以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態に係るデジタル複写機において、定着装置を主とした制御系の構成を示すブロック図である。図1に示す制御系10において、まず、定着装置121に関しては、定着ヒータHT1は、トランス201を介して商用電源(交流電源)200及び補助電源回路220に含まれる蓄電素子202から電力供給を受けて発熱する。また、加圧ヒータHT2は商用電源200から電力供給を受けて発熱する。
商用電源200からはスイッチング素子であるリレー206、整流器211及び降圧回路207を介して定着ヒータHT1に直流電力を供給して発熱させる。一方、補助電源220の蓄電素子202は、商用電源200からの電力供給を受けて充電され、前記の降圧回路207を介して定着ヒータHT1に直流電力を供給して発熱させる。
補助電源220には、充放電を制御するための充放電制御部203が設けられている。蓄電素子202としては、電気二重層キャパシタ、コンデンサあるいは1次電池などが用いられる。充放電制御部203は商用電源200からの電力供給を受けて蓄電素子202を充電させる充電器(充放電制御部203に含む)を備え、スイッチング素子、例えばリレー204を介して降圧回路207への放電を制御している。
一方、直流電源からの電力供給を受けて動作し、プリンタエンジンを主として装置全体を制御するエンジン制御部205が設けられている。このエンジン制御部205は、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM等から構成されたマイクロコンピュータからなり、CPUは、本デジタル複写機1を制御するためのプログラムやデータを格納するためのROMと接続されており、ROMに格納されたプログラムに基づいて、プリンタエンジンや電源回路等の制御を行う一方、制御動作に伴う各種情報をRAMに格納する。
このエンジン制御部205には、画像形成装置全体の消費電力を制御する省エネコアが構成されており、複数の省エネルギーのレベルに応じて、画像系装置内の各部品で消費される電力、及び、エンジン制御部の内部で消費される電力の切り替えを行っている。
このエンジン制御部205は、定着ヒータHT1と商用電源200との間を接続する降圧回路207のON/OFFを制御することにより、定着ヒータHT1に対する通電動作を制御(ヒータ点灯/消灯)する。また、トライアック218のON/OFFを制御することにより、加圧ヒータHT2に対する通電動作も制御している。なお、THSTは安全用のサーモスタットである。
このエンジン制御部205には、操作部208や後処理装置209が接続されている。また、画像形成装置の各負荷で使用する制御及び駆動用の直流電圧(例えば、5V、24Vなど)を生成する直流電源が設けられている。直流電源は商用電源200からの電力供給を受けて直流電圧を生成している。
さらに、定着装置121には当該定着装置121のローラ301、302間を通紙される用紙(用紙)の通過を検出するための紙センサ210が配置されている。
このような基本的な構成に加えて、本実施の形態では、一つのヒータ(定着ヒータHT1)に通電する降圧回路207の電源として、前記の商用電源200、または蓄電素子202を含む補助電源220、または商用電源200と蓄電素子202の両方のいずれかに切り替えが可能な電源選択手段を有し、画像形成装置の動作モードまたは定着装置の温度に基づき、前記電源選択手段の切り替え指示を行う電力制御手段の機能をエンジン制御部205に備えている。
電力制御手段は主としてエンジン制御部205でソフトウェアにより実行されるものであり、リレー206及び充放電制御部203を介して駆動(オン/オフ)されるリレー204により、どの電源から定着ヒータHT1に電力を供給するか選択している。
商用電源200から定着ヒータHT1への通電時は、リレー206及びリレー204を切り替え、商用電源200だけから降圧回路207へ給電するようにしており、この場合はリレー204がオフ、リレー206をオンとしている。この電源は主として、画像像形成装置の稼動時(プリント時)に選択される。商用電源200からの交流電圧は整流器211で全波整流され、降圧回路207に入力する。
降圧回路207は、一般に知られているチョッパー型のDC/DCコンバータであり、ローサイドに配置してある主スイッチ素子214により駆動される。DC/DCコンバータはチョークコイル216、フライホイール用の整流器215、平滑用のコンデンサ217等により構成している。
駆動信号はドライブ回路を介してエンジン制御部205から供給され、商用電源200の周波数よりも遥かに高い約20kHzに設定されたPWM信号(パルス幅変調)が供給される。
PWM信号は周期固定でアクティブレベルのパルス幅を可変している。このPWM信号により定着ヒータHT1に印加する電圧の振幅を任意に変えることができ、最終的に定着ローラ301の発熱量をPWM信号で制御している。この降圧回路207は出力の平滑用のコンデンサ217を比較的小さい静電容量値に設定してあり、入力電圧波形に相似な出力電圧(定着ヒータ電流)となるようにしている。
図2−1および図2−2は、PWM信号により、チョークコイル216に流れる電流Ipの波形を示す。このように商用電源200の全域で電流が流れ、その包絡線が正弦波状となり、PWM信号のレベルを主スイッチ素子214のオンとオフの比率により変えることで、正弦波の振幅を可変している。
図3にPWM信号のレベルを100%、70%、40%で切り替えた場合の定着ヒータHT1及び画像形成装置の入力電流を示す。図示していないが、降圧回路207の電源として蓄電素子202から供給する場合も同様にPWM信号により、定着ヒータHT1へ流れる電流を制御している。
蓄電素子202から供給する場合は、電力制御手段ではリレー204をオン、また、リレー206をオフに切り替えている。これにより、商用電源200から降圧回路207への通電を遮断し、定着ヒータHT1への通電を補助電源220の蓄電素子202からだけ行うようにしている。
この電源は主として、入力電流の平準化及び定着ローラ301の温度リップル低減のため、画像像形成装置の起動時(ウォームアップ時及びプリント開始時及び省エネモードからの復帰時など)に定着ヒータHT1の突入電流が収束するまでの時間や稼動時(プリント時)に選択している。
降圧回路207は、商用電源200からの場合と同様の動作を行う。降圧回路207の入力電圧はA点に接続された補助電源220からの直流電圧であり、定着ヒータHT1にも直流電圧が供給される。この電源の場合も、降圧回路207へのPWM信号により、定着ローラ301の温度を制御している。
商用電源200では、商用電源の電源周期での電圧変化による定着ローラ301の温度リップルがあったが、この電源(蓄電素子202)では、直流出力となるため、電源周期による温度リップルの発生が無い利点がある。
商用電源200と蓄電素子202の両方から供給する場合は、電力制御手段はリレー206及びリレー204の両方をオンするようにしている。これにより降圧回路207の入力には、商用電源200と蓄電素子202の両方が接続され、両者の電圧の高い方から、降圧回路207に通電が行われる。
この電源は主として、画像像形成装置の起動時(ウォームアップ時及びプリント開始時及び省エネモードからの復帰時など)や特に定着ローラHT1の温度が基準よりも低い場合に選択する。
降圧回路207は商用電源200からの場合と同様の動作を行う。この電源の場合も、降圧回路207へのPWM信号により、定着ローラ301の温度及び画像形成装置への入力電流を制御している。
