メタクリル基、アクリル基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基同士が重合して複合体同士がさらに架橋する。
多官能アクリル単量体の具体例としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(以下、PEGと表記する。)400ジ(メタ)アクリレート、PEG300ジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等の2官能アクリルモノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等の3官能アクリルモノマー、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等の4官能以上のアクリルモノマー、ソルビトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の5官能以上のアクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、アルキレンオキサイド変性ヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の6官能以上のアクリルモノマー、2官能以上のウレタンアクリレートが挙げられる。
また、多官能アクリル化合物のうち、多官能ウレタンアクリレートは、溶媒溶解性、耐摩耗性、低収縮の点で、分子量1000以下であることが好ましい。分子量が1000を超える多官能ウレタンアクリレートでは、イソシアネート基とポリオール(水酸基)により形成されるウレタン基の導入率が減少して、溶媒に対する溶解性が低くなる傾向にある。
また、第1の透明電極12は、導電性がより高くなることから、2つ以上のヒドロキシ基を有する芳香族化合物を含有することが好ましい。
2つ以上のヒドロキシ基を有する芳香族化合物としては、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等が挙げられる。
なお、これら芳香族化合物の一部は還元剤としても機能する。したがって、2つ以上のヒドロキシ基を有する芳香族化合物を還元剤として兼用することで、導電性をより高めることもできる。
第1の透明電極12は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。
添加剤としてはπ共役系導電性高分子及びポリアニオンと混合しうるものであれば特に制限されず、例えば、アルカリ性化合物、界面活性剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。
アルカリ性化合物としては、公知の無機アルカリ化合物や有機アルカリ化合物を使用できる。無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等が挙げられる。
有機アルカリ化合物としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、4級アミン、アミン以外の窒素含有化合物、金属アルコキシド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの中でも、導電性がより高くなることから、脂肪族アミン、芳香族アミン、4級アミンよりなる群から選ばれる1種もしくは2種以上が好ましい。
界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;アミン塩、4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンレジン等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オギザニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
酸化防止剤と紫外線吸収剤とは併用することが好ましい。
第1の透明電極12の厚さは50〜700μmであることが好ましい。第1の透明電極12の厚さが50μm以上であれば、充分な導電性を確保でき、700μm以下であれば、充分な可撓性及び透明性を確保できる。
可動電極シート10は、第1の透明基材11上に導電性高分子溶液を塗布して作製される。
ここで、導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子とポリアニオンと金属ナノ粒子と溶媒とを必須成分として含有し、2つ以上のヒドロキシ基を有する芳香族化合物、アクリル単量体、添加物等を任意成分として含有する。
前記溶媒の中でも、取り扱い性の点から、水、アルコール類が好ましい。
分散剤としては、金属ナノ粒子表面に対して強い吸着力を有する官能基を有するものが使用される。具体的には、クエン酸およびその誘導体、アニリンおよびその誘導体、硫黄化合物、窒素化合物などが挙げられる。
また、硫黄化合物としては、チオール類(例えば、酸チオール類、脂肪族チオール類、脂環式チオール類、芳香族チオール類等)、チオグリコール類、チオアミド類、ジチオール類、チオール類、チオン類、ポリチオール類、チオ炭酸類、チオ尿素類、硫化水素およびそれらの誘導体が挙げられる。
窒素化合物としては、第3級アミノ基、第4級アミノ基、塩基性窒素原子を有する複素環化合物などが挙げられる。
分散剤の添加量は、金属ナノ粒子100質量%に対して1〜200質量%であることが好ましい。分散剤添加量が1質量%以上であれば、確実に金属ナノ粒子を分散させることができる。しかし、200質量%を超えて添加しても分散性の向上効果が高くならないため、コストを高くするだけである。
アクリル単量体の重合では、熱ラジカル重合法、光ラジカル重合法、プラズマ重合法、カチオン重合法を適用できる。
熱ラジカル重合法では、重合開始剤として、例えばアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシエステル類、ヒドロペルオキシド類等の過酸化物などを用いて重合する。熱ラジカル重合法を適用する場合には、熱風加熱や赤外線加熱などにより加熱して重合すればよい。
光ラジカル重合法では、重合開始剤として、カルボニル化合物、イオウ化合物、有機過酸化物、アゾ化合物などを用いて重合する。具体的には、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、キサントン、チオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、テトラメチルチウラム、ジチオカーバメート、過酸化ベンゾイル、N−ラウリルピリジウムアジド、ポリメチルフェニルシランなどが挙げられる。
光ラジカル重合法を適用する場合には、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射して重合すればよい。また、紫外線を照射する前には、加熱乾燥してもよい。
プラズマ重合では、プラズマを短時間照射し、プラズマの電子衝撃によるエネルギーを受けて、フラグメンテーションとリアレンジメントをしたのち、ラジカルの再結合により重合体を生成する。
カチオン重合法では、反応促進のため、ハロゲン化金属、有機金属化合物等のルイス酸、その他、ハロゲン、強酸塩、カルボニウムイオン塩等の光または熱でカチオンを生成する求電子試薬などを用いる。カチオン重合法は、アクリル単量体が、単量体(a−1)およびビニルエーテル基を有する単量体(b)の重合に適用される。
(第2の透明基材)
固定電極シート20を構成する第2の透明基材21としては、第1の透明基材11と同様のものを使用でき、中でも、可動電極シート10を、ドットスペーサ30を介して支持しやすいことから、ガラス板を用いたものが好ましい。
