JP5017160B2 - 液状熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、及び金属張積層板 - Google Patents

液状熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、及び金属張積層板 Download PDF

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本発明は、電子材料分野において好ましく用いられる液状熱硬化性樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び金属張積層板に関する。
従来から、環状フェノキシホスファゼンは、比較的低い誘電率、耐加水分解性及び高い難燃性を有することから、電子材料分野において用いられる樹脂組成物に配合されるハロゲンフリーのリン系難燃剤として広く用いられている。
例えば、下記特許文献1には、環状フェノキシホスファゼン化合物を樹脂組成物に配合した場合に、樹脂の成形温度を低下させたり、混練時のブロッキングや滲み出し(ジューシング)を防止したり、燃焼時のドリッピングを防止するために、特定の架橋基により架橋されている架橋された環状フェノキシホスファゼン化合物からなる難燃剤が開示されている。
また、下記特許文献2には、樹脂成形体の機械的特性を損なわずに、その難燃性を効果的に高めることができ、さらに、樹脂成形体の高温信頼性を損なわないことを実現する環状ホスファゼン化合物として、特定の反応性基を有する環状ホスファゼン化合物が開示されている。
特開平11−181429号公報 特開2007−153749号公報
しかしながら、上記のような環状フェノキシホスファゼン化合物は、いずれも常温で固体であるために、混合する際の樹脂や溶剤への溶解性に乏しかった。このために、これらの難燃剤を完全に溶解させてワニスに調製することは困難であり、また、一度溶解することができても、経時的に分離や析出が生じてしまい、ワニスの安定性が乏しかった。このようなワニスに経時的に生じる析出物は、得られる硬化物の信頼性の低下につながる。また、溶解性が乏しいために、ワニスの安定性を確保する上において、充分な難燃性を確保できるだけの量を配合することができなかったために、得られる硬化物の難燃性も充分ではなかった。
本発明は、上記問題点を解決した、ワニス安定性に優れた環状フェノキシホスファゼン化合物を難燃剤として用いた液状熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、及び金属張積層板を提供することを課題とする。
本発明の液状熱硬化性樹脂組成物は、難燃剤として、一般式(I):
(式中、mは3〜25の整数、Rはそれぞれ独立してフェノキシ基、式(II):
で表される基、式(III):
で表される基、式(IV):
で表される基から選ばれる基であり、R基の個数の33〜66%が式(II)、式(III)、及び式(IV)から選ばれる何れかの基である)で表される常温で液状の環状フェノキシホスファゼン化合物を含有することを特徴とするものである。このような構成によれば、常温で液状の環状フェノキシホスファゼン化合物を用いるために、ワニスとして調製される液状熱硬化性樹脂組成物中における樹脂成分や溶剤との相溶性が高くなる。そのためにワニス安定性が高く、難燃性に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる。
また、一般式(I)において、m=3であり、R基のうち少なくとも2つはフェノキシ基であり、少なくとも1つは、式(II)で表される基である常温で液状の環状フェノキシホスファゼン化合物を含有する場合には、それ自身が反応しうるために、より耐熱性に優れたものになる。
また、一般式(I)において、m=3であり、R基のうち少なくとも2つはフェノキシ基であり、少なくとも1つは、式(III)で表される基である常温で液状の環状フェノキシホスファゼン化合物を含有する場合には、それ自身が反応しうるために、より耐熱性に優れたものになる。
また、本発明のプリプレグは、前記液状熱硬化性樹脂組成物を繊維質基材に含浸させ、硬化させて得られることを特徴とする。
また、本発明の金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする。
本発明によれば、常温で液状の環状フェノキシホスファゼン化合物を用いるために、ワニス中における樹脂成分や溶剤との相溶性が高くなり、そのために、ワニス安定性が高い難燃性の液状熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の液状熱硬化性樹脂組成物は、難燃剤として、上記一般式(I)で表される常温で液状の環状フェノキシホスファゼン化合物を含有することを特徴とする。
上記一般式(I)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物は、環状フェノキシホスファゼンの全フェノキシ基中の33〜66%が、上記式(II)、式(III)、及び式(IV)から選ばれる基で置換された、液状の環状フェノキシホスファゼン化合物である。このような、液状の環状ホスファゼン化合物は、ワニス中における樹脂成分や溶剤との相溶性が高いために、ワニス安定性が高い液状熱硬化性樹脂組成物が得られる。
このような液状の環状フェノキシホスファゼン化合物は、環状フェノキシホスファゼン化合物の全フェノキシ基の33〜66%を、式(II)、式(III)、及び式(IV)から選ばれる何れかの基に置換することにより得られる。
R基の33〜66%が、式(II)、式(III)、または式(IV)で表される何れかの基に置換されている場合には、常温で液状を示す。一方、R基が16%未満及び83%を超える場合には、環状フェノキシホスファゼン化合物の結晶性が高くなるために、常温で固体になる。従って、一般式(I)で示される環状フェノキシホスファゼン化合物のR基の33〜66%を、式(II)、式(III)、及び式(IV)から選ばれる何れかの基にすることにより、常温で液状の環状フェノキシホスファゼン化合物が得られる。
なお、環状フェノキシホスファゼン化合物中のR基の置換割合は元素分析により測定することができる。
このような一般式(I)で示される環状フェノキシホスファゼン化合物は、後述するスキーム1で示すように、所定のモル比で配合されたフェノール及び各種置換されたフェノールを水酸化ナトリウムと反応させることによりナトリウムフェノラート及び各種置換されたナトリウムフェノラートを得、得られたナトリウムフェノラート及び各種置換されたナトリウムフェノラートをトルエン等の溶媒中でヘキサクロルシクロトリホスファゼンと所定の温度条件、例えば80〜120℃程度の温度範囲で所定の時間、例えば4〜12時間反応させることにより得られる。