降圧回路207の入力は整流器211からの商用電源200と整流器212からの補助電源220で構成されるダイオードオアの構成となるため、前述のように両者の電圧の高い方から電力が降圧回路207に供給される。従って、商用電源200の電圧が補助電源220よりも低くなるゼロクロス前後では、商用電源200からの降圧回路207への電力供給が止まり、補助電源220からのみ通電される。
これにより、商用電源200から画像形成装置への入力電流は、商用電源200だけを電源とした場合に比べ、補助電源220も電源とすることができるため低い値となる。一方、定着ヒータHT1への供給可能な電力は、商用電源200だけを電源とする場合に比べ補助電源220も電源とすることができるため大きくなる。このため、定着ローラ301の温度立上げ時間の短縮ができるとともに、画像形成装置の入力電流の低減による商用電源200の電流平準化(第1の平準化)の利点もある。
ここで、商用電源200の電流平準化について説明する。商用電源200と蓄電素子202の両方から供給する場合は、商用電源200の一つの電源周期内を商用電源200と蓄電素子202からの通電に分割していた。さらに積極的に平準化を行うために、エンジン制御部205では、冷間な環境での定着ヒータHT1の起動時に、蓄電素子202からの供給を選択している。
一般に知られているように、ハロゲンヒータは、冷間時に起動すると突入電流が流れ大きな電力を消費する。しかし、この大きな電力により、ハロゲンヒータ内部の発熱材であるフィラメントを一気に加熱し、定着ローラ温度の早い立ち上がりを獲得することができている。
さらに、定着ヒータHT1の起動時は一般に画像形成装置全体も起動の場合であり、装置全体の電流も多くなる。このため、各部位の起動タイミングをずらすなどして対応しているが、起動時間が長くなる副作用もある。
この突入電流が流れる時間は、ハロゲンヒータへの通電開始から約200〜500msである。この期間の電力の供給を蓄電素子202から行うことで、画像形成装置の入力電流への突入電流の影響を少なくすることができ、商用電源200の電流を平準化(第2の平準化)を行っている。
次に、各電源から定着ヒータHT1に供給される電源波形を図4に示し説明する。同図のAC(1)は画像形成装置の入力電圧である。商用電源200だけが接続されている場合は、定着ヒータHT1に流れる電流は、同図のAC(2)に示す全波整流波形となる。また、画像形成装置の入力電流は同図のAC(3)の波形となり、定着ヒータHT1に供給する電流が多くを占めている。
蓄電素子202だけが接続されている場合は、定着ヒータHT1に流れる電流は、同図のCAP(2)に示す直流波形となる。また、画像形成装置の入力電流は同図のCAP(3)の波形となり、定着ヒータHT1に供給する電流が無いため、他の状態に比べはるかに低い値になっている。
商用電源200と蓄電素子202の両方の両方を接続している場合は、定着ヒータHT1に流れる電流は、同図のMIX(2)に示す前述の両方が組み合わされた波形となる。また、画像形成装置の入力電流は同図のMIX(3)の波形となり、前述の二つの電源での場合に比べ中間の大きさの値になっている。
降圧回路207の接続点であるA点では、商用電源200と蓄電素子202の電圧の高い方から降圧回路207に電流が供給されるので、商用電源200からは前述のMIX(3)が全波整流されたMIX(4)に示す入力電流が流れ、蓄電素子202からはMIX(5)の電流が流れる。すなわち、商用電源200のゼロクロスに相当する電圧が低い期間の前後で蓄電素子202から給電する。これにより、商用電源200だけを電源とする場合よりも多くの電流を定着ヒータHT1に供給することができる。
一方、第2の発熱部材である加圧ヒータHT2には、エンジン制御部205でリレー206とトライアック218をオンすることで、商用電源200から電力が供給される。
このような定着装置121において、エンジン制御部205では、画像形成装置の動作モードに応じて、温度センサTH11及びTH12で検出した定着ローラ301及び加圧ローラ302の温度が所定値となるように、発熱部材である定着ヒータHT1及びHT2への通電を制御している。
(第2の実施形態)
第2の実施形態を図5に基づいて説明する。図5は、第2の実施形態に係るデジタル複写機において、定着装置を主とした制御系の構成を示すブロック図である。第1の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。
本実施形態にかかる定着装置を主とした制御系20は、補助電源220に蓄電素子202の電圧を昇圧する昇圧回路を設け、その出力を定着装置121に電力を供給する降圧回路207に供給し、定着ローラ301に電力を供給することで、供給電圧の安定化、画像形成装置の消費電力変動低減、蓄電素子202の個数低減などを行うようにしたものである。
昇圧回路は一般に知られているチョッパー型のDC/DCコンバータ(昇圧コンバータ)であり、昇圧制御回路221、チョークコイル222、駆動用の主スイッチ素子223、昇圧用の整流器212等により構成される。
駆動信号は昇圧制御回路221で生成し、商用電源の周波数よりも遥かに高い約20kHzに設定されたPWM信号(パルス幅変調)を出力している。昇圧出力のレベル(出力電圧)は、充放電制御部203を介して、エンジン制御部205から指示している。
補助電源220の昇圧回路は、蓄電素子202の電圧を所定の値(例えば90V)に定電圧制御する。これにより、蓄電素子202の充電電圧が変化しても常に一定の電圧を出力することができる。また、昇圧回路は入力電圧を約2倍に昇圧できるため、蓄電素子202の個数を減らすことができるなどの効果がある。
負荷の定着ヒータHT1の点灯に必要な電圧は、一般知られている「ハロゲンヒータ内部での、ハロゲンサイクルを維持するのに必要な最低電圧」以上としなければならない。また、蓄電素子202を構成する電気二重層キャパシタなど、大容量の蓄電素子は充電電圧の上限が一般のコンデンサ(蓄電素子)に比べ低く、電気二重層キャパシタでの充電電圧上限は2.5Vである。このため、これまでは複数の蓄電素子を直列に接続し、所望の電圧を生成していた。
本実施形態では、蓄電素子202の充電電圧が放電により低下しても、昇圧手段を設けることで、定着ヒータHT1への供給電圧を一定にできるため、定着装置の発熱量を一定に保つことがきる。
図6に昇圧回路の出力とヒータ電流の波形例を示す。ここでは降圧回路207のPWMレベルを固定して、昇圧回路のPWMレベルを100%、70%、20%に変化させた時の波形を示す。
昇圧回路のPWMレベルに昇圧回路からA点の入力電流MIX(5)が追従している。これにより、該PWMレベルが大きくなると(100%)ヒータ電流MIX(2)に含まれる蓄電素子202からの電流が増え、定着ヒータHT1の電流MIX(2)が大きくなる。逆に、画像形成装置に商用電源200から入力する電流MIX(3)は小さくなり、該装置の消費電力が商用電源200だけを電源とする場合に比べ小さくなる。また、昇圧回路のPWMレベルを小さくするとヒータ電流MIX(2)は前者に比べ低くなり、該装置の消費電力は大きくなる。
(第3の実施形態)
図7は、第3実施形態の画像形成装置における定着装置を主とした構成を示すブロック図である。同図には、定着装置121を主としたこの画像形成装置1の制御系30の構成を示している。この制御系において、定着装置121には、商用電源(AC電源)200および補助電源回路(上記補助電源に相当する)220に含まれる蓄電素子202から電力供給を受けて発熱する定着ローラ301の定着ヒータHT1が設けられている。