第2の透明基材21の厚さは0.8〜2.5mmであることが好ましい。第2の透明基材21の厚さが0.8mm以上であれば、充分な強度を確保でき、2.5mm以下であれば、薄くすることができ、省スペース化を実現できる。
第2の透明電極22は、透明導電性金属酸化物製である。第2の透明電極22を構成する透明導電性金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム、酸化錫、インジウムドープ酸化錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化亜鉛などが挙げられる。
第2の透明電極22の厚さは0.01〜1.0μmであることが好ましい。第2の透明電極22の厚さが0.01μm以上であれば、充分な導電性を確保でき、1.0μm以下であれば、薄くすることができ、省スペース化を実現できる。
可動電極シート10と固定電極シート20の非押圧時の間隔は20〜100μmであることが好ましい。可動電極シート10と固定電極シート20の非押圧時の間隔は20μm以上であれば、非押圧時に可動電極シート10と固定電極シート20とを確実に接触させないようにすることができ、100μm以下であれば、押圧時に可動電極シート10と固定電極シート20とを確実に接触させることができる。前記間隔になるようにするためには、ドットスペーサ30の大きさを適宜選択すればよい。
この入力デバイス1では、指またはスタイラスにより可動電極シート10を押した際に、可動電極シート10の第1の透明電極12と固定電極シート20の第2の透明電極22とを接触させて導通させ、その際の電圧を取り込んで位置を検出するようになっている。
このような入力デバイス1は、例えば、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、PHS、現金自動預け払い機(ATM)、自動販売機、販売時点情報管理(POS)用レジスタなどに備え付けられる。
以上説明した入力デバイス1では、可動電極シート10を構成する第1の透明電極12が金属ナノ粒子を含んでいるため、導電性に優れる上に、透明導電性金属酸化物製の第2の透明電極22に対する接触抵抗が小さくなっている。したがって、入力感度の低下や座標入力時間遅れ等の動作不良が起きにくい。
また、金属ナノ粒子は、第1の透明電極12を形成するための導電性高分子溶液中で高い分散性で分散するため、第1の透明電極12中で均一に含まれている。そのため、第1の透明電極の全面で動作不良が起きにくい。
また、金属ナノ粒子の含有量はπ共役系導電性高分子とポリアニオンとの合計100質量%に対して5質量%未満と少ないため、金属ナノ粒子によって透明性が損なわれない。そのため、入力デバイス1を画像表示装置上に設置した際には、画像の視認性に優れる。
(製造例1)ポリスチレンスルホン酸の調製
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を2時間攪拌した。
これにより得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000mlと10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約10000ml溶液を除去し、残液に10000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。
さらに、得られたろ液に約10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
限外ろ過条件は下記の通りとした(他の例でも同様)。
限外ろ過膜の分画分子量:30000
クロスフロー式
供給液流量:3000ml/分
膜分圧:0.12Pa
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gの製造例1で得たポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記ろ過処理が行われた処理液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.2質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)水溶液を得た。
金−銀コロイド粒子(住友金属鉱山社製、CKRシリーズ、アルコール分散、濃度1.2質量%)27.0g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して金−銀コロイド粒子が4.50質量%)、ハイドロキノン3.6g、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、ペンタエリスリトールトリアクリレート7.2g、エタノール300gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Aを得た。
導電性高分子溶液Aを、第1の透明基材であるポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製A4300、厚さ;188μm、全光線透過率;93.5%、ヘイズ;0.68%)に、リバースコーターにより塗布し、120℃、2分間、熱風により乾燥した後、紫外線(高圧水銀灯120W、360mJ/cm2、178mW/cm2)照射し、硬化させ、第1の透明基材を形成して、電極シートを得た。
第1の透明電極の表面抵抗と光透過率、入力デバイスにおける第1の透明電極と第2の透明電極との接触抵抗を以下の方法により測定した。それらの結果を表1に示す。
三菱化学社製ロレスタMCP−T600を用い、JIS K 7194に準じて測定した。
[光透過率]
日本電色工業社製ヘイズメータ測定器(NDH5000)を用い、JIS K7136に準じて光透過率を測定した。
[接触抵抗]
第1の透明基材11(ポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡績製A4300、厚さ;188μm)上に導電性高分子溶液を塗布して第1の透明電極12を形成して、40mm×50mmに裁断した。その裁断したシートの第1の透明電極12上の幅方向の縁に導電性ペースト(藤倉化成社製FA−401CA)をスクリーン印刷し、乾燥させて電極配線13a,13bを形成して、入力者側の可動電極シート10(図2参照)を得た。
また、ガラス製の第2の透明基材21の片面にITO製の第2の透明電極22(表面抵抗:300Ω)が設けられ、40mm×50mmに裁断された電極用シートを用意した。その用意した電極用シートの第2の透明電極22上の長手方向の縁に、導電性ペースト(藤倉化成社製XA436)をスクリーン印刷し、乾燥させて電極配線23a,23bを形成した。次いで、第2の透明電極22上に、ドットスペーサ用ペースト(藤倉化成社製SN−8400C)をスクリーン印刷し、乾燥し、紫外線照射して、ドットスペーサ30を形成させた。次いで、電極配線23a,23b上に、レジスト用ペースト(藤倉化成社製SN−8800G)をスクリーン印刷し、乾燥し、UV照射して、絶縁層25を形成させた。さらに、絶縁層25上に、接着剤(藤倉化成社製XB−114)をスクリーン印刷し、乾燥させて、可動電極シート10に貼り合わせるための接着剤層26を形成させた。これにより、画像表示装置用の固定電極シート20(図3参照)を得た。
次いで、図4に示すように、可動電極シート10と固定電極シート20とを、第1の透明電極12と第2の透明電極22が対向するように配置させ、接着剤層26により貼り合せて抵抗膜式タッチパネルモジュールを作製した。また、固定電極シート20の一方の電極配線23aと精密電源31とを、プルアップ抵抗(82.3kΩ)32、およびプルアップ抵抗32に並列に接続されたプルアップ抵抗32の電圧測定用テスタ33を介して電気的に接続した。また、精密電源31と可動電極シート10の一方の電極配線13aとを電気的に接続した。また、可動電極シート10の他方の電極配線13bと固定電極シート20の他方の電極配線23bとを、抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧測定用テスタ34を介して電気的に接続した。これにより、接触抵抗測定用の電気回路を得た。