一般式(I)において、m=3の場合の反応スキームの一例を以下に示す。なお、下記反応スキームは、R基の3つが、式(II)、式(III)、及び式(IV)から選ばれる何れかの基に置換した場合を代表例として示したが、ナトリウムフェノラートと置換されたナトリウムフェノラートとのモル比を調整することにより、置換されるR基の数や種類を調整することができる。
(スキーム1)
(スキーム2)
(スキーム1及びスキーム2中、Rxは−OCHCHOCOCOCH、−OCN、−CHの何れかの基)
このようにして得られる、常温で液状の環状フェノキシホスファゼン化合物の配合量としては、液状熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂成分100質量部に対し、10〜80質量部であることが、得られる硬化物のガラス転移点を大幅に低下させることなく、充分な難燃性を付与することができる点から好ましい。
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物中に含有される熱硬化性樹脂成分について説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物中に含有される熱硬化性樹脂は特に限定されないが、具体的には、例えば、エポキシ樹脂、常温で液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が好ましく用いられる。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂であり、その具体例としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン類、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられ、ノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられ、脂環式エポキシ樹脂の具体例としては、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレ−ト、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン等が挙げられ、グリシジルエステル類の具体例としては、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等が挙げられ、グリシジルアミン類の具体例としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルP−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン等が挙げられ、複素環式エポキシ樹脂の具体例としては、1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、通常、エポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤が含有される。
硬化剤の具体例としては、エポキシ樹脂との反応性に優れている点からイミダゾール類が好ましく用いられる。イミダゾール類の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
硬化剤の配合量としては、特に制限されないが、エポキシ樹脂の量に対して、エポキシ当量比で0.5〜5の範囲で配合することが好ましい。
また、ラジカル重合型熱硬化性樹脂とは、1分子中に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和基を有する樹脂である。ラジカル重合型熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂とアクリル酸やメタクリル酸のような不飽和脂肪酸との反応物であるビニルエステル樹脂や、プロピレングリコール、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等と無水マレイン酸やフマル酸等の多塩基不飽和酸との反応物である不飽和ポリエステル等が挙げられる。これらの中では、特に、ビニルエステル樹脂が、耐薬品性等に優れる点から好ましく用いられる。
樹脂成分として、ラジカル重合型熱硬化性樹脂を用いる場合には、硬化反応を開始させるためのラジカル重合開始剤が配合される。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、ベンゾイルパーオキシド、イソブチルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のアルキルパーエステル類、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチルカーボネート等のパーカーボネート類等の有機過酸化物や、過酸化水素等の無機化酸化物が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤の配合量としては、特に制限されるものではないものの、ラジカル重合型熱硬化性樹脂100質量部に対して、0.5〜2質量部程度であることが好ましい。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂とは、従来から電子材料等とに用いられているポリフェニレンエーテル樹脂が特に限定なく用いられうる。具体的には数平均分子量が10000以上の高分子量ポリフェニレンエーテルの他、数平均分子量が10000未満の低分子量ポリフェニレンエーテル樹脂等を用いることができる。これらの中では、数平均分子量が10000未満の低分子量ポリフェニレンエーテル樹脂、さらには、数平均分子量が8000以下、とくには、数平均分子量が4000以下のものが、前記液状の環状フェノキシホスファゼン化合物との相溶性に優れる点から特に好ましく用いられる。数平均分子量が大きすぎる場合には、相溶性が低下する傾向がある。
前記ポリフェニレンエーテル樹脂としては、ポリフェニレンエーテル単位のフェニル基の水素原子が炭化水素基等で置換されたものや、末端に不飽和二重結合等を有するものでも良い。
なお、本発明においては、特に、末端に不飽和二重結合を有するポリフェニレンエーテル樹脂が、密着性に加え、特に耐熱性を向上させることができる点から好ましい。
前記末端に不飽和二重結合を有するポリフェニレンエーテル樹脂としては、例えば、下記一般式(V)で示される構造を有するようにビニル基を有し、且つ数平均分子量が好ましくは1000〜8000、更に好ましくは1000〜5000であるポリフェニレンエーテル樹脂が挙げられる。
(式中、Xはアリール基を示し、(Y)qはポリフェニレンエーテル単位を示し、Zはフェニレン基,酸素原子または硫黄原子を示し、R5〜R7は独立して水素原子,アルキル基,アルケニル基またはアルキニル基を示し、qは1〜100の整数を示し、rは1〜6の整数を示し、sは1〜4の整数を示す。)