また、加圧ローラ302には商用電源200から電力供給を受けて発熱する加圧ヒータHT2が設けられている。定着ヒータHT1には、商用電源200からスイッチ素子であるリレー206、整流器211および降圧回路207で構成されるヒータ点灯回路を介して直流電圧(直流電力)を供給している。さらに、商用電源200からの電力供給を受けて充電された補助電源回路220の蓄電素子202の電荷を、降圧回路207のチョークコイル216を介して、定着ヒータHT1に直流電圧を供給している。
補助電源回路220には、充放電を制御するための充放電制御部203が設けられている。蓄電素子202としては、電気二重層キャパシタ、コンデンサ、1次電池などが用いられる。充放電制御部203は、商用電源200からの交流電圧の電力供給を受けて蓄電素子202を充電する充電手段である充電器を備えている。
蓄電素子202からヒータ点灯回路への電力供給は、降圧回路207のチョークコイル216と磁気的に接合するように配置された補助電源出力コイル316およびスイッチ素子314とドライブ回路317で構成される放電手段を介して行っている。
また、直流電源230からの電力供給を受けて動作し、プリンタエンジンを主とした装置全体を制御するエンジン制御部205が設けられている。
このエンジン制御部205は、図示を省略するが、CPU、ROM、RAM等から構成されたマイクロコンピュータからなり、CPUは、この画像形成装置1を制御するためのプログラムやデータを格納するためのROMと接続されており、そのROMに格納されたプログラムに基づいて、プリンタエンジンや電源回路等の制御を行う一方、制御動作に伴う各種情報をRAMに格納する。
このエンジン制御部205には、この画像形成装置1全体の消費電力を制御する省エネコアが構成されており、画像系装置内の各部品で消費される電力、および、エンジン制御部205の内部で消費される電力を、画像形成装置1全体の省エネルギーのレベルに応じて、複数段階に切り替えを行っている。
このエンジン制御部205は、定着ヒータHT1と商用電源200との間を接続するヒータ点灯回路の降圧回路207の出力のON/OFFを制御することにより、定着ヒータHT1に対する通電を制御(ヒータ点灯/消灯)する。
また、加圧ヒータHT2と商用電源200との間にトライアック218を設けてON/OFFを制御することにより、加圧ヒータHT2に対する通電動作を制御している。なお、図中のTHSTは安全用のサーモスタットである。
このエンジン制御部205には、操作部208や後処理装置209が接続されている。また、画像形成装置1の各負荷で使用する制御および駆動用の直流電圧(例えば、5V、24Vなど)を生成する直流電源が設けられている。直流電源は商用電源200からの電力供給を受けて直流電圧を生成している。さらに、定着装置121には当該定着装置121の定着ローラ301、加圧ローラ302間を通紙される転写紙(用紙)の通過を検出するための紙センサ210が配置されている。
このような基本的な構成に加えて、一つのヒータ(定着ヒータHT1)に通電するヒータ点灯回路の電力源として、商用電源200、または蓄電素子202を含む補助電源回路220、または商用電源200と補助電源回路220を加算した両方の電力源の何れかを切り替えが可能な電源選択手段を有し、画像形成装置1の動作モードまたは定着装置の温度に基づき、上記電源選択手段の切り替え指示、および、一つの定着ヒータに通電する降圧回路を含むヒータ点灯回路に加算する補助電源の加算時間を制御する通電制御手段、すなわち電力制御手段の機能をエンジン制御部205に備えている。
上記電源選択手段は、主に充放電制御部203を介して駆動(オン/オフ)されるリレー204により、どの電源から定着ヒータHT1に電力を供給するかを選択している。また、通電制御手段は主としてエンジン制御部205でソフトウェアプログラムの実行により実現されるものである。
次に、通電制御の処理について説明する。図8は、上記通電制御部の処理を示すフローチャート図である。エンジン制御部205での通電制御では、この画像形成装置1の動作モードに応じて、定着ヒータの電源として補助電源からの電力を加算するか否かを判断し、各定着ヒータの温度を制御している。
まず、ステップS1でサーミスタTH11およびTH12で検出した定着ローラの温度と各々の目標温度との比較を行い、定着温度が高いか否かを判断する。高い場合はステップS7で「フラグ:加算」をリセットし、ステップS12で定着制御処理を実行してステップS1へ戻る。
一方、ステップS1の判断で定着温度が低い場合は、ステップS2で動作モードが省エネルギー状態からの復帰時か否かを判断する。省エネルギー状態からの復帰時の場合は、ステップS8で「フラグ:加算」をセットし、ステップS12で定着制御処理を実行してステップS1へ戻る。
また、ステップS2の判断で動作モードが省エネルギー状態から復帰時でない場合は、ステップS3で動作モードがウォームアップ時か否かを判断する。ウォームアップ時の場合は、ステップS9で「フラグ:加算」をセットし、ステップS12で定着制御処理を実行してステップS1へ戻る。
さらに、ステップS3の判断で動作モードがウォームアップ時でない場合は、ステップS4で動作モードが待機時か否かを判断する。待機時の場合は、ステップS10で「フラグ:加算」をリセットし、ステップS12で定着制御処理を実行してステップS1へ戻る。
また、ステップS4の判断で動作モードが待機時でない場合は、ステップS5で動作モードがプリント時か否かを判断する。プリント時の場合は、ステップS11で「フラグ:加算」をセットし、ステップS12で定着制御処理を実行してステップS1へ戻る。そして、ステップS5の判断で動作モードがプリント時でない場合は、ステップS6で「フラグ:加算」をリセットし、ステップS2へ戻る。
このようにして、動作モードが省エネルギー状態からの復帰時か、ウォームアップ時か、待機時か、プリント時かに応じて「フラグ:加算」のセットまたはリセットの設定を行う。
次に、上記定着制御処理について説明する。図9は、上記定着制御処理を示すフローチャート図である。
まず、ステップS21で「モード切替」で画像形成装置1の動作モードが切り替ってから所定時間以内か否かを判断する。所定時間以内の場合はステップS22で「フラグ:補助電源単独動作」をセットし、所定時間以上の場合はステップS27で「フラグ:補助電源単独動作」をリセットし、それぞれステップS23へ進む。
これにより、各動作モードで定着ヒータへの通電に補助電源を併用する場合は、そのモードに切り替ってから所定時間だけ、補助電源回路220からのみ通電するようにしている。
これは定着ヒータへの突入電流が流れるモード切替直後は、商用電源200からの通電を止め、突入電流が所定値に収束するまで補助電源回路220の蓄電素子202から通電することにより、画像形成装置1の入力電流の平準化およびフリッカの低減を図っている。
次に、ステップS23で補助電源を使うか否かを「フラグ:加算」のセット状態で判断し、そのフラグがセットされていない時は、ステップS30で定着ヒータを商用電源200だけで通電する処理「温度制御:AC」を実行し、この処理を終了する。
また、ステップS23の判断で「フラグ:加算」がセットされている時は、ステップS
24で蓄電素子202の充電電圧が、補助電源回路220が動作するために必要な基準値以上である正常な状態か否かを判断する。蓄電素子202の充電電圧が正常な状態でない場合は、ステップS28で「フラグ:加算」のリセットを行い、ステップS30で商用電源200だけによる定着ヒータへの通電処理「温度制御:AC」を実行し、この処理を終了する。