接触抵抗は次のように測定した。先端が0.8Rのポリアセタール製スタイラス35で、可動電極シート10を250gの荷重で押圧し、精密電源31により電圧5Vを印加した際のプルアップ抵抗の電圧と抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧を測定し、これらの測定結果より、接触抵抗を測定した。
具体的には、プルアップ抵抗32に流れる電流値を、測定した電圧値を用いてオームの法則から算出し、その算出した電流値および抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧値を下記式に代入して接触抵抗を求めた。
接触抵抗(Ω)=[(抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧(V))/(プルアップ抵抗の電圧(V))]×プルアップ抵抗(Ω)
[摺動試験]
第1の透明電極の塗膜強度を測定するため、エタノールで湿らせたキムワイプ(日本製紙クレシア社製)を、100gf/cm2の荷重をかけて30往復擦り、第1の透明電極の抜けを目視により検査した。また、摺動試験後の接触抵抗を測定した。これらの結果は第1の透明電極の膜強度の指標になる。
◎ :剥離なし、○:わずかに剥離、△:一部剥離、×:完全剥離
銀コロイド粒子(ナノサイズ社製、AG321、エチレングリコール分散、濃度50質量%)0.57g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して銀コロイド粒子が4.0質量%)、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、2,3,3’,4,4’,5−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン3.6g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、トリプロピレングリコールジアクリレート7.2g、エタノール300gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Bを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Bを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
銀コロイド粒子(住友金属鉱山社製、DCGシリーズ、アルコール分散、濃度0.3質量%)10g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して銀コロイド粒子が0.42質量%)、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、2,3,3’,4,4’,5−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン3.6g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート7.2g、エタノール300gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Cを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Cを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
コロイド銀ゾル(共立マテリアル社製、SG−AG47SH、濃度12質量%)0.03g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対してコロイド銀ゾルが0.05質量%)、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、ハイドロキノン3.6g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート7.2g、エタノール300gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Dを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Dを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18gの代わりにジメチルスルホキシド20gを添加し、ペンタエリスリトールトリアクリレートを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子溶液Eを得た。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Eを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例3においてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを添加しなかったこと以外は実施例3と同様にして、導電性高分子溶液Fを得た。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Fを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
コロイド銅ペースト(共立マテリアル社製、SG−CU50P、濃度60質量%)0.3g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対してコロイド銅が2.50質量%)、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、ガーリック酸3.6g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート7.2g、1−メトキシ−2−プロパノール200gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Gを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Gを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
インジウムコロイド(新光化学工業所社製、濃度1.4質量%)5.6g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対してインジウムコロイドが1.09質量%)、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、ガーリック酸メチル3.6g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、ジメチロールジシクロペンタジアクリレート7.2g、1−メトキシ−2−プロパノール200gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Hを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Hを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