前記Xで示されるアリール基としては、例えば、フェニル基,ビフェニル基,インデニル基,ナフチル基を挙げることができ、好適にはフェニル基である。また、これらアリール基が酸素原子で結合されているジフェニルエーテル基や、カルボニル基で結合されたベンゾフェノン基、アルキレン基により結合された2,2−ジフェニルプロパン基等も、本
発明のアリール基の定義に含まれる。また、これらアリール基は、アルキル基(好適には炭素数1〜6のアルキル基、特にメチル基),アルケニル基,アルキニル基やハロゲン原子など、一般的な置換基によって置換されていてもよい。
また、前記末端に不飽和二重結合を有するポリフェニレンエーテル樹脂としては、例えば、Zがフェニレン基であり、且つ、nが1であり、その数平均分子量が4000以下であるポリフェニレンエーテル樹脂が特に好ましい。
前記不飽和二重結合を有するポリフェニレンエーテル樹脂は末端に水酸基を有するポリフェニレンエーテル樹脂と不飽和結合を有する化合物のハロゲン化物、例えば、ハロゲン化メチルスチレンや2−クロロエテニルエーテル等とをアルカリ金属水酸化物の存在下で反応させることによって得ることができる。また、末端フェノールをエポキシアクリレートやエポキシメタクリレート等と反応させることによっても得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記以外の成分として、本発明の目的を損なわない範囲で、無機フィラー、難燃助剤、流動改質剤、滑剤、シランカップリング剤、着色剤等の添加剤を必要に応じて添加してもよい。
無機フィラーは、特に限定されないが、球状シリカ、金属水酸化物、及び、ニッケル,鉄,コバルト,クロムからなる群から選ばれる少なくとも2種の金属元素を含む複合金属酸化物が特に好ましく用いられる。これらは、特に、難燃性に優れている点から好ましく用いられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記各成分を混合することにより得られる。なお、熱硬化性樹脂成分として常温で液状の熱硬化性樹脂を用いる場合には、液状の樹脂成分に前記常温で液状である環状フェノキシホスファゼン化合物を容易に溶解させることができる。また、熱硬化性樹脂成分として常温で固体の熱硬化性樹脂を用いる場合には、該熱硬化性樹脂を溶解しうる溶媒、具体的には、メチルエチルケトン(MEK)等に溶解させて用いることができる。この場合にも、環状フェノキシホスファゼン化合物が液状であるために溶媒に容易に溶解させることができる。
そして、このようにして得られた液状熱硬化性樹脂組成物は、例えば、プリプレグを形成する際の塗布や含浸する際において、分離や析出物が生じにくい安定性の優れたものになる。
また、上記常温で液状の環状フェノキシホスファゼン化合物は、高い難燃化効果を有し、誘電率が低く、耐加水分解性にも優れているために、本発明の液状熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物は、難燃性が高く、誘電率も低いものになる。従って、高周波特性等が要求される電子材料、具体的には、該樹脂組成物を繊維基材に含浸させて得られるプリプレグや、該プリプレグと銅箔を積層して得られる銅張積層板、あるいは、絶縁性フィルムや、各種成形材の用途に好ましく用いられる。
以下に、本発明を実施例を用いて、さらに、具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に何ら限定されない。
はじめに、本実施例で用いた原材料をまとめて示す。
・クレゾールノボラックエポキシ樹脂:大日本インキ化学(株)製の商品名 N690
・ポリフェニレンエーテル樹脂:GEプラスチックス社製の商品名 640−111
・ビニルエステル樹脂:ビスフェノールA型エポキシメタクリレート樹脂(新中村化学製のNKオリゴ EA1020)
・液状ホスファゼン1:一般式(I)において、m=3であって、3個のR基が式(II)で表される基であり、3個のR基がフェノキシ基である液状環状ホスファゼン化合物
・液状ホスファゼン2:一般式(I)において、m=3であって、3個のR基が式(III)で表される基であり、3個のR基がフェノキシ基である液状環状ホスファゼン化合物
・液状ホスファゼン3:一般式(I)において、m=3であって、3個のR基が式(IV)で表される基であり、3個のR基がフェノキシ基である液状環状ホスファゼン化合物
・固形ホスファゼン:一般式(I)において、m=3であって、6個のR基がフェノキシ基である固形環状ホスファゼン化合物(大塚化学(株)製のSPB−100)
・ラジカル重合開始剤:クメンハイドロパーオキサイド(CHP) パークミルH‐80 (日本油脂製)
・エポキシ樹脂用の硬化剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、(四国化成製)
(実施例1〜6、及び比較例1〜2)
[ワニス安定性評価]
表1に示した配合比率で各材料を容器に量り取り、ビーズミルを用いて均一混合することにより液状の熱硬化性樹脂組成物を得た。なお混合直後の液状熱硬化性樹脂組成物は、分離等を生じていない均一な溶液であった。そして、調製された液状熱硬化性樹脂組成物を静置したとき、溶液の経時的な変化を目視により観察して以下の基準により評価した。
○:混合直後から200時間経過しても、析出物が発生せず、層の分離も生じなかった。
×:混合直後から24時間以内に析出物が生じた。
このときの結果を表1に示す。
[難燃性評価]
表1に示した配合比率で各材料を容器に量り取り、均一混合することにより液状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
そして、銅箔(JTC、日鉱金属製)の上に、ガラスクロス(1504タイプ 平織り)を、重ねたのち、ガラスクロス100質量部に対して、100質量部の液状の熱硬化性樹脂組成物を含浸した。そして、液状の熱硬化性樹脂組成物を含浸したのち、さらに、上面に銅箔を配し、オーブンに投入して樹脂成分を所定の条件で硬化させることにより、銅張積層板を得た。
そして、得られた銅張積層板の表面の銅箔を剥離した後、UL94の燃焼性試験に準じて、燃焼性を評価した。
このときの結果を表1に示す。
[溶解性評価]
常温で、ビニルエステル樹脂100質量部に対して液状ホスファゼン1又は固形ホスファゼンを溶解させたときの溶解性を評価した。その結果、固形ホスファゼンは15質量部しか溶解しなかったのに対し、液状ホスファゼン1は、少なくとも25質量部溶解した。
本発明に係る実施例1〜実施例5の液状熱硬化性樹脂組成物は、いずれも、難燃性がV−0レベルであり、また、ワニス安定性にも優れている。一方、置換基のない固形環状フェノキシホスファゼン化合物を配合した比較例1においては、比較的短時間でワニスに析出が生じて不安定になった。また、エポキシメタクリレート樹脂に固形環状フェノキシホスファゼン化合物を配合した比較例においては、難燃性が不充分であり、全焼した。また、難燃性を高めるために難燃剤を増量する場合においては、液状ホスファゼンを用いた実施例6では30質量部配合してもワニスの安定性が高いが、固形ホスファゼンの場合には、溶解性が乏しく、30質量部配合することが困難であった。