一方、ステップS24の判断で充電電圧が正常な状態の場合は、ステップS25で補助電源回路220単独で(補助電源回路220だけで)定着ヒータへの通電か否かを判断する。補助電源単独で通電する場合はステップS26で「温度制御:DC」を実行し、商用電源200と補助電源回路220の両方から通電する場合はステップ29で「温度制御:AC+DC」を実行し、この処理を終了する。
上記各「温度制御処理」は、エンジン制御部205の内部でのタイマ割込み処理により所定の間隔(例えば、200ms毎)で処理している。
次に、各「温度制御処理」について説明する。
まず、温度制御処理(AC)について説明する。温度制御処理(AC)では、商用電源200から降圧回路207を介して供給される電源だけで、定着ヒータHT1を通電加熱し、定着ローラ301の温度制御を行っている。具体的には、エンジン制御部205にて、200ms毎の割込み処理で、サーミスタTH11の電圧を読み、定着ローラ温度を検出し、目標値との差異に応じて、該温度が所定値内となるように、降圧回路に出力する加熱ヒータ点灯信号を調整している。降圧回路207では、加熱ヒータ点灯信号に応じて、定着ヒータに供給する出力電圧が変化する。
図10は、温度制御処理(AC)を示すフローチャート図である。まず、補助電源回路の出力をエンジン制御部205から信号(充放電)でオフにする(ステップS41)。定着ローラの温度が基準(目標温度)以上か否かを判断する(ステップS42)。定着ローラの温度が基準以上であると判断した場合は(ステップS42:Yes)、定着ヒータへの通電をエンジン制御部205から出力する信号(加熱ヒータ点灯)でオフにする(ステップS43)。
一方、定着ローラの温度が基準以上でないと判断した場合は(ステップS42:No)、定着ヒータHT1の点灯レベルを設定する(ステップS44)。具体的には、目標温度との差分に応じて降圧回路から定着ヒータHT1への通電量を演算する。次に、その通電量で定着ヒータをオンする(ステップS45)。次に、サーミスタTH12で検出した加圧ローラの温度に応じて、加圧ヒータHT2の通電をエンジン制御部205の信号(加圧ヒータ点灯)でオンまたはオフにし、温度制御を行う(ステップS46)。
次に、温度制御処理(DC)について説明する。温度制御処理(DC)では、商用電源200から一旦、補助電源回路220の蓄電素子202に充電された電荷だけを電源として定着ヒータHT1に通電加熱し、定着ローラ301の温度制御を行っている。また、前述のように補助電源回路が単独で動作する場合は、動作モード変更時や起動時の限られた時間のため、それぞれの動作モードに対応して設定されている出力値が出力できるようにしている。この実施例では、省エネルギーモードとウォームアップモードおよびプリントモードでの起動から所定時間だけ(例えば3秒)補助電源が動作し、そのときの出力は同じ値に設定している。
図11は、温度制御処理(DC)を示すフローチャート図である。まず、降圧回路の出力をエンジン制御部205から信号(加熱ヒータ点灯)でオフにする(ステップS51)。定着ローラの温度が目標温度以上か否かを判断する(ステップS52)。定着ローラの温度が目標温度以上であると判断した場合は(ステップS52:Yes)、定着ヒータへの通電をエンジン制御部205からの信号(充放電)でオフにする(ステップS53)。
一方、定着ローラの温度が目標温度以上でない、すなわち温度が低いと判断した場合は(ステップS52:No)、起動してから3秒経過したか否かを判断する(ステップS54)。起動してから3秒経過したと判断した場合は(ステップS54:Yes)、ステップS53に進む。
起動してから3秒経過していないと判断した場合は(ステップS54:No)、定着ヒータHT1の点灯レベルを設定する(ステップS55)。具体的には、画像形成装置の動作モードに応じて補助電源回路の出力値を設定する。設定された出力量で定着ヒータをオンにする(ステップS56)。これにより、定着ヒータHT1への通電は起動から3秒間だけ行われる。次に、サーミスタTH12で検出した加圧ローラの温度に応じて、加圧ヒータHT2を、通電をエンジン制御部205の信号(加圧ヒータ点灯)でオンまたはオフにし、温度制御を行う(ステップS57)。
次に、温度制御処理(AC+DC)について説明する。温度制御処理(AC+DC)は、上述した温度制御処理(AC)と温度制御処理(DC)の両方を組み合せたもので、定着ヒータHT1に降圧回路207と補助電源回路220の両方から電源を供給し、加熱ローラ301の温度制御を行っている。定着ヒータHT1への通電は、通常は主に商用電源200から降圧回路207を介して供給される電源で行っている。この状態で定着ローラHT1の温度が所定値(目標温度−5℃)よりも低い場合に、補助電源からの通電を併用している。
図12は、温度制御処理(AC+DC)を示すフローチャート図である。まず、定着ローラの温度が基準(目標温度)以上か否かを判断する(ステップS61)。定着ローラの温度が基準以上であると判断した場合は(ステップS61:Yes)、定着ヒータへの通電をエンジン制御部205から出力する信号(加熱ヒータ点灯および充放電)で、降圧回路と補助電源の出力をオフにする(ステップS62)。
一方、定着ローラの温度が基準以上でない、すなわち温度が低いと判断した場合は(ステップS61:No)、さらに目標温度よりも所定値(−5℃)以上低いか否かを判断する(ステップS63)。定着ローラの温度が目標温度よりも所定値以上低いと判断した場合は(ステップS63:Yes)、補助電源の出力設定を行う(ステップS64)。補助電源の出力をオンにし、定着ヒータHT1へ通電を行う(ステップS65)。
次に、主な電源である降圧回路の出力設定を行い(ステップS66)、降圧回路の出力オンにする(ステップS67)。これにより、両方の電源を加算し、定着ヒータHT1への通電を行うことができる。次に、サーミスタTH12で検出した加圧ローラの温度に応じて、加圧ヒータHT2の通電をエンジン制御部205の信号(加圧ヒータ点灯)でオンまたはオフにし、温度制御を行う(ステップS68)。
ステップS63において、定着ローラの温度が目標温度よりも所定値以上低くないと判断した場合は(ステップS63:No)、ステップS66以降の処理を行い、降圧回路の電源によって加圧ローラの温度制御を行う。
次に、「商用電源(AC電源)200」から定着ヒータHT1への通電する場合について説明する。「商用電源(AC電源)200」から定着ヒータHT1への通電時は、リレー204を切り替え、商用電源200だけからヒータ点灯回路の降圧回路207へ給電するようにしており、その場合はリレー204をオフとしている。この電源は主として、画像形成装置1の稼動時(プリント時)に選択される。また、商用電源200からの交流電圧は整流器211で全波整流され、降圧回路207に入力する。
降圧回路207は、一般に知られているチョッパー型のDC/DCコンバータであり、ローサイドに配置してある主スイッチ素子214により駆動される。DC/DCコンバータはチョークコイル216、フライホイール用(転流用)の整流器215、平滑用のコンデンサ217を含む各部により構成されている。主スイッチ素子214の駆動信号は、ドライブ回路317を介してエンジン制御部205から供給され、商用電源200の周波数よりも遥かに高い約20kHzに設定されたパルス幅変調信号(PWM信号)が供給される。
PWM信号は、周期固定でアクティブレベルのパルス幅を可変している。このPWM信号により定着ヒータHT1に印加する電圧の振幅を任意に変えることができ、最終的に定着ローラ301の発熱量をPWM信号で制御している。この降圧回路207は出力の平滑用のコンデンサ217を比較的小さい静電容量値に設定しており、入力電圧波形に相似な出力電圧(定着ヒータ電流)となるようにしている。