白金コロイド(新光化学工業所社製、濃度2.5質量%)8.8g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して白金コロイドが3.08質量%)、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン3.6g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、トリメチロールプロパントリアクリレート7.2g、エタノール300g、1−メトキシ−2−プロパノール200gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Iを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Iを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
金コロイド(新光化学工業所社製、濃度1.8質量%)12.0g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して金コロイドが3.00質量%)、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸3.6g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、ジプロピレングリコールジアクリレート7.2g、エタノール300g、1−メトキシ−2−プロパノール200gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Jを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Jを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
ニッケルコロイド(新光化学工業所社製、濃度2.8質量%)9.0g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対してニッケルコロイドが3.50質量%)、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル3.6g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、ソルビトールペンタアクリレート7.2g、エタノール300g、1−メトキシ−2−プロパノール200gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Kを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Kを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
パラジウムコロイド(新光化学工業所社製、濃度3.0質量%)11.7g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対してパラジウムコロイドが4.88質量%)、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン3.6g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート7.2g、エタノール300g、1−メトキシ−2−プロパノール200gを混合し、撹拌した。これにより得た混合溶液に、製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gを添加し、ホモジナイザ分散処理して、導電性高分子溶液Lを得た。
そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Lを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1における金−銀コロイド粒子の添加量を0.05g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して金−銀コロイド粒子が0.003質量%)にした以外は実施例1と同様にして、導電性高分子溶液Mを得た。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Mを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例2における銀コロイド粒子の添加量を8g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して銀イオンが55.6質量%)にした以外は実施例2と同様にして、導電性高分子溶液Nを得た。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Nを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例3における銀コロイド粒子の添加量を180g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して銀コロイド粒子が7.5質量%)にした以外は実施例3と同様にして、導電性高分子溶液Oを得た。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Oを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例4におけるコロイド銀ゾルの添加量を10g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対してコロイド銀ゾルが16.7質量%)にした以外は実施例4と同様にして、導電性高分子溶液Pを得た。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Pを用いたこと以外は実施例1と同様に第1の透明電極を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
さらに、実施例1〜4,7〜12の第1の透明電極は、(メタ)アクリルアミドおよび多官能アクリルを重合した重合体をさらに含んでいたため、膜強度、透明基材に対する密着性にも優れていた。
また、実施例5の第1の透明電極は、アクリル重合体を含んでいなかったため、摺動試験前の塗膜強度が低く、摺動試験後に導電性が低下した。
多官能アクリルが共重合されなかった(メタ)アクリルアミドの重合体を含む実施例6の第1の透明電極は、摺動試験前の塗膜強度が低く、摺動試験後に導電性が低下したが、実施例5よりは、摺動試験前の塗膜強度が高かった。
π共役系導電性高分子とポリアニオンと特定の金属ナノ粒子を含むが、金属粒子の含有量が5質量%以上であった比較例2〜4の第1の透明電極は、充分な透明性が得られず、入力デバイス用として適していなかった。
10 可動電極シート
11 第1の透明基材
12 第1の透明電極
13a,13b 電極配線
20 固定電極シート
21 第2の透明基材
22 第2の透明電極
23a,23b 電極配線
30 ドットスペーサ
Claims (1)
- 第1の透明電極と、第1の透明電極に対向するように配置された透明導電性金属酸化物製の第2の透明電極とを備え、第1の透明電極が押圧された際に第2の透明電極に接触する入力デバイスにおいて、
前記第1の透明電極は、π共役系導電性高分子とポリアニオンと平均粒子径が1〜50nmの金属ナノ粒子とを含有し、
金属ナノ粒子を形成する金属が、銀、金、ニッケル、銅、白金、パラジウム、インジウムよりなる群から選ばれる1種以上の金属またはそれらの合金であり、
金属ナノ粒子の含有量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンとの合計を100質量%とした際の0.01質量%以上5質量%未満であることを特徴とする入力デバイス。
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