Claims (4)

  1. 難燃剤として、一般式(I):

    (式中、mは3〜25の整数、Rはそれぞれ独立して、フェノキシ基、式(II):

    で表される基、式(III):

    で表される基、式(IV):

    で表される基から選ばれる基であり、R基の個数の33〜66%が式(II)、式(III)、及び式(IV)から選ばれる何れかの基である)
    で表される常温で液状である環状フェノキシホスファゼン化合物を含有する液状熱硬化性樹脂組成物を繊維質基材に含浸させ、硬化させて得られることを特徴とするプリプレグ。
  2. 難燃剤として、一般式(I):

    (式中、m=3であり、Rはそれぞれ独立して、フェノキシ基、式(II):

    で表される基、式(III):

    で表される基、式(IV):

    で表される基から選ばれる基であり、R基の個数の33〜66%が式(II)、式(III)、及び式(IV)から選ばれる何れかの基であり、R基のうち少なくとも2つはフェノキシ基であり、少なくとも1つは、式(II)で表される基である
    で表される常温で液状である環状フェノキシホスファゼン化合物を含有することを特徴とする液状熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載の液状熱硬化性樹脂組成物を繊維質基材に含浸させ、硬化させて得られることを特徴とするプリプレグ。
  4. 請求項1又は請求項3に記載のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする金属張積層板。
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