図13−1および図13−2は、この画像形成装置1の降圧回路207のチョークコイル216に流れる電流波形を示す図である。PWM信号により、チョークコイル216には、図13に示すような波形の電流Ipが流れる。このようにして、AC電源の周期の全域で電流が流れ、その包絡線が商用電源200の電圧波形ACと相似な正弦波状となる。
また、上述の主スイッチ素子214のオンとオフの比率をPWM信号のレベルで変えることによって正弦波の振幅を可変している。この例では電流Ipは、本画像形成装置1の入力電流とほぼ同じ値である。
図14は、降圧回路207の主スイッチ素子214を駆動するPWM信号のレベルを、100%、70%、40%に切り替えた時の定着ヒータHT1の波形を示す図である。同図の(a)はAC電源の出力する電流の波形図、同図の(b)は定着ヒータに流れる電流の波形図、同図の(c)はAC電源から画像形成装置1に入力される電流の波形図、同図の(d)は降圧回路207の主スイッチ素子214を駆動するPWM信号のレベル変化の一例を示す波形図である。
定着ヒータHT1および画像形成装置1の入力電流が、PWM信号に追従して変化しているのが確認できる。PWM信号のレベルが100%時は、定着ヒータには最も大きな電流が流れ、この結果、同図の(c)に示すように、本画像形成装置1の入力電流ACが最も大きな電流となっている。
次に、「補助電源回路220」から定着ヒータHT1に通電する場合、および、「商用電源(AC電源)200」と「補助電源回路220」の両者から定着ヒータHT1に通電する場合の動作について説明する。「補助電源回路220」から定着ヒータHT1への通電時、および、「商用電源(AC電源)200」と「補助電源回路220」の両者から定着ヒータHT1への通電時は、加算手段により補助電源回路220から降圧回路207を経由して電力供給を行っている。
図7によって上記加算手段について説明する。降圧回路207のチョークコイル216に、補助電源回路220の補助電源出力コイル316を磁気的に接続することにより、降圧回路207と補助電源回路220の加算手段が構成されている。
降圧回路207と補助電源回路220の電圧の加算を効率良く行うために、ここでは補助電源回路220のスイッチ素子314のオンまたはオフのスイッチング動作を、降圧回路207の主スイッチ素子214のスイッチング動作に同期して行うようにしている。これは主スイッチ素子214のオンにより、商用電源200からチョークコイル216に電流が流れ励磁されるタイミングに合わせて、スイッチ素子314をオンしている。
図15は、この画像形成装置1の降圧回路の動作波形を示す図である。同図において、同図中の波形を省略した部分を境界として、左半分の波形部分では加算を行わず、商用電源200単独で動作する場合であり、スイッチ素子314を駆動するPWM信号はオフとすることで、補助電源もオフとなっている。
この場合は、主スイッチ素子214のPWM信号がオンの時に、主スイッチ素子214のコレクタ電流Icが流れ、チョークコイル216は励磁されるとともに、負荷に電圧が出力される。また、主スイッチ素子214のオフ時には、転流用の整流器215を介してチョークコイル216のコアのエネルギーが放出され、ダイオード電流IDが流れている。
一方、図15の右半分の波形部分による加算時には、補助電源出力コイル316を駆動するスイッチ素子314をオンするPWM信号が、主スイッチ素子214のオフに同期して出力されている。これにより、チョークコイル216では、転流時に補助電源出力コイル316からの駆動による励磁が行われ、商用電源200からの電力と補助電源回路220からの電力が加算され、定着ヒータHT1に通電される。上記加算による出力電圧の増加分ΔVは、スイッチ素子314のPWM信号のパルス幅T1を変えることによって任意に設定することができる。
以上により、蓄電素子202から補助電源出力コイル316に流れる電流による励磁と、商用電源200からチョークコイル216による励磁とが加算され、降圧回路207の負荷である定着ヒータHT1には、両者から電力が供給される。なお、「補助電源回路220」からのみ電力を供給する場合は、主スイッチ素子214をオフしている。
次に、降圧回路207のチョークコイル216と、補助電源回路220の補助電源出力コイル316の磁気的な接続は、チョークコイル216のコアに補助電源出力コイル316を巻くことでも実現できるが、この実施例に示すように、チョークコイル216のコアに対峙して補助電源出力コイル316のコアを設けることで磁気的に接続することもできる。これは一般的に知られている非接触給電の技術であり、補助電源出力コイルで作られた磁束が、チョークコイル216のコアを鎖交することで電力を供給する。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を説明する。図16は、第4実施形態の画像形成装置における定着装置を主とした制御系の構成を示すブロック図であり、図7と共通する部分には同一符号を付し、第3実施形態と異なる点についてのみ説明する。また、本実施例が搭載されるデジタル複写機は後述する図20に示す。
第4実施形態にかかる定着装置を主とした制御系40では、降圧回路207の出力で補助電源回路220からの電力を加算するようにしている。そのため、降圧回路207の出力に補助電源の昇降圧トランス416の2次コイルを直列に接続する加算手段を設け、定着装置121に電力を供給している。また、降圧回路207の主スイッチ素子214と補助電源のスイッチ素子314は独立して動作する。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態を説明する。図17は、第5実施形態の画像形成装置における定着装置を主とした制御系の構成を示すブロック図であり、図7、図16と共通する部分には同一符号を付し、第3、4実施形態と異なる点についてのみ説明する。また、本実施例が搭載されるデジタル複写機は後述する図20に示す。
本実施形態にかかる定着装置を主とした制御系50の特徴は、降圧回路207を構成する転流用(フライホイールダイオード)の整流器215と直列に補助電源回路220の出力を接続する加算手段を設けた点である。図7の実施例と同様に、商用電源200からの電力を制御する降圧回路の主スイッチ素子214がオフの期間に補助電源回路220からの電力を加算している。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態を説明する。図18は、第6実施形態の画像形成装置における定着装置を主とした制御系の構成を示すブロック図であり、図7、図16、図17と共通する部分には同一符号を付し、第3〜第5実施形態と異なる点についてのみ説明する。また、本実施例が搭載されるデジタル複写機は後述する図20に示す。
本実施形態にかかる定着装置を主とした制御系60の特徴は、商用電源200により直接(電圧変換手段を介さないで)駆動されるヒータ系で、商用電源と補助電源を加算しヒータへ供給している点である。ここでは、商用電源200からトライアック218を介して通電される加圧ローラ302に内蔵する加圧ヒータHT2と直列に補助電源回路220を接続する加算手段を設けている。
主に加圧ヒータHT2に商用電源200の通電を制御するトライアック218が動作(オン)し、加圧ヒータHT2に電圧が供給されている期間だけ補助電源回路220から電力供給を行うようにしている。そのため、トライアック218が動作している期間だけ、補助電源回路220のスイッチ素子314のスイッチングを行うようにしている。
また、本実施例では、商用電源200と補助電源回路220のどちらか一方だけを選択し、加圧ヒータHT2に電力を供給することが容易にできる。具体的には、従来のように商用電源200からだけ通電する場合は、補助電源回路220のスイッチ素子314のスイッチングをオフとし、一方のトライアック218をオンとすることにより実現できる。
また、補助電源回路220からだけ通電する場合は、トライアック218をオフとし、補助電源回路220のスイッチ素子314のスイッチングをオンとすることによって整流器418を介して加圧ヒータHT2に電力を供給することができる。なお、商用電源200と補助電源回路220からの電力供給を個別にオンまたはオフすることにより、上述の実施例のようにヒータの突入電流が収束するまでの期間は補助電源回路220から通電し、その後、商用電源200または商用電源200と補助電源回路220の加算した電源を選択することもできる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態を説明する。図19は、第7実施形態の画像形成装置における定着装置を主とした制御系の構成を示すブロック図であり、図7、図16〜図18と共通する部分には同一符号を付し、第3〜6実施形態と異なる点についてのみ説明する。また、本実施例が搭載されるデジタル複写機は後述する図20に示す。
本実施形態にかかる定着装置を主とした制御系70の特徴は、商用電源200を変圧器419で変圧した二次回路の交流電圧に、補助電源回路220の昇降圧トランス416の出力を加算している。そのため、変圧器419で加圧ヒータHT2と商用電源200とは絶縁されている。これにより、二次回路で発生した高周波ノイズが一次回路の商用電源200へは伝わり難い構成となっている。また、上述の図16の実施例と同じく、加圧ヒータHT2へ供給する電力の電源は、商用電源200または補助電源回路220から任意に選択できる。
このようにして、一つの定着ヒータに商用電源と補助電源の双方の出力電圧を加算して供給することにより、少ない電源容量で早い立ち上がりを得られる。また、定着ヒータに供給する電源として、商用電源と補助電源の加算した電源または、商用電源または補助電源のどちらか一方の何れからを任意に選択することができる。さらに、補助電源の着脱が容易になる。
上述の実施形態において、商用電源と補助電源の加算手段を設け、加算する時間を制御する通電制御手段を設けることにより、従来よりも少ない電源容量で大きな電力を定着ヒータに供給でき、早い立ち上がりが得られる。また、商用電源を全波整流した電圧と補助電源の直流電圧を加算する構成を設けることにより、定着装置に効率良く多くの電力を供給でき、早い立ち上がりを実現できる。
さらに、商用電源を変圧した出力電圧と補助電源の直流電圧を加算する手段を設けることにより、商用電源をその周波数のまま定着ヒータに供給する定着ヒータ点灯回路で、さらに多くの電力を定着ヒータに供給することができ、定着装置に商用電源を直接通電する場合も早い立ち上がりを実現できる。
また、商用電源の周波数の周期を基準に、補助電源の直流電圧を加算する通電制御を設けることにより、画像形成装置の消費電流の変動によるフリッカを従来よりも低減させ、消費電流の平準化が可能になる。さらに、商用電源の周波数の一周期を越える期間、補助電源の直流電圧を加算することにより、画像形成装置の消費電流の変動によるフリッカを従来よりも低減させ、消費電流が平準化された通電制御行うことができる。また、ヒータ点灯回路のチョークコイルに、補助電源の補助電源出力コイルから電力を加算する手段を設けることにより、簡単な構成で商用電源と補助電源を加算し、従来よりも大きな電力を定着ヒータに供給することができる。
さらに、商用電源の主スイッチ素子のスイッチング動作に同期して、補助電源のスイッチ素子のスイッチング動作を行うことにより、商用電源と補助電源の加算を効率良く行うことができる。また、ヒータ点灯回路のトライアックが導通と、補助電源の加算を同期することにより、商用電源をその周波数のままで定着ヒータに通電する場合でも、消費電流の直流分を増やさず加算を行うことができ、画像形成装置の消費電流の直流成分を低減することができる。さらに、補助電源の着脱手段を設けることにより、使用者が必要な時に容易に補助電源を取り付けることができる。また、他の機器と補助電源を共用することによる経済的な利点もある。
また、補助電源からヒータ点灯回路への電力供給を、磁気結合により行うことにより、補助電源を機器の使用者が容易に着脱でき、補助電源から定着装置への電力供給と、使用者による着脱性を両立させることができる。さらに、商用電源の周波数の一周期を単位としてスイッチング時のデューティーを更新することにより、商用電源の周波数よりも高い周波数でスイッチングを行う場合でも、従来よりも商用電源への妨害を低減できる。さらに、このスイッチング方法により温度リップルを少なくすることができる。また、商用電源を全波整流した電源を高い周波数でスイッチングする降圧回路の出力と、蓄電素子の電源と補助電源出力コイルを設けた補助電源の出力を加算し、定着ヒータに供給することにより、突入電流が少なく立ち上りの早い画像形成装置を提供することができる。
さらに、商用電源を全波整流した電源を高い周波数でスイッチングする降圧回路のフライホイール用(転流用)の整流器に、蓄電素子を電源とする補助電源出力コイルの電圧の加算手段を設け、定着ヒータに供給することにより、突入電流が少なく立ち上りの早い画像形成装置を提供することができる。また、商用電源に補助電源の電圧を加算して定着ヒータに供給するとともに、商用電源と補助電源を個別にオンまたはオフすることにより、突入電流が少なく立ち上りの早い画像形成装置を提供することができる。さらに、商用電源を変圧した二次回路に補助電源の電圧を加算して定着ヒータに供給するとともに、商用電源と補助電源を個別にオンまたはオフすることにより、商用電源への妨害や突入電流が少なく、しかも立ち上りの早い画像形成装置を提供することができる。
また、各実施形態の共通する効果として、定着装置の一つのヒータを駆動する電源として、「商用電源」および「蓄電素子による補助電源」から、および「商用電源と補助電源の両方」の何れかを選択可能な手段を設け、画像形成装置の動作モードまたは定着装置の温度に基づき選択することにより、定着装置への商用電源からの電力供給が不足する場合は、「商用電源と補助電源の両方」に切り替える事で瞬間的に定着装置に大電流を供給できる。さらに、定着装置に大電流を供給することにより、定着装置の立ち上り時間を短縮することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、上記「補助電源」を選択した場合は画像形成装置の入力電流のうち定着装置へ供給していた分を低減することができる。ここで低減した電力を画像形成装置内の他の個所へ供給することができるので、画像形成装置の限られた消費電力を有効に使いより多くの処理を行うことが可能となる。他への電力供給による効果は、プリントスピードのアップや、周辺装置などの駆動へ供給が可能となる。さらに、上記「商用電源」および「補助電源」および「商用電源と補助電源の両方」を切り替えることにより、画像形成装置の入力電流を意図的に増減させる消費電力制御を行うことができ、商用電源からの入力電流の平準化を計ることができる。
また、上記「商用電源」および「補助電源」のどちらの電源の場合も降圧回路を介して、定着装置のヒータに電力を供給する構成としたので、電源が上記の何れの場合も、一つのヒータに電力を供給し、さらに供給電力を制御することができる。また、これにより従来のように「補助電源」専用のヒータを設けなくてもよいので定着装置の構成を大幅に簡略化にすることができ、廉価な画像形成装置を提供することができる。さらに、上記「補助電源」から供給する電圧を出力トランスで昇圧することができ、その電圧を定着装置に電力を供給する降圧回路に接続したので、「補助電源」の蓄電素子の充電電圧が低下しても一定の電圧を供給することができ、定着装置の発熱量を一定に保つことができる。また、「補助電源」の電圧を昇圧する手段を設けることにより、蓄電素子の充電電圧を低くすることができるため、蓄電素子である高価な電気二重層キャパシタの個数を少なくすることができるため、安価な画像形成装置を提供することができる。
図20は、この発明を実施するための最良の形態の画像形成装置の機構部の一例を示す概略構成図である。この画像形成装置1は、デジタル複写機を含む画像形成装置である。すなわち、この画像形成装置1は、複写機能と、それ以外の機能、例えば、プリンタ機能、ファクシミリ機能とを備えており、操作部のアプリケーション切り替えキー(図示を省略する)の操作により、複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能である。これにより、複写機能の選択時には複写モードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリントモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
この画像形成装置1において、自動原稿送り装置(「自動原稿給送装置」ともいう。以下「ADF」という)101に設けられている原稿トレイ(「原稿台」ともいう)102に画像面を上にして置かれた原稿束は、コピーモード時に操作部(図示を省略する)上のスタートキーが押下されると、一番下の原稿から1枚ずつ順次給送ローラ103、給送ベルト104によってコンタクトガラス105上の所定の位置に給送されてセットされる。ADF101は、1枚の原稿の給送完了毎に原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有する。コンタクトガラス105上のセットされた原稿は、画像読取手段を構成する画像読取装置(「スキャナ」又は「読み取りユニット」ともいう)106によって画像が読み取られ、その読み取りが終了した後、給送ベルト104及び排送ローラ107によって排紙台108上に排出される。
なお、1枚の原稿の画像の読み取りが終了する毎に、原稿セット検知器(「原稿セット検知センサ」ともいう)109によって原稿トレイ102上に次の原稿があるかないかを検知し、原稿セット検知器109で原稿トレイ102上に次の原稿が存在することが検知された場合には、原稿トレイ102上の一番下の原稿を前の原稿と同様にして給送ローラ103、給送ベルト104によってコンタクトガラス105上の所定の位置に給送し、以後上述と同様の動作を行う。また、給送ローラ103、給送ベルト104、排送ローラ107は図示を省略した搬送モータによって駆動される。
第1給紙装置110、第2給紙装置111、第3給紙装置112は、各々選択されたときに、それぞれ第1給紙トレイ113、第2給紙トレイ114、第3給紙トレイ115に積載された転写紙(用紙)を給紙し、その転写紙は縦搬送ユニット116によって感光体117に当接する位置まで搬送される。感光体117は、例えば感光体ドラムが用いられており、図示を省略したメインモータによって回転駆動される。
画像読取装置106による原稿の画像読み取りによって入力された画像データ(画像情報)は、図示を省略した画像処理装置で所定の画像処理が施された後、そのまま、あるいは画像記憶手段を構成する図示を省略した画像メモリに一旦記憶させた後、画像印刷手段(プリンタ)を構成する書き込みユニット118に送られ、その書き込みユニット118によって光情報に変換し、感光体117の面には図示を省略した帯電器によって一様に帯電された後に書き込みユニット118からの光情報で露光されて静電潜像が形成される。この感光体117上の静電潜像は、現像装置(「現像ユニット」ともいう)119により現像されてトナー像が形成される。
感光体117、帯電器、書き込みユニット118、現像装置119や、その他の図示を省略した感光体117回りの周知の装置などにより、電子写真方式で画像データにより画像を転写紙上に形成する画像形成動作を行う画像形成手段であるプリンタエンジンを構成している。搬送ベルト120は、用紙搬送手段及び転写手段を兼ねていて電源から転写バイアスが印加され、縦搬送ユニット116からの転写紙を感光体117と等速で搬送しながら感光体117上のトナー像を転写紙に転写する。この転写紙は、定着装置121によりトナー像が定着され、排紙ユニット122により排紙トレイ123に排出される。感光体117、帯電器、書き込みユニット118、現像装置119、転写手段、画像データにより画像を転写紙上に形成する画像形成手段を構成している。
以上の動作は、通常のモードで転写紙の片面に画像を複写するときの動作であるが、両面モードで転写紙の両面に画像を複写する場合には、第1〜第3給紙トレイ113〜115の何れかより給紙されて表面に上述のように画像が形成された転写紙は、排紙ユニット122により排紙トレイ123側ではなく、両面入紙搬送路124側に切り替えられ、反転ユニット125によりスイッチバックされて表裏が反転され、両面搬送ユニット126へ搬送される。
この両面搬送ユニット126へ搬送された転写紙は、両面搬送ユニット126により縦搬送ユニット116へ搬送され、縦搬送ユニット116により感光体117に当接する位置まで搬送され、感光体117上に上述と同様に形成されたトナー像が裏面に転写されて、定着装置121でトナー像が定着されることにより両面コピーとなる。この両面コピーは排紙ユニット122により排紙トレイ123に排出される。また、転写紙を反転して排出する場合には、反転ユニット125によりスイッチバックされて表裏が反転された転写紙は、両面搬送ユニット126に搬送されずに反転排紙搬送路127を経て排紙ユニット122により排紙トレイ123に排出される。
プリントモードでは、上記画像処理装置からの画像データの代りに、外部からの画像データが書き込みユニット118に入力されて、上述と同様に転写紙上に画像が形成される。さらに、ファクシミリモードでは、画像読取装置106からの画像データが、図示を省略したファクシミリ送受信部により相手に送信され、相手からの画像データがファクシミリ送受信部で受信されて上述の画像処理装置からの画像データの代りに書き込みユニット118に入力されることにより、上述と同様に転写紙上に画像が形成される。
また、この画像形成装置1には、図示を省略した大量用紙供給装置(以下「LCT」という)と、同じく図示を省略したソート、穴あけ、ステイプルを含む処理を行うフィニッシャー(後処理装置)と、原稿の画像の読み取りのためのモード、複写倍率の設定、給紙段の設定、フィニッシャーで後処理の設定、オペレータに対する表示を行う各種キーやLCDを含むディスプレイを有する操作部とを備えている。
画像読取装置106は、原稿を載置するコンタクトガラス105と光学走査系で構成されており、光学走査系は露光ランプ128、第1ミラー129、レンズ132、CCDイメージセンサ133を含む各部で構成されている。露光ランプ128および第1ミラー129は、図示を省略した第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー130および第3ミラー131は、同じく図示を省略した第2キャリッジ上に固定されている。原稿の画像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に走査される。上記光学走査系は、図示を省略したスキャナ駆動モータを含む駆動部によって駆動される。
画像読取装置106は、原稿の画像を光学的に読み取って電気信号に変換する(原稿の画像データを読み取る)。すなわち、光学走査系の露光ランプ128によって原稿の画像面を照明し、その画像面からの反射光像を第1ミラー129、第2ミラー130、第3ミラー131、レンズ132を介してCCDイメージセンサ133の受光面に結像させ、そのCCDイメージセンサ133によって電気信号に変換する。このとき、レンズ132およびCCDイメージセンサ133を、図1の左右方向に移動させることにより、原稿の給送方向の画像読み取り倍率が変わる。つまり、予め設定された画像読み取り倍率に対応してレンズ132およびCCDイメージセンサ133の左右方向の位置が設定される。
書き込みユニット118は、レーザ出力ユニット134、結像レンズ135、ミラー136を含む各部で構成され、レーザ出力ユニット134の内部にはレーザ光源であるレーザダイオードおよびモータによって高速で定速回転するポリゴンミラー(回転多面鏡)が備わっている。レーザ出力ユニット134より照射されるレーザビーム(レーザ光)は、定速回転するポリゴンミラーで偏向され、結像レンズ135を通り、ミラー136で折り返され、感光体117の帯電面に集光されて結像される。
すなわち、ポリゴンミラーで偏向されたレーザビームは感光体117が回転する方向と直交する方向(主走査方向)に露光走査され、画像処理装置より出力される画像データのライン単位の書き込みを行う。感光体117の回転速度と走査密度(記録密度)に対応する所定の周期で主走査を繰り返すことにより、感光体117の帯電面に静電潜像が形成される。
次に、図20の定着装置121の構成について説明する。図21は、図20の定着装置121の構成例を示す説明図である。図21に示すように、定着装置121は、定着部材である定着ローラ301に、シリコンゴムを含む弾性部材からなる加圧部材としての加圧ローラ302が、図示を省略した加圧手段により一定の加圧力で押し当てられている。定着部材と加圧部材は、一般的にローラ状である場合が多いが、例えば、何れか一方又は両方を無端ベルト状に構成するようにしてもよい。この定着装置121には、定着ヒータHT1、加圧ヒータHT2が適宜位置に設けられる。例えば、定着ヒータHT1は、定着ローラ301の内部に配置されており、定着部材である定着ローラ301を内側から加熱する。また、加圧ヒータHT2は、加圧ローラ302の内部に配置されており、加圧部材である加圧ローラ302を内側から加熱する。
定着ローラ301及び加圧ローラ302は、図示を省略した駆動機構により回転駆動される。サーミスタを含む温度センサTH11は、定着ローラ301の表面に当接され、定着ローラ301の表面温度(定着温度)を検出する。同じくサーミスタを含む温度センサTH12は、加圧ローラ302の表面に当接され、加圧ローラ302の表面温度を検出する。トナー像306を担持した転写紙を含む記録媒体であるシート307は、定着ローラ301と加圧ローラ302とのニップ部を通過する際に、定着ローラ301と加圧ローラ302による加熱及び加圧でトナー画像として定着される。
第1の発熱部材である定着ヒータHT1は、この画像形成装置1の主電源投入の時や、省エネのためのオフモードの状態からコピー可能となるまでの立ち上げ時、さらに、主たる動作のプリントやコピー時に、定着ローラ301および加圧ローラ302が基準となる目標温度に達していない全ての状態でオン(ON)される。したがって、定着ローラ301は加熱する主たるヒータ(主ヒータ)である。第2の発熱部材である加圧ヒータHT2は、加圧ローラ302の基準となる目標温度に達していないときにONにされて、特に、加圧ローラの温度が低い時に加圧ローラ302を加熱するように設けられている。その具他的な動作は、低温時の定着装置121のウォームアップを含む動作時にONにされる。
次に、商用電源からの電圧に補助電源からの電圧を加算する処理の概要を説明する。図22は、商用電源からの電圧に補助電源からの電圧を加算する処理の説明に供する図である。同図には、定着装置の一つのヒータHTに商用電源ACから供給される電圧に、上記画像形成手段中の電力供給対象部に直流電力を供給する供給手段である蓄電素子DCを含む補助電源の電圧を加算するための概略の構成を示す。蓄電素子DCには通電制御手段と補助電源も含まれている。また、商用電源ACには商用電源からの電力供給を受けて定着装置の一つのヒータHTに通電するヒータ点灯手段であるヒータ点灯回路が含まれている。
同図では、商用電源ACと蓄電素子DCがヒータHTと直列に接続してある。これにより、ヒータHTには商用電源ACと補助電源の蓄電素子DCの電圧が加算された電圧が供給され、AC+DCの電流が流れる。商用電源ACの交流電圧をそのままヒータHTに供給する場合と、一旦、整流した後に、脈流または直流電圧として供給する場合がある。また、蓄電素子DCを電圧源とする補助電源も、直流電圧をそのままヒータHTに供給する場合と、一旦、降圧回路などの電圧変換手段を介してヒータHTに供給する場合がある。それらの詳細については別途説明する。
図23は、この画像形成装置1に着脱自在に設置した補助電源の構成を示すブロック図である。ここでは、信号の接続をコネクタで行い、出力は分割して設けたチョークコイルで行うことにより、補助電源を画像形成装置1から容易に着脱自在な構成となるようにしている。
まず、「補助電源回路220」からだけ定着ヒータHT1に電力を供給する場合は、電源選択手段ではリレー204をオン、また、リレー206をオフに切り替えている。これにより、AC電源200から降圧回路207への通電を遮断し、定着ヒータHT1への通電を補助電源回路220の「蓄電素子(202)」からだけ行うようにしている。その電源は主として、入力電流の平準化および定着ローラの温度リップル低減、画像形成装置1の起動時(ウォームアップ時およびプリント開始時および省エネモードからの復帰時など)に定着ヒータHT1の突入電流が所定値に収束するまでの時間や稼動時(プリント時)に選択している。
図24は、第3実施の形態の画像形成装置における定着装置を主とした構成のうち、この動作によって補助電源から通電される部分の構成のみを抜粋して示す図である。同図に示すように、チョークコイル216と補助電源出力コイル316でトランスが構成された回路となっている。ヒータに通電される電圧は、整流器215とコンデンサ217で整流された直流となる。なお、この実施例では、スイッチ素子314を駆動するPWM信号は一定のレベル(オンとオフの比率)であるが、定着ヒータHT1に供給する電圧または定着ローラ301の温度に応じてPWM信号のレベルを可変してもよい。
また、「商用電源と蓄電素子の両方」から定着ヒータHT1に電力を供給する場合は、電源選択手段はリレー206およびリレー204の両方をオンするようにしている。これにより、降圧回路207の入力には、「AC電源200」と「蓄電素子(202)」の両方が接続され、上述の図15での説明のようにチョークコイル216で両者の電圧が加算され、定着ヒータHT1に通電される。この電源は主として、画像形成装置の起動時(ウォームアップ時およびプリント開始時および省エネモードからの復帰時など)や特に定着ヒータHT1の温度が基準よりも低い場合に選択される。
なお、この発明による画像形成装置は、ファクシミリ装置、プリンタ、複写機を含む画像形成装置全般に適用することができる。
以上、本発明を第1〜第7実施の形態を用いて説明してきたが、上述した実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。なお、上述した第1〜第7実施の形態において説明した構成や機能は、自由に組み合わせることができる。